JP2006021589A - 車輌の操舵制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】操舵輪の操舵により車輌にヨーモーメントが付与される状況に於いて左右輪の制駆動力差によるヨーモーメントによって車輌に付与されるヨーモーメントを修正することにより、好ましい旋回応答特性を達成する。
【解決手段】運転者の制駆動操作に基づいて各車輪の基本目標制駆動トルクが演算され(S30、90)、左右輪の制駆動力差による旋回方向とは逆方向の目標ヨーモーメントYdが演算され(S40、100)、目標ヨーモーメントを達成するための各車輪の補正制駆動トルクが演算され(S60、120)、基本目標制駆動トルクが補正制駆動トルクにて補正されることにより各車輪の目標制駆動トルクが演算され(S70、130)、各車輪の制駆動トルクが目標制駆動トルクになるよう制御され(S80、140)、目標ヨーモーメントYdは操舵角度の大きさが小さく車速が高いほど大きくなるよう演算される(S40、100)。
【選択図】 図2

Description

本発明は、車輌の操舵制御装置に係り、更に詳細には操舵輪を操舵することにより車輌にヨーモーメントを付与する操舵手段と、左右の車輪の制駆動力に差を与えて車輌にヨーモーメントを付与する制駆動力差付与手段とを有する操舵制御装置に係る。
自動車等の車輌の操舵制御装置の一つとして、例えば下記の特許文献1に記載されている如く、操舵輪を操舵する操舵手段と、左右の車輪の制駆動力に差を与える制駆動力差付与手段とを有し、車速が所定値以下であるときには左右の車輪の制駆動力差により車輌を旋回させるよう構成された操舵制御装置が既に知られている。
かかる操舵制御装置によれば、例えば車輌を先行車に追従するよう自動走行させるような場合に、操舵手段を駆動することなく左右の車輪の制駆動力の制御のみによって車輌を自動的に走行させることができる。
特開平6−227283号公報
一般に、運転者がステアリングホイールを操作して車輌を直進状態より旋回させる場合には、車輌がゆっくりと旋回し始めることが好ましい。しかるに上述の如き従来の操舵制御装置に於いては、かかる旋回応答特性が達成されるよう左右輪に制駆動力差が与えられるようにはなっておらず、この点で改善の余地がある。
本発明は、操舵手段による操舵輪の操舵に加えて左右輪の制駆動力差により車輌が旋回されるよう構成された従来の操舵制御装置に於ける上述の如き問題に鑑みてなされたものであり、本発明の主要な課題は、操舵輪の操舵により車輌にヨーモーメントが付与される状況に於いて左右輪の制駆動力差によるヨーモーメントによって車輌に付与されるヨーモーメントを修正することにより、上記好ましい旋回応答特性を達成することである。
上述の主要な課題は、本発明によれば、請求項1の構成、即ち操舵輪を操舵することにより車輌にヨーモーメントを付与する操舵手段と、左右の車輪の制駆動力に差を与えて車輌にヨーモーメントを付与する制駆動力差付与手段とを有し、前記操舵輪が前記操舵手段により直進位置と旋回位置との間に操舵される際に前記操舵手段によるヨーモーメントを前記制駆動力差付与手段による逆方向のヨーモーメントにより少なくとも部分的に相殺することを特徴とする車輌の操舵制御装置によって達成される。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1の構成に於いて、前記ヨーモーメントの相殺は前記操舵輪が前記直進位置を含む所定の操舵角度範囲内にあるときに行われるよう構成される(請求項2の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1又は2の構成に於いて、前記ヨーモーメントの相殺の度合は前記操舵輪の操舵角度の大きさが大きいときには前記操舵輪の操舵角度の大きさが小さいときに比して小さいよう構成される(請求項3の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至3の構成に於いて、前記操舵輪が直進位置より旋回位置へ操舵される際の前記ヨーモーメントの相殺の度合は前記操舵輪が旋回位置より直進位置へ操舵される際の前記ヨーモーメントの相殺の度合に比して大きいよう構成される(請求項4の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至4の構成に於いて、前記ヨーモーメントの相殺の度合は車速が高いときには車速が低いときには比して大きいよう構成される(請求項5の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至5の構成に於いて、前記ヨーモーメントの相殺は車速が中高車速域判定の基準値よりも高いときに行われるよう構成される(請求項6の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項1乃至6の構成に於いて、車速が低車速域判定の基準値以下であるときには前記操舵手段によるヨーモーメントと同一方向に前記制駆動力差付与手段によるヨーモーメントを発生させるよう構成される(請求項7の構成)。
また本発明によれば、上述の主要な課題を効果的に達成すべく、上記請求項7の構成に於いて、前記制駆動力差付与手段によるヨーモーメントの大きさは車速が低いときには車速が高いときに比して大きいよう構成される(請求項8の構成)。
上記請求項1の構成によれば、操舵輪が操舵手段により直進位置と旋回位置との間に操舵される際に操舵手段によるヨーモーメントが制駆動力差付与手段による逆方向のヨーモーメントにより少なくとも部分的に相殺されるので、操舵手段によるヨーモーメントが制駆動力差付与手段による逆方向のヨーモーメントにより相殺されない場合に比して、運転者により操舵された際にゆっくりと車輌の旋回を開始させることができる。
