JP2006022558A - アルミニウム製足場用建枠及び足場装置 - Google Patents

アルミニウム製足場用建枠及び足場装置 Download PDF

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Abstract

【課題】スチール製のロック爪付き止着ピンをアルミニウム製の縦材に適切に溶接して固着でき、それによってスチール製の交差用筋違いを取り付けできるアルミニウム製足場用建枠を提供する。
【解決手段】アルミニウム製足場用建枠において、各アルミニウム製縦材1の内側面所要部に、スチール製交差用筋違いの端部を着脱自在に止着するためのロック爪付き止着ピン6を取り付けるにあたり、一端部側にロック爪7を備えたスチール製止着ピン6の他端部側を、スチール製止着ピン6の外径より小さい内径のアルミニウム製円筒状スリーブ8に圧入し、このスリーブ8を、アルミニウム製縦材1に貫通して該縦材1に対しアルミニウム溶接をすることにより、スチール製ロック爪付き止着ピン6をアルミニウム製縦材1に取り付けてなるアルミニウム製足場用建枠3。
【選択図】図1

Description

本発明は、建設業界において通称「ローリングタワー」と呼ばれている高所作業用足場装置を組み立てるのに使用されるアルミニウム製足場用建枠、及びこの足場用建枠を用いた足場装置に関するものである。
図6の(a) はアルミ製のローリングタワーの正面図、(b) は側面図、(c) は一部拡大斜視図である。このローリングタワーは、(b) に示すように両側一対のアルミニウム製縦材1,1にアルミニウム製横材2を横架連結して形成されるアルミニウム製足場用建枠13を、(a) に示すように一定間隔で対向配置し、対向する両アルミニウム製足場用建枠13,13の対向するアルミニウム製縦材1,1間にアルミニウム製の斜めブレース15や水平ブレース16を掛張すると共に、対向する両アルミニウム製足場用建枠13,13間に足場板4を架け渡すことによって、一段目の足場Aを形成し、この一段目足場Aの各アルミニウム製足場用建枠13に夫々次のアルミニウム製足場用建枠13を継ぎ足して、上記同様に対向する両アルミニウム製足場用建枠13,13の対向するアルミニウム製縦材1,1間に斜めブレース15や水平ブレース16を掛張すると共に、対向する両アルミニウム製足場用建枠13,13間に足場板4を架け渡して、二段目の足場Bを形成し、更に同様な方法で三段目の足場Cを形成したものである。
各ブレース15,16は、図6の(c) に示すように、アルミニウム製ブレース本体17の両端部に同じくアルミニウム製のフック18を設けてなるもので、足場組立時に各ブレース15,16のフック18を足場用建枠3のアルミニウム製横材2に上方より係嵌して取り付けるようになっている。尚、図6の(a) の正面部において、斜めブレース15が交差しているように見えるが、これは、各段の足場A〜Cの左側面側に傾斜状に掛張された1本の斜めブレース15と、反対側の右側面側に前記斜めブレース15とは逆傾斜状に掛張された他の1本の斜めブレース15とが重なって見えるからである。各段の足場A〜Cにおいて、アルミニウム製の斜めブレース15は、対向する両アルミニウム製足場用建枠13,13の対向するアルミニウム製縦材1,1間には2本の斜めブレース15をクロス状に交差させて掛張できないのである。
従来にあっては、対向するアルミニウム製足場用建枠13,13を一定間隔で保持するのに、ブレース本体17の両端部にフック18を設けてなるアルミニウム製ブレース15,16を掛張していたが、このアルミニウム製ブレース15,16は、スチール製ブレースに比べコストが非常に高くつき、また強度的にもスチール製ブレースに劣ることから、アルミニウム製ブレースに代えて、安価で強度も十分なスチール製のブレースを使用することが望まれている。
そこで、本発明者は、スチール製ブレースの中でもコストが安く、しかも2本の筋違い(ブレース)を交差状に掛張できて足場用建枠を確実十分に補強し得るスチール製の交差用筋違いを取り付けることができるようにしたアルミニウム製足場用建枠の開発を試みた。この交差用筋違いは、鋼管製足場用建枠に普通に使用されるもので、その足場用建枠の鋼管製縦材の所要部に溶接によって取り付けられたスチール製ロック爪付き止着ピンに、スチール製筋違いの端部に設けた孔を挿通させてロック爪でロックすることにより、その筋違いの端部を止着するようにしたものである。
ところが、スチール製のロック爪付き止着ピンをアルミニウム製足場用建枠のアルミニウム製縦材に取り付けるにあたり、止着ピンは鉄製であるため、アルミニウム製の縦材には溶接することができないという問題に直面した。そこで、本発明者は、種々研究、検討を重ねた結果、スチール製のロック爪付き止着ピンをアルミニウム製の縦材に適切に溶接して固着することができ、それによってスチール製の交差用筋違いを取り付けることができるようにしたアルミニウム製足場用建枠を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、両側一対のアルミニウム製縦材1にアルミニウム製横材2を横架連結して形成されるアルミニウム製足場用建枠において、前記各アルミニウム製縦材1の内側面所要部に、スチール製交差用筋違い5の端部を着脱自在に止着するためのロック爪付き止着ピン6を取り付けるにあたり、一端部側にロック爪7を備えたスチール製止着ピン6の他端部側を、スチール製止着ピン6の外径よりも小さい内径を有するアルミニウム製の円筒状スリーブ8に圧入し、このアルミニウム製円筒状スリーブ8を、前記アルミニウム製縦材1にその直径方向に貫通させて、アルミニウム製縦材1に対しアルミニウム溶接をすることにより、スチール製のロック爪付き止着ピン6をアルミニウム製縦材1に取り付けてなることを特徴とする。
