JP4340036B2 - 投射型表示装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、投射型表示装置に関し、特に反射型液晶ライトバルブを用いた投射型表示装置の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
反射型の液晶ライトバルブを用いた投射型表示装置(液晶プロジェクタ)は、高精細の表示が可能であることから注目されている。この種の従来の投射型液晶表示装置としては、各色毎、具体的にはR(赤)、G(緑)、B(青)用の液晶ライトバルブの各々に対して光を垂直に入射させ、反射光を再び垂直に出射させるもの、すなわち、入射光と反射光の光路が同軸上にある「オンアクシス光学系」を採用したものが一般的であった。
【0003】
しかしながら、「オンアクシス光学系」を採用した場合、入射光と反射光を分離するのに偏光ビームスプリッタ(Polarized Beam Spritter,以下、PBSと略記する)を用いる必要があり、高価なPBSが装置全体で3個必要となるため、装置のコストが高くなるという問題があった。そこで、液晶ライトバルブの垂直方向からずれた角度から光を入射させ、その入射方向とは異なる方向に反射光を出射させる方式の「オフアクシス光学系」を採用した投射型表示装置が提案されている。オフアクシス光学系ではPBSが不要となるため、装置のコストを低減することができる。
【0004】
ところで、一般的に液晶ライトバルブに用いられる配向モードには、電圧無印加状態で液晶分子の長軸方向が基板面に略平行で基板面に垂直な方向に沿ってねじれた配向を持つツイステッド・ネマティック(Twisted Nematic,以下、TNと略記する)モードと、液晶分子が垂直に配向した垂直配向モードとがある。表示の明るさ等の面から従来はTNモードが主流であったが、垂直配向モードがいくつかの優れた特性を持っていることから、垂直配向型の液晶装置が注目されてきた。
【0005】
例えば垂直配向モードでは、液晶分子が基板面に対して垂直に配列した状態(法線方向から見た光学的リターデーションが無い状態)を黒表示として用いるため、黒表示の質が良く、高いコントラスト比が得られる。また、正面コントラスト比に優れる垂直配向型LCDでは、一定のコントラスト比が得られる視角範囲はTNモードに比較して広くなる。この観点から、垂直配向モードの液晶ライトバルブは、近年、例えばリア型プロジェクションTVなどの映像向けの用途に注目されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、オフアクシス光学系を持つ投射型表示装置においては、オンアクシス光学系のものに比べて装置の低コスト化が図れる、という利点を有している。しかしながら、オフアクシス光学系を持つ投射型表示装置に垂直配向モードの液晶ライトバルブを組み合わせた場合、この種の液晶ライトバルブが元来持っている視角特性に起因してコントラスト比が低下するという問題が生じていた。液晶ライトバルブの基板面の法線と入射光の光軸とのなす角(本明細書では、以下、これを入射角と定義する)は一般的に10°〜20°程度に設定されているが、このような入射角ではコントラスト比が低下してしまい、垂直配向モードの持つコントラスト比の良さを生かすことができなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、高いコントラスト比が得られるオフアクシス光学系からなる投射型表示装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の投射型表示装置は、照明手段と、該照明手段から出射される光を変調する光変調手段と、該光変調手段により変調された光を投射する投射手段とを有する投射型表示装置であり、前記光変調手段が、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、前記照明手段から前記液晶ライトバルブへの入射光の光軸と前記液晶ライトバルブから前記投射手段への反射光の光軸とが所定の角度をなすオフアクシス光学系の配置とされるとともに、前記入射光の