JP2006020588A - 固形状乾燥香辛料 - Google Patents

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Abstract

【課題】 わさび、カラシ等、乾燥された固形状の食用香辛料であって、常温での保存が可能であり、かつ、水を滴下するのみで練ることなく速やかに練り状の香辛料に復元して辛味や香りを発現する。
【解決手段】 吸水促進剤として糖類を含む乾燥香辛料を型に詰め、3〜1500kg/cmの圧縮圧力で圧縮成形して任意の形状に固形化することにより、常温での保存を可能にし、かつ水を滴下するのみで練ることなく速やかに練り状の香辛料として復元して辛味や香りを発現する。

Description

本発明はわさび、カラシ等、乾燥された固形状の食用香辛料に係り、特に、粉わさびのように水で練ったり、冷凍保存等の必要がなく、常温での保存が可能であり、かつ、水を滴下するのみで練ることなく速やかに練り状の香辛料に復元して辛味や香りを発現する固形状乾燥香辛料に関する。
加工香辛料、特に加工わさびとして、従来、西洋わさびを粉状に乾燥粉砕して得られる粉わさびが知られている。これは水を加えて練るだけで食用に供し得る簡便性から現在では市場に多く広がっている。この種の粉わさびは水を加える前では粉体であるので、粉体の状態で常温での保存性に優れているが、食用として使用に供する際には水を加えてよく練り、辛味が発現するまで待たなければならないという欠点を有している。
また、近年、粉わさびに代えて、練りわさびや、生おろしわさび等の生製品が開発され、市場を賑やかにしている。これは粉わさびのように使用に際して水で練る必要がなく、このため、水で練った後、辛味が発現するまで待つという不便さがないが、一方、冷凍や冷蔵での保存が必要であった。
さらに、上述の粉わさび、練りわさび、生おろしわさびはその辛味や香りが揮発しやすいため、これらを盛り付けてから食べるまでの時間が長くなると、辛味や香りが減少してしまうという問題があった。このため、飲食店等では、お客様に提供する直前に盛り付けなければならず、作業効率を著しく悪くしていた。また、飲食店等では、一定量の分量を盛り付ける必要があるものの、人により、あるいはそのときの感覚の違いにより、どうしても分量に差が生じてしまうという欠点があった。このため、従来のわさびでは一定量を計量することも作業性を著しく悪くする要因となっていた。
なし なし
本発明の課題は粉わさびのように水で練って風味が発現するまで待つという作業や時間を必要とせず、食する直前に水を滴下するのみで練りを要せずに速やかに練り状の香辛料に復元して辛味や香りを発現し、いわゆる気が抜ける前の食べごろを容易に実現し得、しかも固形物の段階ですでに一定量とされ、食する前に分量を計量することなく常に一定量を実現し得、さらに、固形状に乾燥されており、常温での保存が可能であり、上述の公知技術に存する欠点を改良した固形状乾燥香辛料を提供することにある。
上述の課題を解決するため、本発明の固形状乾燥香辛料によれば、吸水促進剤として糖類を含み、かつ必要に応じて結着剤を含む乾燥香辛料を好ましくは型に詰め3kg/cm乃至1500kg/cmの圧縮圧力で圧縮成形して任意の形状に固形化し、必要に応じて表面硬化処理を施すことにより、常温での保存を可能にし、かつ、水を滴下するのみで練ることなく速やかに練り状の香辛料として復元して辛味や香りを発現することを特徴とする。
