JP2006035160A - 梨地状光輝性被膜及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 基材に落ち着いた高級感のある新しい質感の光輝性外観を与える被膜構造を提供する。
【解決手段】
基材10表面に、基材10表面に近い方から順に、(a)下地層12、(b)光輝性粉末材料14aと樹脂成分とを含む光輝層14と、(c)金属を含むドライプレーティング層16と、(d)トップコート層18とを備えることを特徴とする梨地状光輝性被膜構造。光輝層14の膜厚が5〜35μm、ドライプレーティング層16の膜厚が0.01〜0.12μm、光輝性粉末材料14aの粒径が5〜80μmであることが好適である。光輝層14の上にドライプレーティング層16を設け、ドライプレーティング層16での鏡面反射光2と光輝層14での散乱反射光4とが観察されるようにすることで、金属光沢と梨地感が得られ、奥行き感のある落ち着いた印象の梨地状光輝性外観が得られる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光輝性被膜構造、特に、金属光沢感がありながら落ち着いた印象で高級感の非常に高い梨地状光輝性被膜構造ならびにその形成方法に関する。
金属材料や樹脂材料の表面を光輝化処理するために、電気クロムメッキ法(湿式メッキ)が一般に用いられてきた。
しかし、電気クロムメッキでは、鏡面仕上げのように金属光沢が強く、華やかさはあるものの、落ち着いた高級感は得られない。また、電気メッキ法は排水処理などの環境対策が必要である。このため、電気メッキ法に代わる方法が各種検討されている。
最も一般的な方案は、アルミフレークを顔料として樹脂中に含有するシルバー塗料やメタリック塗料による塗装法である。しかしながら、シルバー塗装やメタリック塗装は、金属光沢が十分とは言えず仕上がりの高級感に欠け、また、一般化され過ぎて現在ではその商品価値は低くなってしまっている。
また、非常に薄いアルミなどの箔片を使用したメッキ調塗装(ハイグロス)塗装もあるが、この方法では被処理表面に平滑性が要求され、そのため、被処理面の微小なゴミやブツが目立ち、歩留まりが悪いという問題がある。また、得られた外観はメッキ調のであり、やはり落ち着きのある高級感という点では不十分である。
近年では、環境負荷が少ないドライプレーティング(乾式メッキ)も採用されてきている。しかし、製法、品質面ではメッキ調塗装以上に被処理面の平滑性が求められ、ゴミやブツが大きな障害となっている。また、その外観は、湿式メッキと同様に鏡面タイプのピカピカした外観である。
基材表面の光輝化については様々なニーズがあり、このようなニーズに対応するためにも、新しい質感を付与できる処理方法が求められている。
特許文献1には、軽金属製ホイール表面の表面に微細な凹凸を形成し、この微少な凹凸を生かしてドライプレーティングすることにより、光沢が抑えられ、梨地状のはっきりとした、しっとりとした高級感のあるいぶし銀のような輝きを持つ外観が得られることが記載されている。
特開2004−17738号公報
しかしながら、この方法では凹凸を生かすように下地層とドライプレーティング層を積層する必要があるが、下地層を塗装する際には通常凹部は厚く凸は薄くなりやすいので、均一に塗装することは困難である。その結果、積層により凹凸差が縮小しやすく、梨地状外観の発現には限度があった。また、さらに高級感の高い光輝性被膜も望まれるところであった。
本発明は、前記背景技術に鑑みなされたものであり、その目的は、基材に落ち着いた高級感のある新しい質感の光輝性外観を与える被膜構造を提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明者らが鋭意検討を行った結果、光輝性粉末材料を含む光輝層の上に、金属を含むドライプレーティング層を設け、ドライプレーティング層での反射光とともに、光輝層での散乱反射光も観察されるようにすると、光輝層のみでは認められなかった均一で微細な斑点(あるいは凹凸)があるように見え(梨地感)、しかも高い金属光沢もあり、奥行き感のある落ち着いた印象の梨地状光輝性外観が得られ、これまでにない全く新しい高級感が実現されることを見出した。
すなわち、本発明にかかる光輝性被膜構造は、基材表面に、基材表面に近い方から順に、
(a)下地層と、
(b)光輝性粉末材料と樹脂成分とを含む光輝層と、
(c)金属を含むドライプレーティング層と、
(d)トップコート層と
を備えることを特徴とする。
本発明において、(b)光輝層の膜厚が5〜35μm、(c)ドライプレーティング層の膜厚が0.01〜0.12μmであることが好適である。
また、光輝性粉末材料の粒径が5〜80μmであることが好適である。