入射角が5°以上15°未満の範囲にあり、前記液晶層における液晶分子のプレチルト角が1°以上10°未満の範囲にあることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の他の投射型表示装置は、前記光変調手段が、一対の基板間に垂直配向モードの液晶層が挟持され、前記照明手段からの光を前記一対の基板のうちの一方の基板側から入射させ、他方の基板側で反射させた後、前記一方の基板から出射させる反射型の液晶ライトバルブを備え、前記照明手段から前記液晶ライトバルブへの入射光の光軸と前記液晶ライトバルブから前記投射手段への反射光の光軸とが所定の角度をなすオフアクシス光学系の配置とされるとともに、前記入射光の入射角が15°以上の範囲にあり、前記液晶層における液晶分子のプレチルト角が10°以上の範囲にあることを特徴とする。
【0010】
本発明者は、オフアクシス光学系を備えた投射型表示装置に対して垂直配向モードの反射型液晶ライトバルブを適用した場合、液晶分子のプレチルト角とコントラスト比との間に相関関係があり、プレチルト角を最適化することによりコントラスト比を向上できることを見出した。また、上記のコントラスト比を向上するのに最適なプレチルト角が、液晶ライトバルブに入射される光の入射角に依存することを見出した。よって、本発明の最大の特徴点は、ある範囲の入射角に対して良好なコントラスト比が得られるようなプレチルト角の条件を限定したことにある。なお、本明細書では、基板面の法線と液晶分子の平均的な長軸方向とのなす角度のことを「プレチルト角」と定義する。
【0011】
具体的な数値条件の設定の根拠については[実施例]の項で詳述するが、大まかな傾向として、コントラスト比の入射角依存性を示す特性曲線に着目すると、プレチルト角の値を大きく設定すればする程、コントラスト比がピークを示す入射角の値が大きくなるとともに、コントラスト比の値自体が低下する傾向を示す。したがって、少なくともこの程度は欲しいというコントラスト比の値を満足した上で、入射角が小さい領域ではプレチルト角を小さく、入射角が大きい領域ではプレチルト角を大きく設定すればよいことになる。
【0012】
また、上記のようにプレチルト角を最適化した上で、さらに液晶ライトバルブを構成する前記一方の基板の外面側に位相差板を配置してもよい。
位相差板をこのように配置することによって、入射光が液晶層内を往復する間に生じる位相差を補償することができ、入射角とコントラスト比との関係を適宜調整することができる。
【0013】
特に位相差板として1/4波長板を用いたとすると、入射光の入射角が5°ないし15°の範囲にある場合には、1/4波長板の光学軸が、前記一方の基板の外面側から左回りに見て入射偏光軸に対して−1°ないし+1°の角度をなすように1/4波長板を配置することが望ましい。また、入射光の入射角が15°以上の範囲にある場合には、1/4波長板の光学軸が、前記一方の基板の外面側から左回りに見て入射偏光軸に対して−2°ないし−5°の角度、もしくは+2°ないし+5°の角度をなすように1/4波長板を配置することが望ましい。
この数値条件の設定の根拠についても[実施例]の項で詳述する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図1〜図5を参照して説明する。
本実施の形態の投射型表示装置は、反射型液晶ライトバルブを含むオフアクシス光学系を備えた投射型表示装置の例である。
図1は本実施の形態の投射型表示装置を示す概略構成図、図2、図3は反射型液晶ライトバルブの反射側基板の一例であって、マトリクス状に配置されている画素のうち一画素部分の断面図と平面レイアウト、図2は図3におけるI−I線に沿った断面、を示す。また、図4は液晶パネル基板(反射側基板)の平面レイアウト、図5は反射型液晶ライトバルブの断面構成を示す。なお、各図においては、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材毎に縮尺を異ならせてある。
【0015】
