この発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、第1の実施の形態としての、スイッチャ集中型の情報信号処理装置100の構成を示している。
この情報信号処理装置100は、N個の基板101-1〜101-Nを有している。基板101-1〜101-Nは、それぞれ、情報信号を処理する処理ブロックを構成している。基板101-1〜101-Nは、それぞれ、後述するコントローラ104が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度情報を記憶した記憶媒体102-1〜102-Nを備えている。
ここでは、優先度情報として、優先度を表す優先度番号が用いられる。この優先度番号は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対応した処理を行うために基板101-1〜101-Nをどのような順に接続していくかを示す情報である。また、処理内容は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対して基板101-1〜101-Nでどのような処理をすべきかを示す情報である。
また、情報信号処理装置100は、スイッチャ103を有している。このスイッチャ103は、基板101-1〜101-Nを、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定のコマンドCCMDに対応した処理を行い得るように順に接続する。このスイッチャ103は、スイッチャ本体103aの他に、カウンタ103bを備えている。このカウンタ103bは、共通コマンドCCMDが発生したときカウントを開始し、一定時間毎にカウント値をインクリメントしていく。このカウント値の最後の値は、少なくとも、上述した優先度番号の最大値以上とされる。
このスイッチャ103は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、基板101-1〜101-Nのそれぞれを、スイッチャ本体103aにより、当該基板101-1〜101-Nの記憶媒体102-1〜102-Nに記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号がカウンタ103bのカウント値に一致した順に接続し、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系を構成する。
なおこの場合、所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号が記憶媒体に記憶されていない基板は、処理系に接続されない。このような基板は、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理には不要な基板である。
また、情報信号処理装置100は、ユーザの操作に対応して共通コマンドCCMDを発生するコントローラ104と、この共通コマンドCCMDを基板101-1〜101-Nおよびスイッチャ103に分配して送信する分配器105を有している。コントローラ104は、例えばリモートコントローラ(リモコン)であり、共通コマンドCCMDを赤外線等のリモコン信号として送信する。分配器105は、例えばリモコン信号を受信する受信部を備え、この受信部で得られるリモコン信号としての共通コマンドCCMDを分配する。
図1に示す情報信号処理装置100の動作を説明する。コントローラ104からユーザの操作に対応した共通コマンドCCMDが発生されると、分配器105からこの共通コマンドCCMDが基板101-1〜101-Nおよびスイッチャ103のそれぞれに送信される。
スイッチャ103では、所定の共通コマンドCCMDが受信されると、カウンタ103bのカウントが開始され、一定時間毎にカウント値がインクリメントされていく。そして、このスイッチャ103では、基板101-1〜101-Nのそれぞれが、スイッチャ本体103aにより、当該基板101-1〜101-Nの記憶媒体102-1〜102-Nに記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号がカウンタ103bのカウント値に一致した順に接続され、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系が構成される。
また、基板101-1〜101-Nでは、それぞれ、所定の共通コマンドCCMDが受信されると、当該基板101-1〜101-Nの記憶媒体102-1〜102-Nに記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理内容を行うように動作が制御される。
このように、コントローラ104から所定の共通コマンドCCMDが発生されると、基板101-1〜101-Nおよびスイッチャ103で、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系が構成されると共に、この処理系を構成する各基板の動作が当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理内容を行うように制御され、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理がユーザを煩わせることなく良好に行われる。
次に、図1に示す情報信号処理装置100の具体例を説明する。図2は、その具体例としての、画像信号処理装置110を示している。
この画像信号処理装置110は、入力基板120と、出力基板130と、ノイズ除去処理基板140と、高画質化処理基板150とを有している。これらの基板120〜150は、それぞれ、情報信号としての画像信号を処理する処理ブロックを構成している。
入力基板120は、画像信号を取得する処理を行うための基板である。出力基板130は、画像信号を記録し、あるいはモニタに出力する処理を行うための基板である。ノイズ除去処理基板140は、MPEG(Moving Picture Experts Group)の符号化、復号化を経たことによって発生したブロック歪み、モスキートノイズ(以下、適宜「MPEG歪み」という)を低減する処理を行うための基板である。高画質化処理基板150は、水平、垂直の画素数を増加して高画質化を行うための基板である。
基板120〜150は、それぞれ、後述するコントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度情報を記憶した、記憶媒体としてのROM(Read Only Memory)122〜152を備えている。
ここでは、優先度情報として、優先度を表す優先度番号が用いられる。この優先度番号は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対応した処理を行うために基板120〜150をどのような順に接続していくかを示す情報である。また、処理内容は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対して基板120〜150でどのような処理をすべきかを示す情報である。
また、画像信号処理装置110は、スイッチャ160を有している。このスイッチャ160は、基板120〜150を、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定のコマンドCCMDに対応した処理を行い得るように順に接続する。このスイッチャ160は、スイッチャ本体161の他に、カウンタ162を備えている。このカウンタ162は、共通コマンドCCMDが発生されたときカウントを開始し、一定時間毎にカウント値をインクリメントしていく。このカウント値の最後の値は、少なくとも、上述した優先度番号の最大値以上とされる。
このスイッチャ160は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、基板120〜150のそれぞれを、スイッチャ本体161により、当該基板120〜150のROM122〜152に記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号がカウンタ162のカウント値に一致した順に接続し、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系を構成する。
なおこの場合、所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号がROMに記憶されていない基板は、処理系に接続されない。このような基板は、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理には不要な基板である。
また、画像信号処理装置110は、ユーザの操作に対応して共通コマンドCCMDを発生するコントローラ170と、この共通コマンドCCMDを基板120〜150およびスイッチャ160に分配して送信する分配器180を有している。コントローラ170は、リモートコントローラ(リモコン)であり、共通コマンドCCMDを赤外線等のリモコン信号として送信する。分配器180は、コントローラ170からのリモコン信号を受信する受信部181と、この受信部181で得られるリモコン信号としての共通コマンドCCMDを分配するシリアルハブ182とからなっている。
図3は、コントローラ170の外観を示している。図示のように、このコントローラ170には、共通コマンドCCMDをリモコン信号として送信するための赤外線発光部171と、各種設定画面などを表示するための画像表示素子であるLCD(Liquid Crystal Display)172が設けられている。
また、このコントローラ170には、画像信号処理装置110の電源をオンまたはオフとする場合に操作する電源ボタン173と、画像信号処理装置110で実行される処理を選択する場合に操作するボタン群174と、LCD172に表示されるカーソルを移動させる場合に操作する十字ボタン175と、チャネルを切り替える場合に操作するチャネル切替ボタン176が設けられている。
ボタン群174には、「DVD再生」、「DVD→HDD」、「HDD→DVD」、「ブルーレイ再生」、「地上波を見る」、「BSハイビジョンを見る」、「地上波をDVD録画」、「地上波をHDD録画」、「地上波をブルーレイ録画」、「BSハイビジョンをDVD録画」、「BSハイビジョンをHDD録画」および「BSハイビジョンをブルーレイ録画」の処理を選択するボタンと、メニュー表示ボタン、操作決定ボタンおよび操作キャンセルボタンが含まれている。
次に、基板120〜150の回路構成を説明する。
まず、入力基板120の回路構成を説明する。図4は、入力基板120の回路構成を示している。この入力基板120は、基板全体の動作を制御するMPU(Micro Processing Unit)121と、このMPU121の制御プログラム等が格納されたROM122と、MPU121の作業領域を構成するRAM(Random Access Memory)123とを有している。これらはバス124に接続されている。ROM122には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号が記憶されている。
図5は、入力基板120のROM122に記憶されている、各共通コマンドと処理内容、優先度番号との対応関係を示している。例えば、「DVD再生」の共通コマンドには、処理内容として「DVD再生」が対応し、優先度番号として「1」が対応している。また例えば、「HDD→DVD」の共通コマンドには、処理内容として「HDD再生」が対応し、優先度番号として「1」が対応している。また例えば、「地上波をDVD録画」の共通コマンドには、処理内容として「地上波チューナ駆動」が対応し、優先度番号として「1」が対応している。
また、ROM122には、各処理内容に対応した、画像信号の出力フォーマットリストも記憶されている。図6は、その出力フォーマットリストを示している。例えば、処理内容が「DVD再生」であるときは、出力フォーマットは、525pのみである。また例えば、処理内容が「HDD再生」であるときは、出力フォーマットは、525i、525p、750pおよび1125iのいずれかである。また例えば、処理内容が「地上波チューナ駆動」であるときは、出力フォーマットは、525iのみである。
図4に戻って、入力基板120は、DVD再生部(DVDプレーヤ)125-1と、ブルーレイディスク再生部(ブルーレイディスクレコーダ)125-2と、HDD(Hard Disk Drive)125-3と、地上波チューナ126-1と、BSチューナ126-2とを有している。これらはバス124に接続されている。
