JP2006023692A - 感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時保存後にパターン形成に用いた場合でも、現像欠陥の発生が著しく抑制され、且つ液浸液追随性に優れた感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
【解決手段】(A)分子鎖の少なくとも一方の末端に、少なくとも一つのハロゲン原子を有した特定の基を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂、及び、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有する感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、さらにその他のフォトファブリケーション工程に使用される感光性組成物に関するものである。さらに詳しくは220nm以下の遠紫外線などの露光光源、および電子線などによる照射源とする場合に好適な感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法に関するものである。
化学増幅型感光性組成物は、遠紫外光等の放射線の照射により露光部に酸を生成させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成させるパターン形成材料である。
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用するため、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
一方、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。
しかし、ArFエキシマレーザー用レジストが含有する脂環炭化水素構造を有する樹脂は、一般に溶剤溶解性が低く、これに起因すると思われる、レジストの保存安定性(経時でのパーティクルの発生)、レジスト塗布の際のノズルの先端にレジストの固形分が析出する現象があり、特に保存後のレジストを使用したパターン形成における現像欠陥の点での改善が望まれていた。
特許文献1(特開2002−6502号)は、DUVエキシマレーザーリソグラフィーあるいは電子線リソグラフィー等を用いた場合に、感度及び解像度を向上させるべく、樹脂の分子末端に注目した検討がなされており、分子末端がCN構造を有しない樹脂、またはアルキルスルフィド構造が100に対しCN構造が9未満である樹脂を記載している。
また、光学顕微鏡において解像力を高める技術として、投影レンズと感光性膜を設けたウエハとの間に高屈折率の液体(以下、「液浸液」ともいう)で満たす、所謂、液浸法が知られている。液浸法では、露光中、ウェハを速く移動させると、液浸液の追随性が悪いために、レンズとウェハ上の感光性膜との間の液浸液で満たされない部分が生じるという問題点があった。
特開2002−6502号公報
従って、本発明の目的は、経時保存後にパターン形成に用いた場合でも、現像欠陥の発生が著しく抑制された感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することにある。
更に、本発明の目的は、液浸法に於いて、液浸液の追随性が優れた感光性組成物及びそ
れを用いたパターン形成方法を提供することにある。
本発明による下記構成により上記課題が解決された。
(1) (A)分子鎖の少なくとも一方の末端に下記構造式(1)で表される基を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂、及び、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
Figure 2006023692
一般式(1)に於いて、
1は、ハロゲン原子又は少なくとも一つのハロゲン原子が置換した炭化水素基を表す。
2及びR3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表す。
(2) 樹脂(A)が、脂環およびラクトン環を有することを特徴とする上記(1)に記載の感光性組成物。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の感光性組成物より感光性膜を形成し、該感光性膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
本発明の感光性組成物は経時保存後の使用でも、パターン形成において現像欠陥の発生が著しく抑制されているため、生産性良く良好な微細パターンを形成することができ、特にポジ型レジストとして使用することができる。
本発明により、液浸法に於いて、液浸液の追随性が優れた感光性組成物及びそれを用いたパターン形成方法を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
尚、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
〔1〕酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂(樹脂(A)ともいう)
本発明の感光性組成物が含有する樹脂(A)は、分子鎖の少なくとも一方の末端に下記構造式(1)で表される基を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂(酸分解性樹脂)である。
Figure 2006023692
1は、ハロゲン原子又は少なくとも一つのハロゲン原子が置換した炭化水素基を表す。R2及びR3は、水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を表す。
ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、フッ素原子、塩素原子が好ましく、フッ素原子がより好ましい。
1としての少なくとも一つのハロゲン原子が置換した炭化水素基、R2及びR3としての炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アラルキル基が挙げられる。
1としての少なくとも一つのハロゲン原子が置換した炭化水素基が有するハロゲン原子としては、上記と同様である。
2及びR3としての炭化水素基は、ハロゲン原子を含め、置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
1としての少なくとも一つのハロゲン原子が置換した炭化水素基も、ハロゲン原子以外に、置換基を有していてもよく、置換基の具体例としては、上記のR2及びR3としての炭化水素基が有してもよい置換基の具体例と同様である。
式(1)で表される基が含有するハロゲン原子の総数は1〜35が好ましく、2〜30がより好ましく、3〜25が特に好ましい。経時保存後での現像欠陥の抑制の点から、式(1)で表される基が含有するハロゲン原子の総数は多いほうが好ましいが、アルカリ溶解性の点からは35以下が好ましい。
式(1)で表される基の総原子量は、30〜1000が好ましく、40〜800がより好ましく、50〜600が更に好ましい。
式(1)で表される構造の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006023692
分子鎖の少なくとも一方の末端に上記構造式(1)で表される基を有する樹脂は、種々の繰り返し単位を与える単量体と共に、下記に示すように、特定の重合開始剤および/または特定の連鎖移動剤を用い、ラジカル重合、アニオン重合、グループトランスファー重合(GTP)等により共重合することによって得ることができる。
例えば、下記(a)又は(b)の方法を挙げることができる。但し、(a)又は(b)の方法における、下記反応例において、Mは繰り返し単位を与える任意の単量体を意味し、M*は単量体Mからなる繰り返し単位を意味し、nはMおよびM*の数を表す整数である。
(a)式(1)で表される基を有するラジカル開始剤を用いて共重合する方法。
ラジカル重合開始剤として、例えば、下記式(2)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006023692
式(2)におけるR1〜R3は、式(1)におけるもの同義である。
上記ラジカル重合開始剤を用いた反応例を下記式に示す。
Figure 2006023692
(b)式(1)で表される基を有する連鎖移動剤の存在下でラジカル共重合する方法。
このような連鎖移動剤としては、例えば、下記式(3)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006023692
式(3)におけるR1〜R3は、式(1)におけるもの同義である。
上記連鎖移動剤を用いた反応例を下記式に示す。
Figure 2006023692
AIBN: 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
樹脂(A)は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂(酸分解性樹脂)であり、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する樹脂である。
アルカリ可溶性基としては、例えば、カルボン酸基、スルホン酸基、フェノール基、チオール基などが挙げられ、好ましくはカルボン酸基、スルホン酸基である。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
また、後述の繰り返し単位が有する酸分解性基を挙げることができる。
なお、本発明の感光性組成物に用いられる酸分解性樹脂が、脂環及びラクトン環を有する樹脂である場合に、上記分子末端の存在効果が特に発揮される。
〔A.脂環〕
脂環を有する構造としては、後述の一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び一般式(II-AB)で示される繰り返し単位におけるものを挙げることができる。
脂環を有する繰り返し単位としては、下記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び下記一般式(II−AB)で示される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2006023692
(式中、R11は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基又はsec−ブチル基を表し、Zは、炭素原子とともに脂環式炭化水素基を形成するのに必要な原子団を表す。
12〜R16は、各々独立に、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R12〜R14のうち少なくとも1つ、もしくはR15、R16のいずれかは脂環式炭化水素基を表す。
