JP2004332764A - 駆動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】クラッチ潤滑油からデフ潤滑油に隔壁部に設けた熱交換部を介して熱伝達し、クラッチ潤滑油をデフ潤滑油により冷却する。
【解決手段】デファレンシャル装置の駆動歯車が設けられた歯車軸をデフケースに回転軸線上で回転可能に軸承し、該歯車軸の軸端部を開口部からデフケースの外部に液密的に突出する。デフケースに貯溜されたデフ潤滑油が接触する熱交換部を設けた隔壁部をデフケースに開口部の周囲に回転軸線と直角な方向に拡張して形成する。クラッチケースを隔壁部の周縁部に固定しクラッチ潤滑油が貯溜される格納室を形成する。内部にクラッチ収納室が形成されたハウジングをクラッチケースに格納室内で回転軸線回りに回転可能に支承し、ハウジングと歯車軸とを係脱可能に接続する湿式多板クラッチをクラッチ収納室に収納する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、デフケースに取付けられる駆動力伝達装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、エンジンの回転動力を駆動輪に伝達する駆動力伝達装置においては、例えば特許文献1に記載されているように、デファレンシャル装置の駆動歯車が設けられた歯車軸がデフケースに回転軸線上で回転可能に軸承され、該デフケースにクラッチケースが固定されている。該クラッチケースにハウジングが回転可能に支承され、該ハウジング内部のクラッチ収納室にインナシャフトが軸受により前記回転軸線上で回転可能に支承され、該インナシャフトに歯車軸がスプライン嵌合されている。クラッチ収納室内にハウジングとインナシャフトとを係脱するメインクラッチ、カム式増幅機構及びパイロットクラッチ等が配置され、ハウジングの開口端部は、リヤハウジングにより覆われている。電磁石はヨークに固定され、リヤハウジングを挟んでパイロットクラッチと対向した位置に配設され、該ヨークはクラッチケースに支持されている。そして、デフケース内にデフ潤滑油が貯溜され、クラッチケース内にクラッチ潤滑油が貯溜されてデファレンシャル装置および駆動力伝達装置の潤滑および冷却を夫々行っている。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−74598号公報(第3乃至5頁、図2)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
【発明が解決しようとする課題】
駆動力伝達装置は、クラッチ潤滑油によって潤滑される湿式多板クラッチを備え、クラッチプレートの滑り摩擦力を利用して自動車のエンジンのトルクをデファレンシャル装置に伝達する。車両が直進状態であればクラッチプレート間の回転差が生じないのでクラッチプレート間の摩擦によって発生する熱は少ないが、車両の走行状態によってはクラッチプレート間の回転差が生じ、摩擦熱によりクラッチプレートが高温となる。クラッチプレートはクラッチ潤滑油によって冷却されるが、発熱状態が長時間続くとクラッチ潤滑油も高温となり、クラッチ潤滑油の寿命を縮めるとともにクラッチプレートの摩擦部材を傷めるおそれもある。
【0005】
クラッチ潤滑油の熱は、主としてクラッチケースの壁を介して外気に放出されるが、クラッチケースの壁のうち外部に面した部分は、強度を確保する為、ある程度の厚みを確保しなければならない。このため、クラッチ潤滑油が十分に冷却されない可能性があった。
【0006】
本発明は、係る従来の問題点を改善するためになされたもので、クラッチ潤滑油の熱を比較的温度の低いデフ潤滑油で冷却するようにしたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段および作用・効果】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、デファレンシャル装置の駆動歯車が一体的に設けられた歯車軸をデフケースに回転軸線上で回転可能に軸承し、該歯車軸の軸端部をデフケースの開口部から外部に液密的に突出し、前記デフケース内に貯溜されたデフ潤滑油が接触する熱交換部を設けた隔壁部を前記デフケースに前記開口部の周囲に前記回転軸線と直角な方向に拡張して形成し、前記熱交換部を隔ててクラッチ潤滑油が貯溜される格納室を前記隔壁部とともに形成するクラッチケースを前記隔壁部の周縁部に重合して固定し、内部にクラッチ収納室が形成されたハウジングを前記クラッチケースに前記格納室内で前記回転軸線回りに回転可能に支承し、前記ハウジングと前記歯車軸とを係脱可能に接続する湿式多板クラッチを前記クラッチ収納室に収納したことである。
