JP2006019402A - ヒートシンク - Google Patents

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Abstract

【課題】 発熱源の冷却を行うことができ、しかも、発熱源から奪った熱を有効利用することもできるヒートシンクを提供すること。
【解決手段】 ヒートシンク1は、一方の面が発熱源に接するように配置される基部10と、基部10の発熱源に接する面とは反対側の面に立設された5枚の放熱フィン12とを備えた構造になっている。放熱フィン12の表面には、熱電変換素子16が形成されている。このヒートシンク1を使用すれば、発熱源の冷却を行うことができるのはもちろんのこと、単に発熱源から熱を奪うだけではなく、発熱源から奪った熱を利用して電力を得ることができるので、発熱源から奪った熱を有効利用することができる。
【選択図】 図1


Description

本発明は、ヒートシンクに関する。
従来、放熱フィン付きのヒートシンクは知られている(例えば、特許文献1参照)。
この種のヒートシンクは、一般に、アルミニウム等の熱伝導率が高い金属によって形成され、複数の平板状の放熱フィンが並列に配置された構造になっている。
このような構造のヒートシンクを発熱源に接するように配置すれば、発熱源からの熱を放熱フィンへと伝達し、放熱フィンから空気中へ熱を放出することにより、発熱源の冷却を図ることができる。
特開平5−21665号公報
しかしながら、上記従来のヒートシンクは、発熱源から奪った熱を、単に空気中に放出・廃棄しているだけで、熱の有効利用については、何ら考慮されていなかった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、その目的は、発熱源の冷却を行うことができ、しかも、発熱源から奪った熱を有効利用することもできるヒートシンクを提供することにある。
以下、本発明において採用した特徴的構成について説明する。
本発明のヒートシンクは、
放熱フィンを備えたヒートシンクであって、
p型熱電材料からなる第1の薄膜とn型熱電材料からなる第2の薄膜が、前記放熱フィンの表面に形成されており、前記第1,第2の薄膜を直列に接続して熱電変換素子が構成されている
ことを特徴とする。
このヒートシンクにおいて、放熱フィンの表面に形成される熱電変換素子は、ゼーベック効果による熱電発電を行う素子である。また、ペルチェ効果による熱電冷却(電子冷却)を行う素子としても利用できるものである。
このように構成されたヒートシンクは、一般的な放熱フィン付きヒートシンクと同様に、一部が発熱源に接するとともに、放熱フィンが空気にさらされるように配置される。放熱フィンは、単に空気にさらされるだけでも構わないが、ファンなどを併用して強制的に空冷するように構成されていてもよく、この点も一般的な放熱フィン付きヒートシンクと同様である。
このように配置されたヒートシンクにおいて、発熱源の発する熱がヒートシンク側へと伝わると、その熱は放熱フィンに伝わり、放熱フィンから空気中へ熱が放出される。このとき、放熱フィンの局部局部は、発熱源からの距離や形状により、熱の伝わりやすさや熱の放出しやすさに違いがあるため、この違いに起因した温度差が生じる。
そこで、本発明のヒートシンクにおいては、放熱フィンに生じる温度差を考慮して、上述のp型熱電材料からなる第1の薄膜とn型熱電材料からなる第2の薄膜が形成され、これにより、これら第1,第2の薄膜を直列に接続してなる熱電変換素子に、ゼーベック効果による起電力が生じるように構成してある。
そのため、従来のヒートシンクとは異なり、単に発熱源から熱を奪うだけではなく、発熱源から奪った熱を利用して電力を得ることができる。熱電変換素子によって得た電力は、どのような方法で利用しても構わないが、例えば、コンピュータ内部の発熱源であるCPUや各種ICチップに本発明のヒートシンクを装着する場合であれば、コンピュータ内蔵の充電池に電力を供給して充電を行うなどの利用方法を考えることができる。
したがって、本発明のヒートシンクによれば、発熱源の冷却を行うことができ、しかも、発熱源から奪った熱を有効利用することもできる。
