JP2006021217A - スポット接合用摩擦撹拌接合装置 - Google Patents

スポット接合用摩擦撹拌接合装置 Download PDF

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Abstract


【課題】 接合ツールの磨耗を低減することができるスポット接合用摩擦撹拌接合装置を提供する。
【解決手段】 被接合物3に形成される被接合部分3aに接合ツール4を没入させる前に、被接合部分3aにレーザ光を照射させて、被接合部分3aを軟化温度に達するまで加熱させる。これによってツール没入直後の摩擦接触によってする被接合部分3aの加熱を、レーザ光による加熱で置き換えることができる。接合ツール4が被接合部分3aに接触する段階では、既に被接合部分3aは高温に加熱されて軟化している。したがって被接合部分から接合ツール4に与えられる抵抗力および衝撃力を小さくすることができる。このようにして接合ツール4、特に先端のピン部6にとって磨耗損失の点で最も過酷な接合初期の摩擦発熱過程をレーザ加熱で置き換えることで、接合ツール4に生じる磨耗を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数の被接合部材をスポット接合する摩擦撹拌接合装置に関する。
複数の被接合部材をスポット接合する装置として、スポット接合用摩擦撹拌接合装置がある(たとえば特許文献1参照)。この装置は、被接合部材が重ね合わされる被接合物の一方側に接合ツールを配置する。次に接合ツールを、回転させながら被接合物の被接合部分に押付け、被接合部分に没入させる。接合ツールは、先端部に形成されるピン部と被接合部分の表面とが接触し、ピン部と被接合部分との間に生じる摩擦熱によって、被接合部分が軟化する。接合ツールは、各被接合部材を非溶融の状態で流動化し、流動化した部分を撹拌して各被接合部材を接合する。
被接合物が軟質でかつ低融点材料の場合、たとえばアルミニウム合金やマグネシウム合金の場合、被接合物は300℃程度の比較的低温度で十分に軟化する。この場合、被接合部分から接合ツールに大きな抵抗が与えられることなく、接合ツールを被接合部分に没入させることができる。このとき接合ツールと被接合部分とは、大きな強度差がある。したがって接合ツールを没入するツール没入工程で、接合ツールの磨耗は極めて少ない。
また突き合わされた2つの被接合部材を、それらの境界となる接合線に沿って、連続接合する装置として、連続接合用摩擦撹拌接合装置がある(たとえば特許文献2参照)。この接合装置は、アルミ合金から成る被接合物に接合ツールを没入させた状態で、接合線に沿って接合ツールを移動させて各被接合部材を接合する。このとき被接合物のうちで、接合ツールの移動方向前方となる部分を、レーザ光によって100℃〜300℃に予備加熱する。
特開2001−314983号公報 特許第3081808号公報
図18は、アルミ合金と、炭素鋼と、接合ツールに用いられる材料との強度の温度変化を示すグラフである。上述した2つの従来技術の摩擦撹拌接合装置は、アルミ合金やマグネシウムなどの融点温度の低い材料から成る被接合部材を接合するのに用いられる。図18に示すように、アルミ合金は、200℃以上に加熱されると強度が低下する。これに対して炭素鋼は、800℃以上に加熱されるまで、ほとんど軟化せず高い強度を維持する。また炭素鋼は、アルミ合金に比べて強度が高い。
すなわち炭素鋼から成る被接合物は、低温では大きな塑性変形抵抗を有する。したがって炭素鋼から成る被接合物の被接合部分に接合ツールを没入させようとすると、被接合物が加熱されて軟化するまでに時間がかかり、硬い状態の被接合部分に接合ツールが長時間摩擦接触する。これによって被接合物から接合ツールに大きな抵抗力が与えられることになる。さらに工具鋼から成る接合ツールと、炭素鋼から成る被接合部材との強度とは大きな差がない。したがって被接合物が炭素鋼から成る場合には、被接合物がアルミ合金から成る場合に比べて、接合ツールの損傷が著しくなる。
仮に接合ツールとして、低温から高温にかけて高い強度を有する非金属性材料、たとえばボロン窒化物などのセラミックスから成る非金属製の材料を用いたとしても、炭素鋼から成る被接合部分を接合する場合には、実際には接合ツールを頻繁に交換する必要がある。また非金属性材料から成る接合ツールは、工具鋼から成る接合ツールに比べてはるかに高価である。したがって非金属製材料から成る接合ツールを用いたとしても、材料費および施工能率の面で許容されない規模のコストアップに繋がってしまう。
またこのような問題は、炭素鋼以外、ステンレス鋼およびニッケル鋼などの高強度でかつ融点温度が高い材料から被接合物が構成される場合も同様に生じる。被接合物に形成される複数の被接合部分を順番にスポット接合する場合には、スポット接合のたびに、加熱前の硬い状態の被接合物に接合ツールを摩擦接触させる必要がある。これによって接合ツールの磨耗がさらに顕著となる。
したがって本発明の目的は、接合ツールの磨耗を低減することができるスポット接合用摩擦撹拌接合装置を提供することである。特に、被接合物の融点温度が高い場合であっても、また接合ツールと被接合物との強度差が小さい場合であっても、接合ツールの磨耗を低減することができるスポット接合用摩擦撹拌接合装置を提供することである。
特許文献2に開示される摩擦撹拌接合装置では、低融点材料であるアルミ合金から成る2つの被接合部材を連続接合することが開示されている。言い換えると、融点温度が高い材料から成る被接合物についてスポット接合することについては、開示も示唆もされていない。すなわち本発明の目的に比べて、対象とする被接合物と接合方法とが異なる。
この特許文献2に開示される摩擦撹拌接合装置では、レーザ光を照射した状態で接合線に沿ってレーザヘッドが移動するので、レーザ光によって加熱される領域が増えてしまい、被接合部材に生じる熱ひずみを成長させてしまうという問題がある。また接合ツールの没入を開始する位置と、レーザ光を照射する位置とが異なっているので、接合ツールを被接合物に没入するときには被接合物が予熱されておらず、接合ツール先端部の磨耗を解消することができない。またレーザ光によって被接合物を予熱したとしても、100℃〜300℃に被接合物を予熱するだけなので、炭素鋼またはオーステナイト系ステンレス鋼のような高融点材料によって被接合物が成る場合には、被接合物を十分に軟化させる前に、接合ツールが被接合物に没入してしまい、やはりピン部分の磨耗を低減することができない。
スポット接合では、接合ツールの没入および脱出が頻繁に繰返されて、複数の被接合部分を順番に接合する場合が多い。したがって接合ツールの先端部の消耗が激しくなる。特許文献2は、没入した状態の接合ツールを移動させて接合する連続接合について記載されており、スポット接合における接合ツールの磨耗を防ぐ方法について記載されていない。それどころか接合ツールの没入中もレーザ光によって被接合物を加熱しているので、被接合物の温度が過剰に上昇してしまい、被接合物に熱ひずみが生じて接合品質が低下してしまう。
したがって特許文献2に開示される技術を用いて、スポット接合用の摩擦撹拌接合装置を構成したとしても、被接合物の融点温度が高い場合または接合ツールと被接合物との強度差が小さい場合に、接合ツールの磨耗を低減するという本発明の目的を達成することができない。
本発明は、複数の被接合部材によって構成される被接合物に、回転する接合ツールを没入させて各被接合部材をスポット接合する摩擦撹拌接合装置であって、
予め定める回転軸線を有し、回転軸線と同軸に接合ツールを保持するツール保持部と、
ツール保持部を回転軸線まわりに回転駆動する回転駆動手段と、
ツール保持部を回転軸線に沿って変位駆動する直進駆動手段と、
ツール保持部を支持する基体と、
集光したレーザ光を照射するレーザ光発生手段と、
回転駆動手段、直進駆動手段およびレーザ光発生手段を制御して、被接合物に形成される被接合部分に接合ツールを没入させる前に、被接合部分にレーザ光を照射させて、被接合部分を被接合物の融点温度未満でかつ接合ツールに対して被接合部分が相対的に軟化する軟化温度に達するまで加熱させる制御手段とを備えることを特徴とするスポット接合用摩擦撹拌接合装置である。
また本発明は、略円柱状に形成される本体部と、本体部に対して同軸に形成されて本体部から軸線方向一方に突出し、本体部よりも外径が小さい略円柱状に形成されるピン部とが形成される接合ツールを没入させて各被接合部材をスポット接合する摩擦撹拌接合装置であって、
被接合部分の表面のうち、レーザ光発生手段によってレーザ光が照射される照射領域は、被接合部分の表面にピン部が接触するピン部接触領域を含み、被接合部分の表面に本体部が接触する本体部接触領域に含まれることを特徴とする。
また本発明は、レーザ光発生手段は、基体に連結されて集光したレーザ光を被接合部分に照射する集光ヘッドと、
基体とは異なる位置に設けられて、レーザ光を発生するレーザ発振器と、
可撓性を有し、レーザ発振器で発生されたレーザ光を集光ヘッドに導光する光ファイバケーブルとを含むことを特徴とする。
また本発明は、前記集光ヘッドは、集光ヘッドの光学系における焦点距離を調整可能に構成されることを特徴とする。
また本発明は、レーザ光発生手段は、レーザ光の照射エネルギーを変更可能であって、
制御手段は、予め定められる接合条件に基づいてレーザ光発生手段を制御し、被接合部分に照射されるレーザ光の照射エネルギーを調整することを特徴とする。
また本発明は、レーザ光発生手段は、レーザ光が照射された被接合部分の引張り強さが100MPa以下、言い換えると10kgf/mm以下となるように、被接合部分をレーザ光によって加熱することを特徴とする。
また本発明は、レーザ光発生手段は、レーザ光が照射された被接合部分のブリネル硬さが20Hとなるように、被接合部分をレーザ光によって加熱することを特徴とする。
また本発明は、被接合物は、炭素鋼、ステンレス鋼およびニッケル合金のいずれか1つからなることを特徴とする。
また本発明は、請求項1〜8のいずれか1つに記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置と、
前記スポット接合用摩擦撹拌接合装置を任意の位置および姿勢に変位駆動する基体駆動装置とを備えることを特徴とするスポット接合用摩擦撹拌接合システムである。
また本発明は、複数の被接合部材によって構成される被接合物に、回転する接合ツールを没入させて各被接合部材をスポット接合する摩擦撹拌接合方法であって、
被接合物に形成される被接合部分に集光したレーザ光を照射させて、被接合部分を被接合物の融点温度以下でかつ接合ツールに対して被接合物が相対的に軟化する軟化温度に加熱するレーザ光照射工程と、
被接合部分が予め定める軟化温度に達した後、レーザ光の照射を停止して、被接合部分に接合ツールを回転させながら没入させるツール没入工程と、
