JP2006030710A - 画像形成装置およびプロセスカートリッジ - Google Patents

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Abstract

【課題】 電荷発生層が微小領域としてドット状に分散形成されている電子写真感光体において、良好な画像品質を与える電子写真感光体を使用した場合の潜像形成手段、もしくは画像形成方法、および装置を提供する。
【解決手段】 導電性支持体上に電荷発生層と電荷輸送層からなり、前記電荷発生層が微小領域としてドット状に分散形成されている電子写真感光体において、前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための潜像形成手段として、感光体の帯電手段と、感光体上に静電潜像を形成するための露光手段とを有し、該露光手段が、前記感光体の電荷発生層のドット径Dと、露光手段により使用される露光ビームスポット径である露光強度の1/e径ωとの関係が
Figure 2006030710

を満たすことを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機、プリンタ等に使用される画像形成装置に関し、特に、高画質を得ることが可能で、電荷発生層が微小領域としてドット状に分散されて形成されている電子写真感光体を使用する画像形成装置に関する。
従来、電子写真方式の画像形成装置に於いて使用される感光体としては、導電性支持体上にセレンないしセレン合金を主体とする光導電層を設けたもの、酸化亜鉛・硫化カドミウム等の無機系光導電材料をバインダー中に分散させたもの、及び非晶質シリコン系材料を用いたもの等が一般的に知られているが、コスト、生産性、感光体設計の自由度の高さ、無公害性等から有機系感光体が広く用いられるようになっている。
有機系の電子写真感光体には、ポリビニルカルバゾ−ル(PVK)に代表される光導電性樹脂、PVK−TNF(2,4,7−トリニトロフルオレノン)に代表される電荷移動錯体型、フタロシアニン−バインダー樹脂に代表される顔料分散型、そして電荷発生物質と電荷輸送物質とを組み合わせて用いる機能分離型の感光体などが知られているが、感度・耐久性・設計の自由度等から、導電性支持体上に電荷発生物質を含有する電荷発生層と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層が積層された機能分離型の感光体が一般的となっている。
この機能分離型の感光体における静電潜像形成のメカニズムでは、感光体を帯電した後に光照射すると、光は透明な電荷輸送層を通過し、電荷発生層中の電荷発生物質により吸収され、光を吸収した電荷発生物質は電荷担体を発生し、この電荷担体は電荷輸送層に注入され、さらに電界に従って電荷輸送層中を移動し、感光体表面の電荷を中和することにより静電潜像を形成する。機能分離型感光体においては、主に紫外部の光成分を吸収する電荷輸送物質と、主に可視域から近赤外域を吸収する電荷発生物質とを組み合わせて用いることが知られている。
しかし、上述の機能分離型感光体の場合、電荷発生層から電荷輸送層の表面までの距離が長いため、キャリアが輸送中に拡散して解像度が低下するという問題がある。すなわち、キャリアは、電荷輸送層の表面の帯電電位に引かれて輸送されるが、その際に横方向にも拡散されて、1ドットに対応するビームスポット径よりキャリア径が拡がり、隣接する画像ドットの領域に進入することになる(図9参照)。
さらに、露光ビームのエネルギー分布はガウス関数(正規分布)にしたがうので、広く裾をひくことになり、この裾の部分の光によって発生したキャリアは隣接する画像ドットの領域に拡散しやすく、さらに解像度を低下させる原因となっている。尚、本例は600dpi、ビーム径68.9μmの場合である(図10参照)。
また、電子写真方式の画像形成装置においては、感光体ドラムを露光するレーザビームのビームスポット径(ピーク値の1/e2の光量を示す領域を結んだ円の径)は、50μm〜80μmの範囲のものがほとんどである。解像度が1200dpiである場合には、1画素あたりの長さは21.2μmであり、上記のビーム径にくらべてもかなり小さい。ビーム径は、レーザの波長、光学系の焦点距離、アパーチャー径によって決まっているため、ビーム径のみを小さくすることは、装置の大型化などの問題が伴うため、積極的にビームスポット径を小さくすることができないといった背景がある。
このビームスポット径が1画素あたりの長さにくらべて大きいという問題と、さらに先述の機能分離型感光体(積層型感光体)で生じる問題、すなわち、フォトキャリアが電荷輸送層を通過する際に電荷輸送層の面方向に拡散されて隣接する画素の領域にまでフォトキャリアが進入してしまうといった問題、とが合わさることによって、従来の画像形成装置では、シャープな静電潜像(電位(電荷)コントラストが大きな静電潜像)を形成することが困難であるといった問題が存在していた。
このような、電位コントラストの小さい(悪い)静電潜像に対して、現像・転写・定着工程を経て画像形成を行った場合には、下記のような画質の低下につながる現象が発生することが、本発明者らが行った実験により明らかになった。
第1の画質低下現象:細線の消失。解像度の大きい場合(1200dpiの場合)で1ドットライン(細線)を形成した場合には、出力画像では1ドットラインが消失してしまい、再現されないと言った現象が発現する。また、解像度が小さい場合(600dpiの場合)でも、ハーフドット書き込み(多値書き込み時での小さい値での書き込み)を行った場合などには、同じように細線が消失してしまい再現されないと言った現象が発生する。細線画像や、それと特性の近い画像は、一般的な画像においても低コントラスト画像(見かけ上、ごく薄い灰色で表現されているような線や文字などの画像)として存在する。このため、一般的な画像においても、低コントラスト画像の再現性低下といった画質低下が引き起こされる。
第2の画質低下現象:階調画像でのハイライト部での急激な濃度変化。写真画像やグラフィックス画像などの階調画像に対して、高い線数での擬似中間調処理を施して画像出力をおこなった場合に、ハイライト部(反射濃度が0〜0.2程度の領域)において急激な濃度変化が発生するといった問題がある。階調画像においてこのようなハイライト部での急激な濃度変化は、擬似輪郭と呼ばれるオリジナル画像上には存在しないような階調の境目が現れる現象が発現する。擬似輪郭は階調画像においては、著しく違和感を与える異常画像であるため、画質低下の大きな要因となる。
このような問題を解決する従来例として、まず導電性基板上に少なくとも感光層を形成してなる電子写真感光体において、前記感光層が電荷発生領域と電荷輸送領域からなり、前記電荷発生領域は前記電荷輸送領域に設けられた孔に埋め込まれた構造であることを特徴とする電子写真感光体が提供されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、この従来技術は、作製工程が複雑であるため高価であり、表面層で領域が別れていることから異物の付着、めりこみ等が生じやすく結果的に異常画像が発生しやすくなるという問題がある。
また、基体、キャリア発生層、及び、キャリア輸送層を順次積層した機能分離型感光体において、画像露光光の一部を遮断する遮光マスクパターン層を、少なくとも、前記キャリア発生層の表面に設けた電子写真用感光体も提供されている(例えば、特許文献2参照)。
これも、やはり作製工程が複雑であるため高価であり、遮光マスクパターンの材質によってはコンタミが発生し、静電特性上の問題が生じる。