また、光輝層中、光輝性粉末材料が樹脂成分に対して2〜35質量%であることが好適である。
また、本発明の光輝性軽合金製ホイールは、前記何れかに記載の光輝性被膜構造の基材が軽合金製ホイールであることを特徴とする。
本発明にかかる光輝性被膜の形成方法は、光輝性粉末材料と樹脂成分とを含む光輝層の表面上に、金属を含むドライプレーティング層を形成することを特徴とする。
本発明の方法において、基材表面上に下地層を形成する工程と、
前記下地層の上に光輝性粉末材料と樹脂成分とを含む光輝層を形成する工程と、
前記光輝層の上に金属を含むドライプレーティング層を形成する工程と、
前記ドライプレーティング層の上にトップコート層を形成する工程と、
を備えることが好適である。
本発明の被膜構造によれば、図1のように、入射光の一部は、ドライプレーティング層16で鏡面反射して反射光2となり、一部はドライプレーティング層16を透過して光輝性材料14aを含む光輝層14で散乱される。そして、散乱反射光4が再度ドライプレーティング層を透過して、反射光2とともに観察される。その結果、落ち着いた印象の高級感を持つ梨地状光輝性外観が得られると考えられる。本発明の梨地状光輝性外観を肉眼で観察すると、金属光沢と梨地感が認められ、全体として見ればまるでフィルターがかかったかのような奥行き感があり、落ち着いた印象の高級感を持つ。なお、このような梨地感はあっても、その被膜構造表面は平滑である。
また、本発明の方法によれば、梨地模様が基本となるために、多少のゴミやブツがあっても外観のバラつきが少なく、製造上の歩留まりが高いというメリットもある。
図1を参照して、本発明の実施形態を説明する。図1においては、基材10の上に、基材10に近い方から順に、下地層12、光輝層14、ドライプレーティング層16、トップコート層18が形成されている。各層は、次の通りである。なお、各層の膜厚は全て平均膜厚である。
(1)基材10
基材10の材料としては、金属材料や樹脂材料などが挙げられる。金属材料としては、アルミニウム合金、マグネシウム合金、鉄、鋼などの各種金属または合金であることができる。基材は任意の部材であり、たとえばアルミニウム合金ホイールが挙げられる。樹脂材料としては、例えばPMMAやPETなどであることができ、フロントグリル、ガーニッシュ、エンブレムなどの部材が挙げられる。また、ガラス、セラミクス等の無機材料にも適用可能である。基材は、脱脂、水洗、その他の公知の表面処理により前処理されていてもよい。アルミ製ホイールなどの軽金属製ホイールを処理する場合には、防錆効果を高めるために、クロメート処理またはノンクロメート処理などによる化成皮膜が表面に形成される。
(2)下地層12
基材10上に形成される下地層12は、基材表面を平滑にする役目を果たす。鋳物材ではその表面に例えば100〜200μmの凹凸があり下地層によりこのような凹凸を平滑にする。また、基材10の耐食性や、基材10と光輝層14との密着性を高める役目も果たす。
下地層12は、粉体塗装により形成することが好適である。粉体塗装では塗料粒が大きく、大きな凹凸を速く埋めることができ、安価に必要厚さの層を形成することができる。粉体塗料としては、例えば、エポキシ系、アクリル系、ポリエステル系などを用いることができる。塗料粒の大きさは3〜6μmが好適である。
粉体塗装層の膜厚は10〜250μmが望ましい。膜厚が小さすぎると下地層の役目が十分に果たされず、一方、膜厚が大きすぎても効果はそれほど向上しないので不経済である。
なお、粉体塗装層12と光輝層14との固着性、密着性を高めるために、光輝層14の形成前に粉体塗装の表面にはプライマー(例えば、エポキシ系メタリック用プライマー)を乾燥膜厚5〜10μm程度に塗布しておいてもよい。基材10の表面が十分に平滑で耐食性が問題とならない場合などには、粉体塗装を行わずプライマーのみでもよい。
また、これら下地層12は、クリアー(透明)でも着色されていてもよい。
(3)光輝層14
光輝層14は、光輝性材料14aを含む層であり、光輝性粉末材料14aは樹脂中にランダムに分散している。光輝層14は、光輝性粉末材料14aを含む水系あるいは溶剤系塗料を塗装することにより形成できる。樹脂成分は、従来のシルバー塗料、メタリック塗料やパール塗料などと同様の成分を用いることができる。例えば、アクリルメラミン樹脂、ポリエステルメラミン樹脂、アルキドメラミン樹脂、熱硬化性アクリル樹脂、アクリルラッカー、ニトロセルロースラッカー、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂などがある。樹脂はクリアーなものが好適である。溶剤としては特に限定されず、通常塗料に使用されるエステル系、ケトン系、あるいはその他の溶剤を使用することができる。また、塗料には、本発明の効果を損なわない限り、その他従来塗料に用いられる各種添加剤が配合されていてもよい。