また上記請求項2の構成によれば、ヨーモーメントの相殺は操舵輪が直進位置を含む所定の操舵角度範囲内にあるときに行われるので、運転者による操舵操作量が大きく操舵輪の操舵角度が大きい領域に於いて車輌の旋回応答性が悪化することを確実に防止しつつ、操舵輪の操舵角度が小さい領域に於いて確実にゆっくりと車輌の旋回を開始させることができる。
また上記請求項3の構成によれば、ヨーモーメントの相殺の度合は操舵輪の操舵角度の大きさが大きいときには操舵輪の操舵角度の大きさが小さいときに比して小さいので、操舵輪の操舵角度の大きさが小さい領域に於いて確実にゆっくりと車輌の旋回を開始させると共に、操舵輪の操舵角度の大きさが大きいほど車輌の旋回応答性をヨーモーメントの相殺が行われない旋回応答性に近づけ、これにより操舵輪の操舵角度の変化に伴う旋回応答性の変化を低減することができる。
また上記請求項4の構成によれば、操舵輪が直進位置より旋回位置へ操舵される際のヨーモーメントの相殺の度合は操舵輪が旋回位置より直進位置へ操舵される際のヨーモーメントの相殺の度合に比して大きいので、車輌が直進状態より旋回を開始する際にゆっくりと旋回を開始させると共に、車輌が旋回状態より直進状態に戻る際に車輌が直進状態より旋回を開始する場合よりも車輌の旋回応答性を高くすることができる。
また上記請求項5の構成によれば、ヨーモーメントの相殺の度合は車速が高いときには車速が低いときに比して大きいので、車速が低い場合の車輌の旋回応答性を犠牲にすることなく、車速が高いほど車輌の旋回応答性を低くし、これにより車速に拘らず車輌の旋回フィーリングを向上させることができる。
また上記請求項6の構成によれば、ヨーモーメントの相殺は車速が中高車速域判定の基準値よりも高いときに行われるので、低車速域に於いて車輌の旋回応答性が悪化することを確実に防止することができる。
また上記請求項7の構成によれば、車速が低車速域判定の基準値以下であるときには操舵手段によるヨーモーメントと同一方向に制駆動力差付与手段によるヨーモーメントが発生されるので、車速が低車速域判定の基準値以下であるときにも操舵手段によるヨーモーメントと逆方向に制駆動力差付与手段によるヨーモーメントが発生される場合や操舵手段によるヨーモーメントと同一方向に制駆動力差付与手段によるヨーモーメントが発生されない場合に比して、車速が低車速域判定の基準値以下であるときの車輌の旋回応答性を高くすることができ、これにより車輌の据え切りや幅寄せを容易に行い得るようにすることができる。
また上記請求項8の構成によれば、制駆動力差付与手段によるヨーモーメントの大きさは車速が低いときには車速が高いときに比して大きいので、車速が低いほど車輌の旋回応答性を高くし車輌を旋回させ易くすることができる。
[課題解決手段の好ましい態様]
本発明の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、制駆動力差付与手段は少なくとも左右前輪の制駆動力を制御することにより左右前輪の制駆動力差を付与するよう構成される(好ましい態様1)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、運転者の制駆動操作に基づいて各車輪の基本目標制駆動力を演算し、制駆動力差付与手段による逆方向の目標ヨーモーメントを演算し、目標ヨーモーメントを達成するための各車輪の制駆動力の補正値を演算し、基本目標制駆動力を制駆動力の補正値にて補正することにより各車輪の目標制駆動力を演算し、各車輪の制駆動力が目標制駆動力になるよう制御するよう構成される(好ましい態様2)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様2の構成に於いて、少なくとも操舵角に基づいて制駆動力差付与手段による逆方向の目標ヨーモーメントを演算するよう構成される(好ましい態様3)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様3の構成に於いて、操舵角及び車速に基づいて制駆動力差付与手段による逆方向の目標ヨーモーメントを演算するよう構成される(好ましい態様4)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、制駆動力差付与手段は各車輪に対応して設けられ対応する車輪を他の車輪とは独立して駆動する電動機を含むよう構成される(好ましい態様5)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記請求項1乃至8の構成に於いて、制駆動力差付与手段は各車輪に対応して設けられ対応する車輪を他の車輪とは独立して制動する制動装置を含むよう構成される(好ましい態様6)。
本発明の他の一つの好ましい態様によれば、上記好ましい態様5の構成に於いて、各電動機は対応する車輪を他の車輪とは独立して回生制動する回生制動装置として機能するよう構成される(好ましい態様7)。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明を好ましい実施例について詳細に説明する。
図1はホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による操舵制御装置の一つの実施例を示す概略構成図である。
図1に於いて、10FL及び10FRはそれぞれ車輌12の左右の前輪を示し、10RL及び10RRはそれぞれ左右の後輪を示している。操舵輪である左右の前輪10FL及び10FRは運転者によるステアリングホイール14の転舵に応答して駆動されるラック・アンド・ピニオン式のパワーステアリング装置16によりタイロッド18L及び18Rを介して操舵される。