【0008】
本発明によれば、隔壁部に設けられた熱交換部を介して格納室に貯溜されたクラッチ潤滑油からデフケースに貯溜されたデフ潤滑油に熱伝達され、クラッチ潤滑油をデフ潤滑油により冷却することができ、クラッチプレートが加熱して損傷することを防止することができる。また、熱交換部を設けた隔壁部をデフケースに歯車軸の軸端部が液密的に突出する開口部周囲から拡張して形成し、クラッチケースを隔壁部の周縁部に重合し固定してクラッチ潤滑油が貯溜される格納室を隔壁部とともに形成したので、簡単で低コストの構成でクラッチ潤滑油をデフ潤滑油により冷却することができる。
【0009】
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、デファレンシャル装置の駆動歯車が一体的に設けられた歯車軸をデフケースに回転軸線上で回転可能に軸承し、該歯車軸の軸端部をデフケースの開口部から外部に液密的に突出し、前記デフケース内に貯溜されたデフ潤滑油が接触する熱交換部を設けた隔壁部を前記デフケースに前記開口部の周囲に前記回転軸線と直角な方向に拡張して形成し、前記熱交換部を隔ててクラッチ潤滑油が貯溜される格納室を前記隔壁部とともに形成するクラッチケースを前記隔壁部の周縁部に重合して固定し、内部にクラッチ収納室が形成されたハウジングを前記クラッチケースに前記格納室内で前記回転軸線回りに回転可能に支承し、メインクラッチのメインアウタクラッチプレートを前記クラッチ収納室内周面に相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、該メインアウタクラッチプレートと交互に配置されたメインインナクラッチプレートを前記歯車軸の軸端部に形成された係合部に回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、パイロットクラッチのパイロットアウタクラッチプレートを前記クラッチ収納室内周面に相対回転を規制されて軸線方向に移動可能に係合し、該パイロットアウタクラッチプレートと交互に配置されたパイロットインナクラッチプレートを第1カム部材に相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、大径リヤハウジング部と前記歯車軸を回転可能に支承する小径リヤハウジング部とが前記パイロットクラッチを挟んでアーマチュアと対向する位置で非磁性体の環状の中間部材により一体に結合されたリヤハウジングを前記ハウジングの開口端部に固着し、前記大径及び小径リヤハウジング部の間に配置され前記アーマチュアを吸引して前記パイロットアウタクラッチプレートとパイロットインナクラッチプレートとを圧接させる電磁石が固着されたヨークを前記デフケースに取付け、前記メインクラッチに当接する第2カム部材と前記第1カム部材との相対回転によるカム機構の作動により第2カム部材が軸線方向に移動されて前記メインクラッチを圧接するカム式増幅機構を設けたことである。
【0010】
パイロットクラッチの伝達トルクにより第2カム部材と第1カム部材とが相対回転し、第2カム部材がカム機構により軸線方向に移動してメインアウタクラッチプレートおよびメインインナクラッチプレートを圧接する電磁式パイロットクラッチ装置においては、電磁石が励磁されていない状態でもハウジングと歯車軸との間に回転差が発生すると潤滑油の粘性により引き摺りトルクが発生し、この引き摺りトルクがカム式増幅機構により増幅されてメインクラッチを圧接し、メインクラッチが僅かながらすべり摩擦トルクを発生して発熱する傾向にある。
【0011】
これに対し本発明によれば、隔壁部に設けられた熱交換部を介して格納室に貯溜されたクラッチ潤滑油からデフケースに貯溜されたデフ潤滑油に熱伝達され、クラッチ潤滑油をデフ潤滑油により冷却することができ、クラッチプレートが加熱して損傷することを防止することができる。また、熱交換部を設けた隔壁部をデフケースに歯車軸の軸端部が液密的に突出する開口部周囲にから拡張して形成し、クラッチケースを隔壁部の周縁部に重合して固定してクラッチ潤滑油が貯溜される格納室を隔壁部とともに形成したので、簡単で低コストの構成でクラッチ潤滑油をデフ潤滑油により冷却することができる。
