JP2006029227A - 水力機械およびそのランナ - Google Patents

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保之 榎本
Takanori Nakamura
高紀 中村
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Abstract

【課題】水力機械のランナの建設コストを抑え、ホワールによる水圧脈動、騒音、振動等の発生を抑制する。
【解決手段】ランナクラウン20の開口26に沿ってランナクラウンの下面に環状のランナコーン5が設けられており、ランナコーンの底面の半径をRcとし、クラウンの下面での羽根24の最も内側の端部の回転軸28との距離をRaとするときに、 0.6≦Rc/Ra<1 の条件を満たす。さらに、ランナクラウンの開口内で回転軸に沿って下方に延びる円柱状突起物10が設けられており、突起物の下端はランナコーンの底面よりも上方にあって、突起物の半径をRbとし、ランナコーンの底面の半径をRcとするときに、 0.25≦Rb/Rc<0.75 の条件を満たす。
【選択図】図2

Description

本発明は、水力機械およびそのランナに係り、特に吸出し管の水圧脈動低減を図った水車またはポンプ水車などの水力機械とそのランナに関する。
一般に水車またはポンプ水車の部分負荷運転時には、ランナ出口の流れが大きな旋回速度成分を有し、その旋回流により吸出し管中心部に大気圧より低い圧力を持つホワールと呼ばれる渦状の空洞が発生する。このホワールは吸出し管内の中心軸を渦芯として竜巻のように激しく揺れ動き、吸出し管の水圧脈動を増大させ、またこのホワールが管内壁に衝突し崩壊するときに発生する異常音、振動等は水力機械の安定な運転を阻害する要因となる。
図11は特許文献1に示される一般的なフランシス型ポンプ水車の立断面図である。水車運転時には水はケーシング1からステーベーン2およびガイドベーン3を通ってランナ4に流れ込み、その水流によってランナ4が回転駆動され、主軸6を介して発電機7が駆動される。一方、ランナ4を駆動した水は吸出し管8を経て放水路へと流出する。水車運転時にはガイドベーン3の開度を変化させることにより、ランナ4に流入する水量を調整し、発電量を変化させる。また、ガイドベーン3の開度が同じであっても、落差が変化することにより発電量も変化する。
このように、水車の運転状態は様々に変化し、それに伴い、ランナ4から流出する水も様々な挙動を示す。特にランナ4から流出する水流のランナ回転方向速度成分は、水車最高効率点を境に低落差側および部分負荷領域ではランナ4と同一方向に、また高落差側および過負荷領域では逆回転方向の速度成分を有する。また、この旋回流はランナ4の内径側から外径側まで均一ではないため、吸出し管8内にアンバランスな流れを引き起こすことになり、ランナコーン5の近傍にホワール9が発生する。
図12に従来のランナ4の詳細を示す。ランナ4の上部はほぼ円板状のランナクラウン20で覆われており、その下方に放射状の羽根24が複数枚円周方向に配列されている。羽根24の下外側はランナバンド22で覆われている。ランナクラウン20の下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口26が設けられている。開口26を設ける理由は、スラスト力を低減するためや排気をするためのものである。
さらに、この開口26に沿って、ランナクラウン20の下面に環状のランナコーン5が取り付けられている。ランナコーン5は、水車運転の場合に流路の急拡大による損失を低減するためのものである。
図12(a)は、ホワール9がランナコーン5の外面の途中からほぼ円筒状に下方に延びていてこれが回転する場合を示している。また、図12(b)は、ホワール9がランナコーン5の下端から下方に延びていてこれが水平方向に往復運動をする場合を示している。このようにホワール9の挙動は、水車の運転条件によって大きく変化し、この挙動により吸出し管8(図11)内の圧力変化が生じる。このホワール9の振れ回りが大きくなると、水圧脈動が大きくなり、吸出し管8または建屋全体に振動、騒音をもたらし、発電所の運転に支障をきたす場合もある。
特開平5−231295号公報
このようなことから、吸出し管8内に発生するホワール9による水圧脈動を低減する手段として、吸出し管内に空気を注入し、ホワールを安定させる方法、または、吸出し管内壁に旋回防止部材のフィンを取り付けホワールを抑制する方法等が提案されている。しかしながら、前者の場合は吸出し管内圧力より高い圧力を持った空気を供給しなくてはならず、吸出し高さが大きくなると吸出し管上部の圧力が高くなり、自然吸気の圧力では空気を供給することが不可能となるので、強制吸気用の専用コンプレッサを用いて吸出し管内に吸気を行なう必要があり、建設コストの面から問題がある。一方、後者の場合には、吸出し管内への落下防止を考慮した取り付け方法等が問題となる。
