リソグラフィ装置は、基板の目標部分に所望のパターンを適用する機械である。リソグラフィ装置は、たとえば集積回路(IC)の製造に使用することができる。その場合、マスク或いはレチクルとも呼ばれているパターン形成装置(即ちパターン形成構造体)を使用して、ICの個々の層に対応する回路パターンが生成され、このパターンが、放射感応材料(レジスト)の層を有する基板(たとえばシリコン・ウェハ)上の目標部分(たとえば1つ又は複数のダイ部分が含まれている)に結像される。通常、1枚の基板には、順次露光される目標部分に隣接する回路網が含まれている。知られているリソグラフィ装置には、パターン全体を1回で目標部分に露光することによって目標部分の各々が照射される、いわゆるステッパと、パターンを投影ビームで所与の方向(「走査」方向)に走査し、且つ、基板をこの方向に平行に、或いは逆平行に同期走査することによって目標部分の各々が照射される、いわゆるスキャナとがある。
集積回路製造における目標の1つは、元の設計を基板上に忠実に再生する(マスクを介して)ことである。半導体製造プロセスにおいては、フィーチャをますます小形化する要求が減退することなく継続しているため、一度は受け入れられた光学リソグラフィの限界がたびたび追い越されている。
パターン印刷の限界に対する理論的な予測値は、式(a)で示す解像度Rの場合、レイリー基準によって与えられる。
λは使用される放射の波長であり、NAは投影系の開口数である。また、k
1はプロセス依存調整係数である。
式(a)から、3つの方法、つまり露光波長λを短くすることによって、或いは開口数NAを大きくすることによって、若しくはk1の値を小さくすることによって解像度を改善することができることが分かる。これらの戦略のすべては、過去において同時に実行されており、将来的にも継続して実行されることが期待されている。
また、リソグラフィ装置の性能及びその限界は、一般的にリソグラフィ投影装置の解像度を決定する最も重要な要素の1つとされている焦点深度(DOF)を使用して説明することができ、また、特性化することができる。次の式(b)で定義されるDOFは、光軸に沿った、パターンの画像が十分に鮮明である距離として定義されている。
フォトリソグラフィに関連する、解像限界における実際の困難性を如実に表している他の重要な応答/測度には、露光許容度(EL)、稠密:孤立バイアス(DIB)及びマスク誤差拡大係数(MEEF)がある。露光許容度は、印刷されたパターンの臨界寸法(CD)が許容範囲、典型的には10%内である線量百分率領域を表している。この露光許容度は、DOFと共に使用され、プロセス・ウィンドウ即ち最終レジスト・プロファイルを規定仕様内に維持する焦点及び露光領域が決定される。DIBは、パターン密度によって決まる、類似したフィーチャとフィーチャの間のサイズ差の測度である。また、MEEFは、マスクのCD誤差がいかにして基板のCD誤差に伝達されるかを表している。
半導体産業は、極端なサブミクロン・レジームに移行しており、現在利用可能なリソグラフィ技法の解像度は、焦点深度の減少によってその限界に達しつつあり、そのために投影系の設計が困難で、且つ、投影系製造技術が複雑になっている。この問題に対処するために、解像度改善技法を開発するための継続的な努力が払われている。
歴史的には、リソグラフィ投影装置の解像限界は、照明系の開口数(NA)の相対サイズを制御することによって最適化されている。照明系のNAを投影系のNAに対して制御することにより、マスク平面における、一般的には空間的コヒーレンスσと呼ばれている空間的コヒーレンスを修正することができる。この修正は、たとえばケーラ照明系の集光レンズひとみの仕様を介して達成され、本質的に、この修正によって回折情報の光学処理を操作することができる。投影結像系の空間的コヒーレンスの最適化は、従来、全円照明開口を使用して達成されている。発光体のひとみサイズを使用して投影系内における回折情報の分布を制御することにより、最大画像変調を得ることができる。照明系は、全円照明開口に対する変化を考慮することによってさらに洗練され得る。照明が一定の角度で斜めにマスクに入射し、それによりゼロ次及び一次回折次数が光軸の両側に交互に分布する系の場合、改善が可能である。このような手法は、通常、軸外照明と呼ばれている。
軸外照明は、投影系の光軸に対して一定の角度をなす放射をマスクに照射することによって解像度を改善している。回折格子として作用するマスクに角度をなして入射する放射が、投影系を介してより多くの回折次数を透過させることによって画像のコントラストを改善している。従来のマスクと共に使用される軸外照明技法は、移相マスクを使用して得られる解像度改善効果と同様の解像度改善効果を生成している。
解像度及びDOFを改善するために開発された他の様々な改善技法には、光近接誤差(OPE)の光学近似相関(OPC)、移相マスク(PSM)、サブ解像度補助フィーチャ(SRAF)がある。これらの技法は、それぞれ単独で使用して、或いは他の技法と組み合わせて使用して、リソグラフィ投影装置の解像度を改善することができる。
軸外照明を生成するための手法の1つは、斜め照明を提供するために、金属開口プレート・フィルタを投影系発光体のフライアイレンズ・アセンブリに組み込むことである。このような金属プレート上のパターンには、マスク上で特定の幾何学サイズ及びデューティ比で回折次数オーバラップするよう、サイズ及び空間セットを備えた、対称に配置された2つ若しくは4つの開口(ゾーン)を持たせることができる。このような手法は、マスクに利用することができる強度の重大な損失をもたらし、また、スループットを小さくし、延いてはこの手法を望ましくないものにしている。その上、この2つ若しくは4つの円形開口は、なかんずく特定のマスク幾何学及びピッチ用に設計する必要があり、したがって他の幾何学サイズ及び空間の性能は改善されない。たとえばEP0500393、米国特許5305054、5673103、5638211、EP0496891及びEP0486316を参照されたい。
4ゾーン構成を使用して軸外照明を生成するもう1つの手法は、軸外照明がマスクに分布するように形状化することができる複数のビームに投影系の照明視野を分割することである。この手法は、米国特許6452662に開示されている。軸外照明を形状化する能力を組み込むことにより、リソグラフィ装置のスループット及び柔軟性を維持することができる。また、この手法は、軸外特性と軸上特性(従来の特性)を組み合わせた照明を可能にしている。軸外特性と軸上特性を組み合わせることにより、軸外照明で照射される稠密フィーチャに対する改善は、ストレート軸外照明に対する改善ほどには重要ではなくなるが、これらの稠密フィーチャには軸上照明がより好ましいため、稠密フィーチャの少ない性能の方がより最適であり、その結果、稠密フィーチャと孤立フィーチャの間の光近接効果が緩和される。最適化する際のフィーチャ幾何学に対する依存性が小さいため、より汎用性のある照明条件を選択することができる。
図3a〜図3dを参照すると、現在利用可能な照明強度分布即ち照明強度構造は、微小即ち低シグマ(図3a)、環状(図3b)及び四重極(図3c及び図3d)を含んでおり、照明領域(以下、1つ又は複数の開口と呼ぶ)が断面で示されている。図3dに示す軸外四重極照明には、発光体の水平軸に対して+/−45°で配列された実質的に全く同じ4つの極が含まれている。これらの極の各々は、環状照明の切片に対応しており、図10に示す光学アセンブリを使用して得ることができる。この照明は、本明細書の以下の部分では「クエーサー」形照明として言及されている。図3b〜図3dに示す環状、四重極及びクエーサー照明技法は、軸外照明スキームの一例である。