接合ツールによって発生する摩擦熱によって各被接合部材を流動化させて撹拌した後、被接合部分から接合ツールを脱出させるツール脱出工程とを含むことを特徴とするスポット接合用摩擦撹拌接合方法である。
本発明によれば、レーザ光発生手段によって集光したレーザ光を被接合部分に照射して、被接合部分を加熱し、被接合部分を軟化させる。次に回転駆動手段および直進駆動手段によって、ツール保持部に装着された接合ツールを移動させて、被接合部分に接合ツールを回転接触させる。接合ツールは、レーザ光によって既に軟化された被接合部分に没入する。被接合部分に没入した接合ツールは、摩擦熱によって被接合部分を流動化し、流動化した被接合部分を撹拌することで、各被接合部材の境界部分が混ざり合う。この後、接合ツールを被接合物から脱出させた後、被接合部分の温度が低下することによって、各被接合部材を接合することができる。
本発明では、接合ツールを被接合部分に没入させる前に、レーザ光によって被接合部分を局所的に加熱する。したがって、従来においてツール没入直後の摩擦接触によって行っていた被接合部分の加熱を、レーザ光による加熱に置き換えることができる。接合ツールが被接合部分に接触する段階では、既に被接合部分は高温に加熱されて軟化している。したがってツール没入直後に被接合部分から接合ツールに与えられる抵抗力および衝撃力を小さくすることができる。
このように接合ツール、特に先端部にとって磨耗損失の点で最も過酷な接合初期の摩擦発熱過程をレーザ加熱で置き換えることで、接合ツールに生じる磨耗を低減することができ、接合ツールの寿命を延ばすことができる。また接合ツールを没入させるたびに、軟化した状態の被接合部分に接合ツールの先端部を摩擦接触させることができ、複数の被接合部分を順番にスポット接合する場合においても、接合ツールの先端部の磨耗を好適に低減することができる。
接合ツールの寿命を延ばすことで、接合ツールを頻繁に交換する必要がなく、生産効率を向上することができる。また強度の高い材料を用いて接合ツールを実現する必要がなく、接合ツールを実現する材料の選択肢を増やすことができる。これによって工具鋼などの安価な材料を用いて接合ツールを実現することができる。
さらに集光したレーザ光によって被接合部分を加熱することによって、被接合部分における入熱量の制御を容易に行うことができる。すなわち被接合部分を局所的に短時間で加熱することができ、被接合部分以外の残余の部分に熱が伝わる前に、被接合部分を所定の軟化温度に加熱することができる。また接合ツールを没入する直前に被接合部分を予熱することによって、レーザ光によって発生した熱が分散する前に接合ツールを被接合部分に没入させることができ、レーザ光による予熱温度を過剰に高くする必要がない。またレーザ光を用いて加熱することによって、非接触で短時間に加熱することができ、他の加熱手段に比べて取扱いを容易にすることができる。
また予熱する温度を融点温度以上にすると、熱ひずみの影響が大きく、接合品質が低下するが、本発明のようにレーザ光によって加熱する温度を融点温度未満とすることによって、摩擦撹拌接合の特徴である熱ひずみを抑える効果を維持することができる。
また本発明によれば、接合ツールは、被接合物に没入するにあたって、まずピン部が被接合部分に摩擦接触して没入し、次に本体部の端面が被接合部分に摩擦接触する。本発明では被接合部分の表面領域のうち、レーザ光の照射領域がピン部接触領域を含むことによって、被接合部分のうち、少なくともピン部が接触する部分を確実に軟化することができる。これによって接合ツールのピン部は、被接合部分からの抵抗力をほとんど受けることない。したがって接合ツールのうち、消耗しやすいピン部の磨耗を抑えることができる。
また被接合部分に照射されるレーザ光の照射領域が、被接合部分の表面に本体部が接触する本体部接触領域に含まれるように調整されることによって、被接合部分から離れた部分の温度が上昇することを防ぎ、被接合物に生じる熱ひずみの影響を抑えることができる。なお、レーザ光の照射領域は、前記ピン部接触領域を含んで、可及的にその面積が小さいことが好ましい。その理由は、照射領域の面積を可及的に小さくすることによって、単位面積あたりに照射されるエネルギーを高くすることができ、より短時間に被接合部分を所定の軟化温度に加熱することができるからである。
また本発明によれば、基体とは別体に設けられるレーザ発振器で発生したレーザ光を、光ファイバによって集光ヘッドに導き、基体に連結される集光ヘッドからレーザ光を被接合部分に向けて照射する。基体が予め定める被接合部分に向かって移動すると、基体とともに接合ツールおよび集光ヘッドが移動し、基体の移動先で摩擦撹拌接合することができる。基体とレーザ発振器とを別体に設けることによって、基体にレーザ発振器を搭載する必要がなく、基体の大形化および重量化を防ぐことができる。
また基体の移動に応じて光ファイバが変形することによって、レーザ発振器と集光ヘッドとの間のレーザ光の光路を確保することができ、レーザ発振器と集光ヘッドとの間のレーザ光の光路調整を不要とすることができる。たとえばファイバ導光が可能な波長域を持つレーザ光を発光可能なレーザ装置として、半導体レーザ装置またはYAG(Yttrium
Aluminum Garnet)レーザ装置を用いることができる。
また本発明によれば、レーザ光は、その光軸に沿って集光ヘッドから焦点位置に向かうにつれて集光する。集光ヘッドの光学系の焦点距離を調整することによって、被接合部分に照射されるレーザ光の照射領域の大きさを変更することができる。したがって接合条件、たとえば、被接合部材の材質、接合ツールのピン形状が変更された場合でも、変化した接合条件に応じて照射領域の大きさを調整することができる。また照射領域の大きさを変更するために、焦点距離の異なる集光ヘッドに取替えたり、集光ヘッドの取付位置を変更したりする必要がなく、利便性を向上することができる。
また本発明によれば、制御手段が接合条件に基づいてレーザ光の照射エネルギーを調整することによって、スポット接合のたびにレーザ光の照射エネルギーを変更することができる。照射エネルギーの調整は、たとえばレーザ光の単位時間当たりのパワー、照射時間、照射領域の大きさおよび照射位置のうちの少なくともいずれか1つを調整することによって行われる。
これによってスポット接合を行うにあたって、被接合物の材質および板厚などの接合条件が異なる場合であっても、接合条件に応じた照射エネルギーを被接合部分に与えることができ、好適に摩擦撹拌接合することができる。たとえば接合ツールの磨耗を防いだうえで、接合品質を向上して短時間で摩擦撹拌接合を行うことができる。
また本発明によれば、レーザ光発生手段によって軟化された被接合部分は、その引張り強さの値が、100MPa以下、言い換えると10kgf/mm以下となる。このように被接合部分3aを軟化することによって、被接合物が高強度高融点材料から成る場合であっても、接合ツールの先端部に大きな抵抗を与えることなく、接合ツールを被接合物中に容易に没入させることができる。
また本発明によれば、レーザ光発生手段によって軟化された被接合部分は、そのブリネル硬さの値が、20H以下となる。このように被接合部分を軟化することによって、被接合物が高強度高融点材料から成る場合であっても、接合ツールの先端部に大きな抵抗を与えることなく、接合ツールを被接合物中に容易に没入させることができる。
また本発明によれば、被接合物が炭素鋼、ステンレス鋼およびニッケル合金のいずれか1つからなる。このように被接合物が、高強度でかつ高融点材料である場合であっても、上述したように被接合部分をレーザ光によって、ツール没入前に軟化させることによって、接合ツールの先端部に与えられる衝撃および接合ツールの先端部に生じる磨耗を防いで、摩擦撹拌接合を行うことができる。これによって接合ツールの磨耗を減らすことができ、接合ツールの寿命を長くすることができる。言い換えると高硬度な材質から成る接合ツールを用いる必要がなく、安価な材料によって接合ツールを実現することができる。
また本発明によれば、基体駆動装置が摩擦撹拌接合装置を任意の位置および任意の姿勢に変位駆動することによって、任意の位置に設定される被接合部分で、スポット接合を行うことができる。複数の被接合部分が、3次元的に点在する場合であっても、容易にスポット接合することができる。たとえば基体駆動装置は、6軸多関節ロボットによって実現される。
また本発明によれば、レーザ光照射工程で、被接合部分に集光したレーザ光を照射させて、被接合部分を加熱する。被接合部分が予め定める軟化温度に達すると、レーザ光の照射を停止する。レーザ光照射工程の後でツール没入工程に進む。ツール没入工程では、接合ツールを回転させながら被接合物に没入させる。そして接合ツールによって発生する摩擦熱によって各被接合部材を流動化させて撹拌した後、ツール脱出工程に進む。ツール脱出工程では、被接合物から接合ツールを脱出させる。
本発明では、接合ツールを被接合部分に没入させる前に、レーザ光によって被接合部分を局所的に加熱する。これによって次工程で、接合ツールを被接合部分に没入させるにあたって、接合ツールに被接合部分から与えられる抵抗力を小さくすることができ、接合ツールの先端部に生じる磨耗を防いで摩擦撹拌接合を行うことができ、接合ツールの寿命を延ばすことができる。
これによって接合ツールを頻繁に交換する必要がなく、生産効率を向上することができる。また強度の高い材料を用いて接合ツールを実現する必要がなく、接合ツールを実現する材料の選択肢を増やすことができる。これによって工具鋼などの安価な材料を用いて接合ツールを実現することができる。さらに被接合部分以外の残余の部分に熱が伝わることを防ぐことができ、摩擦撹拌接合によって生じる熱ひずみを抑えることができ、接合品質の低下を防ぐことができる。
さらに集光したレーザ光によって被接合部分を加熱することによって、被接合部分における入熱量の制御を容易に行うことができる。すなわち被接合部分を局所的に短時間に加熱することができ、被接合部分以外の残余の部分に熱が伝わる前に、被接合部分を所定の軟化温度に加熱することができる。また予熱する温度を融点温度以上にすると、熱ひずみの影響が大きく、接合品質が低下するが、本発明のようにレーザ光によって加熱する温度を融点温度未満とすることによって、摩擦撹拌接合の特徴である熱ひずみを抑える効果を維持することができ、接合後の被接合物の品質低下を防ぐことができる。
図1は、本発明の実施の第1形態である摩擦撹拌接合装置50の一部を拡大して示す斜視図である。摩擦撹拌接合装置50(以下、単に接合装置50と称する)は、被接合物3として構成される複数の被接合部材1,2を摩擦撹拌接合(Friction Stir Welding :略称FSW)する。接合装置50は、被接合物3に複数点在する被接合部分を順次接合する。すなわち接合装置50は、摩擦撹拌接合によるスポット接合、いわゆるFSJ(
Friction Spot Joining)接合を行う。