また、電荷発生層及び電荷輸送層を含む積層型電子写真感光体において、前記電荷輸送層中に光硬化性樹脂と他の樹脂成分とを含有し、電荷輸送層形成時に前記光硬化性樹脂を硬化させ得る波長域の光を格子状に照射することにより、光硬化性樹脂の含有量が未露光部よりも多い部分を格子状に形成し、該格子状露光部分が表面抵抗又は体積抵抗が未露光部分よりも大きい領域となっていることを特徴とする電子写真感光体が提供されている(例えば、特許文献3参照)。
これも、やはり作製工程が複雑で有るため高価であり、光硬化性樹脂を用いた場合は一般的にキャリアの移動度が低下し、感光体としての光応答性が大きく低下する。また、格子状にパターンを形成するため、解像度低下に対する効果は大きいとはいえない。
さらに、光導電性の感光層が形成された像担持体の表面に対し、帯電、像露光および現像を行って可視画像を形成する画像形成装置において、前記像露光に対し電位が減衰しない微小領域を前記感光層に分散して形成したことを特徴とする画像形成装置が提供されている(例えば、特許文献4参照)。
しかし、この従来装置は、ベタやグラフィックの画像濃度均一性を向上させる点では効果を有するものの、解像度の向上には効果が無いと考えられる。また、作成方法についてもレーザビーム照射により形成するものであり、工程が複雑かつレーザビーム照射により発生した炭化物の静電特性上に与える影響についても無視できないという問題がある。
特開2000−231203公報 特開平2001−75301公報 特開平11−258837号公報 特開平11−338170号公報
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、良好な画像品質を与える電子写真感光体を使用した場合の画像形成装置を提供することを目的とする。
さらに先述の従来技術特許文献1〜4においては、すでに説明したような問題(作成方法の複雑さによるコストアップ、遮光パターンや電荷輸送層の不均一性による静電特性上の耐久性低下といった問題)が発生することのみならず、電位コントラストの大きな静電潜像の形成においても十分効率的であるとはいえない。
先述の従来技術では、CGLで発生するフォトキャリアの発生比率(いわゆる感度)がCGLのどの部分(マスクされていない部分のどの部分)においても一定となる構成である。このような構成では、ビームスポット径を積極的に小さくすることができないといった現状と組み合わされることにより、マスクされていない部分で発生するフォトキャリアが、マスクを施されていない領域内ではほぼ一定となる。この場合には、マスク領域分だけフォトキャリアの発生領域がわずかに集中されることになるが、その効果はマスク領域の大きさにより制限されるために、十分にコントラストの大きい静電潜像(前記細線の消失、階調画像でのハイライト部での急激な濃度変化、といった問題が発生しないほどコントラストの大きな静電潜像)を得ることができないといった問題があった。
十分にコントラストの大きな静電潜像を形成することができないという上記問題に対しては、さらにマスク領域を大きく取り(電荷発生領域を小さくし)、フォトキャリアの発生場所を、1画素内の中心部分に限定することによっても改善は可能である。しかしながらこのように構成した場合、いわゆるベタ画像(トナーを全領域に均一に付着させるような画像)を得ることができなくなってしまうといった問題が新たに加わる。これは、マスクされる領域を大きく取った場合には、書き込みによってこの部分の電荷をキャンセルすることができなくなるため、この部分にトナーが付着することができなくなるためである。
本発明では、さらに、十分にコントラストの大きい静電潜像を形成しながら、ベタ画像においても全面に均一にトナーを付着させることができるような電子写真感光体を使用して、より高画質な画像形成をするための潜像形成手段もしくは画像形成手段および方法を提案し、また、十分にコントラストの大きい静電潜像を形成しながらベタ画像においても全面に均一にトナーを付着させることができるような電子写真感光体を使用した、プロセスカートリッジの提案を目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、少なくとも電荷発生物質を有する電荷発生層と少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に設け、前記電荷発生層が微小領域としてドット状に分散されて形成されている電子写真感光体を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための潜像形成装置として、少なくとも前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成するための露光手段とを有し、該露光手段が、前記感光体の電荷発生層のドット径Dと、露光手段により使用される露光ビームスポット径である露光強度の1/e2径ωyとの関係が下記式(1)を満たす画像形成装置を最も主要な特徴
とする。

Figure 2006030710
(1)
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の画像形成装置において、前記電子写真感光体のドット状に形成されている電荷発生層の占有面積率が90%以下であり、その占有面積率Xと露光ビームエネルギーJの関係が下記式(2)を満たす画像形成装置を主要な特徴とする。
η×J≧0.01×EXP(−(X−60)/10)+0.002 (2)
(上記式においてXは電荷発生層の占有面積率(%)、ηは量子効率、Jは露光ビームエネルギー(J/m2)を示す)
また、請求項3に記載の発明は、少なくとも前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成するための露光手段と、感光体上の潜像をトナーにより顕像化するための現像手段を有する画像形成装置において、感光体として、少なくとも電荷発生物質を有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を導電性支持体上に設け、前記電荷発生層が微小領域としてドット状に分散されて形成されている電子写真感光体を使用し、請求項1又は2に記載の露光手段を有する画像形成装置を主要な特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記ドットのピッチが、画像形成装置の解像度の整数倍に等しい画像形成装置を主要な特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記ドットのピッチが、画像形成装置の解像度の整数分の1に等しい画像形成装置を主要な特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に着脱自在であるプロセスカートリッジにおいて、前記感光体は請求項1から5のいずれか一項記載の電子写真感光体であり、前記電子写真感光体の画像形成装置として請求項1から5のいずれか一項記載の画像形成装置を用いたプロセスカートリッジを最も主要な特徴とする。
少なくとも電荷発生物質を有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とを導電性支持体上に設け、前記電荷発生層が微小領域としてドット状に分散されて形成されている電子写真感光体を有する画像形成装置において、前記電子写真感光体に静電潜像を形成するための潜像形成装置として、少なくとも前記電子写真感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成するための露光手段とを有し、該露光手段が、前記感光体の電荷発生層のドット径Dと、露光手段により使用される露光ビームスポット径である露光強度の1/e2径ωyとの関係が式
