JP2006034031A - 圧電振動子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract


【課題】 ダイヤフラム用の圧電振動子として使用され、より薄型で信頼性が高く製造しやすく安価な圧電振動子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 圧電セラミックス板1a、1bでシム材2を挟み込むように接合したバイモルフ型の圧電振動体と、圧電セラミックス板1a、1bの外面に接合した防湿シート3a、3bとを備える圧電振動子であり、圧電セラミックス板1a、1b、シム材2、及び防湿シート3a、3bの間の接合面にフラットケーブル4の線心5a、5b、5c、5dを挟み込むことにより圧電セラミックス板1a、1bの電極を引き出すリード線を形成する。また、その作製には繊維材料に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグを用い、シム材2はそのプリプレグを硬化させてなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、屈曲変形を行う圧電振動子に関し、特にダイヤフラム用圧電振動子として好適な圧電振動子及びその製造方法に関する。
ダイヤフラム式小型ポンプなどのダイヤフラムには、圧電セラミックス板からなる振動子(以下、圧電振動子という)を用いたものがある。例えば特許文献1に開示されたようである。
このようなダイヤフラムは、圧電セラミックス板2枚でシムと呼ばれる中間層の板を挟み込む形で構成した圧電バイモルフをシリコーンゴムなどのエラストマー素材で全体をモールドする構成になっていた。そのとき、圧電バイモルフを屈曲振動させるためのリード線は圧電セラミックス板表面に形成された電極に電線を半田付けするなどして構成されていた。
特開2000−265963号公報
ところで、小型ポンプのダイヤフラム用の圧電振動子は小型化、特に薄型化が求められている。特に燃料電池の燃料供給装置や、点滴などの薬液注入、各種電子機器の水冷用などで薄型ポンプの要求があり、従来からある電磁式のダイヤフラム式小型ポンプや電磁遠心式ポンプでは実現できない薄型領域での応用が期待されている。例えばノートパソコンのCPU冷却用のダイヤフラム式小型ポンプではスペースの関係で高さ6mm以下が要求される。そのとき流れを発生させるための逆止弁等の機構部や圧電振動子を固定するためのケーシングに最低でも約4.5mm必要になるため、圧電振動子の厚さは1.5mm以下であることが必要になる。
しかしながら、従来のダイヤフラム用の圧電振動子は表面電極に半田で電線を接続し、これをシリコーンゴム等で覆う構成になっているため半田点の高さ以上の厚さにシリコーンゴム等を形成する必要がある。さらに接水面側においては透水を押さえるためPTFE(フッ素樹脂)シートなどの防水フィルムを貼り付ける必要がある。このため、従来のダイヤフラム式小型ポンプ用圧電振動子での厚さは、圧電振動子の厚さ=圧電バイモルフ厚+モールド厚×2層+防水フィルム厚、となり、例えば圧電バイモルフ厚:1.0mm、モールド厚:1.0mm、防水フィルム厚:0.1mmとすると、圧電振動子の厚さ=1.0mm+1.0mm×2層+0.1mm=3.1mm、となる。その結果、ケーシング厚4.5mmを含めたダイヤフラム式小型ポンプの総厚は7.6mmとなってしまい、前記のノートパソコン冷却用などには使用できないという問題があった。
また、従来この種の用途に使用される圧電バイモルフではシム材と呼ばれる中間層にステンレス系合金や銅系合金などの金属板を用いて構成し、この一部を半田取り付け部として接着部分以外に露出させ、ここで電線などを半田付けすることで駆動電源へのリード線を取り出す構成を取ることが通常であった。しかしながら、半田取り付け部分が圧電セラミックスの外側に露出している上に電圧がかかる部分であるため、シリコーンゴム等の絶縁エラストマー材料でモールドする必要があった。また、半田固定部はシリコーンゴムなどのエラストマー素材で覆う形になっているため圧電振動子の屈曲振動の度に半田点がストレスを受け、連続使用した場合に電線が圧電セラミックス表面電極から剥がれるという問題もあった。