本実施の形態の投射型表示装置1は、図1に示すように、偏光照明装置2(照明手段)と、偏光照明装置2から出射された光を変調する反射型の液晶ライトバルブ3(光変調手段)と、液晶ライトバルブ3により変調された光をスクリーン5に投射する投射レンズからなる投射光学系4(投射手段)とを有している。偏光照明装置2は、光源7とインテグレータレンズ8と偏光変換素子9とを有している。投射型表示装置1の光学系全体は、偏光照明装置2から液晶ライトバルブ3に入射される入射光の光軸L1と液晶ライトバルブ3から投射光学系4に出射される反射光の光軸L2とが所定の角度をなすオフアクシス光学系の配置とされている。
【0016】
また、偏光照明装置2から液晶ライトバルブ3に入射される入射光の光軸L1上に入射側偏光板11が配置されるとともに、液晶ライトバルブ3から投射光学系4に出射される反射光の光軸L2上には出射側偏光板12が配置されている。これら偏光板11,12の作用により、液晶ライトバルブ3によって変調された光の透過、遮断が選択され、明表示、暗表示が切り替わるようになっている。
【0017】
液晶ライトバルブ3への入射光の入射角(液晶ライトバルブ3の基板面の法線Mと入射光軸L1とのなす角θ)が5°以上、15°未満の範囲にある場合、液晶層87における液晶分子のプレチルト角が1°以上、10°未満の範囲となるように配向処理条件を設定することが望ましく、入射角θが15°以上の範囲にある場合、液晶層87における液晶分子のプレチルト角が10°以上の範囲となるように配向処理条件を設定することが望ましい。
【0018】
さらに場合によっては、液晶ライトバルブ3の光入射側の基板の外面に、1/4波長板15などの位相差板を配置してもよい。その際、入射角θが5°以上、15°未満の範囲にある場合、1/4波長板15の光学軸が、光入射側の基板の外面側から左回りに見て入射側偏光板11の偏光軸に対して−1°ないし+1°の角度をなすように1/4波長板15を配置することが望ましい。また、入射角θが15°以上の範囲にある場合には、1/4波長板15の光学軸が、光入射側の基板の外面側から左回りに見て入射側偏光板11の偏光軸に対して−2°ないし−5°の角度、もしくは+2°ないし+5°の角度をなすように1/4波長板15を配置することが望ましい。
【0019】
本実施の形態の液晶ライトバルブ3は、例えば以下のように構成されている。図2および図3は、本実施の形態の反射型液晶ライトバルブの反射側基板の一例を示す。
【0020】
図2において、51は単結晶シリコンのようなP型半導体基板、52はこの半導体基板51の表面に形成されたP型ウェル領域、53は半導体基板51の表面に形成された素子分離用のフィールド酸化膜(いわゆるLOCOS)である。上記フィールド酸化膜53に開口部が形成され、開口部の内側中央にゲート酸化膜を介してポリシリコン等からなるゲート電極54aが形成され、このゲート電極54aの両側の基板表面には高不純物濃度のN型拡散層からなるソース、ドレイン領域55a,55bが形成され、MOSFETが構成されている。そして、上記ソース、ドレイン領域55a,55bのうち一方(図では55a)の上方には、PSG膜のような絶縁膜56を介して一層目のアルミニウム層からなるデータ線57が形成され、このデータ線57の一部が上記絶縁膜56に形成されたコンタクトホールにてソース、ドレイン領域55aに電気的に接続されている。
【0021】
また、上記MOSFETの周囲には上記フィールド酸化膜53に環状の開口部が形成され、開口部内側の基板表面には低不純物濃度のN型拡散層58が形成されているとともに、この拡散層58の表面にはゲート絶縁膜と同一工程で形成された絶縁膜を介してポリシリコン層等からなる電極59が形成され、この電極59と上記拡散層58との間に絶縁膜容量が構成されている。
【0022】
そして、上記電極59の内縁部の一部には上記MOSFETのソース、ドレイン領域55a,55bのうち他方(図では55b)に一端が接触されたアルミ配線60の他端が電気的に接続されている。また、上記拡散層58の内側にはその一部に接するように高不純物濃度のN型拡散層からなるコンタクト部61が形成され、このコンタクト部61には、上記絶縁膜56を介してその上方に形成された一層目にアルミニウム層からなるLCコモン電位を伝える配線(以下、LCコモンラインと称する)62の一部が上記絶縁膜56に形成されたコンタクトホールにて電気的に接続されている。なお、ここで、LCコモン電位とは、上記画素電極64と液晶を挟んで対向される電極に印加される電圧で、液晶駆動で問題となるいわゆるプッシュダウン(容量カップリングにより実質的な書込み電圧がマイナス側シフトする現象)を考慮してその分だけ予めシフトした電圧である。