また、入力基板120は、フォーマット変換部127を有している。このフォーマット変換部127は、DVD再生部125-1等から再生された画像信号のフォーマット、または地上波チューナ126-1等で得られた画像信号のフォーマットを、必要に応じて、他のフォーマットに変換する。このフォーマット変換部127はバス124に接続されている。
また、入力基板120は、入出力I/F(Interface)128を有している。この入出力I/F128はバス124に接続されている。この入出力I/F128には、コマンド信号線129-1、出力信号線129-2および制御信号線129-3が接続されている。コマンド信号線129-1は、入力基板120とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から入力基板120に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。
出力信号線129-2は、入力基板120とスイッチャ160のスイッチャ本体161との間に設けられ、入力基板120から出力される画像信号SVoutをスイッチャ本体161に供給するための信号線である。制御信号線129-3は、入力基板120とスイッチャ160との間に設けられ、スイッチャ160から入力基板120にカウンタ162のカウント値CNTを送信するため、および入力基板120からスイッチャ160に接続要求CNDを送信するための信号線である。
次に、出力基板130の回路構成を説明する。図7は、出力基板130の回路構成を示している。この出力基板130は、基板全体の動作を制御するMPU131と、このMPU131の制御プログラム等が格納されたROM132と、MPU131の作業領域を構成するRAM133とを有している。これらはバス134に接続されている。ROM132には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号が記憶されている。
図8は、出力基板130のROM132に記憶されている、各共通コマンドと処理内容、優先度番号との対応関係を示している。例えば、「DVD再生」の共通コマンドには、処理内容として「モニタへ出力」が対応し、優先度番号として「10」が対応している。また例えば、「HDD→DVD」の共通コマンドには、処理内容として「DVDへ記録」が対応し、優先度番号として「10」が対応している。また例えば、「地上波をDVD録画」の共通コマンドには、処理内容として「DVDへ記録」が対応し、優先度番号として「10」が対応している。
また、ROM132には、各処理内容に対応した、画像信号の入力フォーマットリストも記憶されている。図9は、その入力フォーマットリストを示している。例えば、処理内容が「モニタへ出力」であるときは、入力フォーマットは、525i、525p、750pおよび1125iのいずれかである。また例えば、処理内容が「DVDへ記録」であるときは、入力フォーマットは、525pのみである。
図7に戻って、出力基板130は、DVD記録部(DVDプレーヤ)135-1と、ブルーレイディスク記録部(ブルーレイディスクレコーダ)135-2と、HDD135-3とを有している。これらはバス134に接続されている。
また、出力基板130は、入出力I/F136を有している。この入出力I/F136はバス134に接続されている。この入出力I/F136には、コマンド信号線137-1、入力信号線137-2および制御信号線137-3が接続されている。コマンド信号線137-1は、出力基板130とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から出力基板130に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。
入力信号線137-2は、出力基板130とスイッチャ160のスイッチャ本体161との間に設けられ、スイッチャ160からの画像信号SVinを出力基板130に供給するための信号線である。制御信号線137-3は、出力基板130とスイッチャ160との間に設けられ、スイッチャ160から出力基板130にカウンタ162のカウント値CNTを送信するため、および出力基板130からスイッチャ160に接続要求CNDを送信するための信号線である。
さらに、この入出力I/F136には、図示しないモニタに画像信号を供給するための出力信号線138が接続されている。
次に、ノイズ除去処理基板140の回路構成を説明する。図10は、ノイズ除去処理基板140の回路構成を示している。この処理基板140は、基板全体の動作を制御するMPU141と、このMPU141の制御プログラム等が格納されたROM142と、MPU141の作業領域を構成するRAM143とを有している。これらはバス144に接続されている。ROM142には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号が記憶されている。
図11は、処理基板140のROM142に記憶されている、各共通コマンドと処理内容、優先度番号との対応関係を示している。例えば、「DVD再生」の共通コマンドには、処理内容として「MpegDNR処理」が対応し、優先度番号として「3」が対応している。ここで、「MpegDNR処理」は、上述したMPEG歪みを低減する処理を意味している。また例えば、「HDD→DVD」の共通コマンドには、処理内容として「MpegDNR処理」が対応し、優先度番号として「3」が対応している。
また例えば、「地上波をDVD録画」の共通コマンドには、処理内容および優先度番号は規定されていない。これは、当該処理基板140は、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応する処理を実行する際には、処理系に挿入されず、MPEG歪みの低減処理が行われないことを意味している。
また、ROM142には、「MpegDNR処理」に対応した、画像信号の入力フォーマットリストおよび出力フォーマットリストも記憶されている。図12は、その入力フォーマットリストおよび出力フォーマットリストを示している。入力フォーマットは525pおよび750pのいずれかである。出力フォーマットは、入力フォーマットが525pであるときは525pであり、入力フォーマットが750pであるときは750pである。
図10に戻って、処理基板140は、ノイズ除去処理部145と、フォーマット変換部146とを有している。ノイズ除去処理部145は、画像信号に対して、上述したMPEG歪みを低減する処理を行う。フォーマット変換部146は、ノイズ除去処理部145で処理された画像信号のフォーマットを、必要に応じて、他のフォーマットに変換する。これらノイズ除去処理部145およびフォーマット変換部146は、バス144に接続されている。
また、処理基板140は、入出力I/F147を有している。この入出力I/F147はバス144に接続されている。この入出力I/F147には、コマンド信号線148-1、入力信号線148-2、出力信号線148-3および制御信号線148-4が接続されている。コマンド信号線148-1は、処理基板140とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から処理基板140に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。
入力信号線148-2は、処理基板140とスイッチャ160のスイッチャ本体161との間に設けられ、スイッチャ160からの画像信号SVinを処理基板140に供給するための信号線である。出力信号線148-3は、処理基板140とスイッチャ160のスイッチャ本体161との間に設けられ、処理基板140からの画像信号SVoutをスイッチャ160に供給するための信号線である。制御信号線148-4は、処理基板140とスイッチャ160との間に設けられ、スイッチャ160から処理基板140にカウンタ162のカウント値CNTを送信するため、および処理基板140からスイッチャ160に接続要求CNDを送信するための信号線である。
次に、高画質化処理基板150の回路構成を説明する。図13は、高画質化処理基板150の回路構成を示している。この処理基板150は、基板全体の動作を制御するMPU151と、このMPU151の制御プログラム等が格納されたROM152と、MPU151の作業領域を構成するRAM153とを有している。これらはバス154に接続されている。ROM152には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号が記憶されている。
図14は、処理基板150のROM152に記憶されている、各共通コマンドと処理内容、優先度番号との対応関係を示している。例えば、「DVD再生」の共通コマンドには、処理内容として「高画質化処理」が対応し、優先度番号として「8」が対応している。ここで、「高画質化処理」は、水平、垂直の画素数を増加して高画質化する処理を意味している。また例えば、「HDD→DVD」の共通コマンドには、処理内容として「高画質化処理」が対応し、優先度番号として「8」が対応している。また例えば、「地上波をDVD録画」の共通コマンドには、処理内容として「高画質化処理」が対応し、優先度番号として「8」が対応している。
また、ROM152には、「高画質化処理」に対応した、画像信号の入力フォーマットリストおよび出力フォーマットリストも記憶されている。図15は、その入力フォーマットリストおよび出力フォーマットリストを示している。入力フォーマットは525i、525p、1125iおよび750pのいずれかである。出力フォーマットは、入力フォーマットが525iであるときは、525i、525p、750pおよび1125iのいずれかであり、入力フォーマットが525pであるときは、525p、1125iおよび750pのいずれかであり、入力フォーマットが1125iであるときは1125iおよび750pのいずれかであり、入力フォーマットが750pであるときは750pのみである。
図13に戻って、処理基板150は、高画質化処理部155と、フォーマット変換部156とを有している。高画質化処理部155は、画像信号に対して、水平、垂直の画素数を増加して高画質化する処理を行う。この高画質化処理として、例えば、DRC(Digital Reality Creation)処理を適用できる。DRC処理とは、出力画像信号の注目位置の画素データを、その注目位置の周辺に位置する入力画像信号の複数の画素データ、およびその注目位置の位相に対応した、予め学習によって生成された係数データを用い、推定式に基づいて求める処理である。フォーマット変換部156は、高画質化処理部155で処理された画像信号のフォーマットを、必要に応じて、他のフォーマットに変換する。これら高画質化処理部155およびフォーマット変換部156は、バス154に接続されている。
また、処理基板150は、入出力I/F157を有している。この入出力I/F157には、コマンド信号線158-1、入力信号線158-2、出力信号線158-3および制御信号線158-4が接続されている。コマンド信号線158-1は、処理基板150とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から処理基板150に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。
入力信号線158-2は、処理基板150とスイッチャ160のスイッチャ本体161との間に設けられ、スイッチャ160からの画像信号SVinを処理基板150に供給するための信号線である。出力信号線158-3は、処理基板150とスイッチャ160のスイッチャ本体161との間に設けられ、処理基板150からの画像信号SVoutをスイッチャ160に供給するための信号線である。制御信号線158-4は、処理基板150とスイッチャ160との間に設けられ、スイッチャ160から処理基板150にカウンタ162のカウント値CNTを送信するため、および処理基板150からスイッチャ160に接続要求CNDを送信するための信号線である。
次に、スイッチャ160の回路構成を説明する。図16は、スイッチャ160の回路構成を示している。このスイッチャ160は、基板全体の動作を制御するMPU163と、このMPU163の制御プログラム等が格納されたROM164と、MPU163の作業領域を構成するRAM165とを有している。これらはバス166に接続されている。
