JP2006023321A - 撮像レンズ、撮像ユニット、及び小型電子カメラ - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズ全体を小型化、薄型化することのできる撮像レンズを提供すること。
【解決手段】物体(被写体)位置から像面に向かって絞り11,撮像レンズである凸レンズ22、CCD14のフェースプレートに等価な平板13で構成し、上記凸レンズ22に赤外領域を吸収するレンズ材料を使用し、一方のレンズ面に高周波成分を除去するための位相格子210を形成する。
【選択図】 図2
【解決手段】物体(被写体)位置から像面に向かって絞り11,撮像レンズである凸レンズ22、CCD14のフェースプレートに等価な平板13で構成し、上記凸レンズ22に赤外領域を吸収するレンズ材料を使用し、一方のレンズ面に高周波成分を除去するための位相格子210を形成する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像レンズ、撮像ユニット、及び小型電子カメラに関し、特に、携帯電話やPDAなど情報機器の画像入力手段となる撮像素子を用いた電子カメラ用の撮像レンズの小型化、低価格化を図ったものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の通信技術の進歩により、文字情報や音声情報のみならず映像情報も相互に通信が可能になってきている。このため、携帯電話やPDA(携帯情報端末)などの通信機器にもCCDやCMOSセンサーを用いた小型カメラが搭載されるようになってきた。この分野の小型カメラは携帯に適した超小型、超薄型化、さらに安価であることが強く求められている。
【0003】
ところが、上述したCCDやCMOSセンサーなどの撮像素子は、画像を2次元でサンプリングするため、サンプリング周波数の2分の1以上の高周波は偽信号となってしまい、そのような高周波成分をあらかじめ除去するため、水晶の光学ローパスフィルターがレンズ素子と撮像素子との間に必要となっていた。また、上記撮像素子は可視域だけでなく長波長側でも感度を持っているため、長波長の赤外領域は遮断しなければならず、このため赤外領域を吸収する赤外カットフィルターなどを組み込む必要があった。
【0004】
この2種類のフィルターの必要性により、撮像ユニットの小型化や低価格化が制約されていた。そして、この問題に対して、例えば、特開平8−201729号公報では、平板の赤外遮蔽板にプラスチックの材料でレンズおよび光学ローパスフィルターの役割をする位相格子を貼り合わせて一体に形成する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の撮像レンズは以上のように構成されており、特開平8−201729号公報に示された光学素子では、各機能素子を貼り合わせて一体にするため小型化は図れる方向であるが、個々の素子は独立して作成されて貼り合わされるため、個々の機能素子ごとに必要な厚みは変わらず、さらなる小型化、低価格化が難しいという問題点があった。
【0006】
また、プラスチックレンズの場合、材質によっては、反射防止膜の形成が難しい場合もあり、レンズの歩留まりを向上しにくい原因にもなっていた。
【0007】
本発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、レンズ全体を小型化、薄型化するとともに、低価格化を実現することのできる撮像レンズ、及び該撮像レンズを用いた撮像ユニット、小型電子カメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1にかかる撮像レンズは、被写体像を撮像素子に結像させる撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズで構成したものである。
【0009】
また、この発明の請求項2にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズよりも被写体側に絞りを備え、上記凸レンズの焦点距離fと、凸レンズの被写体側の曲率半径r1とが、−0.6<f/r1<0の条件を満足するものである。
【0010】
また、本発明の請求項3にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズは、その被写体側のレンズ面が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径R10と、外周部の局所的曲率半径R11とが、|R11|/|R10|<0.4の条件を満足するものである。
【0011】
また、本発明の請求項4にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズは、その像面側のレンズ面が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径R20と、外周部の局所的曲率半径R21とが、0.9<|R21|/|R20|<1.2の条件を満足するものである。
【0012】
また、本発明の請求項5にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズの、被写体側もしくは像面側のいずれかの面に光学的ローパスフィルターの作用を持つ位相格子が形成されているものである。
【0013】
また、本発明の請求項6にかかる撮像レンズは、上記請求項5記載の撮像レンズにおいて、上記位相格子は、上記凸レンズの被写体側の面上に少なくとも1方向に周期的な構造で形成されるものである。