【0023】
上記アルミ配線60の一部には、上記MOSFETおよび保持容量の電極59の上方を覆うように形成された二酸化シリコンのような絶縁物からなるLTO(Low Tenperature Oxide)膜63を介してその表面に形成された二層目のアルミニウム層からなる反射電極としての画素電極64が、タングステン等の高融点金属からなる接続プラグ65によって電気的に接続されている。
【0024】
上記画素電極64は、特に限定されないが、接続プラグ65を構成するタングステン等をCVD法により被着した後、タングステンとLTO膜62とをCMP(化学的機械研磨)法で削って平坦化してから、例えば低温スパッタ法により形成され、一辺が約20μmの正方形のような形状とされる。上記画素電極64の上方には、ITOからなる対向電極を有する入射側のガラス基板が適当な間隔をおいて配置され、周囲をシール材で封止された間隙内にTNモード液晶または垂直配向モード液晶などが充填されて反射型液晶ライトバルブが構成される。
【0025】
図3は図2に示されている反射側の液晶パネル基板の平面レイアウトである。同図に示されているように、この実施例では、データ線57とゲート線54とが互いに直交するように形成され、ゲート電極54aは図の横方向に沿って延設されたゲート線54から突出するように形成されているとともに、MOSFETの一方のソース、ドレイン領域55aもデータ線57から突出するように形成された部分に接続されている。
【0026】
また、各画素の保持容量にLCコモン電位を与える上記コモンライン62および上記ウェル領域52にVss(例えば0V)のような電位を与えるVssライン66が上記データ線57と平行に配設されている。また、半導体基板(P--)51にもVssが印加される。このVssライン66は、ウェル領域52に設けられたコンタクト領域52a(図2参照)にて、ウェル領域に接続される。このコンタクト領域52aは各画素毎に設ける必要はなく、適当な間隔をおいて形成すれば良い。これにより、ウェル電位はVss、容量部はLC−COMに電位が固定されるため、キャリアの発生による電位変動を受けにくくなり、安定した動作が実現できる。
【0027】
さらに、この実施例では、データ線57は互いに隣接する画素電極と画素電極との間の縦方向のスリット67aに沿って配置され、スリットからの漏れ光を遮断する機能をも有するように形成されている。一方、画素電極と画素電極の横方向のスリット67bにもアルミニウム層からなる遮光層68が配設されている。この遮光層68は、本実施例の液晶パネルがノーマリブラックモードであるため、上記LCコモンライン62と接続されることにより、LCコモン電位が印加されて遮光層68の電位が固定されるように構成されている。
【0028】
図4は上記構成例を適用した液晶パネル基板(反射側基板)の平面レイアウトを示す。
図4に示されているように、この例においては、基板の周縁部に設けられている周辺回路に光が入射するのを防止する遮光層75が設けられている。ここで、周辺回路とは、上記画素電極がマトリックス状に配置された画素領域70の周辺に設けられ、上記データ線57を画像データに応じて駆動するデータ線駆動回路71やゲート線54を順番に走査駆動するゲート線駆動回路72、パッド領域76を介して外部から入力される画像データを取り込む入力回路73、これらの回路を制御するタイミング制御回路74等の回路であり、これらの回路は画素電極駆動用MOSFETと同一工程で形成されるMOSFETを能動素子もしくはスイッチング素子とし、これに抵抗や容量などの負荷素子を組み合わせることで構成されている。
【0029】