また、スイッチャ160は、スイッチャ本体161と、カウンタ162とを有している。これらスイッチャ本体161およびカウンタ162はバス166に接続されている。カウンタ162は、共通コマンドCCMDが発生したときカウントを開始するように制御され、その後一定時間毎にカウント値をインクリメントしていくように制御される。
スイッチャ本体161は、例えばマトリックススイッチで構成され、その接続が制御されることで基板120〜150を所定の順に接続する。スイッチャ本体161には、入力基板120に接続された出力信号線129-2、出力基板130に接続された入力信号線137-2、ノイズ除去処理基板140に接続された入力信号線148-2および出力信号線148-3、さらに高画質化処理基板150に接続された入力信号線158-2および出力信号線158-3が接続されている。
また、スイッチャ160は、入出力I/F167を有している。この入出力I/F167はバス166に接続されている。この入出力I/F167には、基板120〜150にそれぞれ接続された制御信号線129-3,137-3,148-4,158-4が接続されている。また、この入出力I/F167には、コマンド信号線168が接続されている。このコマンド信号線168は、スイッチャ160とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182からスイッチャ160に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。
次に、図2に示す画像信号処理装置110の動作を説明する。
コントローラ170からは、ユーザのボタンの押圧操作に対応して、押されたボタンに対応した共通コマンドCCMDが、リモコン信号として送信される。図17のフローチャートは、コントローラ170の動作を示している。すなわち、ステップST1で、処理を開始し、ステップST2で、ボタンが押されたか否かを判定する。ボタンが押されたときは、ステップST3で、押されたボタンに対応した共通コマンドCCMDを発生し、それをリモコン信号として送信し、その後にステップST2に戻る。以下、同様に、ボタンが押される毎に、その押されたボタンに対応した共通コマンドCCMDを発生し、リモコン信号として送信する。
コントローラ170からリモコン信号として送信されてくる共通コマンドCCMDは、分配器180の受信部181で受信される。そして、受信された共通コマンドCCMDは、シリアルハブ182により、コマンド信号線129-1,137-1,148-1,158-1,168を通じて、基板120〜150およびスイッチャ160に送信される。
図18のフローチャートは、分配器180の動作を示している。すなわち、ステップST11で、処理を開始し、ステップST12で、共通コマンドCCMDを受信したか否かを判定する。共通コマンドCCMDを受信したときは、ステップST13で、その共通コマンドCCMDを各機器、つまり基板120〜150およびスイッチャ160に送信する。
スイッチャ160では、コマンド信号線168を通じて所定の共通コマンドCCMDが受信されると、カウンタ162のカウントが開始され、その後カウント値CNTは一定時間毎にインクリメントされていく。このカウンタ162のカウント値CNTは、インクリメントされる毎に、スイッチャ160から、制御信号線129-3,137-3,148-4,158-4を通じて、基板120〜150に送信される。
基板120〜150のそれぞれでは、コマンド信号線129-1,137-1,148-1,158-1を通じて所定の共通コマンドCCMDが受信されると、ROM122,132,142,152から当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号が取得される。そして、基板120〜150のそれぞれからは、スイッチャ160から送られてくるカウント値CNTが優先度番号と一致するとき、接続要求CNDが、制御信号線129-3,137-3,148-4,158-4を通じて、スイッチャ160に送信される。
スイッチャ160では、制御信号線129-3,137-3,148-4,158-4を通じて接続要求CNDが受信される毎に、スイッチャ本体161で、その接続要求CNDを送信した基板が順に接続されていく。この場合、2番目に接続要求CNDを送信した基板の入力信号線が最初に接続要求CNDを送信した基板の出力信号線に接続され、以下、接続要求CNDを送信した基板の入力信号線が、その前に接続要求CNDを送信した基板の出力信号線に接続されていく。これにより、最終的に、所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系が構成される。
また、基板120〜150のそれぞれでは、ROMから、受信された所定の共通コマンドCCMDに対応した処理内容が取得される。そして、基板120〜150のそれぞれでは、取得された処理内容に基づいて処理部の動作が制御され、処理が開始される。これにより、上述したように構成された処理系により、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理が良好に行われる。
図19のフローチャートは、各基板の動作を示している。まず、ステップST21で、処理を開始し、ステップST22で、共通コマンドCCMDを受信したか否かを判定する。共通コマンドCCMDを受信したときは、ステップST23で、ROMから共通コマンドCCMDに対応した優先度番号を取得する。
そして、ステップST24で、スイッチャ160からカウント値CNTを受信したか否かを判定する。受信したときは、ステップST25で、ステップST23で取得した優先度番号とカウント値CNTとが一致するか否かを判定する。上述したようにカウント値CNTは順次インクリメントされていく。優先度番号とカウント値CNTとの一致判定は、変化するカウント値CNTを受信する毎に行われる。
優先度番号とカウント値CNTが一致するときは、ステップST26で、スイッチャ160に接続要求CNDを送信する。そして、ステップST27で、ROMから共通コマンドCCMDに対応した処理内容を取得し、ステップST28で、ステップST27で取得した処理内容に基づいて処理部の動作を制御し、処理を開始する。
このステップST28の後に、ステップST22に戻る。このステップST22で、共通コマンドCCMDを受信していないときは、ステップST29で、処理を継続し、ステップST22に戻る。つまり、新たな共通コマンドCCMDを受信するまでは、ステップST28で開始された処理を、続ける。
図20のフローチャートは、スイッチャ160の動作を示している。まず、ステップST31で、処理を開始し、ステップST32で、カウンタ162のカウント値CNTを0にセットする。そして、ステップST33で、共通コマンドCCMDを受信したか否かを判定する。共通コマンドCCMDを受信したときは、ステップST34で、カウント値CNTを1だけ増加、つまりインクリメントし、さらにステップST35で、t=0にセットする。
次に、ステップST36で、カウント値CNTを、基板120〜150に送信する。そして、ステップST37で、接続要求CNDを受信したか否かを判定する。接続要求を受信していないときは、ステップST38で、一定時間tcが経過したか否かを判定する。一定時間tcが経過していないときは、ステップST37に戻る。
ステップST37で接続要求CNDを受信したときは、ステップST39で、スイッチャ本体161を制御して、接続要求CNDを送信した基板を、処理系を構成するように接続する。そして、ステップST40で、一定時間tcが経過したか否かを判定する。一定時間tcが経過したときは、ステップST41に進む。上述したステップST38で一定時間tcが経過したときも、ステップST41に進む。
このステップST41では、カウント値CNTが最後の値か否かを判定する。カウント値CNTが最後の値でないときは、ステップST34に戻り、カウント値CNTをインクリメントし、以下上述したと同様に動作する。一方、カウント値CNTが最後の値であるときは、ステップST32に戻ってカウント値CNTを0にセットし、次の共通コマンドCCMDの受信を待つ状態となる。
ここで、例えば、コントローラ170から「DVD再生」の共通コマンドCCMDが発生された場合について説明する。
入力基板120のROM122には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「DVD再生」が、優先度番号として「1」が、記憶されている(図5参照)。また、出力基板130のROM132には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「モニタへ出力」が、優先度番号として「10」が、記憶されている(図8参照)。また、ノイズ除去処理基板140のROM142には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「MpegDNR処理」が、優先度番号として「3」が、記憶されている(図11参照)。また、高画質化処理基板150のROM152には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「高画質化処理」が、優先度番号として「8」が、記憶されている(図14参照)。
そのため、まず入力基板120で優先度番号「1」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この入力基板120からスイッチャ160に接続要求CNDが送信される。次に、ノイズ除去処理基板140で、優先度番号「3」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この処理基板140からスイッチャ160に接続要求CNDが送信される。これにより、スイッチャ160では、入力基板120の出力信号線129-2と処理基板140の入力信号線148-2とが接続される。
次に、高画質化処理基板150で、優先度番号「8」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この処理基板150からスイッチャ160に接続要求CNDが送信される。これにより、スイッチャ160では、処理基板140の出力信号線148-3と処理基板150の入力信号線158-2とが接続される。
次に、出力基板130で、優先度番号「10」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この出力基板130からスイッチャ160に接続要求CNDが送信される。これにより、スイッチャ160では、処理基板150の出力信号線158-3と出力基板130の入力信号線137-2とが接続される。
このように、「DVD再生」の共通コマンドCCMDの発生に対応して、入力基板120、ノイズ除去処理基板140、高画質化処理基板150および出力基板130の順に接続され、「DVD再生」の共通コマンドCCMDに対応した処理を行う処理系が構成される。
そしてこの場合、入力基板120では、DVD再生部125-1でDVDを再生して画像信号を取得し、この画像信号を出力信号線129-2に出力する処理が行われる。また、ノイズ除去処理基板140では、入力信号線148-2で入力された画像信号に対してノイズ除去処理部145でMPEG歪みを除去する処理を行い、処理後の画像信号を出力信号線148-3に出力する処理が行われる。
また、高画質化処理基板150では、入力信号線158-2で入力された画像信号に対して高画質化処理部155で高画質化処理を行い、処理後の画像信号を出力信号線158-3に出力する処理が行われる。さらに、出力基板130では、入力信号線137-2で入力された画像信号を、出力信号線138に出力する処理が行われる。
また例えば、コントローラ170から「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDが発生された場合について説明する。
入力基板120のROM122には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容として「地上波チューナ駆動」が、優先度番号として「1」が、記憶されている(図5参照)。また、出力基板130のROM132には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容として「DVDへ記録」が、優先度番号として「10」が、記憶されている(図8参照)。また、ノイズ除去処理基板140のROM142には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容および優先度番号は規定されていない(図11参照)。また、高画質化処理基板150のROM152には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容として「高画質化処理」が、優先度番号として「8」が、記憶されている(図14参照)。