上述の構成からなる本発明の固形状乾燥香辛料は従来の粉わさびのように水で練って風味が発現するまで待つという作業や時間を必要とせず、食する直前に水を滴下するのみで、練りを要せずに速やかに練り状の香辛料に復元して辛味や香りを発現し、このため、いわゆる気が抜ける前の食べごろを容易に実現し得、しかも固形物の段階ですでに一定量になっているので、食する直前に分量を計量することなく、常に一定量を実現し得、さらに固形状に乾燥されているので常温での保存が可能である。
以下、本発明を具体的に詳述する。
本発明に用いられる乾燥香辛料は、本わさび、西洋わさび、カラシ、しょうが、ニンニク、粒マスタード、大根、辛味大根、人参、柚子等の香辛料を乾燥、粉砕した粉末状のものである。これらの香辛料は本発明では単独で、あるいは複数種を組み合わせて用いることもできる。上述乾燥としては熱風乾燥、温風乾燥、真空乾燥、凍結真空乾燥、マイクロ波乾燥等の乾燥手段が挙げられ、これらを組み合わせることもできる。また、上述粉砕としては一般的に用いられるハンマーミル等の粉砕機を用いた粉砕手段が挙げられる。粉砕粒度は数マイクロメートルの微粉砕から数ミリメートルの粗粉砕まで任意の粒度のものが使用される。粒度の異なる粉砕物を混合して用い、食感を変化させることも可能である。
得られた乾燥香辛料粉末は加水し、水戻しすることで辛味や香り、味を復元、発現する。特に、わさびやカラシの辛味、香りは酵素の働きによる加水分解反応によって発現するため、本わさび、西洋わさび、カラシ粉末では、粉末粒子に水分を行き渡らせる必要がある。しかし、乾燥香辛料粉末原料は、水の浸透性が悪く、練らなければうまく混合できない。また、乾燥香辛料粉末原料だけで固形化した場合は一層、吸水が困難になる。また、飲料等の液体に投入し、インスタント的なわさび風味飲料を作る場合、乾燥香辛料粉末原料だけで固形化すると、吸水性が悪いうえに崩壊性が悪いため、塊が残ってしまう。
本発明の特徴は固形化した場合でも、吸水性を良くするために、乾燥香辛料に糖類を吸水促進剤として配合することに存する。本発明では吸水促進剤の存在により固形状香辛料に水を垂らすだけで、自らの吸水力や親水力、溶解性によって、水を吸い上げ、固形香辛料の内部まで拡散、浸透させる。この働きにより、練る作業が不要になるだけでなく、糖類の甘味が、雑味を抑制するとともに辛味・香りを引き立てる効果も奏する。また、飲料等の液体に投入した場合も、吸水促進剤の存在によって速やかに吸水、崩壊が起き、溶け残りのないわさび風味飲料を作ることができる。
吸水促進剤としては水との親和性や吸水性および溶解性が高い、多糖類、オリゴ糖類、二糖類、単糖類等の糖類が挙げられ、これらを単独あるいは複数組み合わせて使用する。これら糖類の具体例としては、可溶性澱粉、セルロースパウダー、デキストリン、ショ糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、果糖、ブドウ糖等が挙げられる。
これら糖類の乾燥香辛料への配合量は全体量の10%以上、90%以下であるが、香辛料として使用する場合、あまり配合量が多くなると香辛原料の辛味や香りが薄まるとともに、吸水促進剤の味が強くなり、香辛料としての品質を損なうため、例えば、ブドウ糖では20〜60%が望ましい。一方、飲料等の液体に投入する場合はこの限りではない。
吸水促進剤は大別すると、水可溶性と水不溶性に分けられる。水可溶性の吸水促進剤としては主に、多糖類やオリゴ糖類、二糖類、単糖類等が挙げられる。これらの場合、吸水とともに溶解が起こり、その部分が空洞となることで、固形状香辛料の内部に微細な多孔性構造を形成する。このスポンジ状の多孔性構造が、吸水性と水の浸透性を一層加速させる。一方、水不溶性の吸水促進剤としては主にセルロースパウダー等の多糖類が挙げられる。これらの場合、自らの組織構造で水を吸い上げ、これらが固形状香辛料内に網目状に連なることで、固形内部まで水が浸透する。
