JP2006026497A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カチオン電着塗膜層と中塗り塗膜層とからなる仕上がり外観良好な複層塗膜を、一度の加熱硬化工程で形成することができる複層塗膜形成方法を提供すること。
【解決手段】 カチオン電着塗料組成物を電着塗装して未硬化の電着塗膜を形成する電着塗装工程、
未硬化の電着塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗布して未硬化の中塗り塗膜を形成する中塗り塗装工程、および
未硬化の電着塗膜および中塗り塗膜を同時に焼付け硬化させる焼付け工程、
を包含する複層塗膜形成方法であって、
このカチオン電着塗料組成物が、カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)およびブロックイソシアネート硬化剤(b)を含み、
この中塗り塗料組成物が、ブロックイソシアネート硬化剤(d)、およびビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変性物、を含む、複層塗膜形成方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、いわゆるウェットオンウェットによる複層塗膜形成方法に関する。
近年、塗装分野、とりわけ自動車塗装の分野において、省資源、省コスト及び環境負荷(VOC及びHAPs等)削減の課題を解決するため、塗装工程の短縮化を図ることが求められている。このような塗装工程の短縮化の手段として、カチオン電着塗料組成物による未硬化塗膜形成後の加熱硬化処理を行わずに、中塗り塗料組成物をウェットオンウェット方式で順次塗装し、これらを同時に加熱して得られる複層塗膜を形成する方法が検討されている。
特公昭56−20073号公報(特許文献1)には、カチオン電着塗料による未硬化塗膜層上に、ブロックされたイソシアネートを硬化剤として使用する中塗り塗料で未硬化塗膜を形成し、これら両未硬化塗膜を同時に焼付硬化させることによる、焼付工程が簡略化された塗装方法が記載されている。しかし、このような方法においては、未硬化の電着塗膜層と未硬化の中塗り塗膜層との混層が生じ、複層塗膜の平滑性やツヤ感等の仕上がり外観が不充分となる。そしてこれらの欠点は、上塗り塗料組成物を塗装しても解決することは困難であった。
特開2000−301062号公報(特許文献2)には、電着塗料層に錫系化合物を配合することによって、電着未硬化塗膜の硬化を中塗り未硬化塗膜よりも早く開始させて未硬化塗膜間の混層を防止し、平滑性やツヤ感等の仕上がり外観を改善することが記載されている。しかしこの方法は、錫系化合物を樹脂固形分100重量部中10重量部以上と多量に使用する方法であるため、コスト及び環境に対する負荷の削減を課題とする、ウェットオンウェット方式による複層塗膜形成方法の本来の目的に反するものであった。
特開2002−86053号公報(特許文献3)には、カチオン電着塗料および水性中塗り塗料をウェットオンウェットで塗装する複層塗膜形成方法において、水酸基及びカルボキシル基を有する基体樹脂、ブロックポリイソシアネート架橋剤及び脂環式エポキシ化合物を含有する水性中塗り塗料を用いることが記載されている。この方法で用いられるエポキシ化合物は、脂環式エポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物に限定されており、そしてこれ以外のエポキシ化合物を用いる場合は貯蔵安定性、耐チッピング性などにおいて好ましくないと記載されている。
特公昭56−20073号公報 特開2000−301062号公報 特開2002−86053号公報
本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば、本発明は、カチオン電着塗膜層と中塗り塗膜層とからなる仕上がり外観良好な複層塗膜を、一度の加熱硬化工程で形成することができる複層塗膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明は、
カチオン電着塗料組成物を電着塗装して未硬化の電着塗膜を形成する電着塗装工程、
未硬化の電着塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗布して未硬化の中塗り塗膜を形成する中塗り塗装工程、および
未硬化の電着塗膜および中塗り塗膜を同時に焼付け硬化させる焼付け工程、
を包含する複層塗膜形成方法であって、
このカチオン電着塗料組成物が、カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)およびブロックイソシアネート硬化剤(b)を含み、
この中塗り塗料組成物が、ブロックイソシアネート硬化剤(d)、およびビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変性物、を含み、
電着塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度Tと中塗り塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤解離温度TとがT<Tの関係にある、
複層塗膜形成方法、
を提供するものであり、これにより上記目的が達成される。
上記中塗り塗料組成物が溶剤型であって、そして
カチオン電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)は、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)をカチオン変性して得られる樹脂であるのが好ましい。
上記中塗り塗料組成物が、ブロックポリイソシアネート硬化剤(d)、およびビスフェノール型エポキシ樹脂(c)の変性物を含有する水性中塗り塗料組成物であって、そして
カチオン電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)は、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)をカチオン変性して得られる樹脂であるのが好ましい。
上記水性中塗り塗料組成物に含まれるビスフェノール型エポキシ樹脂(c)の変性物がカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)であるのが好ましい。
上記中塗り塗料組成物がさらにポリエステル樹脂(e)を含有するのが好ましい。そしてこのポリエステル樹脂(e)の含有量が、中塗り塗料組成物中に含まれる樹脂固形分100重量部に対して10〜25重量部であるのが好ましい。
上記中塗り塗料組成物中に含まれるブロックポリイソシアネート硬化剤(d)の含有量が、中塗り塗料組成物中に含まれる樹脂固形分100重量部に対して30〜40重量部であるのが好ましい。
電着塗装工程と中塗り塗装工程との間に、未硬化の電着塗膜をプレヒートするプレヒート工程をさらに包含するのが好ましい。
本発明はまた、上記複層塗膜形成方法により得られる複層塗膜も提供する。
本発明の方法を用いることによって、未硬化の電着塗膜および未硬化の中塗り塗膜を一度に加熱硬化させる、いわゆるウェットオンウェットによる複層塗膜の形成方法であっても、仕上がり外観に優れた複層塗膜を得ることができる。つまり、本発明を用いることによって、塗装コストおよび環境に対する負荷を削減しつつ、仕上がり外観に優れた複層塗膜を得ることができる。
被塗物
本発明の複層塗膜形成方法において使用される被塗物として、電着塗装が可能な任意の基材が含まれる。このような基材として、例えば、鉄、鋼、アルミニウム、錫、亜鉛など、およびこれらの金属を含む合金、並びにこれらの金属のめっきもしくは蒸着製品等が挙げられる。具体的には、これら金属部材を用いて製造された乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車の車体および部品等が挙げられる。また、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂類や各種のFRP等に導電処理を施したプラスチック材料を基材として使用することもできる。
本発明の複層塗膜形成方法においては、上記基材をそのまま使用してもよく、あるいは電着塗装前に脱脂や化成処理等の前処理を行なってもよい。
カチオン電着塗料組成物
本発明において使用されるカチオン電着塗料組成物は、水性溶媒、水性溶媒中に分散するか又は溶解した、カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)及びブロックイソシアネート硬化剤(b)を含むバインダー樹脂、中和酸、有機溶媒を含有する。このカチオン電着塗料組成物はさらに、顔料を含んでもよい。
カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)
本発明で用いるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)には、アミンなどのカチオン性基で変性されたエポキシ樹脂が含まれる。カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)は、典型的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポキシ環を他の活性水素化合物で開環し、残りのエポキシ環をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製造される。
ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型例はビスフェノールA型またはビスフェノールF型エポキシ樹脂である。前者の市販品としてはエピコート828(油化シェルエポキシ社製、エポキシ当量180〜190)、エピコート1001(同、エポキシ当量450〜500)、エピコート1010(同、エポキシ当量3000〜4000)などがあり、後者の市販品としてはエピコート807、(同、エポキシ当量170)などがある。