そのため、まず入力基板120で優先度番号「1」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この入力基板120からスイッチャ160に接続要求CNDが送信される。次に、高画質化処理基板150で、優先度番号「8」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この処理基板150からスイッチャ160に接続要求CNDが送信される。これにより、スイッチャ160では、入力基板120の出力信号線129-2と処理基板150の入力信号線158-2とが接続される。
次に、出力基板130で、優先度番号「10」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この出力基板130からスイッチャ160に接続要求CNDが送信される。これにより、スイッチャ160では、処理基板150の出力信号線158-3と出力基板130の入力信号線137-2とが接続される。
このように、「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDの発生に対応して、入力基板120、高画質化処理基板150および出力基板130の順に接続され、「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDに対応した処理を行う処理系が構成される。この場合、ノイズ除去処理基板140は、「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDに対応する処理を実行する際には、処理系に挿入されない。
そしてこの場合、入力基板120では、地上波チューナ126-1から画像信号を取得し、この画像信号を出力信号線129-2に出力する処理が行われる。また、高画質化処理基板150では、入力信号線158-2で入力された画像信号に対して高画質化処理部155で高画質化処理を行い、処理後の画像信号を出力信号線158-3に出力する処理が行われる。さらに、出力基板130では、入力信号線137-2で入力された画像信号を、DVD記録部135-1でDVDに記録する処理が行われる。
上述したように、基板120〜150が所定の共通コマンドCCMDに対応した順に接続され、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理を行う処理系が構成され、当該処理系で所定のコマンドCCMDに対応した処理が行われる。この場合、各基板の入力フォーマットおよび出力フォーマットは、以下のように決定される。
図21のフローチャートを用いて、入力フォーマットの決定処理を説明する。まず、ステップST51で、処理を開始し、ステップST52で、ROMから、処理内容に対応した、自らの入力フォーマットをリストアップする。
次に、ステップST53で、ステップST52で得られた入力フォーマットリストを、前段に送信する。このように自らの入力フォーマットリストを前段に送るのは、前段では、後述する出力フォーマットの決定処理を行う際に、後段の入力フォーマットリストを必要とするからである。
ここで、入出力フォーマットの決定のために、基板間でフォーマット情報を送受信する際には、例えば、スイッチャ本体161で接続されている基板間の画像信号線、あるいは基板120〜150とスイッチャ160との間に設けられている制御信号線が用いられる。
次に、ステップST54で、前段の出力フォーマットを受信する。そして、ステップST55で、前段の出力フォーマットを、入力フォーマットに決定する。この場合、前段の出力フォーマットは、自らの入力フォーマットリストに含まれるフォーマットのいずれかになっている。このステップST55の後に、ステップST56で、処理を終了する。
図22のフローチャートを用いて、出力フォーマットの決定処理を説明する。まず、ステップST61で、処理を開始し、ステップST62で、後段の入力フォーマットリストを受信する。そして、ステップST63で、ROMから、処理内容に対応した自らの入力フォーマットに対応した出力フォーマットをリストアップする。
次に、ステップST64で、後段の入力フォーマットリストに、自らの出力フォーマットと一致するフォーマットが存在するか否かを判定する。一致するフォーマットが存在するときは、ステップST65で、一致するフォーマットをリストアップし、最高画質のフォーマットを出力フォーマットに決定する。
次に、ステップST66で、後段に決定した出力フォーマットを送信する。このように決定した出力フォーマットを後段に送るのは、後段では、上述した入力フォーマットの決定処理を行う際に、前段の出力フォーマットを必要とするからである。このステップST66の後にステップST67で、処理を終了する。
また、上述のステップST64で一致するフォーマットが存在しないときは、ステップST68で、後段の入力フォーマットに自らの入力フォーマットより高画質のフォーマットが存在するか否かを判定する。高画質のフォーマットが存在するときは、ステップST69で、後段の入力フォーマットリストのうち、自らの入力フォーマットに対して高画質側に最も近いフォーマットを、出力フォーマットに決定する。その後に、ステップST66で、後段に決定した出力フォーマットを送信し、ステップST67で処理を終了する。
また、上述のステップST68で高画質のフォーマットが存在しないときは、ステップST70で、後段の入力フォーマットリストのうち、自らの入力フォーマットに対して低画質側に最も近いフォーマットを、出力フォーマットに決定する。その後に、ステップST66で、後段に決定した出力フォーマットを送信し、ステップST67で処理を終了する。
ここで、例えば、コントローラ170から「DVD再生」の共通コマンドCCMDが発生された場合について説明する。この場合、上述したように、入力基板120、ノイズ除去処理基板140、高画質化処理基板150および出力基板130の順に接続される。またこの場合、入力基板120では「DVD再生」が行われ、ノイズ除去処理基板140では「MpegDNR処理」が行われ、高画質化処理基板150では「高画質化処理」が行われ、さらに出力基板130では「モニタへ出力」が行われる。
この場合、ノイズ除去処理基板140の入力フォーマットリストには、525pおよび750pが含まれる(図12参照)。また、入力基板120のDVD再生で得られる画像信号のフォーマットは525pである(図6参照)。そのため、入力基板120では、図22のステップST63で、出力フォーマットとして525pがリストアップされる。この525pはノイズ除去処理基板140の入力フォーマットリストに存在することから、入力基板120では、525pが出力フォーマットに決定される。この場合、入力基板120では、フォーマット変換部127は使用されない。
また、入力基板120の出力フォーマットが525pに決定されることから、ノイズ除去処理基板140の入力フォーマットは、525pに決定される。また、高画質化処理基板150の入力フォーマットリストには、525i、525p、750pおよび1125iが含まれる(図15参照)。また、ノイズ除去処理基板140で、525pの入力フォーマットに対応した出力フォーマットは525pである(図12参照)。この525pは高画質化処理基板150の入力フォーマットリストに存在することから、ノイズ除去処理基板140では、525pが出力フォーマットに決定される。この場合、ノイズ除去処理基板140では、フォーマット変換部146は使用されない。
また、ノイズ除去処理基板140の出力フォーマットが525pに決定されることから、高画質化処理基板150の入力フォーマットは、525pに決定される。また、出力基板130の入力フォーマットリストには、525i、525p、750pおよび1125iが含まれる(図9参照)。また、高画質化処理基板150で、525pの入力フォーマットに対応した出力フォーマットは、525p、1125iおよび750pである(図15参照)。525p、1125iおよび750pのいずれも出力基板130の入力フォーマットリストに存在することから、高画質化処理基板150では、最高画質である750pが出力フォーマットに決定される。この場合、高画質化処理基板150では、フォーマット変換部156は使用されない。
また、高画質化処理基板150の出力フォーマットが750pに決定されることから、出力基板130の入力フォーマットは、750pに決定される。
また例えば、コントローラ170から「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDが発生された場合について説明する。この場合、上述したように、入力基板120、高画質化処理基板150および出力基板130の順に接続される。またこの場合、入力基板120では「地上波チューナ駆動」が行われ、高画質化処理基板150では「高画質化処理」が行われ、さらに出力基板130では「DVDへ記録」が行われる。
この場合、高画質化処理基板150の入力フォーマットリストには、525i、525p、750pおよび1125iが含まれる(図14参照)。また、入力基板120の地上波チューナ駆動で得られる画像信号のフォーマットは525iである(図6参照)。そのため、入力基板120では、図22のステップST63で、出力フォーマットとして525iがリストアップされる。この525iは高画質化処理基板150の入力フォーマットリストに存在することから、入力基板120では、525iが出力フォーマットに決定される。この場合、入力基板120では、フォーマット変換部127は使用されない。
また、入力基板120の出力フォーマットが525iに決定されることから、高画質化処理基板150の入力フォーマットは、525iに決定される。また、出力基板130の入力フォーマットリストには、525pが含まれる(図9参照)。また、高画質化処理基板150で、525iの入力フォーマットに対応した出力フォーマットは、525i、525p、1125iおよび750pである(図15参照)。525pが出力基板130の入力フォーマットリストに存在することから、高画質化処理基板150では、525pが出力フォーマットに決定される。この場合、高画質化処理基板150では、フォーマット変換部156は使用されない。
また、高画質化処理基板150の出力フォーマットが525pに決定されることから、出力基板130の入力フォーマットは、525pに決定される。
また例えば、コントローラ170から「HDD→DVD」の共通コマンドCCMDが発生された場合について説明する。この場合、入力基板120、ノイズ除去処理基板140、高画質化処理基板150および出力基板130の順に接続される。またこの場合、入力基板120では「HDD再生」が行われ、ノイズ除去処理基板140では「MpegDNR処理」が行われ、高画質化処理基板150では「高画質化処理」が行われ、さらに出力基板130では「DVDへ記録」が行われる。
この場合、ノイズ除去処理基板140の入力フォーマットリストには、525pおよび750pが含まれる(図12参照)。また、入力基板120のHDD再生で得られる画像信号のフォーマットは例えば525iであるとする(図6参照)。そのため、入力基板120では、図22のステップST63で、出力フォーマットとして525iがリストアップされる。この525iはノイズ除去処理基板140の入力フォーマットリストに存在しない。入力基板120では、525iを自らの入力フォーマットであると見なして、525iに対して高画質側に最も近い525pが出力フォーマットに決定される。この場合、入力基板120では、フォーマット変換部127を用いて、525iから525pへのフォーマット変換が行われる。
また、入力基板120の出力フォーマットが525pに決定されることから、ノイズ除去処理基板140の入力フォーマットは、525pに決定される。また、高画質化処理基板150の入力フォーマットリストには、525p、750pおよび1125iが含まれる(図15参照)。また、ノイズ除去処理基板140で、525pの入力フォーマットに対応した出力フォーマットは525pである(図12参照)。この525pは高画質化処理基板150の入力フォーマットリストに存在することから、ノイズ除去処理基板140では、525pが出力フォーマットに決定される。この場合、ノイズ除去処理基板140では、フォーマット変換部146は使用されない。
