JP2006028586A - スラグフューミング法で得られる銅合金とマットの再利用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】亜鉛と鉛とともに硫黄を含み、ヒ素又はヒ素とアンチモンを含有するスラグを、スラグフューミング炉中において、銅融体と共存させて還元吹錬する際に、スラグフューミング中に形成される銅合金とマットを所定の手段で処理して、前記銅融体の銅源として繰返し使用することを特徴とする銅合金とマットの再利用方法などで提供する。
【選択図】なし
Description
下記(イ)〜(ニ)から選ばれるいずれかの手段を採用することにより、スラグフューミング中に形成される銅合金とマット中に含有する銅分を前記銅融体の銅源として繰返し使用することを特徴とする銅合金とマットの再利用方法が提供される。
(イ)前記スラグフューミング炉から還元生成スラグを抜き出し分離するとき、スラグフューミング炉内に銅合金とマットを留めて銅融体として使用する方法。
(ロ)前記スラグフューミング炉から還元生成スラグを抜き出し分離するとき、スラグフューミング炉内に銅合金とマットを留めて、該銅合金とマットにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たなCu−Pb−As系銅合金(A)を形成させた後、該銅合金(A)を銅融体として使用する方法。
(ハ)前記スラグフューミング炉からマットを抜き出し別の炉に装入し、該マットにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たにCu−Pb−As系銅合金(B)を形成させた後、該銅合金(B)を銅融体として使用する方法。
(ニ)前記スラグフューミング炉から銅合金とマットを抜き出し別の炉に装入し、該銅合金とマットにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たにCu−Pb−As系銅合金(C)を形成させた後、該銅合金(C)を銅融体として使用する方法。
本発明のスラグフューミング方法は、亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出される亜鉛と鉛とともに硫黄を含み、ヒ素又はヒ素とアンチモンを含有するスラグを、スラグフューミング炉中において、銅融体と共存させて還元吹錬する際に、下記(イ)〜(ニ)から選ばれるいずれかの手段を採用することにより、スラグフューミング中に形成される銅合金とマット中に含有する銅分を前記銅融体の銅源として繰返し使用することを特徴とする。
(イ)前記スラグフューミング炉から還元生成スラグを抜き出し分離するとき、スラグフューミング炉内に銅合金とマットを留めて銅融体として使用する方法。
(ロ)前記スラグフューミング炉から還元生成スラグを抜き出し分離するとき、スラグフューミング炉内に銅合金とマットを留めて、これにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たなCu−Pb−As系銅合金(A)を形成させた後、該銅合金(A)を銅融体として使用する方法。
(ハ)前記スラグフューミング炉からマットを抜き出し別の炉に装入し、これにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たにCu−Pb−As系銅合金(B)を形成させた後、該銅合金(B)を銅融体として使用する方法。
(ニ)前記スラグフューミング炉から銅合金とマットを抜き出し別の炉に装入し、これにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たにCu−Pb−As系銅合金(C)を形成させた後、該銅合金(C)を銅融体として使用する方法。
ガス吹き込み用のランスを備えたスラグフューミング炉を用いて、炉内に装入したスラグ融体と銅融体の混合物にランスを浸漬してランス先端から重油、天然ガス、微粉炭等と酸素含有ガスを噴出するガス吹錬を行い、これらを混合撹拌するとともに、融体内を還元性雰囲気として、亜鉛、鉛、ヒ素、アンチモン等を金属状態へ還元する。ここで、金属化された亜鉛の大部分と鉛の一部を揮発させてダストとして回収する。
また、マットの繰返し使用の上限は、特に限定されるものではなく、マットのS濃度が35重量%を超えるまでである。さらに、前記銅融体中の鉄が飽和した場合でも、銅を継ぎ足すことで、その銅融体を継続して用いることができる。
なお、スラグフューミング炉で生成されるスラグ、銅合金及びマットは、比重差で分離し、スラグフューミング炉の傾転あるいはタッピングにより容易に回収することができる。
また、実施例で用いた原料スラグは、熔鉱炉から産出したスラグを用いた。表1にその化学組成を示す。