光輝性粉末材料14aとしては、反射性の高い材料を用い、アルミフレーク、アルミ箔、ステンレス箔などの金属顔料、パールマイカなどの無機顔料、金属メッキパールマイカ、金属メッキガラスフレークなどの複合顔料など、鱗片状光輝性材料が好適に使用できる。
光輝性粉末材料は、効果の点から平均粒径(長径あるいは直径)が5〜80μmのものが好適である。平均粒径が小さすぎる場合には梨地状効果等が十分でない。一方、平均粒径が大きすぎる場合には、表面がかえって荒れた感じになり好ましくない。
また、光輝性材料の含有量は樹脂に対して2〜35質量%が好適である。光輝性材料が少なすぎると光輝層14での反射が少なくなるため梨地状効果が十分に発揮されず、また、光輝層14を透過する光を生じると下地の影響を受けやすくなる。光輝性材料が多すぎる場合には、表面がかえって荒れた感じになり好ましくない。
光輝層14の膜厚は、5〜35μmが適当である。膜厚が小さすぎると、光輝層14での反射が少なくなるため梨地状効果が十分に発揮されず、また、光輝層14を透過する光を生じると下地の影響も受けやすくなる。一方、膜厚を過剰に大きくしても効果はさほど向上しないので不経済である。
なお、光輝層14とドライプレーティング層16との固着性、密着性を向上するために、ドライプレーティング層16の形成前に、光輝層14表面にクリアーのプライマー(例えば、エポキシ系メタリック用プライマー)を5〜10μm程度塗布しておいてもよい。
(4)ドライプレーティング層16
ドライプレーティング層16は、金属(純金属や合金)、あるいは金属化合物からなる。ドライプレーティング層16を形成する方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法等の各種ドライプレーティング法を採用することができる。プレーティング雰囲気は、不活性ガスで置換後、真空(0.9パスカル以下)にすることが好適である。
これらの方法の中でも、特にスパッタリング法が好適である。スパッタリング法としては、使用するターゲットの導電性が低い場合には高周波スパッタリング、高周波マグネトロンスパッタリング等の方法が、導電性が高い場合には、DCスパッタリングやDCマグネトロンスパッタリング等を用いることができる。
スパッタリング法は真空中でアルゴンイオンをターゲットにぶつけてエネルギーを与え、該ターゲットを構成する原子を飛び出させて対象物に付着させる。熱で蒸気化して飛ばす方法でないので蒸気圧による成分の変動が少なく、ターゲット組成とほぼ同じ組成の膜が得られる。さらにアルミとチタンのターゲットをそれぞれ配置し同時に成膜することで、アルミ・チタン合金を得る成膜法も可能である。合金比率の調整はそれぞれのターゲットの投入電流を調整することで可能となる。
ターゲットは溶解法や焼結法で作製する。ターゲットとしては、アルミ、チタン、クロム、ステンレス鋼、チタン合金、またはニッケル合金などが挙げられるが、外観、延性(耐クラック性)、耐食性などの点で、ステンレス鋼、チタン合金、またはニッケル合金が好適である。
ステンレス鋼は、オーステナイト系であることが好ましい。
チタン合金としては、チタン含有量が20〜80質量%、かつアルミニウム含有量が20〜80質量%であることが好ましい。
ニッケル合金としては、ニッケルの含有量が30〜80質量%、かつクロム含有量が15〜25質量%であることが好ましい(例えば、ハステロイやインコネルなど)。
なお、合金薄膜の場合、その結晶性はアモルファスが望ましい。アモルファス合金は、結晶合金に比べて耐食性、耐クラック性に優れる。成膜時には被処理材料を加温しない、もしくは70℃以下に維持することが望ましい。
ドライプレーティング層16の膜厚は0.01〜0.12μmである。膜厚が小さすぎる場合にはドライプレーティング層16の透過率が高くなり、ドライプレーティング層16での反射光は少なくなる。その結果、奥行き感のある光沢が得られず、光輝層のみを直接観察した場合と比べても同等あるいはそれ以下の印象となる。一方、膜厚が大きすぎる場合には、ドライプレーティング層16の透過率が非常に低くなるため、光輝層14に達する透過光がほとんどなくなり、ドライプレーティング層16表面での反射光のみが観察される。その結果、光輝層14が透けて見えず、ドライプレーティング層のみの場合のように、ピカピカした鏡面仕上げのような外観となってしまう。
適正な膜厚により、ドライプレーティング層16表面の反射光と、光輝層14からの散乱反射光とがうまくミックスされて、金属光沢はあるものの奥行き感もある梨地状光輝性外観が得られる。