本発明はこのような点に鑑み、建設コストを抑え、ホワールによる水圧脈動、騒音、振動等の発生を抑制しうるようにした水力機械およびそのランナを得ることを目的とする。
本発明は上記目的を達成するものであって、請求項1に記載の発明は、鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられており、前記ランナコーンの底面の半径をRcとし、前記クラウンの下面での前記羽根の最も内側の端部の前記回転軸との距離をRaとするときに、 0.6≦Rc/Ra<1 の条件を満たすこと、を特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、ランナコーンの底面が充分に大きいので、部分負荷運転特にホワールがランナコーン側面から発生しランナコーンの周りを振れ回るような状況において、ホワールがランナコーン内部から発生するようになり、ホワールの上端の移動範囲が小さくなってホワールが安定し、ホワールの振れ回りによる吸出し管の水圧脈動が小さくなる。
また、請求項2に記載の発明は、鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられ、前記開口内で前記回転軸に沿って下方に延びる円柱状突起物が設けられており、前記突起物の下端はランナコーンの底面よりも上方にあって、前記突起物の半径をRbとし、前記ランナコーンの底面の半径をRcとするときに、 0.25≦Rb/Rc<0.75 の条件を満たすこと、を特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、ランナコーン底面から発生するホワールが、突起物の下端面に上端を持つようになり、ホワールの上端部が突起物先端断面内で安定して動くようになり、ホワール上端の移動範囲が小さくなり、ホワールの振れ回りが小さくなり、吸出し管での水圧脈動が低減する。
また、請求項3に記載の発明は、鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられ、前記開口内で前記回転軸に沿って下方に延びる円柱状突起物が設けられており、この円柱状突起物の下端が前記ランナコーンの底面より下方に突出していること、を特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、ホワールがランナコーン面より下に離れて発生する場合、ランナコーンより下に位置する突起物の下面からホワールが発生し、突起物の下面内で安定してホワールが動くことになり、ホワールの挙動が安定し、吸出し管の水圧脈動が低減する。
また、請求項4に記載の発明は、請求項2または3に記載の水力機械のランナにおいて、前記円柱状突起物は下方ほど細くなるような少なくとも一つの段部を有すること、を特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、請求項2または3に記載の発明の作用・効果を得られるほか、ホワールの上端が太くなるような運転状態においては突起物の断面が大きなところでホワールが安定し、ホワールの上端が小さくなるような運転状態では突起物の断面が小さなところで安定することになり、広い運転範囲で水圧脈動が小さくなる。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2または3に記載の水力機械のランナにおいて、前記円柱状突起物の下端面に窪みが形成されていること、を特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、請求項2または3に記載の発明の作用・効果を得られるほか、ホワールの上端が太くなるような運転状態では突起物の外周部分で安定し、ホワールの上端が小さくなるような運転状態の場合は突起物の窪みの中にホワールの先端が入り込むことによって、窪みの中でホワールが安定して動く。このことにより、広い運転範囲で水圧脈動が小さくなる。
また、請求項6に記載の発明は、鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられ、前記開口内で前記回転軸と水平方向にずれた位置で下方に延びる突起物が設けられていること、を特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、偏芯した突起物の回転により、ホワールを上端部で拡散することになり、ホワールの発達を防ぐことが可能となり、水圧脈動が低減する。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6に記載のランナを有する水力機械であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、ホワールによる水圧脈動、騒音、振動等の発生を抑制しうる水力機械を得ることができる。
