JP2006029447A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 インナクラッチプレートおよびアウタクラッチプレートの摩擦部に潤滑液を効率よく循環させることにより、発熱した摩擦部を効率よく放熱させ、装置の降温化に寄与する。
【解決手段】 ハウジング3の当接部3a側(一側端側)からリアハウジング5側(他側端側)に配列されたメインインナクラッチプレート14に形成された貫通穴14dの有効径rが、当接部3a側からリアハウジング5側にゆくに従って小さくなるようした。これにより、インナクラッチプレート14が回転したとき、メインインナクラッチプレート14の側面において摩擦部14b、cの内側の潤滑液がインナクラッチプレート14の回転に伴う強制渦運動を発生し、この貫通穴14dの有効径rに応じた圧力が各貫通穴14dに作用し、貫通穴14dを通って当接部3a側からリアハウジング5側に潤滑液が流通させ、摩擦部14b、cの内外周を潤滑液が循環する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、駆動力伝達装置に関するものである。
従来から、駆動力伝達装置として、有底円筒状のハウジング内にインナシャフトを回転可能に軸承し、ハウジングの内周壁面とインナシャフト外周壁面との間に摩擦クラッチを収納するとともにこの摩擦クラッチの機能を保持する潤滑液を封入するクラッチ収納室を形成し、摩擦クラッチを構成するアウタクラッチプレートをハウジングの内周壁面に係合し、摩擦クラッチを構成するインナクラッチプレートをアウタクラッチプレートと交互に配置してインナシャフトの外周壁面に係合し、摩擦クラッチを押圧してハウジングとインナシャフトをトルク伝達可能に連結するものが知られている(例えば特許文献1)。
このような構成の駆動力伝達装置の摩擦クラッチは、図5に示すように、アウタクラッチプレートと摩擦するインナクラッチプレート1の摩擦部1aより回転中心軸O側に貫通穴2が形成されている。これら貫通穴2は、インナクラッチプレート1の回転中心軸Oから同一半径の位置に円周方向に等間隔に形成されている。
特開2000−234635号公報(第3−4頁、第1図)
上述した駆動力伝達装置においては、駆動力伝達装置または潤滑液を降温するための装置は特に設けられておらず、装置のケーシングからの自然放熱によって放熱せざるを得ない。このような状況のもと、潤滑液の機能劣化および摩擦部材の損傷を防止するため駆動力伝達装置または潤滑液を可能な限り降温することが要請されており、特にクラッチ作動によって発熱したインナクラッチプレートおよびアウタクラッチプレートの摩擦部の放熱の効率化が要請されている。
一方、上述した駆動力伝達装置においては、図5に示すように、インナクラッチプレート1が回転する場合、潤滑液自体が有する粘性の作用によって貫通穴2の回りに存在する潤滑液にせん断力が作用し、貫通穴2の周りで潤滑液の流れが発生していた。ところが、この貫通穴2の周りで発生する潤滑液の流れは、各インナクラッチプレート1の円周方向の流れとなり、各インナクラッチプレート1の間を、インナクラッチプレート1の側面に沿って還流するものであった。このため、インナクラッチプレート1とアウタクラッチプレートの摩擦部で発生した熱は、この摩擦部の周りに存在する潤滑液に放熱されるものの、この摩擦部の周りに存在する潤滑液がインナクラッチプレート1の側面に沿って還流するだけとなり、ケーシング側にはほとんど循環しないことから、潤滑液を効率よく循環させて摩擦部を効率よく外部に放熱させるには及ばなかった。
そこで、本発明は、上述した各問題を解消するためになされるもので、全てのインナクラッチプレートおよびアウタクラッチプレートの摩擦部の内外周を包囲する潤滑液の流れを形成して循環させることにより、発熱した摩擦部を効率よく放熱させ、装置の降温化に寄与することを目的とする。