なお、ドライプレーティング層16とトップコート層18との固着性、密着性を向上するために、トップコート層18の形成前に、ドライプレーティング層16表面にクリアーのプライマー(例えば、エポキシ系メタリック用プライマー)を5〜10μm程度塗布しておいてもよい。
(5)トップコート層18
トップコート18は、ドライプレーティング層の保護膜として機能するもので、クリアーな樹脂膜からなる。トップコート層18は、アクリル系、ウレタン系、エポキシ系などの樹脂塗料をエアー吹き付け塗装や静電塗装など公知の方法により形成することができる。
トップコート層18の膜厚は、ドライプレーティング層16を保護できる厚さであればよく、通常5〜35μmである。
鋳造アルミホイール(アルミニウム合金AC4C)を基材として、次のように処理を行い、各層を順次形成した。また、比較として、光輝層なしあるいはドライプレーティング層なしとした場合についても同様に行った。
(a)下地層:
40〜60kVの電圧条件で静電アクリル粉体塗装(アクリル粉体粒径3〜6μm)し、乾燥温度160℃で20分乾燥した。平均膜厚は約115μmであった。
(b)光輝層:
溶剤型シルバーベースコート(固形分としてアクリル樹脂29.0質量%、メラミン樹脂12.6質量%、エポキシ樹脂3.1質量%、アルミフレーク(平均粒子径21μm)6.8質量%を含有)を吹き付け塗装し、乾燥温度140℃で20分乾燥した。平均膜厚は28μmであった。
(c)ドライプレーティング層(DP層):
20%Ti−80%Alの合金をターゲットとして用い、直流マグネトロンスパッタリング装置(日東社製)によりドライプレーティング層を形成した。ターゲットと基材間の距離は200mm、基材回転数は9rpm、ターゲット電流5A(電圧500V)、成膜圧力0.78パスカル(Arガス)で40秒間コーティングした。平均膜厚は0.08μmであった。
(d)トップコート層:
溶剤型アクリルクリアーを吹き付け塗装し、乾燥温度140℃で20分間乾燥した。平均膜厚は20μmであった。
得られた処理品の外観を肉眼観察し、梨地感、金属光沢感、奥行き感について、それぞれ、○:かなりある、△:わずかにある、×:ない、との基準で評価した。
結果を表1に示す。
(表1)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例No 膜厚(μm) 外観
光輝層 DP層 梨地感 光沢 奥行き感
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1 − 0.08 × ○ ×
2 28 − × × ×
3 28 0.08 ○ ○ ○
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

表1のように、光輝層なしでDP層のみの場合(試験例1)には、金属光沢の強いメッキ調外観であり、DP層なしで光輝層のみの場合(試験例2)には、シルバーのマットな外観で梨地感、金属光沢感、奥行き感の何れも感じられない。
これに対して、光輝層の上にDP層を施した場合(試験例3)では、金属光沢のある梨地状で、奥行き感のある落ち着いた印象の外観となり、上記試験例1〜2とは全く異なる光輝性外観が得られた。
次に、膜厚について検討した。
ドライプレーティング層の膜厚
DP層の膜厚を変えた以外は上記実施例1と同様にして処理を行った。表2からわかるように、DP層の膜厚が小さすぎても大きすぎても梨地感や奥行き感が得られないので、DP層の膜厚としては0.01〜0.12μmが好適である。
(表2)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例No. 膜厚(μm) 外観
光輝層 DP層 梨地感 光沢 奥行き感
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
2 28 − × × ×
4 28 0.02 ○ ○ ○
3 28 0.08 ○ ○ ○
5 28 0.15 × ○ ×
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
光輝層の膜厚
光輝層の膜厚を変えた以外は上記実施例1と同様にして処理を行った。表3からわかるように、光輝層の膜厚が小さすぎる場合には金属光沢はあるものの梨地感や奥行き感が不十分で高級感に欠けるので、5μm以上とすることが好適である。なお、光輝層の膜厚を過剰に大きくしても効果の著しい向上はほとんどなく、35μm以下でも十分な梨地状の光輝性外観を得ることができる。
(表3)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
試験例No. 膜厚(μm) 外観
光輝層 DP層 梨地感 光沢 奥行き感
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1 − 0.08 × ○ ×