17〜R21は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R17〜R21のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R19、R21のいずれかは炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表す。
22〜R25は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜4個の、直鎖もしくは分岐のアルキル基又は脂環式炭化水素基を表し、但し、R22〜R25のうち少なくとも1つは脂環式炭化水素基を表す。また、R23とR24は、互いに結合して環を形成していてもよい。)
Figure 2006023692
式(II−AB)中:
11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
また、上記一般式(II-AB)は、下記一般式(II−A)又は一般式(II−B)であることが更に好ましい。
Figure 2006023692
式(II−A)及び(II−B)中:
13'〜R16'は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、−COOH、−COOR5、酸の作用により分解する基、−C(=O)−X−A'−R17'、アルキル基あるいは環状炭化水素基を表す。
ここで、R5は、アルキル基、環状炭化水素基又は下記の−Y基を表す。
Xは、酸素原子、硫黄原子、−NH−、−NHSO2−又は−NHSO2NH−を表す。
A'は単結合又は2価の連結基を表す。
また、Rl3'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して環を形成してもよい。nは0又は1を表す。
17'は、−COOH、−COOR5、−CN、水酸基、アルコキシ基、−CO−NH−R6、−CO−NH−SO2−R6又は下記の−Y基を表す。
6は、アルキル基又は環状炭化水素基を表す。
−Y基;
Figure 2006023692
(−Y基中、R21'〜R30'は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。a,bは1又は2を表す。)
一般式(pI)〜(pVI)において、R12〜R25におけるアルキル基としては、1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。そのアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、上記各アルキル基が有してもよい置換基としては、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、アシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、アルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
11〜R25における脂環式炭化水素基或いはZと炭素原子が形成する脂環式炭化水素基としては、単環式でも、多環式でもよい。具体的には、炭素数5以上のモノシクロ、ビシクロ、トリシクロ、テトラシクロ構造等を有する基を挙げることができる。その炭素数は6〜30個が好ましく、特に炭素数7〜25個が好ましい。これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していてもよい。
脂環式炭化水素基の好ましいものとしては、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン残基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基を挙げることができる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン残基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基である。
これらの脂環式炭化水素基の置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基が挙げられる。アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等の低級アルキル基が好ましく、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基よりなる群から選択される。上記アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。上記のアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基等が、更に有していてもよい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、アルコキシ基を挙げることができる。
上記樹脂における一般式(pI)〜(pVI)で示される構造は、アルカリ可溶性基の保護に使用し、酸分解性基を形成することができる。
上記樹脂における一般式(pI)〜(pVI)で示される構造で保護されたアルカリ可溶性基としては、好ましくはカルボキシル基の水素原子が一般式(pI)〜(pVI)で
表される構造で置換された構造が挙げられる。
一般式(pI)〜(pVI)で示される構造で保護されたアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、下記一般式(pA)で示される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2006023692
ここで、Rは、水素原子、ハロゲン原子又は1〜4個の炭素原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル基を表す。複数のRは、各々同じでも異なっていてもよい。
Aは、単結合、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、又はウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせを表す。
Raは、上記式(pI)〜(pVI)のいずれかの基を表す。
一般式(pA)で表される繰り返し単位は、最も好ましくは、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート、ジアルキル(1−アダマンチル)メチル(メタ)アクリレートによる繰り返し単位である。
以下、一般式(pA)で示される繰り返し単位の具体例を示す。
Figure 2006023692
上記一般式(II−AB)において、R11'及びR12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子、又はアルキル基を表す。
Z'は、結合した2つの炭素原子(C−C)を含み、脂環式構造を形成するための原子団を表す。
上記R11'及びR12'におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
上記R11'、R12'におけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
上記のアルキル基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができ、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセトキシ基等を挙げることができる。
上記Z'の脂環式構造を形成するための原子団は、置換基を有していてもよい脂環式炭化水素の繰り返し単位を樹脂に形成する原子団であり、中でも有橋式の脂環式炭化水素の繰り返し単位を形成する有橋式脂環式構造を形成するための原子団が好ましい。
形成される脂環式炭化水素の骨格としては、一般式(pI)〜(pVI)に於けるR11〜R25の脂環式炭化水素基と同様のものが挙げられる。
上記脂環式炭化水素の骨格には置換基を有していてもよい。そのような置換基としては、前記一般式(II−A)あるいは(II−B)中のR13'〜R16'を挙げることができる。
上記有橋式の脂環式炭化水素を有する繰り返し単位の中でも、上記一般式(II−A)あるいは(II−B)で表される繰り返し単位が更に好ましい。
樹脂(A)において、酸分解性基は、前記−C(=O)−X−A'−R17'に含まれてもよいし、一般式(II−AB)のZ'の置換基として含まれてもよい。
酸分解性基の構造としては、−C(=O)−X1−R0 で表される。
式中、R0 としては、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、3−オキソアルキル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリルエステル基、3−オキソシクロヘキシルエステル基、2−メチル−2−アダマンチル基、メバロニックラクトン残基等を挙げることができる。X1は、上記Xと同義である。
上記R13'〜R16'におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。
上記R5、R6、R13'〜R16'、R21'〜R30'におけるアルキル基としては、炭素数1〜10個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜6個の直鎖状あるいは分岐状アルキル基であり、更に好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
上記R5、R6、R13'〜R16'における環状炭化水素基としては、例えば環状アルキル基、有橋式炭化水素であり、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等を挙げることができる。
上記R13'〜R16'のうち少なくとも2つが結合して形成する環としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプタン、シクロオクタン等の炭素数5〜12の環が挙げられる。
上記R17'におけるアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものを挙げることができる。
上記アルキル基、環状炭化水素基、アルコキシ基における更なる置換基としては、水酸基、ハロゲン原子、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、シアノ基、アシルオキシ基、アルキル基、環状炭化水素基等を挙げることができる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等を挙げることができる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の炭素数1〜4個のものが挙げることができ、アシル基としてはホルミル基、アセチル基等を挙げることができ、アシルオキシ基としてはアセトキシ基等を挙げることができる。