【0014】
また、本発明の請求項7にかかる撮像レンズは、上記請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズの被写体側もしくは像面側の両面に反射防止膜を形成したものである。
【0015】
また、本発明の請求項8にかかる撮像ユニットは、被写体像を撮像素子と撮像レンズとを有する撮像ユニットにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズからなる撮像レンズと、上記撮像レンズと接合し、上記撮像素子を封止するレンズ部材とを備えたものである。
【0016】
また、本発明の請求項9にかかる小型電子カメラは、請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像レンズを用いて構成されたものである。
【0017】
また、本発明の請求項10にかかる小型電子カメラは、請求項8記載の撮像ユニットを用いて構成されたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる撮像レンズについて説明する。図1は本実施の形態1の撮像レンズである非球面ズームレンズを中心とした撮像部の構成を示す図である。図において、12は凸レンズであり、赤外領域を吸収するレンズ材料が使用されており、このため、被写体像をCCD14に結像させるレンズ作用に加え、赤外領域の光を遮断する機能を有している。また、この凸レンズ12は、被写体から見て、絞り11の後方に近接して配置されている。これにより凸レンズ1枚でも、特に倍率の色収差の発生を極力少なくすることができる。また、13はCCD14のフェースプレートに等価な平板である。
【0019】
さらに、レンズ両面には反射防止膜15がコーティングされており、透過率を向上させるとともに、レンズ面の保護の役割を果たしている。上記凸レンズ12の焦点距離をf、物体(被写体)側の面12aの曲率半径をr1としたとき、条件式(1)として、
−0.6<f/r1<0・・・(1)
の関係を満足することが好ましい。上記条件式(1)は、物体側の面のパワーに関するものであり、下限を越えると非点格差が大きくなり、上限を越えると像面湾曲が補正できなくなる。
【0020】
また、凸レンズ12の物体側のレンズ面12aが非球面であることが好ましく、さらにこのレンズ面12aの光軸近傍の局所的曲率半径をR10、外周部の局所的曲率半径をR11としたとき、以下の条件式、
|R11|/|R10|<0.4・・・(2)
の関係を満足することが望ましい。なお、上記条件式(2)を満足しない場合、すなわち、上限を越えると特に非点格差が大きくなり、良好な収差補正が得られなくなる。
【0021】
また、凸レンズ12の像面側のレンズ面12bが非球面であることが好ましく、さらに、このレンズ面の光軸近傍の局所的曲率半径をR20、外周部の局所的曲率半径をR21としたとき、以下の条件式、
0.9<|R21|/|R20|<1.2・・・(3)
の関係を満足することが望ましい。なお、上記条件式(3)を満足しない場合、すなわち、下限を越えると球面収差が補正不足となる。また、上限を越えると球面収差が補正過剰となると同時にコマ収差が発生し、良好な収差補正ができなくなる。
【0022】
なお、凸レンズ12は超小型の非球面レンズを安価に製造するため、金型の形状を転写するプレス成形で製造されることが好ましい。また、上記レンズの両面に反射防止膜15を形成したが、透過率向上、レンズの保護の面から考えて、反射防止膜15は、レンズ片面よりも両面に形成するのが好ましい。
【0023】
以下、上記条件式(1)〜(3)を満たした撮像レンズの具体例を、それぞれ、条件式の満足する範囲でパラメータを変えたものを3通り示す。
【0024】
(具体例1)
上記凸レンズ12の具体例を表1に示す。表1において、R(mm)はレンズの曲率半径、d(mm)はレンズの肉厚またはレンズの空気間隔、nは各レンズのd線に対する屈折率、νは各レンズのd線に対するアッベ数を示している(以下の具体例2〜3についても同じ)。また、F1〜F4はそれぞれ、例えば、図1においては、レンズ12の被写体側の面をF1とし、レンズ12の像面側の面をF2とし、平板13の被写体側の面をF3とし、平板13の像面側の面をF4としている。
【0025】
【表1】
また、非球面形状は以下の数1で定義している(以下の具体例2〜3についても同じ)。
【0026】
【数1】
上記具体例1の非球面ズームレンズの非球面形状を以下の表2に示す。
【表2】
具体例1は、表3に示したように、凸レンズの焦点距離に対して、物体側の面の曲率半径が上述した条件式(1)を満足し、像面湾曲、非点格差が良好に補正されている。また、物体側の面の非球面形状が条件式(2)を満足しており、条件式(1)と合わせて像面湾曲が良好に補正されている。さらに像側の面の非球面形状が条件式(3)を満足しており、球面収差、コマ収差が良好に補正されている。
【0027】
【表3】
図5に上記表1に示した撮像レンズの収差性能図を示す。なお、図5(a)はd線に対する球面収差の図である。また、図5(b)は、非点収差の図であって、実線はサジタル像面湾曲を示し、点線はメリディオナル像面湾曲を示す。さらに、図5(c)は歪曲収差を示す図、図5(d)は軸上色収差を示す図であって、それぞれにおいて、実線はd線、点線はF線、波線はC線に対する値を示す。また、図5(e)は倍率色収差の図であって、点線はF線、波線はC線に対する値を示す。なお、以上の図5(a)〜(e)の(a)〜(e)における図中の記号などの説明は、以降の図面についても同じである。