そこで、本発明は、ダイヤフラム用の圧電振動子などに用いられ、より薄型で信頼性が高く製造しやすく安価な圧電振動子及びその製造方法を提供することを目的とする。
その課題を解決するために、第1の発明の圧電振動子は、2枚の圧電セラミックス板で弾性板を挟み込むように接合したバイモルフ型の圧電振動体と、前記圧電セラミックス板の表面に接合した防湿性シートとを備える圧電振動子において、前記圧電セラミックス板、前記弾性板及び前記防湿性シートの間の接合面にフラットケーブルの線心を挟み込むことにより前記圧電振動体の電極を引き出すリード線を形成したことを特徴とする。
第2の発明の圧電振動子は、第1の発明の圧電振動子において、前記弾性板はプリプレグの硬化物からなることを特徴とする。
第3の発明の圧電振動子は、第1又は第2の発明の圧電振動子において、前記フラットケーブルの線心は3本以上であり、前記線心は厚さ方向の寸法が0.05mm以下の導体からなることを特徴とする。
第4の発明の圧電振動子は、第1から第3のいずれかの発明の圧電振動子において、前記防湿性シートはショア硬さD80以下で且つ厚さが0.01〜0.50mmの高分子材料からなることを特徴とする。
第5の発明の圧電振動子は、第4の発明の圧電振動子において、前記高分子材料はフッ素樹脂、ネオプレンゴム、ウレタン系高分子のいずれかであること特徴とする。
第6の発明の圧電振動子の製造方法は、2枚の圧電セラミックス板で弾性板を挟み込むように接合したバイモルフ型の圧電振動体と、前記圧電セラミックス板の外面に接合した防湿性シートとを備え、前記圧電セラミックス板の主面に形成された電極からはフラットケーブルによってリード線が引き出された圧電振動子の製造方法において、繊維材料に熱硬化性樹脂を含浸したシート状のプリプレグの面と前記圧電セラミックス板の前記電極との間に前記フラットケーブルの線心を挟み込み、前記圧電セラミックス板の他の主面の電極と前記防湿性シートの間に接着剤と共に前記フラットケーブルの他の線心を挟み込んで全体を加圧する工程と、昇温によって前記プリプレグ及び前記接着剤を硬化させる工程とを含むことを特徴とする。
発明ごとにさらに説明する。第1の発明では、圧電体の歪み変化を応用する圧電バイモルフの表面に防湿性を有する、シート、ゴム板、樹脂材料等を貼り付ける構成にし、防湿、電気的な絶縁を行うと共に駆動電源への取り出しを前記シート、ゴム板、樹脂材料等と圧電セラミックス板表面電極との間に挟み込んだフラットケーブルで取り出すことを特徴とする。
第1の発明の構成では防湿性シートは防湿、電気的絶縁、フラットケーブル固定の3つの役割を持っている。防湿に関しては、ダイヤフラムの表面の素材として、圧電バイモルフの表面に透水しないようにすることで、圧電バイモルフの保護の効果がある。電気的絶縁に関しては、導電性の液体が接した際に液体と圧電バイモルフ表面電極を電気的に絶縁する効果がある。フラットケーブルの固定に関しては圧電セラミックスの表面に形成された電極に接するようにフラットケーブルを配置し防湿性シートで挟み込み接着することで構成する。従来の半田で電線を固定する方法では半田点の厚さを覆い隠すため、半田点の厚さ以上の厚さのエラストマー素材のモールドが不可欠であるが、本発明のフラットケーブルを挟み込んで接着する方法ではフラットケーブルの厚さを薄いものにすることで、テフロン(登録商標)シートなどの防湿性シートを貼り付けた場合でも表面にできる凹凸は小さく、樹脂性Oリングなどで圧電振動子を固定すれば気密の問題は発生しない。この防湿性シートは屈曲振動を行う圧電バイモルフの変位を妨げないようにできるだけ柔らかい素材を用いることが望ましい。