また、アルキル基、環状炭化水素基は、上記で挙げたものが挙げられる。
上記A'の2価の連結基としては、アルキレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、スルフォンアミド基、ウレタン基、ウレア基よりなる群から選択される単独あるいは2つ以上の基の組み合わせが挙げられる。
酸の作用により分解する基は、前記一般式(pI)〜一般式(pVI)で示される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位、一般式(II−AB)で表される繰り返し単位、及び後記共重合成分の繰り返し単位のうち少なくとも1種の繰り返し単位に含有することができる。
上記一般式(II−A)あるいは一般式(II−B)におけるR13'〜R16'の各種置換基は、上記一般式(II−AB)における脂環式構造を形成するための原子団ないし有橋式脂環式構造を形成するための原子団Zの置換基ともなるものである。
上記一般式(II−A)あるいは一般式(II−B)で表される繰り返し単位の具体例として次のものが挙げられるが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2006023692
また、脂環を有する繰り返し単位としては、下記一般式(IIIa)で表される基を有する繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2006023692
一般式(IIIa)中、R2c〜R4cは、各々独立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。
一般式(IIIa)で表される基は、好ましくはジヒドロキシ体、モノヒドロキシ体であり、より好ましくはジヒドロキシ体である。
一般式(IIIa)で表される基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(II−A)又は(II−B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも1つが上記一般式(IIIa)で表される基を有するもの(例えば−COOR5のR5が一般式(IIIa)で表される基を表す)、又は下記一般式(III)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
Figure 2006023692
一般式(III)中、R1cは、水素原子又はメチル基を表す。
2c〜R4cは、各々独立に水素原子又は水酸基を表す。ただし、R2c〜R4cのうち少なくとも1つは水酸基を表す。R2c〜R4cのうちの二つが水酸基であるものが好ましい。
以下に、一般式(III)で表される構造を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006023692
〔B.ラクトン環〕
ラクトン環を有する基としては、下記一般式(Lc)又は下記一般式(V−1)〜(V−5)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を挙げることができる。ラクトン構
造を有する基が主鎖に直接結合していてもよい。
Figure 2006023692
Figure 2006023692
一般式(Lc)中、Ra1、Rb1、Rc1、Rd1及びRe1は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。m及びnは各々独立に0〜3の整数を表し、m+nは、2以上6以下である。
一般式(V−1)〜(V−5)において、R1b〜R5bは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニルイミノ基又はアルケニル基を表す。R1b〜R5bの内の2つは、結合して環を形成してもよい。
一般式(Lc)に於けるRa1〜Re1のアルキル基及び一般式(V−1)〜(V−5)に於けるR1b〜R5bのアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニルイミノ基におけるアルキル基としては、直鎖状、分岐状のアルキル基が挙げられ、置換基を有していてもよい。
好ましい置換基として、炭素数1〜4個のアルコキシ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、炭素数2〜5のアシル基、炭素数2〜5のアシロキシ基、シアノ基、水酸基、カルボキシ基、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基、ニトロ基等を挙げることができる。
一般式(Lc)又は一般式(V−1)〜(V−5)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基を有する繰り返し単位としては、上記一般式(II−A)又は(II−B)中のR13'〜R16'のうち少なくとも1つが一般式(Lc)又は一般式(V−1)〜(V−5)で表される基を有するもの(例えば−COOR5のR5が一般式(Lc)又は一般式(V−1)〜(V−5)で表される基を表す)、又は下記一般式(V)で表される繰り返し単位等を挙げることができる。
Figure 2006023692
一般式(V)中、Rb0は、水素原子、ハロゲン原子、又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、前記一般式(V−1)〜(V−5)におけるR1bとしてのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基として先に例示したものが挙げられる。
b0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0は水素原子が好ましい。
bは、単結合、エーテル基、エステル基、カルボニル基、アルキレン基、又はこれらを組み合わせた2価の基を表す。
Vは、一般式(Lc)又は一般式(V−1)〜(V−5)のうちのいずれかで示される基を表す。
以下に、ラクトン環を有する基を有する繰り返し単位の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
ラクトン環を有する繰り返し単位としては、更に、特開2004−101642号、特開2003−113174号、特開2003−147023号、特開2002−308866号、特開2002−371114号、2003−64134号、特開2003−270787号などに記載のラクトン環を有する繰り返し単位を挙げることができる。
より具体的には以下の一般式で表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2006023692
一般式(i)〜(iv)において、R1e〜R7eは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。Xeは炭素数1〜8のアルキル基で置換されていてもよいメチレン基もしくはエチレン基、酸素原子又は硫黄原子を示す。neは0又は正の整数である。
一般式(i)〜(iv)において、R1e〜R7eとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の炭素数は通常1〜20、好ましくは1〜8、より好ましくは1〜4、更に好ましくは1または2である。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、及びメチルシクロヘキシル基などが挙げられる。
Figure 2006023692
式(v)において、ここで、R1fは水素原子又はメチル基を示す。R2fは水素原子、又は炭素数8以下のアルキル基もしくはシクロアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等を例示できる。R3fはCO24fを示す。R4fは炭素数15以下のアルキル基もしくはシクロアルキル基、又は該アルキル基及びシクロアルキル基の任意の炭素−炭素結合間に1個又は複数個の酸素原子が挿入された基を示す。アルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エチルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等を例示でき、炭素−炭素結合間に1個又は複数個の酸素原子が挿入された基として具体的にはメトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、1−エトキシエチル基、2−テトラヒドロピラニル基等を例示できる。
Figure 2006023692
式(vi)及び(vii)中、R1g及びR2gは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基又はアルコキシカルボニル基を示す。R3gないしR7gは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。Xgはメチレン基、エチレン基、酸素原子又は硫黄原子を示す。
1g〜R7gとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の炭素数は通常は8以下であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基などが挙げられる。またR1g及びR2gのいずれかがアルコキシカルボニル基である場合には、その炭素数は通常は2〜9であり、アルコキシ基のアルキル基は直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。好ましくは、R1gは水素原子であり、R2gは水素原子又はメチル基である。またR3gは水素原子、メチル基又はエチル基であるのが好ましく、R4g〜R7gはいずれも水素原子であるのが好ましい。
下記一般式(viii)で表される(メタ)アクリレート化合物。
Figure 2006023692
式(viii)中、R1gは水素原子又はメチル基、R2g及びR3gは、各々独立に、水素原子、又は炭素数15以下のアルキル基もしくはシクロアルキル基を表し、R2gとR3gは結合して環を形成してもよく、その場合には、R2gとR3gで炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。R4g〜R7gは、それぞれ独立して、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を示す。Xgは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。