本発明では、乾燥香辛料粉末と吸水促進剤とを混合し、乾燥香辛料に吸水促進剤を含ませた後、圧縮成形する。圧縮方法としては、型に原料を入れ、圧力を加える方法を用いる。
圧縮圧力は3〜1500kg/cmの圧力である。吸水性を良くするためには内部の粒子間に多くの隙間を形成させることが重要なため、圧縮圧力を弱くするのが望ましいが、逆に脆くなり、保形性が悪くなる。保形性を良くするために圧縮圧力を上げると吸水性が悪くなる。
この問題を解決するために、必要に応じて結着剤を適量配合することが好ましい。結着剤としては多糖類、オリゴ糖類、二糖類、単糖類等の糖類および動植物系タンパク質が挙げられる。具体的には、糖類として、澱粉、デキストリン、キサンタンガム、タマリンドガム、ガラクトマンナン、グアーガム、ローストビーンガム、ジェランガム、ペクチン、アルギン酸、ショ糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、果糖、ブドウ糖等が挙げられ、動植物系タンパク質としてカゼイン、グルテン、ゼイン等が挙げられる。これらは単独で、あるいは複数を組み合わせて使用してもよい。
この配合量は全体の0.01%以上、1%以下が適当である。結着剤は粉末状態そのままで使用しても良く、水や含水アルコールに溶解させた状態で使用しても良い。結着剤は乾燥香辛料原料や吸水促進剤の粒子同士を結着させる役割を果たし、粒子間に微小な隙間を形成する。このことは水を垂らした際の吸水性に奏効する。
圧縮成形する際の型は、木材、プラスチック、ステンレス等の金属材料、さらにそれらに付着防止、離型性向上のためのテフロンコーティングやシリコンコーティングしたもの等が挙げられるが、特に材質や機械構造にはこだわらない。型の形状は任意に選択することができる。例えば、単に扁平な直方体や円柱形状にしても良く、さらに魚型やわさびの形を模した型、富士山型、葉っぱ型、アニメキャラクター型等の意匠性を持たせることも可能である。これらの意匠性をもたせることで見た目にも美しさや楽しさを演出することができる。例えば、わさびに抵抗のある子供にも受け入れやすい等の副次的効果が期待できる。また、型の大きさも、一人分用の大きさから、数人用の大きさまで目的と用途、嗜好性等によって任意に設定することができる。
成形された固形状乾燥香辛料は、その多孔性の構造上、各種の応力や輸送中の振動や衝撃等で、表面の崩れや粉ふき、欠け、崩壊が発生しやすい。また、吸湿によって辛味や香りの減少等の品質劣化が生じる。これを防ぐために必要に応じて、表面を硬化処理することにより、強度を向上させ、振動や衝撃に対する崩壊や粉ふきを防止するとともに、吸湿による品質劣化を防止することが可能である。
表面の硬化処理方法としては、皮膜溶液に含浸、あるいは噴霧した後に乾燥させ、表面に皮膜を形成する方法や、固形物表面に水を噴霧し、表面部分の吸水促進剤や結着剤を一部溶解させた後、乾燥させることで表面に皮膜を形成する方法等が挙げられる。皮膜剤としては、多糖類、オリゴ糖類、二糖類、単糖類の糖類、動植物系タンパク質、天然樹脂が挙げられる。具体的には、糖類として、澱粉、デキストリン、キサンタンガム、タマリンドガム、ガラクトマンナン、グアーガム、ローストビーンガム、ジェランガム、ぺクチン、アルギン酸、ショ糖、麦芽糖、乳糖、トレハロース、果糖、ブドウ糖等が、動植物系タンパク質としてカゼイン、グルテン、ゼイン等が、天然樹脂としてセラックが挙げられ、これらを単独で、あるいは複数を組み合わせて使用してもよい。