図5から分かるように、具体例1に係わる撮像レンズは良好な収差性能を示している。
【0028】
(具体例2)
以下の表4に、上記撮像レンズのもう一つの具体例2を示す。また、この具体例2の撮像レンズの非球面形状を以下の表5に示す。
【0029】
【表4】
【表5】
具体例2は、表6に示したように、上述した条件式(1)〜(3)を満たしている。
【表6】
上記表4に示した撮像レンズにおいても、図6の収差性能図から分かるように、良好な収差性能を示している。
【0030】
(具体例3)
さらに、以下の表7に、上記撮像レンズのもう一つの具体例3を示す。また、この具体例3の撮像レンズの非球面形状を以下の表8に示す。
【0031】
【表7】
【表8】
具体例3は、表9に示したように、上述した条件式(1)〜(3)を満たしている。
【表9】
上記表7に示した撮像レンズは、図7の収差性能図から分かるように、良好な収差性能を示している。
【0032】
このように本実施の形態1によれば、被写体像をCCD14に結像させるレンズとして、赤外領域を遮蔽する材料を用いて形成することで、一つの部材のみの加工となるため低価格化を実現することができる。
【0033】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2による撮像レンズについて説明する。図2は、本実施の形態2に係る撮像レンズである非球面ズームレンズを中心とした撮像部の構成を示す図である。図において、図1と同一符号は同一、または相当部分を示し、22は凸レンズであり上記実施の形態1と同様に、赤外領域を吸収するレンズ材料が使用されており、また、物体(被写体)側の面22aには光学的ローパスフィルターの作用を持つ、1方向に周期的な構造の位相格子210が形成されている。この構成により、赤外遮蔽の機能に加え、画像高周波成分の抑圧も1枚の凸レンズ22で実現することができる。
【0034】
上記凸レンズ22は実施の形態1と同様に、上述した条件式(3)を満足することが好ましく、また、位相格子210の周期構造を除去したレンズ面に対して上述した条件式(1)、(2)を満足することが好ましい。さらに、位相格子210は、上記条件式(1)、(2)を満足する面形状に沿って台形形状の周期構造が形成されることが好ましい。
【0035】
なお、凸レンズ22の物体(被写体)側の面22aの方が、レンズの曲率がゆるく、製造が容易なため、この面に位相格子210を形成する方が好ましいが、像面側のレンズ面22bに形成してもよい。
【0036】
また、上記実施の形態1と同様に、凸レンズ22は超小型の異形レンズを安価に製造するため、金型の形状を転写するプレス成形で製造されることが好ましい。
【0037】
さらに、実施の形態1と同様に、レンズ22の両面には反射防止膜をコーティングし、透過率を向上させるとともに、レンズ面の保護をするようにしてもよい。
【0038】
また、撮像素子(CCD14)を、凸レンズ22もしくは凸レンズ22と一体のレンズ部材(図示せず)で封止される構成にすることで撮像ユニット全体の小型化を図ることができる。
【0039】
このように本実施の形態2によれば、被写体像をCCD14に結像させるレンズとして、赤外領域を遮蔽する材料を用いて形成するとともに、被写体側の面22aに位相格子210を形成したので、一つの部材のみの加工で、赤外カットフィルターと光学ローパスフィルターを形成することができ、一つの部材のみの加工となるため低価格化を実現することができる。
【0040】
特に赤外遮蔽用の材料は、薄くすると赤外の遮蔽効果が弱くなるため、ある程度の厚みが必要であり、その板厚が本来レンズの結像作用に必要な凸レンズのレンズ厚によって不要となるため、超薄型でかつ簡単な構成とすることができる。
【0041】
また、上記構成を有する撮像レンズを用いることにより、超小型で安価な情報機器用の電子カメラを実現することができる。
【0042】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3にかかる撮像レンズユニットについて説明する。図3は、本実施の形態3かかる、撮像レンズである非球面ズームレンズをユニット化した一例を示す図である。図において、31は被写体側に位相格子310を有する凸レンズ、32は撮像素子であるCCDであり、上記凸レンズ31とCCD32とは、ホルダー33で接合され、凸レンズ31とCCD32との間の空間が密閉されている構造となっている。そしてこの密閉された空間34中には、結露などを防ぐためガスが封入されている。
【0043】
以上のような構成とすることで、上記実施の形態1,2に比べて、CCDのフェースプレートも不要となり、さらに小型化を図ることができる
【0044】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4にかかる電子カメラについて説明する。図4は、本実施の形態4に係る、撮像レンズを使用した電子カメラの一例を示している。本実施の形態4は、上記実施の形態1,2で述べた撮像レンズ、あるいは実施の形態3で述べた撮像レンズユニットを含む撮像ユニット41と、撮像素子であるCCD42と、該CCD42で得られた画像信号を処理するための信号処理回路43とから構成されており、これにより、超小型の電子カメラを実現することができる。
