JP2006020494A - フライホイール磁石回転子用磁石保持スペーサ及びフライホイール磁石回転子 - Google Patents

フライホイール磁石回転子用磁石保持スペーサ及びフライホイール磁石回転子 Download PDF

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Takeo Kubokawa
健夫 窪川
Tatsuo Kobayashi
達男 小林
Koji Kawamura
光司 川村
Masashi Habatake
正志 羽畑
Masakazu Inaba
正和 稲葉
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Abstract

【課題】 永久磁石を保持する作業を能率よく行うことができるフライホイール磁石回転子用磁石保持スペーサを提供する。
【解決手段】磁石挿入用スペース4を相互間に形成するように並べて配置された一対の磁石保持片9a,9bと磁石挿入用スペース側に凸な山形の形状を有して両磁石保持片の後端部間を連結する底部側連結片9cとを一体に有する磁石保持部9を複数備え、該複数の磁石保持部が環状に並べて配置されて隣り合う磁石保持部の隣接する磁石保持片9a,9bの中間部が中間連結片10により連結されている。各磁石挿入用スペースに磁石が挿入された際に各底部側連結片が押されて弾性変形することにより磁石保持片9a,9bが傾斜して両者の先端部間の間隔が狭められ、間隔が狭められた磁石保持片の先端部間に磁石が把持される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、フライホイール磁石回転子のカップ状フライホイールの筒部の内周に複数の永久磁石を相互間に間隔をあけた状態で並べて保持するために用いるフライホイール磁石回転子用磁石保持スペーサ及び該スペーサを用いて複数の磁石を保持したフライホイール磁石回転子に関するものである。
フライホイール磁石発電機では、フライホイール磁石回転子のフライホイールの筒部内周に複数の永久磁石を相互間に間隔をあけた状態で並べて配置することにより界磁を構成している。フライホイールの筒部の内周に複数の磁石を相互間に間隔をあけた状態で保持するための手段として、磁石保持スペーサが用いられている。
従来のこの種の磁石保持スペーサ1′は、合成樹脂製であって、図5(A),(B)に示すように構成されていた。図5(A)は従来の磁石保持スペーサの全体的な構成を示した斜視図、同図(B)はその一部を拡大して示した斜視図である。図5に示されているように、従来の磁石保持スペーサは、フライホイールのホイールの筒部の内周に嵌合される円環状の環状部2と、等角度間隔をもって環状部2から軸線方向(環状部の軸線方向)に起立した複数の柱状部3,3,…とを備えていて、柱状部3,3,…相互間のスペースがそれぞれ磁石挿入用スペース4となっている。各柱状部3は、断面の輪郭形状が環状部2に沿う弧状の形状を呈するように形成されていて、各柱状部3の先端の幅方向の両端に、各柱状部3の起立方向と同じ方向に突出した一対の突出片5,5が形成され、これらの突出片5,5の間に凹部6が形成されている。各突出片5の先端には磁石挿入用スペース4側に突出した突起7が形成されている。この種の磁石保持スペーサは、例えば、特許文献1に記載されている。
図5に示した磁石保持スペーサに複数の永久磁石8,8,…を保持させた状態を図6に示してある。図6には図示してないが、磁石保持スペーサ1′は、カップ状に形成されたフライホイールの筒部の内周にきつく嵌合され、各磁石挿入用スペース4に臨む突出片5,5の先端の突起7,7を外側に(凹部6側に)押して突起7,7の間の隙間(磁石挿入用スペースの入り口)を広げながら、各磁石挿入用スペース4内に永久磁石8が挿入される。各磁石8は、その両側の突出片5,5の弾性により各磁石の両端の端面に押圧された突起7,7により、磁石挿入用スペース4から抜け出ないように保持される。