Figure 2006030710
を満たすことを特徴とする画像形成装置により、電荷発生層を微小領域としてドット状に分散して形成し、ビームスポット径と電荷発生層のドット径とを良好な条件にすることで、写真画像やグラフィックス画像などの階調画像に対して、高い線数での擬似中間調処理を施して画像出力をおこなった場合においても、ハイライト部(反射濃度が0〜0.2程度の領域)において急激な濃度変化がなく再現性のよい画像を得ることができ、十分にコントラストの大きい静電潜像を形成しながら、孤立ドットや細線の再現性の良好な高画質な潜像を形成することができる。
以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、電荷発生層を微小領域としてドット状に分散して形成する電子写真感光体を使用し、ある条件で潜像形成を行うことにより上記課題を解決できることを見いだした。すなわち、導電性支持体上に少なくとも電荷発生物質を有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層からなり、前記電荷発生層が微小領域としてドット状に分散されて形成されていることを特徴とする電子写真感光体に対して静電潜像を形成するための画像形成装置を提案するものである。
まず、本発明で使用される電子写真感光体の説明を行う。電子写真感光体はインクジェット法により製造されることにより、より高画質な画像を形成することが可能となる。インクジェット法とは、インクジェットプリンタに用いられている方法である。最近はこのインクジェット法を用いたインクジェット記録方法が広く普及し始めている。このインクジェット記録方法は、インク組成物の小液滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。
この方法を用いたインクジェット記録装置は、比較的安価な装置で高解像度、高品位の画像を、高速で印刷可能という特徴を有する。このため、インクジェット記録装置は、デジタル印刷機、プロッター、CAD出力デバイス等としても利用されるに至っている。特に、インクジェット記録装置は、デジタル処理された文章または画像を印刷することができるため、半永久的に文書または画像原稿を保存することができ、またその内容を印刷する事が可能である。
また、インクジェット記録装置は適切なシステム処理下で、記録ヘッドからインク組成物の液滴を吐出させて高解析、高画素の印刷を実現することができるものである。すなわち、インクジェット法は、写真調の画質も出力できるように小さな液滴を特定の場所に付着させることが可能であり、液としてのロスもほとんどない。従って液として低コストで高品質な塗膜を形成することが可能である。また、デジタル機器に用いられるように液滴の飛翔のON/OFFはデジタル的に制御可能であり、従って必要な場所のみの液の出力・塗工が可能であり、逆に不必要部は容易に未塗工とすることが可能である。
さらにインクジェット法に用いられる設備的なもの例えばノズルヘッドは、インクジェットプリンタが広く普及したことにより、低コストで高品位・高安定なものを容易に入手可能であり、かつ小型であることから、大規模な設備を必要としない。さらに生産性に関しても最近のインクジェットプリンタの動向からもわかるように、ノズルの数を増加させる等で対応可能であり、生産性を向上させることも容易に可能である。
なお、電子写真感光体の製造方法に用いられるインクジェット方式としては、エネルギー発生素子として電気熱変換体を用いたバブルジェット(登録商標)タイプ、或いは圧電素子を用いたピエゾジェットタイプ等が使用可能である。但し、ピエゾタイプのインクジェット方式はインクに対し圧力が加わるだけで、基本的にインクに対し何ら劣化作用を有しないのに対し、バブルタイプのインクジェット方式ではノズルに埋め込まれたマイクロヒーターを瞬間的であるにせよ、200〜300℃に加熱し、バブルを発生させることでインクを吐出させている関係上、インクに対しコゲーション等の劣化作用を有する。
このコゲーションの影響により、画像上地肌汚れが生じることがあり、インクすなわち塗工液に対する熱等の影響を考慮するとピエゾジェットタイプが好適に用いられる。また、インクジェットノズルや加圧・加温時間を変えることでインク1滴当たりのインク量、着色部1個当たりのインク付与量は任意に設定することができるため、本発明で重要である電荷発生層のドット形状(径)を制御することが可能となる。
以下、本発明に用いられる電子写真感光体を図面に沿って説明する。
図1に示した電子写真感光体は、導電性支持体31上に、電荷発生物質を主成分とする電荷発生層35と、電荷輸送物質を含有する電荷輸送層37とが積層された構成をとっている。
図2は、図1において導電性支持体31と電荷発生層35の間に中間層33を設けた構成となっている。なお、これらの図に示される電荷発生層35は、均一な層として描かれているが、実際は微少領域としてドット状に分散されて形成されたものであることは言うまでもない。
導電性支持体31としては、体積抵抗1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アルミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、あるいは、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研摩などの表面処理した管などを使用することができる。
また、特開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支持体31として用いることができる。
この他、上記支持体上に導電性粉体(導電性層)を適当な結着樹脂に分散して塗工したものについても、本発明の導電性支持体31として用いることができる。
この導電性粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、亜鉛、銀などの金属粉、あるいは導電性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉体などがあげられる。
また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂などの熱可塑性、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂が挙げられる。
このような導電性層は、これらの導電性粉体と結着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジクロロメタン、メチルエチルケトン、トルエンなどに分散して塗布することにより設けることができる。さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン(登録商標)などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チューブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電性支持体31として良好に用いることができる。
次に電荷発生層35は、電荷発生物質を主成分とする層であり、電荷発生物質や結着樹脂等を適当な溶剤に分散ないし溶解し、これを導電性支持体上あるいは中間層上に塗布、乾燥することにより形成できる。電荷発生層35は、公知の電荷発生物質をすべて用いることが可能であり、電荷発生層35には、公知の電荷発生物質をすべて用いることが可能である。