微小シグマ照明は、ほぼゼロの照射角でマスクに入射し(つまりマスクに対してほぼ直角に入射し)、移相マスクと相俟って良好な結果をもたらし、それにより解像度が改善され、且つ、焦点深度が深くなる。環状照明は、円形対称をなす角度でマスクに入射し、解像度が改善され、且つ、焦点深度が深くなる。他の照明スキームと比較してパターンに対する依存性が小さい。四重極及びクエーサー照明は、4つの主角度でマスクに入射し、解像度が改善され、且つ、焦点深度が深くなるが、パターンに対する依存性が極めて大きい。
図4及び図5を参照すると、2つの照明系が略図で示されている。図4及び5に示す系は、光集光/平行光学系10と、アキシコン/ズーム・モジュール12と、光積分及び投影光学系14とを備えている。照明系は、光軸16と、ひとみ平面31と、マスク平面20とを備えている。アキシコン/ズーム・モジュール12は、1つが凹面であり、もう1つが凸面である一対のアキシコン33を備えており、その間隔は変更が可能である。また、アキシコン/ズーム・モジュール12は、ズーム・レンズ24を備えている。
図6は、ひとみ平面31に達成することができる、円錐アキシコンの場合の照明強度分布のいくつかの実施例を示したものである。スポット・サイズは、ズーム・レンズの位置を変化させることによって状態AとBの間で変更することができる。同様に、アキシコン開口(アキシコンとアキシコンの間の間隔)を変化させることによって状態AとCの間で環状度を変更することができる。
照明の均質性を改善するために、光積分器26が使用されている。図4に示す光積分器は、ガラス、フッ化カルシウム或いは水晶ロッドなどのライト・パイプ26の形態を取っている。結合器28は、ひとみ平面31の照明をロッド26に結合している。また、ロッド出口結像光学系30が提供されている。図5に示すフライアイエレメント32は、積分器として作用している。フライアイエレメント32は、複数の微小レンズの配列若しくはハニカムを備えた複合レンズである。また、対物レンズ34及び36が投影光学系14を完成している。
しかしながら、所与のマスク・パターンの光転送を最適化するための複雑なソース形状の生成は、プロセスを遅くし、且つ、高価にしている。市販されているビーム・シェーパを使用して、たとえば0.1未満の微小シグマ極を製造する場合であっても、潜在的に複雑になる可能性がある。たとえばアキシコン・モジュールを使用して生成することができない複雑なソース形状には、通常、発光体のひとみ平面に特定の強度分布を提供するよう特別に設計された特注エレメントを使用しなければならないが、残念なことには、これらの特注エレメントは高価であり、通常、意図した結果が得られない場合に修正することができない。
本発明の実施例には、マスク・パターンを照射するように形成された発光体を備えたリソグラフィ装置を使用した基板へのマスク・パターンの光転送を最適化するための方法が含まれている。本発明の一実施例では、上記方法には、マスク・パターンを照射する際の個々のリソグラフィ性能応答パラメータを個々に改善する、発光体のひとみ平面に対する複数の照明配列を個々に決定するステップと、複数の照明配列のうちの第1の照明配列の強度を複数の照明配列のうちの第2の照明配列の強度に対して調整するステップであって、第1及び第2の照明配列を使用してマスク・パターンが照射されるステップが含まれている。
本発明の一実施例では、第1及び第2の照明配列の各々に対して少なくとも1回マスク・パターンが照射される。本発明の他の実施例では、少なくとも第1の照明配列及び第2の照明配列を使用して同時にマスク・パターンが照射される。
本発明のさらに他の実施例では、リソグラフィ投影装置が提供される。本発明の一実施例では、リソグラフィ投影装置は、放射ビームを調節するための照明系と、所望のパターンに従って放射ビームをパターン形成するために使用することができるパターン形成構造体を保持するための支持構造体と、基板を保持するための基板テーブルと、基板の目標部分に放射ビームを投射するための投影系と、照明系のひとみ平面に対する複数の照明配列を決定するプロセッサであって、所望のパターンを照射する際の個々のリソグラフィ性能応答パラメータを改善するために複数の照明配列の各々が決定され、及び、複数の照明配列のうちの第1の照明配列の強度を複数の照明配列のうちの第2の照明配列の強度に対して調整するプロセッサと、プロセッサによって決定され、且つ、調整された複数の照明配列に従って、照明系から射出するビームの断面強度分布を修正するように形成された選択可能可変ビーム・コントローラとを備えている。
本発明の他の実施例では、発光体の照明配列を最適化するための機械実行可能命令が符号化された機械可読媒体が提供される。本発明の一実施例では、発光体のひとみ平面に対する複数の照明配列を決定するステップであって、マスク・パターンを照射する際の個々のリソグラフィ性能応答パラメータを改善するために複数の照明配列の各々が決定されるステップと、複数の照明配列のうちの第1の照明配列の強度を複数の照明配列のうちの第2の照明配列の強度に対して調整するステップであって、第1及び第2の照明配列でマスク・パターンが照射されるステップとを含む方法に従って照明配列が最適化される。
本明細書においては、リソグラフィ装置の、とりわけICの製造における使用が言及されているが、本明細書において説明するリソグラフィ装置は、集積光学系、磁気領域メモリのための誘導及び検出パターン、液晶ディスプレイ(LCD)、薄膜磁気ヘッド等の製造などの他への応用を有していることを理解されたい。このような代替応用の文脈においては、本明細書における「ウェハ」或いは「ダイ」という用語の使用はすべて、それぞれより一般的な「基板」或いは「目標部分」という用語の同義語と見なすことができることは、当業者には理解されよう。本明細書において言及されている基板は、たとえばトラック(通常、基板にレジスト層を塗布し、且つ、露光済みレジストを現像するツール)或いは度量衡学ツール若しくは検査ツール中で、露光前若しくは露光後に処理することができる。適用可能である場合、本明細書における開示は、このような基板処理ツール及び他の基板処理ツールに適用することができる。また、基板は、たとえば多層ICを生成するために複数回に渡って処理することができるため、本明細書に使用されている基板という用語は、処理済みの複数の層が既に含まれている基板を指している場合もある。
「照明配列」という用語は、マスク即ちパターン形成構造体を照射する発光体のひとみ平面内の領域として広義に解釈されたい。この文脈においては、「照明配列」という用語は、光強度分布として解釈することも可能である。照明配列の実施例には、それらに限定されないが、二重極、四重極、Cクワッド構造、中心極などがある。この文脈においては、二重極は、結像されているラインに対して直角に分離された2つの軸外極を備えた構造であることを理解されたい。また、四重極(若しくはクエーサー照明)は、中心軸の周りに対称に分布し、且つ、パターンの対称軸に対して45°で配向された4つの極を有する構造に対応していることを理解されたい。回転四重極(即ちCクワッド照明)は、パターンの対称軸と整列した極を有している。
また、「照明配列」という用語は、発光体の主領域のサブ領域または発光体のエリアのサブ・エリアを言及している場合もあることは理解されよう。たとえば、多重極照明配列(たとえば二重極)の極の各々は、それぞれ照明配列と見なすことができる。
本明細書に使用されている「放射」及び「ビーム」という用語には、紫外(UV)放射(たとえば波長が365nm、248nm、193nm、157nm若しくは126nmの放射)、極紫外(EUV)放射(たとえば波長の範囲が5〜20nmの放射)、及びイオン・ビーム或いは電子ビームなどの粒子線を含むあらゆるタイプの電磁放射が包含されている。