Figure 2006023692
式(ix)又は(x)中、R1hは水素原子又はメチル基、R2h及びR3hは、各々独立に、水素原子、又は炭素数15以下のアルキル基もしくはシクロアルキル基を表し、R2hとR3hは結合して環を形成してもよく、その場合には、R2hとR3hで炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xhは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。
Figure 2006023692
式(xi)中、R1hは水素原子又はメチル基、R2h及びR3hは、各々独立に、水素原子、又は炭素数15以下のアルキル基もしくはシクロアルキル基を表し、R2hとR3hは結合して環を形成してもよく、その場合には、R2hとR3hで炭素数2〜15の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基を表す。Xhは−CH2−、−CH2CH2−もしくは−O−又は互いに分離した2個の−Hであることを表す。
Figure 2006023692
式(xii)中、R1iは水素原子又はメチル基を示す。R2iは水素原子又は炭素数8以下のアルキル基もしくはシクロアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基等を例示できる。R3iはCO24iを示す。R4iは炭素数15以下のアルキル基又はシクロアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、tert−アミル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、エチルシクロペンチル基、ブチルシクロペンチル基、エチルシクロヘキシル基、ブチルシクロヘキシル基、アダマンチル基、エチルアダマンチル基、ブチルアダマンチル基等を例示できる。
Figure 2006023692
式(xiii)において、R1jは、炭化水素基または酸素含有炭化水素基である。Xjは、(メタ)アクリル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位等からなる主鎖に連結するための基である。
炭化水素基としては、直鎖状炭化水素基、分岐状炭化水素基、脂環族骨格を有する炭化水素基、芳香族骨格を有する炭化水素基が挙げられる。例えば、炭素数1〜12の直鎖アルキル基、分岐アルキル基、またはシクロアルキル基が例示できる。酸素含有炭化水素基としては、炭素数1〜12のアルキルカルボニル基、ヒドロキシアルキル基等が例示できる。上記直鎖アルキル基を例示すれば、メチル基、エチル基、プロピル基があり、上記分岐アルキル基を例示すれば、イソプロピル基、イソブチル基、t−ブチル基があり、上記シクロアルキル基を例示すれば、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、シクロペプチル基があり、上記アルキルカルボニル基を例示すれば、メチルカルボニル基、エチルカルボ
ニル基、プロピルカルボニル基があり、上記ヒドロキシアルキル基を例示すれば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基がある。上記の中で、本発明に好適なR1jの具体例としては、メチル基、エチル基、メチルカルボニル基、エチルカルボニル基、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基が挙げられる。
置換基−OR1jの置換位置はラクトン環を除いた部位であればよい。好ましくは、ラクトン環のアルカリに対する溶解機能を損なわないために、主鎖と連結する基であるXjに隣接する部位である。
jは、好ましくはエーテル結合またはエステル結合である。
上記一般式で表されるラクトン環を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006023692
また、樹脂(A)は、下記一般式(IV)で表される繰り返し単位を含有してもよい。
Figure 2006023692
上記一般式(IV)に於いて、Z2は、−O−又は−N(R41)−を表す。R41は、水素原子、水酸基、アルキル基又は−OSO2−R42を表す。R42は、アルキル基、シクロアルキル基又は樟脳残基を表す。R41及びR42としてのアルキル基は、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)等で置換されていてもよい。
上記一般式(IV)で表される繰り返し単位として、以下の具体例が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
Figure 2006023692
Figure 2006023692
樹脂(A)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、さらにレジストとしての一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を含有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、樹脂(A)に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
樹脂(A)において、各繰り返し構造単位の含有モル比は、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、プロファイル、さらには一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
樹脂(A)中、酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中15〜70モル%が好ましく、より好ましくは20〜65モル%、更に好ましくは25〜60モル%である。
脂環を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜80モル%が好ましく、より好ましくは15〜75モル%、更に好ましくは25〜70モル%である。
ラクトン環を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中15〜60モル%が好ましく、より好ましくは20〜55モル%、更に好ましくは25〜50モル%である。
樹脂(A)中、一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中20〜70モル%が好ましく、より好ましくは24〜65モル%、更に好ましくは28〜60モル%である。
樹脂(A)中、一般式(II-AB)で表される繰り返し単位の含有量は、全繰り返し構造単位中10〜60モル%が好ましく、より好ましくは15〜55モル%、更に好ましくは20〜50モル%である。
また、上記更なる共重合成分の単量体に基づく繰り返し構造単位の樹脂中の含有量も、所望の性能に応じて適宜設定することができるが、一般式(pI)〜(pVI)で表される脂環式炭化水素を含む部分構造を有する繰り返し単位及び一般式(II-AB)で表される繰り返し単位及びラクトン環を有する単位の総量に対し、その他の繰り返し単位の含有量は、99モル%以下が好ましく、より好ましくは90モル%以下、さらに好ましくは80モル%以下である。
本発明の感光性組成物がArF露光用であるとき、ArF光への透明性の点から樹脂は芳香族基を有さないことが好ましい。
樹脂(A)は、常法に従って(例えばラジカル重合)合成することができる。例えば、一般的合成方法としては、モノマー種を、一括であるいは反応途中で反応容器に仕込み、これを必要に応じ反応溶媒、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジイソプロピルエーテルなどのエーテル類やメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類、酢酸エチルのようなエステル溶媒、さらには後述のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのような本発明の組成物を溶解する溶媒に溶解させ均一とした後、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で必要に応じ加熱、市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は通常20質量%以上であり、好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である。反応温度は通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、さらに好ましくは50〜100℃である。
上記繰り返し構造単位は、各々1種で使用してもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、本発明において、樹脂は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
樹脂(A)の重量平均分子量は、ガスパーミエーションクロマトグラフィー(GPC法)によりポリスチレン換算値として、好ましくは1,000〜200,000であり、更に好ましくは3000〜20000である。重量平均分子量を1,000以上とすることにより、耐熱性、ドライエッチング耐性を向上させることができ、また、重量平均分子量を200,000以下とすることにより、現像性を向上させることができ、且つ、粘度が低くなり製膜性を向上させることができる。
分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は通常1〜5であり、好ましくは1〜4、更に好ましくは1〜3の範囲のものが使用される。解像度、パターン形状、パターンの側壁、ラフネス性などの点から分子量分布が5以下が好ましい。
樹脂(A)の配合量は、感光性組成物の全固形分中40〜99.99質量%が好ましく、より好ましくは50〜99.97質量%である。
〔2〕活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(光酸発生剤)としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光(400〜200nmの紫外線、遠紫外線、特に好ましくは、g線、h線、i線、KrFエキシマレーザー光)、ArFエキシマレーザー光、電子線、X線、分子線又はイオンビームにより酸を発生する化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