また、この熱電変換素子に電力を供給することにより、ペルチェ効果による熱電冷却(電子冷却)を行うことも可能である。すなわち、本発明のヒートシンクにおいては、放熱フィンに生じる温度差を考慮して、ゼーベック効果による起電力が生じるように熱電変換素子が形成されているので、この温度差とは高低が逆になる温度差が生じるような向きで熱電変換素子に電流を流すことにより、発熱源からの放熱を促すことができる。
ここで、このようなペルチェ効果による熱電冷却(電子冷却)を行うペルチェ素子としては、従来、p型熱電材料やn型熱電材料と同一組成の原料組成物を加熱して熔解または焼結したものから、機械的加工(切削加工)によってブロック状の成形体を切り出し、それらを基板上に配列して直列に接続したものであれば、既に実用化されている。
しかし、このような従来のペルチェ素子は、熱電冷却による冷却効果しかなく、ペルチェ素子に電力を供給しない状態で発熱源からの放熱を促す効果は、ほとんど期待することができないものであった。
これに対し、本発明のヒートシンクは、放熱フィンの表面に薄膜状の熱電変換素子を形成するという特徴的構成を採用しているので、熱電変換素子に電力を供給しない状態でも発熱源からの放熱を促す効果があり、より一層冷却効果を高めたい場合にのみ、熱電変換素子に電力を供給すればよい。
したがって、例えば、通常は、放熱フィンによる放熱能力を利用して発熱源の冷却を図り、それと並行して発熱源からの熱を利用した熱電発電を行う一方、発熱源の発熱量が増大した場合には、熱電変換素子に電流を流し、放熱フィンによる放熱能力とペルチェ効果による熱電冷却(電子冷却)とを併用するかたちで、発熱源に対する冷却能力の向上を図る、といった運用が可能となる。
なお、本発明のヒートシンクは、さらに次のように構成されていてもよい。
まず、本発明のヒートシンクにおいては、前記第1,第2の薄膜のうち、いずれか一方または両方が、物理的蒸着技術によって形成されていると望ましい。
ここでいう物理的蒸着技術としては、例えば、スパッタリング、イオンビームスパッタ、イオンプレーティング、真空蒸着、レーザー蒸着、電子線エピタキシャル成長法(MBE)などを挙げることができる。
また、第1,第2の薄膜は、十分な熱電性能が得られるのであれば、その厚さが限定されるものではないが、上記物理的蒸着技術によって薄膜を形成する場合であれば、厚さ0.1〜100μmの薄膜状に形成されていると、十分に満足な熱電性能が得られるとともに、十分に省スペースな素子を構成できるので望ましい。厚さが0.1μmを下回ると十分に満足な熱電性能を発現させることが難しくなる一方、厚さが100μm以上あっても大幅な熱電性能の改善は期待できないので無駄である。
また、第1,第2の薄膜を形成するために用いるp型熱電材料およびn型熱電材料についても、十分な熱電性能が得られるのであれば、特に限定されるものではないが、いくつか具体例を挙げれば、Fe2VAl系熱電材料、Bi−Te系熱電材料、Mg−Si系熱電材料、Mn−Si系熱電材料、Fe−Si系熱電材料、Si−Ge系熱電材料、Pb−Te系熱電材料、カルコゲナイト系熱電材料、スクッテルダイト系熱電材料、フィルドスクッテルダイト系熱電材料、または炭化ホウ素系熱電材料などを用いることができる。
例えば、Fe2VAl系熱電材料の場合、その構成元素の組成比を制御するか少量の第4元素を添加することにより、p型熱電材料とすることもn型熱電材料とすることもできる。より具体的には、例えば、Fe2VAl系熱電材料をp型熱電材料としたい場合は、その組成比を制御して一部のFeサイトやVサイトをAlで置換したり、第4元素として少量のTi、Ni、Mo等を加えることにより、これら第4元素で一部のVサイトを置換するとよい。また、Fe2VAl系熱電材料をn型熱電材料としたい場合は、第4元素として少量のSi、Ni、Ge、希土類(例えばY)等を加えることにより、これら第4元素で一部のAlサイトを置換するとよい。
また、上記のような物理的蒸着技術により熱電材料の薄膜を形成する際には、放熱フィンの温度条件を最適化した状態で薄膜を形成することで、熱電変換素子の熱電性能を改善できる場合がある。例えば、上記のようなFe2VAl系熱電材料の場合であれば、500℃以上且つ1000℃以下に加熱された基材の表面に物理的蒸着技術により薄膜状に形成されているとよい。500℃以上且つ1000℃以下に加熱された基材の表面に物理的蒸着技術により薄膜状に形成されたFe2VAl系熱電材料の熱電性能が高い理由は、種々の要因が重なっている可能性があり、それらの要因すべてを特定することは困難であるが、例えば、500℃以上とすることで、Fe2VAl系熱電材料に含まれる構成元素の規則性、結晶性、あるいは緻密性が上記温度条件下では最適化される、1000℃以下とすることで基材側から受ける悪影響を抑制できる、といった要因があるのではないかと推察される。