上記した市販されるビスフェノール型エポキシ樹脂は、鋼板との密着性に優れるという利点を有する。反面、得られる塗膜が硬くて脆いという欠点もある。このような欠点を補うべく、市販されるビスフェノール型エポキシ樹脂に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、末端カルボキシル化ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリオキシアルキレンジアミン、アルキルフェノール、モノカルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸、ε−カプロラクトンなどを、ビスフェノール型エポキシ樹脂の側鎖または一方のエポキシ基に導入して修飾することによって、可撓性、物理的強度などを向上させてもよい。また、エポキシ樹脂にジオール又はジカルボン酸を反応させて、鎖延長させてもよい。なお、本明細書における「ビスフェノール型エポキシ樹脂」は、このようにして修飾されたエポキシ樹脂も含むものとする。
特開平5−306327号公報に記載される、下記式
Figure 2006026497
[式中、Rはジグリシジルエポキシ化合物のグリシジルオキシ基を除いた残基、R’はジイソシアネート化合物のイソシアネート基を除いた残基、nは正の整数を意味する。]で示されるオキサゾリドン環含有ビスフェノール型エポキシ樹脂をカチオン性エポキシ樹脂に用いてもよい。耐熱性及び耐食性に優れた塗膜が得られるからである。
エポキシ樹脂にオキサゾリドン環を導入する方法としては、例えば、メタノールのような低級アルコールでブロックされたブロックイソシアネート硬化剤とポリエポキシドを塩基性触媒の存在下で加熱保温し、副生する低級アルコールを系内より留去することで得られる。
特に好ましいエポキシ樹脂はオキサゾリドン環含有ビスフェノール型エポキシ樹脂である。耐熱性及び耐食性に優れ、更に耐衝撃性にも優れた塗膜が得られるからである。
二官能エポキシ樹脂とモノアルコールでブロックしたジイソシアネート(すなわち、ビスウレタン)とを反応させるとオキサゾリドン環を含有するエポキシ樹脂が得られることは公知である。このオキサゾリドン環含有ビスフェノール型エポキシ樹脂の具体例及び製造方法は、例えば、特開2000−128959号公報第0012〜0047段落に記載されており、公知である。なお、本明細書における「ビスフェノール型エポキシ樹脂」は、このようなオキサゾリドン環含有ビスフェノール型エポキシ樹脂も含むものとする。
カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)の調製は、開環後0.3〜4.0meq/gのアミン当量となるように、より好ましくはそのうちの5〜50%が1級アミノ基が占めるように活性水素化合物で開環するのが望ましい。
カチオン性基を導入し得る活性水素化合物としては1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩、スルフィド及び酸混合物がある。1級、2級又は/及び3級アミノ基含有エポキシ樹脂を調製するためには1級アミン、2級アミン、3級アミンの酸塩をカチオン性基を導入し得る活性水素化合物として用いる。
具体例としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン塩酸塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酢酸塩、ジエチルジスルフィド・酢酸混合物などのほか、アミノエチルエタノールアミンのケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどの1級アミンをブロックした2級アミンがある。アミン類は複数の種類を併用して用いてもよい。
ブロックイソシアネート硬化剤(b)
本発明において使用される電着塗料組成物は、ブロックイソシアネート硬化剤(b)を含む。ブロックイソシアネート硬化剤(b)の調製に使用されるポリイソシアネートとは、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物をいう。ポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族系、脂環式系、芳香族系および芳香族−脂肪族系等のうちのいずれであってもよい。
ポリイソシアネートの具体例には、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、p−フェニレンジイソシアネート、及びナフタレンジイソシアネート等のような芳香族ジイソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、及びリジンジイソシアネート等のような炭素数3〜12の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート(CDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、イソプロピリデンジシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、及び1,3−ジイソシアナトメチルシクロヘキサン(水添XDI)、水添TDI、2,5−もしくは2,6−ビス(イソシアナートメチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(ノルボルナンジイソシアネートとも称される。)等のような炭素数5〜18の脂環式ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等のような芳香環を有する脂肪族ジイソシアネート;これらのジイソシアネートの変性物(ウレタン化物、カーボジイミド、ウレトジオン、ウレトンイミン、ビューレット及び/又はイソシアヌレート変性物);等があげられる。これらは、単独で、または2種以上併用することができる。
ポリイソシアネートをエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの多価アルコールとNCO/OH比2以上で反応させて得られる付加体ないしプレポリマーもブロックイソシアネート硬化剤に使用してよい。
ブロックイソシアネート硬化剤は、イソシアネート基末端前駆体の遊離のイソシアネート基を活性水素基含有化合物(ブロック剤)と反応させて常温では不活性としたものであり、これを加熱するとブロック剤が解離してイソシアネート基が再生されるという性質を持つものである。本発明の方法においては、カチオン電着塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度Tが、後述する中塗り塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤解離温度Tと同程度であるかまたはそれよりも低い関係にある、ブロックイソシアネート硬化剤(b)を用いる。言い換えると、本発明の方法においては、電着塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度Tと中塗り塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤解離温度TとがT<Tの関係にある。このような場合は、未硬化の電着塗膜および未硬化の中塗り塗膜を焼付ける工程において、電着塗膜中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤は、中塗り塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤より先に解離する。これによって中塗り塗膜から先に硬化することを防ぐことができ、得られる複層塗膜の硬化歪を抑えることができ、そして複層塗膜の平滑性およびグロス等が向上することとなる。電着塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度Tと中塗り塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤解離温度Tとの差は、5℃以上であるのがより好ましく、10℃以上であるのがさらに好ましい。
ブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度を調節する方法としては、特定のブロック剤を選択する方法が挙げられる。例えば70〜140℃の温度で解離するような、比較的低い温度で解離するブロック剤として、例えば1−クロロ−2−プロパノール、n−プロパノール、フルフリルアルコール、アルキル基置換フルフリルアルコールなどの脂肪族または複素環式アルコール類、フェノール、m−クレゾール、p−ニトロフェノール、p−クロロフェノール、ノニルフェノールなどのフェノール類、メチルエチルケトンオキシム、メチルイソブチルケトンオキシム、アセトンオキシム、シクロヘキサンオキシムなどのオキシム類、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、マロン酸エチルなどの活性メチレン化合物、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのカプロラクタム類など、を挙げることができる。また、比較的高い温度で解離するブロック剤として、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールなどの脂肪族アルコール、ベンジルアルコールなどの芳香族アルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテルなど、を挙げることができる。このようなブロック剤を適宜用いて、ブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度を調節することができる。なおこれらのブロック剤は、1種のみ単独で用いてもよく、また2種以上のものを併用してもよい。