【0012】
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項1または2において、前記デフケース内で前記熱交換部に放熱フィンを設けたことである。本発明によれば、放熱フィンからデフ潤滑油に熱伝達が行われ、クラッチ潤滑油をより効率的に冷却することができる。
【0013】
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記熱交換部の厚さを6mm以下としたことである。本発明によれば、熱交換部の厚さを6mm以下としたので、熱交換部での熱伝達が良好となりクラッチ潤滑油をデフ潤滑油で効率的に冷却することができる。
【0014】
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、前記熱交換部の面積を5平方cm以上としたことである。本発明によれば、熱交換部の面積を5平方cm以上としたので、熱交換部で必要な熱伝達を確保することができ、クラッチ潤滑油をデフ潤滑油で効率的に冷却することができる。
【0015】
【実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態に係る駆動力伝達装置である電磁式パイロットクラッチ装置1を図面に基づいて説明する。図1に本発明の一実施形態としての駆動力伝達装置の断面図を示す。図2は図1のII−II断面図である。2は自動車のデフケースで、デフケース2内にはデファレンシャル装置3が収納され、デフ潤滑油4が貯溜されている。5はデファレンシャル装置3のハイポイドギヤ等の駆動歯車6が一体的に設けられた歯車軸で、デフケース2に設けられた円筒状の支持部7に嵌着された一対のローラベアリング8により回転軸線O上で回転可能に軸承され、軸端部9はデフケース2の開口部10からシール部材11により液密的にシールされて外部に突出している。デフケース2には開口部10から回転軸線Oと直角な方向に外方に拡張する隔壁部12が形成され、この隔壁部12の外周にはデフケース2から離れる方向に屈曲した周縁部13が設けられている。隔壁部12の下側は支持部7より下方に延在し、デフケース2の外壁と支持部7との間にデフ潤滑油4が流入する拡張液室45が形成され、隔壁部12の拡張液室45を画成する部分にデフ潤滑油4が接触する熱交換部14が設けられている。熱交換部14の厚さは6mm以下、望ましくは2mm以下で、鋳造時に穴が生じない程度に薄くすると最適な熱伝達を確保することができる。熱交換部の面積は5平方cm以上、望ましくは10平方cm以上で、強度上可能な範囲で広くすると十分な熱伝達面積を確保することができる。
【0016】
隔壁部12の周縁部13の端面には隔壁部12とともに格納室15を形成するクラッチケース16が重合してボルトにより固定されている。クラッチケース16内にはクラッチ潤滑油17が貯溜され熱交換部14に接触している。クラッチケース16にはハウジング18が入力軸部19を軸受20に軸承されて格納室15内で回転軸線O回りに回転可能に支承され、ハウジング18内にはクラッチ収納室21が形成されている。入力軸部19の先端には外スプラインが形成され、プロペラシャフトに連結されるフランジ付連結部材22の円筒部内周面に形成された内スプラインとスプライン嵌合されている。フランジ付連結部材22とクラッチケース16との間には外部からの異物の侵入を防止するとともに、格納室15内に貯溜されているクラッチ潤滑油17を外部に漏らさないためのシール部材23が取付けられている。
【0017】
クラッチ収納室21内にはメインクラッチ24が配設され、メインクラッチ24は複数のメインアウタクラッチプレート25及びメインインナクラッチプレート26を備えている。メインアウタクラッチプレート25はクラッチ収納室21内周面に形成されたスプライン歯にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、メインインナクラッチプレート26は歯車軸5の軸端部9に形成された係合部27の外周にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合している。メインアウタクラッチプレート25とメインインナクラッチプレート26は交互に配置されており、係合時は互いに当接して摩擦係合するとともに、離脱時は互いに離間して非係合状態となる。