左右の前輪10FL及び10FRにはそれぞれホイールインモータである電動発電機22FL及び22FRが組み込まれており、左右の前輪10FL及び10FRは電動発電機22FL及び22FRにより駆動され、電動発電機22FL及び22FRは駆動力制御用電子制御装置24により制御される。電動発電機22FL及び22FRはそれぞれ左右前輪の発電機としても機能し、回生発電機としての機能(回生駆動)も駆動力制御用電子制御装置24により制御される。
同様に、左右の後輪10RL及び10RRにはそれぞれホイールインモータである電動発電機22RL及び22RRが組み込まれており、左右の前輪10RL及び10RRは電動発電機22RL及び22RRにより駆動され、電動発電機22RL及び22RRも駆動力制御用電子制御装置24により制御される。電動発電機22RL及び22RRはそれぞれ左右後輪の発電機としても機能し、回生発電機としての機能も駆動力制御用電子制御装置24により制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、駆動力制御用電子制御装置24はマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。また通常走行時には図1には示されていないバッテリに充電された電力が駆動回路を経て各電動発電機22FL〜22RRへ供給され、車輌の減速制動時には各電動発電機22FL〜22RRによる回生制動により発電された電力が駆動回路を経てバッテリに充電される。
左右の前輪10FL、10FR及び左右の後輪10RL、10RRの摩擦制動力は摩擦制動装置26の油圧回路28により対応するホイールシリンダ30FL、30FR、30RL、30RRの制動圧が制御されることによっても制御される。図には示されていないが、油圧回路28はリザーバ、オイルポンプ、種々の弁装置等を含み、各ホイールシリンダの制動圧力はブレーキペダル32の踏み込みに応じて駆動されるマスタシリンダ34の圧力に応じてオイルポンプや種々の弁装置が制動力制御用電子制御装置36によって制御されることにより制御される。
尚図1には詳細に示されていないが、制動力制御用電子制御装置36もマイクロコンピュータと駆動回路とよりなり、マイクロコンピュータは例えば中央処理ユニット(CPU)と、リードオンリメモリ(ROM)と、ランダムアクセスメモリ(RAM)と、入出力ポート装置とを有し、これらが双方向性のコモンバスにより互いに接続された一般的な構成のものであってよい。
駆動力制御用電子制御装置24には、車速センサ38より車速Vを示す信号、アクセル開度センサ40より運転者によって操作される図には示されていないアクセルペダルの踏み込み量としてのアクセル開度φを示す信号、操舵角センサ42より操舵角θを示す信号が入力される。
制動力制御用電子制御装置36には、圧力センサ44よりマスタシリンダ圧力Pmを示す信号が入力され、また圧力センサ46FL〜46RRより対応する車輪の制動圧(ホイールシリンダ圧力)Pi(i=fl、fr、rl、rr)を示す信号が入力される。図示の如く、駆動力制御用電子制御装置24及び制動力制御用電子制御装置36は必要に応じて相互に信号の授受を行う。
駆動力制御用電子制御装置24は、図3乃至図5に示されたフローチャートに従って車輌の駆動時には電動発電機12FL〜12RRによる各車輪の駆動トルクを制御し、車輌の制動時には電動発電機12FL〜12RRによる各車輪の回生制動トルク若しくは摩擦制動装置26による各車輪の制動力を制御し、これによりパワーステアリング装置16を介して行われる運転者の左右前輪10FL、10FRの操舵によるヨーモーメントを左右前輪の制駆動力差による逆方向のヨーモーメントにより少なくとも部分的に相殺する。
尚操舵角センサ42は車輌の左旋回時の方向を正として操舵角θを検出し、車輌のヨーモーメントは車輌の左旋回方向が正であるものとする。
次に図2に示されたフローチャートを参照して実施例に於ける操舵制御による制駆動トルクの制御について説明する。尚図2に示されたフローチャートによる制御は図には示されていないイグニッションスイッチが閉成されることにより開始され、イグニッションスイッチが開成されるまで所定の時間毎に繰返し実行される。
まずステップ10に於いては車速センサ38により検出された車速Vを示す信号等の読み込みが行われ、ステップ20に於いては例えばマスタシリンダ圧力Pmに基づき車輌が制動状態にあるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ90へ進み、否定判別が行われたときにはステップ30へ進む。
ステップ30に於いては例えば各車輪に対する駆動トルクの配分変換係数をKdi(i=fl、fr、rl、rr)として、アクセル開度φに基づき各車輪の基本駆動トルクTdbi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ配分変換係数Kdiとアクセル開度φとの積に演算され、ステップ40に於いては後述の図3に示されたフローチャートに従って左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdが演算される。
ステップ60に於いては例えば車輌のトレッドをTrとして下記の式1及び2に従ってヨーモーメントYdを達成するための左前輪及び右前輪の補正駆動トルクTdafl及びTdafrが演算される。
Tdafl=−2Yd/Tr ……(1)
Tdafr=2Yd/Tr ……(2)