なお、ブロック剤の解離温度は、示差熱分析を用いることによって測定することができる。本発明において、ブロック剤の解離温度は、所定量の触媒を含むことを条件としてもよい。
顔料
本発明の方法に用いられるカチオン電着塗料組成物は、通常用いられる顔料を含んでもよい。使用できる顔料の例としては、通常使用される無機顔料、例えば、チタンホワイト、カーボンブラック及びベンガラのような着色顔料;カオリン、タルク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカおよびクレーのような体質顔料;リン酸亜鉛、リン酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム及びリンモリブデン酸アルミニウム、リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛のような防錆顔料等、が挙げられる。
顔料を電着塗料の成分として用いる場合、一般に顔料を予め高濃度で水性溶媒に分散させてペースト状(顔料分散ペースト)にする。顔料は粉体状であるため、電着塗料組成物で用いる低濃度均一状態に一工程で分散させるのは困難だからである。一般にこのようなペーストを顔料分散ペーストという。
顔料分散ペーストは、顔料を顔料分散樹脂ワニスと共に水性溶媒中に分散させて調製する。顔料分散樹脂としては、一般に、カチオン性又はノニオン性の低分子量界面活性剤や4級アンモニウム基及び/又は3級スルホニウム基を有する変性エポキシ樹脂等のようなカチオン性重合体を用いる。水性溶媒としてはイオン交換水や少量のアルコール類を含む水等を用いる。一般に、顔料分散樹脂は、顔料100重量部に対して固形分比20〜100重量部の量で用いる。顔料分散樹脂ワニスと顔料とを混合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等の通常の分散装置を用いて分散させて、顔料分散ペーストを得ることができる。
上記カチオン電着塗料組成物は、上記成分の他に、上記ブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤解離のために解離触媒を含む場合は、ジブチル錫ラウレート、ジブチル錫オキシド、ジオクチル錫オキシドなどの有機錫化合物や、N−メチルモルホリンなどのアミン類や、ストロンチウム、コバルト、銅などの金属塩が使用できる。解離触媒の濃度は、カチオン電着塗料組成物中のカチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤合計の100固形分重量部に対し0.1〜6重量部である。
カチオン電着塗料組成物の調製
本発明で用いられるカチオン電着塗料組成物は、上に述べた触媒、カチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤、及び顔料分散ペーストを水性溶媒中に分散することによって調製される。また、通常、水性溶媒にはカチオン性エポキシ樹脂を中和して、バインダー樹脂エマルションの分散性を向上させるために中和酸を含有させる。中和酸は塩酸、硝酸、リン酸、ギ酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸である。
使用される中和酸の量は、カチオン性エポキシ樹脂及びブロックイソシアネート硬化剤を含むバインダー樹脂固形分100gに対して、下限10mg当量、上限25mg当量の範囲であるのが好ましい。上記下限は15mg当量であるのがより好ましく、上記上限は20mg当量であるのがより好ましい。中和酸の量が10mg当量未満であると水への親和性が十分でなく水への分散ができないまたは著しく安定性に欠ける状態となる恐れがある。また25mg当量を超えると析出に要する電気量が増加し、塗料固形分の析出性が低下し、つきまわり性が劣る状態となる恐れがある。
カチオン電着塗料組成物は、カチオン性エポキシ樹脂、及びブロックイソシアネート硬化剤を、水性溶媒に分散させることにより、調製することができる。ブロックイソシアネート硬化剤の量は、硬化時にカチオン性エポキシ樹脂中の1級、2級アミノ基、水酸基、等の活性水素含有官能基と反応して良好な硬化塗膜を与えるのに十分な量が必要とされる。好ましいブロックイソシアネート硬化剤の量は、カチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤との固形分重量比(カチオン性エポキシ樹脂/硬化剤)で表して90/10〜50/50、より好ましくは80/20〜65/35の範囲である。カチオン性エポキシ樹脂とブロックイソシアネート硬化剤との固形分量比の調整により、造膜時の塗膜(析出膜)の流動性および硬化速度が改良され、塗膜の平滑性が向上する。
有機溶媒は、カチオン性エポキシ樹脂、ブロックイソシアネート硬化剤、顔料分散樹脂等の樹脂成分を合成する際に溶媒として必要であり、完全に除去するには煩雑な操作を必要とする。また、バインダー樹脂に有機溶媒が含まれていると造膜時の塗膜の流動性が改良され、塗膜の平滑性が向上する。
カチオン電着塗料組成物に含まれ得る有機溶媒として、例えば下記の有機溶媒が挙げられる:
トルエン、キシレンなどの芳香族系溶媒;
メチルエチルケトン、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、アニソール、フェネトールなどのエーテル系溶媒;
酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピル、エチレングリコールジアセテート、エトキシエチルプロピオネートなどのエステル系溶媒;
ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒;
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブなどのセロソルブ系溶媒;
メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルムなどのハロゲン系溶媒;など。
カチオン電着塗料組成物は、上記のほかに、可塑剤、界面活性剤、酸化防止剤、及び紫外線吸収剤などの常用の塗料用添加剤を含むことができる。アミノ基含有アクリル樹脂、アミノ基含有ポリエステル樹脂等を含んでもよい。
電着塗装
電着塗装は、被塗物を陰極として陽極との間に、通常、50〜450Vの電圧を印加して行う。印加電圧が50V未満であると電着が不充分となり、450Vを超えると、塗膜が破壊され異常外観となるおそれがある。電着塗装時、塗料組成物の浴液温度は、通常10〜45℃に調節される。
電着過程は、カチオン電着塗料組成物に被塗物を浸漬する過程、及び、上記被塗物を陰極として陽極との間に電圧を印加し、被膜を析出させる過程、から構成される。また、電圧を印加する時間は、電着条件によって異なるが、一般には、2〜4分とすることができる。
電着塗膜の膜厚は、好ましくは5〜25μm、より好ましくは20μmとする。膜厚が5μm未満であると、防錆性が不充分であり、25μmを超えると、塗料の浪費につながる。
本発明の方法においては、上述のようにして得られる未硬化の電着塗膜を、焼付け硬化させることなく、次工程の中塗り塗料組成物による塗装を行う。この場合においては、中塗り塗膜を形成する前に、加熱硬化(焼付け)処理で用いられる温度より低い温度でプレヒートを行なってもよく、このプレヒートを行うのが好ましい。プレヒートを行うことによって未硬化塗膜中の水分が除去され、同時に電着時に生じる未硬化塗膜表面の孔が塞がれるため、得られる複層塗膜の仕上がり外観がより良好なものとなるからである。このプレヒートは、下限室温、上限100℃の温度範囲の条件で、1〜10分間行われることが好ましい。
中塗り塗料組成物
本発明の複層塗膜形成方法に用いられる中塗り塗料組成物として、溶剤型中塗り塗料組成物、そして水性中塗り塗料組成物が挙げられる。本発明で用いられる中塗り塗料組成物は、ブロックイソシアネート硬化剤(d)、およびビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変性物、を含む。そして、このような中塗り塗料組成物として、ブロックポリイソシアネート硬化剤(d)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)、そして必要に応じた他の樹脂成分および顔料が、有機溶媒中に溶解または分散した、溶剤型中塗り塗料組成物を用いることができる。また、中塗り塗料組成物として、ブロックポリイソシアネート硬化剤(d)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)の変成物、そして必要に応じた他の樹脂成分および顔料が、水溶化又は水分散化によって水性化された、水性中塗り塗料組成物を用いることもできる。以下、溶剤型中塗り塗料組成物および水性中塗り塗料組成物に含まれる成分について記載する。
ブロックポリイソシアネート硬化剤(d)
本発明で用いられる中塗り塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)は、上記の電着塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)に記載したものと同様のものを用いることができる。ただし、本発明の方法においては、電着塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度Tと中塗り塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤解離温度TとがT<Tの関係を満たすブロックイソシアネート硬化剤(d)を用いる。ブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤解離温度を調節する方法は、上記の通りである。