接合装置50は、円柱状の接合ツール4を用いて摩擦撹拌接合を行う。接合ツール4は、円柱状に形成される本体部5と、本体部5から軸線方向一方A1に突出し、略円筒状に形成されるピン部6とが形成される。本体部5は、軸線方向一方A1側端面となるショルダ面7を有する。ショルダ面7は、接合ツール4の軸線L1に対して略垂直に形成される。本体部5とピン部6とは、同軸に形成され、ピン部6の外径は、本体部5の外径よりも小さく形成される。ピン部6は、接合ツールの先端部となる。ピン部6は、被接合物3に没入しやすくするために軸線方向一方A1に向かうにつれて先細となる凸形状に形成されることが好ましい。
接合装置50は、各接合部材1,2を接合するために、接合ツール4をその軸線L1まわりに回転させながら、接合ツール4の軸線方向一方A1側部分を被接合物3の被接合部分3aに押付ける。これによって接合ツール4のピン部6が被接合部分3aに摩擦接触する。接合ツール4は、摩擦熱によって、被接合部分3aを流動化させて流動化した部分を撹拌する。接合ツール4が被接合部分3aに没入することで、ピン部6が各接合部材1,2の境界部分を通過する。
接合ツール4によって流動化した各被接合部材1,2が互いに混ぜ合わされる。この後、接合ツール4が被接合部分3aから離脱して、流動化した被接合部分3aが固まることによって、各被接合部材1,2を接合することができる。接合装置50は、1つ被接合部分においてスポット接合を終えると、次の被接合部分3aに接合ツール4を移動させて、次のスポット接合を行う。このようにしてスポット接合を連続施工する。
本実施の形態の接合装置50は、被接合物3の被接合部分3aに集光したレーザ光を照射するレーザ集光ヘッド100が設けられる。レーザ集光ヘッド100は、レーザ光を照射することによって、被接合物3の被接合部分3aを加熱する。具体的には、レーザ集光ヘッド100は、被接合部分3aを、被接合物3の融点温度未満でかつ、接合ツール4に対して被接合部分3aが相対的に軟化する軟化温度に達するまで加熱する。
被接合物3は、互いに並んだ複数の被接合部材1,2によって構成される。被接合物3を構成する各被接合部材1,2のうちの少なくともいずれかは、たとえば炭素鋼、ステンレス鋼またはニッケル合金などの高強度高融点材料から成る。被接合物3は、予め定める被接合物保持装置に保持される。
高強度高融点材料とは、高温に加熱されるまでほとんど軟化せず、常温では接合ツール4を構成する材料との強度差が小さい材料である。予備加熱を行わずに摩擦撹拌接合した場合において接合ツール没入過程における初期段階時の温度、たとえば400℃に、被接合物となりうる材料を加熱したときの強度が400MPa(40kgf/mm)以上および硬さが80H以上の少なくともいずれか一方の条件または両方の条件を満たす材料である。被接合物の温度とその色とには対応関係があるので、初期段階地の温度は、300℃〜400℃に加熱された被接合物の色、いわゆるテンパー色に基づいて推定することができる。
なお、本発明において強度は、JIS(日本工業規格)2201Zに規定される引張試験によって決定され、試験片が切れるまでに現れる最大応力をいう。また硬さは、JIS(日本工業規格)B7724、Z2243に規定されるブリネル硬さ試験によって決定され、鋼球を材料に一定圧力で押込んだときのくぼみの大きさに基づいて決定される。たとえば接合ツール没入過程における初期段階の温度は、ショルダ面7が被接合部分3aに接触するときの被接合部分3aの温度となる。
また高強度高融点材料は、接合ツール4と被接合物3との相対的な強度または硬さによって決定されてもよい。この場合、前記初期段階の温度、たとえば400℃に接合ツール4を構成する材料を加熱したときの強度となるツール強度P1から、被接合物となりうる材料を加熱したときの強度となる接合物強度P2を減算した強度(P1−P2)が、400MPa(40kgf/mm)未満となるような被接合物3の材料を高強度高融点材料とする。たとえばツール強度P1は、500MPa(50kgf/mm)であり、低融点軟質材料であるアルミ合金の強度は、約100MPa(約10kgf/mm)である。したがってアルミ合金よりも強度の高い材料が、高強度高融点材料となる。
または前記初期段階の温度、たとえば400℃に接合ツール4を構成する材料を加熱したときの硬さとなるツール硬さH1から、被接合物となりうる材料を加熱したときの硬さとなる被接合物硬さH2を減算した硬さ(H1−H2)が、80H以下となるような被接合物3の材料を高強度高融点材料とする。
レーザ光は、単一波長で位相差のない光である。したがって加熱源としてレーザ光を用いることによって、被接合物3のうちの一部分に集光して、極めて高い密度のエネルギーを与えることができる。これによって被接合物3のうち、接合ツール4が接触する被接合部分3aについて限定的に短時間で軟化温度に加熱することができる。これによって被接合物3全体が加熱されることによる熱の影響を少なくすることができ、熱による変形を抑えることができる。
また電子ビームおよびイオンビームなどを加熱源とすると、真空チャンバを必要とするので、被接合物3の形状や寸法が制限される。これに対してレーザ光を用いることによって装置が大形になることを防ぐことができるので、接合可能な被接合物3の形状および寸法の自由度を広げることができる。本実施の形態では、接合ツール4を被接合部分3aに接触させるに先立って、被接合部分3aへのレーザ光が照射される。
レーザ光によって被接合部分3aを軟化する軟化温度は、被接合物3の温度強度特性によって決定され、予め定める温度範囲に決定される。たとえば軟化温度は、被接合物3の引張り強さの値が100MPa(10kgf/mm)以下となる温度に設定される。または軟化温度は、被接合物3のブリネル硬さの値が20H以下となる温度に設定される。たとえば炭素鋼では、金属結晶組織がオーステナイトに変態する温度範囲であって、800℃以上で1500℃以下に設定される。またオーステナイト系ステンレス鋼では、1000℃以上で1500℃以下に設定される。また軟化温度に達したときの被接合物3の強度がアルミ合金の強度以下および被接合物3の硬さがアルミ合金の硬さ以下の少なくともいずれか一方となるような温度に設定されてもよい。
また軟化温度は、接合ツール4と被接合物3との相対的な強度または硬さによって決定されてもよい。この場合、たとえば常温において接合ツール4を構成する材料を加熱したときの強度となるツール強度P3から、被接合物3を構成する材料を軟化温度まで加熱したときの強度となる接合物強度P4を減算した強度(P3−P4)が、400MPa(40kgf/mm)以上となるような温度に設定されてもよい。またたとえば常温において接合ツール4を構成する材料を加熱したときの硬さとなるツール硬さH3から、被接合物3を構成する材料を軟化温度まで加熱したときの硬さとなる接合物硬さH4を減算した硬さ(H3−H4)が、80H以上となるような温度に設定されてもよい。なお、軟化温度は、接合後の被接合物3の熱ひずみの影響を押さえるために被接合物の融点温度未満に設定される。
図2は、摩擦撹拌接合装置50を簡略化して示す正面図である。本発明の摩擦撹拌接合装置50(以下、接合装置50と称する。)は、多関節ロボット63に保持され、接合ツール4を用いて重ねあわされた複数の被接合部材1,2を互いに接合する。多関節ロボット17は、3次元的に任意の位置および姿勢に接合装置50を移動させる。
接合装置50は、前述した接合ツール4が装着される。接合装置50は、予め設定される基準軸線を有する。接合ツール4は、その軸線L1が前記基準軸線に一致するように、接合装置50に装着される。このとき、接合ツール4の軸線L1と接合装置50の基準軸線とは、同軸となる。したがって接合装置50の基準軸線を、接合ツール4の軸線と同じ参照符号L1で示す。
また基準軸線L1に沿う基準方向と接合ツール4の軸線方向Aとは、一致する。したがって基準方向を、接合ツール4の軸線方向と同じ参照符号Aで示す。なお、基準方向一方A1は、接合装置50に装着される接合ツール4が被接合物3に向かう方向であり、基準方向他方A2は、軸線方向一方A1に対して向きが逆となる方向である。
接合装置50は、ツール保持部51と、回転駆動手段52と、直進駆動手段53と、受け台54と、基体55とを含んで構成される。ツール保持部51は、接合ツール4を着脱可能に保持する。ツール保持部51は、基準軸線L1まわりに回転可能でかつ基準軸線L1に沿って直線変位可能に基体55に支持される。
回転駆動手段52は、ツール保持部51を基準軸線L1まわりに回転駆動する。直進駆動手段53は、ツール保持部51を基準方向Aに直進駆動する。具体的には、各駆動手段52,53は、サーボモータを含んで実現される。各サーボモータは、動力伝達機構を介して、動力をツール保持部51にそれぞれ伝達する。これによってツール保持部51は、回転および直線変位する。回転駆動手段52および直進駆動手段53の詳細については、後述する。
各サーボモータは、予め定めるトルクおよび回転量で回転するように、与えられる付与電流に基づいてフィードバック制御される。各駆動手段52,53は、各サーボモータに付与される付与電流を検出する付与電流検出手段がそれぞれ設けられる。また各駆動手段52,53は、各サーボモータの回転量を検出するエンコーダがそれぞれ設けられる。
回転駆動手段52に対応するエンコーダは、接合ツール4の回転速度を検出する回転速度検出手段となる。また回転駆動手段52に対応する付与電流検出手段は、接合ツール4の回転方向のトルクを検出する負荷トルク検出手段となる。直進駆動手段53に対応するエンコーダは、接合ツール4の基準方向Aの位置を検出するツール位置検出手段となる。また直進駆動手段53に対応する付与電流検出手段は、接合ツール4が被接合物3を加圧する力を検出する加圧力検出手段となる。
受け台54は、ツール保持部51に対して基準方向Aに関して対向する位置に設けられる。受け台54は、基体55に固定される。受け台54は、摩擦撹拌接合にあたって、接合ツール4と反対側から被接合物3を支持する。基体55は、ロボットアーム63の先端部に連結され、ツール保持部51、各駆動手段52,53および受け台54を直接または間接的に支持する。ロボットアーム63は、6軸多関節ロボットに代表されるロボットによって実現される。
基体55は、ロボットアーム63によって任意の位置および姿勢に変位駆動される。また基体55は、いわゆるCガンであって、略C字状に形成される。受け台54は、C字状に形成される基体55の周方向一端部55aに設けられる。またツール保持部51は、C字状に形成される基体55の周方向他端部55bに設けられる。
上述したレーザ集光ヘッド100は、基体55に連結される。基体55は、レーザ集光ヘッド100を支持する支持部110が設けられ、支持部110を介してレーザ集光ヘッド100を保持する。レーザ集光ヘッド100は、レーザ発振器から与えられたレーザ光を集光して、被接合物3の接合部分3aに照射する。集光ヘッド100は、可撓性を有する光ファイバ101を介して、レーザ発振器102によって発生されたレーザ光が与えられる。なお、集光ヘッド100と、光ファイバケーブル101と、レーザ発振器とを含んで、レーザ装置を構成する。