さらに、撮像素子としてCMOSセンサーを用いれば、CCD42、信号処理回路43は1チップで実現でき、さらに小型化が図れる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1にかかる撮像レンズによれば、この発明の請求項1にかかる撮像レンズは、被写体像を撮像素子に結像させる撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズで構成したので、同じ部材でレンズの結像作用と赤外遮蔽作用を同時に実現でき、レンズ全体を小型化、薄型化するとともに、部材の加工が簡略化され低価格化が実現され、安価な撮像レンズ、およびレンズユニットが提供でき、さらに本撮像レンズを用いた超小型の電子カメラを安価に提供することができるという効果が得られる。
【0046】
また、本発明の請求項2にかかる撮像レンズによれば、上記請求項1にかかる撮像レンズにおいて、凸レンズより被写体側に絞りが配置され、凸レンズの焦点距離をf、凸レンズの物体側の曲率半径をr1としたとき、−0.6<f/r1<0の関係を満足することにより、凸レンズ1枚で色収差、像面湾曲を含む諸収差を良好に補正することができるという効果が得られる。
【0047】
また、本発明の請求項3にかかる撮像レンズは、上記請求項1にかかる撮像レンズにおいて、凸レンズは物体側が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径をR10、外周部の局所的曲率半径をR11としたとき、|R11|/|R10|<0.4の関係を満足することにより、非点収差および像面湾曲を良好に補正することができるという効果が得られる。
【0048】
また、本発明の請求項4に係る撮像レンズによれば、凸レンズは像面側が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径をR20、外周部の局所的曲率半径をR21としたとき0.9<|R21|/|R20|<1.2の関係を満足することにより、球面収差およびコマ収差を良好に補正することができるという効果が得られる。
【0049】
また、本発明の請求項5にかかる撮像レンズによれば、上記請求項1にかかる撮像レンズにおいて、凸レンズのいずれかの面に光学的ローパスフィルターの作用を持つ、位相格子を形成したので、赤外遮蔽の機能に加え、画像高周波成分の抑圧も1枚の凸レンズで実現できるため、レンズユニットはさらに小型化、低価格化できるという効果が得られる。
【0050】
また、本発明の請求項6にかかる撮像レンズは、上記請求項5記載の撮像レンズにおいて、凸レンズの被写体側の面上に少なくとも1方向に周期的な構造で形成することで、凸レンズを用いて画像高周波成分の抑圧を行うことができるという効果が得られる。
【0051】
また、本発明の請求項7にかかる撮像レンズは、上記請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズの被写体側もしくは像面側の両面に反射防止膜を形成するようにしたので、透過率を向上できるとともに、レンズ面の保護を行うことができるという効果が得られる。
【0052】
また、本発明の請求項8にかかる撮像ユニットは、被写体像を撮像素子と撮像レンズとを有する撮像ユニットにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズからなる撮像レンズと、上記撮像レンズと接合し、上記撮像素子を封止するレンズ部材とを備えたものとしたので、撮像ユニット全体を小型化でき、かつ低価格化を図ることができるという効果が得られる。
【0053】
また、本発明の請求項9にかかる小型電子カメラは、請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像レンズを用いて構成したので、超小型で安価な情報機器用の電子カメラを提供することができるという効果が得られる。
【0054】
また、本発明の請求項10にかかる小型電子カメラは、請求項8記載の撮像ユニットを用いて構成したので、超小型で安価な情報機器用の電子カメラを提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る撮像レンズの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る撮像レンズの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る撮像レンズユニットの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態4に係る電子カメラの撮像レンズユニットを中心とした構成を示す図である。
【図5】上記実施の形態1における撮像レンズの具体例1による撮像レンズの収差を示す図である。
【図6】上記実施の形態1における撮像レンズの具体例2による撮像レンズの収差を示す図である。
【図7】上記実施の形態1における撮像レンズの具体例3による撮像レンズの収差を示す図である。
【符号の説明】
11 絞り
12,22,31,41 凸レンズ
12a,22a 被写体側のレンズ面
12b,22b 像面側のレンズ面
13 平板
14,32,42 CCD(撮像素子)
15 反射防止膜
210,310 位相格子
33 ホルダー
34 密閉された空間
41 撮像ユニット
43 信号処理回路
【発明の属する技術分野】
本発明は撮像レンズ、撮像ユニット、及び小型電子カメラに関し、特に、携帯電話やPDAなど情報機器の画像入力手段となる撮像素子を用いた電子カメラ用の撮像レンズの小型化、低価格化を図ったものに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の通信技術の進歩により、文字情報や音声情報のみならず映像情報も相互に通信が可能になってきている。このため、携帯電話やPDA(携帯情報端末)などの通信機器にもCCDやCMOSセンサーを用いた小型カメラが搭載されるようになってきた。この分野の小型カメラは携帯に適した超小型、超薄型化、さらに安価であることが強く求められている。