本明細書に使用されている「パターン形成装置」という用語は、放射ビームの断面にパターンを付与し、それにより基板の目標部分にパターンを生成するために使用することができる装置を意味するものとして広義に解釈されたい。また、放射ビームに付与されるパターンは、基板の目標部分における所望のパターンに必ずしも厳密に対応している必要はないことに留意されたい。通常、放射ビームに付与されるパターンは、目標部分に生成されるデバイス、たとえば集積回路内の特定の機能層に対応している。
パターン形成装置は、透過型であっても或いは反射型であっても良い。パターン形成装置の実施例には、マスク、プログラム可能ミラー・アレイ及びプログラム可能LCDパネルがある。マスクについてはリソグラフィにおいては良く知られており、バイナリ、交番移相及び減衰移相などのマスク・タイプ、及び様々なハイブリッド・マスク・タイプが知られている。プログラム可能ミラー・アレイの実施例には、マトリックスに配列された微小ミラーが使用されている。微小ミラーの各々は、入射する放射ビームが異なる方向に反射するよう、個々に傾斜させることができるため、この方法によって反射ビームがパターン形成される。
支持構造体は、パターン形成装置を支持している。支持構造体は、パターン形成装置の配向、リソグラフィ装置の設計及び他の条件、たとえばパターン形成装置が真空環境中で保持されているか否か等に応じた方法でパターン形成装置を保持している。パターン形成装置の支持には、機械式締付け技法、真空締付け技法或いは他の締付け技法、たとえば真空条件下における静電締付け技法を使用することができる。支持構造体は、たとえば必要に応じて固定若しくは移動させることができ、且つ、たとえば投影系に対してパターン形成装置を確実に所望の位置に配置することができるフレームであっても、或いはテーブルであっても良い。本明細書における「レチクル」或いは「マスク」という用語の使用はすべて、より一般的な「パターン形成装置」という用語の同義語と見なすことができる。
本明細書に使用されている「投影系」という用語には、たとえば使用する露光放射に適した、或いは液浸液の使用若しくは真空の使用などの他の要因に適した屈折光学系、反射光学系及びカタディオプトリック光学系を始めとする様々なタイプの投影系が包含されているものとして広義に解釈されたい。本明細書における「投影レンズ」という用語の使用はすべて、より一般的な「投影系」という用語の同義語と見なすことができる。
また、照明系には、投影放射ビームを導き、整形し、或いは制御するための屈折光学部品、反射光学部品及びカタディオプトリック光学部品を始めとする様々なタイプの光学部品が包含されており、このような部品についても、以下、集合的若しくは個々に「レンズ」と呼ぶ。
リソグラフィ装置は、場合によっては2つ(二重ステージ)以上の基板テーブル(及び/又は複数のマスク・テーブル)を有する形式の装置であり、このような「多重ステージ」機械の場合、追加テーブルを並列に使用することができ、或いは1つ又は複数の他のテーブルを露光のために使用している間、1つ又は複数のテーブルに対して予備工程を実行することができる。
また、リソグラフィ装置は、基板が比較的屈折率の大きい液体中、たとえば水中に浸され、それにより投影系の最終部品と基板の間の空間が充填される形式の装置であっても良い。また、リソグラフィ装置内の他の空間、たとえばマスクと投影系の第1の部品の間に液浸液を充填することも可能である。液浸技法は、当分野においては、投影系の開口数を大きくすることで良く知られている。
以下、本発明の実施例について、単なる実施例に過ぎないが、添付の略図を参照して説明する。図において、対応する参照記号は、対応する部品を表している。
本発明の実施例には、複雑なソース形状を生成するための高価な特注開口若しくは光学系の使用に頼ることなくリソグラフィ・プロセスを改善する方法及び装置が含まれている。基板上のマスク・パターンの画像は、発光体の個々のソース・ポイントのすべての画像を合わせたものであるため、単一若しくは複数の照明を使用してマスク・パターンの光転送を最適化することができる。したがって、マスク・パターンの統合画像を同時に、或いは時間を置いて個別露光に引き渡すことができる。
本発明の一実施例では、マスク・パターンの光転送を最適化するための方法は、発光体のひとみ平面に対する複数の照明配列を決定するステップであって、マスク・パターンを照射する際の個々のリソグラフィ性能応答パラメータを改善するステップと、複数の照明配列のうちの第1の照明配列の強度を複数の照明配列のうちの第2の照明配列の強度に対して調整するステップであって、第1及び第2の照明配列を使用してマスク・パターンが照射されるステップとを含む。
本発明の一実施例では、第1及び第2の照明配列の各々に対して少なくとも1回マスク・パターンが照射される。本発明の他の実施例では、少なくとも第1の照明配列及び第2の照明配列を使用して同時にマスク・パターンが照射される。この後者の照明は、たとえば可変透過率発光体を使用して実行することができる。
個別照明配列の相対強度を調整することにより、チップメーカは、所与のプロセスのための最良のリソグラフィ条件(たとえばプロセス・ウィンドウ)を実験によって見出すことができる。また、リソグラフィ装置の極の強度を制御することにより、チップメーカは、単一露光プロセスを容易に最適化することができる。
発光体の非連結領域からなっていても良い複数の照明配列の最適化若しくは改善は、シミュレーションを使用することによって実施することができる。シミュレーションを使用する場合、特定のリソグラフィ性能(たとえば焦点深度或いは露光許容度)に最も寄与している発光体の1つ又は複数の領域を速やかに決定することができる。また、シミュレーションにより、最良の照明状態を提供する領域に対する適切な重みが示される。次に、実験検証を実行して、シミュレーションによって見出された重みを最適化することができる。
本発明のいくつかの実施例についてその詳細を考察する前に、本発明の実施例の理解を容易にするために、本発明に必要な技術を簡単に考察しておく。任意の特定のパターン・フィーチャの結像は、通常、波面が通過する際に画像によって物体平面で回折する放射を捕獲する結像系のレンズを通して実施される。その物体によって生成される、結果として生じる回折パターンは、一連の無限ライン/空間パターンの場合は比較的単純であり、完全にランダムなパターンの場合は極端に複雑である。この回折放射の個々の部分には、その画像に関する情報が含まれており、像平面のその画像を形成する役割を果たしている。結像系が回折放射の一部を捕獲しない場合、情報(その放射に含まれているパターンのエレメント)が失われ、画像の品質が低下する。この効果は、結像系が光学リソグラフィにおいて低域通過空間周波数フィルタとして作用することである。
あるパターンの特定の空間周波数成分の最も良好な結像は、その成分の空間周波数と整合する特定のコヒーレンシを使用して実施されるため、結像すべき所望のパターンが最適化されるように照明状態を制御することが望ましい。
任意のパターンをコヒーレント放射ビームで照射すると、そのパターンによって回折パターンが生成され、光が回折する角度は、そのパターンの空間周波数成分によって決まる。この単純な例は、そのピッチ(PX)によって画定される単一の空間周波数を有する無限ライン/空間パターンである。コヒーレント放射は、ライン/空間パターンに対して直角に、次の式で画定される角度(即ち回折次数n)で回折する。