上記の課題を解決するための請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、円筒状の内周面を有するハウジング内にインナシャフトを相対回転可能に軸承し、ハウジングの内周壁面とインナシャフト外周壁面との間に摩擦クラッチを収納するとともに該摩擦クラッチの機能を保持する潤滑液を封入するクラッチ収納室を形成し、摩擦クラッチを構成するアウタクラッチプレートをハウジングの内周面に係合し、摩擦クラッチを構成する複数のインナクラッチプレートをアウタクラッチプレートと交互に配置してインナシャフトの外周面に係合し、インナクラッチプレートとアウタクラッチプレートとが摩擦係合する摩擦部より回転中心側に貫通穴をインナクラッチプレートの夫々に穿設し、インナクラッチプレートの一側端側から貫通穴を介して他側端側に向かって潤滑液を流通させ、摩擦部の内外周の間で潤滑液を循環させるようにした駆動力伝達装置にして、回転中心から貫通穴までの有効径が他側端側に比して一側端側で大きくなるよう貫通穴をインナクラッチプレートに穿設したことである。
請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1において、一側端側から他側端側に向かって有効径が連続的に小さくなるようインナクラッチプレートの夫々に貫通穴を穿設したことである。
請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1または請求項2において、電磁石への通電により摩擦係合するパイロットクラッチ機構と、パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を摩擦クラッチに伝達して摩擦クラッチを摩擦係合させるカム機構とを備え、パイロットクラッチ機構およびカム機構をクラッチ収納室の他側端側に収納したことである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、インナクラッチプレートの回転により、インナクラッチプレートの側面付近にある潤滑液に強制渦運動が発生し、この強制渦運動により貫通穴に作用する潤滑液の圧力が、インナクラッチプレートの回転中心から貫通穴までの有効径に比例することから、複数のインナクラッチプレートのうちの他側端側に比して一側端側で有効径が大きくなるよう貫通穴をインナクラッチプレートに穿設して、貫通穴に作用する潤滑液の圧力を他側端側に比して一側端側で大きくして、一側端側から他側端側に潤滑液が流れるようにした。これにより、摩擦部の内外周の間で潤滑液を循環させ、摩擦部の熱を効率よく外部に放熱させることができる。
請求項2に係る発明においては、各インナクラッチプレートに形成された貫通穴に作用する潤滑液の圧力が、一側端側から他側端側に向かって連続的に低下してゆくので、一側端側から他側端側に向かう潤滑液の流れがスムーズになり、潤滑液の循環を良好にし、摩擦部の熱を効率よく外部に放熱させることができる。
請求項3に係る発明においては、流れを形成するインナクラッチプレートの貫通穴から放出される潤滑液が、その流れを維持したままパイロットクラッチ機構およびカム機構に循環してゆくことから、パイロットクラッチ機構およびカム機構の周囲にある潤滑液を循環させ、クラッチ収納室全体の潤滑液を循環させることができる。
以下、本発明に係る駆動力伝達装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。駆動力伝達装置は、例えばエンジンの駆動力を制御して後輪側に伝達するために、プロペラシャフトの途中に介装されている。駆動力伝達装置の有底円筒状のアルミ製のハウジング3は、円筒状の内周面を有しており、図略のクラッチケースに軸受によって回転軸線O回りに回転可能に支承されている。ハウジング3の開口端部には磁路形成部材であるリアハウジング5が螺着され、ハウジング3内に密封されたクラッチ収納室6を画成している。ハウジング3の底部に形成された凹部とリアハウジング5の内周孔にはインナシャフト7の両端部が軸受8,9によって回転軸線O回りに回転可能に軸承されている。ハウジング3の前端面に前方プロペラシャフトがボルトによって結合され、インナシャフト7の後端に形成されたスプライン穴に後方プロペラシャフトがスプライン嵌合される。