【0003】
ところが、上述したCCDやCMOSセンサーなどの撮像素子は、画像を2次元でサンプリングするため、サンプリング周波数の2分の1以上の高周波は偽信号となってしまい、そのような高周波成分をあらかじめ除去するため、水晶の光学ローパスフィルターがレンズ素子と撮像素子との間に必要となっていた。また、上記撮像素子は可視域だけでなく長波長側でも感度を持っているため、長波長の赤外領域は遮断しなければならず、このため赤外領域を吸収する赤外カットフィルターなどを組み込む必要があった。
【0004】
この2種類のフィルターの必要性により、撮像ユニットの小型化や低価格化が制約されていた。そして、この問題に対して、例えば、特開平8−201729号公報では、平板の赤外遮蔽板にプラスチックの材料でレンズおよび光学ローパスフィルターの役割をする位相格子を貼り合わせて一体に形成する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の撮像レンズは以上のように構成されており、特開平8−201729号公報に示された光学素子では、各機能素子を貼り合わせて一体にするため小型化は図れる方向であるが、個々の素子は独立して作成されて貼り合わされるため、個々の機能素子ごとに必要な厚みは変わらず、さらなる小型化、低価格化が難しいという問題点があった。
【0006】
また、プラスチックレンズの場合、材質によっては、反射防止膜の形成が難しい場合もあり、レンズの歩留まりを向上しにくい原因にもなっていた。
【0007】
本発明は以上のような問題点を解消するためになされたもので、レンズ全体を小型化、薄型化するとともに、低価格化を実現することのできる撮像レンズ、及び該撮像レンズを用いた撮像ユニット、小型電子カメラを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1にかかる撮像レンズは、被写体像を撮像素子に結像させる撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズで構成したものである。
【0009】
また、この発明の請求項2にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズよりも被写体側に絞りを備え、上記凸レンズの焦点距離fと、凸レンズの被写体側の曲率半径r1とが、−0.6<f/r1<0の条件を満足するものである。
【0010】
また、本発明の請求項3にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズは、その被写体側のレンズ面が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径R10と、外周部の局所的曲率半径R11とが、|R11|/|R10|<0.4の条件を満足するものである。
【0011】
また、本発明の請求項4にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズは、その像面側のレンズ面が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径R20と、外周部の局所的曲率半径R21とが、0.9<|R21|/|R20|<1.2の条件を満足するものである。
【0012】
また、本発明の請求項5にかかる撮像レンズは、上記請求項1記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズの、被写体側もしくは像面側のいずれかの面に光学的ローパスフィルターの作用を持つ位相格子が形成されているものである。
【0013】
また、本発明の請求項6にかかる撮像レンズは、上記請求項5記載の撮像レンズにおいて、上記位相格子は、上記凸レンズの被写体側の面上に少なくとも1方向に周期的な構造で形成されるものである。
【0014】
また、本発明の請求項7にかかる撮像レンズは、上記請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズの被写体側もしくは像面側の両面に反射防止膜を形成したものである。
【0015】
また、本発明の請求項8にかかる撮像ユニットは、被写体像を撮像素子と撮像レンズとを有する撮像ユニットにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズからなる撮像レンズと、上記撮像レンズと接合し、上記撮像素子を封止するレンズ部材とを備えたものである。
【0016】
また、本発明の請求項9にかかる小型電子カメラは、請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像レンズを用いて構成されたものである。
【0017】
また、本発明の請求項10にかかる小型電子カメラは、請求項8記載の撮像ユニットを用いて構成されたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1にかかる撮像レンズについて説明する。図1は本実施の形態1の撮像レンズである非球面ズームレンズを中心とした撮像部の構成を示す図である。図において、12は凸レンズであり、赤外領域を吸収するレンズ材料が使用されており、このため、被写体像をCCD14に結像させるレンズ作用に加え、赤外領域の光を遮断する機能を有している。また、この凸レンズ12は、被写体から見て、絞り11の後方に近接して配置されている。これにより凸レンズ1枚でも、特に倍率の色収差の発生を極力少なくすることができる。また、13はCCD14のフェースプレートに等価な平板である。