また、これらの活性光線又は放射線の照射により酸を発生する基、あるいは化合物をポリマーの主鎖又は側鎖に導入した化合物、たとえば、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号等に記載の化合物を用いることができる。
さらに米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物も使用することができる。
光酸発生剤の添加量は、感光性組成物の全固形分を基準として、0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜10質量%、更に好ましくは1〜7質量%である。
好ましい光酸発生剤としては、下記一般式(ZI)、(ZII)又は(ZIII)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006023692
上記一般式(ZI)において、R201、R202及びR203は、各々独立に有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表す。
-としての非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより経時安定性が向上する。
スルホン酸アニオンとしては、例えば、アルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなどが挙げられる。
カルボン酸アニオンとしては、例えば、アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなどが挙げられる。
アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル部位はアルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができる。
アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記アルキルスルホン酸アニオン及びアリールスルホン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、例えば、ニトロ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子)、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基としてさらにアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル部位としては、アルキルスルホン酸アニオンにおけるアルキル基及びシクロアルキル基と同様のものを挙げることができる。
アリールカルボン酸アニオンにおけるアリール基としては、アリールスルホン酸アニオンにおけるアリール基と同様のものを挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数6〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
上記アルキルカルボン酸アニオン、アリールカルボン酸アニオン及びアラルキルカルボン酸アニオンにおけるアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アリールスルホン酸アニオンにおけると同様のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基等を挙げることができる。これらのアルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基等を挙げることができ、フッ素原子で置換されたアルキル基が好ましい。
その他の非求核性アニオンとしては、例えば、弗素化燐、弗素化硼素、弗素化アンチモン等を挙げることができる。
-の非求核性アニオンとしては、スルホン酸のα位がフッ素原子で置換されたアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換されたアリールスルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されたトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、特に好ましくは炭素数4〜8のパーフロロアルカンスルホン酸アニオン、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、最も好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
201、R202及びR203としての有機基の具体例としては、後述する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、(Z1−3)における対応する基を挙げることができる。
尚、一般式(ZI)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI)で表される化合物のR201〜R203の少なくともひとつが、一般式(ZI)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくともひとつと結合した構造を有する化合物であってもよい。
更に好ましい(ZI)成分として、以下に説明する化合物(Z1−1)、(Z1−2)、及び(Z1−3)を挙げることができる。
化合物(Z1−1)は、上記一般式(ZI)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができる。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリールスルホニム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、最も好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、化合物(Z1−2)について説明する。
化合物(Z1−2)は、式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を含有しない有機基を表す場合の化合物である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシク
ロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、最も好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
化合物(Z1−3)とは、以下の一般式(Z1−3)で表される化合物であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する化合物である。
Figure 2006023692
1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
Rx及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
Zc-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素
数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
1c〜R7cとしてのシクロアルキル基としては、例えば炭素数3〜8個の環状アルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくはR1c〜R5cのうちいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、シクロアルキル基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくはR1cからR5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及びシクロアルキル基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基と同様のものを挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソシクロアルキル基は、R1c〜R5cとしてのアルキル基及びシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cとしてのアルコキシ基と同様のものを挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又はシクロアルキル基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又はシクロアルキル基である。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。
204〜R207としてのアルキル基及びシクロアルキル基は、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の環状アルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204〜R207が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
-は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI)に於けるX-の非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
光酸発生剤として、更に、下記一般式(ZIV)、(ZV)又は(ZVI)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2006023692
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、アリール基を表す。
206、R207及びR208は、各々独立に、アルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
光酸発生剤の内でより好ましくは、一般式(ZI)〜(ZIII)で表される化合物である。
また、光酸発生剤として、スルホン酸基を1つ有するスルホン酸を発生する化合物が好ましく、さらに好ましくは1価のパーフルオロアルカンスルホン酸を発生する化合物、またはフッ素原子またはフッ素原子を含有する基で置換された芳香族スルホン酸を発生する化合物である。
光酸発生剤の中で、特に好ましいものの例を以下に挙げる。
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
〔3〕酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解速度が増加する、分子量3000以下の溶解阻止化合物(以下、「溶解阻止化合物」ともいう)