クラッチ収納室6内には摩擦クラッチであるメインクラッチ12が配設されている。このメインクラッチ12は図2に示すように、複数のメインアウタクラッチプレート(アウタクラッチプレート)13およびメインインナクラッチプレート(インナクラッチプレート)14から構成されている。メインアウタクラッチプレート13は、ハウジング3の内周壁面に形成された係合部11にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、メインインナクラッチプレート14は、クラッチ収納室6内でインナシャフト7の中央部外周壁面に形成された係合部25にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合している。メインアウタクラッチプレート13とメインインナクラッチプレート14は交互に配置されており、係合時は互いに当接して摩擦係合し、離脱時は互いに離間して非係合状態となる。また、クラッチ収納室6内には、メインクラッチ12の機能を保持する潤滑液(潤滑液)が封入されている。また、メインアウタクラッチプレート13とハウジング3の底部が当接する当接部3aには、ハウジング3の内壁面側とインナシャフト外周を連通する溝部3bが回転軸線Oを中心として放射状に複数の形成されている。
メインインナクラッチプレート14は、環状円盤に形成され、内穴14aはスプライン嵌合するように凸凹状に形成されている。メインインナクラッチプレート14の両側面には、外周縁部に環状の摩擦部14b、cが形成されており、これら摩擦部14b、14cには紙製のフリクションプレートを接着して構成されている。
各メインインナクラッチプレート14には、摩擦部14b(または摩擦部14c)の内側に複数の貫通穴14dが円周方向等間隔にそれぞれ形成されるとともに、各メインインナクラッチプレート14間に形成された貫通穴14dは、回転軸線0からの距離(有効径)が異ならせて形成されている。すなわち、図2において、ハウジング3の当接部3a側(一側端側)からリアハウジング5側(他側端側)に配列されたメインインナクラッチ14に形成された貫通穴14dの有効径rが、当接部3a側からリアハウジング5側にゆくに従って小さくなるように形成されている。
カム機構15は、メインクラッチ12の後方に配設され、第1カム部材16、第2カム部材17および複数のカムフォロア18を備えている。第2カム部材17は、インナシャフト7の外周壁面にスプライン嵌合して係合した状態で、一端面がメインクラッチ12と当接し、カム機構15によりメインクラッチ12を押圧する。第1カム部材16は、複数のカムフォロア18を挟んで第2カム部材17の後方でインナシャフト7に遊嵌され、後述するパイロットクラッチ20の半径内周側に位置している。複数のカムフォロア18は、第1、第2カム部材16,17の対向面に形成されているカム溝に介装されている。第2カム部材17には、貫通穴17aが形成されており、この貫通穴17aを通って潤滑液が流通する。
パイロットクラッチ20は、パイロットアウタクラッチプレート21とパイロットインナクラッチプレート22とから構成され、第2カム部材17の後方に配置されている。パイロットアウタクラッチプレート21は、クラッチ収納室6内でハウジング3の内周壁面に形成された係合部11にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、パイロットインナクラッチプレート22は、第1カム部材16の外周壁面にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合している。アーマチャア23は環状をなし、パイロットクラッチ20と第2カム部材17との間に配置され、クラッチ収納室6内周壁面にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合している。アーマチャア23は、後述する電磁石24を基点として形成される磁束により吸引されて、パイロットクラッチ20を圧接する。なお、これらパイロットクラッチ20、アーマチャア23および、電磁石24によってパイロットクラッチ機構は構成されている。