これらの皮膜剤の水溶液等に固形状乾燥香辛料を短時間浸漬するか、溶液を表面に噴霧した後、温風乾燥等の乾燥方法によって乾燥する。乾燥は皮膜剤を含浸または噴霧する方法においても、水を噴霧し乾燥させる方法においても、70〜80℃以下の温風乾燥方式が望ましい。これは、表面に皮膜が形成されるように緩やかに乾燥するのが望ましいこと、高温では香辛料の香り成分の揮発や変質が発生すること、および特に酵素反応で辛味、香りが発生するわさびに関しては酵素が高温で失活することが理由である。
このように調製された固形状乾燥香辛料は水を適量滴下するだけで、練らなくとも水が内部まで速やかに浸透し、辛味や香りを発現、復元することができる。しかし、加水量が多すぎると、辛味や香りが薄まるとともに、水っぽくなってしまい、香辛料としての用を成さない。逆に加水量が少なすぎると、辛味、香りが発生しきらず、乾燥部分が残ってしまい、嗜好性を損なう。本発明ではこれを防止するために、固形状乾燥香辛料の任意個所、例えば底部に不織布やキッチンペーパー等の吸水シートを貼付することで、加水量を自動調整する。すなわち、固形状乾燥香辛料に過剰な水量を滴下した場合には吸水シートが余分な水を吸い取ることによって、香辛料内の水量が調整される。逆に吸水シートに水が染み込まない水量では加水不足であることが見て取れる。
吸水シートの貼付方法は、圧着もしくは前述の皮膜剤を用いて接着後、乾燥させることによってなされる。また、吸水シートの吸水量すなわち、面積と厚みを調整することで加水量の自動調整幅を調整することができる。
このようにして得られる本発明にかかる固形状乾燥香辛料は、従来の粉わさびのように練るあるいは風味が発現するまで待つといった作業や時間を必要とせず、かつ常温保存が可能な香辛料を提供できる。また、食する直前に水を垂らすだけで速やかに辛味や香りが発現し、いわゆる気が抜ける前の食べごろに提供して食することが可能である。また、常に一定量の分量を計量することなく提供することが可能である。さらに、崩壊性と分散性に優れているため、焼酎やジュース等の飲料に固形状乾燥香辛料を投入することで、溶け残りがなく、常に一定の辛味を持つわさび風味飲料を手軽に作製することができる。同様に固形状乾燥生姜を用い、お湯に投入することで生姜湯を手軽に作製し得るタブレットとすることも可能である。また、紅茶やコーヒーに投入すれば生姜の風味を呈する生姜紅茶、生姜コーヒーを手軽に作成し得る。このことはわさび、生姜以外の香辛料を使用した場合も同様である。また、あらかじめ生姜等の香辛料とともに、粉末紅茶や粉末コーヒーを原料に加え、いっしょに固形化してしまうことで、お湯に溶かすだけで、生姜紅茶や生姜コーヒーがつくれるタブレットとすることもできる。
乾燥西洋わさび粉末21g、乾燥本わさび粉末3.5g、ブドウ糖25g、ビタミンC0.05gに3%澱粉溶液5gを加え、攪拌混合した(ブドウ糖配合量50%)。次いで、この混合物1.4gを内径16mmの円筒型に投入し、上下より30kg/cmの圧力で圧縮成形した。このとき、吸水シートを底部に接着し、固形状乾燥わさびを得た。この水分含量は8.8%であった。表面に0.3%澱粉溶液を噴霧し、70℃で20分温風乾燥し、水分3.8%の固形状乾燥わさび(実施例1−1)を得た。