電荷発生層35の材料として、チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、銅フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、無金属フタロシアニン等のフタロシアニン系顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、非対称ジスアゾ顔料、トリスアゾ顔料等のアゾ顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、インジゴ顔料、ピロロピロール顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン系顔料、キノン系縮合多環化合物、スクエアリウム顔料等、公知の材料が挙げられ、これらは有用に用いられる。また、これら電荷発生物質は単独でも、2種以上混合して用いることも可能である。
電荷発生層35は、電荷発生物質を必要に応じて結着樹脂とともに適当な溶剤中にボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分散し、これを導電性支持体31上に塗布し、乾燥することにより形成される。電荷発生物質の粒径は0.2μm以下であることが好ましい。0.2μm以上である場合は、ドットがきれいにかつ均一に形成されないため、孤立ドットの解像性が低下する。特に1200dpi以上の高解像度および小径ビームの書き込み系を用いた場合に影響が顕著となる。
必要に応じて電荷発生層35に用いられる結着樹脂としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリケトン、ポリカーボネート、シリコン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザール、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリフェニレンオキシド、ポリアミド、ポリビニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量部に対し0〜500重量部、好ましくは10〜300重量部が適当である。結着樹脂の添加は、分散前あるいは分散後どちらでも構わない。
ここで用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレン、リグロイン等が挙げられるが、特にケトン系溶媒、エステル系溶媒、エーテル系溶媒が良好に使用される。これらは単独で用いても2種以上混合して用いてもよい。電荷発生層35は、電荷発生物質、溶媒及び結着樹脂を主成分とするが、その中には、増感剤、分散剤、界面活性剤、シリコーンオイル等のいかなる添加剤が含まれていても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることができるが、本発明に示すようにインクジェット法が好ましい。電荷発生層35の膜厚は、0.01〜5μm程度が適当であり、好ましくは0.1〜2μmである。電荷輸送層37は、電荷輸送物質および結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電荷発生層35上に塗布、乾燥することにより形成できる。
また、必要により単独あるいは2種以上の可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤、滑材等を添加することが可能であり有用である。ここで用いられる溶剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、ジクロロメタン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトンなどが用いられる。これらは単独で使用しても2種以上混合して使用しても良い。
塗布液の塗工法としては、浸漬塗工法、スプレーコート、ビートコート、ノズルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用いることが出来る。電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸送物質とに分類される。電子輸送物質としては、例えばクロルアニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−トリニトロ−4H−インデノ〔1,2−b〕チオフェン−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電子受容性物質が挙げられる。
正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジアリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘導体、ブタジェン誘導体、ピレン誘導体等、ビススチルベン誘導体、エナミン誘導体等、その他公知の材料が挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種以上混合して用いられる。
結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂等の熱可塑性または熱硬化性樹脂が挙げられる。また、電荷輸送層の膜厚は、5〜40μm以下とすることが好ましい。下限値に関しては、使用するシステム(特に帯電電位等)によって異なるが、5μm以上が好ましい。
電荷輸送層37の上に、耐久性の向上を目的として、保護層(図示せず)を形成してもよい。保護層としては、例えば、ヒドロキシ官能基を有する正孔輸送ヒドロキシアリールアミンと、そのヒドロキシ官能基と水素結合を形成することができるポリアミドフィルム形成バインダーとを含有した層(特開平7−253683号公報)、熱硬化性ポリアミド樹脂中にヒドロキシ官能基を有するヒドロキシアリールアミン化合物と、硬化触媒を加え、塗布した後に加熱硬化した膜(米国特許第5670291号明細書)、アルコキシシリル基を含有する電荷輸送化合物と、アルコキシシラン化合物とで硬化した層(特開平3−191358号公報)、オルガノポリシロキサンとコロイダルシリカ、及び導電性金属酸化物とアクリル系樹脂とを用いた硬化した層(特開平8−95280号公報)、導電性金属酸化物をケイ素官能基を有するアクリル酸エステルとともに架橋した層(特開平8−160651号公報)、導電性金属酸化物を光硬化性アクリルモノマーやオリゴマーとともに架橋した層(特開平8−184980号公報)、エポキシ基を含有する電荷輸送性化合物を用いて硬化した層(特開平8−278645号公報)、水素を有するダイヤモンド状カーボンもしくは、非晶質カーボンやフッ素を有する結晶性炭素の層(特開平9−101625号公報、特開平9−160268号公報、特開平10−73945号公報)、シアノエチルプルランを主成分とする層(特開平9−90650号公報)、シリルアクリレート化合物とコロイドシリカを架橋した層(特開平9−319130号公報)、ポリカーボネート系グラフト共重合体を用いた層(特開平10−63026号公報)、コロイダルシリカ粒子とシロキサン樹脂を硬化した層(特開平10−83094号公報)、ヒドロキシ基を含有する電荷輸送化合物と、イソシアネート基含有化合物とで硬化した層(特開平10−177268号公報)、などが挙げられる。
保護層全体の膜厚としては、1μm〜10μm、好ましくは2〜6μmが適当である。保護層膜厚が極度に薄い場合には、膜の均一性が低下したり、十分な耐摩耗性が得られない場合があり、膜厚が極度に厚い場合には、残留電位上昇の影響が増大したり、光透過率の低下により解像度やドット再現性の低下を引き起こす場合がある。