理想的な結像系は、すべての回折放射を捕獲し、捕獲した回折放射を再結合して元のライン/空間パターンの完全な画像を形成するが、実際には対物レンズの角度は有限であり、対物レンズが回折ビームを捕獲することができるのは、この有限角度に対してであり、この角度を超えるあらゆる回折放射は失われることになる。そのため、像平面における再生画像の品質が低下し、或いは回折放射が結像系によって全く捕獲されない場合、画像は全く生成されないことになる。結像系が光を捕獲することができる角度は、一般的には結像系の1つ又は複数のレンズの直径を画定している開口数即ちNAで決まる。
したがって、図1(a)及び図1(b)に示すように、ライン/空間パターン11が結像系の光軸に沿ってコヒーレント放射ビーム13で照射されると、レンズ15による+/−1回折次数の捕獲を依然として許容する最小ピッチ(Pmin)は、
より大きいピッチを有するパターン11を示す図1(a)、及びより小さいピッチを有するパターンを示す図1(b)に示すように、レンズ15は、ピッチが減少すると+/−1回折次数を捕獲することはできない。
それに対して図1(c)及び図1(d)を参照すると、コヒーレント・ビーム13が光軸から外れて結像系の縁へ移動すると(軸外照明即ちOAI)、図1(c)及び図1(d)に示すように+1回折次数が光軸上に位置することになる。この場合、シグマ(σ)の値が1.0に接近する。σは、照明レンズのNAと対物(結像)レンズのNAの間の比率である。
しかしながら、この状態では−1回折次数が結像系の外側に位置し、レンズ15は、この−1回折次数を捕獲することはできない。この2ビーム結像の場合、+1回折次数の位置が図1(d)に示すようにレンズ15の限界に後退するまでピッチをさらに小さくすることができる。この場合、σはσouterとして定義され、式[1]は、
この限界を超えると、ゼロ回折次数及び1(+1若しくは−1のいずれか)回折次数の両方を捕獲することができないため、画像を生成することはできない。
以下で詳細に説明するように、本明細書において開示する方法の実施例には、前述の現象が利用されており、したがって結像系によって捕獲されるのは回折パターンの一部のみであり、所望の画像に明確に寄与する回折パターンのこれらの部分のみが選択的に結像される。
より詳細には、すべてのマスク・パターンは、パターンの空間周波数成分に基づいて特性回折パターンを生成するため、そのパターンの空間周波数成分に対応する回折パターンのエレメントを結像系によって収集し、個々に、且つ、選択的に像平面に結像することができる。また、回折パターンの、両方のパターンに共通の部分のみが選択されるように特定のコヒーレンシ条件を使用して、共通の回折エレメントを含んだ異なるパターンが結像される。したがって、本質的に同じ画像を像平面に生成することになる異なるパターン(マスク・パターン)を物体平面に置くことができる。
図2は、本発明の一実施例によるリソグラフィ投影装置を略図で示したものである。このリソグラフィ投影装置は、以下のアイテムを備えている。
− 放射ビームPBを供給するように形成された放射系Ex、IL。この特定の実施例では、放射系は、さらに、放射ソースLAを備えている。
− マスクMA(たとえばレチクル)を保持するように形成されたマスク・ホルダを備えた、マスクを投影系(「レンズ」)つまりアイテムPLに対して正確に配置するように形成された第1の位置決め装置に接続された第1の対物テーブル(マスク・テーブル)MT。
− 基板W(たとえばレジスト被覆シリコン・ウェハ)を保持するように形成された基板ホルダを備えた、基板を投影系(「レンズ」)PLに対して正確に配置するように形成された第2の位置決め装置に接続された第2の対物テーブル(基板テーブル)WT。
− マスクMAの照射部分を基板Wの目標部分C(たとえば1つ又は複数のダイが含まれている)に結像するように形成された投影系(「投影レンズ」)PL(たとえば屈折光学系、カトプトリック光学系若しくはカタディオプトリック光学系)。
図に示すように、このリソグラフィ投影装置は、透過型(つまり透過型マスクを有する)タイプの装置であるが、一般的にはこのリソグラフィ投影装置は、たとえば反射型(反射型マスクを備えた)タイプの装置であっても良い。別法としては、このリソグラフィ投影装置は、マスクを使用する代わりに他の種類のパターン形成装置、たとえばプログラム可能ミラー・アレイ或いはLCDマトリックスなどを使用することも可能である。
放射ソースLA(たとえば水銀灯若しくはエキシマ・レーザ)は放射ビームを生成している。この放射ビームは、照明系(発光体)ILに直接供給され、或いはたとえばビーム・エキスパンダExなどの調節装置を介して供給される。発光体ILは、放射ビームの強度分布の外部及び/又は内部ラジアル・エクステント(一般に、それぞれσ−アウター及びσ−インナーと呼ばれている)を設定するように形成された調整装置AMを備えることができる。また、発光体ILは、通常、積分器IN及びコンデンサCOなどの他の様々な部品を備えている。この方法により、マスクMAに衝突するビームPBの断面に、所望する一様な強度分布を持たせることができる。
さらに図2を参照すると、投影装置は、さらに、本明細書において説明する、たとえば図11に示す方法を実行するようにプログラムすることができ、且つ、リソグラフィ装置の様々な部品を制御するように構成することができる制御ユニットCUを備えている。本発明の一実施例では、制御ユニットCUは、調整装置AMを制御し、且つ、発光体ILから射出するビームの断面強度分布を修正するように形成されたプロセッサを備えることができる。
図2に関して、放射ソースLAをリソグラフィ投影装置のハウジング内に配置し(放射ソースLAがたとえば水銀灯の場合にしばしば見られるように)、且つ、リソグラフィ投影装置から離して配置することにより、放射ソースLAが生成する放射ビームをリソグラフィ投影装置に導くことができる(たとえば適切な誘導ミラーを使用して)ことに留意されたい。この後者のシナリオは、放射ソースLAがエキシマ・レーザ(たとえばKrF、ArF或いはF2レーザ放出に基づく)の場合にしばしば見られるシナリオである。本発明には、これらのシナリオの両方が包含されている。
次に、ビームPBが、マスク・テーブルMT上に保持されているマスクMAによって遮断される。マスクMAを通過したビームPBは、ビームPBを基板Wの目標部分Cに集束させる投影系PLを通過する。基板テーブルWTは、第2の位置決め手段(及び干渉測定手段IF)を使用して正確に移動させることができ、それにより、たとえば異なる目標部分CをビームPBの光路中に配置することができる。同様に、第1の位置決め装置を使用して、たとえばマスク・ライブラリからマスクMAを機械的に検索した後、或いは走査中に、マスクMAをビームPBの光路に対して正確に配置することができる。通常、対物テーブルMT及びWTの移動は、図2には明確に示されていないが、長ストローク・モジュール(粗位置決め)及び短ストローク・モジュール(精密位置決め)を使用して実現されているが、ウェハ・ステッパ(ステップ・アンド・スキャン・ツールではなく)の場合、マスク・テーブルMTは、短ストローク・アクチュエータに接続するだけで良く、或いは固定することも可能である。
図に示すツールは、異なる2つのモードで使用することができる。
− ステップ・モードでは、マスク・テーブルMTが基本的に静止状態に維持され、マスク画像全体が目標部分Cに同時に投影される(即ち単一「フラッシュ」)。次に、基板テーブルWTがX及び/又はY方向にシフトされ、異なる目標部分CがビームPBによって照射される。
