JP2006036079A - 車両用バンパー構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 車両用バンパー構造20は、リヤバンパービーム21の上面部61aから上フランジ61を上方に張り出し、上フランジ61の上縁61cに車幅方向に延びるアブソーバ22を載置するとともに、アブソーバ22の左右の支持端部34,35をリヤバンパービーム21に取り付け、アブソーバ22の支持端部34,35近傍にそれぞれ切欠部71,72を形成し、それぞれの切欠部71,72間において、アブソーバ22の上端部36cに、下中空突起67の後端67aまで車体後方に突出させた突出部73を備える。
【選択図】 図2
Description
この車両用バンパー構造は、リヤバンパーフェイスの上方にテールゲートが設けられた車両に適用され、リヤバンパーフェイスが変形した場合に、変形したリヤバンパーフェイスの上部でテールゲートが損傷しないように構成されている。
加えて、車両用バンパー構造のなかには、リヤバンパーフェイスの上部に、ふみ段用のバンパーステップを備えたものがある。
次図で、低速(約8km/Hr以下)衝突時の小さい衝突エネルギーを吸収可能で、かつバンパーステップを備えた車両用バンパー構造の一例を説明する。
車体後部のバンパー構造150は、車体後部151のテールゲート152の下方に車幅方向に延びるリヤバンパービーム153を備え、このリヤバンパービーム153の後部154に緩衝部材155を備え、緩衝部材155およびリヤバンパービーム153のそれぞれの上部にアブソーバ156を備え、リヤバンパービーム153、緩衝部材155およびアブソーバ156をリヤバンパーフェイス157で覆い、リヤバンパーフェイス157の上部158で、かつテールゲート152の後方に、ふみ段用のバンパーステップ159を備える。
加えて、リヤバンパーフェイス157の上部158には、ふみ段用のバンパーステップ159を備える。
ここで、リヤバンパーフェイス157の上部158が折れ曲がるためには、上部158の下方に空間を必要とする。
加えて、リヤバンパーフェイス157の上部158にはバンパーステップ159が設けられているので、リヤバンパーフェイス157の上部158を折り曲げることはさらに難しい。
リヤバンパーフェイス157の上部158に段部161を形成して、段部161から変形しやすい形状とする。これにより、低速衝突時に、上部158の前端部158aが車体後部151の後端部151aに当接して、段部161を変形させることができる。
このため、リヤバンパーフェイス157のデザインに制約を受け、そのことが外観性の向上を図る妨げになっていた。
アブソーバが車体前方に移動してフランジの上縁から、バンパービームの上辺に落下することで、アブソーバがバンパーフェイスの上部から離れる。よって、バンパーフェイスの上部下方に比較的大きな間隔を形成する。
この間隔を利用して、バンパーフェイスの上部を変形させて、バンパーフェイスを好適に変形することができる。
これにより、バンパーフェイスの上部前端部に、変形を促進するための段部を形成する必要がない。
車両10は、車体11の後部12にテールゲート13を備え、このテールゲート13の下方および左右の後輪15,15の後方に車両用バンパー構造20を備える。
テールゲート13は、上端部14をヒンジ(図示せず)を介して車体11の後部12に回動自在に取り付けることにより、前記ヒンジを支点として閉位置と開位置とにスイング自在に支持されている。
閉位置は、車室(図示せず)をテールゲート13で閉じる位置であり、開位置は、車室を開放する位置である。
以下、車両用バンパー構造20について細説する。
車両用バンパー構造20は、車体後部12のテールゲート13(図1参照)の下方に車幅方向に延びるリヤバンパービーム(バンパービーム)21を備え、このリヤバンパービーム21にアブソーバ22を備え、リヤバンパービーム21およびアブソーバ22をリヤバンパーフェイス(バンパーフェイス)23で覆い、このリヤバンパーフェイス23にバンパーステップ24を設けたものである。
アブソーバ22は、発泡剤で略湾曲状に形成した変形可能な部材であり、衝突エネルギーを吸収可能な部材である。
