JP2006027702A - 包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、光ファイバ素線および/または心線と、該光ファイバ素線および/または心線を包装する包装袋とからなり、前記包装袋内の開封時の絶対湿度が、0.013g/m3以下である包装体。
【選択図】 なし
Description
例えば、特許文献1には光ファイバ配線板の梱包体が、特許文献2および特許文献3には光ファイバプリフォームが、特許文献4には光ファイバ巻取ボビンの梱包構造がそれぞれ記載されている。
さらに、本発明者が検討したところ、高湿度側にシフトすると、包装袋内の光ファイバ素線および心線は、水分を吸収し、光ファイバの情報伝達能力が低下する傾向にあることが分かった。
加えて、例えば、プラスチック系光ファイバを用いた場合、ボビンに巻き取られた光ファイバ素線や心線が互いに粘着してしまい、引き出しにくいといった問題が生じていた。特に、巻き取られた内側の部分において、顕著であった。このような光ファイバの情報伝達能力の低下を防ぐためには、光ファイバ素線および/または心線が含まれる状態で、包装袋内の湿度を低湿度で一定に保ち、湿度による光ファイバの情報伝達能力の低下を防ぐことが必要である。
(2)前記包装袋内の開封時の絶対湿度が、0.004g/m3以下である(1)に記載の包装体。
(3)前記包装袋の透湿度が、0〜0.1g/m2・24hrである(1)または(2)に記載の包装体。
(4)前記包装袋が、多層構造を有する(1)〜(3)のいずれかに記載の包装体。
(5)前記包装袋は、吸湿性を向上させる物質を含む内側層と、透湿性を低下させる物質を含む外側層とを有する(4)に記載の包装体。
(6)前記包装袋は、アルミニウムを含有する(1)〜(5)のいずれかに記載の包装体。
(7)初期水分吸収物質を含有する(1)〜(6)のいずれかに記載の包装体。
(8)前記光ファイバ素線および/または心線が、プラスチック系光ファイバ素線および/または心線である(1)〜(7)のいずれかに記載の包装体。
(9)前記光ファイバ素線および/または心線が、ポリメチルメタクリレート系(PMMA系)光ファイバ素線および/または心線である(8)に記載の包装体。
特に、プラスチック系光ファイバにおいても、光ファイバ素線や心線が互いに粘着することなく、保存・運搬することが可能になった。この結果、光ファイバ素線および/または心線同士の粘着によって生ずる、種々の問題も解決された。特に、ボビンに巻いた場合に、粘着する傾向が強かったが、これらについても防止可能となった。
ここで、包装袋内の開封時の絶対湿度を、0.013g/m3以下とすることにより、25℃における相対湿度を概ね65%以下とすることができ、0.004g/m3以下とすることにより、25℃における相対湿度を概ね20%以下とすることができる。本発明では、25℃における相対湿度が、18〜20%の場合が特に好ましい。
さらに、本発明の包装袋は、透湿度を上記のような範囲とするために、透湿性を低下させる物質を包装袋に含めることが好ましい。このような物質としては、アルミニウム、シリカ等を挙げることができ、アルミニウムが好ましい。
透湿性を低下させる物質を添加する場合、例えば、内側層と外側層とを有する包装袋の場合、外側層に含めるのが好ましい。尚、アルミニウムを用いると、包装袋の折り返し維持性の高い物が得られる観点からも有益である。
プラスチック系のものとしては、PMMA系、アクリル系、フッ素系、ポリカ系が好ましい例として挙げられ、より好ましくは、PMMA系のものである。特に、PMMA系の光ファイバ素線および心線は、保存・運搬の際に、光ファイバ素線または心線同士の粘着が生じやすい傾向にあったが、本発明ではこの点を極めて顕著に回避している。
また、本発明の光ファイバ素線および心線は、ハロゲン原子(好ましくは、塩素および/またはフッ素)を含むプラスチックであることが好ましく、フッ素樹脂であることがより好ましい。
本発明の光ファイバ素線および心線は、具体的には、特開2003−255154号公報等に記載のものを採用することができる。
また、ボビンには、光ファイバ素線および心線を2000m〜10000m巻くのが好ましい。
ボビンに巻かれたPMMA系のものである、光ファイバ素線および/または心線が挙げられる。
(光ファイバ素線および/または心線例2)
プラスチック系のものでで、ABSからなるボビンに巻かれた光ファイバ素線および/または心線が挙げられる。プラスチック系ポリマーとしては、上述した光ファイバ素線および/または心線のものを好ましく用いることができ、好ましい範囲も上記と同様である。
(光ファイバ素線および/または心線例3)
包装袋内の開封時の絶対湿度が、0.013g/m3以下の状況下で、12日経過後のものの情報伝達能力の低下が、1.0dB/25m以下、より好ましくは0.5dB/25m以下である光ファイバ素線および/または心線が挙げられる。さらに、この光ファイバ素線および/または心線であって、上記光ファイバ素線および/または心線例1または2の要件をも満たすものがより好ましい。
少なくとも、内側層と、外側層を有し、前記外側層は、ポリマーおよび透湿性を低下させる物質を含み、前記内側層は、ポリマーおよび吸湿性を向上させる物質を含む包装体があげられる。ここで、ポリマー、透湿性を低下させる物質および吸湿性を向上させる物質は、上述したものを好ましく用いることができ、好ましい範囲も上記と同様である。
(包装袋例2)