このような磁石保持スペーサ1′を用いると、各永久磁石8を接着剤を用いずにフライホイールに固定することができる。
特開平8−251844号公報
しかしながら、上記のような構造の磁石保持スペーサ1′では、永久磁石8を磁石挿入用スペース4内に挿入する際に、該スペース4の入口の両側に存在する突起7,7を左右に押し広げないと磁石8を挿入することができないため、永久磁石8を保持させるための作業が面倒で、フライホイール磁石回転子の組立作業性が悪いという問題があった。
また、上記のような構造の磁石保持スペーサを用いた場合には、磁石挿入用スペース4の入り口の突起7,7を左右に押し広げて磁石8を磁石挿入用スペース4内に挿入する際に、突起7,7が磁石8の側面を擦るため、磁石が削られて塵が発生する。そのため、磁石を保持させた後に塵を清掃する作業を行なうことが必要になり、磁石回転子の組立工数が多くなるという問題があった。
更に、上記の磁石保持スペーサでは、永久磁石8を突起7,7により弾性的に保持するため、磁石保持スペーサ及び永久磁石8の周方向寸法の公差を突起7,7の変位により吸収することができ、磁石保持スペーサ及び永久磁石8の周方向寸法の誤差がある程度大きい場合でも磁石を組み付けることができるが、磁石保持スペーサはその軸線方向には変形しないため、軸線方向寸法の公差を吸収することはできなかった。そのため、磁石保持スペーサ及び永久磁石の軸線方向寸法に大きな誤差があった場合に、複数の磁石8,8,…をフライホイールの内周に等角度間隔で、かつそれぞれの軸線方向位置を揃えて正しく配置することができないことがあった。
本発明の目的は、永久磁石を保持する作業を能率よく行なうことができるフライホイール磁石回転子用磁石保持スペーサ、及びこのスペーサを用いて磁石を保持させたフライホイール磁石回転子を提供することにある。
本発明の他の目的は、永久磁石を磁石挿入用スペースに挿入する際に磁石が削られて塵が発生するおそれを無くすことができるようにした磁石保持スペーサ及びこのスペーサを用いて磁石を保持させたフライホイール磁石回転子を提供することにある。
本発明の更に他の目的は、磁石を保持する部分がフライホイールの周方向と軸線方向との双方向に弾性変形が可能で、周方向寸法の誤差だけでなく、軸線方向寸法の誤差をも吸収して、複数の磁石を正しく位置決めした状態で保持することができるようにした磁石保持スペーサ及びこのスペーサを用いて複数の磁石を保持させたフライホイール磁石回転子を提供することにある。
本発明に係わる磁石保持スペーサは、フライホイール磁石回転子のカップ状フライホイールの筒部の内周に配置されて、複数の永久磁石を相互間に間隔をあけた状態でフライホイールの周方向に並べて保持するために用いられるものである。
本発明に係わる磁石保持スペーサは、磁石を挿入することができる磁石挿入用スペースを相互間に形成するように並べて配置された一対の磁石保持片と該一対の磁石保持片の後端部間を連結する底部側連結片とを一体に有して各磁石保持片の先端が自由端となっている磁石保持部を複数個備えて、該複数個の磁石保持部が環状に並べて配置されて隣り合う磁石保持部の隣接する磁石保持片の中間部が中間連結片を介して相互に連結された構造を有している。上記底部側連結片は、磁石挿入用スペース側に凸な山形の形状を有するように形成され、各磁石保持部の磁石挿入用スペースに磁石を挿入して該磁石で山形の底部側連結片の頂部を押した際に該底部側連結片が弾性変形することによりその両側の一対の磁石保持片を傾斜させて該一対の磁石保持片の先端部間の間隔を狭めるように構成されている。
本発明に係わるフライホイール磁石回転子においては、カップ状のフライホイールの筒部内周に磁石保持スペーサが配置され、該磁石保持スペーサにより複数の永久磁石が相互間に所定の間隔をあけた状態でフライホイールの周方向に並べて保持される。