フェイス本体43は、上部44にバンパーステップ24を載置する載置部位45を備え、載置部位45にバンパーステップ24のクリップ46…,47…および前差込片48…(図5、図6参照)を差し込む係止孔51…,52…および差込孔53…を備える。
バンパーステップ24は、上面に凹み25…を備える。
リヤバンパービーム21は、車体フレーム26の後端部26aに、ビーム本体55の左右の端部55a,55bを取付ブラケット29,29を介して取り付け、ビーム本体55の前部中央55cにガセット56を備え、ビーム本体55の後部55d(図5、図6参照)に沿って取り付けるビームプレート58を備える。
下張出片62bに、ビームプレート58の下辺58bを重ね合わせ、これらの部材62b、58bをスポット溶接により接合する。
また、下張出片61bとビームプレート58の下辺58bとを接合した部位を、下方に張り出した下フランジ62とする。
この緩衝部材65は、ビームプレート58の上下に備えた2条(上下)の中空突起66,67である。
上側の上中空突起66は、車体後方への突出高さがH1(図6も参照)であり、下側の下中空突起67は、車体後方への突出高さがH2(図6参照)である。
突出部73…は、緩衝部材65の後端、すなわち下中空突起67の後端67a(緩衝部材の後端)(図6参照)まで車体後方に突出させた突出片である。
これにより、リヤバンパーフェイス23の載置部位45をアブソーバ22で支えることができる。
すなわち、突出部73…を車体前方に向けて押圧することで、切欠部71,72を変形させて、アブソーバ本体36を左右の支持端部34,35から切り離す。
これにより、リヤバンパーフェイス23の上部44の下方に、上部44を折り曲げるために必要な空間89(図8(b)参照)を確保することができる。
これにより、アブソーバ本体36を、ビーム本体55の上面部61aおよびガセット56の上面部56aに載る位置まで確実に下降させることができる。
リヤバンパービーム21のビーム本体55は、上下の突条部81,82(図3も参照)を有し、上突条部81の上面部61aから上方に張り出した上張出片61bを備え、下突条部82の下面部62aから下方に張り出した下張出片62bを備える。
上突条部81および下突条部82は、いわゆる、ハット形断面(まわりにふちのある帽子の断面)に形成されている。
下張出片62aに、ビームプレート58の下辺58bを重ね合わせ、両部材62b,58bをスポット溶接により接合する。
上下の突条部81,82を連結する連結部83に、ビームプレート58の中央部58cを重ね合わせ、両部材83,58cをスポット溶接により接合する。
下張出片62b、およびビームプレート58の下辺58bとを接合した部位を、下方に張り出した下フランジ62とする。
この状態で、左支持端部34の上端34bが、リヤバンパーフェイス23の上部44に備えた載置部位45の内面に当接する。
この状態で、右支持端部35の上端35bが、リヤバンパーフェイス23の上部44に備えた載置部位45の内面に当接する。
バンパーステップ24の後辺24b側に下方に突出した後クリップ52…を備え、載置部位35の後部に係止孔51…を備える。後クリップ52…を後係止孔52…に差し込む。
リヤバンパーフェイス23の上部44で、かつリヤバンパーフェイス23の前端44a近傍の上方には、テールゲート13が設けられている。
リヤバンパービーム21は、ビーム本体55の前部中央55cにガセット56が設けられ、ビーム本体55の後部55dに、一例として3個の補強プレート84…(1個のみを図示する)が所定間隔をおいて設けられ、ビーム本体55の後部55dに取り付けたビームプレート58で3個の補強プレート84…が覆われている。
上下の突条部81,82を連結する連結部83に、補強プレート84…の中央部84c…およびビームプレート58の中央部58cを重ね合わせ、それぞれの部材83,84c…,58cをスポット溶接により接合する。
下張出片62b、補強プレート84…の下端部84b…およびビームプレート58の下辺58bとを接合した部位で、下方に張り出した下フランジ62の一部を構成する。
上中空突起66は、車体後方への突出高さがH1であり、下中空突起67は、車体後方への突出高さがH2である。