少なくとも、内側層と、外側層を有し、前記外側層は、透湿性が0〜1g/m2・24hr(より好ましくは、0〜0.1g/m2・24hr)である包装体が好ましい。さらに、前記内側層は11.5g H2O/m3・A:r以上の水分を吸収する能力を有するものである包装体が好ましい。これらにおいても、上記包装袋例1と同様の物質やポリマーを含んでいてもよい。
1.包装体の作製
光ファイバ心線として、2000mの光ファイバ心線(富士写真フイルム(株)製)を、ボビン(製造元:月産業有限会社、品番:P−405)に巻いたものを使用した。ここで、光ファイバ心線は、PMMA系のものである。また、ボビンは、ABSを主成分とするものである。また、包装袋は、幅80cm、長さ90cmの3法シール品(製造元:東海アルミ箔(株))であって、防湿包装材料の透湿度0.1g/m2・24hrの機能を持った、PET層、アルミニウム層およびポリエチレン層を含む構成のもの(PET/AL/PE)(製造元:東海アルミ箔(株))である。ここで、包装は、25℃における相対湿度が50%の雰囲気で行った。また、初期水分吸収物質20gを添加した。ここで、初期水分吸収物質は、シリカと塩化コバルトの混合物20gを用いている。包装体の概略図を図1に示す。ここで、1は包装袋を、2は初期水分吸収物質を、3は光ファイバ心線が巻かれたボビンを示す。
次に、上記1に記載の方法により作製した包装体を、25℃における相対湿度が90%の雰囲気下、および、5℃における相対湿度が50%の雰囲気下に、12日間放置した。その後の、包装袋内の湿度、情報伝達能力、結露の有無、および光ファイバ心線の粘着の有無を測定した。包装袋内の湿度の測定は、((株)ティアンドティ製 Thermo Recorder TR-72S)によって行い、情報伝達能力の測定は、下記3に従って行い、結露の有無および光ファイバ心線の粘着の有無は、目視により行った。
情報伝達能力は、上記2の12日間放置後の包装体の光ファイバ25mに、650nmフィルター付白色光源を通すことによって行った。ここで、100dB/25mの光源を通し、実際の伝達能力との差(dB/25m)で示した。その結果を表1に示した。
実施例1において、初期水分吸収剤を添加しない他は同様に行った。また、包装体は、25℃における相対湿度が90%の雰囲気下に12日間放置することのみを行った。
(実施例3)
実施例2において、包装を、25℃における相対湿度が65%の雰囲気で行った他は同様に行った。また、包装体は、25℃における相対湿度が90%の雰囲気下に12日間放置することのみを行った。
(実施例4)
実施例2において、包装袋として、PE層に代えて、初期水分吸収剤(佐々木化学薬品(株)、エスキット)を含む層を採用した他は同様に行った。また、包装体は、25℃における相対湿度が90%の雰囲気下に12日間放置することのみを行った。
(比較例1)
実施例2において、包装袋として、PE層のみから構成したもの(製造元:(有)シロテック製)を採用した他は同様に行った。また、包装体は、25℃における相対湿度が90%の雰囲気下に12日間放置することのみを行った。
(比較例2)
実施例1において、包装袋として、PE層のみから構成したもの(製造元:(有)シロテック製)を採用した他は同様に行った。
(比較例3)
実施例2において、包装を、25℃における相対湿度が75%の雰囲気で行った他は同様に行った。また、包装体は、25℃における相対湿度が90%の雰囲気下に12日間放置することのみを行った。
ここで、実施例1〜4においては、袋内の絶対湿度が0.013g/m3以下に保たれた結果、情報伝達能力がほとんど低下せず、結露や光ファイバ心線の粘着等も認められなかった。
これに対し、比較例1〜3においては、袋内の絶対湿度が0.013g/m3より高くなってしまった結果、光ファイバ心線の粘着が認められた。さらに、結露も認められた。
すなわち、本発明のように開封時の湿度を設定することにより、情報伝達能力を充分に保持し、さらに、結露や結露、光ファイバ心線の粘着等の防止も可能となることが認められた。
2 初期水分吸収物質
3 光ファイバ心線が巻かれたボビン
Claims (9)
- 少なくとも、光ファイバ素線および/または心線と、該光ファイバ素線および/または心線を包装する包装袋とからなり、前記包装袋内の開封時の絶対湿度が、0.013g/m3以下である包装体。
- 前記包装袋内の開封時の絶対湿度が、0.004g/m3以下である請求項1に記載の包装体。
- 前記包装袋の透湿度が、0〜0.1g/m2・24hrである請求項1または2に記載の包装体。
- 前記包装袋が、多層構造を有する請求項1〜3のいずれかに記載の包装体。
- 前記包装袋は、吸湿性を向上させる物質を含む内側層と、透湿性を低下させる物質を含む外側層とを有する請求項4に記載の包装体。
- 前記包装袋は、アルミニウムを含有する請求項1〜5のいずれかに記載の包装体。
- 初期水分吸収物質を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の包装体。
- 前記光ファイバ素線および/または心線が、プラスチック系光ファイバ素線および/または心線である請求項1〜7のいずれかに記載の包装体。
- 前記光ファイバ素線および/または心線が、ポリメチルメタクリレート系(PMMA系)光ファイバ素線および/または心線である請求項8に記載の包装体。
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