本発明に係わるフライホイール磁石回転子においては、磁石保持スペーサが、磁石を挿入することができる磁石挿入用スペースを相互間に形成するように並べて配置された一対の磁石保持片と該一対の磁石保持片の後端部間を連結する底部側連結片とを一体に有して各磁石保持片の先端が自由端となっている磁石保持部を複数個備えて、該複数個の磁石保持部が環状に並べて配置されて隣り合う磁石保持部の隣接する磁石保持片の中間部が中間連結片を介して相互に連結された構造を有している。上記底部側連結片は、磁石挿入用スペース側に凸な山形の形状を有するように形成されている。そして、各磁石保持部の磁石挿入用スペースに磁石が挿入されて、該磁石で山形の底部側連結片の頂部が押圧されることにより各磁石保持部の底部側連結片が弾性変形させられて各磁石保持部の一対の磁石保持片の先端部間の間隔が狭まるように各磁石保持部の磁石保持片が傾斜させられ、各磁石保持部の磁石挿入用スペースに挿入された磁石が各磁石保持部の一対の磁石保持片の先端部間に把持されている。
本発明の磁石保持スペーサでは、磁石挿入用スペースに磁石を挿入する前の状態で、磁石保持片の先端部間の間隔が狭められていないため、磁石挿入用スペースへの磁石の挿入を容易に行なうことができる。磁石を磁石保持片の先端部間を通して磁石挿入用スペースに挿入して、磁石を山形の底部側連結片の頂部に押し当てると、山形の底部側連結片が真っ直ぐになるように変形する。この底部側連結片の変形に伴って一対の磁石保持片が傾斜して両磁石保持片の先端部が互いに近づく方向に変位するため、一対の磁石保持片の先端部が磁石挿入用スペースに挿入された磁石の両端に当接して該磁石を把持する。
このように、本発明によれば、磁石挿入用スペースに磁石を挿入する際には、磁石保持片から押圧力を受けることがないため、磁石の挿入を容易に行なうことができ、磁石を保持させる作業を能率よく行なうことができる。
また磁石を挿入する際に磁石保持片が磁石の側面を強く擦ることがなく、磁石が削れることがないため、磁石を保持させる際に塵が生じるのを防ぐことができ、磁石を保持させた後の清掃作業を省略することができる。
更に、本発明に係わる磁石保持スペーサは、磁石保持片の変形により磁石保持スペーサ自体及び永久磁石の周方向の寸法誤差を吸収することができ、また底部側連結片の変形により磁石保持スペーサ自体及び永久磁石の軸線方向の寸法誤差を吸収できるため、磁石保持スペーサ及び永久磁石に多少の寸法誤差があっても、複数の永久磁石を、フライホイールの内周に等角度間隔で、かつそれぞれの軸線方向位置を揃えて正しく配置することができる。
本発明に係わるフライホイール磁石回転子の好ましい態様では、フライホイールの筒部の内周に嵌合された磁石保持スペーサと該磁石保持スペーサに保持された永久磁石とを覆う環状のカバー本体と、該カバー本体の軸線方向の一端から外側に突出したつば部とを一体に有する磁石保護カバーが設けられて、該磁石保護カバーのつば部が磁石保持スペーサに保持された永久磁石に当接される。そして、フライホイールの筒部の開口端の一部を磁石保護カバーのつば部の上に押し出すように塑性変形させることにより形成したシーミング加工部により磁石保護カバーがフライホイールの軸線方向に押圧されてフライホイールに対して固定される。また磁石保護カバーにより各永久磁石がフライホイールの軸線方向に押されることにより磁石保持スペーサの各磁石保持部の底部側連結片が弾性変形させられる。
このように構成すると、フライホイールの筒部の内周に嵌合させた磁石保持スぺーサの磁石挿入用スペースに磁石を挿入した後、フライホイールに磁石保護カバーを取り付けるだけで、各磁石が所定の位置に位置決めされたフライホイール磁石回転子を得ることができ、磁石を所定の位置に位置決めするための面倒な作業を行なうことなくフライホイール磁石回転子を組み立てることができるため、フライホイール磁石回転子の製造工数を削減して、その製造コストの低減を図ることができる。
以上のように、本発明によれば、磁石挿入用スペースに磁石を挿入する際に、磁石保持片から押圧力を受けることがないため、磁石の挿入を容易に行なうことができ、磁石を保持させる作業を能率よく行なうことができる。