図3は、接合装置50の構成を示すブロック図である。接合装置50は、回転駆動手段52、直進駆動手段53およびレーザ装置103を制御する制御手段65を含む。制御手段65は、たとえばロボットコントローラによって兼用される。ロボットコントローラは、接合装置50を保持する多関節ロボットの各アームを駆動するロボットアーム駆動手段67を制御する。
制御手段65は、ツール位置検出手段70、加圧力検出手段71、回転速度検出手段72および負荷トルク検出手段73から検出結果を示す信号が与えられる。制御手段65は、各検出手段70〜73から与えられる信号に基づいて、直進駆動手段53および回転駆動手段52を制御する。制御手段65が、各駆動手段52,53を制御することによって、目的とする回転速度および加圧力で、接合ツール4を被接合物3に没入させることができる。本実施の形態では、接合ツール4が被接合部分3aに没入している間の加圧力および回転数が一定になるように制御する。
また制御手段65は、レーザ装置103を制御する。これによって制御手段65は、目的とするタイミングで、レーザ光照射状態とレーザ光非照射状態とを切換えることができる。レーザ装置103は、被接合部分3aに照射されるレーザ光の照射エネルギーを変更可能に構成される。この場合、制御手段65は、目的とする照射エネルギーでレーザ光を照射するように、レーザ装置103を制御する。
制御手段65は、CPU(Central Processing Unit)などによって実現される演算処理回路と、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)などによって実現される記憶回路とを有する。記憶回路には、接合装置50の動作に関する動作プログラムが記憶されている。また記録回路には、被接合部分3aの位置および基体55を移動する移動経路などを示す移動情報が記憶される。移動情報および動作プログラムは、図視しない入力手段によって与えられる。
制御手段65の演算処理回路が、記憶回路から動作プログラムを読み出し、その動作プログラムを実行する。これによって制御手段65は、動作プログラムに従って、各駆動手段52,53、レーザ装置103およびアーム駆動手段67を制御することができる。
接合装置50は、接合条件と接合動作パラメータ値とが対応づけて記憶される動作条件テーブル104を有してもよい。動作条件テーブル104は、被接合物3の材質、各被接合部材1,2の板厚、接合ツール4の種類などの接合条件と、接合条件に応じた最適な動作量を表わす接合動作パラメータ値とが対応して記憶される。動作条件テーブル104は、制御手段65が読み取り可能に構成される。たとえば動作条件テーブル104は、制御手段65が読み取り可能な記録媒体である。また動作条件テーブル104は、制御手段65に内蔵される記憶回路によって実現されてもよい。
動作条件テーブル104に記憶される接合動作パラメータ値は、たとえば接合ツール4の回転数、被接合部分3aへの没入量、没入時間、加圧力、レーザ照射パワーおよびレーザ照射時間などであって、予め接合条件毎に最適な値が記憶される。制御手段65は、動作条件テーブル104を参照して、与えられる接合条件に応じた動作パラメータ値を抽出し、抽出した動作パラメータ値に基づいて、各駆動手段52,53、レーザ装置103を制御してもよい。
図4は、接合装置50の受け台付近を拡大して示す正面図である。集光ヘッド100は、受け台54に近接した位置に配置され、受け台54に対して基準方向他方A2に間隔を開けて配置される。受け台54が被接合物3を支持した状態で、集光ヘッド100は、被接合物3を挟んで受け台54と反対側に配置される。すなわちツール保持部51に装着される接合ツール4と同じ側に配置される。
集光ヘッド100は、略円筒形状に形成される。集光ヘッド100の軸線は、基準軸線L1に対して傾斜して配置される。集光ヘッド100は、接合ツール4が被接合部分3aに没入するときに、接合ツール1が移動するツール動作領域からはずれた位置に配置される。これによって接合ツール4の移動動作の妨げに成ることなく、接合ツール4側の表面にレーザ光を照射することができる。集光ヘッド100は、支持部110に装着された状態で、基体55に対する配置位置が調整可能に構成される。本実施の形態では、集光ヘッド100から照射されるレーザ光の光軸L2は、被接合物3の表面で接合ツール4の軸線L1と一致するように調整される。
集光ヘッド100は、レンズなどの複数の光学部品を内蔵する。この複数の光学部品によって集光ヘッド100には、集光光学系となる光学部品群が構成される。光ファイバ101から導光されたレーザ光は、光学部品群を通過することによって、レーザ光を集光して、被接合部分3aに向けて照射させることができる。光学部品群における焦点位置104は、集光ヘッド100よりも基準方向一方A1であって、被接合部分3aよりも基準方向他方A2に設定される。
レーザ光は、その光軸L2に沿って集光ヘッド100から焦点位置104に向かうにつれて集光し、焦点位置104から光軸L2に沿って集光ヘッド100から被接合部分3aに向かうにつれて拡散する。焦点位置104が集光ヘッド100寄りに設定されると、スポット径が広がった状態のレーザ光が被接合部分3aに照射されて、レーザ光が被接部分3aに照射される照射領域が大きくなる。焦点位置104が被接合部分3a寄りに設定されると、レーザ光が狭まった状態のレーザ光が被接合部分3aに照射されて、レーザ光が被接合部分3aに照射される照射領域が小さくなる。焦点位置104が最適に設定されることによって、被接合部分3aに照射されるレーザ光の照射面積を所望の大きさに設定することができる。
本実施の形態では、光学部品群のうちの少なくとも1つとなる可動光学部品を、手動または自動で移動可能に構成される。これによって光学部品群における焦点距離を調整して焦点位置104を変更することができる。したがって集光ヘッド100の光学部品群の焦点位置104を調整することで、接合条件に応じて、被接合部分3aに照射されるレーザ光の照射領域の大きさを変更することができる。これによって各被接合物3の材質および接合ツール4のピン形状が変更された場合でも、変化した接合条件に応じて照射領域の大きさを調整することができる。集光ヘッド100の焦点位置104を調整することが可能であると、焦点距離の異なる集光ヘッドに取替えたり、集光ヘッドの取付位置を変更したりする必要がなく、利便性を向上することができる。
可動光学部品を自動で移動させる場合、集光ヘッド100は、可動光学部品を変位移動する光学部品駆動手段を備える。この場合、制御手段65は、光学部品駆動手段を制御する。
図5は、レーザ装置103の構成を示すブロック図である。上述したようにレーザ装置103は、集光ヘッド100と、光ファイバケーブル101と、レーザ発振器102とを含んで構成される。レーザ発振器102は、レーザ光を発生させるレーザ光発生源となる。レーザ光は、集光することによってエネルギー密度を非常に高く設定でき、被接合部分3aの表面を短時間で能率的に加熱することができる。またそのパワー、照射位置、照射面積をそれぞれ非常に精度良く制御することができる。また小形で取扱いが容易である。したがってバーナー加熱装置、加熱コイルおよびプラズマ照射装置などの他の加熱源に比べて、スポット接合における被接合部分3aの局所的な加熱に好適に用いることができる。
レーザ発振器102は、出力が1.0kW以上、言い換えると約10W/cm以上の高出力のものが好ましい。また、レーザ導光可能な波長域のレーザ光を発生可能であることが好ましい。なお、ファイバ導光可能なレーザ光の波長は、0.325μm以上でかつ1.06μm以下である。
たとえばレーザ発振器102として、半導体レーザ発振器、YAGレーザ発振器、ファイバーレーザ発振器またはCoレーザ発振器を用いることができる。レーザ発振器102は、レーザ溶接に用いられるレーザ発振器を用いて実現することができる。
本実施の形態では、半導体レーザ発振器102が用いられる。半導体レーザ発振器102は、電源装置105から与えられた電力を、レーザ発生用の半導体に供給する。これによってレーザ発生用の半導体は、レーザ光を誘導放出する。なお、半導体レーザ発振器102によって発生されたレーザ光の波長は、ファイバ導光可能な波長範囲内となる。半導体レーザ装置は、ガスレーザ発振器に比べて、小形に構成することができ、光効率でかつランニングコストを低減して、メンテナンスにかかる手間を少なくすることができる。
本実施の形態のレーザ発振器102は、光路を開閉可能なシャッター部材と、シャッター部材を変位駆動するシャッター動作手段とを備える。たとえばシャッター動作手段は、モータによって実現される。これによって制御手段65は、シャッター部材を変位駆動することができる。シャッター動作手段が、シャッター部材を変位駆動して、レーザ光の光路を開くことによって、集光ヘッド100へのレーザ光を供給することができる。またシャッター駆動手段が、シャッター部材を変位駆動して、レーザ光の光路を遮ることによって、集光ヘッド100へのレーザ光の供給を停止することができる。
シャッター動作手段は、上述した制御手段65によって制御される。制御手段65が、シャッター動作手段を制御することによって、被接合部分3aにレーザ光を照射するレーザ光照射状態と、被接合部分3aへのレーザ光照射を停止するレーザ光非照射状態とのいずれかに切換えることができる。
また本実施の形態のレーザ発振器102は、目的とする照射エネルギーのレーザ光を発生させることができる。レーザ発振器102は、発振出力調整手段が設けられ、発振出力調整手段によって、発生するレーザ光の単位時間あたりのパワーを変更することができる。制御手段65は、発振出力調整手段を制御することによって、被接合部分3aに照射するレーザ光のパワーを変更することができる。
図6は、レーザ光が被接合部分3aに照射された照射領域109を説明するための断面図である。図7は、本体部5とピン部6とが被接合部分3aに接触する領域115,116を説明するための図である。図6について、理解を容易にするために被接合部分3aにレーザ光が照射されて加熱された領域111を黒色に色分けして示す。図7について、レーザ光が被接合部分3aに照射された接合領域109を黒色に色分けした領域で示す。また被接合部分3aの表面にピン部6が接触するピン部接触領域116を破線によってハッチングした領域で示す。また被接合部分3aの表面に本体部5が接触する本体部接触領域115を実線によってハッチングした領域で示す。