また、ノイズ除去処理基板140の出力フォーマットが525pに決定されることから、高画質化処理基板150の入力フォーマットは、525pに決定される。また、出力基板130の入力フォーマットリストには、525pが含まれる(図9参照)。また、高画質化処理基板150で、525pの入力フォーマットに対応した出力フォーマットは、525p、1125iおよび750pである(図15参照)。525pは出力基板130の入力フォーマットリストに存在することから、高画質化処理基板150では、525pが出力フォーマットに決定される。この場合、高画質化処理基板150では、フォーマット変換部156は使用されない。
また、高画質化処理基板150の出力フォーマットが525pに決定されることから、出力基板130の入力フォーマットは、525pに決定される。
なお、上述した入出力フォーマットの決定処理では、後段の入力フォーマットリストに、自らの出力フォーマットと一致するフォーマットが存在しない場合、出力フォーマットを後段の入力フォーマットリストのうち、自らの入力フォーマットに近い画質のフォーマットに決定するものを示した。
しかし、後段の入力フォーマットリストに、自らの出力フォーマットと一致するフォーマットが存在しない場合、後段に自らの出力フォーマットリストに存在する出力フォーマットを送信し、当該後段では前段から送られてくる出力フォーマットに基づいて、スルー処理(前段の出力信号線と後段の入力信号線とを接続する処理)を行う構成とすることも考えられる。
図23のフローチャートを用いて、入力フォーマットの決定処理(信号処理スルー型)を説明する。まず、ステップST81で、処理を開始し、ステップST82で、ROMから、処理内容に対応した、自らの入力フォーマットをリストアップする。
次に、ステップST83で、ステップST82で得られた入力フォーマットリストを、前段に送信する。このように自らの入力フォーマットリストを前段に送るのは、前段では、後述する出力フォーマットの決定処理を行う際に、後段の入力フォーマットリストを必要とするからである。
次に、ステップST84で、前段の出力フォーマットを受信する。そして、ステップST85で、前段の出力フォーマットが自らの入力フォーマットリストに存在するか否かを判定する。存在するときは、ステップST86で、前段の出力フォーマットを、入力フォーマットに決定する。そして、ステップST87で、処理を終了する。
また、ステップST85で前段の出力フォーマットが自らの入力フォーマットリストに存在しないときは、入力フォーマットを決定することなく、ステップST88で、スルー処理を選択し、前段の出力信号線と後段の入力信号線とを接続し、その後にステップST87で、処理を終了する。この場合、前段における後段は、実質的には自らではなくなる。
図24のフローチャートを用いて、出力フォーマットの決定処理を説明する。まず、ステップST91で、処理を開始し、ステップST92で、上述した入力フォーマットの決定処理で、スルー処理を選択したか否かを判定する。スルー処理を選択していないときは、ステップST93に進む。このステップST93では、ROMから、処理内容に対応した自らの入力フォーマットに対応した出力フォーマットをリストアップする。
次に、ステップST94で、後段の入力フォーマットリストを受信する。そして、ステップST95で、後段の入力フォーマットリストに、自らの出力フォーマットと一致するフォーマットが存在するか否かを判定する。一致するフォーマットが存在するときは、ステップST96で、一致するフォーマットをリストアップし、最高画質のフォーマットを出力フォーマットに決定する。
次に、ステップST97で、後段に決定した出力フォーマットを送信する。このように決定した出力フォーマットを後段に送るのは、後段では、上述した入力フォーマットの決定処理を行う際に、前段の出力フォーマットを必要とするからである。このステップST97の後にステップST98で、処理を終了する。
また、上述のステップST95で一致するフォーマットが存在しないときは、ステップST99で、後段が出力基板であるか否かを判定する。後段が出力基板でないときは、ステップST100で、後段に、自らの出力フォーマットリストに存在する出力フォーマットを送信する。この場合、後段では、上述した入力フォーマットの決定処理(図23参照)により、スルー処理が選択されることとなり、実質的な後段が、当該スルー処理を選択した基板の後段となる。このステップST100の処理の後に、ステップST94に戻り、新たな後段を対象として、出力フォーマットを決定する処理に移る。
また、ステップST99で、後段が出力基板であるときは、ステップST101で、後段の入力フォーマットに自らの入力フォーマットより高画質のフォーマットが存在するか否かを判定する。高画質のフォーマットが存在するときは、ステップST102で、後段の入力フォーマットリストのうち、自らの入力フォーマットに対して高画質側に最も近いフォーマットを、出力フォーマットに決定する。その後に、ステップST97で、後段に決定した出力フォーマットを送信し、ステップST98で処理を終了する。
また、上述のステップST101で高画質のフォーマットが存在しないときは、ステップST103で、後段の入力フォーマットリストのうち、自らの入力フォーマットに対して低画質側に最も近いフォーマットを、出力フォーマットに決定する。その後に、ステップST97で、後段に決定した出力フォーマットを送信し、ステップST98で処理を終了する。
このように、前段の出力フォーマットが自らの入力フォーマットリストに存在しないときは、入力フォーマットを決定することなく、スルー処理を選択し、前段の出力信号線と後段の入力信号線とを接続することで、このスルー処理を選択した次の基板が実質的な後段となり、前段では、この実質的な後段の入力フォーマットリストに基づいて出力を決定できる。したがって、フォーマット変換手段の使用回数を減らすことができ、それによる画質劣化を防止できる。
以上説明したように、図2に示す画像信号処理装置110によれば、基板120〜150のそれぞれにコントローラ170が発生する共通コマンドのそれぞれに対応した優先度番号を持たせ、コントローラ170からの所定の共通コマンドCCMDの発生に伴って、基板120〜150を、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号に基づいてスイッチャ160で順に接続するものであり、所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系を容易に構成でき、ユーザに基板間の配線変更などの煩わしさを与えることなく、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した画像信号処理を良好に行わせることができる。
次に、この発明の第2の実施の形態について説明する。図25は、第2の実施の形態としての、スイッチャ分散型の情報信号処理装置200の構成を示している。
この情報信号処理装置200は、N個の基板201-1〜201-Nを有している。基板201-1〜201-Nは、それぞれ、情報信号を処理する処理ブロックを構成している。基板201-1〜201-Nは、それぞれ、後述するコントローラ205が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度情報を記憶した記憶媒体202-1〜202-Nを備えている。
ここでは、優先度情報として、優先度を表す優先度番号が用いられる。この優先度番号は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対応した処理を行うために基板201-1〜201-Nをどのような順に接続していくかを示す情報である。また、処理内容は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対して基板201-1〜201-Nでどのような処理をすべきかを示す情報である。
また、基板201-1〜201-Nは、それぞれ、他の任意の基板と接続するためのスイッチャ203-1〜203-Nを備えている。これらスイッチャ203-1〜203-Nは、基板201-1〜201-Nを、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対応した処理を行い得るように順に接続する。これらスイッチャ203-1〜203-Nのそれぞれは、上述した情報信号処理装置100(図1参照)のスイッチャ103を構成するスイッチャ本体103aに対応するものである。
また、情報信号処理装置200は、上述した基板201-1〜201-Nのスイッチャ203-1〜203-Nの信号線を互いに接続する、スイッチャ接続手段としてのハブ204を有している。このハブ204は、ハブ本体204aの他に、カウンタ204bを備えている。このカウンタ204bは、共通コマンドCCMDが発生したときカウントを開始し、一定時間毎にカウント値をインクリメントしていく。このカウント値の最後の値は、少なくとも、上述した優先度番号の最大値以上とされる。
基板201-1〜201-Nのスイッチャ203-1〜203-Nは、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、基板201-1〜201-Nのそれぞれを、当該基板201-1〜201-Nの記憶媒体202-1〜202-Nに記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号がカウンタ204bのカウント値に一致した順に接続し、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系を構成する。
なおこの場合、所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号が記憶媒体に記憶されていない基板は、処理系に接続されない。このような基板は、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理には不要な基板である。
また、情報信号処理装置200は、ユーザの操作に対応して共通コマンドCCMDを発生するコントローラ205と、この共通コマンドCCMDを基板201-1〜201-Nおよびハブ204に分配して送信する分配器206を有している。コントローラ205は、例えばリモートコントローラ(リモコン)であり、共通コマンドCCMDを赤外線等のリモコン信号として送信する。分配器206は、例えばリモコン信号を受信する受信部を備え、この受信部で得られるリモコン信号としての共通コマンドCCMDを分配する。
図1に示す情報信号処理装置100の動作を説明する。コントローラ205からユーザの操作に対応した共通コマンドCCMDが発生されると、分配器206からこの共通コマンドCCMDが基板201-1〜201-Nおよびハブ204のそれぞれに送信される。
ハブ204では、所定の共通コマンドCCMDが受信されると、カウンタ204bのカウントが開始され、一定時間毎にカウント値がインクリメントされていく。そして、基板201-1〜201-Nのスイッチャ203-1〜203-Nでは、基板201-1〜201-Nのそれぞれが、当該基板201-1〜201-Nの記憶媒体202-1〜202-Nに記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号がカウンタ204bのカウント値に一致した順に接続され、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系が構成される。
また、基板201-1〜201-Nでは、それぞれ、所定の共通コマンドCCMDが受信されると、当該基板201-1〜201-Nの記憶媒体202-1〜202-Nに記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理内容を行うように動作が制御される。
このように、コントローラ205から所定の共通コマンドCCMDが発生されると、基板201-1〜201-Nおよびハブ204で、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系が構成されると共に、この処理系を構成する各基板の動作が当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理内容を行うように制御され、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理がユーザを煩わせることなく良好に行われる。