本発明の感光体においては、図2に示すように導電性支持体31と電荷発生層35との間に中間層33を設けることができる。中間層33は一般には樹脂を主成分とするが、これらの樹脂はその上に感光層を溶剤で塗布することを考えると、一般の有機溶剤に対して耐溶剤性の高い樹脂であることが望ましい。
このような樹脂としては、ポリビニルアルコール、カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられる。但し本発明に示されるように電荷発生層をドット状に分散させて形成させる場合、形成する電荷発生ドットに大きさの均一性向上、にじみ等の防止から該中間層が、フィラーを含有し多孔質構造を有していることが好ましい。
また、中間層にはモアレ防止、残留電位の低減等のために酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム等で例示できる金属酸化物の微粉末顔料を加えてもよい。これらの中間層は、前述の感光層の如く適当な溶媒及び塗工法を用いて形成することができる。
更に本発明の中間層として、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、クロムカップリング剤等を使用することもできる。さらに、各種分散剤を添加することも可能である。この他、本発明の中間層には、Al23を陽極酸化にて設けたものや、ポリパラキシリレン(パリレン)等の有機物やSiO2、SnO2、TiO2、ITO、CeO2等の無機物を真空薄膜作成法にて設けたものも良好に使用できる。但し電荷発生層のムラは画像上のむら、特にハーフトーン濃度の不均一性を招きやすく、このため中間層としては、ミクロンオーダーで見れば多孔質であり、塗工液が基体付着時ににじまないようにすることが必要であり、このような中間層が望ましい。中間層の膜厚は0〜5μmが適当である。
本発明で使用する感光体においては、感光層と保護層との間に別の中間層を設けることも可能である。中間層には、一般にバインダー樹脂を主成分として用いる。これら樹脂としては、ポリアミド、アルコール可溶性ナイロン、水溶性ポリビニルブチラール、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。中間層の形成法としては、前述のごとく一般に用いられる塗布法が採用される。なお、中間層の厚さは0.05〜2μm程度が適当である。
次に、本発明に使用する感光体の構成例を説明するが、感光体の構成についてはこれらの例によって、限定されるものではない。
感光体構成例
中間層
下記処方の中間層用塗工液を作成した。
「中間層用塗工液」
ポリアミド樹脂(CM8000 東レ社製)2部
メタノール 58部
n−ブタノール 40部
この塗工液を直径φ30mm、長さ340mmのアルミニウムドラム上に浸漬塗布し、120℃で20分間乾燥して、膜厚0.3μmの中間層を作成した。
電荷発生層
次に下記処方の電荷発生層用塗工液を作成した。下記構造式(A)に示すトリスアゾ顔料10重量部を、ポリビニルブチラール(BM−2:積水化学工業社製)4重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解した樹脂液に添加し、ボールミルにて72時間分散を行った。分散終了後、シクロヘキサノン250重量部、2−ブタノン200重量部を加え3時間分散を行い、電荷発生層用塗工液を作成した。この塗工液を上記中間層上に下記条件にてインクジェット法により、塗工ドット状に塗布し、120℃で20分間乾燥して電荷発生層を作成した。(両端10mm未塗工部)
(化1) 構造式(A)
Figure 2006030710
塗工液のにじみ、広がりにより若干のムラが見られたが、塗膜の荒れ及び不均一性もなく良好に塗工出来た。また、塗工幅をコントロールしたため未塗工部の拭き取りもなく、ふき取りによる欠陥(端部塗膜厚の厚膜化、拭き取り時の液はね)もなく良好であった。塗工液の使用量は、0.5ml程度であった。なお、分散後の電荷発生物質の粒径は、0.07μmであった。粒径の測定は堀場製作所製CAPA−700を用い遠心沈降式にて測定した。
なお、本発明において塗工は、市販のセイコー電子工業 IP−4000 A0プリンター(油性顔料インク対応)を改造して使用した。記録ヘッドはピエゾ方式のものを用いた。インクカートリッジにおけるインクを交換可能にした。また、インク付着部、紙の位置にアルミニウムドラムを回転可能なように設置できるよう改造した。また、インクジェット法による塗工はパソコンからコントロール可能であり、塗工幅はもちろん、液吐出量(これによりドットの大きさが変化する)、ドット間隔はパソコンからコントロールした。
電荷輸送層
次に下記処方の電荷輸送層用塗工液を作成した。
下記構造式(B)で示される電荷輸送物質7重量部、
(化2) 構造式(B)
Figure 2006030710

ポリカーボネート(Zタイプ:粘度平均分子量5万)10重量部をテトラヒドロフラン100重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。この塗工液を電荷発生層上に浸漬塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚20μmの電荷輸送層を塗工し、実施例の感光体を作製することができる。
本発明者らは、電子写真感光体に高画質な静電潜像を形成するための潜像形成手段について次のような関係があることを見出した。即ち、感光体のドット状に形成されている電荷発生層のドット径と露光手段として用いるビームスポット径の関係が下記式(1)を満たす潜像形成手段を用いることにより、十分にコントラストの大きい静電潜像を形成しながら、孤立ドットや細線の再現性の良好な高画質な画像を形成することができる。

Figure 2006030710
(1)
上記式(1)は、孤立ドットの再現性および細線画像の再現性から得られたものであり、以下のシミュレーションから検討を行い、さらに実験を行うことで得られたものである。
シミュレーションの方法は以下の通りである。
感光体感度および露光エネルギー量を可変させた時のドット状に形成されている電荷発生層の占有面積率とトナー付着量の関係をシミュレーションより算出することにした。露光後の感光体上の電荷密度分布は、PIDC曲線を用いることで大まかな分布は、把握できることが知られている。しかし、感光体厚さを変えた場合の、CGL層で生成されたキャリアがCTL層を移動する間に拡散していく影響による潜像分布の違いや、強露光の場合の、CGL近傍での正負キャリアの再結合が発生することによる潜像分布の違いの影響をPIDC曲線で解析する場合には、各条件、各膜厚さごとにPIDCを測定する必要がある。更に、ドット画像時のPIDC曲線を実測することで対応可能であるが、現在の技術では1ドットの感光体上潜像分布や電位分布を測定することは不可能である。よって、感光体内部のキャリア(電荷)の動きは、キャリア間のクーロン反発力、キャリア同士の再結合、感光体内部でのキャリアの移動度を正しく考慮し、シミュレーションによって潜像分布や電位分布を予測する必要がある。
以下に、算出方法を述べる。算出方法は次の3つのステップからなる。
(1)潜像電荷分布算出
露光後の感光体上の潜像電荷分布を算出する。感光体内部のキャリア(電荷)の動きは、キャリア間のクーロン反発力、キャリア同士の再結合、感光体内部でのキャリアの移動度の影響をうけるため、これらの影響を全て考慮した、潜像形成シミュレーションが必要となる。潜像電荷分布を算出するために用いた物理モデルは、1.ガウシアンレーザビームによる露光量計算、2.電荷キャリアの生成とその輸送過程の計算からなる。露光量計算は、ビーム単体の露光量分布を近似し、X方向に点灯時間での移動距離(Vx*点灯時間)分だけ積分することで算出する。ここでP0はレーザーパワー(W)、ωx、乃至ωyはレーザビームのピーク値の1/e2の強度での主走査方向乃至副走査方向のレーザスポット径である。Vxは主走査方向のレーザの走査スピード、tはレーザの点灯時間である。