請求項2に係る発明の足場装置は、請求項1に記載のアルミニウム製足場用建枠3を一定間隔で対向配置し、両アルミニウム製足場用建枠3,3の互いに対向するアルミニウム製縦材1,1間には各縦材1のスチール製止着ピン6を介してスチール製の交差用筋違い5をクロス状に掛張すると共に、対向する両アルミニウム製足場用建枠3,3間に足場板4を架け渡すことによって一段目足場Aが形成され、この一段目足場Aの各アルミニウム製足場用建枠3に次のアルミニウム製足場用建枠3を継ぎ足して、上記同様にスチール製交差用筋違い5を掛張し、足場板4を架け渡すことによって複数段の足場A〜Dが形成されてなることを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明のアルミニウム製足場用建枠によれば、アルミニウム製縦材1の内側面所要部に、スチール製交差用筋違い5の端部を着脱自在に止着するためのロック爪付き止着ピン6を取り付けるにあたり、一端部側にロック爪7を備えたスチール製止着ピン6の他端部側を、スチール製止着ピン6の外径よりも小さい内径を有するアルミニウム製円筒状スリーブ8に圧入し、このアルミニウム製円筒状スリーブ8を、アルミニウム製縦材1にその直径方向に貫通させて、アルミニウム製縦材1に対しアルミニウム溶接をするようにしたから、スチール製ブレースの中でもコストが安く、また対向する両足場用建枠3,3の対向する縦材1,1に対し交差状に掛張できて、足場用建枠3を確実十分に補強し得るスチール製の交差用筋違い5を、アルミニウム製足場用建枠3の縦材1に簡単容易に取付けできることになる。
請求項2に係る発明の足場装置によれば、従来ではローリングタワーのような足場装置を構成する足場用建枠及びブレースの全てにアルミニウム製のものが使用されるのに対し、足場用建枠3についてはアルミニウム製のものを使用するが、ブレースである筋違い5にはアルミニウム製に比べて格安のスチール製のものを使用するから、足場装置全体のコストを安くすることができる。また、ブレースである筋違い5は、交差用筋違い5であって、両アルミニウム製足場用建枠3,3の対向するアルミニウム製縦材1,1間に2つの筋違い5,5をクロス状に交差して掛張されるから、足場用建枠3を確実十分に補強することができて、頑強な足場装置を形成することができる。
以下に本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明すると、図1の(a) は本発明に係るアルミニウム製足場用建枠3を示す正面図、(b) は(a) の矢印Xで囲まれる部分の拡大図である。このアルミニウム製足場用建枠3は、両側一対のアルミニウム製縦材1,1と、両縦材1,1間に横架連結された複数のアルミニウム製横材2とにより構成され、各縦材1及び各横材2は夫々アルミニウムパイプからなり、各縦材1の上端部には足場用建枠3を継ぎ足す際に上段側縦枠3の縦材1の下端部内に嵌合させて両縦材1,1同士を接続するための接続軸部1aが形成されている。そして、各縦材1にはその内側面の上下両端部に、スチール製交差用筋違い5の端部を着脱自在に止着するためのスチール製のロック爪付き止着ピン6が取り付けられており、このスチール製ロック爪付き止着ピン6の取付構造を拡大図示したものが図1の(b) である。
次に、上記スチール製ロック爪付き止着ピン5をアルミニウム製足場用建枠3の縦材1に取り付ける方法について図2及び図3を参照して説明する。この止着ピン6は、図1の(b) に示すように常時はバネ(図示せず)により付勢されてピン6の外側面から突出する略三角形状の鉄製のロック爪7を一端部側に備えた鉄製の棒状ピンである。
このスチール製ロック爪付き止着ピン5をアルミニウム製足場用建枠3の縦材1に取り付けるにあたって、先ず、図2の(a) 〜(c) に示すように、一端部側にロック爪7を備えたスチール製止着ピン6の他端部側を、この止着ピン6の外径(例えば13mm)よりも小さい内径(例えば16mm)を有するアルミニウム製の円筒状スリーブ8に圧入する。円筒状スリーブ8は上記のような内径を有するアルミニウムパイプを、足場用建枠3の縦材1の直径よりも所要長さだけ長くなるようにカットされたものである。図2の(b) は止着ピン6を円筒状スリーブ8にその途中まで圧入した状態を示すもので、止着ピン6が圧入されたスリーブ8の部分は拡径しているのが分かる。同図の(c) は円筒状スリーブ8の全長に亘って止着ピン6が圧入されて、圧入を終了した状態を示す。
上記のように止着ピン6が圧入されて外径が拡径した円筒状スリーブ8を、図3の(a)
に示すように、アルミニウム製縦材1の所定箇所を縦材1の直径方向に貫通する貫通孔9に通して、スリーブ8の両端部が夫々同じ長さだけ縦材1の両側面から突出した状態とする。尚、縦材1の貫通孔9は、止着ピン6が圧入された円筒状スリーブ8を挿通させ得る程度の孔であればよいから、この円筒状スリーブ8の外径よりも僅かに大きく形成されている。