そして、その結果、物理的蒸着技術により形成されたFe2VAl系熱電材料の薄膜であっても、500℃以上且つ1000℃以下に加熱された基材の表面に形成された薄膜と、500℃未満までしか加熱されていない基材の表面に形成された薄膜や1000℃超過まで加熱された基材の表面に形成された薄膜とでは、薄膜内における構成元素の規則性、結晶性、緻密性などの微視的構造が異なった薄膜となり、熱電性能に差が現れるのではないかと推察される。さらに、上記以外の要因も存在するかもしれないが、いずれにしても、500℃以上且つ1000℃以下に加熱された基材の表面に物理的蒸着技術により薄膜状に形成されたFe2VAl系熱電材料であれば、実用上十分に満足な熱電性能を得ることができる。
また、本発明のヒートシンクにおいて、放熱フィンの形成材料は特に限定されないが、少なくとも前記第1,第2の薄膜の形成されている面が、絶縁材料によって形成されていると好ましい。より具体的には、放熱フィン全体を絶縁材料によって形成するか、導電材料によって形成された基材の表面に絶縁処理(例えば、絶縁材料からなる被膜を形成する処理)を施したものを放熱フィンとして利用するとよい。このような構成にすると、熱電変換素子に温度差を与えた際に発生する電気が基板側に流れるのを防止できるので、良好な熱電発電性能を確保することができる。
このような絶縁材料からなる放熱フィンの一例を挙げれば、前記放熱フィンが、セラミックス製であると好ましい。セラミックスとしては、例えば、ジルコニア系、アルミナ系、シリカ系、炭化ケイ素系、窒化ケイ素系、窒化アルミ系、ムライト系、ステアタイト系、コージライト系、サファイア系、チタニア系、またはフォルステライト系などのセラミック材料を用いることができる。
さらに、本発明のヒートシンクにおいて、熱電変換素子は、前記p型熱電材料と前記n型熱電材料が、導電材料を介して直列に接続された構造になっていてもよく、この場合、導電材料が、前記放熱フィンの表面に物理的蒸着技術により薄膜状に形成されているとよい。
導電材料としては、例えば、金、銀、銅、アルミニウム等の金属を用いることができる。導電材料の条件としては、電気抵抗率が低い材質のものであればどのようなものでもよい。このような導電材料を用いれば、p型熱電材料とn型熱電材料との接合性が低い場合でも、p型熱電材料およびn型熱電材料それぞれとの接合性が高い導電材料を介在させることで、p型熱電材料とn型熱電材料とをより確実に電気的に接続することができる。
なお、熱電材料および導電材料を設ける順序については特に限定されず、p型熱電材料→導電材料→n型熱電材料、またはn型熱電材料→導電材料→p型熱電材料の順序で形成することにより、重ねて物理的蒸着技術により成膜されるp型熱電材料とn型熱電材料との間に導電材料を挟み込んでもよいし、p型熱電材料とn型熱電材料とを重ねず、p型熱電材料とn型熱電材料との間に架け渡すように導電材料を物理的蒸着技術により成膜してもよい。p型熱電材料とn型熱電材料との間に架け渡すように導電材料を物理的蒸着技術により成膜する場合は、p型熱電材料、n型熱電材料、導電材料をどの順序で物理的蒸着技術により成膜しても、導電材料をp型熱電材料とn型熱電材料との間に架け渡すように設けることができる。
次に、本発明の実施形態について一例を挙げて説明する。
まず、ヒートシンクの全体構造について説明する。
図1(a)に示すように、ヒートシンク1は、一方の面が発熱源に接するように配置される基部10と、基部10の発熱源に接する面とは反対側の面に立設された5枚の放熱フィン12とを備えた構造になっている。
基部10は、長さ30mm×幅30mm×厚さ0.2mmのジルコニア製の単層基板で、図1(b)に示すように、表面に2本の金電極14が形成されている。なお、この金電極14は、蒸着法により形成された薄膜である。
放熱フィン12は、長さ30mm×幅5mm×厚さ0.2mmのジルコニア製の単層基板で、図1(a)に示すように、表面に熱電変換素子16が形成されている。
そして、基部10と放熱フィン12は、エポキシ樹脂系接着剤(商品名:アラルダイト)によって接着され、金電極14と熱電変換素子16は、図1(c)に示すように、インジウム接合部18を介して電気的に接続された構造になっている。