Figure 2006030710
(3)
と近似し、X方向に点灯時間での移動距離(Vx*点灯時間)分だけ積分することで算出する。ここでP0はレーザーパワー(W)、ωx、乃至ωyはレーザビームのピーク値の1/e2の強度での主走査方向乃至副走査方向のレーザスポット径である。Vxは主走査方向のレーザの走査スピード、tはレーザの点灯時間である。尚、式(3)では主走査方向にラスタ方式等により移動するレーザビームについての露光量分布について記載してあるが、LED(Light Emitted Diode)のような固体作像素子を用いた場合でも成立する。(その際はv=0となり、レーザーパワーP0は単位面積あたりのエネルギー(J/m2)となる)
式(3)に示す露光量がドット状の電荷発生層に照射された場合、電荷発生層が存在する部分だけ露光されたことになるため、電荷発生層のない領域の露光分布を削除し、電荷発生相領域の露光分布だけ取り出し、これを本発明の感光体を用いたときの露光分布とした。
次にOPCにおける電荷キャリア生成(2)とその輸送の概念図を図3に示す。その過程は次に示す正負キャリアの連続の式とPoisson方程式によって支配される。
Figure 2006030710
(4)

Figure 2006030710
(5)
Figure 2006030710
(6)
ここでn、μ、E、Γ、R、ε、eはそれぞれ、キャリアの個数密度、移動度、電界強度、単位時間あたりのキャリアの生成量、キャリアの単位時間あたりの再結合係数、誘電率、および電荷素量を示す。また添え字p、nは、それぞれ正負キャリアを示す。電荷キャリアは、CGL層が薄いことを考慮して、層内で一様に生成されると仮定した。このため、キャリア生成量Γは、入射光強度F、量子効率η、CGL層の厚さdと以下式(7)の関係で結ばれる。
Γ=β・η・F/(d・hυ) (7)
ここでβ、hυは、それぞれ、CGL層内での光の吸収効率、およびレーザビームのフォトン一個あたりのエネルギーである。また上記式(4)(5)の右辺第二項目のキャリア再結合項は、正負キャリアが同じ近傍に共存する際に、実験的には生成キャリア量が減少することを説明するために導入されたものである。上記の物理量のうち、光の吸収係数βおよび再結合係数Rは、黒ベタ露光時の表面電位から実験的なフィッティングを行い算出した。また量子効率ηは、下記式(8)から得られる値である。ここで、Cは感光体の単位面積当りの静電容量、eは電子の素電荷、Jは単色光エネルギー、Vは表面電位、tは時間である。量子効率ηは膜厚に依存しない物理量であり、キャリア発生効率(光電変換の量子効率)を表すものである。量子効率ηは単色光(単位時間あたりのエネルギーJ)を露光した際の過渡減衰特性と、感光体静電容量Cからで求まり、電界依存性の式、η=αEnにフィッティングして算出する。
Figure 2006030710
(8)
静止ビーム光量J(露光ビームエネルギーのことを、以下、静止ビーム光量とする)の測定は次のようにして行った。静止ビーム光量の測定には、横河電機社製光パワーメーター(モデル3292)を用いた。この光パワーメータのプローブ(受光部)をレーザビームの結像位置(感光体ドラムが配置される位置に相当)に配置して、レーザビームがこのプローブ中心に入射するようにセットした。このような状態で、LD(レーザーダイオード)の連続点灯を行いながら、光パワーメータの出力値を記録し、静止ビーム光量とした。
次に、露光前には、均一に感光体が帯電していると仮定し、感光体表面の電荷量を算出した。その後露光領域にキャリアが発生するとして上記の式を計算することで、露光後の感光体上電荷密度分布を算出した。計算手法としては、np、nn、φに関する差分法を採用した。ここでφは電位をあらわす。電荷キャリアの連続の式(4)、(5)の時間微分項に対しては時間前進差分を、左辺2項目の移流項に対しては上流差分法を用いる。時間微分項以外は、陰的に評価する完全陰解法を用いる。
Figure 2006030710
ここでδt、n、n+1はそれぞれ、時間ステップ、計算された現在のステップを示すステップ数、および、次の未来のステップを示すステップ数である。こうして得られた非線形代数方程式は、2重の反復法を用いて計算する。まず、この3つの式全体は逐次近似法を用いて計算する。この反復の中で、式(9)(10)の各式は、時間微分項に現れる以外の変数、例えば式(7)では、np以外の量は、既知の反復結果の値を用いて評価し、この式ごとまず、Successive Over Relaxationに基づいて計算する。ポアソン方程式(11)は、φについても同様の計算を行う。式全体に関する逐次近似法による残差が指定の値になるまで反復計算する。ここでは指定の値を、φ、nn、npそれぞれに指定しており、5×10-3、1×10-2、1×10-2とした。
(2)現像電界強度分布算出
前記(1)で得られた感光体上潜像電荷分布と、現像条件から現像電界強度分布を算出した。ここで現像スリーブと感光体を平行平板で近似し、その間に現像剤(キャリアとトナー)が均一に充填していると仮定した。すなわち、現像剤は平均誘電率をもった均一な誘電層として扱う。ここで平均誘電率は、平均比誘電率と真空の誘電率の積であり、平均比誘電率ε’は、
ε’=a・ε1+(1−a) (12)
で得られる。ここでε1はキャリアの比誘電率、aは現像ニップ中でのキャリアの占める体積の割合である。スリーブ表面が現像バイアス電位、感光体下面が0V一定の境界条件、左右の境界は周期境界条件として、ポアソン方程式を解くことで、電位分布が得られた。感光体表面でE=−gradφを解くと、感光体表面の現像電界強度分布が得られた。
(3)トナー付着量算出
前記(2)で得られた電界強度分布と現像条件からトナー付着量を算出した。
Figure 2006030710
(13)
ここでkトナートナー付着係数、vr/vpはスリーブ線速比、lは現像ニップ幅、Rはキャリア半径、ε0は誘電率、qはトナー帯電量とする。
ビームスポット径(主走査×副走査)ωx、ωy[μm]
解像度 1200[dpi]
量子効率 2.83*10−5*E0.5933
初期帯電電位 −550[V]
OPC膜厚 28[μm]
電荷発生層ドット径 D[μm]
画像パターン 400lpi細線
ここで「細線の良好な再現」に注目して、計算する画像パターンを決定した。ここで用いた画像パターンについて図4に記載する。400線のライン画像の再現性の判定は、低コントラスト文字・カラー文字をプリンタで印字したときに、文字部の輪郭(ガタガタした輪郭とならないこと)、文字の色再現性(狙いの色を再現できる)、といった項目を両立して再現するための代用特性として設定したものである。上述した計算条件にて、ビームスポット径を可変させ画像パターンの潜像形成をシミュレートし、安定した画像再現条件を検討した。尚、ここではビームスポット径を可変した際にVLが一致するようLDパワーを調整している。
各ビームスポット径可変時の潜像プロファイルを図5に示す。ここでは潜像プロファイルとして、計算にて求められた感光体上の表面電位をプロットした。図5に示すように、ビームスポット径が大きくなるにつれ、所望の画像のみならず周囲の電位が低下しトナー付着してしまうことがわかった。ビームスポット径が大きい条件では画像がぼけ、画質低下につながることが懸念される。よって、次に画像出力実験により画像の再現性について確認を行った。