次に、図25に示す情報信号処理装置100の具体例を説明する。図26は、その具体例としての、画像信号処理装置210を示している。
この画像信号処理装置210は、入力基板220と、出力基板230と、ノイズ除去処理基板240と、高画質化処理基板250とを有している。これらの基板220〜250は、それぞれ、情報信号としての画像信号を処理する処理ブロックを構成している。これら基板220〜250は、それぞれ、上述した画像信号処理装置110(図2参照)における基板120〜150に対応した基板である。
入力基板220は、画像信号を取得する処理を行うための基板である。出力基板230は、画像信号を記録し、あるいはモニタに出力する処理を行うための基板である。ノイズ除去処理基板240は、MPEGの符号化、復号化を経たことによって発生したブロック歪み、モスキートノイズ(MPEG歪み)を低減する処理を行うための基板である。高画質化処理基板250は、水平、垂直の画素数を増加して高画質化を行うための基板である。
基板220〜250は、それぞれ、後述するコントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度情報を記憶した、記憶媒体としてのROM122〜152を備えている。
ここでは、優先度情報として、優先度を表す優先度番号が用いられる。この優先度番号は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対応した処理を行うために基板220〜250をどのような順に接続していくかを示す情報である。また、処理内容は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定の共通コマンドCCMDに対して基板220〜250でどのような処理をすべきかを示す情報である。
また、基板220〜250は、それぞれ、他の任意の基板と接続するためのスイッチャ221〜251を備えている。これらスイッチャ221〜251は、基板220〜250を、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、その所定のコマンドCCMDに対応した処理を行い得るように順に接続する。
また、画像信号処理装置210は、上述した基板220〜250のスイッチャ221〜251の信号線を互いに接続する、スイッチャ接続手段としてのハブ260を有している。このハブ260は、ハブ本体261の他に、カウンタ262を備えている。このカウンタ262は、共通コマンドCCMDが発生したときカウントを開始し、一定時間毎にカウント値をインクリメントしていく。このカウント値の最後の値は、少なくとも、上述した優先度番号の最大値以上とされる。
基板220〜250のスイッチャ221〜251は、所定の共通コマンドCCMDが発生されるとき、基板220〜250のそれぞれを、当該基板220〜250のROM122〜152に記憶されている、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号がカウンタ262のカウント値に一致した順に接続し、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系を構成する。
なおこの場合、所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号が記憶媒体に記憶されていない基板は、処理系に接続されない。このような基板は、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理には不要な基板である。
また、画像信号処理装置210は、ユーザの操作に対応して共通コマンドCCMDを発生するコントローラ170と、この共通コマンドCCMDを基板220〜250およびハブ260に分配して送信する分配器180を有している。これらコントローラ170および分配器180は、上述した画像信号処理装置110(図2参照)におけるコントローラ170および分配器180と同じものである。
次に、基板220〜250の回路構成を説明する。
まず、入力基板220の回路構成を説明する。図27は、入力基板220の回路構成を示している。この図27において、図4と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
入力基板220は、基板全体の動作を制御するMPU121と、このMPU121の制御プログラム等が格納されたROM122と、MPU121の作業領域を構成するRAM123とを有している。これらはバス124に接続されている。ROM122には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号(図5参照)が記憶されていると共に、各処理内容に対応した画像信号の出力フォーマットリスト(図6参照)も記憶されている。
また、入力基板220は、DVD再生部(DVDプレーヤ)125-1と、ブルーレイディスク再生部(ブルーレイディスクレコーダ)125-2と、HDD125-3と、地上波チューナ126-1と、BSチューナ126-2と、フォーマット変換部127とを有している。これらはバス124に接続されている。
また、入力基板220は、スイッチャ221と、入出力I/F223とを有している。これらスイッチャ221および入出力I/F223は、バス124に接続されている。
スイッチャ221には、上述したハブ260のハブ本体261に接続されている、1番目からM番目の信号線S1〜SMが接続されている。
入出力I/F223には、コマンド信号線224-1、出力信号線224-2および制御信号線224-3が接続されている。コマンド信号線224-1は、入力基板220とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から入力基板220に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。出力信号線224-2は、スイッチャ221との間に設けられ、入出力I/F223から出力される画像信号SVoutをスイッチ221に供給するための信号線である。制御信号線224-3は、入力基板220とハブ260との間に設けられ、ハブ260から入力基板220にカウンタ262のカウント値CNTを送信するための信号線である。
次に、出力基板230の回路構成を説明する。図28は、出力基板230の回路構成を示している。この図28において、図7と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この出力基板230は、基板全体の動作を制御するMPU131と、このMPU131の制御プログラム等が格納されたROM132と、MPU131の作業領域を構成するRAM133とを有している。これらはバス134に接続されている。ROM132には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号(図8参照)が記憶されていると共に、各処理内容に対応した、画像信号の入力フォーマットリスト(図9参照)も記憶されている。
また、出力基板230は、DVD記録部(DVDプレーヤ)135-1と、ブルーレイディスク記録部(ブルーレイディスクレコーダ)135-2と、HDD135-3とを有している。これらはバス134に接続されている。
また、出力基板230は、スイッチャ231と、入出力I/F233とを有している。これらスイッチャ231および入出力I/F233は、バス134に接続されている。
スイッチャ231には、上述したハブ260のハブ本体261に接続されている、1番目からM番目の信号線S1〜SMが接続されている。
入出力I/F233には、コマンド信号線234-1、入力信号線234-2および制御信号線234-3が接続されている。コマンド信号線234-1は、出力基板230とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から出力基板230に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。入力信号線234-2は、スイッチャ231との間に設けられ、スイッチャ231からの画像信号SVinを入出力I/F233に供給するための信号線である。制御信号線234-3は、出力基板230とハブ260との間に設けられ、ハブ260から出力基板230にカウンタ262のカウント値CNTを送信するための信号線である。
さらに、この入出力I/F233には、図示しないモニタに画像信号を供給するための出力信号線235が接続されている。
次に、ノイズ除去処理基板240の回路構成を説明する。図29は、ノイズ除去処理基板240の回路構成を示している。この図29において、図10と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この処理基板240は、基板全体の動作を制御するMPU141と、このMPU141の制御プログラム等が格納されたROM142と、MPU141の作業領域を構成するRAM143とを有している。これらはバス144に接続されている。ROM142には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号(図11参照)が記憶されていると共に、「MpegDNR処理」に対応した、画像信号の入力フォーマットリストおよび出力フォーマットリスト(図12参照)も記憶されている。
また、処理基板240は、ノイズ除去処理部145と、フォーマット変換部146とを有している。これらノイズ除去処理部145およびフォーマット変換部146は、バス144に接続されている。
また、処理基板240は、スイッチャ241と、入出力I/F243とを有している。これらスイッチャ241および入出力I/F243は、バス144に接続されている。
スイッチャ241には、上述したハブ260のハブ本体261に接続されている、1番目からM番目の信号線S1〜SMが接続されている。
入出力I/F243には、コマンド信号線244-1、入力信号線244-2、出力信号線244-3および制御信号線244-4が接続されている。コマンド信号線244-1は、処理基板240とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から処理基板240に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。入力信号線244-2は、スイッチャ241との間に設けられ、スイッチャ241からの画像信号SVinを入出力I/F243に供給するための信号線である。
出力信号線244-3は、スイッチャ241との間に設けられ、入出力I/F243から出力される画像信号SVoutをスイッチ241に供給するための信号線である。制御信号線244-4は、処理基板240とハブ260との間に設けられ、ハブ260から処理基板240にカウンタ262のカウント値CNTを送信するための信号線である。
次に、高画質化処理基板250の回路構成を説明する。図30は、高画質化処理基板250の回路構成を示している。この図30において、図13と対応する部分には同一符号を付し、適宜、その詳細説明は省略する。
この処理基板250は、基板全体の動作を制御するMPU151と、このMPU151の制御プログラム等が格納されたROM152と、MPU151の作業領域を構成するRAM153とを有している。これらはバス154に接続されている。ROM152には、上述したように、コントローラ170が発生する共通コマンドCCMDのそれぞれに対応した処理内容および優先度番号(図14参照)が記憶されていると共に、「高画質化処理」に対応した、画像信号の入力フォーマットリストおよび出力フォーマットリスト(図15参照)も記憶されている。
また、処理基板250は、高画質化処理部155と、フォーマット変換部156とを有している。これら高画質化処理部155およびフォーマット変換部156は、バス154に接続されている。
また、処理基板250は、スイッチャ251と、入出力I/F253とを有している。これらスイッチャ251および入出力I/F253は、バス154に接続されている。
スイッチャ251には、上述したハブ260のハブ本体261に接続されている、1番目からM番目の信号線S1〜SMが接続されている。