− 走査モードでは、所与の目標部分Cが単一「フラッシュ」に露光されない点を除き、基本的にステップ・モードと同じシナリオが適用される。走査モードでは、マスク・テーブルMTを所与の方向(いわゆる「走査方向」、たとえばY方向)に速度vで移動させることができるため、ビームPBによってマスク画像が走査され、同時に、基板テーブルWTが同じ方向若しくは逆方向に速度V=Mvで移動する。Mは、投影系PLの倍率である(通常、M=1/4若しくは1/5)。この方法によれば、解像度を犠牲にすることなく比較的大きい目標部分Cを露光することができる。
− その他のモードでは、プログラム可能パターン形成構造を保持するためにマスク・テーブルMTが基本的に静止状態に維持され、投影ビームに付与されたパターンが目標部分Cに投影されている間、基板テーブルWTが移動若しくは走査される。このモードでは、通常、パルス放射ソースが使用され、走査中、基板テーブルWTが移動する毎に、或いは連続する放射パルスと放射パルスの間に、必要に応じてプログラム可能パターン形成構造体が更新される。この動作モードは、上で言及したタイプのプログラム可能ミラー・アレイなどのプログラム可能パターン形成構造体を利用しているマスクレス・リソグラフィに容易に適用することができる。
上で説明した使用モードの組合せ及び/又はその変形形態若しくは全く異なる使用モードを使用することも可能である。
図7を参照すると、本発明の一実施例による、発光体のひとみ平面内に照明パターンを生成するために使用することができる照明系が略図で示されている。この照明系は、光集光/平行光学系10、アキシコン/ズーム・モジュール12、多重極モード生成部品38及び光積分及び投影光学系14を備えることができる。光軸16に沿ってこれらの部品が配置され、これらの部品を使用して、マスク平面20に配置されるマスクMAが照射され、延いては投影系PLを介して基板W上のレジスト中に露光パターンが生成される。図7に示す照明系は、水晶ロッド光積分器26を備えている。図7に示す光軸16は、折り畳んで、よりコンパクトな照明系を構築することができる。
図8aは、多重極モード生成素子38の例示的実施例を示したものである。多重極モード生成素子38は、ひとみ平面31でビーム光路に挿入することができる4つの三角ブレード41、42、43及び44を有している。これらの4つの三角ブレードは、本明細書においてはマルタ開口ブレード(MAB)としても言及されているマルタ十字40を形成している。ブレードの各々は、開口角βを有している。図8bは、アキシコン/ズーム・モジュール12によって生成される環状照明モードとMAB40を組み合わせることによって得られる照明強度分布を示したものである。この分布は、4つの光ビーム即ち極45を有している。この実施例は、連続可変四重極照明モードの生成を可能にしている。極45の各々の半径方向の位置は、アキシコン光学系33を調整することによって変更することができ、また、その半径方向の幅は、ズーム・レンズ24を調整することによって変更することができる。また、接線極の幅は、異なる開口角β1を有するもう1つのブレード・セット、たとえば図9に示すマルタ十字40を挿入することによって変更することができる。この照明系は、すべてのブレードを除去することによって、同じく連続可変で従来モード及び/又は環状モードで使用することができる。
開口角が異なるブレードを介在させることにより、接線極の幅を離散した工程で変更することができる。本発明の一実施例によれば、接線極の幅は、個々のブレードの頂点が位置している系の光軸の周りに互いに回転可能なn枚のブレードのスタックを備えたマルタ十字の個々のアームによって連続的に変更することができる。
一実施例によれば、図7の照明系に示すような長方形の水晶ロッド26などのライト・パイプを備えた光学系の多重極モード生成素子38として2枚のブレードのみが使用されている。2枚のブレードのうちの1枚は、ライト・パイプ26の長方形の断面の短辺に平行に配向され、もう1枚のブレードは、長辺に平行に配向されている。パイプ26内の多重反射により、環状照明と四重極照明が入り混じった照明モードが得られる。2ブレード系は、四重極部品を含んだ照明モードを生成することができるが、光ビームを遮るブレードが少ないため、マルタ十字構造の場合より小さいエネルギー損失で生成することができる。一実施例では、ブレードが長方形であり、マルタ十字の直交する2枚のブレード、たとえば図8aに示すブレード41及び42に類似している。この実施例では、ブレードのうちの1枚若しくは両方を、上で説明したように、より小さい回転可能ブレードのスタックを備えた複合ブレードにすることができる。
通常、ブレードは、マスクMA上の直交するラインに対応する方向に沿って配置されるため、光の極45は、各象限に、直交ラインから中心が45°で配置される。この配向により、ライン、とりわけDRAM様構造などの稠密構造のラインを最適投影することができる。直交するラインは、通常、水平ライン及び垂直ラインで言及されている。パターン・フィーチャのサイズが短縮されるにつれ、各象限に、直交ラインから中心が90°で配置される光の極がますます好ましくなる。四重極照明の最適シグマは、式
から予測することができ、また、極が水平軸及び垂直軸と整列する二重極及び45°回転四重極の最適シグマは、σ=λ/(2NA・ピッチ)から予測することができる。
ブレードを使用した上記実施例に対する他の変形形態は、極の位置を回転させることができるよう、すべてのブレードを照明系の光軸16の周りに回転可能にすることである。
図10を参照すると、本発明の一実施例は、多重極モード生成素子として角錐プリズム50を備えたアキシコン/ズーム・モジュールを備えている。この実施例も、連続可変モードでの従来の照明、環状照明及び四重極照明の生成を可能にしている。図10は、アキシコン/ズーム・モジュールの光学部品を示したものである。図10の右側の列は、アキシコン対33a、33b及びズーム・レンズ24の様々な位置に対するひとみ平面31の照明強度分布を示している。アキシコン対33は、円錐表面を有する、一方が凹面素子33aで、もう一方が凸面素子33bである、円形照明パターン及び環状照明パターンを生成するための一対の素子を備えている。4行目は、角錐プリズム50を凸面素子33bから分離する効果を示している。凸面素子33bの角錐50に面している側面は、角錐50を受け入れるための凹面角錐をなしている。凸面素子33b及び角錐プリズム50は、角錐アキシコン即ちピラミドンとしても知られている第2のアキシコンを備えている。角錐プリズム50は、4辺の底辺を有しており、したがって、図10の右側の列の一番下に示す4つのスポットなどの四重極モード照明パターンを生成している。
図10に示すアキシコン/ズーム・モジュールは、従来の照明モードから環状照明モード若しくは四重極照明モードへの照明モードの連続的な変更を可能にしている。ズーム・レンズ24は、スポット・サイズ即ち部分コヒーレンス係数を設定し、アキシコン対33は、環状度を決定している。また、角錐プリズム50は、四重極性を決定している。また、放射線束が阻止される代わりに再分布するため、事実上、放射損失が存在せず、したがって高スループットを維持することができる。
本発明の他の実施例では、別様に軸外照明を生成することができることを理解されたい。たとえば、前述の考察の中で説明したように、金属開口プレート・フィルタを投影系発光体のフライアイレンズ・アセンブリに組み込むことによって、或いは1つ又は複数の回折光学素子を使用することによって照明パターンを生成することができる。
次に図11を参照して、リソグラフィ装置を使用した基板へのマスク・パターンの光転送を最適化するための方法の例示的実施例について説明する。