この例においては、上記遮光層75は、図2に示されている画素電極64と同一工程で形成される二層目のアルミニウム層で構成され、LCコモン電位が印加されるように構成されている。76は電源電圧を供給するために使用されるパッドまたは端子が形成されたパッド領域である。LCコモン電位を印加することでフローティングや他の電位である場合に比べて反射を少なくすることができる。
【0030】
図5は上記液晶パネル基板81を適用した反射型液晶ライトバルブの断面構成を示す。図5に示すように、上記液晶パネル基板81は、その裏面にガラスもしくはセラミック等からなる支持基板82が接着剤により接着されている。これとともに、その表面側には、LCコモン電位が印加される透明導電膜(ITO)からなる対向電極83を有する入射側のガラス基板85が適当な間隔をおいて配置され、周囲をシール材86で封止された間隙内にTNモード液晶または垂直配向モード液晶などが充填されて液晶層87が形成され、液晶パネル80として構成されている。
【0031】
本実施の形態によれば、オフアクシス光学系からなる投射型表示装置において垂直配向モードにおける液晶分子のプレチルト角が最適化されているので、コントラスト比が高く、オンアクシス光学系に比べて安価な投射型表示装置を実現することができる。
【0032】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態では、液晶ライトバルブに付帯する位相差板として1/4波長板の例を挙げたが、1/4波長以外の位相差を有する位相差板を用いたとしても、液晶分子のプレチルト角と位相差板の光学軸配置の最適化を図ることによって、上記と同様にコントラスト比の向上の効果を得ることができる。
【0033】
【実施例】
本発明者は、液晶分子のプレチルト角の値、および1/4波長板の光学軸配置を種々に変えたときのコントラスト比の入射角依存性をシミュレーションにより求め、プレチルト角および1/4波長板の光学軸配置の好ましい値を決定した。以下、そのシミュレーション結果について説明する。
【0034】
[実施例1]
まず最初に、液晶分子のプレチルト角の値を種々に変えたときのコントラスト比の入射角依存性をシミュレーションにより求め、プレチルト角の好ましい値を決定した。すなわち、この実施例1では1/4波長板は使用しなかった。なお、シミュレーションに必要なパラメータとして、セル厚:2μm、液晶弾性定数:K11=10,K33/K11=1.5,K33/K22=3、液晶比誘電率:ε(垂直)=7.8,ε(平行)=3.7、液晶屈折率:ne=1.58,no=1.48、と設定した。プレチルト角は1°、5°、10°、15°、20°、25°の6種類の値で変化させた。
【0035】
図6は、シミュレーション結果を示す「コントラスト比の入射角依存性」の特性曲線であり、横軸は液晶ライトバルブへの光の入射角(°)、縦軸はコントラスト比、である。なお、コントラスト比が100未満になる場合は図中にプロットしていない。
【0036】
図6に示すように、プレチルト角の値を大きく設定すればする程、コントラスト比がピークを示す入射角の値が大きくなるとともに、コントラスト比の値自体が低下する傾向を示すことがわかる。プレチルト角が1°の場合、入射角±5°未満の領域でピークを示し、プレチルト角が5°の場合、入射角±10°のところでピークを示しており、入射角が±15°以上ではコントラスト比が急激に低下している。これに対して、プレチルト角を10°とすると、コントラスト比のピークは数1000レベルに低下するものの、入射角±15°のところでピークを示すようになり、入射角±15°以上の範囲ではプレチルト角が1°または5°のときのコントラスト比と大小関係が逆転している。
【0037】
以上の結果から、入射角を5°以上、15°未満とした場合、プレチルト角が1°以上、10°未満の範囲となるように配向状態を制御し、入射角を15°以上とした場合、プレチルト角が10°以上の範囲となるように配向状態を制御することが望ましいことがわかった。入射角を5°未満とすると、入射光の光軸と反射光の光軸とが接近しすぎ、入射側偏光板と出射側偏光板の配置が困難になるか、装置が大型化するという問題が生じ、実用的でない。この点を考慮すると、入射角は通常、10°〜20°程度の範囲となるが、この範囲において上記の条件であれば、コントラスト比が数100〜数1000レベルを確保することができる。