ステップ70に於いては下記の式3乃至6に従って各車輪の目標駆動トルクTdti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ80に於いては各車輪の駆動トルクTdi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ目標駆動トルクTdtiになるよう、電動発電機12FL〜12RRが制御される。尚Tdbfl又はTdbfrの大きさよりもTdafl又はTdafrの大きさが大きい場合にはTdtfl又はTdtfrが負の値、即ち制動トルクになるので、その場合には電動発電機12FL〜12RRは回生制動を行うよう制御される。
Tdtfl=Tdbfl+Tdafl ……(3)
Tdtfr=Tdbfr+Tdafr ……(4)
Tdtrl=Tdbrl ……(5)
Tdtrr=Tdbrr ……(6)
ステップ90に於いては例えば各車輪に対する制動トルクの配分変換係数をKbi(i=fl、fr、rl、rr)として、マスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の基本制動トルクTbbi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ配分変換係数Kbiとマスタシリンダ圧力Pmとの積に演算され、ステップ100に於いては後述の図4に示されたフローチャートに従って左右後輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbが演算される。
ステップ120に於いては例えば下記の式7及び8に従ってヨーモーメントYbを達成するための左前輪及び右前輪の補正制動トルクTbafl及びTbafrが演算される。
Tbafl=2Yb/Tr ……(7)
Tbafr=−2Yb/Tr ……(8)
ステップ130に於いては下記の式9乃至10に従って各車輪の目標制動トルクTbti(i=fl、fr、rl、rr)が演算され、ステップ140に於いては各車輪の制動トルクTbi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ目標制動トルクTbtiになるよう、後述の図5に示されたフローチャートに従って電動発電機12FL〜12RR若しくは摩擦制動装置26が制御される。尚Tbbfl又はTbbfrの大きさよりもTbafl又はTbafrの大きさが大きい場合にはTbtfl又はTbtfrが負の値、即ち駆動トルクになるので、その場合には電動発電機12FL〜12RRは駆動トルクを発生するよう制御される。
Tbtfl=Tbbfl+Tbafl ……(9)
Tbtfr=Tbbfr+Tbafr ……(10)
Tbtrl=Tbbrl ……(11)
Tbtrr=Tbbrr ……(12)
次に図3に示されたフローチャートを参照して上記ステップ40に於ける駆動力差ヨーモーメントYd演算ルーチンについて説明する。
ステップ42に於いては車速Vが加速時の低車速判定の基準値Vdo(正の定数)以下であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ46へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ44に於いて操舵角θ及び車速Vに基づき図6に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdが演算され、しかる後ステップ60へ進む。
ステップ46に於いては例えば操舵角θの符号及び操舵角θの変化率θdの符号が同一であるか否かの判別により、運転者による操舵の方向が切り込み方向であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ48に於いて操舵角θ及び車速Vに基づき図7に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdが演算され、否定判別が行われたときにはステップ50に於いて操舵角θ及び車速Vに基づき図8に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdが演算され、ステップ48又は50が完了するとステップ60へ進む。
次に図4に示されたフローチャートを参照して上記ステップ100に於ける制動力差ヨーモーメントYb演算ルーチンについて説明する。
ステップ102に於いては車速Vが制動時の低車速判定の基準値Vbo(正の定数)以下であるか否かの判別が行われ、否定判別が行われたときにはステップ106へ進み、肯定判別が行われたときにはステップ104に於いて操舵角θ及び車速Vに基づき図9に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbが演算され、しかる後ステップ120へ進む。
ステップ106に於いては上記ステップ46の場合と同一の要領にて運転者による操舵の方向が切り込み方向であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ108に於いて操舵角θ及び車速Vに基づき図10に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbが演算され、否定判別が行われたときにはステップ110に於いて操舵角θ及び車速Vに基づき図11に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbが演算され、ステップ108又は110が完了するとステップ120へ進む。
次に図5に示されたフローチャートを参照して上記ステップ140に於ける制駆動トルク制御ルーチンについて説明する。
ステップ122に於いては左前輪の目標制動トルクTbtflが左前輪の電動発電機12FLの最大回生制動トルクTfmaxよりも大きいか否かの判別、即ち左前輪について摩擦制動装置26による制動も必要であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ126へ進み、否定判別が行われたときにはステップ124に於いて左前輪の目標制動圧Pbtflが0に設定された後ステップ132へ進む。