次に、熱電変換素子16について、より詳しく説明する。
図2(a)に示すように、熱電変換素子16は、p型熱電材料からなる第1の薄膜21と、n型熱電材料からなる第2の薄膜22とを、放熱フィン12の表面に形成し、これら第1の薄膜21および第2の薄膜22を、交互に直列に接続した構造になっている。
第1の薄膜21は、厚さ約5μmで、本実施形態においては、p型熱電材料として、Fe−V−AlのAl配合比を増大させてp型熱電材料としたもの(組成比Fe49.324.7Al26)が使用されている。
第2の薄膜22は、厚さ約5μmで、本実施形態においては、n型熱電材料として、Fe−V−Alに少量のSiを添加してn型熱電材料としたもの(組成比Fe5025Al23.5Si1.5)が使用されている。
これら第1の薄膜21および第2の薄膜22は、いずれも物理的蒸着技術の一つであるスパッタリングによって形成されており、具体的には、次のような手順で製造されたものである。
まず、第2の薄膜22のパターンと同形状の開口部が開けられた第1のマスキング治具を、放熱フィン12上に載置して1回めのマスキングを行い、それを周知のスパッタ装置に入れて、1回めのスパッタリングを実施する。
より詳しくは、本実施形態においては、RFスパッタ装置を使用し、ターゲットには上述したFe5025Al23.5Si1.5を用いる。そして、チャンバー内を真空で3.0×10-3Pa以下まで減圧した後、基板温度を600℃まで上昇させるため、放熱フィン12の下にあるランプヒーターを入れる。ヒーターを入れた後、真空度が3.0×10-3Pa以下まで減圧されるのを待ち、減圧後、スパッタガスとしてArガスを導入する。そして、出力:300W、Arガス圧:1.0×10-1Paのスパッタ条件で、1回目のスパッタリングを実施する。1回目のスパッタリングを終えたら、第1のマスキング治具を放熱フィン12から取り除く。このような加工を行うことにより、放熱フィン12の表面上には、図2(b)に示すように、第2の薄膜22が形成されることになる。
次に、第1の薄膜21のパターンと同形状の開口部が開けられた第2のマスキング治具を、放熱フィン12上(上記第2の薄膜22が形成された面上)に載置して2回めのマスキングを行い、それを再びスパッタ装置に入れて、2回めのスパッタリングを実施する。
より詳しくは、本実施形態においては、RFスパッタ装置を使用し、ターゲットには上述したFe49.324.7Al26を用いる。そして、チャンバー内を真空で3.0×10-3Pa以下まで減圧した後、基板温度を600℃まで上昇させるため、放熱フィン12の下にあるランプヒーターを入れる。ヒーターを入れた後、真空度が3.0×10-3Pa以下まで減圧されるのを待ち、減圧後、スパッタガスとしてArガスを導入する。そして、出力:300W、Arガス圧:1.0×10-1Paのスパッタ条件で、2回目のスパッタリングを実施する。2回目のスパッタリングを終えたら、第2のマスキング治具を放熱フィン12から取り除く。このような加工を行うことにより、放熱フィン12の表面上には、図2(a)に示したように、先に形成されていた第2の薄膜22に加えて、第1の薄膜21が形成されることになる。
第2のマスキング治具の開口部は、上記第2の薄膜22の端部が露出するような形状に開けられており、当該第2の薄膜22の露出部分には、2回目のスパッタリングを実施した際、図2(c)に示すように、第1の薄膜21が重ねて形成される。この重なり部分において、第1の薄膜21および第2の薄膜22は電気的に接続され、8本の略帯状の第1の薄膜21と8本の略帯状の第2の薄膜22とが、交互に直列に接続された構造になる。
なお、第1の薄膜21と第2の薄膜22との接続部は、上記の通り、両薄膜が重なって形成されるようにスパッタリングを行うことで、電気的に接続された構造を形成してもよいが、別の導電性物質を介在させてあってもよい。
次に、上記ヒートシンク1の熱電性能を試験するため、図3に示すように、発熱源31にヒートシンク1を取り付けるとともに、放熱フィン12側には冷却ファン33を取り付けた。また、ヒートシンク1の金電極14に電圧計を接続した。本試験において、発熱源31は150℃に加熱したステンレス製のブロックである。