【0038】
[実施例2]
次に、液晶ライトバルブの前面に1/4波長板を装入するとともに、1/4波長板の光学軸を入射側偏光板の偏光軸に対して種々の角度でずらして配置し、そのそれぞれにおいて液晶分子のプレチルト角を種々に変えたときのコントラスト比の入射角依存性をシミュレーションにより求めた。その結果から、1/4波長板のずらし角の好ましい値を決定した。なお、シミュレーションに必要なパラメータとして、セル厚:2μm、液晶弾性定数:K11=10,K33/K11=1.5,K33/K22=3、液晶比誘電率:ε(垂直)=7.8,ε(平行)=3.7、液晶屈折率:ne=1.58,no=1.48、1/4波長板:Δn×d=0.137μm、と設定した。プレチルト角は1°、5°、10°、15°、20°、25°の6種類の値で変化させた。
【0039】
図7〜図16は、シミュレーション結果を示す「コントラスト比の入射角依存性」の特性曲線であり、横軸は液晶ライトバルブへの光の入射角(°)、縦軸はコントラスト比、である。コントラスト比が100未満になる場合は図中にプロットしていない。なお、各光学軸の角度については、図17に示すように、光入射側基板(上基板)の液晶配向方向(ラビング方向)を基準にして上基板側から見た状態で左回りの角度で表している。上基板のラビング方向に対して入射側偏光板の偏光軸を45°に設定しているので、実施例2における1/4波長板の光学軸の角度をα[°]とすると、入射側偏光板の偏光軸に対する1/4波長板のずらし角β[°]は、β=α−45°と定義する。
【0040】
図7はα=30°(β=−15°)、図8はα=35°(β=−10°)、図9はα=40°(β=−5°)、図10はα=43°(β=−2°)、図11はα=44°(β=−1°)、図12はα=46°(β=+1°)、図13はα=47°(β=+2°)、図14はα=48°(β=+3°)、図15はα=50°(β=+5°)、図16はα=55°(β=+10°)、とした場合をそれぞれ示している。
【0041】
一般的に、オフアクシス光学系を用いるときの入射角は大きくても±40°程度であるが、図7、図8、図16に示すように、1/4波長板のずらし角βを−15°、−10°、+10°と大きくすると、この入射角(±40°以下)の範囲内で満足なコントラスト比がほとんど得られないため、このように大きいずらし角を用いることはできない。そこで、入射角が±5°〜±15°の領域に着目すると、図11,図12に示すように、1/4波長板のずらし角βを−1°、+1°とした場合、10000レベルの高いコントラスト比が得られる。また、入射角が±15°以上、±40°以下の領域に着目すると、図9,図10に示すように、1/4波長板のずらし角βを−5°、−2°とした場合、少なくとも100レベルを超えるコントラスト比が得られる。同様に、図13〜図15に示すように、1/4波長板のずらし角βを+2°、+3°、+5°とした場合にも、少なくとも100レベルを超えるコントラスト比が得られる。
【0042】
以上の結果から、入射角が5°以上、15°未満の範囲にある場合、入射側偏光板の偏光軸に対する1/4波長板のずらし角を−1°ないし+1°の範囲とすれば、本発明の目的とする高いコントラスト比を得ることができる。また、入射角が15°以上の範囲にある場合には、1/4波長板のずらし角を−2°ないし−5°の範囲、もしくは+2°ないし+5°の範囲とすれば、本発明の目的とする高いコントラスト比を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、オフアクシス光学系からなる投射型表示装置において垂直配向モードにおける液晶分子のプレチルト角や位相差板の軸配置が最適化されているので、コントラスト比が高く、オンアクシス光学系に比べて安価な投射型表示装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の投射型表示装置を示す概略構成図である。
【図2】 同、投射型表示装置を構成する反射型液晶ライトバルブの反射側基板の断面図である。
【図3】 同、平面レイアウト図である。