ステップ126に於いては左前輪の目標回生制動トルクTrtflが最大回生制動トルクTfmaxに設定され、ステップ128に於いては左前輪の制動トルク−制動圧変換係数をKpflとして左前輪の目標制動圧PbtflがKpfl(Tbtfl−Tfmax)に設定された後ステップ132へ進む。
ステップ132に於いては右前輪の目標制動トルクTbtfrが右前輪の電動発電機12FRの最大回生制動トルクTfmaxよりも大きいか否かの判別、即ち右前輪について摩擦制動装置26による制動も必要であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ136へ進み、否定判別が行われたときにはステップ134に於いて右前輪の目標制動圧Pbtfrが0に設定された後ステップ142へ進む。
ステップ136に於いては右前輪の目標回生制動トルクTrtfrが最大回生制動トルクTfmaxに設定され、ステップ138に於いては右前輪の制動トルク−制動圧変換係数をKpfrとして右前輪の目標制動圧PbtfrがKpfr(Tbtfr−Tfmax)に設定された後ステップ142へ進む。
ステップ142に於いては左後輪の目標制動トルクTbtrlが左後輪の電動発電機12RLの最大回生制動トルクTrmaxよりも大きいか否かの判別、即ち左後輪について摩擦制動装置26による制動も必要であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ146へ進み、否定判別が行われたときにはステップ144に於いて左後輪の目標制動圧Pbtrlが0に設定された後ステップ152へ進む。
ステップ146に於いては左後輪の目標回生制動トルクTrtrlが最大回生制動トルクTrmaxに設定され、ステップ148に於いては左後輪の制動トルク−制動圧変換係数をKprlとして左後輪の目標制動圧PbtrlがKprl(Tbtrl−Trmax)に設定された後ステップ152へ進む。
ステップ152に於いては右後輪の目標制動トルクTbtrrが右後輪の電動発電機12RRの最大回生制動トルクTrmaxよりも大きいか否かの判別、即ち右後輪について摩擦制動装置26による制動も必要であるか否かの判別が行われ、肯定判別が行われたときにはステップ156へ進み、否定判別が行われたときにはステップ154に於いて右後輪の目標制動圧Pbtrrが0に設定された後ステップ160へ進む。
ステップ156に於いては右後輪の目標回生制動トルクTrtrrが最大回生制動トルクTrmaxに設定され、ステップ158に於いては右後輪の制動トルク−制動圧変換係数をKprrとして右後輪の目標制動圧PbtrrがKprr(Tbtrr−Trmax)に設定された後ステップ160へ進む。
ステップ160に於いては各車輪の回生制動トルクTri(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ目標回生制動トルクTrtiになるよう電動発電機12FL〜12RRが制御され、ステップ162に於いては各車輪の制動圧Pi(i=fl、fr、rl、rr)がそれぞれ目標制動圧Pbtiになるよう摩擦制動装置26が制御される。
次に上述の如く構成された実施例の操舵制御装置の作動を車輌の種々の走行状態について場合分けして説明する。
(1)中高車速の非制動走行時に於ける切り込み操舵時
車輌が基準車速Voよりも高い車速にて非制動走行している状況に於いて運転者により切り込み操舵が行われた場合には、ステップ20に於いて否定判別が行われ、ステップ30に於いてアクセル開度φに基づき各車輪の基本駆動トルクTdbiが演算され、ステップ42に於いて否定判別が行われ、ステップ46に於いて肯定判別が行われるので、ステップ48に於いて図7に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdが演算される。
そしてステップ60に於いてヨーモーメントYdを達成するための左前輪及び右前輪の補正駆動トルクTdafl及びTdafrが演算され、ステップ70に於いて基本駆動トルクTdbiと補正駆動トルクTdafl、Tdafrとの和として各車輪の目標駆動トルクTdtiが演算され、ステップ80に於いて各車輪の駆動トルクTdiがそれぞれ目標駆動トルクTdtiになるよう、電動発電機12FL〜12RRが制御される。
従って操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど旋回抑制方向の左右前輪の駆動力差を大きくし、これにより操舵方向とは逆方向のヨーモーメントを大きくすることができるので、操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど車輌が直進状態より旋回状態に移行する際に車輌の旋回をゆっくりと開始させることができ、車輌の旋回応答フィーリングを向上させると共に車輌の中高速走行時の走行安定性を向上させることができる。
例えば図12(A)は車輌12が基準車速Voよりも高い車速にて非制動走行している状況に於いて運転者により切り込み操舵が行われた場合に於ける各車輪10FL〜10RRの駆動力の大小関係と共に車輌に作用する左右前輪の操舵によるヨーモーメントYs及び左右前輪の駆動力差によるヨーモーメントYdを示している。図12(A)より、ヨーモーメントYdはヨーモーメントYsとは逆方向に作用することが解る。
(2)中高車速の非制動走行時に於ける切り戻し操舵時