入出力I/F253には、コマンド信号線254-1、入力信号線254-2、出力信号線254-3および制御信号線254-4が接続されている。コマンド信号線254-1は、処理基板250とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182から処理基板250に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。入力信号線254-2は、スイッチャ251との間に設けられ、スイッチャ251からの画像信号SVinを入出力I/F253に供給するための信号線である。
出力信号線254-3は、スイッチャ251との間に設けられ、入出力I/F253から出力される画像信号SVoutをスイッチ251に供給するための信号線である。制御信号線254-4は、処理基板250とハブ260との間に設けられ、ハブ260から処理基板250にカウンタ262のカウント値CNTを送信するための信号線である。
次に、ハブ260の回路構成を説明する。図31は、ハブ260の回路構成を示している。このハブ260は、基板全体の動作を制御するMPU263と、このMPU263の制御プログラム等が格納されたROM264と、MPU263の作業領域を構成するRAM265とを有している。これらはバス266に接続されている。
また、ハブ260は、ハブ本体161と、カウンタ262とを有している。これらハブ本体261およびカウンタ262はバス266に接続されている。カウンタ262は、共通コマンドCCMDが発生したときカウントを開始するように制御され、その後一定時間毎にカウント値をインクリメントしていくように制御される。
ハブ本体260により、入力基板220に接続された信号線S1〜SM、出力基板230に接続された信号線S1〜SM、ノイズ除去処理基板240に接続された信号線S1〜SM、さらに高画質化処理基板250に接続された信号線S1〜SMが、それぞれ対応するもの同士接続されている(図26参照)。
また、ハブ260は、入出力I/F267を有している。この入出力I/F267はバス266に接続されている。この入出力I/F267には、基板220〜250にそれぞれ接続された制御信号線224-3,234-3,244-4,254-4が接続されている。また、この入出力I/F267には、コマンド信号線268が接続されている。このコマンド信号線268は、ハブ260とシリアルハブ182との間に設けられており、シリアルハブ182からハブ260に共通コマンドCCMDを送信するための信号線である。
図26に示す画像信号処理装置210の動作を説明する。
コントローラ170からは、ユーザのボタンの押圧操作に対応して、押されたボタンに対応した共通コマンドCCMDが、リモコン信号として送信される。このようにリモコン信号として送信されてくる共通コマンドCCMDは、分配器180の受信部181で受信される。そして、受信された共通コマンドCCMDは、シリアルハブ182により、コマンド信号線224-1,234-1,244-1,254-1,268を通じて、基板220〜250およびハブ260に送信される。
ハブ260では、コマンド信号線268を通じて所定の共通コマンドCCMDが受信されると、カウンタ262のカウントが開始され、その後カウント値CNTは一定時間毎にインクリメントされていく。このカウンタ262のカウント値CNTは、インクリメントされる毎に、ハブ260から、制御信号線224-3,234-3,244-4,254-4を通じて、基板220〜250に送信される。
基板220〜250のそれぞれでは、コマンド信号線224-1,234-1,244-1,254-1を通じて所定の共通コマンドCCMDが受信されると、ROM122,132,142,152から当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号が取得される。そして、基板220〜250のスイッチャ221〜251では、以下のような、信号線の接続動作が行われる。
すなわち、ハブ260から送られてくるカウント値CNTが優先度番号と一致するとき、入力基板120にあっては、1番目の信号線S1に出力信号線224-2が接続され、2番目の信号線S2に接続要求が発行される。また出力基板130にあっては、ハブ260から送られてくるカウント値CNTが優先度番号と一致するとき、信号線S1〜SMのうち接続要求が発行されている信号線が検出され、その信号線に入力信号線234-2が接続される。
また、ノイズ除去処理基板140および高画質化処理基板150にあっては、ハブ260から送られてくるカウント値CNTが優先度番号と一致するとき、信号線S1〜SMのうち接続要求が発行されている信号線が検出され、その信号線に入力信号線244-2,254-2が接続されると共に、その次の信号線に出力信号線244-3,254-3が接続されると共に、当該次の信号線に接続要求が発行される。
なお、入力信号線の接続が行われた基板では、当該入力信号線が接続された信号線にアクナレッジ(接続完了を示す信号)が発行される。この場合、このアクナレッジが発行された信号線に出力信号線が接続されている前段の基板では、当該信号線からアクナレッジが検出されることで、当該信号線への接続要求の発行が停止される。
これにより、基板220〜250が、カウント値CNTが優先度番号と一致した順に、スイッチャ221〜251により接続されていき、最終的に、所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系が構成される。
また、基板220〜250のそれぞれでは、ROM122,132,142,152から、受信された所定の共通コマンドCCMDに対応した処理内容が取得される。そして、基板220〜250のそれぞれでは、取得された処理内容に基づいて処理部の動作が制御され、処理が開始される。これにより、上述したように構成された処理系により、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理が良好に行われる。
図32のフローチャートは、各基板の動作を示している。まず、ステップST111で、処理を開始し、ステップST112で、共通コマンドCCMDを受信したか否かを判定する。共通コマンドCCMDを受信したときは、ステップST113で、ROMから共通コマンドCCMDに対応した優先度番号を取得する。
そして、ステップST114で、ハブ260からカウント値CNTを受信したか否かを判定する。受信したときは、ステップST115で、ステップST113で取得した優先度番号とカウント値CNTとが一致するか否かを判定する。上述したようにカウント値CNTは順次インクリメントされていく。優先度番号とカウント値CNTとの一致判定は、変化するカウント値CNTを受信する毎に行われる。
優先度番号とカウント値CNTが一致するときは、ステップST116で、自らが入力基板か否かを判定する。入力基板であるときは、ステップST117で、スイッチャにより、1番目の信号線S1に出力信号線を接続し、またこの1番目の信号線S1に対して後段への接続要求の発行を開始する。そして、ステップST118で、当該1番目の信号線より後段からのアクナレッジ(接続完了を示す信号)を検出したか否かを判定する。後段からのアクナレッジを検出するまで、接続要求の発行を継続する。
ステップST118で、後段からのアクナレッジを検出したときは、ステップST119に進む。このステップST119では、接続要求の発行を停止する。そして、ステップST120で、ROMから、受信した共通コマンドCCMDに対応した処理内容を取得し、ステップST121で、ステップST120で取得した処理内容に基づいて処理部の動作を制御し、処理を開始する。
このステップST121の後に、ステップST112に戻る。このステップST112で、共通コマンドCCMDを受信していないときは、ステップST122で、処理を継続し、ステップST112に戻る。つまり、新たな共通コマンドCCMDを受信するまでは、ステップST121で開始された処理を、続ける。
また、ステップST116で、入力基板でないときは、ステップST123に進む。このステップST123では、接続要求が発行されている信号線を検出する。そして、ステップST124で、スイッチャにより、接続要求が発行されている信号線に入力信号線を接続し、ステップST125で、当該入力信号線が接続された信号線にアクナレッジを発行する。
次に、ステップST126で、自らが出力基板であるか否かを判定する。出力基板でないときは、ステップST127で、スイッチャにより、入力信号線が接続された信号線の次の信号線に出力信号線を接続し、また当該次の信号線に対して後段への接続要求の発行を開始する。そして、ステップST128で、当該次の信号線より後段からのアクナレッジを検出したか否かを判定する。後段からのアクナレッジを検出するまで、接続要求の発行を継続する。
ステップST128で、後段からのアクナレッジを検出したときは、ステップST119に進んで、接続要求の発行を停止する。そして、ステップST120で、ROMから、受信した共通コマンドCCMDに対応した処理内容を取得し、ステップST121で、ステップST120で取得した処理内容に基づいて処理部の動作を制御し、処理を開始し、その後にステップST112に戻る。
また、ステップST126で出力基板であるときは、直ちにステップST120に進み、ROMから、受信した共通コマンドCCMDに対応した処理内容を取得し、ステップST121で、ステップST120で取得した処理内容に基づいて処理部の動作を制御し、処理を開始し、その後にステップST112に戻る。
図33のフローチャートは、ハブ260の動作を示している。まず、ステップST131で、処理を開始し、ステップST132で、カウンタ262のカウント値CNTを0にセットする。そして、ステップST133で、共通コマンドCCMDを受信したか否かを判定する。共通コマンドCCMDを受信したときは、ステップST134で、カウント値CNTを1だけ増加、つまりインクリメントし、さらにステップST135で、t=0にセットする。
次に、ステップST136で、カウント値CNTを、基板220〜250に送信する。そして、ステップST137で、一定時間tcが経過したか否かを判定する。一定時間tcが経過したときは、ステップST138に進む。このステップST138では、カウント値CNTが最後の値か否かを判定する。カウント値CNTが最後の値でないときは、ステップST134に戻り、カウント値CNTがインクリメントされ、以下上述したと同様に動作する。一方、カウント値CNTが最後の値であるときは、ステップST132に戻ってカウント値CNTを0にセットし、次の共通コマンドCCMDの受信を待つ状態となる。
ここで、例えば、コントローラ170から「DVD再生」の共通コマンドCCMDが発生された場合について説明する。
入力基板220のROM122には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「DVD再生」が、優先度番号として「1」が、記憶されている(図5参照)。また、出力基板230のROM132には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「モニタへ出力」が、優先度番号として「10」が、記憶されている(図8参照)。また、ノイズ除去処理基板240のROM142には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「MpegDNR処理」が、優先度番号として「3」が、記憶されている(図11参照)。また、高画質化処理基板250のROM252には、「DVD再生」の共通コマンドに対応して、処理内容として「高画質化処理」が、優先度番号として「8」が、記憶されている(図14参照)。
そのため、まず入力基板220で優先度番号「1」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この入力基板220の出力信号線224-2がスイッチャ221により1番目の信号線S1に接続される。また、この入力基板220からこの信号線S1に接続要求が発行される。
次に、ノイズ除去処理基板240で、優先度番号「3」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この処理基板240の入力信号線244-2がスイッチャ241により接続要求が発行されている信号線S1に接続される。また、この処理基板240からこの信号線S1にアクナレッジが発行される。これにより、入力基板220から信号線S1への接続要求の発行が停止される。また、この処理基板240の出力信号線244-3がスイッチャ241により2番目の信号線S2に接続される。また、この処理基板240からこの信号線S2に接続要求が発行される。