突出高さH1と突出高さH2との関係は、H1<H2が成立する。
これにより、リヤバンパーフェイス23の載置部位45を、アブソーバ本体36で支え、リヤバンパーフェイス23の剛性を高めることができる。
よって、下中空突起67を潰す時期に合わせて、リヤバンパーフェイス23の上部44を潰すことで、衝突エネルギーを効率よく吸収する。
間隔Sが2mm未満になると、車体11に組み付ける際に、組付け公差により、アブソーバ22がリヤバンパーフェイス23と干渉して上フランジ61から外れてしまう虞がある。
間隔Sが5mmを超えると、低速衝突(軽衝突)時に、例えば下中空突起67の変形量によっては、アブソーバ本体36が上フランジ61から外れない虞がある。
そこで、間隔Sを2〜5mmの範囲に設定して、アブソーバ22の組付け性を高め、かつ低速衝突時に、アブソーバ本体36を上フランジ61から確実に外れるようにした。
前差込片48…を前差込孔53…(1個のみを図示する)に差し込むとともに、後クリップ47…を後係止孔52…に差し込む。
前差込孔53…に前差込片48…を差し込む構成とすることで、前差込孔53…から前差込片48…を比較的簡単に外すことができる。
さらに、バンパーステップ24の前辺24a側に備えた前差込片48…(図6参照)は、中央部24eのエリアE3に使用されている。
加えて、バンパーステップ24の前辺24a側で、かつ中央部24eのエリアE3に前差込片48…を備えることで、前差込孔53…から前差込片48…を比較的簡単に外すことができる。
図7(a),(b)は本発明に係る車両用バンパー構造のバンパーフェイス後部が壁部に衝突した例を説明する図である。
(a)において、車両が低速走行の際に、リヤバンパーフェイス23の後部86が壁部88に低速衝突することが考えられる。
リヤバンパーフェイス23の上部44が、僅かに変形することで、バンパーステップ24の前差込片48…が前差込孔53…から外れる。
加えて、リヤバンパーフェイス23の後部86が突出部73…の後端73a…に当接することで、突出部73…を矢印fの如く車体前方に向けて押し出す。
(a)において、突出部73…を車体前方に向けて押圧することで、切欠部71,72で左右端部36a,36bを変形する。
アブソーバ本体36が左右の支持端部34,35から車体前方に矢印gの如く移動する。
アブソーバ本体36の底部36d((b)参照)を上フランジ61の上縁61cから外して、アブソーバ本体36を矢印hの如く下降させる。
ここで、アブソーバ本体36の上端部36cに突出部73…を設けたので、ビーム本体55の上面部61aおよびガセット56の上面部56aにアブソーバ本体36が載った際に、突出部73…を上フランジ61の上方に位置させる。
これにより、リヤバンパーフェイス23の上部44の下方に空間89を確保する。
リヤバンパーフェイス23の上部44の変形に伴って、バンパーステップ24のエリアE2,E2(図2参照)の前クリップ46…(図5参照)が前係止孔51…から外れる。
この際に、上下の中空突起66,67が潰れて、衝突エネルギーを吸収する。
さらに、リヤバンパーフェイス23の上部44をテールゲート13の後側で山形に好適に変形させることで、テールゲート13が損傷する虞はない。
Claims (2)
- 車体後部のテールゲートの下方に車幅方向に延びるバンパービームを備え、このバンパービームに緩衝部材を備え、バンパービームおよび緩衝部材をバンパーフェイスで覆った車両用バンパー構造において、
前記バンパービームの上面からフランジを上方に張り出し、
このフランジの上縁に車幅方向に延びるアブソーバを載置するとともに、アブソーバの両端部をバンパービームに取り付け、
このアブソーバの両端部近傍にそれぞれ切欠部を形成し、
それぞれの切欠部間において、前記アブソーバの上端部に、前記緩衝部材の後端まで車体後方に突出させた突出部を備えたことを特徴とする車両用バンパー構造。 - 前記バンパーフェイスの上部で、かつ前記テールゲートの後方に、前記上部が変形した際に、変形した上部から前辺側が外れるように、ふみ段用のバンパーステップを設けたことを特徴とする請求項1記載の車両用バンパー構造。
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