[スラグの還元吹錬方法]
図2のスラグフューミング装置を用いた。スラグフューミング装置は、外熱式の電気炉9によって加熱され、温度制御用熱電対6と雰囲気担保用窒素吹き込み管1によって温度と電気炉内雰囲気が制御される。まず、反応に用いるアルミナるつぼ7に原料調合物を装入し、るつぼ保持用レンガ8の上に設置したセラミック外るつぼ5の中にアルミナるつぼ7を装入する。次に、加熱されて熔融状態の融体に撹拌窒素用吹き込み管3により窒素を吹きこみ、測温用熱電対4で反応温度を測定しながらの還元吹錬を行う。なお、発生するダストは、ダスト回収用セラミック管2を通じて回収する。
上記原料スラグの還元吹錬を行い、得られたマットを用いて(イ)の手段を行った。
(1)還元吹錬
アルミナるつぼ内に、上記スラグ2000g、金属銅(銅品位99.99重量%)400g、及び炉内への混入酸素による酸化分を考慮したコークス(全炭素87.5重量%)40gを入れた。次に、上記[スラグの還元吹錬方法]にしたがって、窒素雰囲気下において1350℃に加熱し、熔融後30分保持した後、窒素ガスで浴内を50分撹拌し、撹拌終了後30分保持した。その後、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットをサンプリングし化学組成を分析した。また、揮発したダストを回収し化学組成を分析した。結果を表2に示す。また、還元生成スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表3に示す。なお、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットの生成量は、各々、1750g、310g及び210gであった。また、150gのダストを捕集できたが、ダスト回収用セラミック管等に回収できないダストが残留した。
前記還元吹錬で得られた還元生成銅合金のほぼ全量305gとマットのほぼ全量209gをアルミナるつぼ内に留めて、還元生成スラグをアルミナるつぼから排出し、新たな原料スラグ2000gと金属銅(銅品位99.99重量%)40g及び炉内混入酸素による酸化分を考慮した40gのコークスを入れ、上記の還元吹錬と同様の条件で還元吹錬操作を行い、ダスト、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットを形成した。なお、全装入銅量を400gに調合した。その後、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットをサンプリングし化学組成を分析した。また、揮発したダストを回収し化学組成を分析した。結果を表2に示す。また、還元生成スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表3に示す。ここで、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットの生成量は、各々、1780g、250g及び305gであった。また、150gのダストを捕集できたが、ダスト回収用セラミック管等に回収できないダストが残留した。
上記原料スラグの還元吹錬を行い、得られた銅合金とマットを用いて(ロ)の手段を行った。
(1)還元吹錬
実施例1と同様に行い、ダスト、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットを形成した。
(2)(ロ)の手段
前記還元生成スラグをアルミナるつぼから排出した後、前記還元生成銅合金310g及びマット210gの酸化処理を行った。まず、還元生成銅合金及びマットにフラックスとしてSiO2を42g添加した。なお、SiO2添加量は、還元生成銅合金及びマットに含有される鉄分を酸化して2FeO・SiO2スラグを形成するために必要な量とした。次に、還元生成銅合金及びマットからなる熔体中にアルミナ管を通じて酸素を送り込み、マットが消滅するまで酸化を行い、酸化生成スラグと酸化生成銅合金を形成した。その後、熔体温度を1350℃として、60分間保持した後冷却し、サンプリングして、これらの化学組成を分析した。結果を表4に示す。また、酸化生成スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表5に示す。なお、酸化生成スラグ及び酸化生成銅合金の生成量は、各々145g及び380gであった。
上記原料スラグの還元吹錬を行い、得られたマットを用いて(ハ)の手段を行った。
(1)還元吹錬
実施例1と同様に行い、ダスト、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットを形成した。
(2)(ハ)の手段