(C)酸の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解速度が増加する、分子量3000以下の溶解阻止化合物としては、220nm以下の透過性を低下させないため、Proceeding of SPIE, 2724, 355 (1996)に記載されている酸分解性基を含むコール酸誘導体のような、酸分解性基を含有する脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。酸分解性基、脂環式構造としては、上記脂環炭化水素系酸分解性樹脂のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
本発明における溶解阻止化合物の分子量は、3000以下であり、好ましくは300〜3000、更に好ましくは500〜2500である。
溶解阻止化合物の添加量は、組成物の固形分に対し、好ましくは1〜30質量%であり、より好ましくは2〜20質量%である。
以下に溶解阻止化合物の具体例を示すが、これらに限定されない。
Figure 2006023692
〔4〕塩基性化合物
本発明の感光性組成物は、露光から加熱までの経時による性能変化を低減するため、あるいは露光により発生する酸の拡散性を制御するために塩基性化合物を含有することが好ましい。塩基性化合物としてフェノールよりも塩基性が強い化合物が好ましい。
好ましい構造として、下記式(A)〜(E)で示される構造を挙げることができる。
Figure 2006023692
ここでR250、R251及びR252は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基又は炭素数6〜20のアリール基であり、ここでR250とR251は互いに結合して環を形成してもよい。これらは置換基を有していてもよく、置換基を有するアルキル基及びシクロアルキル基としては、炭素数1〜20のアミノアルキル基又は炭素数3〜20のアミノシクロアルキル基、炭素数1〜20のヒドロキシアルキル基又は炭素数3〜20のヒドロキシシクロアルキル基が好ましい。
また、これらはアルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を含んでも良い。
Figure 2006023692
(式中、R253、R254、R255及びR256は、各々独立に、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜6のシクロアルキル基を示す)。
好ましい化合物として、グアニジン、アミノピロリジン、ピラゾール、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルホリン、アミノアルキルモルフォリン、ピペリジンを挙げることができ、置換基を有していてもよい。更に好ましい化合物として、イミダゾール構造、ジアザビシクロ構造、オニウムヒドロキシド構造、オニウムカルボキシレート構造、トリアルキルアミン構造、アニリン構造又はピリジン構造を有する化合物、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体、水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体等を挙げることができる。
イミダゾール構造を有する化合物としてはイミダゾール、2、4、5−トリフェニルイミダゾール、ベンズイミダゾール等があげられる。ジアザビシクロ構造を有する化合物としては1、4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1、5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノナー5−エン、1、8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカー7−エンなどがあげられる。オニウムヒドロキシド構造を有する化合物としてはトリアリールスルホニウムヒドロキシド、フェナシルスルホニウムヒドロキシド、2−オキソアルキル基を有するスルホニウムヒドロキシド、具体的にはトリフェニルスルホニウムヒドロキシド、ト
リス(t−ブチルフェニル)スルホニウムヒドロキシド、ビス(t−ブチルフェニル)ヨードニウムヒドロキシド、フェナシルチオフェニウムヒドロキシド、2−オキソプロピルチオフェニウムヒドロキシドなどがあげられる。オニウムカルボキシレート構造を有する化合物としてはオニウムヒドロキシド構造を有する化合物のアニオン部がカルボキシレートになったものであり、例えばアセテート、アダマンタンー1−カルボキシレート、パーフロロアルキルカルボキシレート等があげられる。トリアルキルアミン構造を有する化合物としては、トリ(n−ブチル)アミン、トリ(n−オクチル)アミン等を挙げることができる。アニリン化合物としては、2,6−ジイソプロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアルキルアミン誘導体としては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン等を挙げることができる。水酸基及び/又はエーテル結合を有するアニリン誘導体としては、N,N−ビス(ヒドロキシエチル)アニリン等を挙げることができる。
これらの塩基性化合物は、単独であるいは2種以上で用いられる。塩基性化合物の使用量は、感光性組成物の固形分を基準として、通常0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。十分な添加効果を得る上で0.001質量%以上が好ましく、感度や非露光部の現像性の点で10質量%以下が好ましい。
〔5〕フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤
本発明の感光性組成物は、更に、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤(フッ素系界面活性剤及びシリコン系界面活性剤、フッ素原子と珪素原子の両方を含有する界面活性剤)のいずれか、あるいは2種以上を含有することが好ましい。
本発明の感光性組成物がフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤とを含有することにより、250nm以下、特に220nm以下の露光光源の使用時に、良好な感度及び解像度で、密着性及び現像欠陥の少ないパターンを与えることが可能となる。
これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、特開2002−277862号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同 5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、下記市販の界面活性剤をそのまま用いることもできる。
使用できる市販の界面活性剤として、例えばエフトップEF301、EF303、(新秋田化成(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、メガファックF171、F173、F176、F189、R08(大日本インキ化学工業(株)製)、サーフロンS−382、SC101、102、103、104、105、106(旭硝子(株)製)、トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)等のフッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を挙げることができる。またポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)もシリコン系界面活性剤として用いることができる。
また、界面活性剤としては、上記に示すような公知のものの他に、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)もしくはオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造されたフルオロ脂肪族化合物から導かれたフルオロ脂肪族基を有する重合体を用いた界面活性剤を用いることが出来る。フルオロ脂肪族化合物は、特開2002
−90991号公報に記載された方法によって合成することが出来る。
フルオロ脂肪族基を有する重合体としては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート及び/又は(ポリ(オキシアルキレン))メタクリレートとの共重合体が好ましく、不規則に分布しているものでも、ブロック共重合していてもよい。また、ポリ(オキシアルキレン)基としては、ポリ(オキシエチレン)基、ポリ(オキシプロピレン)基、ポリ(オキシブチレン)基などが挙げられ、また、ポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとオキシエチレンとのブロック連結体)やポリ(オキシエチレンとオキシプロピレンとのブロック連結体)など同じ鎖長内に異なる鎖長のアルキレンを有するようなユニットでもよい。さらに、フルオロ脂肪族基を有するモノマーと(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体は2元共重合体ばかりでなく、異なる2種以上のフルオロ脂肪族基を有するモノマーや、異なる2種以上の(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)などを同時に共重合した3元系以上の共重合体でもよい。
例えば、市販の界面活性剤として、メガファックF178、F−470、F−473、F−475、F−476、F−472(大日本インキ化学工業(株)製)を挙げることができる。さらに、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C613基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシアルキレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、C817基を有するアクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシエチレン))アクリレート(又はメタクリレート)と(ポリ(オキシプロピレン))アクリレート(又はメタクリレート)との共重合体、などを挙げることができる。
フッ素及び/又はシリコン系界面活性剤の使用量は、感光性組成物の全量(溶剤を除く)に対して、好ましくは0.0001〜2質量%、より好ましくは0.001〜1質量%である。
〔6〕その他の添加剤