集光ヘッド100の取付位置および焦点位置が調整されて、レーザ光の照射領域109は、ピン部接触領域116を含み、本体部接触領域115に含まれるように調整される。すなわちピン部接触領域116以上の大きさでかつ、本体部接触領域115以下の大きさに調整される。照射領域109がピン部接触領域116を含むことで、接合ツール没入段階において、ピン部6を被接合部分3aのうちで軟化した部分に確実に接触させることができ、スポット接合において磨耗しやすいピン部6の損耗を低減することができる。また照射領域109を本体部接触領域115よりも小さくすることで、被接合部分3aから離れた部分の温度が上昇することを防ぎ、被接合物3に生じる熱ひずみの影響を抑えることができる。これによって摩擦撹拌接合の特徴である接合後の被接合物3に生じる熱ひずみが少ないという効果を維持することができる。
たとえば接合ツール4の軸線L1とレーザ光の光軸L2とが、被接合部分3aの表面で交差するように調整され、レーザ光の光軸L2に垂直な仮想面におけるレーザ光のスポット径が円形である場合、図7に示すように照射領域109は、接合ツールL1を中心とする楕円形状に形成される。この場合、照射領域109は、上述したようにピン部接触領域116を含み、本体部接触領域115に含まれる。具体的には、楕円に形成される照射領域109の長軸の長さB1は、本体部5の直径B2よりも小さく設定される。また照射領域109の短軸の長さB3は、ピン部6の直径B4よりも大きく設定される。
図8は、スポット径の形状が円形でない第1の場合の、本体部5とピン部6とが被接合部分3aに接触する領域115,116を説明するための図である。レーザ光の光軸L2に垂直な仮想平面におけるレーザ光のスポット径が円形でない場合、図8に示すように照射領域109が接合ツール4の軸線L1を中心とする矩形形状となる場合がある。
この場合であっても、照射領域109は、上述したようにピン部接触領域116を含み、本体部接触領域115に含まれる。具体的には、矩形に形成される照射領域109の長辺の長さC1は、本体部5の直径C2よりも小さく設定される。また照射領域109の短辺の長さC3は、ピン部6の直径C4よりも大きく設定される。このように照射領域109が多角形形状に形成される場合には、その内接円直径がピン部6の直径以上に設定され、その外接円直径が本体部5の直径以下に設定される。なお多角形形状に形成される照射領域109において、内接円直径が本体部5の直径以下に設定されることがさらに好ましい。
図9は、スポット径の形状が円形でない第2の場合の、本体部5とピン部6とが被接合部分3aに接触する領域115,116を説明するための図である。レーザ光の光軸L2に垂直な仮想平面におけるレーザ光のスポット径が円形でなく楕円となる場合、図9に示すように照射領域109が接合ツール4の軸線L1を中心とする円形となる場合がある。
この場合であっても照射領域109は、上述したようにピン部接触領域116を含み、本体部接触領域115に含まれる。具体的には、円形に形成される照射領域109の直径の長さD1は、本体部5の直径C2よりも小さく設定され、ピン部6の直径D3よりも大きく設定される。このように照射領域109が接合ツールの軸線L1を中心とする円形に設定されることが好ましい。これによって接合ツールの軸線L1まわりに偏りなく加熱することができ、被接合部分3aから接合ツール4に与えられる抵抗力を均一にすることができる。たとえば集光ヘッド100の光学部品群によって照射領域109が円形となるように調整可能であることが好ましい。
照射領域109を円形に形成することによって、照射領域をピン部6とほぼ同じ大きさにすることができ、照射領域109の面積を可及的に小さくことができる。このようにレーザ光の照射領域109は、その面積が小さいほうが単位面積あたりに照射されるレーザ光の照射エネルギーを大きくすることができる。したがってより短時間に被接合部分3aを所定の軟化温度に加熱することができる。
本実施の形態では、本体部5の直径であるショルダ径Dsは10mmに設定され、ピン部6の直径であるピン径Dpは3mmに設定される。照射領域109が円形に形成される場合、照射領域109の直径Dは、5mmに設定される。なお、本体部5の直径は、ショルダ面7の直径と一致する。このように照射領域109の直径Dは、ピン径の直径Dpの半分を超えて、ショルダ径の直径Ds未満に形成される。すなわち0.5Dp<D<Dsとなる。前式において、Dは、照射領域109の直径であり、Dpは、ピン径の直径であり、Dsは、ショルダ径の直径である。
図10は、単一スポット接合動作における制御手段65の手順を示すフローチャートである。また図11および図12は、単一スポット接合動作を説明するための断面図であり、図11(1)〜図11(3)、図12(1)〜図12(3)の順番に動作が行われる。以下に1つの被接合部分3aについてスポット接合する場合の制御手段65の動作を説明する。
制御手段65は、ステップa0で、被接合部分3aの位置を示す移動情報が教示されるとともに、ツール保持部51に接合ツール4が装着されて接合準備が完了したうえで、作業者などによって接合開始命令が与えられると、ステップa1に進み、制御手段65は、接合動作を開始する。
ステップa1では、制御手段65は、ロボットアーム駆動手段67に動作指令を与え、基体55を予め定める被接合部分3aに近接した教示位置に移動させる。教示位置に基体55が配置されると、図11(1)に示すように接合ツール4は、接合待機位置に配置され、被接合物3に設定される被接合部分3aに対して基準方向Aに間隔を開けて配置される。また教示位置に基体55が配置されると、受け台54は、接合ツール4と反対側から被接合物3に当接する。接合ツール4を接合待機位置に移動させると、ステップa2に進む。
ステップa2では、制御手段65は、レーザ装置103に動作指令を与え、集光ヘッド100から集光したレーザ光を被接合部分3aに照射する。レーザ光の照射が開始されると、ステップa3に進む。ステップa3では、制御手段65は、回転駆動手段52を制御して、ツール保持部51を回転させる。これによって図11(2)に示すように、ツール保持部51とともに接合ツールが回転し、予め定める回転速度に達すると、ステップa4に進む。
ステップa4では、制御手段65は、直進駆動手段53を制御し、ツール保持部51を基準方向一方A1に移動させる。これによって図11(3)に示すように、接合ツール4が、軸線L1まわりに回転しながら被接合物3に近接する方向A1に移動する。ステップa3およびステップa4では、レーザ装置103によるレーザ光照射状態が継続されることによって、被接合部分3aは加熱される。このように接合ツール4の移動を開始するとステップa5に進む。
ステップa5では、制御手段65は、被接合部分3aが予め定める軟化温度に達したことを判断すると、レーザ装置103を制御してレーザ光の照射を停止する。軟化温度は、被接合部分3aが溶融する溶融温度未満であって、被接合部分3aが接合ツール4に対して軟化する温度である。
たとえば制御手段65は、ステップa2でレーザ光の照射を開始してから、予め設定される軟化温度到達時間が経過すると、被接合部材3aが軟化温度に達したことを判断する。たとえば被接合物3が炭素鋼から成り、2つの被接合部材1,2によって構成され、一方の被接合部材1の厚さが1.0mm、他方の被接合部材2の厚さが1.4mmである場合、軟化温度は、800℃に設定され、軟化温度到達時間は、2.0秒に設定される。なお、軟化温度は、ピン部が没入する直前の温度となる。
レーザ光の照射を停止した後も、接合ツール4は被接合物3に近接移動する。そして図12(1)に示すように、接合ツール4は、レーザ光によって軟化した被接合部分3aに回転しながら没入する。接合ツール4は、被接合部分3aに没入した後、図12(2)に示すように回転しながら基準方向一方A1にさらに進行する。これによって接合ツール4は、被接合部分3aに摺動し、いわゆる摩擦撹拌を行い、ステップa6に進む。具体的には、接合ツール4のピン部6が被接合部分3aに完全に没入すると、ショルダ面7が被接合部分3aに接し、接合ツール4の下降を停止する。このときも接合ツール4は回転を続けているので、ショルダ面7およびピン部6と被接合部分3aとの摩擦熱によって、軟化した各被接合部材1,2が接合ツール4に引きずられて、塑性流動によって撹拌され、ピン部6の周囲において各被接合部分1,2が混ぜ合わされて一体化する。ステップa6では、制御手段65は、予め定める終了条件を満たすと、ステップa7に進む。
予め定める終了条件は、たとえば接合ツール4の接合動作を開始してから、予め定める接合時間が経過したか否かによって設定される。この場合、制御手段65は、接合動作を開始してから、接合ツール4が各被接合部分1,2を充分に撹拌したであろう接合時間が経過すると、ステップa7に進む。
また予め定める終了条件は、たとえば接合ツール4が被接合物3に予め定める没入量だけ没入したか否かによって設定されてもよい。この場合、制御手段65は、ツール位置検出手段70から与えられる検出結果に基づいて、予め定める没入量没入したことを判断すると、ステップa7に進む。なお、制御手段65は、他の終了条件に基づいて、摩擦撹拌の終了を判断してもよい。
ステップa7では、制御手段65は、直進駆動手段53を制御し、ツール保持部51を基準方向他方A2に移動させる。これによって図12(3)に示すように、接合ツール4が被接合物3から離反する方向A2に移動する。そして接合ツール4を接合待機位置に移動させると、ステップa8に進む。ステップa8では、制御手段65は、回転駆動手段52を制御して接合ツール51の回転を停止し、接合ツール51の回転が停止すると接合動作を終了する。なお、ステップa4におけるレーザ光の照射停止した後に、接合ツール4を被接合部分3aに没入させればよく、ステップa2、ステップa3およびステップa4の順番が入れ替わってもよい。
このようにして1つの被接合部分3aにおけるスポット接合動作が行われる。接合ツールの回転速度、被接合部分3aに対する加圧力、レーザ光の照射領域、レーザ光の単位時間あたりのパワーおよびレーザ光の照射時間などの接合動作パラメータ値は、予め実験などによって求められた最適な動作量に設定される。
たとえば、厚み方向に重ね合わされた2つの炭素鋼製被接合部材1,2を接合する場合、一方の被接合部材の板厚が1.0mm、他方の被接合部材の板厚が1.4mmの場合であって、本体部5の直径が15mm、ピン部6の直径が6mmの接合ツール4を用いる場合、接合ツールの回転数が3000rpm、没入後の接合ツール加圧力が55MPa(550kgf/cm)、円形のレーザ照射領域の直径が8.0mm、レーザ照射パワーが1.0kW、照射時間が3.0秒に設定される。なお、接合ツール加圧力は、30MPa(300kgf/cm)であってもよい。
同じ接合条件で複数の被接合部分3aを順番に接合する場合、上述した動作量を設定した状態で、制御手段65は、上述したステップa1〜a8を繰返してスポット接合を繰返す。なお、加熱して軟化された被接合部分3aに接合ツール4を没入することによって、軟化せずに接合ツール4を没入する場合に比べて、短時間で接合ツール4を所定の没入量まで到達させることができる。これによって結果的に接合時間を短縮することができる。