パイロットクラッチ20の後方には、ハウジング3の開口端部を覆うリアハウジング5が固着されている。リアハウジング5は、鉄等の磁性金属製の大径リアハウジング部26および小径リアハウジング部27並びにステンレス等の非磁性金属製の中間部材28から形成されている。大径リアハウジング部26の前端部および小径リアハウジング部27の前端部の間に環状の中間部材28が介装され、大径及び小径リアハウジング部26,27が中間部材28に前端部で溶接によって一体に結合されている。大径リアハウジング部26がハウジング3の開口端部内周壁面に螺合され、リアハウジング5がメインクラッチ12を予圧接した状態でハウジング3に固定されている。大径リアハウジング部26の内周には、所定間隔を保って小径リアハウジング部27が配置され、小径リアハウジング部27は段付き筒形状で、インナシャフト7の端部をニードルベアリング9によって回転可能に支承している。
リアハウジング5の先端面に形成されたクラッチ当接面31とアーマチュア23との間にパイロットクラッチ20が介装されている。環状の電磁石24は大径及び小径リアハウジング部26,27および中間部材28に囲まれた位置でヨーク32に固着されている。ヨーク32は大径および小径リアハウジング部26,27と微小隙間を保ってインナシャフト7に軸受33によって回転可能に支承され、クラッチケースの後端面に突設されたピンに係合して回り止めされている。
以上のように構成された駆動力伝達装置において、メインインナクラッチプレート14が回転したとき、メインインナクラッチプレート14の周りに存在する潤滑液の動作について説明する。なお、メインインナクラッチプレート14が回転とは、メインアウタクラッチプレート13とメインインナクラッチプレート14との間に生じる相対回転差を意味する。メインインナクラッチプレート14が回転すると潤滑液は、メインインナクラッチプレート14の回転に連れ回りし、メインインナクラッチプレート14の円周方向の流れ(渦流)を形成する。このように流体(潤滑液)に外部の力を作用させて形成される渦流は、強制渦と呼ばれ、この強制渦の任意の位置Pにおける流速vは、(1)式によって表される。
Figure 2006029447
但し、ωはメインインナクラッチプレート14の角速度、rは回転軸線0からの距離(半径)である。
また、強制渦内の任意の位置Pに形成された貫通穴14dに作用する潤滑液の圧力は、(2)式によって表される。
Figure 2006029447
但し、P0は、回転軸線0における圧力、ρは密度である。
この(1)式および(2)式に基づき、メインインナクラッチプレート14の回転によって発生する強制渦の半径rと流速vおよび、半径rと圧力Pの関係をグラフに表すと図3のようになる。
図3のグラフから明らかなように、強制渦中の潤滑液は、メインインナクラッチプレート14の外周側にゆくに従って圧力Pが上昇することになる。このため、上述のように、ハウジング3の当接部3a側(一側端側)からリアハウジング5側(他側端側)に配列されたメインインナクラッチプレート14に形成された貫通穴14dの有効径rが、当接部3a側からリアハウジング5側にゆくに従って小さくなるように形成することにより、各メインインナクラッチプレート14に形成された貫通穴14dには潤滑液の異なる大きさの圧力が作用する。この結果、当接部3a側(一側端側)を高圧とし、リアハウジング5側(他側端側)を低圧とする圧力勾配を持った潤滑液が、貫通穴14dを介して隣接する各メインインナクラッチプレレート14間で流れを形成する。このため、図2に示すように当接部3a側からリアハウジング5側に貫通穴14dを通って潤滑液が流通する流れが形成されることになる。
次に、上記のように構成した駆動力伝達装置の作動について説明する。エンジンを始動すると、エンジンの駆動力が、前方プロペラシャフトによってハウジング3に伝達されハウジング3が回転駆動される。エンジンの始動時は、通常、電磁石24は非通電状態にあるので磁束は形成されず、パイロットクラッチ20は非係合状態にあり、第2カム部材17に押圧力が作用せず、メインアウタクラッチプレート13とメインインナクラッチプレート14とは圧接されない状態であり、メインアウタクラッチプレート13とメインインナクラッチプレート14とが相対回転し、ハウジング3からインナシャフト7に駆動力は伝達されない。