【0018】
カム式増幅機構28は、メインクラッチ24の後方に配設され、第1カム部材29、第2カム部材30及び複数のカムフォロア31とからなっている。第2カム部材30は、歯車軸5の係合部27外周にスプライン嵌合して係合した状態で、一端面がメインクラッチ24と当接しており、カム機構によりメインクラッチ24を押圧するようになっている。第1カム部材29は、複数のカムフォロア31を挟んで第2カム部材30の後方で、係合部27の外周に遊嵌されており、後述するパイロットクラッチ32の半径内周側に位置している。複数のカムフォロア31は、第1、第2カム部材29,30の対向面に形成されているカム溝に介装されている。
【0019】
パイロットクラッチ32は、パイロットアウタクラッチプレート33とパイロットインナクラッチプレート34とからなり、第2カム部材30の後方に配置され、パイロットアウタクラッチプレート33はクラッチ収納室21内周面に形成されたスプライン歯にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、パイロットインナクラッチプレート34は第1カム部材29の外周面にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合している。アーマチャ35は環状をなし、パイロットクラッチ32と第2カム部材30との間に配置され、クラッチ収納室21内周面にスプライン嵌合し相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合している。アーマチャ35は、後述する電磁石36を基点として形成される磁束により吸引されて、パイロットクラッチ32を圧接するようになっている。
【0020】
パイロットクラッチ32の後方には、ハウジング18の開口端部37を覆うリヤハウジング38が固着されている。リヤハウジング38は、小径リヤハウジング部39、大径リヤハウジング部40及び中間部材41とからなっている。小径リヤハウジング部39は段付き筒形状で、歯車軸5の軸端部9をニードルベアリング42により回転可能に支承している。小径リヤハウジング部39の外周には、所定間隔を保って段付き円筒形状の大径リヤハウジング部40が配置され、大径リヤハウジング部40はハウジング18の開口端部37内周面に螺合され、リヤハウジング38がメインクラッチ24を予圧接した状態でハウジング18に溶着されている。大径リヤハウジング部40の内周面と小径リヤハウジング部39の外周面との間には、環状でステンレス製の中間部材41が介在され、小径及び大径リヤハウジング部39,40に溶接で一体的に結合されている。小径及び大径リヤハウジング部39,40は磁性材料で、中間部材41は非磁性体であり、電磁石36により磁束が形成され易い構造となっている。
【0021】
端子43を介して通電される環状の電磁石36は、小径及び大径リヤハウジング部39,40および中間部材41に囲まれた位置でヨーク44に固着されている。ヨーク44は、小径及び大径リヤハウジング部39,40の間で小径及び大径リヤハウジング部39,40と微小隙間を保ちデフケース2の開口部10端面に固定されている。電磁石36、カム式増幅機構28、パイロットクラッチ32等によりメインクラッチ24を係脱するクラッチ係脱装置が構成され、メインクラッチ24およびクラッチ係脱装置により湿式多板クラッチが構成されている。なお、クラッチ係脱装置は電磁石または油圧等でメインクラッチ24を直接圧接するものでもよい。
【0022】
次に、上記のように構成した電磁パイロット式クラッチ装置1の作動について説明する。電磁パイロット式クラッチ装置1は、自動車等の後輪へ駆動力を伝達する経路に配置され、駆動力伝達装置として機能する。エンジンを始動すると、エンジンの出力が、ハウジング18の入力軸部19に伝達されハウジング18が回転駆動される。エンジンの始動時は、通常、電磁石36は非通電状態にあるので磁束は形成されず、パイロットクラッチ32は非係合状態にあり、第2カム部材30に押圧力が作用せず、メインアウタクラッチプレート25とメインインナクラッチプレート26とは圧接されない状態であり、メインアウタクラッチプレート25とメインインナクラッチプレート26とが相対回転し、ハウジング18から歯車軸5にトルク伝達は行われない。