第2の発明は、圧電体の歪み変化を応用する圧電バイモルフにおいて、シム材となる中間層をプリプレグと呼ばれる、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維等の繊維材料に熱硬化性樹脂を含浸した半硬化状態のテープ状の中間材料で構成し、前記シム材と圧電体の熱硬化による貼り合わせの際にフラットケーブルを挟み込んで硬化させ駆動電源取り出し電線とすることを特徴とする。第2の発明の構成によれば、圧電セラミックスの表面に形成された電極に接するようにフラットケーブルを配置しプリプレグのテープ状の中間材料で挟み込み接着することでシムと呼ばれる中間層の接着形成と駆動電源取り出し用電線を同時に形成できる構造とする。従来の半田で電線を接続する方法では半田点の電気的絶縁のため、絶縁系エラストマー素材のモールドが不可欠であるが、本発明のフラットケーブルを挟み込んで接着する方法ではフラットケーブルの線材部分はすべてシムと呼ばれる中間層と圧電セラミックスの間に挟まれ硬化されるため電位差が生じる部分が圧電バイモルフの外側に露出することがなくモールド等の処理の必要がない。シム材に使用するプリプレグのテープ状の中間材料は、挟み込むフラットケーブルが圧電セラミックス表面に形成された電極に接している限りにおいてはカーボンファイバーなどの導電性材料でもグラスファイバーなどの絶縁性材料でも構わない。
第3の発明は、第1又は第2の発明の構成になるように線心数3本以上のフラットケーブルを配置し圧電バイモルフを製造する際に駆動電源取り出し電線を同時に接着又は硬化させ形成したことを特徴とする。第3の発明の構成では一方の圧電セラミックスの表面に形成された電極と防湿性シート間、もう一方の圧電セラミックスの表面に形成された電極と防湿性シート間、シム材と呼ばれる中間層と少なくとも一方の圧電セラミックス表面に形成された電極間にフラットケーブルをそれぞれ挟み込み形成する。フラットケーブルは同一の絶縁体上に複数の導体が形成されたものでも、複数の導体がそれぞれ形成されたものでも構わない。フラットケーブルの導体の厚さ(厚さ方向の寸法)は0.05m以下のフラットケーブルであることを特徴とする。このように圧電セラミックスの表面に形成された電極と防湿性シート間にフラットケーブルを挟み込んで接着すると防湿性シート表面に段差ができる。この段差が大きいとOリング上に固定した場合に隙間ができ液漏れを起こすなどの気密性の問題が生じる。しかしながら、厚さが0.05mm以下の導体のフラットケーブルを使用すれば生じる段差の影響は少なくなりフッ素樹脂などのエラストマー素材のOリングで固定すれば液漏れなどの気密性の問題は生じない。したがって、印加する電源の電圧、電流値の許容する範囲でより薄いフラットケーブルを使用することが望ましい。
この構成にすることにより、半田点の厚さが無くなることでより低背型のダイヤフラム用圧電振動子を提供することができる。また、半田付けに関わる脆弱性の影響のないダイヤフラム用圧電振動子を提供することができる。
第4の発明は、前記防湿性シートはショア硬さD80以下で且つ厚さが0.01〜0.50mmの高分子材料を使用したことを特徴とする。前記防湿性シートは硬く伸びの少ない素材の場合、圧電バイモルフの変位を妨げ、振動子としての性能を落とすこととなる。また、同様に防湿性シートの厚さが厚くなると圧電バイモルフの変位を妨げ、振動子としての性能を落とすこととなる。少なくとも前記硬度と厚さの範囲で選定する必要がある。言うまでもなく防湿性や強度を考慮して最適な硬さや厚さの防湿性シートにする必要がある。
第5の発明では、第4の発明の高分子材料として、フッ素樹脂、ネオプレンゴム、ウレタン系高分子を用いることができる。