図13は、図10に示すフローチャートにおける接合ツールの動作と、レーザ照射状態との時間変化を示すタイミングチャートである。
基台55が被接合部分3aに近接した教示位置に移動した準備位置到達時刻T0から予め定める第1時間W1が経過して第1時刻T1に達すると、制御手段65は、レーザ光を被接合部分3aに照射する。被接合部分3aは、第1時刻T1からレーザ光によって加熱される。第1時刻T1から予め定める軟化到達時間W3が経過すると第4時刻T4に達し、被接合部分3aは軟化温度に達する。制御手段65は、第4時刻T4に達すると、レーザ光の照射を停止する。
また準備位置到達時刻T0から予め定める第2時間W2が経過して第2時刻T2に達すると、制御手段65は、接合ツール4の回転を開始する。第2時刻T2から予め定める回転開始時間W4が経過すると第3時刻T3に達し、接合ツール4は所定没入回転数に達する。制御手段65は、第3時刻T3以降、接合ツール4が所定回転数で回転するように回転駆動手段52をする。
第3時刻T3に達すると、制御手段65は、接合ツール4を基準方向一方A1へ移動開始する。これによって接合ツール4は、被接合物3に近接する方向に移動する。第3時刻T4から予め定める第5時間W5が経過すると第5時刻T5に達し、接合ツール4は被接合部分3aに接触する。なお上述したレーザ光の照射を停止する第4時刻T4は、第5時刻よりも前の時間に設定される。言い換えると第4時刻T4から予め定める加熱停止経過時間P2が経過してから第5時刻T5に達する。
接合ツール4が被接合部分3aに没入した第5時刻T5から予め定める第6時間W6経過して第6時刻T6に達すると、接合ツール4のピン部6が各被接合部材1,2の境界を通過するとともに、流動化した各被接合部材1,2は十分に撹拌される。第6時刻T6に達すると、制御手段65は、接合ツール4を基準方向一方A2へ移動開始する。これによって接合ツール4は、被接合物3から離脱する方向に移動する。第6時刻T6から予め定める第7時間W7が経過して第7時刻T7に達すると、接合ツール4が被接合物3から離脱する。
また第7時刻T7から予め定める第8時間W8が経過して第8時刻T8に達すると、制御手段65は、接合ツール4の回転を停止する。また前記第6時刻T6から予め定める第9時間W9が経過して第9時刻T9に達すると、制御手段65は、接合ツール4の移動を停止する。
接合ツール4は没入する直前まで、レーザ光を照射していることが好ましい。たとえば接合ツール4の移動によって、接合ツール4がレーザ光の照射光路に進入して、レーザ光の照射が妨げられる時刻が第4時刻T4に設定される。これによって加熱停止経過時間P2を短くすることができるとともに、接合ツール4がレーザ光によって加熱されることを防ぐことができる。
この場合、レーザ光を照射してから被接合部分3aが軟化温度に達するまでの軟化温度達成時間P1が設定されると、第4時刻T4で被接合部分3aが軟化温度に達するように、第4時刻T4から逆算して第1時刻T1が設定される。したがって第1時刻T1は、第4時刻T4から軟化温度達成時間P1だけ過去にさかのぼった時刻に設定される。これによってレーザ光が接合ツール4に照射されることなく、レーザ照射タイミングを決定することができる。またレーザ光の照射開始時刻である第1時刻T1を可及的に遅くすることができる。
なお、レーザ光の照射を開始する第1時刻T1は、接合ツール1の回転を開始する第2時刻T2および接合ツール2の直進移動を開始する第3時刻T3にかかわらずに設定可能である。また軟化温度達成時間P1が短い場合には、接合ツール4の回転および直進移動の少なくともいずれか一方を開始した後に、レーザ光の照射を開始してもよい。これによってレーザ光を照射しない場合に比べて、接合時間が延長することなく、短時間で摩擦撹拌接合を行うことができる。
以上のように本実施の形態の摩擦撹拌接合装置50によれば、被接合部分3aにレーザ光を照射させて、被接合部分3aが軟化する軟化温度に達するまで加熱する。そして軟化温度に達した後、接合ツール4を被接合部分3aに没入させる。これによってピン部6と被接合物が摩擦接触する前の段階で、既に被接合部分3aを軟化することができ、接合ツール4に被接合部分3aからの抵抗力がほとんど与えられることなく、接合ツール4を被接合部分3aに容易に没入させることができる。したがって接合ツール4、特にその先端のピン部6に生じる磨耗を低減することができる。
このように接合ツール4の磨耗を防ぐことによって、接合ツール4の寿命を延ばすことができる。したがって接合ツール4を頻繁に交換する必要がなく、生産効率を向上することができる。また強度の高い材料を用いて接合ツール4を実現する必要がなく、接合ツール4を実現する材料の選択肢を増やすことができる。これによって工具鋼などの安価な材料を用いて接合ツール4を実現することができる。
各被接合部材1,2が炭素鋼、ニッケル合金などの高強度材料から成る場合であっても、接合ツール4の損耗を軽減することができる。また接合ツール4を被接合部分3aに没入させるたびに、軟化した状態の被接合部分3aに接合ツール4のピン部6を摩擦接触させることができ、複数の被接合部分3aを順番にスポット接合する場合においても、接合ツール4のピン部6の磨耗を好適に低減することができる。また被接合部分3aをツール没入前に加熱することによって、短時間に所望とする没入量まで接合ツール4を没入させることができ、接合時間を短縮することができる。
また加熱手段としてレーザ光を用いることによって、接合ツール4のピン部6が被接合部分3aに接触するピン部接触領域116とその直近に限られた領域のみをごく短期間で、効率よくかつ非接触で加熱できる。これによって他の加熱手段に比べて取り扱いやすい。また被接合部分3aを溶融させる必要がないので、レーザ光の出力として、おおむね1kW以下でよい。
図6に示すように、接合ツールの軸線L1とレーザ光の光軸L2とが被接合部分3aの表面で一致するように調整されることによって、接合ツール4の先端が正確な位置からずれて回転し、いわゆるふれまわりを生じたとしても、軟化した被接合部分3aにピン部6をはまり込ませることができ、被接合部分3aから接合位置がずれることを防止することができる。これによって被接合物3に等間隔に離れて被接合部分3aが設けられる場合、各接合位置の間隔のずれを少なくすることができる。これによって接合後の被接合物3の美観を向上するとともに、接合強度がばらつくことを防ぐことができる。
さらに集光したレーザ光によって被接合部分3aを加熱することによって、被接合部分3aにおける入熱量の制御を容易に行うことができる。すなわち被接合部分3aについて局所的に加熱することができ、被接合部分3a以外の残余の部分に熱が伝わる前に、被接合部分3aを所定の軟化温度に加熱することができる。また接合ツール4を没入する直前に被接合部分3aを予熱することによって、レーザ光によって発生した熱が分散する前に接合ツール4を被接合部分3aに没入させることができ、レーザ光による予熱温度を過剰に高くする必要がない。
また予熱する温度を融点温度以上にすると、熱ひずみの影響が大きく、接合品質が低下するが、レーザ光によって被接合部分3aを加熱する温度を融点温度未満とすることによって、摩擦撹拌接合の特徴である熱ひずみを抑える効果を維持することができ、接合後の被接合物3の接合品質を維持することができる。またレーザ光を用いて加熱することによって、非接触で短時間に加熱することができるとともに、他の加熱手段に比べて取扱いを容易にすることができる。
また本実施の形態では、被接合部分3aが軟化温度に達すると、レーザ光の照射を停止する。これによって被接合部分3aの過剰な加熱を防いで、被接合部分以外の残余の部分に熱が伝わることを防ぐことができる。さらに接合ツール4が移動したときに、接合ツール4がレーザ光の照射光路に進入して、レーザ光の照射が妨げられる時刻以前にレーザ光の照射を停止することによって、接合ツール4が没入する直前まで、レーザ光を被接合部分3aに照射することができるとともに、接合ツール4がレーザ光によって加熱されることを防ぐことができる。接合ツール4が没入する直前に被接合部分3aが軟化温度に達することによって、被接合部分3a以外の部分に熱が拡散することを防いで、熱ひずみの影響を少なくすることができる。
基体55は、接合ツール4を搭載しているために被接合部分3aに向かって移動する移動する必要がある。本実施の形態では、レーザ発振器102と基体55とが別体に設けられる。したがってレーザ発振器102を基体55に搭載する必要がないので、基体55を小形にするとともに、基台を移動させるために必要な動力を低減することができる。またレーザ光は、可撓性を有する光ファイバ101を介してレーザ発振器102から集光ヘッド100に導かれる。光ファイバ101は、変形することによって集光ヘッド100と光ファイバ101との光路を確保することができる。したがって基体55がレーザ発振器102に対して変位したとしても、レーザ発振器102から集光ヘッド100にレーザ光を確実に供給することができる。
また集光ヘッド100は、その光学系の焦点位置104を調整することによって、被接合部分3aに照射されるレーザ光の照射領域109の大きさを変更することができる。したがって接合条件、たとえば、被接合部材の材質、接合ツールのピン形状が変更された場合でも、変化した接合条件に応じて照射領域109の大きさを調整することができる。これによって照射領域109の大きさを変更するために、焦点位置104の異なる集光ヘッド100に取替えたり、集光ヘッド100の取付位置を変更したりする必要がなく、利便性を向上することができる。
さらに種々のレーザ装置の中から半導体レーザ装置を用いてレーザ発振器を実現することによって、摩擦撹拌接合装置50を小形化できるとともにメンテナンス性の向上を図ることができる。また本実施の形態では、シャッター部材を変位移動させることによってレーザ光の照射状態および非照射状態とを切換える。すなわちレーザ発振器によってレーザの発振を維持した状態で、光路を遮ることによって照射状態を切換える。したがって照射状態と非照射状態とを短時間で切換えることができるとともに、切換後のレーザ光の状態が不安定となることを防ぐことができる。したがって複数の被接合部分3aを順番に接合する場合であっても、レーザ光の照射状態を安定化することができ、接合品質を一定に保つことができる。
また基体55と集光ヘッド100とを連結する支持部110は、ダンパ性およびばね性を有して形成されることが好ましい。これによって基体55が急発進および急停止したときに、その衝撃および振動が集光ヘッド100に伝わることを防ぐことができる。また仮に振動が集光ヘッド100に伝わっても、その振動を素早く減衰させることができる。これによってレーザ光の照射領域が振動することを防ぐとともに、集光ヘッド100に内蔵される光学部品群の互いの位置がずれることを防ぐことができる。また集光ヘッド100と基体55とが一体に設けられるので、集光ヘッド100を支持するロボットと、接合ツールを支持するロボットとの2つのロボットを必要とすることなく、1台のロボットで摩擦撹拌接合を行うことができる。