本発明によれば、水車またはポンプ水車の部分負荷運転時に多く発生するホワールにより引き起こされる水圧脈動、騒音、振動を低減することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照して説明する。ここで、従来技術とまたは実施の形態相互に、共通もしくは類似の部分には同じ符号を用い、重複説明は省略する。
[第1の実施の形態]
図1および図2を参照して、本発明に係る水力機械のランナの第1の実施の形態を説明する。この実施の形態はフランシス型水車ランナである。図1(a)に示すように、ランナコーン5の下面の半径をRcとし、ランナクラウン20側の羽根24の出口端の半径(ランナ4の鉛直の回転軸28からの距離)をRaとする。このとき、
0.6≦Rc/Ra<1
の関係になっている。
前述のように、従来の技術では、ランナ4から流出した水は水車の運転状態により様々な挙動を示し、特に回転方向速度成分は、水車最高効率点を境に低落差側および部分負荷領域ではランナ4と同一方向に、また高落差側および過負荷領域では逆回転方向の速度成分を有する。また、この旋回流はランナ4の内径側から外径側まで均一ではないため、吸出し管8内にアンバランスな流れを引き起こすことになり、ランナコーン5近傍にホワール9が発生する。特に部分負荷で運転されるときにはこのホワールが振れ回り、水圧脈動を増大させる。
図2は、例えば50%部分負荷運転時のランナコーン5の寸法と水圧脈動との関係の一例を示したものである。この図から、Rc/Raが大きくなるにつれて脈動が小さくなり、0.6付近より大きな形状で最小値をとることがわかる。このことから、
0.6≦Rc/Ra<1
の関係が成り立てばよいことがわかる。
第1の実施の形態によれば、ランナコーン5の下端断面が大きくなり、かつ、下端面は従来のものよりも上方に位置することになり、従来ランナコーン5の側面から延びていたホワール9が、図1(b)に示すように、ランナコーン5の内部の開口26内から発生するようになり、ホワール9の移動範囲が小さくなり、ホワール9が側面から発生していた場合より安定した挙動を示すようになり、吸出し管8での水圧脈動が減少する。
[第2の実施の形態]
図3および図4を参照して、本発明に係る水力機械のランナの第2の実施の形態を説明する。この実施の形態はフランシス型水車ランナであって、第1の実施の形態(図1)の変形例であり、図1(a)に示すのと同様に、ランナコーン5の下面の半径をRcとし、ランナクラウン20側の羽根24の出口端半径をRaとするとき、
0.6≦Rc/Ra<1
の関係になっている。
この第2の実施の形態では、図3(a)に示すように、ランナクラウン20の中央の開口26内に、回転軸28に沿って、円柱状突起物10が上方から下方に向かって延びている。突起物10の下端はランナコーン5より上方にある。ここで、円柱状突起物10の半径をRbとし、ランナコーン5の底面の半径をRcとする。このとき、
0.25≦Rb/Rc<0.75
の関係になっている。
前述のように、従来の技術で図12(b)のようにホワール9がランナコーン5の下面から延びる場合、ホワール9はランナコーン5の底面内を自由に動き回りホワール上端位置が安定せず、ホワール9全体が大きく振れ回ることになり吸出し管8での水圧脈動が大きくなる。また、ホワール9が吸出し管8に衝突し振動も大きくなる。
図4は、例えば40%部分負荷運転時における突起物10の寸法と水圧脈動との関係の一例を示したものである。この図から、突起物10を設けることにより水圧脈動は減少し、特に、
0.25≦Rb/Rc<0.75
の範囲でその効果が顕著になっていることがわかる。
第2の実施の形態によれば、図3(b)に示すように、ランナコーン5の内部の突起物10により、ランナコーン開口部26内のホワール9の上端部が突起物10の下端面に位置することにより、ホワール9の移動する領域が小さくなり、ホワール9の挙動が安定し水圧脈動が小さくなる。
[第3の実施の形態]
図5および図6を参照して、本発明に係る水力機械のランナの第3の実施の形態を説明する。この実施の形態はフランシス型水車ランナであって、第2の実施の形態(図3)の変形例であり、ランナ4のランナコーン5の開口26内に設けた円柱状突起物10を有する。第2の実施の形態と同様に、