第6の発明では、線心数3本以上のフラットケーブルを配置し圧電バイモルフを製造する際に駆動電源取り出し電線を同時に接着又は硬化させ製造することを特徴とする。この構成では一方の圧電セラミックスの表面に形成された電極と防湿性シート間、もう一方の圧電セラミックスの表面に形成された電極と防湿性シート間、シム材と呼ばれる中間層と少なくとも一方の圧電セラミックス表面に形成された電極間にフラットケーブルをそれぞれ挟み込み、加圧硬化させることで1度の処理で圧電振動子を形成する。この構成にすることにより、半田付けの処理が不要になり、作業コストが低滅でき、より安価な圧電振動子を提供することができる。
以上説明したように本発明の構成によれば、従来のものに比べより薄型のダイヤフラム用の圧電振動子を製造することができ、これまでの振動子では使用できなかった、より低背の用途でも十分な性能のダイヤフラム用の圧電振動子及びその製造方法を提供できる。また、製造方法が簡略化したことで従来のものより安価なダイヤフラム用の圧電振動子及びその製造方法を提供できる。
次に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の圧電振動子を示す断面図であり、圧電振動子の全体の形状は円板状の圧電バイモルフからフラットケーブルによる端子が引き出された形状である。図1において、la、lbは表面に電極が形成された圧電セラミックス板、2はシム材であり、プリプレグを硬化させてなる繊維材料と高分子材料の複合体、3a、3bは防湿シートであり、4はフラットケーブル、5a、5b、5c、5dはフラットケーブルの線心(導線)である。
その製造方法では、(1)シム材2と圧電セラミックス板1a及び1bとの接合、(2)圧電セラミックス板1a及び1bの電極と線心5c及び5dとの接合、(3)圧電セラミックス板1a及び1bの電極と線心5a及び5bとの接合、(4)圧電セラミックス板1a及び1bと防湿シート3a及び3bとの接合を一括して行う。
この接合においては、シム材2となるプリプレグが重要な役割を果たす。すなわち、硬化後にシム材2となり弾性板として機能するだけでなく、接合時には圧電セラミックス板1a、1b、線心5c、5dとの接着剤として機能するプリプレグが用いられる。また、このプリプレグによる接合は、圧電セラミックス板1a又は1bと防湿シート3a又は3bとの間の接着と同時に行うため、硬化温度が近いことが望ましい。
また、防湿シート3a、3bは、防湿機能だけでなく、バイモルフ振動を減衰させず、さらに電気絶縁特性も重要なので、フッ素樹脂、ネオプレンゴム、ウレタン系高分子などの高分子材料を用いる。
ところで、シム材2の導電性が十分であるときは、フラットケーブル4の線心5c又は5dのいずれかを省略して、3本の線心(導線)のフラットケーブルを用いることもできる。また、フラットケーブルの線心の厚さ(厚さ方向の寸法)を制限したことにより、電気抵抗が高くなる場合には、圧電セラミックス板の1つの電極に2本以上の線心を接続してもよい。
次に実施例を挙げて、さらに説明する。本実施例の圧電振動子の外形寸法は直径φ37mm、厚さ1.4mmであり、その断面は図1のようである。la、lbは直径35mm、厚さ0.36mmの圧電セラミックス板で表面に直径33mm銀電極が形成されている。その素材にはNECトーキン製N−17材を使用した。比誘電率は4200、圧電定数はd31=−280×10−12m/Vである。2は中間層に用いた直径35mm、厚さ0.25mmのカーボンファイバーのシム材、3a、3bは厚さ0.2mmの防湿シートでPTFEシートを用いた。4はフラットケーブル、5a、5b、5c、5dはフラットケーブルの線心で線厚は0.035mmである。本実施例では線心が4本のフラットケーブルを用いた。線心はそれぞれ5a、5cが圧電セラミックス板1aの上下の電極に接している。線心5b、5dが圧電セラミックス板1bの上下の電極に接している。
この圧電振動子の製造方法を示す前に、ほぼ従来技術を用いて試みた比較例について説明する。