これと同様にブドウ糖を15%配合した固形状乾燥わさび(実施例1−2)と、ブドウ糖を配合せずに成形した固形状乾燥わさび(比較例1)を作製し、吸水速度と風味の発現速度を比較した。予め調査した各配合における最適加水量を滴下し、経過時間ごとの吸水率と風味を調べた。吸水率は吸水した部分と、吸水していない部分を分け、見かけ上の割合を計測した。風味についてはパネル5名による官能検査によって辛味と苦味を評価した。辛味はわさびの特徴的風味であり、苦味は辛味のもととなる物質が持っている味であり、風味評価を下げる。加水時の吸水率の結果を、表1に、官能評価結果を表2に示した。
Figure 2006020588
Figure 2006020588
実施例1−1および1−2は加水後、速やかに吸水し、辛味が発現しているのに対し、吸水促進剤であるブドウ糖を添加していない対照試料(比較例1)は吸水性が著しく悪く、加水後4分経過しても苦味が残存していた。また、実施例1−2は実施例1−1と比較して吸水時間がやや長く、辛味の発現までに要する時間もやや長かった。これは吸水促進剤が実施例1−1に比較して少なかったため、吸水しきるまでに時間がかかったが、実用上問題ない範囲であり、逆に使用目的によって、吸水促進剤の配合量を調整することで、辛味、香りが発現するまでの時間をコントロールすることができると言える。
乾燥西洋わさび粉末15g、乾燥本わさび粉末3.0g、乾燥本わさび茎粉末6.5g、ブドウ糖27g、ビタミンC0.05gに1%グアーガム溶液5gを加え、攪拌混合した。次いで、この混合物1.4gを内径16mmの円筒型に投入し、上下より30kg/cmの圧力で圧縮成形した。なお、上部の型は末広がり型とし、富士山型に成形した。表面に0.3%澱粉溶液をスプレーガンにて噴霧し、5分間室温で放置した後、温風乾燥機で70℃、20分間乾燥させることにより、表面を皮膜剤でコーティングすることによって表面硬化処理した固形状乾燥わさび(底面直径16.4mm、高さ14.2mm)(実施例2)を得た。なお、表面硬化しなかったものを比較例2とした。
これらの加圧耐久性および振動耐久性を比較した。加圧耐久性試験は、試料に直径17mmの円柱形の棒を乗せ、徐々に圧力を加え、崩壊したときの圧力を測定することで行った。また、振動耐久性試験は試料10個を100ml容量のガラス容器に入れ、毎分120回の速度で横方向に振動し、1分後の重量を測定することで、減耗率を計算した。結果を表3に示した。
Figure 2006020588
表3から表面硬化処理した実施例2では、無処理の比較例2に比べ、約1.7倍の加圧耐久性を示し、振動に対しても約3倍の耐久性を示した。このことから、表面硬化処理は圧力や振動等の応力に対する耐久性を向上させる効果があることがわかる。
乾燥西洋わさび粉末10g、乾燥本わさび粉末14.5g、ブドウ糖25g、ビタミンC0.05gに3%デキストリン溶液5gを加え、攪拌混合した。次いで、この混合物1.8gを内径15mmの円筒型に投入し、上下より40kg/cmの圧力で圧縮成型した、表面に0.3%デキストリン溶液を噴霧し、70℃で10分予備乾燥し、固形状乾燥わさび(1.64g)を得た。これに0.5mm厚紙パルプ製吸水シートを3cm角(実施例3−1)、2.5cm角(実施例3−2)に切り、低部に澱粉のりで接着し、60℃で10分間乾燥させ、吸水シート付き固形状乾燥わさびを得た。また、同様に1mm厚、2.5cm角の吸水シートを貼付した実施例3−3を調製した。また、吸水シートを付着しないものを比較例3とした。
これらに水を滴下し、加水量の許容幅を測定した。許容幅は、目視で加水よって全体に水がぎりぎり行き渡る量を最低加水量とし、過剰の水で形が崩れたり、一部が流れ出したりした時点を最高加水量とし、その差を加水許容幅とした。結果を表4に示した。
Figure 2006020588
