JP2006030748A - 投射型表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 光変調手段を備えた投射型表示装置であって、前記光変調手段は、プレチルトを有する負の誘電異方性の液晶層80と、光軸方向に屈折率異方性を有する光学補償板92とを備え、前記光学補償板92について、その平面内における互いに直交する方位角方向の屈折率をnx、nyとし、厚さ方向の屈折率をnzとした場合に、nz<nx若しくはnz<nyが成立し、前記光学補償板92は、nx>nyが成立することで面内位相差を有し、当該面内位相差の遅相軸92aが前記液晶層80のプレチルトの方位角方向に対して略垂直であることを特徴とする。
【選択図】 図5
Description
このような液晶装置としては、2枚の偏光板の間に位相差板と液晶層とが配置された構成が知られており、位相差板は偏光板のクロスニコルの中でもその遅相軸が平行か垂直になるように配置するが一般的であった(例えば、特許文献1参照。)。このような構成を採用することにより、黒表示は位相差に影響されずに、理想的な黒色を表示することが可能となる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、黒が浮いた表示を抑制し、高コントラスト化を実現できる投射型表示装置を提供することを目的とする。
そこで、本発明者は、上記に基づいて以下の手段を有する本発明を想到した。
このような光学補償板を備えることにより、初期的にプレチルトを有している垂直配向液晶の位相差をキャンセルし、当該位相差を光学的に補償することができる。これによって、黒が浮いた表示を抑制することができ、高コントラスト化を実現できる。
このように面内位相差を20nm以下にすることで、プレチルトが80°以上の液晶層の位相差を補償することができる。
このように無機材料を配向膜として用いることにより、垂直配向の液晶分子が所定のプレチルトを備えるように液晶層を配向させることができる。無機材料としてSiOx(x=1又は2)Al2O3などを想定している。
このようにすれば、液晶層と第1偏光板との間、又は液晶層と第2偏光板との間において、初期的にプレチルトを有している垂直配向液晶の位相差をキャンセルし、当該位相差を光学的に補償することができる。
このようにすれば、光変調手段に光が入射することに起因する光リークを抑制することができる。
以下、本発明の投射型表示装置の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、投射型表示装置の要部を示す概略構成図である。
図1に示すように、投射型表示装置PJは、光源10と、光源10から入射した光の輝度分布を均一化する均一照明系20と、均一照明系20から入射した光の波長領域のうちのRGB3原色の輝度をそれぞれ変調する色変調部25(光変調手段としての3つの透過型液晶ライトバルブ22,23,24を含む)と、色変調部25から入射した光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ27と、を含んで構成されている。
なお、偏光変換素子23は、例えば、PBSアレイと、1/2波長板とで構成されており、ランダム偏光を特定の直線偏光に変換するものである。
光源10からの白色光はダイクロイックミラー13,14により赤色(R)、緑色(G)及び青色(B)の3原色光に分光されるとともに、平行化レンズ26B,26G,26Rを含むレンズ及びミラーを介して、液晶ライトバルブ22,23,24に入射される。液晶ライトバルブ22,23,24に入射した各々の色光はそれぞれの波長領域に応じた外部データに基づいて色変調され、光学像を内包した変調光として射出される。液晶ライトバルブ22,23,24からの各変調光は、それぞれクロスダイクロイックプリズム28に入射し、そこで一つの光に合成され、投射レンズ27へ射出される。そして、投射レンズ27において、液晶ライトバルブ100からの最終的な合成光を図示しないスクリーン上に投射し所望の画像を表示する。
次に、図2〜図6を参照し、上記の投射型表示装置が備える液晶ライトバルブ(光変調手段)22、23、24について説明する。ここでは、液晶ライトバルブ22を代表して説明し、液晶ライトバルブ23、24の説明を省略する。
液晶ライトバルブ22は、一対の基板により液晶層が挟持された液晶パネルと、その液晶パネルの外側にCプレート(光学補償板)と偏光板とを備えて構成されている。なお、本実施形態では、スイッチング素子として薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor、以下TFTという)素子を用いたアクティブマトリクス方式の液晶ライトバルブについて説明する。
なお、以下の説明に用いる各図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
また、本明細書では、液晶ライトバルブの各構成部材における液晶層側を内側と呼び、その反対側を外側と呼ぶことにする。また、「非選択電圧印加時」および「選択電圧印加時」とは、それぞれ「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧近傍である時」および「液晶層への印加電圧が液晶のしきい値電圧に比べて十分高い時」を意味しているものとする。
液晶パネルの画像表示領域を構成すべくマトリクス状に配置された複数のドットには、画素電極39が形成されている。また、その画素電極39の側方には、当該画素電極39への通電制御を行うためのスイッチング素子であるTFT素子60が形成されている。このTFT素子60のソースには、データ線36aが電気的に接続されている。各データ線36aには画像信号S1、S2、…、Snが供給される。なお、画像信号S1、S2、…、Snは、各データ線36aに対してこの順に線順次で供給してもよく、相隣接する複数のデータ線36aに対してグループ毎に供給してもよい。
本実施形態の液晶パネルでは、TFTアレイ基板上に、インジウム錫酸化物(Indium Tin Oxide、以下ITOという)等の透明導電性材料からなる矩形状の画素電極39(破線39aによりその輪郭を示す)が、マトリクス状に配列形成されている。また、画素電極39の縦横の境界に沿って、データ線36a、走査線63aおよび容量線33bが設けられている。本実施形態では、各画素電極39の形成された領域がドットであり、マトリクス状に配置されたドットごとに表示を行うことが可能な構造になっている。
図4に示すように、液晶パネル90は、TFTアレイ基板40と、これに対向配置された対向基板50と、これらの間に挟持された液晶層80とを主体として構成されている。TFTアレイ基板40は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体40A、およびその内側に形成されたTFT素子60や画素電極39、配向膜46などを主体として構成されている。一方の対向基板50は、ガラスや石英等の透光性材料からなる基板本体50A、およびその内側に形成された共通電極51や配向膜52などを主体として構成されている。