本発明の組成物には、必要に応じてさらに染料、可塑剤、上記以外の界面活性剤、光増感剤、及び現像液に対する溶解性を促進させる化合物等を含有させることができる。
本発明で使用できる現像液に対する溶解促進性化合物は、フェノール性OH基を2個以上、又はカルボキシ基を1個以上有する分子量1,000以下の低分子化合物である。カルボキシ基を有する場合は脂環族又は脂肪族化合物が好ましい。
これら溶解促進性化合物の好ましい添加量は、樹脂の全量に対して2〜50質量%であり、さらに好ましくは5〜30質量%である。現像残渣抑制、現像時パターン変形防止の点で50質量%以下が好ましい。
このような分子量1000以下のフェノール化合物は、例えば、特開平4−122938号、特開平2−28531号、米国特許第4916210号、欧州特許第219294号等に記載の方法を参考にして、当業者において容易に合成することができる。
カルボキシル基を有する脂環族、又は脂肪族化合物の具体例としてはコール酸、デオキシコール酸、リトコール酸などのステロイド構造を有するカルボン酸誘導体、アダマンタンカルボン酸誘導体、アダマンタンジカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘ
キサンジカルボン酸などが挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明においては、上記フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を加えることもできる。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー類、ソルビタン脂肪族エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪族エステル類等のノニオン系界面活性剤を挙げることができる。
これらの界面活性剤は単独で添加してもよいし、また、いくつかの組み合わせで添加することもできる。
〔7〕溶剤
本発明の感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶剤に溶かして基板上に塗布する。
溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチレンカーボネート、トルエン、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン等が好ましく、これらの溶剤を単独あるいは混合して使用する。
上記の中でも、好ましい溶剤としてはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−ヘプタノン、γ−ブチロラクトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレンカーボネート、酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフランを挙げることができる。
このようにして、固形分濃度として、通常3〜25質量%、好ましくは5〜22質量%、より好ましくは7〜20質量%として塗布液を調製する。
本発明の感光性組成物による塗布液は、基板上に塗布され、感光性膜を形成する。感光性膜の膜厚は0.2〜1.2μmが好ましい。
基板としては、通常のBareSi基板、SOG基板、あるいは次に記載の無機の反射防止膜を有する基板等を挙げることができる。
また、必要により、市販の無機あるいは有機反射防止膜を使用することができる。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、α−シリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型が用いることができる。前者は膜形成に真空蒸着装置、CVD装置、スパッタリング装置等の設備を必要とする。有機反射防止膜としては、例えば特公平7−69611号記載のジフェニルアミン誘導体とホルムアルデヒド変性メラミン樹脂との縮合体、アルカリ可溶性樹脂、吸光剤からなるものや、米国特許5294680号記載の無水マレイン酸共重合体とジアミン型吸光剤の反応物、特開平6−118631号記載の樹脂バインダーとメチロールメラミン系熱架橋剤を含有するもの、特開平6−118656号記載のカルボン酸基とエポキシ基と吸光基を同一分子内に有するアクリル樹脂型反射防止膜、特開平8−87115号記載のメ
チロールメラミンとベンゾフェノン系吸光剤からなるもの、特開平8−179509号記載のポリビニルアルコール樹脂に低分子吸光剤を添加したもの等が挙げられる。
また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、ARC25、シプレー社製のAC−2、AC−3、AR19、AR20等を使用することもできる。
〔8〕 パターン形成方法
上記のように本発明の感光性組成物は、上記の成分を有機溶剤に溶解し、基板上に塗布して用いる。
例えば、感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布方法により塗布、乾燥し、感光性膜を形成する。基板は前述した反射防止膜を有していてもよい。
感光性膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベークを行い、現像する。
活性光線又は放射線としては、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、電子線等を挙げることができるが、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外光、具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線、電子ビーム等であり、ArFエキシマレーザー、F2エキシマレーザーが最も好ましい。
現像工程において使用するアルカリ現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
〔9〕 パターン形成方法(液浸法)
本発明の感光性組成物は、液浸法に使用する場合に、各成分を所定の有機溶剤に溶解し、次のように所定の支持体上に塗布して用いる。
すなわち、感光性組成物を精密集積回路素子の製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー、コーター等の適当な塗布
方法により、任意の厚み(通常50〜500nm)で塗布する。
塗布後、スピンまたはベークにより塗布された感光性組成物(レジスト)を乾燥し、レジスト膜を形成後、パターン形成のためマスクなどを通し、液浸液を介して露光(液浸露光)する。例えば、レジスト膜と光学レンズの間を液浸液で満たした状態で、露光する。露光量は適宜設定できるが、通常1〜100mJ/cm2である。露光後、好ましくはスピンまたは/かつベークを行い、現像、リンスを行い、良好なパターンを得る。ベーク温度は、通常30〜300℃である。露光からベーク工程までの時間は短いほうがよい。
ここで露光光としては、好ましくは250nm以下、より好ましくは220nm以下の波長の遠紫外線である。具体的には、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、F2エキシマレーザー(157nm)、X線等が挙げられ、ArFエキシマレーザー(193nm)が特に好ましい。
通常、レジストを液浸露光に適用したときに性能上の変化が見られるが、それは、レジスト表面が液浸液に接触していることに由来するものと考えられる。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(D2O)を用いてもよい。
本発明の感光性組成物によるレジスト膜と液浸液との間には、レジスト膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適正、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、さらにレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、レジストへの浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程がレジストの現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、レジストとの非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が解像力が向上する。露光光源が、ArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合においては、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
現像工程では、現像液を次のように用いる。感光性組成物の現像液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
さらに、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
また、現像処理または、リンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
(1)合成法1:ラジカル重合開始剤による重合
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを50/50(モル比)の割合で仕込み、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)/プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)=60/40(質量比)に溶解し、固形分濃度22質量%の溶液450gを調製した。この溶液に重合開始剤(I−1)を8mol加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=60/40(質量比)の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1(質量比)の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(1−1)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b=52/48あった。ポリマー末端へのハロゲン原子(F原子)導入はF−NMRにより確認した。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9800、分散度は1.86であった。
(2)合成法2:連鎖移動剤を使用した重合1