0.6≦Rc/Ra<1
0.25≦Rb/Rc<0.75
(図1、図3参照)の関係が成り立っている。
さらにこの実施の形態では、図5(a)に示すように、ランナ4の羽根24の入口部の中央高さを基準として下向きに、円柱状突起物10の下端部の高さをLbとし、ランナコーン5の下端の高さをLcとすると、Lc<Lbとなっている。すなわち、円柱状突起物10の下端部がランナコーン5の下端部よりも下方に突出している。
図6は、例えば70%部分負荷運転時の円柱状突起物10の長さと水圧脈動の関係を示す一例である。この図から、円柱状突起物10の下端の位置がランナコーン5の下端面よりも低い位置で水圧脈動の低減効果が最大となることがわかる。
図5(b)に示すように、第3の実施の形態によれば、ホワール9がランナコーン5から離れた位置に上端を持つ場合、ランナコーン5より下方に位置する突起物10の下面にホワール9の上端が位置することになり、ホワール9が突起物10の下面で安定し、水圧脈動が低減する。
[第4の実施の形態]
図7を参照して、本発明に係る水力機械のランナの第4の実施の形態を説明する。この実施の形態はフランシス型水車ランナであって、第3の実施の形態(図5)の変形例であり、ランナ4のランナコーン5の開口26内に設けた円柱状突起物10を有する。円柱状突起物10の下端部がランナコーン5の下端部よりも下方に突出している。
この実施の形態では、突起物10の形状が下方に行くにつれ小さくなるような段部30を持つ。図7の例では段部30を1箇所としているが、複数箇所あってもよい。
突起物10が第3の実施の形態(図5)のような単純な円柱形の場合に、ホワール9の上端が比較的大きくて、突起物10の下端断面があまり小さいと、ホワール9の中に突起物10が入り込むため突起物10の効果が薄らいでしまう。一方、ホワール9が小さくなるような運転領域で、突起物10の断面積があまり大きいと、ホワール9の移動領域が大きくなってしまう。
この第4の実施の形態によれば、突起物10の断面積を下方に向かって徐々に小さくすることにより、大きなホワール9が発生する運転領域では、図7(a)に示すように、突起物10の断面積が大きなところでホワール9が安定する。一方、ホワール9が小さくなるような運転領域では、図7(b)に示すように、下方の突起物10の断面積が小さなところでホワール9が安定するようになる。このことにより、比較的広い運転範囲でホワール9が安定し、吸出し管8での水圧脈動が小さな運転範囲が広がることになる。
[第5の実施の形態]
図8を参照して、本発明に係る水力機械のランナの第5の実施の形態を説明する。この実施の形態はフランシス型水車ランナであって、第2の実施の形態(図3)の変形例であり、ランナ4のランナコーン5の開口26内に設けた円柱状突起物10を有する。円柱状突起物10の下端部はランナコーン5の下端部よりも上方にあって、下方に突出していない。
この実施の形態では、突起物10の下端部に窪み32が設けられている。窪み32は、例えば下から見て円形(図示せず)の窪みである。この実施の形態によれば、ホワール9の上端が比較的大きな運転状態では、図8(a)に示すように突起物10の先端の断面が大きな位置(突起物下端面全体)でホワール9が安定し、ホワール9が小さくなる運転領域では、図8(b)に示すように突起物10の先端の窪み32の中にホワール9の上端が入り込み、窪み32の中でのみホワール9が動くことになり、ホワール9の挙動が安定し、吸出し管8の水圧脈動が小さくなる。
[第6の実施の形態]
図9を参照して、本発明に係る水力機械のランナの第6の実施の形態を説明する。この実施の形態はフランシス型水車ランナであって、第3の実施の形態(図5)の変形例であり、ランナ4のランナコーン5の開口26内に設けた突起物10を有する。突起物10の下端部はランナコーン5の下端部よりも下方に突出している。
この実施の形態では、突起物10の中心軸がランナ4の回転軸28から水平方向にずれた位置にある。また、突起物10は円柱状に限らない。この実施の形態によれば、ホワールの発達、振れ回りに起因する水圧脈動の増大を、ランナ回転軸28と軸心の異なる突起物10がホワールを拡散することにより、ホワールのエネルギーを吸収し、吸出し管8に伝わるエネルギーを小さくすることにより水圧脈動が低減される。
図10は、横軸を水車出力として、吸出し管8の水圧脈動の変化を示したグラフである。点線Aに示す従来のランナ形状の場合に比べて、実線Bに示す本発明に係るランナの方が、特に部分負荷運転時に水圧脈動が小さいことがわかる。従来のランナ形状では部分負荷運転時にホワールの振れ回り、ホワールの発達により水圧脈動が増大するが、本発明のランナによると、部分負荷運転時のホワールの安定効果により、水圧脈動が従来ランナに比べ小さくなるからである。ただし、ここに示す「本発明のランナ」とは、第4または第5の実施の形態(図7、図8)の典型的な例である。