また本発明によれば、磁石を挿入する際に磁石保持片が磁石の側面を強く擦ることがなく、磁石が削れることがないため、磁石を保持させる際に塵が生じるのを防ぐことができ、磁石を保持させた後の清掃作業を省略することができる。
更に、本発明に係わる磁石保持スペーサを用いれば、磁石保持片の変形により磁石保持スペーサ自体及び永久磁石の周方向の寸法誤差を吸収することができ、また底部側連結片の変形により磁石保持スペーサ自体及び永久磁石の軸線方向の寸法誤差を吸収できるため、磁石保持スペーサ及び永久磁石に多少の寸法誤差があっても、複数の永久磁石を、フライホイールの内周に等角度間隔で、かつそれぞれの軸線方向位置を揃えて正しく配置することができる。
また本発明に係わるフライホイール磁石回転子において、フライホイールの筒部の内周に嵌合された磁石保持スペーサと該磁石保持スペーサに保持された永久磁石とを覆う環状のカバー本体と、該カバー本体の軸線方向の一端から外側に突出したつば部とを一体に有する磁石保護カバーを設けて、該磁石保護カバーのつば部を磁石保持スペーサに保持された永久磁石に当接させた状態で、フライホイールの筒部の開口端の一部にシーミング加工部を形成することにより磁石保護カバーをフライホイールの軸線方向に押圧してフライホイールに対して固定するように構成した場合には、フライホイールの筒部の内周に嵌合させた磁石保持スぺーサの磁石挿入用スペースに磁石を挿入した後、フライホイールに磁石保護カバーを取り付けるだけで、各磁石が所定の位置に位置決めされたフライホイール磁石回転子を得ることができる。従って、磁石を所定の位置に位置決めするための面倒な作業を行なうことなくフライホイール磁石回転子を組み立てることができ、フライホイール磁石回転子の製造工数を削減して、その製造コストの低減を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明に係わる磁石保持スペーサ及び該磁石保持スペーサを用いたフライホイール磁石回転子の具体的な実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係わる磁石保持スペーサ1の好ましい具体的構成例を示したものである。同図に示されているように、本発明に係わる磁石保持スペーサ1は、磁石を挿入することができる磁石挿入用スペース4を相互間に形成するように並べて配置された一対の磁石保持片9a,9bと、これら一対の磁石保持片9a,9bの後端部間を連結する底部側連結片9cとを一体に有して各磁石保持片9a,9bの先端が自由端となっている磁石保持部9を、保持する磁石の数に等しい数だけ備えている。各磁石保持部9を構成する磁石保持片9a,9bは、磁石を保持する前の状態で、この磁石保持スペーサを適用するフライホイールの軸線方向に平行に伸びるように、かつ該フライホイールの筒部の周方向に沿うように並べて設けられ、各磁石保持片の長さは、適用するフライホイールの筒部の内周面の軸線方向寸法以下に設定されている。複数の磁石保持部9,9,…は、同形状、同寸法を有するように形成されて、適用するフライホイールの筒部の周方向に沿うように環状に並べて配置され、隣り合う磁石保持部9,9の隣接する磁石保持片9a,9bの軸線方向の中間部が中間連結片10を介して相互に連結されている。
図2(A)にも示されているように、各磁石保持部9の底部側連結片9cは、磁石挿入用スペース4に磁石が挿入されていない状態にあるときに、磁石挿入用スペース4側に凸な山形の形状を呈するように形成されている。更に詳細に説明すると、各磁石保持部9の底部側連結片9cの磁石挿入用スペース4側に向いた内面及び磁石挿入用スペース4と反対側に向いた外面の双方が、磁石挿入用スペース4側に凸な山形の形状を呈するように屈曲した形状に形成されていて、各底部側連結片9cの中央部に磁石挿入用スペース4内に臨む頂部9cxが形成され、該頂部9cxと反対側に凹部9cyが形成されている。各磁石保持部9の底部側連結片9cは、その頂部9cxが押されたときに弾性変形し得るように形成されていて、底部側連結片9cの頂部9cxを押して図2(B)に示すように該連結片9cを弾性変形させたときに、その両端の磁石保持片9a,9bが互いに反対側に傾斜して両磁石保持片9a,9bの先端部間の間隔(磁石挿入用スペース4の入り口)が狭まるようになっている。