表4に示されるように、吸水シートのない比較例3に比べ、吸水シートを貼付した実施例3−1〜3−3では、加水許容幅が約1.4〜1.5倍に広がった。また、実施例3−2に比べ、面積の広い実施例3−1および厚さが厚い実施例3−3は加水許容幅が広がった。
加水許容幅が広いことは、加水量が多少誤って垂らしても品質上の問題を生じないことを意味し、調整がしやすいと言える。また、吸水シートの湿り具合を見ることで吸水状態が把握しやすく、安心感が得られることと、作業が容易になる効果が得られえた。吸水シートの面積や厚さを調整することで加水許容幅を調整することが可能であることがわかる。
乾燥西洋わさび粉未13g、乾燥本わさび粉未3.5gに、崩壊促進剤としてブドウ糖
60gおよび乳糖8gを加えさらに、結着剤として3%澱粉溶液4gを加え、攪拌混合した。次いで、この混合物4gを内径約25mmの花の形の型に入れ、上下より100kg/cmの圧力で加圧成形した。表面に0.3%デキストリン溶液を噴霧し、70℃で20分間乾燥し、固形状乾燥わさび(3.83g)を得た(実施例4)。一方、これと同様に崩壊促進剤を加えなかったものを調製した(比較例4)。
これらを50mlの市販麦焼酎に冷水200mlを加え作製した水割り焼酎に投入し、崩壊・分散速度を測定した。投入後30秒ごとにスプーンで5秒間攪拌し、塊がなくなった時点で完全崩壊・分散したと判断し、それまでに要する時間を測定した。結果を表5に示した。
Figure 2006020588
表5に示されるように、崩壊促進剤を配合していない比較例4が1分30秒たっても崩壊分散しなかったのにくらべ、実施例4では、30秒でほぼ崩壊し、1分後には残存する塊は見られなくなり、わさびの香りと辛味を呈するわさび焼酎ができた。
すばやく崩壊・分散することは飲料に使用する場合、きわめて重要であり、また、一定量を飲料に投入できるため、計量する必要がなく容易にわさび風味飲料を作ることができた。
乾燥生姜粉末25gに、崩壊促進剤としてブドウ糖25gを加えさらに結着剤として3%デキストリン溶液5gを加え、攪拌混合した。次いで、この混合物1.8gを内径15mmの円筒型に投入し、上下より35kg/cmの圧力で圧縮成形した。表面に0.3%澱粉溶液を噴霧し、70℃で10分予備乾燥し、固形状乾燥生姜(1.56g)を得た。これに0.5mm厚の紙パルプ製吸水シートを3cm角に切り、低部に澱粉のりで接着し、60℃で10分間乾燥させ、吸水シート付き固形状乾燥生姜を作製した。これに水2.4gを垂らすことによって、生姜の風味、辛味を有する水戻し生姜ができた。
乾燥大根粉末20gに、崩壊促進剤としてブドウ糖25gを加え、結着剤として3%澱粉溶液5gを加え、攪拌混合した。次いで、この混合物1.8gを内径20mmの円筒型に投入し、上下より50kg/cmの圧力で圧縮成形した。表面に0.3%澱粉溶液を噴霧し、70℃で10分予備乾燥し、固形状乾燥大根(1.87g)を作製した。これに水3.0gを垂らすことによって、大根の風味、辛味を有する水戻しおろし大根ができた。
乾燥生姜粉末50gに、崩壊促進剤としてブドウ糖65gを加え、結着剤として3%デキストリン溶液5gを加え、攪拌混合した。次いで、この混合物2gを内径15mmの円筒型に投入し、上下より35kg/cmの圧力で圧縮成形した。表面に0.3%澱粉溶液を噴霧し、70℃で10分予備乾燥し、固形状乾燥生姜(1.56g)を得た。これをアルミラミネート包剤で個別包装し、紅茶生姜用タブレットを作製した。このタブレットを紅茶に投入することで簡単に生姜風味を呈する紅茶、いわゆる生姜紅茶を作製することができた。また、コーヒーに投入することで生姜コーヒーを作製することができた。