本発明に係る水力機械のランナの第1の実施の形態の立断面図であって、(a)はランナの構成を示し、(b)はホワールの形成状況を示す。 図1のランナによる水圧脈動低減効果を示すグラフ。 本発明に係る水力機械のランナの第2の実施の形態の立断面図であって、(a)はランナの構成を示し、(b)はホワールの形成状況を示す。 図3のランナによる水圧脈動低減効果を示すグラフ。 本発明に係る水力機械のランナの第3の実施の形態の立断面図であって、(a)はランナの構成を示し、(b)はホワールの形成状況を示す。 図4のランナによる水圧脈動低減効果を示すグラフ。 本発明に係る水力機械のランナの第4の実施の形態におけるホワールの形成状況を示す立断面図であって、(a)はホワールの上端が比較的大きい場合を示し、(b)はホワールの上端が比較的小さい場合を示す。 本発明に係る水力機械のランナの第5の実施の形態におけるホワールの形成状況を示す立断面図であって、(a)はホワールの上端が比較的大きい場合を示し、(b)はホワールの上端が比較的小さい場合を示す。 本発明に係る水力機械のランナの第6の実施の形態の立断面図。 本発明による水圧脈動の低減効果の例を示すグラフ。 従来のフランシス型水車の立断面図。 従来のフランシス型水力機械におけるランナのホワールの形成状況を示す立断面図であって、(a)はホワールの上端がランナコーンの途中にあってホワールが回転する場合を示し、(b)はホワールの上端がランナコーンの下端にあってホワールが横方向に往復する場合を示す。
符号の説明
1…ケーシング、2…ステーベーン、3…ガイドベーン、4…ランナ、5…ランナコーン、6…主軸、7…発電機、8…吸出し管、9…ホワール、10…突起物、20…ランナクラウン、22…ランナバンド、24…羽根、26…開口、28…回転軸、30…段部。

Claims (7)

  1. 鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、
    前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられており、前記ランナコーンの底面の半径をRcとし、前記クラウンの下面での前記羽根の最も内側の端部の前記回転軸との距離をRaとするときに、
    0.6≦Rc/Ra<1
    の条件を満たすこと、を特徴とする水力機械のランナ。
  2. 鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、
    前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられ、前記開口内で前記回転軸に沿って下方に延びる円柱状突起物が設けられており、前記突起物の下端はランナコーンの底面よりも上方にあって、前記突起物の半径をRbとし、前記ランナコーンの底面の半径をRcとするときに、
    0.25≦Rb/Rc<0.75
    の条件を満たすこと、を特徴とする水力機械のランナ。
  3. 鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、
    前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられ、前記開口内で前記回転軸に沿って下方に延びる円柱状突起物が設けられており、この円柱状突起物の下端が前記ランナコーンの底面より下方に突出していること、を特徴とする水力機械のランナ。
  4. 請求項2または3に記載の水力機械のランナにおいて、前記円柱状突起物は下方ほど細くなるような少なくとも一つの段部を有すること、を特徴とする水力機械のランナ。
  5. 請求項2または3に記載の水力機械のランナにおいて、前記円柱状突起物の下端面に窪みが形成されていること、を特徴とする水力機械のランナ。
  6. 鉛直の回転軸周りに放射状の羽根を円周方向に複数枚配列し、前記羽根の上方をランナクラウンで覆い、前記羽根の下方にランナバンドを配置した水力機械のランナにおいて、
    前記ランナクラウンの下面は中央に向かって次第に下がっていて、その中央部に開口が設けられ、この開口に沿って前記ランナクラウンの下面に環状のランナコーンが設けられ、前記開口内で前記回転軸と水平方向にずれた位置で下方に延びる突起物が設けられていること、を特徴とする水力機械のランナ。
  7. 請求項1〜請求項6に記載のランナを有することを特徴とする水力機械。

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