本発明の中塗り塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)の含有量は、中塗り塗料組成物中に含まれる樹脂固形分100重量部に対して30〜40重量部であるのが好ましい。ブロックイソシアネート硬化剤(d)の含有量を上記範囲で用いることによって、十分な架橋密度および良好な性能を有する塗膜を得ることができる。
ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)
本発明で用いられる中塗り塗料組成物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変性物が含まれる。本発明で用いられる中塗り塗料組成物中に含まれるビスフェノール型エポキシ樹脂(c)は、上記の電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)の調製に用いられるものを使用することができる。
このビスフェノール型エポキシ樹脂(c)として、上記と同様に、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、末端カルボキシル化ポリブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ポリオキシアルキレンジアミン、アルキルフェノール、モノカルボン酸誘導体、ヒドロキシカルボン酸、ε−カプロラクトンなどを、ビスフェノール型エポキシ樹脂の側鎖または一方のエポキシ基に導入して修飾されたビスフェノール型エポキシ樹脂も含まれる。このような修飾された樹脂を用いる場合は、中塗り塗膜の物理的強度を向上させることができるため、好ましい。
本発明で用いられる中塗り塗料組成物が水性中塗り塗料組成物である場合は、上記のビスフェノール型エポキシ樹脂(c)を変性した変性物を調製することによって、ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)を水性溶媒中に水溶化または水分散化することができる。このような変性物の調製方法の1つとして、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部または一部にカチオン性基を導入する方法が挙げられる。このような樹脂として、上記のカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)を用いることができる。また、このような変性物の他の調製方法として、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部または一部にアニオン性基を導入する方法が挙げられる。これにより、アニオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂が調製される。
アニオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂の調製方法として、カルボキシル基を導入する方法が挙げられる。具体的には、ヒドロキシ酸、ジカルボン酸、無水酸またはこれらの誘導体を用いて、ビスフェノール型エポキシ樹脂のエポキシ環の全部または一部に、アニオン性基であるカルボキシル基を導入することができる。
なお、水性中塗り塗料組成物で用いられるこれらの変性物(カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂またはアニオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂)を、溶剤型中塗り塗料組成物に用いることもできる。
本発明の方法においては、未硬化の電着塗膜上に中塗り塗膜が設けられる。そのため、これらの塗膜の界面では、電着塗料組成物と中塗り塗料組成物との混和が多少なりとも生じることとなる。本発明の方法においては、カチオン電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と、中塗り塗料組成物中に含まれるビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変性物とは、それらの樹脂骨格が相似する。そのため、電着塗料組成物と中塗り塗料組成物との混和が生じても、各塗料組成物間の不相溶から生じるグロスの低下が抑えられることとなる。これにより、良好な外観を有する複層塗膜を得ることができることとなる。
なお、本明細書において、複層塗膜のグロス値は、JIS K5600−4−7に準拠して測定される、入射光軸60°の幾何条件における値を用いている。これは60°グロスともいわれているものである。
なお、本発明の方法において、電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と、中塗り塗料組成物中に含まれるビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変成物とは、ビスフェノールの種類、分子量、そしてそれらを修飾する修飾物の有無およびその種類などが同一である必要はない。しかしながら電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)と、中塗り塗料組成物中に含まれるビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変成物とは、それらの構成が近い場合、例えば修飾物の有無およびその種類などが同じである場合など、が好ましく、この場合はより良好な外観を有する複層塗膜を得ることができる。
他の樹脂成分など
中塗り塗料組成物中に含まれる他の樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂等を挙げることができる。他の樹脂としてポリエステル樹脂(e)を使用することが特に好ましい。
ポリエステル樹脂(e)としては、特に限定されず、例えば、塗料の分野において通常使用される多塩基酸、多価アルコール及び多塩基酸及び多価アルコールの両方に属する化合物の重合反応によって得られる酸基及び/又は水酸基を有するポリエステル樹脂を挙げることができる。
上記多塩基酸としては、特に限定されず、例えば、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸、アゼライン酸、1,10−デカンジカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、トリメリット酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、安息香酸、及び、そのエステル形成誘導体(低級アルコールエステル、無水物、酸ハロゲン化物)等を挙げることができる。この中で、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、トリメリット酸、アジピン酸が好ましい。
上記多価アルコールとしては、特に限定されず、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、プロピレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン、ソルビタンモノオレート、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ソルビトール、ジグリセリン、トリグリセリン、トリペンタエリスリトール、ビスフェノールA等を挙げることができる。この中で、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールが好ましい。
上記多塩基酸及び多価アルコールの両方に属する化合物としては、特に限定されず、例えば、ε−カプロラクトン、γ−ブチロラクトン等のラクトン類や、p−オキシ安息香酸、p−オキシエトキシ安息香酸等の芳香族オキシモノカルボン酸等を挙げることができる。
上記ポリエステル樹脂は、例えば、上記多塩基酸と上記多価アルコールとを反応容器に所定量仕込み、常法により縮合反応させることにより製造することができる。
上記ポリエステル樹脂の酸価は、下限20、上限80の範囲内であることが好ましい。上記下限はより好ましくは30であり、上記上限はより好ましくは60である。酸価が20未満であると、分散性又は溶解性が低下して安定性が損なわることがある。一方、酸価が80を超えると、樹脂の親水性が高くなりすぎて、塗膜の耐水性及び耐候性が低下することがある。
上記ポリエステル樹脂の水酸基価は、下限50、上限200の範囲内であることが好ましい。上記下限はより好ましくは100である。水酸基価が50未満であると、樹脂の溶解性または分散性が低下して安定性が損なわれ、またその塗料の硬化性が不十分となる場合がある。水酸基価が200を超えると、この樹脂を用いて得られた塗料の塗膜の耐水性及び耐候性が低下する場合がある。
更に、上記ポリエステル樹脂の数平均分子量は、下限1500、上限20000の範囲内であることが好ましい。上記下限は3000であることがより好ましく、上記上限は15000であることがより好ましい。数平均分子量が1500未満であると、塗料の塗膜の耐水性及び耐候性が低下する場合があり、数平均分子量が20000を超えると、塗料の粘度が高くなりすぎて、塗装作業性が悪化する場合がある。