図14は、複数スポット接合動作における制御手段65の手順を示すフローチャートである。複数の被接合部分3aに順番にスポット接合する場合、スポット接合毎に接合条件、たとえば各被接合部材1,2の板厚、材質などが異なる場合がある。このような場合であっても、予め記憶される動作条件テーブルを参照して、スポット接合毎に動作パラメータ値を変更することによって、スポット接合を良好に行うことができる。以下に接合条件が異なる複数の被接合部分3aについて順番にスポット接合する場合の制御手段65の動作を説明する。
制御手段65は、ステップb0で、各被接合部分3aの位置と、各被接合部分3aを順に移動する基体55の移動経路を含む移動情報が教示されて制御手段65の記憶回路に記憶するとともに、ツール保持部51に接合ツール4が装着されて接合準備が完了したうえで、作業者などによって接合開始命令が与えられると、ステップb1に進み、制御手段65は、接合動作を開始する。
ステップb1では、上述したステップa1と同様に、制御手段65は、基体55を予め定める被接合部分3aに近接した教示位置に移動させ、ステップb2に進む。ステップb2では、制御手段65は、与えられる教示情報に基づいて次に接合すべき被接合部分3aの接合条件を抽出し、動作条件テーブルを参照して前記接合条件に応じた動作パラメータ値を読出す。ステップb2において、次に接合すべき被接合部分3aに対応する動作パラメータ値を読み出すと、ステップb3に進む。
制御手段65は、ステップb3〜ステップb8の動作を順に行う。なお、ステップb3〜ステップb8の動作は、上述したステップa2〜a7にそれぞれ対応する。制御手段65は、ステップb2で読出した動作パラメータ値、たとえば接合ツール4の回転数、被接合物への没入量、没入接合、加圧力、レーザ照射パワーおよびレーザ照射時間に基づいて、接合ツール4および集光ヘッド100が動作するように制御する。
ステップb8において、制御手段65は、接合ツール21を接合待機位置に移動させると、回転駆動手段52を制御して接合ツール51の回転を停止し、ステップb9に進む。ステップb9では、制御手段65は、教示情報に基づいて、次に接合すべき被接合部分3aが存在するか否かを判断する。接合すべき被接合部分3aが存在する場合には、ステップb1に進み、次に接合すべき被接合部分3aに近接した位置に基体55を移動させる。
またステップb9で、制御手段が接合すべき被接合部分3aをすべて接合したと判断すると、ステップb10に進む。ステップb10では、制御手段65は、回転駆動手段52を制御して接合ツール51の回転を停止し、接合ツール51の回転が停止すると接合動作を終了する。
このように摩擦撹拌接合装置50が、動作条件テーブル104を有して接合条件に応じた動作パラメータ値を読出し、パラメータ値に基づいて動作パラメータ値を変更することによって、接合条件が異なる複数の被接合部分3aを順番に接合することができる。したがって接合ツール4の磨耗を防ぐとともに、接合品質を向上して短時間で摩擦撹拌接合を行うことができる。
制御手段65は、接合条件に基づいてレーザ光の照射エネルギーを調整することによって、スポット接合のたびにレーザ光の照射エネルギーを変更することができる。たとえば被接合部分3aの材料が高融点材料である場合または被接合部分3aの板厚が大きい場合には、被接合部分3aを加熱する温度を高める。具体的には、レーザ光のパワーを大きくしたり、照射時間を長くしたりする。
また被接合部分3aの材料が低融点材料である場合または被接合部分3aの板厚が小さい場合には、被接合部分3aを加熱する温度を低める。具体的には、レーザ光のパワーを小さくしたり、照射時間を短くしたりする。これによって過不足なく被接合部分3aを加熱することができ、接合ツール4の磨耗を防止するとともに、被接合物3の熱ひずみを抑えることができる。レーザ光のパワーは、レーザ光を被接合部分3aに照射中に変更してもよい。
また制御手段65が、集光ヘッド100の焦点距離を変更可能である場合には接合条件に応じて照射領域109の大きさを変更してもよい。たとえば被接合物109の材料、板厚、接合ツールのピン形状が変更された場合に、変更された接合条件に応じて照射領域の大きさを調整することができる。なお、動作条件テーブルには、接合条件と動作条件パラメータ値とが表形式で記憶されるほかに、接合条件と動作条件パラメータ値とを対応づける関係式が記憶されてもよい。
図15は、接合ツールの動作と、レーザ照射状態との時間変化の変形例を示すタイミングチャートである。図15に示す変形例のタイミングチャートは、図13に示すタイミングチャートと類似しており同様の構成については、説明を省略する。図13に示すタイミングチャートでは、接合ツール4が所定回転数に達した第3時刻T3が経過すると、接合ツール4の没入を開始するとしたが、制御手段65は、接合ツール4の回転にかかわらずに接合ツール4の没入を開始してもよい。この場合、準備位置到達時刻T0から予め定める第1時間W1が経過して第1時刻T1に達すると、準備位置到達時刻T0から予め定める第2時間W2が経過して第2時刻T2に達すると、制御手段65は、接合ツール4の回転を開始する。また準備位置到達時刻T0から予め定める第10時刻T10が経過して第3時刻T3に達すると、制御手段65は、接合ツール4を基準方向一方A1へ移動開始する。また制御手段65は、レーザ光を被接合部分3aに照射する。なお、第1時間W1、第3時間W2および第10時間W10は、それぞれ無関係に設定される。
図15では、第3時刻T3が経過した後、第1時刻T1および第2時刻T2に達する。すなわち準備位置到達時刻T0に達してから、接合ツール4を移動させた後、接合ツール4が被接合部分3aに没入するまでにレーザ光の照射と接合ツールの回転を開始する。軟化温度達成時間P1が短い場合には、接合ツールを移動させてから、レーザ光の照射を開始しても、接合ツール4の移動によってレーザ光の照射が妨げられる時刻に達する前に被接合部分3aを軟化させることができる。このような場合には上述したように接合ツール4の移動を開始した後で、接合ツール4の回転を開始してもよい。これによってレーザ光を照射しない場合に比べて、接合時間が延長することなく短時間で摩擦撹拌接合を行うことができる。
また接合ツール4が被接合部分3aに没入する段階では、被接合部分が十分に軟化しているので、接合ツール4の回転数が予め定める所定回転数に到達する前であっても、好適に摩擦撹拌接合を行うことができる。これによって接合ツール4の回転数が所定の回転数に達する前に、接合ツール4の没入を開始することができるので、さらに短時間で摩擦撹拌接合を行うことができる。
また被接合部分3aが軟化しているので、接合ツール4が被接合部分3aに没入したあとで接合ツール4の回転を開始してもよい。この場合、接合ツール4がぶれることなく被接合部分3aに没入させることができ、接合部分3aに接合ツール4を正確に接合することができる。
図16は、接合装置50の一部を拡大して示す断面図である。ツール保持部51は、接合ツール4を着脱可能に保持する。ツール保持部51は、基準軸線L1まわりに回転自在に設けられるとともに、基準軸線L1に沿って移動自在に設けられる。ツール保持部51は、後述する可動部59の把持部分59aに回転自在に支持される。
ツール保持部51は、略円筒状に設けられ、基準軸線L1に同軸に設けられる。ツール保持部51は、外周部に基準方向Aに平行な方向に延びる外スプライン47が形成される。したがってツール保持部51は、スプライン軸として形成される。またツール保持部51は、その基準方向一方A1側の端部48で、接合ツール4の軸線方向他方A2側の端部49を把持する。これによって接合ツール4は、ツール保持部51とともに変位移動および回転移動する。
回転駆動手段52は、回転支持部56と、回転モータ57と、回転用伝達部58とを有する。回転モータ57は、ツール保持部51を基準軸線L1まわりに回転させるための駆動源である。回転モータ57は、サーボモータによって実現される。回転モータ57は、予め定める回転速度で回転するために、与えられる電流がフィードバック制御される。
回転用伝達部58は、ツール保持部51の外スプライン47が嵌り込むスプライン受け46が設けられる。スプライン受け46は、ツール保持部51の基準方向Aへの移動を許容した状態で、ツール保持部51と一体的に回転する。また回転用伝達部58は、回転モータ57からの回転力をスプライン受け46に伝達するベルト回転伝達機構45を有する。
回転モータ57が回転すると、回転用伝達部58によって回転力が伝達され、スプライン受け46が基準軸線L1まわりに回転する。スプライン受け48は、ツール保持部51の外スプライン47と嵌合しているので、スプライン受け48とともにツール保持部51および接合ツール4が回転する。
直進駆動手段53は、可動部59と、変位支持部60と、変位モータ61と、移動用伝達部62とを有する。支持部60は、可動部59を基準方向Aに変位自在に支持する。変位モータ61は、ツール保持部51を基準軸線L1まわりに回転させるための駆動源である。変位モータ61は、サーボモータによって実現される。変位モータ61は、予め定める回転速度で回転するために、与えられる電流がフィードバック制御される。
移動用伝達部62は、基準軸線L1に同軸に延びるボールねじ軸44が設けられる。ボールねじ軸44は、可動部58に設けられるボールねじ受け部分59dに螺合して、ボールねじ機構を実現する。また移動用伝達部62は、変位モータ61からの回転力をボールねじ軸44に伝達するベルト回転伝達機構45を有する。
可動部59は、把持部分59aと、案内部分59bと、前記ボールねじ受け部分59dと、連結部分59cとを含んで構成される。把持部分59aは、ツール保持部51を基準軸線L1まわりに回転可能に支持する。案内部分59bは、支持部60に案内されて、基準方向A以外の方向への変位が阻止される。たとえば支持部60と案内部分58とは、いずれか一方がレールであって、いずれか他方がレールに嵌合するスライドレールとであり、これらレールとスライドレールとで、スライド移動機構を実現する。また連結部分58cは、案内部分58bと、把持部分58aと、ボールねじ受け部分59dとを一体に連結する。
変位モータ61が回転すると、変位用伝達部62によって回転力が伝達され、ボールねじ軸44が基準軸線L1まわりに回転する。ボールねじ軸44は、可動部59のボールねじ受け部分59dと螺合しており、ボールねじ軸44の回転とともに可動部59が基準方向Aに移動する。ツール保持部51は、可動部59に支持されているので、可動部59とともに基準方向L1に移動する。