【0023】
電磁石36への通電がなされると、電磁石36を基点として磁束が形成される。該磁束は、電磁石36からヨーク44へ、ヨーク44から小径リヤハウジング部39へ、小径リヤハウジング部39からパイロットクラッチ32を通過しアーマチャ35へ、アーマチャ35から大径リヤハウジング部40へ、大径リヤハウジング部40からヨーク44の外径部へ、ヨーク44から電磁石36へと循環して、アーマチャ35を吸引する。この吸引により、アーマチャ35はパイロットクラッチ32を圧接して摩擦係合するので、カム式増幅機構28の第1カム部材29と第2カム部材30との間に相対回転が生じ、カムフォロア31とカム溝の作用により、第2カム部材30が、メインクラッチ24のメインアウタクラッチプレート25とメインインナクラッチプレート26とを圧接する方向に移動し、メインクラッチ24にパイロットクラッチ32の摩擦係合力を増幅した伝達トルクが発生する。伝達トルクは係合部27から歯車軸5に伝達され、駆動歯車6からデファレンシャル装置3を介して自動車の後輪に伝達される。
【0024】
メインクラッチ24がパイロットクラッチ32の摩擦係合力に応じて圧接され、メインアウタクラッチプレート25とメインインナクラッチプレート26との間で滑りながら伝達トルクを発生する場合、メインクラッチ24は発熱しクラッチ潤滑油17がメインクラッチ24を冷却して温度上昇する。また、パイロットクラッチ32の伝達トルクにより第1カム部材29と第2カム部材30とが相対回転し、第2カム部材30がカム機構により軸線方向に移動してメインアウタクラッチプレート25およびメインインナクラッチプレート26を圧接する電磁式パイロットクラッチ装置1においては、電磁石36が励磁されていない状態でもハウジング18と歯車軸5との間に回転差が発生すると、潤滑油の粘性によりパイロットクラッチ32に引き摺りトルクが発生し、この引き摺りトルクがカム式増幅機構28により増幅されてメインクラッチ24を圧接し、メインクラッチ24が僅かながらすべり摩擦トルクを発生して発熱し、クラッチ潤滑油の温度が上昇する傾向がある。このように温度上昇したクラッチ潤滑油17から隔壁部12に設けられた熱交換部14を介してデフケース2に貯溜されたデフ潤滑油4に熱伝達され、クラッチ潤滑油17はデフ潤滑油4により冷却され、メインアウタクラッチプレート25に貼り付けられた摩擦部材が損傷すること及びクラッチ潤滑油17が劣化することを抑えることができる。
【0025】
次に、隔壁部12の熱交換部14に放熱フィンを拡張液室45内に設けた第2の実施形態について説明する。第1の実施形態と熱交換部14の部分が異なるだけで他の構成は同様であるので、同一構成部分には同一の参照番号を付して詳細説明を省略する。図3、図4に示すように、隔壁部12に設けた熱交換部14の拡張液室45側の壁面には冷却フィン46が上下方向に突設されている。冷却フィン46により熱交換部14からデフ潤滑油4への熱伝達が効率的に行われ、熱交換部14の温度が下がってクラッチ潤滑油17が効果的に冷却される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る電磁パイロット式クラッチ装置の縦断面図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】第2の実施形態を示す部分断面図。
【図4】図3のIV−IV断面図。
【符号の説明】
1…電磁式パイロットクラッチ装置、2…デフケース、3…デファレンシャル装置、4…デフ潤滑油、5…歯車軸、6…駆動歯車、7…支承部、9…軸端部、10…開口部、11,23…シール部材、12…隔壁部、13…周端部、14…熱交換部、15…格納室、16…クラッチケース、17…クラッチ潤滑油、18…ハウジング、19…入力軸部、21…クラッチ収納室、24…メインクラッチ、25…メインインナクラッチプレート、26…メインアウタクラッチプレート、27…係合部、28…カム式増幅機構、29…第1カム部材、30…第2カム部材、31…カムフォロア、32…パイロットクラッチ、35…アーマチュア、36…電磁石、37…開口部、38…リヤハウジング、39…小径リヤハウジング部、40…大径リヤハウジング部、41…中間部材、42…軸受、44…ヨーク、45…拡張液室、46…冷却フィン。