ここで、画像出力の際に使用した実験機についての説明を行う。この実験機は、リコー製 Ipsio Color 5100をベースにして改造した実験機であり、おもに書き込みユニットの改造を施したものである。
この実験機では、LD素子として4つの発光点(レーザーダイオード)を1チップ上にライン状に形成した4チャンネルLDアレイを使用している。これにより、解像度1200dpiを実現した。また、この実験機では、ビームスポット径は光学素子、アパーチャーを調整して可変することが可能である。また、レーザビームの静止ビーム光量は、先述の光パワーメータを用いた測定により、調整して設定してある。実験に使用した試作感光体の作製は、上記感光体構成例で述べた方法により行なった(CGMはトリスアゾ顔料:構造式(A)である)。電荷発生層の占有面積は60%に固定した試作感光体ドラムを作製した。なお、前記ドット状に形成されている電荷発生層の占有面積率については、光学顕微鏡、レーザ顕微鏡等を用いることで測定することができる。このように作製した感光体ドラムを使用して、レーザの静止ビーム径を変えながら、画像出力を行い、400ライン画像の再現について評価を行った。結果を下記の表1に示す。評価方法は目視により行われ、400線のライン画像が再現された場合を○、400線のライン画像が再現されなかった場合を×とした。
(表1)
Figure 2006030710
表1の結果から、電荷発生層ドット径/ビームスポット径の関係が4倍以下である場合には、前記本発明が解決しようとする課題に対して、改善が可能であることが分かった。さらに、上述した、十分にコントラストの大きい静電潜像を形成しながら、ベタ画像においても全面に均一にトナーを付着させることができるといった課題を解決するために、好ましくは、前記ドット状に形成されている電荷発生層の占有面積率が90%以下であり、占有面積率(X)と露光ビームエネルギーJの関係が下記式(2)を満たすような感光体、および潜像形成手段を用いることにより、十分にコントラストの大きい静電潜像を形成しながら、ベタ画像においても全面に均一にトナーを付着させることができることを確認した。
η×J≧0.01×EXP(−(X−60)/10)+0.002 (2)
においてXは電荷発生層の占有面積率(%)、ηは量子効率、Jは露光ビームエネルギー(J/m2)を示す)
上記式(2)における量子効率ηは前述した式(8)によって算出される。前記ドット状に形成されている電荷発生層の占有面積率が90%より大きい場合には、十分にコントラストの大きな静電潜像を形成することができず、ハイライト部(反射濃度が0〜0.2程度の領域)において急激な濃度変化してしまい、本発明の効果が得られない。本発明に示される式式(2)は、孤立ドットの再現性および黒ベタ画像の均一性・濃度から得られたものであり、以下のシミュレーションから検討を行い、さらに実験を行うことで得られたものである。
ビームスポット径(主走査×副走査)50x65[μm]
スキャンスピード 1333.5[m/s]
解像度 1200[dpi]
量子効率 2.83*10−5*E0.5933
初期帯電電位 −650[V]
OPC膜厚 28[μm]
画像パターン 2*2ドット
電荷発生層面積率 x[%]
まず、上記実施例の条件において、シミュレーションにより得られた電荷発生層面積率X[%]とトナー付着量の関係を図6に示す。電荷発生層面積率増加に従い、トナー付着量は増加する。また露光エネルギーを強くすることにより、トナー付着量は増加する。ここで、電荷発生層の面積比率Xとトナー付着量Mの関係は、M=aX2+bX+cと近似できる。
ここで係数a、b、cはPowerの一次式で近似できる。よって、電荷発生層の面積比率Xとトナー付着量Mの関係は、M=a(p)X2+b(p)X+cと表すことができる。
ここで、黒ベタ画像の再現性および黒ベタ画像に要求される画像濃度に対して、単位面積あたりのトナー付着量として0.45mg/cm2以上必要であることから、2*2dotでのトナー付着必要量は以下の式で計算できる。
トナー付着量M≧0.45mg/cm2=0.45/1000000*(2.54/1200)2*4=8.065E−12(kg)
次に、トナー付着量M≧0.45mg/cm2を満たす電荷発生層面積率(DM比率)と量子効率×露光エネルギーの関係を図7に示す。OPC種に依らず、量子効率×露光エネルギーと電荷発生層面積率は一定の関係を有することがわかる。これを近似式で示すと、
Figure 2006030710
(14)
に近似できることがわかる。ここでは2種のOPCを解像度を変えて計算してみたが、a=0.01、b=60、c=0.002が得られた。
次に、上記においてCGLドット部の面積占有率として100%(通常のドット状にCGLを形成しない感光体)〜60%(前述のシミュレーション結果からベタIDが確保可能な領域)までの範囲で振った感光体ドラムの試作を行い、得られた感光体を用いて画像出力を行い画質評価を行った。画像出力は、「細線の良好な再現」および「ハイライト部での安定した濃度変化」の2つの項目に注目して、それぞれつぎのような画像出力実験を行った。まず、「細線の良好な再現」については、下記で説明する解像度1200dpiの画像出力実験機を用いて、図4に記載した線数400線の画像パターンを用いて、目視による評価を行った。400線のライン画像が再現された場合を○、400線のライン画像が再現されなかった場合を×とした。ここで判定の基準として設定した、400線のライン画像の再現の有無は、低コントラスト文字・カラー文字をプリンタで印字したときに、文字部の輪郭(ガタガタした輪郭とならないこと)、文字の色再現性(狙いの色を再現できる)、といった項目を両立して再現するための代用特性として設定したものである。
つぎに「ハイライト部での安定した濃度変化」については、やはり下記で説明する解像度1200dpiの画像出力実験機をもちいて、0〜256階調のパッチ(15mm四方)を含む8bitTiff画像データに対して、ディザ処理(スクリーン線数約170線、スクリーン角45度の、ラインスクリーン型、量子化数2bit、解像度1200dpi)を施した、出力用画像データ(擬似中間調処理後データ)をあらかじめ用意しておき、この出力用画像データを用いて画像出力をおこなう。出力画像の評価は、ハイライト部分(データ0〜32)の反射濃度(ID値)を分光反射濃度計(X−Rite社製 モデル938)で測色した結果を用いておこなった。
この反射濃度値と入力データ値との関係に対して1次式近似を行い、R^2の値が0.95以上である場合を○とし、R^2の値が0.95未満である場合を×とした。ここでの判定基準として設定した、ハイライト部分(データ0〜32)での1次式近似のR^2の値が0.95以上、の条件は、階調画像における擬似輪郭とよばれる異常画像が発生することがなく良好に再現するための、代用特性として設定したものである。
次に画像出力実験およびその結果について説明する。実験に使用した試作感光体の作製は、上記感光体構成例で述べた方法により行なった。(CGMはトリスアゾ顔料:構造式(A)である)このとき、インクジェットプリンタの塗工液の塗出条件を各種調整しながら、1200dpiで、電荷発生層の占有面積を100〜60%の範囲で変化させた、試作感光体ドラムを作製した。
このように作製した感光体ドラムを使用して、感光体中の電荷発生層のドット径Dの3倍になるようなビームスポット径(ビーム強度の1/e2径)を有するレーザにて、レーザーパワーを変えながら画像出力を行い、上記の2項目(「400線ライン画像の再現」、「ハイライト部分を1次式で近似し、R^2の値が0.95以上」)について、評価を行った結果が下記の表2、3である。