この場合、アウタクラッチプレート13が回転し、インナクラッチプレート14は回転していないものの、インナクラッチプレート14は相対回転する。このため、メインインナクラッチプレート14の側面においては摩擦部14bの内側の潤滑液がインナクラッチプレート14の回転に伴う強制渦運動を発生し、貫通穴14dの有効径rに応じて発生した潤滑液の圧力が各貫通穴14dに作用して図2に示すように貫通穴14dを通って当接部3a側からリアハウジング5側に潤滑液が流通する。そして、リアハウジング5側に流れた潤滑液は、第2カム部材17に形成された貫通穴17aを通って、第2カム部材17とハウジング3の間を通過してハウジング3の係合部11とアウタクラッチプレートのスプライン歯の隙間を通り、ハウジング3の当接部3aに形成された溝部3bを通って、再びメインインナクラッチプレート14の内周側に戻るように循環する。
次に、電磁石24への通電がなされると、電磁石24を基点として磁束が形成され、該磁束は小径リアハウジング部27、パイロットクラッチ20、アーマチャア23、大径リアハウジング部26を循環して電磁石24に帰還し、アーマチャア23を吸引してパイロットクラッチ20をリアハウジング5のクラッチ当接面31に圧接して摩擦係合するので、カム式増幅機構15の第1カム部材16と第2カム部材17との間に相対回転が生じ、カムフォロア18とカム溝の作用により、第2カム部材17が、メインクラッチ12のメインアウタクラッチプレート13とメインインナクラッチプレート14とを圧接する方向に移動し、メインクラッチ12にパイロットクラッチ20の摩擦係合力を増幅した伝達トルクが発生する。伝達トルクはインナシャフト7から後方プロペラシャフトに伝達され、デファレンシャル装置を介して自動車の後輪に伝達される。
この場合、アウタクラッチプレート13が回転し、インナクラッチプレート14は相対回転速度が減少するものの、アウタクラッチプレート13と同一回転方向に回転差をもって回転するので、この場合も、メインインナクラッチプレート14の側面においては摩擦部14bの内側の潤滑液がインナクラッチプレート14の回転に伴う強制渦運動を発生し、貫通穴14dの有効径rに応じて発生した潤滑液の圧力が各貫通穴14dに作用して図2に示すように貫通穴14dを通って当接部3a側からリアハウジング5側に潤滑液が流通する。そして、リアハウジング5側に流れた潤滑液は、第2カム部材17に形成された貫通穴17aを通って、第2カム部材17とハウジング3の間を通過してハウジング3の係合部11とメインアウタクラッチプレート13のスプライン歯の隙間を通り、ハウジング3の当接部3aに形成された溝部3bを通って、再びメインインナクラッチプレート14の内周側に戻るように循環する。なお、メインアウタクラッチプレート13のスプライン歯は所定間隔(例えば90°毎)に欠けており、この欠け部分を多くの潤滑液が流通する。
従って、上記何れの場合にも、クラッチ収納室6においては、図2に示すように、全てのメインアウタクラッチプレート13の摩擦部13aの周りを循環する潤滑液の流れが生じるので、クラッチ収納室6全体で大きな潤滑液の循環が生じる。すなわち潤滑液をメインインナクラッチプレート14の外側のハウジング3の内周壁面付近を通過させ、また第2カム部材17とアーマチャア23との間を通過させるので、摩擦部14b,14cを通過して昇温された潤滑液をハウジング3、第2カム部材17およびアーマチャア23との間で効果的に熱交換させて降温させることができる。
また、上述した実施の形態においては、ハウジング3の当接部3a側(一側端側)からリアハウジング5側(他側端側)に配列されたメインインナクラッチプレート14に形成された貫通穴14dの有効径rが、当接部3a側からリアハウジング5側にゆくに従って小さくなるように形成し、潤滑液が当接部3a側からリアハウジング5側に貫通穴14dを通って流通する流れを形成するようにした。これは、第2カム部材17に形成された貫通穴17aを通過して第2カム部材17およびアーマチャア23間に到達する潤滑液の流速によって、パイロットクラッチ20の周りの潤滑液を循環させるためである。従って、メインインナクラッチプレート14の摩擦部14b、cの周りの潤滑液を循環させるのみであれば、メインインナクラッチプレート14に形成された貫通穴14dの有効径rを当接部3a側からリアハウジング5側にゆくに従って大きくなるように形成してもよい。