【0019】
さらに、レンズ両面には反射防止膜15がコーティングされており、透過率を向上させるとともに、レンズ面の保護の役割を果たしている。上記凸レンズ12の焦点距離をf、物体(被写体)側の面12aの曲率半径をr1としたとき、条件式(1)として、
−0.6<f/r1<0・・・(1)
の関係を満足することが好ましい。上記条件式(1)は、物体側の面のパワーに関するものであり、下限を越えると非点格差が大きくなり、上限を越えると像面湾曲が補正できなくなる。
【0020】
また、凸レンズ12の物体側のレンズ面12aが非球面であることが好ましく、さらにこのレンズ面12aの光軸近傍の局所的曲率半径をR10、外周部の局所的曲率半径をR11としたとき、以下の条件式、
|R11|/|R10|<0.4・・・(2)
の関係を満足することが望ましい。なお、上記条件式(2)を満足しない場合、すなわち、上限を越えると特に非点格差が大きくなり、良好な収差補正が得られなくなる。
【0021】
また、凸レンズ12の像面側のレンズ面12bが非球面であることが好ましく、さらに、このレンズ面の光軸近傍の局所的曲率半径をR20、外周部の局所的曲率半径をR21としたとき、以下の条件式、
0.9<|R21|/|R20|<1.2・・・(3)
の関係を満足することが望ましい。なお、上記条件式(3)を満足しない場合、すなわち、下限を越えると球面収差が補正不足となる。また、上限を越えると球面収差が補正過剰となると同時にコマ収差が発生し、良好な収差補正ができなくなる。
【0022】
なお、凸レンズ12は超小型の非球面レンズを安価に製造するため、金型の形状を転写するプレス成形で製造されることが好ましい。また、上記レンズの両面に反射防止膜15を形成したが、透過率向上、レンズの保護の面から考えて、反射防止膜15は、レンズ片面よりも両面に形成するのが好ましい。
【0023】
以下、上記条件式(1)〜(3)を満たした撮像レンズの具体例を、それぞれ、条件式の満足する範囲でパラメータを変えたものを3通り示す。
【0024】
(具体例1)
上記凸レンズ12の具体例を表1に示す。表1において、R(mm)はレンズの曲率半径、d(mm)はレンズの肉厚またはレンズの空気間隔、nは各レンズのd線に対する屈折率、νは各レンズのd線に対するアッベ数を示している(以下の具体例2〜3についても同じ)。また、F1〜F4はそれぞれ、例えば、図1においては、レンズ12の被写体側の面をF1とし、レンズ12の像面側の面をF2とし、平板13の被写体側の面をF3とし、平板13の像面側の面をF4としている。
【0025】
【表1】
また、非球面形状は以下の数1で定義している(以下の具体例2〜3についても同じ)。
【0026】
【数1】
上記具体例1の非球面ズームレンズの非球面形状を以下の表2に示す。
【表2】
具体例1は、表3に示したように、凸レンズの焦点距離に対して、物体側の面の曲率半径が上述した条件式(1)を満足し、像面湾曲、非点格差が良好に補正されている。また、物体側の面の非球面形状が条件式(2)を満足しており、条件式(1)と合わせて像面湾曲が良好に補正されている。さらに像側の面の非球面形状が条件式(3)を満足しており、球面収差、コマ収差が良好に補正されている。
【0027】
【表3】
図5に上記表1に示した撮像レンズの収差性能図を示す。なお、図5(a)はd線に対する球面収差の図である。また、図5(b)は、非点収差の図であって、実線はサジタル像面湾曲を示し、点線はメリディオナル像面湾曲を示す。さらに、図5(c)は歪曲収差を示す図、図5(d)は軸上色収差を示す図であって、それぞれにおいて、実線はd線、点線はF線、波線はC線に対する値を示す。また、図5(e)は倍率色収差の図であって、点線はF線、波線はC線に対する値を示す。なお、以上の図5(a)〜(e)の(a)〜(e)における図中の記号などの説明は、以降の図面についても同じである。
図5から分かるように、具体例1に係わる撮像レンズは良好な収差性能を示している。
【0028】
(具体例2)
以下の表4に、上記撮像レンズのもう一つの具体例2を示す。また、この具体例2の撮像レンズの非球面形状を以下の表5に示す。
【0029】
【表4】
【表5】
具体例2は、表6に示したように、上述した条件式(1)〜(3)を満たしている。
【表6】
上記表4に示した撮像レンズにおいても、図6の収差性能図から分かるように、良好な収差性能を示している。
【0030】
(具体例3)
さらに、以下の表7に、上記撮像レンズのもう一つの具体例3を示す。また、この具体例3の撮像レンズの非球面形状を以下の表8に示す。
【0031】
【表7】
【表8】
具体例3は、表9に示したように、上述した条件式(1)〜(3)を満たしている。
【表9】
上記表7に示した撮像レンズは、図7の収差性能図から分かるように、良好な収差性能を示している。
【0032】
このように本実施の形態1によれば、被写体像をCCD14に結像させるレンズとして、赤外領域を遮蔽する材料を用いて形成することで、一つの部材のみの加工となるため低価格化を実現することができる。
【0033】
(実施の形態2)
次に本発明の実施の形態2による撮像レンズについて説明する。図2は、本実施の形態2に係る撮像レンズである非球面ズームレンズを中心とした撮像部の構成を示す図である。図において、図1と同一符号は同一、または相当部分を示し、22は凸レンズであり上記実施の形態1と同様に、赤外領域を吸収するレンズ材料が使用されており、また、物体(被写体)側の面22aには光学的ローパスフィルターの作用を持つ、1方向に周期的な構造の位相格子210が形成されている。この構成により、赤外遮蔽の機能に加え、画像高周波成分の抑圧も1枚の凸レンズ22で実現することができる。