前記マットを別のアルミナるつぼに装入し、マットの酸化処理を行った。まず、マット200gにフラックスとしてSiO2を27g添加し、1350℃で熔融した。なお、SiO2添加量は、還元生成銅合金及びマットに含有される鉄分を酸化して2FeO・SiO2スラグを形成するために必要な量とした。次に、熔体中にアルミナ管を通じて酸素を送り込み、マットが消滅するまで酸化を行い、酸化生成スラグと酸化生成銅合金を形成した。その後、熔体温度を1350℃として、60分間保持した後冷却し、サンプリングして、これらの化学組成を分析した。結果を表6に示す。また、酸化生成スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い、鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表7に示す。なお、酸化生成スラグ及び酸化生成銅合金の生成量は、各々90g及び95gであった。
上記原料スラグの還元吹錬を行い、得られた銅合金とマットを用いて(ニ)の手段を行った。
(1)還元吹錬
実施例1と同様に行い、ダスト、還元生成スラグ、還元生成銅合金及びマットを形成した。
(2)(ニ)の手段
前記還元生成銅合金とマットを別のアルミナるつぼに装入し、還元生成銅合金とマットの酸化処理を行った。まず、還元生成銅合金300gとマット200gにフラックスとしてSiO240gを添加し、1350℃で熔融した。なお、SiO2添加量は、還元生成銅合金及びマットに含有される鉄分を酸化して2FeO・SiO2スラグを形成するために必要な量とした。次に、熔体中にアルミナ管を通じて酸素を送り込み、マットが消滅するまで酸化を行い、酸化生成スラグと酸化生成銅合金を形成した。その後、熔体温度を1350℃として、60分間保持した後冷却し、サンプリングして、これらの化学組成を分析した。結果を表9に示す。また、酸化生成スラグに対し、環境庁告示第46号による溶出試験を行い鉛とヒ素の溶出量を測定した。結果を表10に示す。なお、酸化生成スラグ及び酸化生成銅合金の生成量は、各々130g及び380gであった。
2 ダスト回収用セラミック管
3 撹拌窒素用吹き込み管
4 測温用熱電対
5 セラミック外るつぼ
6 温度制御用熱電対
7 アルミナるつぼ
8 るつぼ保持用レンガ
9 電気炉
Claims (2)
- 亜鉛及び/又は鉛製錬の熔錬炉から産出される亜鉛と鉛とともに硫黄を含み、ヒ素又はヒ素とアンチモンを含有するスラグを、スラグフューミング炉中において、銅融体と共存させて還元吹錬する際に、
下記(イ)〜(ニ)から選ばれるいずれかの手段を採用することにより、スラグフューミング中に形成される銅合金とマット中に含有する銅分を前記銅融体の銅源として繰返し使用することを特徴とする銅合金とマットの再利用方法。
(イ)前記スラグフューミング炉から還元生成スラグを抜き出し分離するとき、スラグフューミング炉内に銅合金とマットを留めて銅融体として使用する方法。
(ロ)前記スラグフューミング炉から還元生成スラグを抜き出し分離するとき、スラグフューミング炉内に銅合金とマットを留めて、該銅合金とマットにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たなCu−Pb−As系銅合金(A)を形成させた後、該銅合金(A)を銅融体として使用する方法。
(ハ)前記スラグフューミング炉からマットを抜き出し別の炉に装入し、該マットにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たにCu−Pb−As系銅合金(B)を形成させた後、該銅合金(B)を銅融体として使用する方法。
(ニ)前記スラグフューミング炉から銅合金とマットを抜き出し別の炉に装入し、該銅合金とマットにフラックスを添加して酸化処理に付し、酸化生成スラグと新たにCu−Pb−As系銅合金(C)を形成させた後、該銅合金(C)を銅融体として使用する方法。 - スラグ融体と銅融体を1200〜1500℃の温度下に共存させて還元吹錬に付し、亜鉛と鉛を含むダスト、土壌環境基準を満足する還元生成スラグ、銅合金及びマットを形成することを特徴とする請求項1に記載の銅合金とマットの再利用方法。
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JP2009209388A (ja) * | 2008-03-03 | 2009-09-17 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | スラグフューミング方法 |
CN101838742A (zh) * | 2010-05-10 | 2010-09-22 | 王平 | 一种贫化铜和镍熔炼炉渣的方法 |
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