車輌が基準車速Voよりも高い車速にて非制動走行している状況に於いて運転者により切り戻し操舵が行われた場合には、上記(1)の場合と同様ステップ20に於いて否定判別が行われ、ステップ30に於いてアクセル開度φに基づき各車輪の基本駆動トルクTdbiが演算され、ステップ42に於いて否定判別が行われるが、ステップ46に於いても否定判別が行われるので、ステップ50に於いて図8に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdが演算され、上記(1)の場合と同様ステップ60〜80により電動発電機12FL〜12RRが制御される。
従って操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど旋回抑制方向の左右前輪の駆動力差を大きくし、これにより操舵方向とは逆方向のヨーモーメントを大きくすることができるので、操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど車輌が旋回状態より直進状態に移行する際に車輌の旋回をゆっくりと開始させることができ、車輌の旋回応答フィーリングを向上させると共に車輌の中高速走行時の走行安定性を向上させることができ、また切り込み時よりも車輌の旋回応答性を若干高くすることができる。
例えば図12(B)は車輌12が基準車速Voよりも高い車速にて非制動走行している状況に於いて運転者により切り戻し操舵が行われた場合に於ける各車輪10FL〜10RRの駆動力の大小関係と共に車輌に作用する左右前輪の操舵によるヨーモーメントYs及び左右前輪の駆動力差によるヨーモーメントYdを示している。図12(A)と図12(B)との比較より解る如く、左右前輪の駆動力差及びヨーモーメントYdは図12(A)の場合よりも小さい。
(3)低車速の非制動走行時に於ける操舵時
車輌が基準車速Vo以下の車速にて非制動走行している状況に於いて運転者により操舵が行われた場合には、上記(1)の場合と同様ステップ20に於いて否定判別が行われ、ステップ30に於いてアクセル開度φに基づき各車輪の基本駆動トルクTdbiが演算されるが、ステップ42に於いて肯定判別が行われるので、ステップ44に於いて図6に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdが演算され、上記(1)の場合と同様ステップ60〜80により電動発電機12FL〜12RRが制御される。
従って操舵角θの大きさが小さく車速Vが低いほど旋回補助方向の左右前輪の駆動力差を大きくし、これにより操舵方向と同一方向のヨーモーメントを大きくすることができるので、操舵角θの大きさが小さく車速Vが低いほど車輌が直進状態と旋回状態との間に移行する際に車輌の旋回を容易に行わせることができ、車輌の旋回応答フィーリングを向上させると共に据え切り時や幅寄せ時に於ける運転者の操舵負担を軽減することができる。
例えば図12(C)は車輌12が基準車速Vo以下の車速にて非制動走行している状況に於いて運転者により切り込み操舵が行われた場合に於ける各車輪10FL〜10RRの駆動力の大小関係と共に車輌に作用する左右前輪の操舵によるヨーモーメントYs及び左右前輪の駆動力差によるヨーモーメントYdを示している。図12(C)より、ヨーモーメントYdはヨーモーメントYsと同一方向に作用することが解る。
(4)中高車速の制動走行時に於ける切り込み操舵時
車輌が基準車速Voよりも高い車速にて制動走行している状況に於いて運転者により切り込み操舵が行われた場合には、ステップ20に於いて肯定判別が行われ、ステップ90に於いてマスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の基本制動トルクTbbiが演算され、ステップ102に於いて否定判別が行われ、ステップ106に於いて肯定判別が行われるので、ステップ108に於いて図10に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbが演算される。
そしてステップ120に於いてヨーモーメントYdを達成するための左前輪及び右前輪の補正制動トルクTbafl及びTbafrが演算され、ステップ130に於いて基本制動トルクTbbiと補正制動トルクTbafl、Tbafrとの和として各車輪の目標制動トルクTbtiが演算され、ステップ140に於いて各車輪の制動トルクTbiがそれぞれ目標制動トルクTbtiになるよう、電動発電機12FL〜12RR若しくは摩擦制動装置26が制御される。
従って操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど旋回抑制方向の左右前輪の制動力差を大きくし、これにより操舵方向とは逆方向のヨーモーメントを大きくすることができるので、上記(1)の場合と同様、操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど車輌が直進状態より旋回状態に移行する際に車輌の旋回をゆっくりと開始させることができ、車輌の旋回応答フィーリングを向上させると共に車輌の中高速走行時の走行安定性を向上させることができる。
例えば図12(D)は車輌12が基準車速Voよりも高い車速にて制動走行している状況に於いて運転者により切り込み操舵が行われた場合に於ける各車輪10FL〜10RRの制動力の大小関係と共に車輌に作用する左右前輪の操舵によるヨーモーメントYs及び左右前輪の制動力差によるヨーモーメントYdを示している。図12(D)より、ヨーモーメントYdはヨーモーメントYsとは逆方向に作用することが解る。
(5)中高車速の制動走行時に於ける切り戻し操舵時