本発明の一実施例によれば、あらゆるリソグラフィ・プロセスを最適化することができる。本発明の一実施例では、複雑なソース形状の挙動を効果的に模擬することができる単純なソース形状/照明配列を組み合わせた多重露光を実行することによって最適化が実施される。この実施例では、これらの複雑なソース形状を生成するための高価な特注開口若しくは光学系の使用に頼ることなくリソグラフィ・プロセスを改善することができる。
本発明の一実施例には、所望する基板画像の最良の結像を提供する(若しくはパターンを最も良好に画定する)回折パターンのエレメントを選択し、且つ、個々の露光に含まれているパターン成分に対して最適化若しくは改善された露光エネルギーで個々に露光することができるよう、異なる露光及びコヒーレンシを使用した多重露光が利用されている。もう一度図1を参照すると、コヒーレンシ条件を個々の露光中に適切に設定することによって、回折パターンの望ましくない部分を著しく最小化することができ、或いは除去することができる。また、多重露光を組み合わせることにより、所望のパターンを印刷するために最適化若しくは改善された複合照明によって、また、レジスト・パターン形成の非線形挙動を利用することによって完全な画像が形成される。その結果、ほぼ1:1のピッチ(たとえばライン−空間比率)で結像することができる。このピッチは、露光波長λ未満である。重要なことには、単一のマスクのみを使用することができ、この単一のマスクが、異なるコヒーレンシ露光設定値を利用して2回以上に渡って露光される。したがって、複数のマスクを使用しなければならない技法、たとえば二重−二重極及び相補alt−PSMなどの技法が抱えている問題を排除することができる。
したがって、所望の基板画像とは異なる、適切なコヒーレンシ条件で照射されると所望の画像を形成することになるその所望のパターンのエレメント(及び望ましくない余計なパターン情報)を含んだ回折パターンを有するパターンを生成することができる。マスク・パターンを適切に設計することにより、単一のマスクのみを使用して、二重極などの強力な軸外照明技法を使用することができる。所望する画像は、結像系によって捕獲される複素回折次数を制御する方法で発光体を適切に制御する(コヒーレンシを制御する)ことによって獲得される。
図11に示すように、基板へのマスク・パターンの光転送を最適化するための方法の実施例は、ステップ(A1)で開始され、発光体のひとみ平面の複数の照明配列が決定される。より詳細には、リソグラフィ性能応答パラメータ(以下、リソグラフィ応答パラメータと呼ぶ)に基づいてマスク・パターンを照射するために、複数の照明配列の各々が最適化若しくは改善される。
この最適化若しくは改善は、たとえばコンピュータ・シミュレーションによって実施することができる。このような場合、本発明の一実施例では、レジストに入射する放射のエネルギー分布を決定するように形成された空中画像モデルをシミュレーション計算に含めることができる。空中画像の計算は、フーリエ光学系のスカラ若しくはベクトルの形態のいずれかで実施することができる。実用的には、このシミュレーションは、市販されているProlith(登録商標)、Solid−C(登録商標)、Lithocruiserなどのシミュレータを使用して実行することができる。この実施例では、シミュレーションのための入力パラメータとして、リソグラフィ装置の様々な素子の特性、たとえば開口数(NA)或いは特定のマスク・パターンなどの特性を入力することができる。
この実施例では、次に、計算された画像をいくつかの所定の基準に対して評価し、所望のフィーチャを基板上のレジストに首尾良く印刷するだけの十分なコントラストをその画像が有しているかどうか判定することができる。焦点レンジを通して空中画像を解析し、露光許容度及びDOFの予測値を提供することができる。また、この手順は、最良の光学状態に到達するまで反復することができる。実用的には、コントラスト若しくは正規化空中画像ログ−スロープ(NILS)距離(フィーチャ・サイズに対して正規化された距離)を使用して空中画像の品質を決定することができる。この値は、画像強度(若しくは空中画像)の傾きに対応している。
一実施例では、ガウス像平面の焦点面からの距離、つまり幾何学的光線光学によって決定される最良の焦点面が存在する平面までの距離若しくは準単色放射ソースの中心波長を、空中画像シミュレーションを実行するための重要な関連パラメータに含めることができる。また、照明系の空間部分コヒーレンスの程度の測度、基板を露光する投影系の開口数、光学系の収差、及びマスクを表す空間透過関数の全記述を上記パラメータに含めることができる。
本発明の他の実施例では、シミュレーション・モデルにレジスト・モデルを含めることができる。一実施態様では、レジスト・モデルは、放射線量/露光エネルギー及び焦点などの変数を使用して臨界寸法(即ちサイズ)及びその変化を計算する際に、レジスト露光、レジスト・ベーク及びレジスト現像を考慮しなければならない。稠密/孤立フィーチャ・バイアス、副ローブ印刷及びマスク誤差拡大係数などの他の応答は、シミュレーション・ソフトウェアによって画定し、且つ、修正することができる。
同様に、本発明の一実施例では、レジスト・モデルは、非平面トポグラフィ及びベクトル効果を考慮することができる。ベクトル効果とは、大きい開口数を使用する場合に、電磁波が斜めに伝搬することである。これらのベクトル効果は、空中画像を計算する際に補償することができるが、空中におけるベクトル効果の計算によって、基板上で得られるコントラスト損失が著しく過大評価される。これは、入射した光線がレジスト中を伝搬する際に、レジストのより大きい屈折率のために直線化される傾向があることによるものである。したがって、実際の実験応答を正確に決定するためには、厳格な電磁計算を備えたレジスト・モデルが好ましい。
ステップ(A1)で複数の照明配列を決定するためのシミュレーション・モデルの選択は、空中画像モデル若しくはレジスト・モデルに何ら限定されないことを理解されたい。本発明の他の実施例では、集中パラメータ・モデル或いは可変閾値レジスト・モデルなどの追加モデルを使用することも可能である。通常、モデルは、実験データと整合しているという理由で選択される。
また、ステップ(A1)におけるシミュレーションの使用は、レジスト・プロファイルの計算に限定されないこと、及びシミュレーションを実行することによって、プロセス許容度、稠密/孤立フィーチャ・バイアス、副ローブ印刷及びマスク誤差に対する感度などの追加/相補応答を引き出すことができることを理解されたい。
ステップ(A1)をさらに参照すると、シミュレーション・モデル及び重要な関連パラメータが画定されると、本発明の一実施例では、リソグラフィ応答パラメータに基づいて、発光体のひとみ平面における放射ビームの離散化を表す放射ビーム・ポイントの格子を画定することによって複数の照明配列の各々が最適化若しくは改善される。