こうしてアルミニウム製縦材1の貫通孔9に貫通させたアルミニウム製円筒状スリーブ8の両端部を夫々アルミニウム製縦材1に対し図3の(b) に示すようにアルミニウム溶接し、これによってスチール製のロック爪付き止着ピン6をアルミニウム製の縦材1に対し一体的に固着させる。図中には、そのアルミニウム溶接部をAWで示す。
上記のように、アルミニウム製縦材1の内側面所要部に、スチール製交差用筋違い5の端部を着脱自在に止着するためのロック爪付き止着ピン6を取り付けるにあたり、一端部側にロック爪7を備えたスチール製止着ピン6の他端部側を、スチール製止着ピン6の外径よりも小さい内径を有するアルミニウム製円筒状スリーブ8に圧入し、このアルミニウム製円筒状スリーブ8を、アルミニウム製縦材1にその直径方向に貫通させて、アルミニウム製縦材1に対しアルミニウム溶接をすることによって、スチール製ブレースの中でもコストが安く、また対向する両足場用建枠3,3の対向する縦材1,1に対し交差状に掛張できて、足場用建枠3を確実十分に補強し得るスチール製の交差用筋違い5を、アルミニウム製足場用建枠3の縦材1に取り付けることができるようになる。
図4はスチール製交差用筋違い5をアルミニウム製足場用建枠3の縦材1に取り付けた状態を示す。即ち、スチール製の交差用筋違い5は、例えば鉄製の丸棒状本体5aと、この丸棒状本体65aの両端部に一体形成された扁平状の取付端部5b,5bとからなるもので、各扁平状の取付端部5bには足場用建枠3の縦材1側に突出するロック爪付き止着ピン6に挿通する孔5cが設けてある。しかして、このスチール製交差用筋違い5を縦材1に取り付けるには、縦材1側に突出する止着ピン6のロック爪7を押さえ付けて引っ込めた状態の止着ピン6に筋違い5の取付端部5bの孔5cを挿通させ、挿通させた後はロック爪7が突出状態に復帰するから、このロック爪7によってロックされる。
図5の(a) は上記のような本発明に係るアルミニウム製足場用建枠3を使用して組み立てたローリングタワー(高所作業用の足場装置)を示す正面図、(b) は側面図である。
このローリングタワーを組み立てるには、図1の(a) に示すような本発明に係るアルミニウム製足場用建枠3を、図5の(a) に示すように左右に一定間隔で対向配置し、対向する両アルミニウム製足場用建枠3,3の対向するアルミニウム製縦材1,1間に、アルミニウム製筋違い5を、図5の(a) 及び(b) に示すうようにクロス状に交差するようにして掛張すると共に、対向する両アルミニウム製足場用建枠3,3間に足場板4を架け渡し、これによって一段目の足場Aを形成する。この一段目の足場Aには図5の(a) 及び(b) に示すようにアウトリガー10を取り付ける。
上記一段目足場Aを形成する各アルミニウム製足場用建枠3の上端部に上段側アルミニウム製足場用建枠13を継ぎ足して、対向する両アルミニウム製足場用建枠3,3の対向するアルミニウム製縦材1,1間にアルミニウム製筋違い5をクロス状に交差するようにして掛張すると共に、対向する両アルミニウム製足場用建枠3,3間に足場板4を架け渡すことによって二段目の足場Bを形成する。以降も同様な要領で、三段目足場C更に四段目足場Dを形成して、図5の(a) 及び(b) に示すような高所作業用足場装置であるローリングタワーを組み立てる。尚、図5の(a) 及び(b) において、11は最上段足場Dに設けられた壁当て部材で、先端の当接片11a側が伸縮自在となっており、この当接片11aを構造物の壁面に当接支持させて、ローリングタワーの倒れ防止を図っている。
上記のように組み立てられるローリングタワー(高所作業用足場装置)によれば、従来ではタワーを構成する足場用建枠及びブレースの全てにアルミニウム製のものが使用されるのに対し、足場用建枠3についてはアルミニウム製のものを使用するが、ブレースである筋違い5にはアルミニウム製に比べて格安のスチール製のものを使用しているために、ローリングタワー全体のコストを安くすることができる。また、ブレースである筋違い5は、交差用の筋違い5であって、両アルミニウム製足場用建枠3,3の対向するアルミニウム製縦材1,1間に2つの筋違い5,5をクロス状に交差するように掛張されるから、足場用建枠3を確実十分に補強することができて、頑強なローリングタワーをできる。
(a) は本発明に係るアルミニウム製足場用建枠の正面図、(b) は(a) の矢印Xで囲まれる部分の拡大図である。 (a) 〜(c) はスチール製のロック爪付き止着ピンをアルミニウム製足場用建枠の縦材に取り付ける工程の前半部を説明する説明図である。 (a) 及び(b) は上記工程の後半部を説明する説明図である。 スチール製交差用筋違いをアルミニウム製足場用建枠の縦材に取り付けた状態の斜視図である。 (a) は本発明のアルミニウム製足場用建枠を使用して組み立てたローリングタワーの正面図、(b) は側面図である。 (a) は従来のアルミニウム製足場用建枠を使用して組み立てられたローリングタワーの正面図、(b) は側面図、(c) は一部拡大斜視図である。
符号の説明
1 縦材
2 横材
3 アルミニウム製足場用建枠
4 足場板
5 スチール製交差用筋違い
6 ロック爪付き止着ピン
7 ロック爪
8 アルミニウム製円筒状スリーブ
AW アルミニウム溶接部