車輌が基準車速Voよりも高い車速にて制動走行している状況に於いて運転者により切り戻し操舵が行われた場合には、上記(4)の場合と同様ステップ20に於いて肯定判別が行われ、ステップ90に於いてマスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の基本制動トルクTbbiが演算され、ステップ102に於いて否定判別が行われるが、ステップ106に於いても否定判別が行われるので、ステップ110に於いて図11に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbが演算され、上記(4)の場合と同様ステップ120〜140により電動発電機12FL〜12RR若しくは摩擦制動装置26が制御される。
従って操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど旋回抑制方向の左右前輪の制動力差を大きくし、これにより操舵方向とは逆方向のヨーモーメントを大きくすることができるので、上記(2)の場合と同様、操舵角θの大きさが小さく車速Vが高いほど車輌が旋回状態より直進状態に移行する際に車輌の旋回をゆっくりと開始させることができ、車輌の旋回応答フィーリングを向上させると共に車輌の中高速走行時の走行安定性を向上させることができ、また切り込み時よりも車輌の旋回応答性を若干高くすることができる。
例えば図12(E)は車輌12が基準車速Voよりも高い車速にて制動走行している状況に於いて運転者により切り戻し操舵が行われた場合に於ける各車輪10FL〜10RRの制動力の大小関係と共に車輌に作用する左右前輪の操舵によるヨーモーメントYs及び左右前輪の制動力差によるヨーモーメントYdを示している。図12(D)と図12(E)との比較より解る如く、左右前輪の制動力差及びヨーモーメントYdは図12(D)の場合よりも小さい。
(6)低車速の制動走行時に於ける操舵時
車輌が基準車速Vo以下の車速にて制動走行している状況に於いて運転者により操舵が行われた場合には、上記(4)の場合と同様ステップ20に於いて肯定判別が行われ、ステップ90に於いてマスタシリンダ圧力Pmに基づき各車輪の基本制動トルクTbbiが演算されるが、ステップ102に於いて肯定判別が行われるので、ステップ104に於いて図9に示されたグラフに対応するマップより左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbが演算され、上記(4)の場合と同様ステップ120〜140により電動発電機12FL〜12RR若しくは摩擦制動装置26が制御される。
従って操舵角θの大きさが小さく車速Vが低いほど旋回補助方向の左右前輪の制動力差を大きくし、これにより操舵方向と同一方向のヨーモーメントを大きくすることができるので、操舵角θの大きさが小さく車速Vが低いほど車輌が直進状態と旋回状態との間に移行する際に車輌の旋回を容易に行わせることができ、車輌の旋回応答フィーリングを向上させると共に据え切り時や幅寄せ時に於ける運転者の操舵負担を軽減することができる。
例えば図12(F)は車輌12が基準車速Vo以下の車速にて制動走行している状況に於いて運転者により切り込み操舵が行われた場合に於ける各車輪10FL〜10RRの制動力の大小関係と共に車輌に作用する左右前輪の操舵によるヨーモーメントYs及び左右前輪の制動力差によるヨーモーメントYdを示している。図12(F)より、ヨーモーメントYdはヨーモーメントYsと同一方向に作用することが解る。
以上の説明より解る如く、車輌が中高速にて走行する場合には操舵角θの大きさが小さい領域に於ける車輌の旋回応答を穏やかにし、車輌が低速にて走行する場合には操舵角θの大きさが小さい領域に於ける車輌の旋回応答を高くし、これにより車輌の様々な走行状態に於いて車輌の旋回応答のフィーリングを向上させることができる。
例えば図13は車輌が中高速にて走行する場合(太い実線)及び車輌が低速にて走行する場合(太い破線)について、従来の車輌が中高速にて走行する場合(細い実線)と比較して車輌の旋回応答特性を示すグラフである。図13より、図示の実施例によれば、従来の車輌の場合に比して車輌が中高速にて走行する状況に於ける車輌の初期旋回応答を穏やかにすると共に、車輌が低速にて走行する状況に於ける車輌の初期旋回応答性を高くすることができることが解る。
また図示の実施例によれば、車輌が中高速にて走行する場合には旋回抑制方向に作用し車輌が低速にて走行する場合には旋回補助方向に作用するヨーモーメントYdは、車輌の非制動時には左右前輪の駆動力差により発生され、車輌の制動時には左右前輪の制動力差により発生されるので、ヨーモーメントYdが左右輪の駆動力差又は左右輪の制動力差のみにより発生される場合に比して、車輌の制駆動の状況に拘らず車輌の旋回応答性を好ましい応答性に制御することができる。
また図示の実施例によれば、ヨーモーメントYdを発生させるために必要な制動力が高い場合には回生制動力に加えて摩擦制動装置26による摩擦制動力も発生されるので、電動発電機12FL〜12RRが高い回生制動力を発生可能な高出力のものである必要がなく、また車輌の制動時にも確実に必要なヨーモーメントYdを発生させることができる。
以上に於いては本発明を特定の実施例について詳細に説明したが、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
例えば上述の実施例に於いては、ヨーモーメントYdを達成するための補正制駆動トルクは左右前輪についてのみ演算されるようになっているが、ヨーモーメントYdを達成するための補正制駆動トルクは左右後輪について演算されてもよく、また左右前輪及び左右後輪について演算されてもよい。
また上述の実施例に於いては、車輌の非制動走行時及び制動走行時の何れについても左右輪の制駆動力差によるヨーモーメントYdが演算され、左右輪の駆動力又は制動力が制御されるようになっているが、車輌の非制動走行時又は制動走行時にのみ左右輪の制駆動力差によるヨーモーメントYdが演算され、左右輪の駆動力又は制動力が制御されるよう修正されてもよい。