上記ポリエステル樹脂を水性中塗り塗料組成物に用いる場合は、ポリエステル樹脂を水性化する。この水性化は例えば、ポリエステル樹脂の有する酸基を中和塩基によって中和した後、水に溶解または分散することによって行うことができる。上記中和塩基としては特に限定されず、例えば、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジメチルエタノールアミン、2−アミノメチルプロパノール、モルホリン、メチルモルホリン、ピペラジン、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等を挙げることができる。
中塗り塗料組成物に他の樹脂を含める場合、他の樹脂としてポリエステル樹脂(e)を用いる場合は、中塗り塗料組成物中に含まれる樹脂固形分100重量部に対して10〜25重量部の量で用いるのが好ましい。ポリエステル樹脂(e)を上記範囲で用いることにより、耐チッピング性などに優れる塗膜を得ることができる。なお、「中塗り塗料組成物中の樹脂固形分」とは、中塗り塗料組成物中に含まれるブロックポリイソシアネート硬化剤(d)、ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変性物、そして必要に応じた他の樹脂成分からなる樹脂成分の固形分重量である。
本発明の中塗り塗料組成物はさらに硬化触媒を含んでもよい。中塗り塗料組成物に用いることができる硬化触媒として例えば、錫オクトエート、ジブチル錫ジラウレート、マンガン、コバルト、ビスマス錫酸塩、ジルコニウムオクトエート、ジンクオクトエート、ジブチル錫−ビス−O−フェニルフェニレン、ジブチル錫−S,S−ジブチルジチオ−カーボネート、トリフェニルアンチモニージクロライド、ジブチル錫マレエート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレートメルカプチド、トリエチレンジアミン、ビスマスステアレート、ジメチル錫ジクロライド等が挙げられる。
硬化触媒は好ましくは、中塗り塗料組成物中の樹脂固形分100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲の量が含まれる。上記下限は0.3重量部であることがより好ましく、上記上限は8重量部であることがより好ましい。
また中塗り塗料組成物は、塗料調製の目的に合わせて酸化鉄、カーボンブラックのような無機顔料;フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、カルバゾールバイオレット、アントラピリミジンイエロー、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、インダンスロンブルー、キナクリドンバイオレット等のような有機顔料;二酸化チタン、クレー、タルク又はカオリンのような体質顔料を含んでもよい。
顔料は、中塗り塗料組成物における[全顔料重量/(全顔料重量+全樹脂固形分重量)]×100で表される全顔料濃度として10〜60重量%であることが好ましい。上記濃度が10重量%未満である場合は、下地隠蔽性が低下するおそれがある。また60重量%を超える場合は、耐水性、耐候性などの塗膜性能が低下する恐れがある。顔料濃度は更に好ましくは、30〜55重量%である。
本発明の中塗り塗料組成物は、一般に用いられる粘性制御剤を含んでもよい。粘性制御剤を含むことによって、上塗り塗膜とのなじみ防止、塗装作業性を確保することができる。粘性制御剤としては、一般にチクソトロピー性を示すものを含有でき、例えば、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドの燐酸塩等のポリアマイド系のもの、酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系のもの、有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの、ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料、顔料の形状により粘性が発現する扁平顔料等を粘性制御剤として挙げることができる。
本発明の溶剤型中塗り塗料組成物は、塗料に通常添加される添加剤、例えば、表面調整剤、酸化防止剤、消泡剤等を含むこともできる。これらの配合量は当業者の公知の範囲である。
中塗り塗料組成物の調製
中塗り塗料組成物は、上記成分を、溶媒に溶解または分散させて調製することができる。溶剤型中塗り塗料組成物の場合は、電着塗料組成物の調製に用いることができる、上記の有機溶媒を用いて調製することができる。水性中塗り塗料組成物の場合は、イオン交換水や少量のアルコール類を含む水等の水性溶媒を用いて調製することができる。上記有機溶媒を併用してもよい。
中塗り塗料組成物の調製方法として、ポリエステル樹脂などの他の樹脂および顔料を、通常の分散装置を用いて分散させることによって、予め分散ペースト状に調製しておき、次いでこの分散ペースト、ブロックイソシアネート硬化剤、そしてビスフェノール型エポキシ樹脂またはその変性物などを混合する方法が挙げられる。中塗り塗料組成物の調製に用いることができる装置は特に限定されず、ニーダーまたはロール、SGミル等を用いて混練、分散顔料等を配合する等の当業者に周知の全ての方法を用い得る。
中塗り塗料組成物の塗装時の粘度は、上記有機溶媒および/または水、およびそれらの混合液を用いて、溶剤型中塗り塗料組成物の場合は10〜30秒(フォードカップ#4/20℃)、そして水性中塗り塗料組成物の場合は10〜40秒(フォードカップ#4/20℃)に調節することが好ましい。粘度が上記の範囲よりも低い場合は、膜厚の確保が困難となる恐れがある。一方、粘度が上記範囲を超える場合は、塗料組成物の取り扱いが困難であり、かつ塗膜が早期に固化して、次の塗膜で被覆または修復不可能な程度の表面の凹凸が生じる恐れがある。
本発明で用いられる溶剤型中塗り塗料組成物の塗装時の全固形分量は、30〜80重量%であり、好ましくは35〜65重量%である。この範囲外では塗料安定性が低下するおそれがある。また上限を越えると、粘性が高すぎて塗膜外観が低下するおそれがあり、下限を下回ると粘性が低すぎてなじみやムラ等の外観不良が発生するおそれがある。
中塗り塗装
水性中塗り塗料組成物または溶剤型中塗り塗料組成物の塗装方法は、特に限定されず、例えば、通称「リアクトガン」と言われるエアー静電スプレー、通称「マイクロ・マイクロベル(μμベル)」、「マイクロベル(μベル)」、「メタリックベル(メタベル)」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等を用いることにより行うことができる。
上記中塗り塗料組成物によって形成される未硬化塗膜の膜厚は特に限定されるものではなく、用途に応じて設定することができる。上記膜厚の下限は、5μmであることが好ましく、より好ましくは10μm、更に好ましくは15μmである。上記膜厚の上限は50μmであることが好ましく、より好ましくは40μmであり、更に好ましくは35μmである。上記上限を超えると、鮮映性が低下することがあり、また、塗装時のタレや焼付け硬化時のワキなどの不具合が起こることがあり、上記下限を下回ると、外観が低下するおそれがある。
焼付け
上記電着塗装および中塗り塗装により得られた未硬化の電着塗膜および中塗り塗膜を、100〜250℃の温度、より好ましくは130〜180℃の温度で、5〜60分、より好ましくは10〜40分加熱することによって、これらの塗膜を同時に焼付け硬化させることができる。こうして得られた硬化複層塗膜上に、必要に応じて、上塗りベース塗料組成物、および上塗りクリヤー塗料組成物などを塗装することができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断らない限り、「部」は重量部を表わす。
製造例1 ビスフェノール型エポキシ樹脂(c−1)の調製
攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコに、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンから合成したエポキシ当量475のエポキシ樹脂285.0部とエポキシ当量950のエポキシ樹脂380部、p−ノニルフェノール77.0部およびメチルイソブチルケトン82.4部をそれぞれ秤取し、昇温し、均一に溶解したあとベンジルジメチルアミン3.0部を加え、反応温度150℃で反応させエポキシ当量1140になるまで反応させた。その後、メチルイソブチルケトンで不揮発分80%になるまで希釈し、ビスフェノール型エポキシ樹脂(c−1)を得た。
製造例2 ビスフェノール型エポキシ樹脂(c−2)の調製
攪拌機、冷却器、窒素注入管、温度計および滴下ロートを取り付けたフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量188)752.0部、メタノール77.0部、メチルイソブチルケトン200.3部およびジラウリン酸ジブチルスズ0.3部を仕込み、室温で攪拌し均一溶液とした。これに、2,4−/2,6−トリレンジイソシアネート80/20(重量比)混合物174.2部を50分間かけて滴下すると発熱により系内の温度が70℃に達した。IRスペクトルはイソシアネートに基づく2280cm-1の吸収の消失およびウレタンのカルボニル基に基づく1730cm-1の吸収を示した。N,N−ジメチルベンジルアミン2.7部を加えた後、系内を120℃まで昇温し、副生するメタノールをデカンターを用いて留去させながらエポキシ当量が463に達するまで反応を行った。IRスペクトルはウレタンのカルボニル基に基づく1730cm-1の吸収の消失およびオキサゾリドン環のカルボニル基に基づく1750cm-1の吸収の出現を示した。p−ノニルフェノール220.0部およびメチルイソブチルケトン83.3部を加え125℃の温度を保持しながらエポキシ当量が1146に達するまで反応を行った。その後、メチルイソブチルケトンで不揮発分80%になるまで希釈し、ビスフェノール型エポキシ樹脂(c−2)を得た。
製造例3 ブロックイソシアネート硬化剤(1)の調製