より詳細には、個々の格子ポイントを表す1つ又は複数の照明ファイルが生成され、且つ、シミュレーション・ソフトウェア内に配置される。ファイルに含まれている放射ビーム・ポイントによって、図4、図5及び図7に示す照明系のひとみ平面31に、発光体の断面全体を空間的に覆うポイント格子が形成される。リソグラフィ投影装置の応答は、個々の格子ポイント毎に計算される。この応答は、シミュレーション・モデルを使用したシミュレーションの結果若しくは一連の結果を表している。たとえば、考察中のマスク・パターンの臨界寸法或いは目標CDを基板上に画定するために必要な強度閾値を潜在応答に含めることができる。個々の応答の結果は、図12a及び図12bに示すような輪郭マップ上にプロットすることができる。個々の放射ビーム・ポイントを定量解析することにより、最適照明配列を決定することができる。コンピュータ・シミュレーションによる最適照明配列の計算に関連する追加情報については、2003年2月11日出願の「Method for Optimizing an Illumination Source Using Full Resist Simulation and Process Window Metric」という名称の米国特許出願第10/361831号、2003年11月20日出願の「Lithographic Apparatus and Method for Optimizing an Illumination Source Using Isofocal Compensation」という名称の米国特許出願第10/716439号、及び2004年2月9日出願の「Lithographic Apparatus And Method for Optimizing an Illumination Source Using Photolithographic Simulations」という名称の米国特許出願第10/773397号を参照されたい。これらの出願の内容は、参照によりそのすべてが本明細書に援用されている。
全発光体開口に対する放射ビーム・ポイントの各々の物理位置は、1つ又は複数の個別放射ビーム・ポイント・ファイルの中に設定され、所望する精度の程度に応じて変更することができる。個々の放射ビーム・ポイント間の空間が狭い場合、ビームの応答に関するより詳細な情報を提供することができるが、計算時間が著しく長くなる。それとは対照的に、個々の放射ビーム・ポイント間の空間が広い場合、ビームの応答に関する情報の精度は劣るが、計算時間が著しく短縮される。本発明の一実施例では、全発光体開口に対する格子の空間は約0.1であり、他の実施例では、格子空間は、約0.01〜0.2である。本発明の一実施例では、直線補間格子をより狭い格子空間と組み合わせて使用することができる。
放射ビーム・ポイントの格子は、本発明の他の実施例では別様に画定することができることを理解されたい。たとえば、1つ又は複数の照明ファイルの代替として、放射ビーム・ポイントの格子を計算の中でパラメトリック的に指定することができる。
図11のステップ(A1)をさらに参照すると、複数の照明配列は、リソグラフィ応答パラメータに基づいてマスク・パターンを照射するために最適化若しくは改善される。本発明の一実施例では、焦点深度(DOF)、露光許容度(EL)、8%ELにおける焦点深度(DOF@8%EL)、放射線量−サイズE1:1、稠密−孤立フィーチャ・バイアス、任意フィーチャ・サイズ・バイアス、副ローブ印刷、フィルム損失、サイドウォール角、マスク誤差拡大係数(MEEF)、一次分解能、絶対分解能、CD一様性若しくはそれらの任意の組合せを潜在リソグラフィ応答パラメータに含めることができる。
図12a及び図12bは、複数の最適/改善照明配列を決定するためにステップ(A1)で使用することができる輪郭マップの実施例を示したものである。本発明のこの実施例では、照明配列を決定するために2つのリソグラフィ応答パラメータ、即ち焦点深度及び露光許容度が選択されており、ステップ(A1)ではこの2つの応答に対して最適化され/改善される。図12a及び図12bは、ひとみ平面31における発光体の上部右側の象限に対応している。図12a及び図12bから分かるように、ソース・ポイント格子は、発光体の全開口に対して0.1:0.1の空間を有している。水平配向及び垂直配向の両方を有する単純な対称構造を考察すると、対称性の理由から視覚化される必要があるのは、発光体の上部右側の象限のみである。
図12a及び図12bでは、考察中のマスク・パターンは、6%減衰移相マスク(6%Att−PSM)を使用して印刷された75nmトレンチのパターンである。本発明のこの実施例では、放射ビームの波長は193nmであり、リソグラフィ投影装置の開口数は0.93である。シミュレーションは、15nmマスク・バイアスを使用して実施されている。これは、マスク上の1Xサイズのトレンチが90nmであることを意味している(1Xは、基準化サイズを意味している)。
図12aに示す輪郭マップでは、考察中のリソグラフィ応答パラメータは、最大焦点深度(μm)(最大DOF)であり、シミュレーションは、レジスト・モデルを使用して実施されている。この輪郭マップは、発光体内における放射ビーム・ポイントの位置を関数としてウェハ上で得られる最大DOFの計算値を表している。図12aから分かるように、深い焦点深度(最大DOF)を与えることができるのは、発光体の一番上の一番右側の領域(つまり半径0.8ないし0.9の領域)に位置する放射ビーム・ポイントのみである。これらの領域は、それぞれ水平配向及び垂直配向のフィーチャに対して有効である。この領域から放射する照明は、DOFの点に関しては有利であり、一方、この領域の外側からの照明は、不利と見なされている。したがって、この特定のマスク・パターンに有利なプロセス・ウィンドウには、0°及び90°の軸上に中心が位置する照明極が必要であることが期待される(Cクワッド照明)。この場合、このCクワッド照明配列の性能は、たとえば発光体によって捕獲される個々の放射ビーム・ポイントによる応答を平均することによって決定することができる。
図12bは、放射ビーム・ポイントの位置を関数とした最大露光許容度の変化(%)(最大EL)を示すもう1つの輪郭マップを示したものである。図12aの場合と同様、シミュレーションは、較正済みレジスト・モデル、波長193nm、バイアス15nm及びNA0.93を使用して実施されている。この輪郭マップは、発光体の中心に近い領域が、露光許容度の点に関しては頑強なリソグラフィ・プロセスを提供することを示している。それに対して、発光体の周囲に近い領域は、良好な露光許容度をもたらしていない。この結果は、焦点深度が浅いにもかかわらず(図12a)、微小シグマ照明では有利な放射線量許容度が得られないことを示している。
図12a及び図12bに示す輪郭マップの解析は、Cクワッド照明と微小シグマ照明を組み合わせることによってリソグラフィ・プロセスを潜在的に改善することができることを示唆している。図13aは、この複雑な組合せ照明を使用して得られたBossungプロットを示したものである(Cクワッド極は、0.95/0.85の半径でセットされ、開口角は22.5°、全発光体開口に対する微小シグマ極のサイズは0.05である)。図13bは、参考としてこの複雑な照明配列を示したもので、発光体のひとみ平面における強度分布の断面が示されている。図13aに示すBossungプロットは、様々な露光エネルギー(mj)に対する焦点外れを関数としたトレンチの臨界寸法(CD)の変化を示している。このグラフから分かるように、平均放射線量Eaverage=38.78mjを使用して、広焦点レンジに渡って仕様範囲内のトレンチ(即ち約68nmと82nmの間のトレンチ)を露光することができる。次に図14を参照すると、このグラフには、様々な照明配列(22.5°Cクワッド照明、22.5°Cクワッド照明+0.05σ、22.5°Cクワッド照明+0.10σ、22.5°Cクワッド照明+0.15σ)に対する焦点深度を関数とした露光許容度の変化が示されている。軸上照明の割合が減少し、且つ、プロセスがほぼアイソフォーカルになる焦点深度(DOF)の最大を見出すことができるため、放射線量許容度のトレードオフが存在していることが分かる。0.05σ中心極を備えた固定Cクワッド設定は、最大DOFを提供し、高い放射線量許容度を合理的に維持している。