Claims (5)

  1. デファレンシャル装置の駆動歯車が一体的に設けられた歯車軸をデフケースに回転軸線上で回転可能に軸承し、該歯車軸の軸端部をデフケースの開口部から外部に液密的に突出し、前記デフケース内に貯溜されたデフ潤滑油が接触する熱交換部を設けた隔壁部を前記デフケースに前記開口部の周囲に前記回転軸線と直角な方向に拡張して形成し、前記熱交換部を隔ててクラッチ潤滑油が貯溜される格納室を前記隔壁部とともに形成するクラッチケースを前記隔壁部の周縁部に重合して固定し、内部にクラッチ収納室が形成されたハウジングを前記クラッチケースに前記格納室内で前記回転軸線回りに回転可能に支承し、前記ハウジングと前記歯車軸とを係脱可能に接続する湿式多板クラッチを前記クラッチ収納室に収納したことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. デファレンシャル装置の駆動歯車が一体的に設けられた歯車軸をデフケースに回転軸線上で回転可能に軸承し、該歯車軸の軸端部をデフケースの開口部から外部に液密的に突出し、前記デフケース内に貯溜されたデフ潤滑油が接触する熱交換部を設けた隔壁部を前記デフケースに前記開口部の周囲に前記回転軸線と直角な方向に拡張して形成し、前記熱交換部を隔ててクラッチ潤滑油が貯溜される格納室を前記隔壁部とともに形成するクラッチケースを前記隔壁部の周縁部に重合して固定し、内部にクラッチ収納室が形成されたハウジングを前記クラッチケースに前記格納室内で前記回転軸線回りに回転可能に支承し、メインクラッチのメインアウタクラッチプレートを前記クラッチ収納室内周面に相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、該メインアウタクラッチプレートと交互に配置されたメインインナクラッチプレートを前記歯車軸の軸端部に形成された係合部に回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、パイロットクラッチのパイロットアウタクラッチプレートを前記クラッチ収納室内周面に相対回転を規制されて軸線方向に移動可能に係合し、該パイロットアウタクラッチプレートと交互に配置されたパイロットインナクラッチプレートを第1カム部材に相対回転を規制して軸線方向に移動可能に係合し、大径リヤハウジング部と前記歯車軸を回転可能に支承する小径リヤハウジング部とが前記パイロットクラッチを挟んでアーマチュアと対向する位置で非磁性体の環状の中間部材により一体に結合されたリヤハウジングを前記ハウジングの開口端部に固着し、前記大径及び小径リヤハウジング部の間に配置され前記アーマチュアを吸引して前記パイロットアウタクラッチプレートとパイロットインナクラッチプレートとを圧接させる電磁石が固着されたヨークを前記デフケースに取付け、前記メインクラッチに当接する第2カム部材と前記第1カム部材との相対回転によるカム機構の作動により第2カム部材が軸線方向に移動されて前記メインクラッチを圧接するカム式増幅機構を設けたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  3. 請求項1または2において、前記デフケース内で前記熱交換部に放熱フィンを設けたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項において、前記熱交換部の厚さを6mm以下としたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、前記熱交換部の面積を5平方cm以上としたことを特徴とする駆動力伝達装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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GB2508953B (en) * 2012-09-07 2019-05-22 Ricardo Uk Ltd Improvements in or relating to clutches

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