すなわち、各磁石保持部9は、その一対の磁石保持片9a,9b間の磁石挿入用スペース4に磁石8を挿入して該磁石8で山形の底部側連結片9cの頂部9cxを押した際に、図2(B)に示されているように底部側連結片9cが真っ直ぐな形、または真っ直ぐに近い形に弾性変形することにより、一対の磁石保持片9a,9bが傾斜して該一対の磁石保持片9a,9bの先端部間の間隔が狭まるように構成されている。
磁石保持スペーサ1の少なくとも底部側連結片9cは、弾性変形が可能な材料により形成される。本実施形態では、磁石保持スペーサ1全体が、弾性変形が可能な熱可塑性樹脂により一体成形されている。
本発明に係わる磁石保持スペーサ1に磁石を保持させる際には、図2(A)に示すように、磁石8を各磁石保持部9の磁石保持片9a,9bの先端部間を通して磁石挿入用スペース4に挿入して、磁石を山形の底部側連結片9cの頂部9cxに押し当てる。磁石8を山形の底部側連結片9cの頂部9cxに押し当てると、図2(B)に示したように、山形の底部側連結片9cが真っ直ぐな形、または真っ直ぐに近い形に弾性変形する。この底部側連結片9cの変形に伴ってその両側の一対の磁石保持片9a,9bが傾斜して両磁石保持片9a,9bの先端部が互いに近づく方向に変位するため、一対の磁石保持片9a,9bの先端部が磁石挿入用スペースに挿入された磁石の両端に強く押し当てられ、これらの磁石保持片の先端部間に磁石8が把持される。
磁石保持スペーサ1の磁石挿入用スペース4に磁石8を挿入する前の状態では、磁石保持片9a,9bの先端部間の間隔が狭められていないため、磁石挿入用スペース4への磁石8の挿入は容易に行なうことができる。
また磁石8を磁石挿入用スペース4に挿入して、山形の底部側連結片9cの頂部9cxに押し当てて該底部側連結片を弾性変形させると、一対の磁石保持片9a,9bの先端部が互いに近づく方向に変位して、両磁石保持片9a,9bの先端部がそれぞれの弾性により磁石8の周方向の両端の端面に押圧された状態で当接するため、磁石8は挿入用スペース4内に安定に保持される。
また磁石8を挿入する際に磁石保持片9a,9bが磁石の側面を強く擦ることがないので、磁石8を磁石挿入用スペース4内に挿入する際に該磁石が削れるのを防ぐことができ、磁石を保持させる際に塵が生じるのを防ぐことができる。従って、磁石8を保持させた後の清掃作業を省略することができる。
更に、本発明に係わる磁石保持スペーサ1は、磁石保持片9a,9bの弾性変形により磁石保持スペーサ自体及び永久磁石の周方向の寸法誤差を吸収することができ、また底部側連結片9cの変形により磁石保持スペーサ自体及び永久磁石の軸線方向の寸法誤差を吸収することができるため、磁石保持スペーサ及び永久磁石に多少の寸法誤差があっても、複数の永久磁石8を、フライホイールの内周に等角度間隔で、かつそれぞれの軸線方向位置を揃えて正しく配置することができる。
次に、上記の磁石保持スペーサ1を用いたフライホイール磁石回転子の構成例を図3(A),(B)及び図4を参照して説明する。図3(A)及び(B)はそれぞれ本実施形態のフライホイール磁石回転子の正面図及び縦断面図であり、図4は図3(A),(B)に示したフライホイール磁石回転子の要部の拡大断面図である。図示のフライホイール磁石回転子12は、鉄等の強磁性材料により形成されたフライホイール13を備えている。フライホイール13は、筒部13aと、該筒部13aの軸線方向の一端を閉じる底部13bと、底部13bの中央部に形成されたボス部13cとを有するカップ状の形状に形成されている。フライホイール13の筒部13aの内周に磁石保持スペーサ1が嵌合され、この磁石保持スペーサ1により複数の永久磁石8が相互間に所定の間隔をあけた状態でフライホイール13の周方向に並べて保持されている。