図5に比較例のダイヤフラム小型ポンプ用の圧電振動子の断面を示す。外形寸法は直径φ37mm、厚さ3.1mmであり、6a、6bは上記の実施例と同様直径35mm、厚さ0.36mmの圧電セラミックス板で表面に直径33mmの銀電極が形成されている。NECトーキン製N−17材を使用した。7は中間層として用いた厚さ0.25mmのリン青銅板のシム材、8は総厚3mmのシリコーン樹脂で型に入れて形成した。9は厚さ0.1mmの防水シートでPTFEシートを用いた。10a、l0b、l0cは電線で、電線10aはシム材7に、電線10b、10cはそれぞれ圧電セラミックス板6a、6bの表面電極に半田付けされ、11a、11b、11cが半田点である。
表1に本発明の実施例と比較例のダイヤフラム小型ポンプ用の圧電振動子の比較を示す。
Figure 2006034031
表1に示すように本発明の実施例と比較例のダイヤフラム小型ポンプ用圧電振動子を比較すると、従来に比べ本発明では直径は変わらないものの厚さを半分以下にまで低減できる。従来の圧電振動子の場合11b、11cに示した半田点は連続した電線の高さも考慮すると0.5〜0.7mm程度になり、この半田点の凸部をモールドで覆い隠すためには製造ばらつきも考慮し圧電セラミックス板表面から1mm程度の厚さを持たせる必要が生じる。また、シリコーンゴムは吸水率が高く水と接した面から吸水して内部の圧電バイモルフの品質に影響を与える可能性があるため、少なくとも水と接する面には防水シートを貼り付ける必要がある。この結果、圧電振動子の厚さ=圧電バイモルフ厚+モールド厚×2層+防水フィルム厚、となり、圧電バイモルフ厚:(0.36×2+0.25)mm、モールド厚:1.0mm、防水シート厚0.1mmなので、圧電振動子の厚さ=約1.0mm+1.0mm×2層+0.1mm=約3.1mm、となる。
これに対し本発明の実施例では圧電セラミックスに防水シート(防湿シート)を直接貼り付けることで、本実施例の圧電振動子の厚さ=圧電バイモルフ厚+防水シート×2層、となり、圧電バイモルフ厚:(0.36×2+0.25)mm、防水シート厚0.2mmなので、圧電振動子の厚さ=約1.0mm+0.2mm×2層=約1.4mm、となる。これにより約1.7mmの低背化が実現でき薄型ポンプ等の低背化の要求が高い用途に使用が可能になる。
次に、本発明の実施例と比較例のダイヤフラム小型ポンプ用圧電振動子の変位量を比較した。直径33mmのOリングで圧電振動子の上下を抑えるようにして固定し、線心5a、5bと線心5c、5dの間に100Vrmsの電圧を印加し、圧電振動子を屈曲振動させ中心の変位量を測定した。その結果、本実施例と比較例のダイヤフラム小型ポンプ用圧電振動子で変位量に大きな違いは見られず本発明によってダイヤフラム用圧電振動子として十分な性能が得られることが確認できた。
次に本実施例の製造プロセスについて説明する。まず、圧電セラミックス板1a、1bは下記の工程で製造される。
1)圧電セラミックス原料粉末(NECトーキン製N−17材)に有機物のバインダーと有機溶剤を混入して泥漿化する。
2)ドクターブレード法で泥漿をシート化する。
3)必要なシートには内部電極層として銀とパラジュームを主成分とする電極ペーストを印刷し乾燥する。
4)シートを重ねて加熱プレスし、必要な形状に切断する。
5)500℃から600℃まで加熱し数時間でバインダー等の有機物を焼却する。
6)密閉容器中で1000℃から1200℃の範囲で1時間から6時間焼成を行う。
7)端面に電気端子用及び最外皮部の電極を塗布又は印刷し、500℃から600℃で焼き付ける。
8)絶縁オイル中で100℃程度に加熱し端子間に2〜3kV/mmの直流電界を印加して分極処理する。
引き続き、図面に基づいて、次工程を説明する。