次に、高画質化処理基板250で、優先度番号「8」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この処理基板250の入力信号線154-2がスイッチャ251により接続要求が発行されている信号線S2に接続される。また、この処理基板250からこの信号線S2にアクナレッジが発行される。これにより、処理基板240から信号線S2への接続要求の発行が停止される。また、この処理基板250の出力信号線254-3がスイッチャ251により3番目の信号線S3に接続される。また、この処理基板250からこの信号線S3に接続要求が発行される。
次に、出力基板230で、優先度番号「10」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この出力基板230の入力信号線234-2がスイッチャ231により接続要求が発行されている信号線S3に接続される。また、この処理基板230からこの信号線S3にアクナレッジが発行される。これにより、処理基板250から信号線S3への接続要求の発行が停止される。
このように、「DVD再生」の共通コマンドCCMDの発生に対応して、入力基板220、ノイズ除去処理基板240、高画質化処理基板250および出力基板230の順に接続され、「DVD再生」の共通コマンドCCMDに対応した処理を行う処理系が構成される。
そしてこの場合、入力基板220では、DVD再生部125-1でDVDを再生して画像信号を取得し、この画像信号を出力信号線224-2に出力する処理が行われる。また、ノイズ除去処理基板140では、入力信号線244-2で入力された画像信号に対してノイズ除去処理部145でMPEG歪みを除去する処理を行い、処理後の画像信号を出力信号線244-3に出力する処理が行われる。
また、高画質化処理基板150では、入力信号線254-2で入力された画像信号に対して高画質化処理部155で高画質化処理を行い、処理後の画像信号を出力信号線254-3に出力する処理が行われる。さらに、出力基板130では、入力信号線134-2で入力された画像信号に対して出力信号線138に出力する処理が行われる。
また例えば、コントローラ170から「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDが発生された場合について説明する。
入力基板220のROM122には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容として「地上波チューナ駆動」が、優先度番号として「1」が、記憶されている(図5参照)。また、出力基板230のROM132には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容として「DVDへ記録」が、優先度番号として「10」が、記憶されている(図8参照)。また、ノイズ除去処理基板240のROM142には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容および優先度番号は規定されていない(図11参照)。また、高画質化処理基板250のROM252には、「地上波をDVD録画」の共通コマンドに対応して、処理内容として「高画質化処理」が、優先度番号として「8」が、記憶されている(図14参照)。
そのため、まず入力基板220で優先度番号「1」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この入力基板220の出力信号線224-2がスイッチャ221により1番目の信号線S1に接続される。また、この入力基板220からこの信号線S1に接続要求が発行される。
次に、高画質化処理基板250で、優先度番号「8」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この処理基板250の入力信号線154-2がスイッチャ251により接続要求が発行されている信号線S1に接続される。また、この処理基板250からこの信号線S1にアクナレッジが発行される。これにより、入力基板220から信号線S1への接続要求の発行が停止される。また、この処理基板250の出力信号線254-3がスイッチャ251により2番目の信号線S2に接続される。また、この処理基板250からこの信号線S2に接続要求が発行される。
次に、出力基板230で、優先度番号「10」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この出力基板230の入力信号線234-2がスイッチャ231により接続要求が発行されている信号線S2に接続される。また、この処理基板230からこの信号線S2にアクナレッジが発行される。これにより、処理基板250から信号線S2への接続要求の発行が停止される。
このように、「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDの発生に対応して、入力基板220、高画質化処理基板250および出力基板230の順に接続され、「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDに対応した処理を行う処理系が構成される。この場合、ノイズ除去処理基板240は、「地上波をDVD録画」の共通コマンドCCMDに対応する処理を実行する際には、処理系に挿入されない。
そしてこの場合、入力基板220では、地上波チューナ126-1から画像信号を取得し、この画像信号を出力信号線224-2に出力する処理が行われる。また、高画質化処理基板150では、入力信号線254-2で入力された画像信号に対して高画質化処理部155で高画質化処理を行い、処理後の画像信号を出力信号線254-3に出力する処理が行われる。さらに、出力基板230では、入力信号線234-2で入力された画像信号を、DVD記録部135-1でDVDに記録する処理が行われる。
上述したように、基板220〜250が所定の共通コマンドCCMDに対応した順に接続され、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した処理を行う処理系が構成され、当該処理系で所定のコマンドCCMDに対応した処理が行われる。この場合、各基板の入力フォーマットおよび出力フォーマットは、図2の画像信号処理装置110と同様に、決定される(図21〜図24参照)。
以上説明したように、図26に示す画像信号処理装置210によれば、基板220〜250のそれぞれにコントローラ170が発生する共通コマンドのそれぞれに対応した優先度番号を持たせ、コントローラ170からの所定の共通コマンドCCMDの発生に伴って、基板220〜250を、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した優先度番号に基づいて、スイッチャ221〜251で順に接続するものであり、所定の共通コマンドCCMDに対応した処理系を容易に構成でき、ユーザに基板間の配線変更などの煩わしさを与えることなく、当該所定の共通コマンドCCMDに対応した画像信号処理を良好に行わせることができる。
上述の図26に示す画像信号処理装置210では基板220〜250がハブ260を用いて有線で接続される構成となっているが、図34に示すように、これらの基板220〜250を無線で接続した画像信号処理装置210Aも同様に構成できる。この場合、例えばコントローラ170がカウンタ162を備え、このコントローラ170から、共通コマンドCCMDが各基板に無線送信されると共に、カウント値CNTも各基板に無線送信される。
この画像信号処理装置210Aの動作を、例えばコントローラ170から「DVD再生」の共通コマンドCCMDが発生された場合を例にとって説明する。
まず、入力基板220で優先度番号「1」とカウント値CNTとが一致した状態となり、この入力基板220からブロードキャスト的に接続要求が無線送信される。
次に、ノイズ除去処理基板240で優先度番号「3」とカウント値CNTとが一致した状態となる。そのため、この処理基板240と、接続要求を送信している入力基板210との間で通信が行われ、入力基板210から送信される画像信号が処理基板240で受信される状態となる。つまり、入力基板210の出力信号線と処理基板240の入力信号線が接続された状態となる。この場合、入力基板210および処理基板240は、図26に示す画像信号処理装置210の入力基板220および処理基板240と同様に、スイッチャを備えているものと考えることができる。これは、以下のその他の基板間の無線接続においても同様である。
また、このように入力基板210から送信される画像信号が処理基板240で受信される状態となるとき、入力基板210からの接続要求の送信は停止され、今度は処理基板240からブロードキャスト的に接続要求が無線送信される。
次に、高画質化処理基板250で優先度番号「8」とカウント値CNTとが一致した状態となる。そのため、この処理基板250と、接続要求を送信している処理基板240との間で通信が行われ、処理基板240から送信される画像信号が処理基板250で受信される状態となる。つまり、処理基板240の出力信号線と処理基板250の入力信号線が接続された状態となる。このとき、処理基板240からの接続要求の送信は停止され、今度は処理基板250からブロードキャスト的に接続要求が無線送信される。
次に、出力基板230で優先度番号「10」とカウント値CNTとが一致した状態となる。そのため、この出力基板230と、接続要求を送信している処理基板250との間で通信が行われ、処理基板250から送信される画像信号が出力基板230で受信される状態となる。つまり、処理基板250の出力信号線と出力基板230の入力信号線が接続された状態となる。このとき、処理基板250からの接続要求の送信は停止される。
このように、「DVD再生」の共通コマンドCCMDの発生に対応して、図34に丸数字で示すように、入力基板220、ノイズ除去処理基板240、高画質化処理基板250および出力基板230の順に無線接続され、図26に示す画像信号処理装置210と同様に、「DVD再生」の共通コマンドCCMDに対応した処理を行う処理系が構成される。
また、上述実施の形態においては、各基板はカウント値CNTが優先度番号と一致した順に接続されていくものを示した。しかし、優先度情報としては優先度番号に限定されない。その場合であっても、各基板は優先度情報に基づいて、優先度順に接続されていく構成とすればよい。
また、上述実施の形態においては、スイッチャ160またはハブ260がカウンタを備えるものを示したが、カウンタは他の部分に配設されていてもよい。例えば、分配器105がカウンタを備え、カウント値CNTを各基板に送信するようにしてもよい。
また、上述実施の形態における画像信号処理装置110、210は、入力基板、出力基板、ノイズ除去処理基板、高画質化処理基板を備えるものであるが、基板の個数、種類はこれに限定されるものではない。スイッチャ160のスイッチャ本体161、またはハブ260のハブ本体261を、さらに多くの基板が接続可能なように構成しておくことで、基板の追加が可能となる。
この場合、上述したように、入力基板の優先度番号が「1」、ノイズ除去処理基板の優先度番号が「3」、高画質化処理基板の優先度番号が「8」、出力基板の優先度番号が「10」というように、各基板の優先度番号の間隔を空けているので、任意の2つの基板間に所定の基板を挿入する場合には、その所定の基板の優先度番号として2つの基板の優先度番号の間の番号を用いることで、容易に実現できる。例えば、入力基板とノイズ除去処理基板との間に挿入すべき基板には、優先度番号として「2」を割り振ればよい。
また、上述実施の形態においては、処理ブロックが基板であるものを示したが、処理ブロックとしては、基板の他に、チップ、あるいは複数の基板やチップで構成される装置等も考えられる。
また、上記実施の形態においては、入力基板、ノイズ除去処理基板、高画質化処理基板は、フォーマット変換部127,146,156を備えており、適宜、出力する画像信号のフォーマットを変換するようになっている。しかし、フォーマット変換部を、画像信号が供給される基板側に設けておき、その入力側で、適宜、フォーマット変換を行うようにしてもよい。
また、上述実施の形態においては、情報信号処理装置の具体例として画像信号を処理する画像信号処理装置を示したが、その他の情報信号を処理する装置、例えば音声信号処理装置も同様に構成できることは勿論である。