更に、共通電極51の表面には、配向膜52が形成されている。配向膜52は、シリコン酸化膜等の無機材料を蒸着することによって形成されたものである。このような配向膜52は、非選択電圧印加時における液晶分子の配向方向を規制し、液晶分子にプレチルトを付与することが可能となっている。なお、本明細書におけるプレチルトとは、基板面と液晶分子の配向方向とがなす角度を意味している。
また、このような液晶層80は、非選択電圧印加時においてプレチルトを有しており、即ち、自らが位相差を有するものとなる。当該プレチルトは配向膜52によって85°に設定されている。
本実施形態の液晶ライトバルブ22は、上述した液晶パネル90と、液晶パネル90の外側に配置されたCプレート(光学補償板)92と、Cプレート92の外側及び液晶パネル90の外側に配置された偏光板(第1偏光板)93、偏光板(第2偏光板)94とによって構成されている。ここで、偏光板93は、液晶層80の光入射側に設けられたものであり、偏光板94は、液晶層80の光出射側に設けられたものである。
また、Cプレート92は、TAC基材の表面に反射防止フィルム(反射防止膜)が形成された構成を有しており、図5における入射光Lに起因するTFTの光リークを抑制している。
図6において、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示している。なお、図中P0は、ポーラライザを意味し、偏光板93、94のみの透過率特性であって、理想的な透過率特性を示すものである。
また、Cプレート92と液晶層80のチルトが直交することで黒の表示が沈み、コントラストが従来1000であったのに対して1500まで向上することが、本発明者によって確認された。
また、無機材料からなる配向膜52が形成されているので、非選択電圧印加時における液晶分子の配向方向を規制し、液晶分子にプレチルトを付与することができる。
また、Cプレート92は、偏光板93と液晶パネル90の間に配置されているので、液晶パネル90と偏光板93との間において、初期的にプレチルトを有している垂直配向液晶の位相差をキャンセルし、当該位相差を光学的に補償することができる。なお、当該Cプレート92は、偏光板93と液晶パネル90の間に配置することを限定するものではない。偏光板94と液晶パネル90の間にCプレート92を配置した構成を採用してもよい。
また、Cプレート92は、TAC基材の表面に形成された反射防止フィルムを備えるので、液晶パネル90に光が入射することに起因する光リークを抑制することができる。
次に、液晶ライトバルブの第2実施形態について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態においては、先に記載の第1実施形態と同一構成には同一符号を付して説明を簡略化し、異なる部分についてのみ説明する。
第1実施形態の液晶ライトバルブにおいては、液晶層80が85°のプレチルトを有すると共に面内位相差が3〜5nmのCプレート92を採用したが、本実施形態では液晶層80が83°のプレチルトを有すると共に面内位相差が7nmのCプレート92を採用している。
図7において、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示している。なお、図中P0は、ポーラライザを意味し、偏光板93、94のみの透過率特性であって、理想的な透過率特性を示すものである。
また、非選択電圧印加時における液晶層80の位相差、所謂残留位相差が大きくなるものの、選択電圧印加時において液晶分子が傾倒しやすくなり、また、横電界に対する耐性が得られるので、配向制御性が向上し、応答が速くなる。
その理由としては、プレチルトが80°を下回る垂直配向液晶においては、コントラストの低下を招き、良好な表示が得られにくくなる。そこで、高コントラストな表示を得るためには、プレチルトが80°よりも高いことが好ましい。このような80°以上のプレチルトを有する垂直配向液晶の位相差を補償するために必要なCプレート92の面内位相差は20nmである。従って、Cプレート92の面内位相差は20nm以下であることが好ましい。
Claims (5)
- 平面内で互いに直交する二つの方位角方向の屈折率をそれぞれnx、nyとし、厚さ方向の屈折率をnzと定義した場合に、nz<nx且つnz<nyを満たした光軸を有し、nx>nyを満たした面内位相差を有する光学補償板と、
前記面内位相差の遅相軸の方向に対して略垂直となる方位角方向にプレチルトを有した負の誘電異方性の液晶層を備える光変調手段と、
を備えたことを特徴とする投射型表示装置。 - 前記面内位相差は20nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の投射型表示装置。
- 前記液晶層を配向させる配向膜は、無機材料からなることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の投射型表示装置。
- 前記光変調手段は、前記液晶層の光入射側に設けられた第1偏光板と、液晶層の光出射側に設けられた第2偏光板とを具備し、
前記光学補償板は、前記液晶層と前記第1偏光板との間、又は前記液晶層と前記第2偏光板との間に配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の投射型表示装置。 - 前記光学補償板の表面には、反射防止膜が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の投射型表示装置。
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Cited By (3)
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JP2007233069A (ja) * | 2006-03-01 | 2007-09-13 | Sony Corp | 投射型液晶表示装置 |
JP2007256634A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Toshiba Matsushita Display Technology Co Ltd | 平面撮像表示装置 |
US7782438B2 (en) | 2006-06-13 | 2010-08-24 | Kent State University | Fast switching electro-optical devices using banana-shaped liquid crystals |
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2004
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