図3は本実施例の圧電振動子を示す分解斜視図である。4のフラットケーブルは5a、5b、5c、5dの4本の線心を有している。これらは線心5aが圧電セラミックス板1aの上面電極、線心5bが圧電セラミックス板1bの下面電極、線心5cが圧電セラミックス板1aの下面電極、線心5dが圧電セラミックス板1bの上面の電極にそれぞれ接するように挟み込む。圧電セラミックス板1a、1bとシム材2(図1参照)の接着はプリプレグ32のカーボンファイバーに含浸している半硬化状の接着剤で接着される。またセラミックス板1a、1bと防湿シート3a、3bはエポキシ系接着剤を塗布し接着する。すべての部材を貼り合わせた後、加圧しながら130℃、90分加熱し熱硬化させる。このとき、プリプレグ32のカーボンファイバーに含浸している半硬化状の接着剤と、エポキシ系接着剤は同一の加熱条件で硬化するものを選定することが重要である。
その結果、得られる圧電振動子は図4に外観斜視図で示すように円形バイモルフ41からフラットケーブル4が出るような構成になっている。
次に本発明の実施例と比較例のダイヤフラム小型ポンプ用圧電振動子の製造プロセスの比較を行う。図2は本発明の実施例と比較例の製造工程の概略を示し、図2(a)は本発明の実施例の工程を示すフローチャート、図2(b)は比較例の工程を示すフローチャートである。
このように比較例のダイヤフラム小型ポンプ用圧電振動子では半田付け工程やシリコーン樹脂のモールド工程があるため工程が多くなりコストダウンの妨げになっている。他方、本発明では各部材の接着形成が1度の処理で可能なため工程を削減でき、より安価な圧電振動子を提供できる。
本発明の圧電振動子を示す断面図。 本発明の実施例と比較例の製造工程の概略を示し、図2(a)は本発明の実施例の工程を示すフローチャート、図2(b)は比較例の工程を示すフローチャート。 実施例の圧電振動子の分解斜視図。 実施例の圧電振動子の外観斜視図。 比較例の圧電振動子の断面図。
符号の説明
1a,1b,6a,6b 圧電セラミックス板
2,7 シム材
3a,3b 防湿シート
4 フラットケーブル
5a,5b,5c,5d 線心
8 シリコーン樹脂
9 防水シート
10a,10b,10c 電線
11a,11b,11c 半田点
32 プリプレグ
41 円形バイモルフ

Claims (6)

  1. 2枚の圧電セラミックス板で弾性板を挟み込むように接合したバイモルフ型の圧電振動体と、前記圧電セラミックス板の表面に接合した防湿性シートとを備える圧電振動子において、前記圧電セラミックス板、前記弾性板及び前記防湿性シートの間の接合面にフラットケーブルの線心を挟み込むことにより前記圧電振動体の電極を引き出すリード線を形成したことを特徴とする圧電振動子。
  2. 請求項1記載の圧電振動子において、前記弾性板はプリプレグの硬化物からなることを特徴とする圧電振動子。
  3. 請求項1又は2記載の圧電振動子において、前記フラットケーブルの線心は3本以上であり、前記線心は厚さ方向の寸法が0.05mm以下の導体からなることを特徴とする圧電振動子。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の圧電振動子において、前記防湿性シートはショア硬さD80以下で且つ厚さが0.01〜0.50mmの高分子材料からなることを特徴とする圧電振動子。
  5. 請求項4記載の圧電振動子において、前記高分子材料はフッ素樹脂、ネオプレンゴム、ウレタン系高分子のいずれかであること特徴とする圧電振動子。
  6. 2枚の圧電セラミックス板で弾性板を挟み込むように接合したバイモルフ型の圧電振動体と、前記圧電セラミックス板の外面に接合した防湿性シートとを備え、前記圧電セラミックス板の主面に形成された電極からはフラットケーブルによってリード線が引き出された圧電振動子の製造方法において、繊維材料に熱硬化性樹脂を含浸したシート状のプリプレグの面と前記圧電セラミックス板の前記電極との間に前記フラットケーブルの線心を挟み込み、前記圧電セラミックス板の他の主面の電極と前記防湿性シートの間に接着剤と共に前記フラットケーブルの他の線心を挟み込んで全体を加圧する工程と、昇温によって前記プリプレグ及び接着剤を硬化させる工程とを含むことを特徴とする圧電振動子の製造方法。
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