磁石保持スペーサ1は、図1に示されたものと同様のもので、磁石8をある程度余裕を持って挿入することができる磁石挿入用スペース4を相互間に形成するように並べて配置された一対の磁石保持片9a,9bと、該一対の磁石保持片の後端部間を連結する底部側連結片9cとを一体に有して各磁石保持片9a,9bの先端が自由端となっている磁石保持部9を磁石8の個数分備えている。複数個の磁石保持部9,9,…はフライホイールの筒部13aの内周に沿うように環状に並べて配置されて隣り合う磁石保持部の隣接する磁石保持片9a,9bの軸線方向の中間部が中間連結片10を介して相互に連結されている。各磁石保持部9の底部側連結片9cは、磁石挿入用スペース4に磁石が挿入される前の状態にあるときに、磁石挿入用スペース4側に凸で、中間部に磁石保持用スペース4に臨む頂部9cxが形成され、かつ頂部9cxと反対側に凹部9cyが形成された山形の形状を呈するように形成されている。
磁石保持スペーサ1は、フライホイール13の筒部13aの内径にほぼ等しい外径と、フライホイールの筒部13aの内周面の軸線方向寸法よりも小さい軸線方向寸法とを有するように形成されて、フライホイールの筒部13aの内周にきつく嵌合された状態で配置される。図示の例では、磁石保持スペーサ1がフライホイールの筒部13aの内周に形成された段部13dに当接させられることにより、軸線方向に位置決めされている。
そして、各磁石保持部9の磁石挿入用スペース4に磁石8が挿入され、該磁石8で山形の底部側連結片9cの頂部9cxが押圧されることにより、各磁石保持部9が真っ直ぐの形状または真っ直ぐに近い形状に弾性変形させられて、各磁石保持部9の一対の磁石保持片9a,9bの先端部間の間隔が狭まるように各磁石保持部9の磁石保持片9a,9bが傾斜させられ、各磁石保持部9の磁石挿入用スペースに挿入された磁石8が各磁石保持部の一対の磁石保持片9a,9bの先端部間に把持されている。
図示の例では、フライホイール13の筒部の内周に嵌合されて磁石8を保持した磁石保持スペーサ1の内周に、該磁石保持スペーサ1を磁石8,8,…とともに覆う磁石保護カバー15が嵌合されている。磁石保護カバー15は、ステンレススチールやアルミニュウム等からなっていて、磁石8,8,…の内周を一括して覆う環状のカバー本体15aと、このカバー本体15aの軸線方向の一端から外側に突出したつば部15bとを一体に有していて、つば部15bを磁石8,8,…に当接させた状態で配置されている。フライホイール13の筒部13aの開口端の内周寄りの部分を全周に亘って磁石保護カバー15のつば部15bの上に押し出すように塑性変形させてシーミング加工部16を形成することにより、磁石保護カバー15がフライホイール13に対して固定されている。またシーミング加工部16で磁石保護カバー15がフライホイールの軸線方向に押された状態で固定されることにより、該磁石保護カバー15に当接されている複数の永久磁石8,8,…がフライホイールの軸線方向に押され、各磁石8により磁石保持部9の山形の底部側連結片9cの頂部9cxが押されている。これにより、底部側連結片9cが弾性変形させられて、各磁石保持片9a,9bの先端部間の間隔が狭められ、各磁石8が磁石保持片9a,9b間に保持されている。
本発明に係わる磁石保持スペーサの一実施形態を示した斜視図である。 図1に示した磁石保持スペーサに永久磁石を保持させる際の磁石保持スペーサの状態の変化を説明するために用いる磁石保持スペーサの要部の正面図である。 (A)は図1に示した磁石保持スペーサを用いて磁石を保持したフライホイール磁石回転子の構成を一部断面して示した正面図、(B)は(A)のフライホイール磁石回転子の縦断面図である。 図3に示したフライホイール磁石回転子の要部の拡大断面図である。 (A)は従来の磁石保持スペーサの全体的な構成を示した斜視図、(B)は(A)の要部を拡大して示した斜視図である。 図5に示した磁石保持スペーサに永久磁石を保持させた状態を示した縦断面図である。