上述の本発明にかかる固形状乾燥香辛料は、従来の粉わさびのように練るあるいは風味が発現するまで待つといった作業や時間を必要とせず、かつ常温保存が可能な香辛料を提供できる。また、食する直前に水を垂らすだけで速やかに辛味や香りが発現し、いわゆる気が抜ける前の食べごろに提供して食することが可能である。また、常に一定量の分量を計量することなく提供することが可能である。さらに、崩壊性と分散性に優れているため、焼酎やジュース等の飲料に固形状乾燥香辛料を投入することで、溶け残りがなく、常に一定の辛味を持つわさび風味飲料を手軽に作製することができる。このような利点を有する本発明固形状乾燥香辛料は食品業界において利用可能性が極めて高い。

Claims (11)

  1. 吸水促進剤として糖類を含む乾燥香辛料を3kg/cm乃至1500kg/cmの圧縮圧力で圧縮成形して任意の形状に固形化することにより、常温での保存を可能とし、かつ、水を滴下するのみで練ることなく速やかに練り状の香辛料として復元して辛味や香りを発現することを特徴とする固形状乾燥香辛料。
  2. 請求項1において、乾燥香辛料が本わさび、西洋わさび、カラシ粉、しょうが、ニンニク、粒マスタード、大根、辛味大根、人参および柚子の群から選択される一種または複数種である請求項1に記載の固形状乾燥香辛料。
  3. 請求項1において、吸水促進剤としての糖類が多糖類、オリゴ糖類、二糖類および単糖類の群から選択される一種または複数種であって、配合率が10重量パーセント乃至90重量パーセントである請求項1に記載の固形状乾燥香辛料。
  4. 請求項1において、乾燥香辛料がさらに結着剤を含む請求項1に記載の固形状乾燥香辛料。
  5. 請求項4において、結着剤が多糖類、オリゴ糖類、二糖類および単糖類から選択される糖類、およびカゼイン、グルテンおよびゼインから選択される動植物系タンパク質を単独で、あるいは複数種を組み合わせて0.01乃至1重量パーセントの配合率で用いられる請求項4に記載の固形状乾燥香辛料。
  6. 請求項1において、固形化物の表面を硬化処理することにより、固形化物の強度を向上させて振動や衝撃に対する崩壊を防止し、かつ粉ふきや吸湿による品質の劣化を防止する請求項1に記載の固形状乾燥香辛料。
  7. 請求項6において、硬化処理が固形化物の表面に皮膜剤を含浸して乾燥させるか、固形物の表面に水を噴霧して乾燥させるか、あるいは固形物の表面に皮膜剤をコーティングする請求項6に記載の固形状乾燥香辛料。
  8. 請求項7において、皮膜剤が多糖類、オリゴ糖類、二糖類および単糖類から選択される一種または複数種、およびカゼイン、グルテンおよびゼインから選択される動植物系タンパク質の一種または複数種、およびセラックであって、これらを単独あるいは複数種を組み合わせて用いられる請求項7に記載の固形状乾燥香辛料。
  9. 請求項1において、固形化物の任意個所に吸水シートを貼付することにより、滴下水量の調整を容易にする請求項1に記載の固形状乾燥香辛料。
  10. 請求項1の固形状乾燥香辛料を飲料に投入することにより風味飲料の製造・提供に利用される請求項1に記載の固形状乾燥香辛料。
  11. 請求項1において、糖類に加えて、さらに、コーヒーエキス粉末、紅茶エキス粉末、緑茶粉末、その他茶粉末、粉末果汁、または野菜粉末を含む乾燥香辛料を圧縮成形して任意の形状に固形化し、得られる固形物を水または湯に投入することにより速やかに崩壊、分散して辛味や香りを呈する飲料を得る請求項1に記載の固形状乾燥香辛料。
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