このような構成によって、接合装置50は、各モータを駆動することによって、装着される接合ツール4を回転駆動するとともに、基準方向Aに変位駆動することができる。接合装置50は、ボールねじ機構によって、変位モータ61からの回転力を、接合ツール4を変位駆動する直進力に変換することによって、接合ツール4が被接合物から瞬間的に大きな反力を受けても、変位モータ61に反力が伝達することが防止される。
また前述した接合装置50の構成は、発明の実施の一形態である。したがって接合ツール4を回転駆動および変位駆動であれば、他の構成によって実現されてもよい。
図17は、本発明の実施の第2形態である摩擦撹拌接合装置250の一部を拡大して示す斜視図である。第2の形態の摩擦撹拌接合装置250(以下単に、接合装置250と称する)は、第1形態の接合装置50と類似した構成を示す。具体的には、第2の形態の接合装置250は、レーザ光を照射する照射孔が接合ツール4に形成されてもよい。すなわち接合ツール4がレーザヘッドを兼用する。この他の構成については第1形態の接合ツール50と同様である。
接合ツール4には、その軸線L1に沿ってレーザ光が通過可能なツール側透過部251が形成される。ツール側透過部251は、軸線L1に沿って貫通する貫通孔が形成されてもよく、軸線L1に沿って貫通する貫通孔に光透過性を有する透明材料が充填されて形成されてもよい。ツール保持部51は、接合ツールを回転可能に保持するとともに、接合ツール4のツール側透過部251にレーザ光を導光可能に構成される。
たとえばツール保持部51と光ファイバ101とがカップリングなどによって結合されることによって、回転するツール保持部51に光ファイバ101を連結することができる。これによって光ファイバ101を介してレーザ光をツール保持部51に導くことができる。ツール保持部51に導かれたレーザ光は、接合ツール4の先端部から被接合部分3aに照射される。
これによって被接合部分3aを接合前に加熱することができ、第1実施形態の接合装置50と同様の効果を得ることができる。また第1実施形態のように接合ツール4に対して別途集光ヘッド100を設ける必要がないので、狭い空間に被接合部分3aが設けられる場合であっても、摩擦撹拌接合を行うことができる。さらにレーザ照射領域と接合ツールの軸線とがずれを防ぐことができる。
また第1および第2実施形態において、レーザ光を照射する受側照射孔が受け台54に形成されてもよい。この場合、受け台54には、接合装置の基準軸線L1に沿ってレーザ光が通過可能な透過部252が形成される。透過部252は、軸線L1に沿って貫通する貫通孔が形成されてもよく、軸線L1に沿って貫通する貫通孔に光透過性を有する透明材料が充填されて形成されてもよい。受け台54は、光ファイバ101が結合される。これによって光ファイバ101を介してレーザ光を受け台54に導くことができる。これによって光ファイバ101を受け台54に当接する被接合部分3aに照射することができる。このようにして受け台54からもレーザ光を照射することによって、被接合物3の被接合部分3aの厚み方向両側部分をレーザ光によって加熱することができる。したがって、より短時間に被接合部分3aを軟化することができる。
以上のような摩擦撹拌接合装置50,250は、発明の例示に過ぎず、発明の範囲内で構成を変更することができる。たとえば接合ツール4を回転および直進移動する機構については、他の構成を用いて実現してもよい。また上述した被接合物の材料名は、一例示であって他の材料を用いても同様の効果を得ることができる。また被接合物3が光強度高融点材料でない場合であっても、接合ツール4の磨耗を低減するという効果を達成することができる。またレーザ照射パワー、レーザ照射時間などの各接合に関する数値は、一例示であって上述した数値に限定されない。また基体55は、ロボットに搭載されてスポット接合用摩擦撹拌接合システムを構成するが、基体55はロボットに搭載されなくてもよく、スポット接合可能な構成であればよい。またレーザ装置として半導体レーザ装置を用いた場合について説明したが、集光可能なレーザであれば他のレーザ装置を用いることができる。
本発明の実施の第1形態である摩擦撹拌接合装置50の一部を拡大して示す斜視図である。 摩擦撹拌接合装置50を簡略化して示す正面図である。 接合装置50の構成を示すブロック図である。 接合装置50の受け台付近を拡大して示す正面図である。 レーザ装置103の構成を示すブロック図である。 レーザ光が被接合部分3aに照射された照射領域109を説明するための断面図である。 本体部5とピン部6とが被接合部分3aに接触する領域115,116を説明するための図である。 スポット径の形状が円形でない第1の場合の、本体部5とピン部6とが被接合部分3aに接触する領域115,116を説明するための図である。 スポット径の形状が円形でない第2の場合の、本体部5とピン部6とが被接合部分3aに接触する領域115,116を説明するための図である。 単一スポット接合動作における制御手段65の手順を示すフローチャートである。 単一スポット接合動作を説明するための断面図である。 単一スポット接合動作を説明するための断面図である。 図10に示すフローチャートにおける接合ツールの動作と、レーザ照射状態との時間変化を示すタイミングチャートである 複数スポット接合動作における制御手段65の手順を示すフローチャートである。 接合ツールの動作と、レーザ照射状態との時間変化の変形例を示すタイミングチャートである。 接合装置50の一部を拡大して示す断面図である。 本発明の実施の第2形態である摩擦撹拌接合装置250の一部を拡大して示す斜視図である。 アルミ合金と、炭素鋼と、接合ツールに用いられる材料との強度の温度変化を示すグラフである。
符号の説明
1,2 被接合部材
3 被接合物
3a 被接合部分
4 接合ツール
5 本体部
6 ピン部
50,250 摩擦撹拌接合装置
51 ツール保持部
52 回転駆動手段
53 直進駆動手段
55 基体
63 多関節ロボット
65 制御手段
100 集光ヘッド
101 光ファイバケーブル
102 レーザ発振器
103 レーザ装置
109 レーザ照射領域
115 本体部接触領域
116 ピン部接触領域

Claims (10)

  1. 複数の被接合部材によって構成される被接合物に、回転する接合ツールを没入させて各被接合部材をスポット接合する摩擦撹拌接合装置であって、
    予め定める回転軸線を有し、回転軸線と同軸に接合ツールを保持するツール保持部と、
    ツール保持部を回転軸線まわりに回転駆動する回転駆動手段と、
    ツール保持部を回転軸線に沿って変位駆動する直進駆動手段と、
    ツール保持部を支持する基体と、
    集光したレーザ光を照射するレーザ光発生手段と、
    回転駆動手段、直進駆動手段およびレーザ光発生手段を制御して、被接合物に形成される被接合部分に接合ツールを没入させる前に、被接合部分にレーザ光を照射させて、被接合部分を被接合物の融点温度未満でかつ接合ツールに対して被接合部分が相対的に軟化する軟化温度に達するまで加熱させる制御手段とを備えることを特徴とするスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  2. 略円柱状に形成される本体部と、本体部に対して同軸に形成されて本体部から軸線方向一方に突出し、本体部よりも外径が小さい略円柱状に形成されるピン部とが形成される接合ツールを没入させて各被接合部材をスポット接合する摩擦撹拌接合装置であって、
    被接合部分の表面のうち、レーザ光発生手段によってレーザ光が照射される照射領域は、被接合部分の表面にピン部が接触するピン部接触領域を含み、被接合部分の表面に本体部が接触する本体部接触領域に含まれることを特徴とする請求項1記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  3. レーザ光発生手段は、
    基体に連結されて集光したレーザ光を被接合部分に照射する集光ヘッドと、
    基体とは異なる位置に設けられて、レーザ光を発生するレーザ発振器と、
    可撓性を有し、レーザ発振器で発生されたレーザ光を集光ヘッドに導光する光ファイバケーブルとを含むことを特徴とする請求項1または2記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  4. 前記集光ヘッドは、集光ヘッドの光学系における焦点距離を調整可能に構成されることを特徴とする請求項3記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  5. レーザ光発生手段は、レーザ光の照射エネルギーを変更可能であって、
    制御手段は、予め定められる接合条件に基づいてレーザ光発生手段を制御し、被接合部分に照射されるレーザ光の照射エネルギーを調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  6. レーザ光発生手段は、レーザ光が照射された被接合部分の引張り強さが100MPa以下となるように、被接合部分をレーザ光によって加熱することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  7. レーザ光発生手段は、レーザ光が照射された被接合部分のブリネル硬さが20H以下となるように、被接合部分をレーザ光によって加熱することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  8. 被接合物は、炭素鋼、ステンレス鋼およびニッケル合金のいずれか1つからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載のスポット接合用摩擦撹拌接合装置と、
    前記スポット接合用摩擦撹拌接合装置を任意の位置および姿勢に変位駆動する基体駆動装置とを備えることを特徴とするスポット接合用摩擦撹拌接合システム。
  10. 複数の被接合部材によって構成される被接合物に、回転する接合ツールを没入させて各被接合部材をスポット接合する摩擦撹拌接合方法であって、
    被接合物に形成される被接合部分に集光したレーザ光を照射させて、被接合部分を被接合物の融点温度以下でかつ接合ツールに対して被接合物が相対的に軟化する軟化温度に加熱するレーザ光照射工程と、
    被接合部分が予め定める軟化温度に達した後、レーザ光の照射を停止して、被接合部分に接合ツールを回転させながら没入させるツール没入工程と、
    接合ツールによって発生する摩擦熱によって各被接合部材を流動化させて撹拌した後、被接合部分から接合ツールを脱出させるツール脱出工程とを含むことを特徴とするスポット接合用摩擦撹拌接合方法。
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