符号の説明
1 磁石保持スぺーサ
4 磁石挿入用スペース
8 永久磁石
9 磁石保持部
9a,9b 磁石保持片
9c 底部側連結片
9cx 頂部
9cy 凹部
10 中間連結片
13 フライホイール
13a 筒部
15 磁石保護カバー
16 シーミング加工部
15a カバー本体
15b つば部

Claims (3)

  1. フライホイール磁石回転子のカップ状フライホイールの筒部の内周に配置されて、複数の永久磁石を相互間に間隔をあけた状態で前記フライホイールの周方向に並べて保持するフライホイール磁石回転子用磁石保持スペーサであって、
    前記磁石を挿入することができる磁石挿入用スペースを相互間に形成するように並べて配置された一対の磁石保持片と該一対の磁石保持片の後端部間を連結する底部側連結片とを一体に有して各磁石保持片の先端が自由端となっている磁石保持部を複数個備えて、該複数個の磁石保持部が環状に並べて配置されて隣り合う磁石保持部の隣接する磁石保持片の中間部が中間連結片を介して相互に連結された構造を有し、
    前記底部側連結片は、前記磁石挿入用スペース側に凸な山形の形状を有するように形成され、
    各磁石保持部の磁石挿入用スペースに磁石を挿入して該磁石で前記山形の底部側連結片の頂部を押した際に該底部側連結片が弾性変形することにより前記一対の磁石保持片が傾斜して該一対の磁石保持片の先端部間の間隔が狭まるように構成されていること、
    を特徴とするフライホイール磁石回転子用磁石保持スペーサ。
  2. カップ状のフライホイールの筒部内周に磁石保持スペーサが配置され、前記磁石保持スペーサにより複数の永久磁石が相互間に所定の間隔をあけた状態で前記フライホイールの周方向に並べて保持されているフライホイール磁石回転子において、
    前記磁石保持スペーサは、前記磁石を挿入することができる磁石挿入用スペースを相互間に形成するように並べて配置された一対の磁石保持片と該一対の磁石保持片の後端部間を連結する底部側連結片とを一体に有して各磁石保持片の先端が自由端となっている磁石保持部を複数個備えて、該複数個の磁石保持部が環状に並べて配置されて隣り合う磁石保持部の隣接する磁石保持片の中間部が中間連結片を介して相互に連結された構造を有し、
    前記底部側連結片は、前記磁石挿入用スペース側に凸な山形の形状を有するように形成され、
    各磁石保持部の磁石挿入用スペースに磁石が挿入されて、該磁石で前記山形の底部側連結片の頂部が押圧され、
    各磁石保持部の底部側連結片が磁石により押されて弾性変形させられることにより各磁石保持部の一対の磁石保持片の先端部間の間隔が狭まるように各磁石保持部の磁石保持片が傾斜させられて、各磁石保持部の磁石挿入用スペースに挿入された磁石が各磁石保持部の一対の磁石保持片の先端部間に把持されていること、
    を特徴とするフライホイール磁石回転子。
  3. 前記フライホイールの筒部の内周に嵌合された磁石保持スペーサと該磁石保持スペーサに保持された永久磁石とを覆う環状のカバー本体と、該カバー本体の軸線方向の一端から外側に突出したつば部とを一体に有する磁石保護カバーが設けられて、該磁石保護カバーのつば部が前記磁石保持スペーサに保持された永久磁石に当接され、
    前記フライホイールの筒部の開口端の一部を前記磁石保護カバーのつば部の上に押し出すように塑性変形させることにより形成したシーミング加工部により前記磁石保護カバーが前記フライホイールの軸線方向に押圧されて前記フライホイールに対して固定され、前記磁石保護カバーにより各永久磁石がフライホイールの軸線方向に押されることにより前記磁石保持スペーサの各磁石保持部の底部側連結片が弾性変形させられていることを特徴とする請求項2に記載のフライホイール磁石回転子。
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