攪拌装置、窒素導入管、冷却管および温度計を備えた反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアネート840部を入れ、メチルイソブチルケトン(MIBK)609部で希釈した後、ジブチルスズジラウレート0.9部を加え、50℃に昇温後、トリメチロールプロパン223.5部を内温が70℃を超えないように注意しながら徐々に加えた。ついでメチルエチルケトオキシム435部を内温が70℃を超えないように注意しながら加え、赤外吸収スペルトルによりイソシアネート基の吸収が消失するまで70℃に1時間保ち、その後n−ブタノール32部を加え希釈して、ブロックイソシアネート硬化剤(1)が得られた。得られたブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤解離温度は140℃であった。なおこのブロック剤解離温度は、示差熱分析によって測定した。
製造例4 ブロックイソシアネート硬化剤(2)の調製
ジフェニルメタンジイソシアナート1250部およびMIBK266.4部を反応容器に仕込み、これを80℃まで加熱した後、ジブチル錫ジラウレート2.5部を加えた。ここに、ε−カプロラクタム226部をブチルセロソルブ944部に溶解させたものを80℃で2時間かけて滴下した。さらに100℃で4時間加熱した後、IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基づく吸収が消失したことを確認し、放冷後、MIBK336.1部を加えてブロックイソシアネート硬化剤(2)が得られた。得られたブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤解離温度は150℃であった。なおこのブロック剤解離温度は、示差熱分析によって測定した。
製造例5 アミン変性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)の製造
製造例1で得られたビスフェノール型エポキシ樹脂(c−1)を110℃に昇温させ、アミノエチルエタノールアミンのケチミン(79重量%のメチルイソブチルケトン溶液)47.2部、ジエタノールアミン42.0部、N−メチルエタノールアミン30.0部およびメチルイソブチルケトン17.3部を加えた後、昇温し、120℃で2時間反応させた。このようにして不揮発分80%のアミン変性エポキシ樹脂(カチオン性エポキシ樹脂)を得た。
製造例6 アミン変性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−2)の製造
製造例2で得られたビスフェノール型エポキシ樹脂(c−2)を110℃に昇温させ、アミノエチルエタノールアミンのケチミン(79重量%のメチルイソブチルケトン溶液)47.2部、ジエタノールアミン42.0部、N−メチルエタノールアミン30.0部およびメチルイソブチルケトン17.3部を加えた後、昇温し、120℃で2時間反応させた。このようにして不揮発分80%のアミン変性エポキシ樹脂(カチオン性エポキシ樹脂)を得た。
製造例7 電着塗料組成物用顔料分散樹脂の製造
まず、攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.0部を入れ、MIBK39.1部で希釈した後、ここヘジブチル錫ジラウレート0.2部を加えた。その後、これを50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノール131.5部を攪拌下、乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(樹脂固形分90.0%)が得られた。
次いで、適当な反応容器に、ジメチルエタノールアミン87.2部、75%乳酸水溶液117.6部およびエチレングリコールモノブチルエーテル39.2部を順に加え、65℃で約半時間攪拌して、4級化剤を調製した。
次に、エポン(EPON)829(シェル・ケミカル・カンパニー社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量193〜203)710.0部とビスフェノールA289.6部とを適当な反応容器に仕込み、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱したところ、初期発熱反応が生じた。反応混合物を150〜160℃で約1時間反応させ、次いで、120℃に冷却した後、先に調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI(MIBK溶液)498.8部を加えた。
反応混合物を110〜120℃に約1時間保ち、次いで、エチレングリコールモノブチルエーテル463.4部を加え、混合物を85〜95℃に冷却し、均一化した後、先に調製した4級化剤196.7部を添加した。酸価が1となるまで反応混合物を85〜95℃に保持した後、脱イオン水964部を加えて、エポキシ−ビスフェノールA樹脂において4級化を終了させ、4級アンモニウム塩部分を有する顔料分散用樹脂を得た(樹脂Tg=5℃、樹脂固形分50%)。
製造例8 電着塗料組成物用顔料分散ペーストの製造
サンドグラインドミルに製造例7で得た顔料分散用樹脂を120部、カーボンブラック2.0部、カオリン100.0部、二酸化チタン80.0部、リンモリブデン酸アルミニウム18.0部およびイオン交換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで分散して、顔料分散ペーストを得た(固形分48%)。
製造例9 溶剤型中塗り用ポリエステル樹脂の調製
温度計、攪拌機、冷却管、窒素導入管、水分離機及び精留塔を備えた反応槽にイソフタル酸415部、アジピン酸90部、トリメチロールプロパン100部、ネオペンチルグリコール200部、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート195部、ジブチル錫オキサイド2部を仕込み加熱し、210℃まで昇温せしめた。ただし、160℃から210℃までは、3時間かけて一定昇温速度で昇温せしめた。生成する縮合水は系外へ留去した。210℃に達したところで保温し、保温1時間後、反応槽内に還流溶剤としてキシレン30部を徐々に添加し、溶剤存在下での縮合に切り替え反応を続けた。樹脂酸価が8.5mgKOH/g(固形分)に達したところで150℃まで冷却し、ε−カプロラクトン200部を加え150℃で2時間保温した後、100℃まで冷却した。更にキシレン430部を加え、数平均分子量2700、酸価7mgKOH/g(固形分)、水酸基価93mgKOH/g(固形分)のポリエステル樹脂を含む不揮発分70%のワニスを得た。
製造例10 溶剤型中塗り塗料用顔料分散ペーストの調製
製造例9で得たポリエステル樹脂480部に、キシレン70部、堺化学工業社製二酸化チタンR−61Nを250部、堺化学工業社製硫酸バリウムB−34を135部、三菱化学社製カーボンブラックMA−100を5部を加え予備混合を行った後、ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で1時間混合分散し、粒度5μm以下、不揮発分77%の顔料分散ペーストを得た。
製造例11 水性中塗り塗料用水性ポリエステル樹脂溶液の製造
窒素導入管、撹伴機、温度調節器、冷却管及びデカンターを備えた反応容器に、無水フタル酸176部、イソフタル酸197部、アジピン酸87部、トリメチロールプロパン102部、ネオペンチルグリコール272部及びジブチル錫オキサイド0.8部、キシレン17部を仕込み、キシレンの還流が始まってから2時間かけて温度を200℃まで昇温した。その間、反応により生成する水をキシレンと共沸させて除去した。カルボン酸の酸価が8になったところで150℃まで冷却し、無水トリメリット酸49部を加えた後、更に温度が60℃になるまで冷却し、ジメチルエタノールアミン46部を加え混合したものにイオン交換水1137部を加えて、水性ポリエステル樹脂溶液を得た。得られた樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ測定による数平均分子量2000、固形分40%、固形分酸価40、水酸基価100であった。
製造例12 水性中塗り塗料用着色顔料ペーストの製造
市販の分散剤「Disperbyk 190」(ビックケミー社製)9.4部、イオン交換水36.8部、ルチル型二酸化チタン34.5部、硫酸バリウム34.4部及びタルク6部を、予備混合を行った後、ペイントコンディショナー中でガラスビーズ媒体を加え、室温で粒度5μm以下となるまで混合分散し、着色顔料ペーストを得た。
実施例1 溶剤型中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
電着塗料組成物の調製
製造例5で得られたカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)と製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤(1)(イソシアネート硬化剤(b))とを、固形分比で70/30で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例8で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。
溶剤型中塗り塗料組成物の調製
製造例1で得られたビスフェノール型エポキシ樹脂(c−1)62.5部と、製造例4で得られたブロックイソシアネート硬化剤(2)37.5部(イソシアネート硬化剤(d))、製造例10で得られた顔料分散ペースト56.0部、三井石油化学工業社製レジミックスRL−4を0.15部配合し、溶剤型中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をシンナー(酢酸ブチル/キシレン=1/4(重量比))で23秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