【0034】
上記凸レンズ22は実施の形態1と同様に、上述した条件式(3)を満足することが好ましく、また、位相格子210の周期構造を除去したレンズ面に対して上述した条件式(1)、(2)を満足することが好ましい。さらに、位相格子210は、上記条件式(1)、(2)を満足する面形状に沿って台形形状の周期構造が形成されることが好ましい。
【0035】
なお、凸レンズ22の物体(被写体)側の面22aの方が、レンズの曲率がゆるく、製造が容易なため、この面に位相格子210を形成する方が好ましいが、像面側のレンズ面22bに形成してもよい。
【0036】
また、上記実施の形態1と同様に、凸レンズ22は超小型の異形レンズを安価に製造するため、金型の形状を転写するプレス成形で製造されることが好ましい。
【0037】
さらに、実施の形態1と同様に、レンズ22の両面には反射防止膜をコーティングし、透過率を向上させるとともに、レンズ面の保護をするようにしてもよい。
【0038】
また、撮像素子(CCD14)を、凸レンズ22もしくは凸レンズ22と一体のレンズ部材(図示せず)で封止される構成にすることで撮像ユニット全体の小型化を図ることができる。
【0039】
このように本実施の形態2によれば、被写体像をCCD14に結像させるレンズとして、赤外領域を遮蔽する材料を用いて形成するとともに、被写体側の面22aに位相格子210を形成したので、一つの部材のみの加工で、赤外カットフィルターと光学ローパスフィルターを形成することができ、一つの部材のみの加工となるため低価格化を実現することができる。
【0040】
特に赤外遮蔽用の材料は、薄くすると赤外の遮蔽効果が弱くなるため、ある程度の厚みが必要であり、その板厚が本来レンズの結像作用に必要な凸レンズのレンズ厚によって不要となるため、超薄型でかつ簡単な構成とすることができる。
【0041】
また、上記構成を有する撮像レンズを用いることにより、超小型で安価な情報機器用の電子カメラを実現することができる。
【0042】
(実施の形態3)
次に本発明の実施の形態3にかかる撮像レンズユニットについて説明する。図3は、本実施の形態3かかる、撮像レンズである非球面ズームレンズをユニット化した一例を示す図である。図において、31は被写体側に位相格子310を有する凸レンズ、32は撮像素子であるCCDであり、上記凸レンズ31とCCD32とは、ホルダー33で接合され、凸レンズ31とCCD32との間の空間が密閉されている構造となっている。そしてこの密閉された空間34中には、結露などを防ぐためガスが封入されている。
【0043】
以上のような構成とすることで、上記実施の形態1,2に比べて、CCDのフェースプレートも不要となり、さらに小型化を図ることができる
【0044】
(実施の形態4)
次に本発明の実施の形態4にかかる電子カメラについて説明する。図4は、本実施の形態4に係る、撮像レンズを使用した電子カメラの一例を示している。本実施の形態4は、上記実施の形態1,2で述べた撮像レンズ、あるいは実施の形態3で述べた撮像レンズユニットを含む撮像ユニット41と、撮像素子であるCCD42と、該CCD42で得られた画像信号を処理するための信号処理回路43とから構成されており、これにより、超小型の電子カメラを実現することができる。
さらに、撮像素子としてCMOSセンサーを用いれば、CCD42、信号処理回路43は1チップで実現でき、さらに小型化が図れる。
【0045】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1にかかる撮像レンズによれば、この発明の請求項1にかかる撮像レンズは、被写体像を撮像素子に結像させる撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズで構成したので、同じ部材でレンズの結像作用と赤外遮蔽作用を同時に実現でき、レンズ全体を小型化、薄型化するとともに、部材の加工が簡略化され低価格化が実現され、安価な撮像レンズ、およびレンズユニットが提供でき、さらに本撮像レンズを用いた超小型の電子カメラを安価に提供することができるという効果が得られる。
【0046】
また、本発明の請求項2にかかる撮像レンズによれば、上記請求項1にかかる撮像レンズにおいて、凸レンズより被写体側に絞りが配置され、凸レンズの焦点距離をf、凸レンズの物体側の曲率半径をr1としたとき、−0.6<f/r1<0の関係を満足することにより、凸レンズ1枚で色収差、像面湾曲を含む諸収差を良好に補正することができるという効果が得られる。
【0047】
また、本発明の請求項3にかかる撮像レンズは、上記請求項1にかかる撮像レンズにおいて、凸レンズは物体側が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径をR10、外周部の局所的曲率半径をR11としたとき、|R11|/|R10|<0.4の関係を満足することにより、非点収差および像面湾曲を良好に補正することができるという効果が得られる。
【0048】
また、本発明の請求項4に係る撮像レンズによれば、凸レンズは像面側が非球面であり、光軸近傍の局所的曲率半径をR20、外周部の局所的曲率半径をR21としたとき0.9<|R21|/|R20|<1.2の関係を満足することにより、球面収差およびコマ収差を良好に補正することができるという効果が得られる。
【0049】