Claims (2)

  1. 両側一対のアルミニウム製縦材にアルミニウム製横材を横架連結して形成されるアルミニウム製足場用建枠において、
    前記各アルミニウム製縦材の内側面所要部に、スチール製交差用筋違いの端部を着脱自在に止着するためのロック爪付き止着ピンを取り付けるにあたり、一端部側にロック爪を備えたスチール製止着ピンの他端部側を、スチール製止着ピンの外径よりも小さい内径を有するアルミニウム製の円筒状スリーブに圧入し、このアルミニウム製円筒状スリーブを、前記アルミニウム製縦材にその直径方向に貫通させて、アルミニウム製縦材に対しアルミニウム溶接をすることにより、スチール製のロック爪付き止着ピンをアルミニウム製縦材に取り付けてなることを特徴とするアルミニウム製足場用建枠。
  2. 請求項1に記載のアルミニウム製足場用建枠を一定間隔で対向配置し、両アルミニウム製足場用建枠の互いに対向するアルミニウム製縦材間には各縦材のスチール製止着ピンを介してスチール製の交差用筋違いをクロス状に掛張すると共に、対向する両アルミニウム製足場用建枠間に足場板を架け渡すことによって一段目足場が形成され、この一段目足場の各アルミニウム製足場用建枠に次のアルミニウム製足場用建枠を継ぎ足して、上記同様にスチール製交差用筋違いを掛張し、足場板を架け渡すことによって複数段の足場が形成されてなる足場装置。
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