複層塗膜の形成
鋼材として用いる溶融亜鉛めっき鋼板(JIS G3302規格品、150×70×0.8mm)の表面を、トルエンを染み込ませた布で拭い、脱脂した。上記で得られたカチオン電着塗料組成物を電着浴に入れた。鋼板に、乾燥塗膜の膜厚が15μmになるように温度30℃で電着塗装して、未硬化の電着塗膜を得た。この塗膜を水洗した後、80℃で10分間プレヒートした。
得られた未硬化の電着塗面上に、上記により調製された水性中塗り塗料を乾燥膜厚30μmになるようにエアスプレー塗装した。得られた2層の未硬化の塗膜を150℃で30分間加熱して同時に焼付け硬化させて、複層塗膜を得た。
実施例2 溶剤型中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
電着塗料組成物の調製
製造例6で得られたカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−2)と製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤(1)(イソシアネート硬化剤(b))とを、固形分比で70/30で均一になるよう混合した。これに樹脂固形分100g当たり酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるよう氷酢酸を添加し、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が36%のエマルションを得た。
このエマルション1500部および製造例8で得られた顔料分散ペースト540部と、イオン交換水1920部と10%酢酸セリウム水溶液40部およびジブチル錫オキサイド10部とを混合して、固形分20重量%のカチオン電着塗料組成物を得た。
溶剤型中塗り塗料組成物の調製
製造例2で得られたビスフェノール型エポキシ樹脂(c−2)62.5部と、製造例4で得られたブロックイソシアネート硬化剤(2)37.5部(イソシアネート硬化剤(d))、製造例10で得られた顔料分散ペースト56.0部、三井石油化学工業社製レジミックスRL−4を0.15部配合し、溶剤型中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をシンナー(酢酸ブチル/キシレン=1/4(重量比))で23秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
得られた電着塗料組成物および溶剤型中塗り塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
実施例3 水性中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
水性中塗り塗料組成物の調製
製造例5で得られたカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)と、製造例4で得られたブロックイソシアネート硬化剤(2)(イソシアネート硬化剤(d))とを、固形分比62.5/37.5で均一になるように混合した。これの樹脂固形分100g当たりの酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるように氷酢酸を加え、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が30%のエマルションを得た。このエマルション266.6部、および製造例11で得られたポリエステル樹脂50部、製造例12で得られた顔料分散ペースト37.5部、およびサーフィノール104E(商品名、エアプロダクツジャパン社製表面調整剤)1.0部を加えて、水性中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をイオン交換水で30秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた水性中塗り塗料組成物と、実施例1により得られた電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
実施例4 水性中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
水性中塗り塗料組成物の調製
製造例6で得られたカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−2)と、製造例4で得られたブロックイソシアネート硬化剤(2)(イソシアネート硬化剤(d))とを、固形分比62.5/37.5で均一になるように混合した。これの樹脂固形分100g当たりの酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるように氷酢酸を加え、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が30%のエマルションを得た。このエマルション266.6部、および製造例11で得られたポリエステル樹脂50部、製造例12で得られた顔料分散ペースト37.5部、およびサーフィノール104E(商品名、エアプロダクツジャパン社製表面調整剤)1.0部を加えて、水性中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をイオン交換水で30秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた水性中塗り塗料組成物と、実施例2により得られた電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
比較例1 溶剤型中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
溶剤型中塗り塗料組成物の調製
製造例9で得られたポリエステル樹脂57.1部と、製造例10で得られた顔料分散ペースト56.0部、三井サイテック社製サイメル202(不揮発分80%;メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン)を50部、三井石油化学工業社製レジミックスRL−4を0.15部配合し、溶剤型中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をシンナー(酢酸ブチル/キシレン=1/4(重量比))で23秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた中塗り塗料組成物と、実施例1で調製された電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
比較例2 溶剤型中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
溶剤型中塗り塗料組成物の調製
製造例1で得られたビスフェノール型エポキシ樹脂(c−1)50.0部と、製造例10で得られた顔料分散ペースト56.0部、三井サイテック社製サイメル202(不揮発分80%;メチル/ブチル混合アルキルエーテル化メラミン)を50部、三井石油化学工業社製レジミックスRL−4を0.15部配合し、溶剤型中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をシンナー(酢酸ブチル/キシレン=1/4(重量比))で23秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた中塗り塗料組成物と、実施例1で調製された電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
比較例3 溶剤型中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
溶剤型中塗り塗料組成物の調製
製造例9で得られたポリエステル樹脂57.1部と、製造例10で得られた顔料分散ペースト56.0部、製造例4で得られたブロックイソシアネート硬化剤(2)50.0部、三井石油化学工業社製レジミックスRL−4を0.15部配合し、溶剤型中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をシンナー(酢酸ブチル/キシレン=1/4(重量比))で23秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた中塗り塗料組成物と、実施例1で調製された電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
比較例4 溶剤型中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
溶剤型中塗り塗料組成物の調製
製造例1で得られたビスフェノール型エポキシ樹脂(c−1)62.5部と、製造例10で得られた顔料分散ペースト56.0部、製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤(1)42.9部、三井石油化学工業社製レジミックスRL−4を0.15部配合し、溶剤型中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をシンナー(酢酸ブチル/キシレン=1/4(重量比))で23秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた中塗り塗料組成物と、実施例1で調製された電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
比較例5 水性中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
水性中塗り塗料組成物の調製