以上の考察から、この特定のマスク・パターン(75nmトレンチ)に対するプロセス・ウィンドウを著しく改善する能力は、明らかにこのような複雑なソース形状即ちCクワッド照明+0.05σを生成する能力によって決まると言えるが、残念なことには、実験の結果によれば、微小0.05σ構造を備えた照明は、現在利用可能なビーム・シェーパを使用して再現することは不可能であることが分かっている。このような照明は、高価な特注ビーム整形エレメントを使用することによってのみ実施することができると考えられている。
したがって、極端に複雑な特注ビーム整形エレメントの使用に頼ることなく複雑なビーム形状の挙動を模擬するために、本発明の一実施例による方法はステップ(A2)へ進み、複数の照明配列のうちの少なくとも2つの照明配列の相対強度が修正される。より詳細には、様々な照明配列の「強度を平衡化する」ことによって有効複素照明が微調整される。したがって、従来のビーム・シェーパを使用して容易に生成することができる代替照明配列を使用して、複雑な照明配列を使用して得られる結果を模擬することができる。
図12a及び図12bに示す本発明の実施例の場合、これは、たとえばシグマ極のサイズを大きくし、且つ、同時にその強度を小さくすることによって微小シグマ照明(0.05σ)を模擬し/再現することができることを意味している。
次に図15aを参照すると、極の強度を調整することによって得られるプロセス・ウィンドウ・サイズに対するシミュレーションの結果が示されている。図15aでは、中央微小シグマ極の強度が4%から20%までの範囲で変化し、一方、全発光体開口に対するそのサイズは、0.05から0.25まで増加している。この新しいサイズの極は、標準の軸外発光体、たとえば図7に示すアキシコン/ズーム素子を使用して容易に再現することができる極構造に対応している。
図15aから分かるように、深いDOFの点に関しては、約12%の極強度が合理的な露光許容度で良好な結果を提供している。また、図15aと図14のデータを比較すると、0.25σ極を使用して得られる結果及び12%強度(0.25σ+12%)を使用して得られる結果は、0.05σ極(0.05σ)を使用して得られる結果と少なくとも同程度に良好であることが分かる。たとえば図15aにおける露光許容度(0.25σ+12%)は、0.35μmの焦点外れ範囲内で実質的に一定(7.5%)を維持していることに留意されたい。それに対して、図14における露光許容度(0.05σ)は、同じ0.35μmの焦点外れ範囲内でほぼ1/3になっている。これらの結果は、複雑なビーム形状を生成する際に遭遇する実際的な問題を排除することができ、また、1)より単純な形状/照明配列を使用して多重露光を実行することによって、或いは2)強度が最適化された、より複雑な形状を使用して単一露光を実行することによって頑強なリソグラフィ・プロセスを開発することができることを示している。図15bは、参考として、強度が平衡化された後の発光体のひとみ平面の強度分布領域を示したものである。図15bから分かるように、中心極は、元の0.05σ極よりはるかに大きくなっている。
本発明の一実施例では、ひとみ平面内の様々な領域を重み付けすることによって、つまりこれらの領域の相対サイズを計算することによって異なる照明配列の相対強度を予測することができることに留意されたい。実際には、図12a、図12b及び図13bの場合、この領域の空間面積と、Cクワッド極によって画定される面積とを比較することによって、0.05σ極の露光放射線量/エネルギーを決定することができる。次に、これらの面積の比率を総放射線量Etotalに適用して、様々なソース・フィーチャに結合すべき露光放射線量/エネルギーを決定することができる(即ち0.05σ照明及びCクワッド照明)。つまり、照明配列毎に放射線量重み付け平均が決定される。次に、この比率を使用して、同じ原理を使用したより大きい極に必要な減衰係数を予測することができる。次に、実験検証を使用して、シミュレーションによって見出された様々な領域の重み付けを最適化することができる。
照明配列の相対強度/放射線量が調整されると、本発明の一実施例による方法は次にステップA3へ進み、これらの照明配列の各々に対してマスク・パターンが1回照射される。つまり、時間を置いた個別露光が実行される。実際には、図12〜図15に示す実施例の場合、第1の照射/露光は、0.25σ極を使用して実施され、第2の照射/露光は、Cクワッド照明を使用して実施される。
図16は、本発明の一実施例による、リソグラフィ装置を使用した基板へのマスク・パターンの光転送を最適化するための方法を流れ図で示したものである。
図16では、この方法は、図11に示す方法と同様、ステップB1で開始され、ステップB2へ進行している。つまり、ステップB1で複数の照明配列が決定される。75nmのトレンチ・パターンを考察する場合、これは、Cクワッド照明と微小σ照明を組み合わせることによってリソグラフィ・プロセスを潜在的に改善することができることを意味している(図12a、図12b、図13及び図14を参照されたい)。次に、ステップB2で、複数の照明配列のうちの第1の照明配列の強度が複数の照明配列のうちの第2の照明配列の強度に対して調整される。上で説明した解析と同様の解析は、75nmのトレンチ・パターンの場合、深いDOFの点に関して、約12%の極強度によって合理的な露光許容度で良好な結果が提供されることを示すことになる(図15を参照されたい)。この方法は次にステップB3へ進み、可変透過率発光体を使用してマスク・パターンが露光される。
本発明のこの実施例では、可変透過率発光体は、異なる強度を有する異なる照明配列を使用して同時にマスク・パターンを露光するように形成されている。このような場合、図2に示すリソグラフィ装置の照明系ILは、可変透過率発光体である。実際には、これは、図15bに示す照明配列を使用して、上で考察したトレンチ・パターンを単一露光で露光することができることを意味している。この単一露光を多くのレーザ・パルスで構成し、放射線量をより良好に制御することができることは理解されよう。
考えられるところでは、多重極照明配列、たとえばCクワッド若しくは四重極を構成している個々の極の強度は、本発明の一実施例を使用して調整することが可能であることは理解されよう。また、この方法は、2つの照明配列のみの最適化に制限/限定されないことを理解されたい。したがって、この強度平衡化は、3つ以上の照明配列を使用する場合に拡張することができる。また、照明状態及びマスク・パターンの光転送は、使用するマスク(バイナリ・マスク、減衰移相マスク或いはクロムレス位相リソグラフィ(CPL)マスク)或いは考察中のマスク・パターンの性質に無関係に最適化することができることを理解されたい。
上で説明した実施例では、選択領域のサイズ(たとえば0.05σ極)及びその強度/放射線量が同時に変化しているが、本発明の一実施例では、領域のサイズを調整することによって、その領域に関連する放射線量を調整することなく強度を調整することができることは理解されよう。別法としては、本発明の他の実施例では、領域のサイズを変更することなく、その領域に関連する放射線量を調整することができることは理解されよう。
以上、本発明の特定の実施例を開示したが、本発明は、本発明の精神若しくは本質的な特性から逸脱することなく他の形態で具体化することができることに留意されたい。したがって上で説明した実施例は、あらゆる点で説明を目的としたものに過ぎず、何ら本発明を制限するものではない。本発明の範囲は特許請求の範囲に示されており、したがって特許請求の範囲と等価の意味及び範囲の範疇に属する変更は、すべて本発明に包含されるものとする。