【図4】 液晶パネル基板(反射側基板)の平面レイアウト図である。
【図5】 同、反射型液晶ライトバルブの断面図である。
【図6】 実施例1のシミュレーション結果であるコントラスト比の入射角依存性の特性曲線を示す図である。
【図7】 実施例2のシミュレーション結果であるコントラスト比の入射角依存性の特性曲線を示す図である。
【図8】 同図である。
【図9】 同図である。
【図10】 同図である。
【図11】 同図である。
【図12】 同図である。
【図13】 同図である。
【図14】 同図である。
【図15】 同図である。
【図16】 同図である。
【図17】 実施例における各光学軸の角度を説明するための図である。
【符号の説明】
1 投射型表示装置
2 偏光照明装置(照明手段)
3 液晶ライトバルブ(光変調手段)
4 投射光学系(投射手段)
11 入射側偏光板
12 出射側偏光板
15 1/4波長板(位相差板)
87 液晶層
L1 入射光の光軸
L2 反射光の光軸

Claims (6)

  1. 光源と、
    前記光源を出射した光を通過させる第1偏光板と、
    前記第1偏光板を通過した光を通過させる1/4波長板からなる位相差板と、
    互いに間隔をおいて配置された第1基板と第2基板との間隙内に垂直配向モードの液晶層が設けられた液晶パネルと、
    前記液晶パネルで反射し前記位相差板を通過した光を通過させる第2偏光板と、
    を含み、
    前記第2基板の前記液晶層側の面に、化学的機械研磨法によって平坦化された絶縁膜が設けられ、
    前記第1基板から前記液晶層に入射した光を反射するための画素電極が前記絶縁膜上に設けられ、
    前記第1偏光板の偏光軸と前記位相差板の光学軸とのなす角を、光入射側の基板の外面側から見たときに、前記第1偏光板の偏光軸に対して左回りを正とし、前記液晶層の液晶分子の平均的な長軸方向と前記基板面の法線とのなす角度をプレチルト角としたとき、
    前記第1偏光板の法線と前記液晶パネルの法線とのなす角の絶対値が35度以上40度以下であり、
    前記プレチルト角が5度以上10度以下であり、かつ、前記第1偏光板の偏光軸と前記位相差板の光学軸とのなす角が−5度であるか、
    前記プレチルト角が15度であり、かつ、前記第1偏光板の偏光軸と前記位相差板の光学軸とのなす角が−2度以上−1度以下であるか、又は、
    前記プレチルト角が20度であり、前記第1偏光板の偏光軸と前記位相差板の光学軸とのなす角が+2度以上+5度以下であることを特徴とする投射型表示装置。
  2. 請求項1に記載の投射型表示装置において、
    前記液晶パネルの前記第1基板の外側面に前記位相差板が配置されている、ことを特徴とする投射型表示装置。
  3. 請求項1又は2に記載の投射型表示装置において、
    前記第1基板における液晶配向方向と前記偏光軸とのなす角が、前記第1基板の外面側から見て前記液晶配向方向に対して左回りを正としたときに45度である、ことを特徴とする投射型表示装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載の投射型表示装置において、
    前記光源と前記第1偏光板との間にインテグレータレンズが配置され、
    前記インテグレータレンズと前記第1偏光板との間に偏光変換素子が配置されていることを特徴とする投射型表示装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれかに記載の投射型表示装置において、
    前記第2偏光板を通過した光を通過させる投射光学系と、を含み、
    前記第2偏光板の法線と前記位相差板の法線とのなす角が35度以上40度以下である、ことを特徴とする投射型表示装置。
  6. 請求項5に記載の投射型表示装置において、
    前記第1偏光板の法線と前記第2偏光板の法線とのなす角が、前記第1偏光板の法線と前記位相差板の法線とのなす角と前記第2偏光板の法線と前記位相差板の法線とのなす角の合計である、ことを特徴とする投射型表示装置。
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