製造例11で得られたポリエステル樹脂150.0部と、製造例12で得られた顔料分散ペースト37.5部、三井サイテック社製マイコート723(メラミン樹脂、固形分100%)を40部、サーフィノール104E(商品名、エアプロダクツジャパン社製表面調整剤)1.0部を配合し、水性中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をイオン交換水で30秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた中塗り塗料組成物と、実施例1で調製された電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
比較例6 水性中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
水性中塗り塗料組成物の調製
製造例5で得られたカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)の樹脂固形分100g当たりの酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるように氷酢酸を加え、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が30%のエマルションを得た。このエマルション133.3部、製造例12で得られた顔料分散ペースト37.5部、および三井サイテック社製マイコート723(メラミン樹脂、固形分100%)を40部、製造例11で得られたポリエステル樹脂50部、サーフィノール104E(商品名、エアプロダクツジャパン社製表面調整剤)1.0部を加えて、水性中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をイオン交換水で30秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた中塗り塗料組成物と、実施例1で調製された電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
比較例7 水性中塗り塗料組成物を用いる複層塗膜の形成
水性中塗り塗料組成物の調製
製造例5で得られたカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a−1)と、製造例3で得られたブロックイソシアネート硬化剤(1)(イソシアネート硬化剤(d))とを、固形分比62.5/37.5で均一になるように混合した。これの樹脂固形分100g当たりの酸のミリグラム当量(MEQ(A))が30になるように氷酢酸を加え、さらにイオン交換水をゆっくりと加えて希釈した。減圧下でMIBKを除去することにより、固形分が30%のエマルションを得た。このエマルション266.6部、および製造例11で得られたポリエステル樹脂50部、製造例12で得られた顔料分散ペースト37.5部、およびサーフィノール104E(商品名、エアプロダクツジャパン社製表面調整剤)1.0部を加えて、水性中塗り塗料組成物を得た。この中塗り塗料組成物をイオン交換水で30秒/20℃(#4フォードカップ)に希釈した。
こうして得られた中塗り塗料組成物と、実施例1で調製された電着塗料組成物を用いて、実施例1と同様に複層塗膜を形成した。
上記実施例および比較例により得られた複層塗膜について、以下の評価を行った。
中心線平均粗さ(Ra)の測定
得られた複層塗膜のRa値を、JIS−B0601に準拠し、評価型表面粗さ測定機(Mitsutoyo社製、SURFTEST SJ−201P)を用いて測定した。2.5mm幅カットオフ(区画数5)を入れたサンプルを用いて7回測定し、上下消去平均によりRa値を得た。なお、これらのRa値は、値が小さいほど表面上の凹凸が少なく、塗膜外観が良好であることを示す。
60°グロスの測定
micro−gloss60°(BYK Gardner 社製)を用いて、複層塗膜表面のグロスを、JIS K5600−4−7に準拠して3回測定し、これらの測定値から平均値を算出した。
複層塗膜の外観評価
複層塗膜の仕上がり外観について、Wave Scan(BYK−Gardner社製)を用いて、LW(測定波長:1300〜12000μm)、SW(測定波長:300〜1200μm))を測定することにより評価を行った。これらの数値は、数値が小さい程外観が良好である事を示す。
目視による塗膜外観の評価
得られた複層塗膜の表面状態を、下記基準で目視評価した。
○ :表面状態に凹凸が確認されず、光沢も良好である。
○△:表面状態に凹凸は確認されないが、ツヤは引けた状態である。
× :表面状態に凹凸があり、ツヤが引けた状態である。
耐チッピング性の評価
複層塗膜を設けた溶融亜鉛めっき鋼板を評価塗装片とした。この評価塗装片を−30℃に冷却し、これを飛石試験機(スガ試験機社製)の試料ホルダに石の進入角が90度となるように取り付けた。100gの7号砕石を3kg/cmの空気圧で噴射し、砕石を塗装板の塗膜表面に衝突させた。その時の塗膜のハガレ傷の程度(数、大きさ、剥離場所)を以下の評価基準で評価した。
○ :塗膜のハガレ傷が一部にある程度、鋼板からの塗膜剥離はない。
○△:鋼板からの塗膜剥離が一部にあるが、ハガレ傷の個数は少ない。
× :鋼板からの塗膜剥離がある、または全面にハガレ傷がある。
上記試験結果を表1または2に示す。なお、表1は溶剤型中塗り塗料組成物に関するものであり、表2は水性中塗り塗料組成物に関するものである。また表中の各成分の数値は、塗料組成物中に含まれる各成分の固形分重量である。
Figure 2006026497
ブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤解離温度:硬化剤(1)…140℃
硬化剤(2)…150℃
Figure 2006026497
ブロックイソシアネート硬化剤のブロック剤解離温度:硬化剤(1)…140℃
硬化剤(2)…150℃
表1および2に示されるとおり、実施例により得られる複層塗膜は、ウェットオンウェットにより調製された複層塗膜であるにもかかわらず、光沢性に優れるものであった。またRa値が低く表面上の凹凸が少ないものであり、そしてLw、Sw値も低く、塗膜外観も良好であった。また、耐チッピング性も良好であった。一方、比較例により得られた複層塗膜は、光沢性および塗膜外観について劣るものであった。
本発明の方法により、未硬化の電着塗膜および未硬化の中塗り塗膜を同時加熱硬化させるウェットオンウェットによる複層塗膜の形成方法であっても、仕上がり外観に優れた複層塗膜を得ることができる。本発明を用いることにより、塗装コスト、環境に対する負荷を削減することができ、また塗装工程の短縮も図ることができる。

Claims (9)

  1. カチオン電着塗料組成物を電着塗装して未硬化の電着塗膜を形成する電着塗装工程、
    未硬化の電着塗膜の上に中塗り塗料組成物を塗布して未硬化の中塗り塗膜を形成する中塗り塗装工程、および
    未硬化の電着塗膜および中塗り塗膜を同時に焼付け硬化させる焼付け工程、
    を包含する複層塗膜形成方法であって、
    該カチオン電着塗料組成物が、カチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)およびブロックイソシアネート硬化剤(b)を含み、
    該中塗り塗料組成物が、ブロックイソシアネート硬化剤(d)、およびビスフェノール型エポキシ樹脂(c)またはその変性物、を含み、
    電着塗料組成物中に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(b)のブロック剤解離温度Tと中塗り塗料組成物に含まれるブロックイソシアネート硬化剤(d)のブロック剤解離温度TとがT<Tの関係にある、
    複層塗膜形成方法。
  2. 前記中塗り塗料組成物が溶剤型であって、
    カチオン電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)は、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)をカチオン変性して得られる樹脂である、
    請求項1記載の複層塗膜形成方法。
  3. 前記中塗り塗料組成物が、ブロックポリイソシアネート硬化剤(d)、およびビスフェノール型エポキシ樹脂(c)の変性物を含有する水性中塗り塗料組成物であって、
    カチオン電着塗料組成物中に含まれるカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)は、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂(c)をカチオン変性して得られる樹脂である、
    請求項1記載の複層塗膜形成方法。
  4. 前記水性中塗り塗料組成物に含まれるビスフェノール型エポキシ樹脂(c)の変性物がカチオン性ビスフェノール型エポキシ樹脂(a)である、
    請求項3記載の複層塗膜形成方法。
  5. 前記中塗り塗料組成物がさらにポリエステル樹脂(e)を含有する、請求項1〜4いずれかに記載の複層塗膜形成方法。
  6. 前記ポリエステル樹脂(e)の含有量が、中塗り塗料組成物中に含まれる樹脂固形分100重量部に対して10〜25重量部である、請求項5記載の複層塗膜形成方法。
  7. 前記中塗り塗料組成物中に含まれるブロックポリイソシアネート硬化剤(d)の含有量が、中塗り塗料組成物中に含まれる樹脂固形分100重量部に対して30〜40重量部である、請求項1〜6いずれかに記載の複層塗膜形成方法。
  8. 電着塗装工程と中塗り塗装工程との間に、未硬化の電着塗膜をプレヒートするプレヒート工程をさらに包含する、請求項1〜7いずれかに記載の複層塗膜形成方法。
  9. 請求項1〜8いずれかに記載の複層塗膜形成方法により得られる複層塗膜。
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