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを50/50(モル比)の割合で仕込み、PGMEA/PGME=60/40(質量比)に溶解し、固形分濃度22質量%の溶液450gを調製した。この溶液に和光純薬工業(株)製V−601を1molと連鎖移動剤(T−1)3mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=60/40(質量比)の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1(質量比)の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(1−2)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b=52/48あった。ポリマー末端へのハロゲン原子(F原子)導入はF−NMRにより確認した。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9200、分散度は1.81であった。
(3)合成法3:連鎖移動剤を使用した重合2
2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンメタクリレートを50/50(モル比)の割合で仕込み、PGMEA/PGME=60/40(質量比)に溶解し、固形分濃度22質量%の溶液450gを調製した。この溶液に重合開始剤(I−1)を1molと連鎖移動剤(T−1)3.5mol%加え、これを窒素雰囲気下、6時間かけて80℃に加熱したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/プロピレングリコールモノメチルエーテル=60/40(質量比)の混合溶液50gに滴下した。滴下終了後、反応液を2時間攪拌した。反応終了後、反応液を室温まで冷却し、ヘキサン/酢酸エチル=9/1(質量比)の混合溶媒5Lに晶析、析出した白色粉体を濾取し、目的物である樹脂(1−3)を回収した。
13CNMRから求めたポリマー組成比(モル比)はa/b=52/48あった。ポリマー末端へのハロゲン原子(F原子)導入はF−NMRにより確認した。また、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は9300、分散度は1.86であった。
以下、上記合成法1〜3に準じて下表1〜2のポリマーを合成した。
〔溶媒〕
S1:PGMEA/PGME(6/4質量比)
S2:シクロヘキサノン
Figure 2006023692
Figure 2006023692
樹脂構造(1)〜(24)は、以下のとおりである。
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
Figure 2006023692
ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤は、以下のとおりである。
Figure 2006023692
V601(和光純薬工業(株)製): ジメチル 2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)
V60(和光純薬工業(株)製): 2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)VE−073HP(和光純薬工業(株)製): 下記に示す化合物である。
Figure 2006023692
〔実施例1〜23及び比較例1〜2〕
<感光性組成物(レジスト)の調製>
下記表3に示す樹脂100g、先に例示した光酸発生剤z14を3g、塩基性化合物N,N−ジヒドロキシエチルアニリン0.3g、界面活性剤トロイゾルS−366 (トロイケミカル(株)製)100ppm(溶剤を含む全組成物中)、溶媒(PGMEA/PGME=6/4質量比)1.2kgにて、調液後孔径0.03μmのポリエチレンフィルターを使用し濾過し、各レジストを得た。
<レジスト評価>
スピンコーターにてシリコンウエハ上にブリューワーサイエンス社製ARC29Aを78nm均一に塗布し、205℃で60秒間加熱乾燥を行い、反射防止膜を形成させた。その後、調製直後の各感光性組成物をスピンコーターで塗布し、下記に示す温度(PB温度)で90秒乾燥を行い300nmのレジスト膜を形成させた。
このレジスト膜に対し、マスクを通してArFエキシマレーザーステッパー(ASML社製 PAS5500/1100 NA=0.75(2/3輪帯照明))で露光し、露光後直ちに下記に示す温度(PEB温度)で90秒間ホットプレート上で加熱した。さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、乾燥し、レジストパターンを得た。
PB及びPEB温度は、以下のとおりである。
使用した樹脂構造が(1)、(2)、(5)、(6)、(8)、(10)、(12)〜(14)、(16)、(17)、(18)であるものについては、PB/PEB=130℃/130℃、樹脂構造が(3)、(4)、(7)、(9)、(11)、(15)、(19)、(20)であるものについては、PB/PEB=115℃/120℃である。
〔経時前後の現像欠陥評価〕
調液後23℃で1ヶ月経時後の現像欠陥評価を行い、経時前後の現像欠陥結果の差をカウントした。現像欠陥評価結果は調液直後、経時後、n=5(5回)実施し、一番多い値と少ない値を除く3つの値の平均値を採用した。従って経時前後の現像欠陥結果の差はその平均値の差である。
現像欠陥の増加数=経時後の現像欠陥数(平均値)−経時前の現像欠陥数(平均値)
Figure 2006023692
表3の結果より、本発明の感光性組成物は、経時後での現像欠陥の発生が極めて少ないことがわかる。
〔実施例24〜46及び比較例3〕
<感光性組成物(レジスト)の調製>
下記表4に示す樹脂100g、先に例示した光酸発生剤z14を3g、塩基性化合物2,6−ジイソプロピルアニリン0.3g、界面活性剤トロイゾルS−366 (トロイケミカル(株)製)100ppm(溶剤を含む全組成物中)、溶媒(PGMEA/PGME=6/4質量比)1.2kgにて、調液後孔径0.03μmのポリエチレンフィルターを使用し濾過し、各感光性組成物(レジスト)を得た。
<レジスト評価>
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃、60秒間ベークを行い78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感光性組成物を塗布し、下記に示す温度(PB温度)で90秒間乾燥を行い、300nmのレジスト膜を形成した。得られたウエハーにパドルを形成させながら60秒間純水処理した後、ArFエキシマレーザースキャナー(ASLM社製 PAS5500/1100、NA0.75)を用いパターン露光した。さらに露光直後も60秒間純水処理を行った。その後、下記に示す温度(PEB温度)で90秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で60秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
PB及びPEB温度は、以下のとおりである。
使用した樹脂構造が(1)、(2)、(5)、(6)、(8)、(10)、(12)〜(14)、(16)、(17)、(18)、(21)、(23)であるものについては、PB/PEB=130℃/130℃、樹脂構造が(3)、(4)、(7)、(9)、(11)、(15)、(19)、(20)、(22)、(24)であるものについては、PB/PEB=115℃/120℃である。
〔経時前後の現像欠陥評価〕
調液後23℃で1ヶ月経時後の現像欠陥評価を行い、経時前後の現像欠陥結果の差をカウントした。現像欠陥評価結果は調液直後、経時後、n=5(5回)実施し、一番多い値と少ない値を除く3つの値の平均値を採用した。従って経時前後の現像欠陥結果の差はその平均値の差である。
現像欠陥の増加数=経時後の現像欠陥数(平均値)−経時前の現像欠陥数(平均値)
〔水追随性評価〕
8インチシリコンウエハー上に調製した感光性組成物を塗布し、115℃で、60秒間ベークを行い、150nmのレジスト膜を形成した。次に、図1に示すように、得られた感光性組成物塗布済ウェハー1の中心部に蒸留水15mlをピペットで垂らした。その蒸留水パドル上へ凧糸2付きの10cm角石英板3を乗せてウェハー1と石英板3のすき間全面を蒸留水4で満たす状態にした。
次に、ウェハー1を固定した状態で石英板3に付いた凧糸2を速度30cm/秒で回転するモーター5の回転部に巻きつけ、0.5秒間モーター5のスイッチを入れて石英板3を移動させた。石英板3の移動後、石英板3の下に残った蒸留水の量を次のような基準で判断し、水追従性の指標とした。
図2中、(a)〜(d)は、石英板移動後、石英板3を上から観察した様々なパターンを模式的に示したものであり、斜線部6は石英板3の下に残った蒸留水の領域を、空白部7は石英板3の移動に蒸留水が追従できず空気が入ってしまった領域である。
(a)に示すように、石英板移動後も石英板3の全面に蒸留水が残っているものを○、(b)に示すように空気の入る面積が石英板の面積に対して1割程度に留まるものを△、(c)、(d)に示すように空気の入る面積が石英板の面積に対して2割以上のものを×とした。
評価結果を表4に示す。
Figure 2006023692
表4から、本発明の感光性組成物は、経時後での現像欠陥の発生が極めて少なく、且つ
液浸液追随性に優れていることが明らかである。
石英板への水追随性を評価している状態を示す概略図である。 石英板への水追随性を示す概略図である。
符号の説明
1 感光性組成物塗布ウエハー
2 凧糸
3 石英板
4 蒸留水
5 モーター
6 石英板の下に蒸留水が残った領域
7 石英板の下に空気が入った領域

Claims (3)

  1. (A)分子鎖の少なくとも一方の末端に下記構造式(1)で表される基を有する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解速度が増加する樹脂、及び、(B)活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物を含有することを特徴とする感光性組成物。
    Figure 2006023692
    一般式(1)に於いて、
    1は、ハロゲン原子又は少なくとも一つのハロゲン原子が置換した炭化水素基を表す。
    2及びR3は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子又は炭化水素基を表す。
  2. 樹脂(A)が、脂環およびラクトン環を有することを特徴とする請求項1に記載の感光性組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の感光性組成物より感光性膜を形成し、該感光性膜を露光、現像することを特徴とするパターン形成方法。
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