(表2)評価結果「400線ライン画像の再現」
Figure 2006030710
(表3)評価結果「ハイライト部分を1次式で近似し、R2の値が0.95以上」
Figure 2006030710
表2および表3の結果から、電荷発生層の占有面積率が90%以下である場合には、前記発明が解決しようとする課題に対して、改善が可能であることが分かる。また、電荷発生層の占有面積率が一定の関係(別途記載)以上である場合には、ベタID=1.4以上を確保することができ、良好な画質を実現することができる。次に、上記の評価を行ったうちの幾つかの条件を用いて、ハイライト部、低コントラスト文字部、ベタ部などの画質要素を含むような総合テストチャートを出力した結果が、表4である。











(表4)総合テストチャート評価結果
Figure 2006030710
表2および表3において、良好な結果を得ることができた条件においては、総合テストチャートの出力結果表4においても高画質な画像得ることが可能であることが分かる。
次に、前記感光体条件、潜像形成条件を満たす画像形成装置において、画像を形成し、評価を行った。
ビームスポット径(主走査×副走査)50x65[μm]
スキャンスピード 1361(m/s)
露光エネルギー 8[J/m2
解像度 1200[dpi]
量子効率 2.83*10−5*E0.5933
初期帯電電位 −650[V]
OPC膜厚 28[μm]
電荷発生層面積率 85[%]
上記実施例の画像形成装置により出力された画像を評価したところ、ハイライト部、低コントラスト文字部、ベタ部などの画質要素を含むような総合テストチャートを出力した結果、高画質な画像を得ることができた。
また、前記感光体内部の電荷発生層のドットピッチを画像形成装置の解像度の整数倍にすることで、両者の空間周波数の違いによる干渉が緩和されてモアレ等の発生を防止でき、請求項1、2に示される効果がより顕著なものとなる。もしくは、前記感光体の電荷発生層のドットピッチを画像形成装置の解像度の整数分の1にすることで両者の空間周波数の違いによる干渉が緩和されるとともに十分な解像力を維持でき、高安定な潜像を形成することが可能となり、請求項1、2に示される効果がより顕著なものとなる。
次に、図8に感光体を有するプロセスカートリッジを有する画像形成装置の概略構成を示す。図において、101はプロセスカートリッジ全体を示し、102は感光体、103は帯電手段、104は現像手段、105はクリーニング手段を示す。本発明においては、上述の感光体、帯電装置手段、現像手段及びクリ−ニング手段等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカ−トリッジを複写機やプリンタ−等の画像形成装置本体に対して着脱可能に構成する。
前述した電子写真感光体を含んだプロセスカ−トリッジを有する画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆動される。感光体は回転過程において、帯電手段によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、電子写真感光体内の電荷発生層のドット径の4倍以下のレーザスポット径(強度の1/e2径)を有するレーザ乃至LED(Laser Emitted Diode)等の露光手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次いで現像手段によりトナー現像され、現像されたトナー像は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転と同期されて給送された転写材に、転写手段により順次転写されていく。
像転写を受けた転写材は感光体面から分離されて像定着手段へ導入されて像定着され、複写物(コピ−)として装置外へプリントアウトされる。像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング手段によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更除電された後、繰り返し画像形成に使用される。
本発明に使用する感光体の構成を示す断面図。 本発明の使用する中間層を有する感光体の構成断面図。 本発明のOPCの電荷キャリア生成とその輸送の概念図。 本発明の計算に使用する画像パターンの説明図。 本発明のビームスポット径と周囲の電位の関係の説明図。 本発明の電荷発生層面積率とトナー付着量の関係の説明図。 本発明の電荷発生層面積率と量子効率×露光エネルギーの関係を示す説明図。 本発明に使用するプロセスカートリッジの概略構成図。 従来例において露光ビーム径より表面電荷消滅径が拡がる現象を示す説明図。 本発明に係る露光ビームのエネルギー分布を示す説明図。
符号の説明
31 導電性支持体
33 中間層
35 電荷発生層
37 電荷輸送層
101 プロセスカートリッジ
102 感光体
103 帯電手段
104 現像手段
105 クリーニング手段

Claims (6)

  1. 少なくとも電荷発生物質を有する電荷発生層、及び少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を有した導電性支持体を備え、前記電荷発生層が微小領域としてドット状に分散されて形成されている感光体を備えた画像形成装置であって、前記感光体に静電潜像を形成するための潜像形成装置として、少なくとも前記感光体を帯電する帯電手段と、感光体上に画像情報に基づいて静電潜像を形成するための露光手段とを有し、前記感光体の電荷発生層のドット径Dと、露光手段により使用される露光ビームスポット径である露光強度の1/e径ωとの関係が下記式(1)を満たすことを特徴とする画像形成装置。
    Figure 2006030710
  2. 請求項1記載の画像形成装置において、前記感光体のドット状に形成されている電荷発生層の占有面積率が90%以下であり、その占有面積率Xと露光ビームエネルギーJの関係が下記式(2)を満たすことを特徴とする画像形成装置。
    η×J≧0.01×EXP(−(X−60)/10)+0.002 (2)
    (上記式においてXは電荷発生層の占有面積率(%)、ηは量子効率、Jは露光ビームエネルギー(J/m)を示す。)
  3. 少なくとも前記潜像形成装置と、感光体上の潜像をトナーにより顕像化するための現像手段を有する画像形成装置であって、感光体は、少なくとも電荷発生物質を有する電荷発生層と、少なくとも電荷輸送物質を含有する電荷輸送層を導電性支持体上に設け、前記電荷発生層が微小領域としてドット状に分散された構成を備えていることを特徴とする請求項1、又は2に記載の画像形成装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記ドットのピッチが、画像形成装置の解像度の整数倍に等しいことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1から3のいずれか一項に記載の画像形成装置において、前記ドットのピッチが、画像形成装置の解像度の整数分の1に等しいことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の感光体、帯電手段、現像手段、クリーニング手段より選ばれる少なくとも一つの手段を一体に支持し、画像形成装置本体に対して着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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