6 10 0.08 ○ ○ ○
3 28 0.08 ○ ○ ○
7 40 0.08 ○ ○ ○
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
梨地状外観には、光輝性材料も影響しているものと考え、さらに検討を行った。
光輝性材料の粒径
光輝性材料の粒径を変えた以外は上記実施例1と同様にして処理を行った。表4からわかるように、光輝性材料の粒径が小さすぎる場合には梨地感が感じられず、奥行き感が不十分で高級感に欠け、粒径が大きすぎる場合には梨地というよりは表面が荒れた感じとなってしまう。
以上のことから、高級感のある梨地状の光輝性外観を得るためには、光輝性材料の粒径が5〜80μmが好適であることがわかった。



(表4)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
粒径(μm) 膜厚(μm) 外観
光輝層 DP層 梨地感 光沢 奥行き感
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
3 28 0.08 △ ○ △
40 28 0.08 ○ ○ ○
90 28 0.08 △ ○ △
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
光輝性材料の割合
光輝性材料の量を変えた以外は、上記実施例1と同様にして処理を行った。結果を表5に示す。なお、表5の光輝性材料の割合は、樹脂に対する光輝性材料の割合(質量%)で示している。
表5からわかるように、樹脂に対する光輝性材料の割合が小さすぎる場合には梨地感や奥行き感が不十分で高級感に欠け、割合が大きすぎる場合には梨地というよりは表面が荒れた感じとなってしまう。
以上のことから、高級感のある梨地状の光輝性外観を得るためには、光輝層中の光輝性材料の割合は樹脂分に対して2〜35質量%が好適であることがわかった。
(表5)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
光輝性材料の割合 膜厚(μm) 外観
(質量%、対樹脂) 光輝層 DP層 梨地感 光沢 奥行き感
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
1 28 0.08 △ ○ △
15 28 0.08 ○ ○ ○
30 28 0.08 ○ ○ ○
40 28 0.08 △ ○ △
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
本発明の梨地状光輝性被膜構造の一部断面図である。
符号の説明
2 反射光
4 散乱反射光
10 基材10
12 下地層
14 光輝層
14a 光輝性材料
16 ドライプレーティング層16
18 トップコート層

Claims (7)

  1. 基材表面に、基材表面に近い方から順に、
    (a)下地層と、
    (b)光輝性粉末材料と樹脂成分とを含む光輝層と、
    (c)金属を含むドライプレーティング層と、
    (d)トップコート層と
    を備えることを特徴とする、光輝性被膜構造。
  2. 請求項1記載の構造において、(b)光輝層の膜厚が5〜35μm、(c)ドライプレーティング層の膜厚が0.01〜0.12μmであることを特徴とする、光輝性被膜構造。
  3. 請求項1又は2記載の構造において、光輝性粉末材料の粒径が5〜80μmであることを特徴とする、光輝性被膜構造。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の構造において、光輝層中、光輝性粉末材料が樹脂成分に対して2〜35質量%であることを特徴とする、光輝性被膜構造。
  5. 請求項1〜4記載の光輝性被膜構造の基材が軽合金製ホイールである、光輝性軽合金製ホイール。
  6. 光輝性粉末材料と樹脂成分とを含む光輝層の表面上に、金属を含むドライプレーティング層を形成することを特徴とする、光輝性被膜の形成方法。
  7. 請求項6記載の方法において、基材表面上に下地層を形成する工程と、
    前記下地層の上に光輝性粉末材料と樹脂成分とを含む光輝層を形成する工程と、
    前記光輝層の上に金属を含むドライプレーティング層を形成する工程と、
    前記ドライプレーティング層の上にトップコート層を形成する工程と、
    を備えることを特徴とする、光輝性被膜の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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