さらに、上述したように、メインインナクラッチプレート14に形成された貫通穴14dの有効径rに比例し、貫通穴14dに作用する潤滑液の圧力が大きくなる。このことから、複数のメインインナクラッチプレート14のうちの一端側に配置された1枚もしくは数枚、例えば図4に示すように当接部3a側に配置されたメインインナクラッチプレート14の貫通穴14dの有効径rを、他のメインインナクラッチプレート14の貫通穴14dの有効径rと比較して大きくなるように形成してもメインインナクラッチプレート14の摩擦部14b、cの周りの潤滑液を循環させることができる。
1枚のメインインナクラッチプレート14に形成される貫通穴14dの数に制限はなく、各メインインナクラッチプレート14に形成される貫通穴14dの円周方向の位相は、同位相でも異なる位相でもかまわない。
本発明に係る駆動力伝達制御装置の一実施の形態を示す断面図である。 図1に示す駆動力伝達制御装置の要部断面図である。 メインインナクラッチプレートの側面に発生する強制渦運動によって生ずる流速と有効径の関係および圧力と有効径の関係を示したグラフである。 本発明に係る駆動力伝達装置の他の実施の形態を示す要部断面図である。 従来のメインインナクラッチの側面における潤滑液の流れを説明した図である。
符号の説明
3…ハウジング、5…リアハウジング、6…クラッチ収納室、7…インナシャフト、11…係合部、12…メインクラッチ、13…メインアウタクラッチプレート、14…メインインナクラッチプレート、14b,14c…摩擦部、14d…貫通穴、15…カム式増幅機構、16…第1カム部材、17…第2カム部材、18…カムフォロア、20…パイロットクラッチ、21…パイロットアウタクラッチプレート、22…パイロットインナクラッチプレート、23…アーマチャア、24…電磁石、25…係合部、26…大径リアハウジング部、27…小径リアハウジング部、28…中間部材、31…クラッチ当接面。

Claims (3)

  1. 円筒状の内周面を有するハウジング内にインナシャフトを相対回転可能に軸承し、前記ハウジングの内周壁面と前記インナシャフト外周壁面との間に摩擦クラッチを収納するとともに該摩擦クラッチの機能を保持する潤滑液を封入するクラッチ収納室を形成し、前記摩擦クラッチを構成するアウタクラッチプレートを前記ハウジングの内周面に係合し、前記摩擦クラッチを構成する複数のインナクラッチプレートを前記アウタクラッチプレートと交互に配置して前記インナシャフトの外周面に係合し、前記インナクラッチプレートと前記アウタクラッチプレートとが摩擦係合する摩擦部より回転中心側に貫通穴を前記インナクラッチプレートの夫々に穿設し、前記インナクラッチプレートの一側端側から前記貫通穴を介して他側端側に向かって前記潤滑液を流通させ、前記摩擦部の内外周の間で前記潤滑液を循環させるようにした駆動力伝達装置にして、
    前記回転中心から前記貫通穴までの有効径が前記他側端側に比して前記一側端側で大きくなるよう前記貫通穴を前記インナクラッチプレートに穿設したことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記一側端側から他側端側に向かって前記有効径が連続的に小さくなるよう前記インナクラッチプレートの夫々に前記貫通穴を穿設したことを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 請求項1または請求項2において、電磁石への通電により摩擦係合するパイロットクラッチ機構と、前記パイロットクラッチ機構の摩擦係合力を前記摩擦クラッチに伝達して該摩擦クラッチを摩擦係合させるカム機構とを備え、前記パイロットクラッチ機構および前記カム機構を前記クラッチ収納室の前記他側端側に収納したことを特徴とする駆動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008106906A (ja) * 2006-10-27 2008-05-08 Aisin Aw Industries Co Ltd 発進装置

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