また上述の実施例に於いては、車輪10FL〜10RRはそれぞれ電動発電機12FL〜12RRにより直接駆動されるようになっているが、車輪10FL〜10RRはそれぞれ歯車減速機構の如き減速機構を介して電動発電機12FL〜12RRにより直接駆動されるようになっていてもよい。
また上述の実施例に於いては、電動発電機は各車輪に組み込まれたホイールインモータであるが、電動発電機は各車輪を駆動し得る限り車体に支持された電動発電機であってもよく、また上述の実施例に於ける電動発電機は車輌の制動時に回生制動を行う電動発電機であるが、電動発電機が回生制動を行わず、制動力が摩擦制動装置のみにより発生されるよう修正されてもよい。
ホイールインモータ式の四輪駆動車に適用された本発明による操舵制御装置の一つの実施例を示す概略構成図である。 実施例に於ける操舵制御による制駆動トルク制御のメインルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ40に於ける駆動力差ヨーモーメントYd演算ルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ100に於ける制動力差ヨーモーメントYb演算ルーチンを示すフローチャートである。 図2のステップ140に於ける制駆動トルク制御ルーチンを示すフローチャートである。 車輌が低車速にて加速走行する際の操舵角θ及び車速Vと左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdとの間の関係を示すグラフである。 車輌が中高速にて加速走行し切り込み操舵が行われる際の操舵角θ及び車速Vと左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdとの間の関係を示すグラフである。 車輌が中高速にて加速走行し切り戻し操舵が行われる際の操舵角θ及び車速Vと左右前輪の駆動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYdとの間の関係を示すグラフである。 車輌が低車速にて制動走行する際の操舵角θ及び車速Vと左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbとの間の関係を示すグラフである。 車輌が中高速にて制動走行し切り込み操舵が行われる際の操舵角θ及び車速Vと左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbとの間の関係を示すグラフである。 車輌が中高速にて制動走行し切り戻し操舵が行われる際の操舵角θ及び車速Vと左右前輪の制動力差により車輌に付与すべきヨーモーメントYbとの間の関係を示すグラフである。 車輌の種々の走行状況について運転者により操舵が行われた場合に於ける各車輪の制駆動力の大小関係と共に車輌に作用する左右前輪の操舵によるヨーモーメントYs及び左右前輪の制駆動力差によるヨーモーメントYdを示す説明図である。 車輌が中高速にて走行する場合(太い実線)及び車輌が低速にて走行する場合(太い破線)について、従来の車輌が中高速にて走行する場合(細い実線)と比較して車輌の旋回応答特性を示すグラフである。
符号の説明
14 ステアリングホイール
16 パワーステアリング装置
22FL〜22RR 電動発電機
24 駆動力制御用電子制御装置
26 摩擦制動装置
32 ブレーキペダル
36 制動力制御用電子制御装置
38 車速センサ
40 アクセル開度センサ
42、44FL〜44RR 圧力センサ

Claims (8)

  1. 操舵輪を操舵することにより車輌にヨーモーメントを付与する操舵手段と、左右の車輪の制駆動力に差を与えて車輌にヨーモーメントを付与する制駆動力差付与手段とを有し、前記操舵輪が前記操舵手段により直進位置と旋回位置との間に操舵される際に前記操舵手段によるヨーモーメントを前記制駆動力差付与手段による逆方向のヨーモーメントにより少なくとも部分的に相殺することを特徴とする車輌の操舵制御装置。
  2. 前記ヨーモーメントの相殺は前記操舵輪が前記直進位置を含む所定の操舵角度範囲内にあるときに行われることを特徴とする請求項1に記載の車輌の操舵制御装置。
  3. 前記ヨーモーメントの相殺の度合は前記操舵輪の操舵角度の大きさが大きいときには前記操舵輪の操舵角度の大きさが小さいときに比して小さいことを特徴とする請求項1又は2に記載の車輌の操舵制御装置。
  4. 前記操舵輪が直進位置より旋回位置へ操舵される際の前記ヨーモーメントの相殺の度合は前記操舵輪が旋回位置より直進位置へ操舵される際の前記ヨーモーメントの相殺の度合に比して大きいことを特徴とする請求項1乃至3に記載の車輌の操舵制御装置。
  5. 前記ヨーモーメントの相殺の度合は車速が高いときには車速が低いときに比して大きいことを特徴とする請求項1乃至4に記載の車輌の操舵制御装置。
  6. 前記ヨーモーメントの相殺は車速が中高車速域判定の基準値よりも高いときに行われることを特徴とする請求項1乃至5に記載の車輌の操舵制御装置。
  7. 車速が低車速域判定の基準値以下であるときには前記操舵手段によるヨーモーメントと同一方向に前記制駆動力差付与手段によるヨーモーメントを発生させることを特徴とする請求項1乃至6に記載の車輌の操舵制御装置。
  8. 前記制駆動力差付与手段によるヨーモーメントの大きさは車速が低いときには車速が高いときに比して大きいことを特徴とする請求項7に記載の車輌の操舵制御装置。
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