また、本発明の請求項5にかかる撮像レンズによれば、上記請求項1にかかる撮像レンズにおいて、凸レンズのいずれかの面に光学的ローパスフィルターの作用を持つ、位相格子を形成したので、赤外遮蔽の機能に加え、画像高周波成分の抑圧も1枚の凸レンズで実現できるため、レンズユニットはさらに小型化、低価格化できるという効果が得られる。
【0050】
また、本発明の請求項6にかかる撮像レンズは、上記請求項5記載の撮像レンズにおいて、凸レンズの被写体側の面上に少なくとも1方向に周期的な構造で形成することで、凸レンズを用いて画像高周波成分の抑圧を行うことができるという効果が得られる。
【0051】
また、本発明の請求項7にかかる撮像レンズは、上記請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像レンズにおいて、上記撮像レンズを構成する凸レンズの被写体側もしくは像面側の両面に反射防止膜を形成するようにしたので、透過率を向上できるとともに、レンズ面の保護を行うことができるという効果が得られる。
【0052】
また、本発明の請求項8にかかる撮像ユニットは、被写体像を撮像素子と撮像レンズとを有する撮像ユニットにおいて、上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズからなる撮像レンズと、上記撮像レンズと接合し、上記撮像素子を封止するレンズ部材とを備えたものとしたので、撮像ユニット全体を小型化でき、かつ低価格化を図ることができるという効果が得られる。
【0053】
また、本発明の請求項9にかかる小型電子カメラは、請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像レンズを用いて構成したので、超小型で安価な情報機器用の電子カメラを提供することができるという効果が得られる。
【0054】
また、本発明の請求項10にかかる小型電子カメラは、請求項8記載の撮像ユニットを用いて構成したので、超小型で安価な情報機器用の電子カメラを提供することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る撮像レンズの構成を示す図である。
【図2】本発明の実施形態2に係る撮像レンズの構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態3に係る撮像レンズユニットの構成を示す図である。
【図4】本発明の実施形態4に係る電子カメラの撮像レンズユニットを中心とした構成を示す図である。
【図5】上記実施の形態1における撮像レンズの具体例1による撮像レンズの収差を示す図である。
【図6】上記実施の形態1における撮像レンズの具体例2による撮像レンズの収差を示す図である。
【図7】上記実施の形態1における撮像レンズの具体例3による撮像レンズの収差を示す図である。
【符号の説明】
11 絞り
12,22,31,41 凸レンズ
12a,22a 被写体側のレンズ面
12b,22b 像面側のレンズ面
13 平板
14,32,42 CCD(撮像素子)
15 反射防止膜
210,310 位相格子
33 ホルダー
34 密閉された空間
41 撮像ユニット
43 信号処理回路
Claims (10)
- 被写体像を撮像素子に結像させる撮像レンズにおいて、
上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズで構成したことを特徴とする撮像レンズ。 - 請求項1記載の撮像レンズにおいて、
上記撮像レンズを構成する凸レンズよりも被写体側に絞りを備え、
上記凸レンズの焦点距離fと、凸レンズの被写体側の曲率半径r1とが、
−0.6<f/r1<0
の条件を満足することを特徴とする撮像レンズ。 - 請求項1記載の撮像レンズにおいて、
上記撮像レンズを構成する凸レンズは、その被写体側のレンズ面が非球面であり、
光軸近傍の局所的曲率半径R10と、外周部の局所的曲率半径R11とが、
|R11|/|R10|<0.4
の条件を満足することを特徴とする撮像レンズ。 - 請求項1記載の撮像レンズにおいて、
上記撮像レンズを構成する凸レンズは、その像面側のレンズ面が非球面であり、
光軸近傍の局所的曲率半径R20と、外周部の局所的曲率半径R21とが、
0.9<|R21|/|R20|<1.2
の条件を満足することを特徴とする撮像レンズ。 - 請求項1記載の撮像レンズにおいて、
上記撮像レンズを構成する凸レンズの、被写体側もしくは像面側のいずれかの面に光学的ローパスフィルターの作用を持つ位相格子が形成されていることを特徴とする撮像レンズ。 - 請求項5記載の撮像レンズにおいて、
上記位相格子は、上記凸レンズの被写体側の面上に少なくとも1方向に周期的な構造で形成されていることを特徴とする撮影レンズ。 - 請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像レンズにおいて、
上記撮像レンズを構成する凸レンズの被写体側もしくは像面側の両面に反射防止膜を形成したことを特徴とする撮像レンズ。 - 被写体像を撮像素子と撮像レンズとを有する撮像ユニットにおいて、
上記撮像レンズを、赤外領域の光を遮断する材料を用いて形成された凸レンズからなる撮像レンズと、
上記撮像レンズと接合し、上記撮像素子を封止するレンズ部材とを備えたことを特徴とする撮像ユニット。 - 請求項1ないし7のいずれかに記載の撮像レンズを用いて構成されたことを特徴とする小型電子カメラ。
- 請求項8記載の撮像ユニットを用いて構成されたことを特徴とする小型電子カメラ。
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