放熱フィン12に形成された熱電変換素子16は、第1の薄膜21と第2の薄膜22との接合部分が交互に発熱源31側と冷却ファン33側に存在するようなパターンになっており、冷却ファン33を作動させると、熱電変換素子16に30℃以上の温度差を与えることができる。この温度差に応じて電圧が発生するので、この電圧を上記電圧計で測定した。なお、温度の測定には、サーモビジョンを使用した。結果を下記表1に示す。
Figure 2006019402
表1から明らかなように、このヒートシンク1を使用すれば、発熱源31の冷却を行うことができるのはもちろんのこと、単に発熱源31から熱を奪うだけではなく、発熱源31から奪った熱を利用して電力を得ることができるので、発熱源31から奪った熱を有効利用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の具体的な一実施形態に限定されず、この他にも種々の形態で実施することができる。
例えば、上記実施形態では、ヒートシンク1において熱電発電を行う例を示したが、熱電変換素子16に電力を供給することにより、ペルチェ効果による熱電冷却(電子冷却)を行うことも可能である。特に、上記ヒートシンク1の場合、放熱フィン12の表面に薄膜状の熱電変換素子16を形成してあり、熱電変換素子16に電力を供給しない状態でも発熱源31からの放熱を促す効果があるので、より一層冷却効果を高めたい場合にのみ、熱電変換素子16に電力を供給すればよい。
すなわち、通常は、放熱フィン12による放熱能力を利用して発熱源31の冷却を図り、それと並行して発熱源31からの熱を利用した熱電発電を行う一方、発熱源31の発熱量が増大した場合には、熱電変換素子16に電流を流し、放熱フィン12による放熱能力とペルチェ効果による熱電冷却(電子冷却)とを併用するかたちで、発熱源31に対する冷却能力の向上を図る、といった運用が可能である。
また、上記実施形態では、Fe2VAl系熱電材料について特定の組成比を示したが、この組成比は一例であり、p型またはn型熱電材料としての性能を維持できる範囲内で、適宜組成比を変更しても構わない。また、上記実施形態では、Fe2VAl系熱電材料に第4元素としてSiを添加する例を示したが、これもp型またはn型熱電材料としての性能を維持できる範囲内で、任意の第4元素を添加することができる。
また、上記実施形態では、Fe2VAl系熱電材料を例示したが、他の熱電材料を利用してもよい。そのような熱電材料としては、例えば、Bi−Te系熱電材料、Mg−Si系熱電材料、Mn−Si系熱電材料、Fe−Si系熱電材料、Si−Ge系熱電材料、Pb−Te系熱電材料、カルコゲナイト系熱電材料、スクッテルダイト系熱電材料、フィルドスクッテルダイト系熱電材料、炭化ホウ素系熱電材料などを挙げることができる。
さらに、上記実施形態では、薄膜状の熱電変換素子を形成するために、物理的蒸着技術の一つであるスパッタリングを利用していたが、本発明においては、他の物理的蒸着技術を利用することもできる。他の物理的蒸着技術としては、例えば、イオンビームスパッタ、イオンプレーティング、真空蒸着、レーザー蒸着、電子線エピタキシャル成長法(MBE)などを挙げることができる。これらの中でも、特にイオンプレーティングおよび電子線エピタキシャル成長法(MBE)は、結晶性の高い薄膜を形成可能な物理的蒸着技術なので、熱電性能の高い熱電変換素子を製造するためには好適である。
(a)は本発明の実施形態として説明したヒートシンクの斜視図、(b)は基部に形成された金電極を示す斜視図、(c)はヒートシンクの側面図。 (a)は放熱フィンに形成された熱電変換素子を示す正面図、(b)は熱電変換素子を構成する第2の薄膜を示す正面図、(c)は第1の薄膜と第2の薄膜の接合部分を示すA−A線断面図。 ヒートシンクの熱電発電性能の測定方法を説明するための斜視図。
符号の説明
1・・・ヒートシンク、10・・・基部、12・・・放熱フィン、14・・・金電極、16・・・熱電変換素子、18・・・インジウム接合部、21・・・第1の薄膜、22・・・第2の薄膜、31・・・発熱源、33・・・冷却ファン。

Claims (4)

  1. 放熱フィンを備えたヒートシンクであって、
    p型熱電材料からなる第1の薄膜とn型熱電材料からなる第2の薄膜が、前記放熱フィンの表面に形成されており、前記第1,第2の薄膜を直列に接続して熱電変換素子が構成されている
    ことを特徴とするヒートシンク。
  2. 前記第1,第2の薄膜のうち、いずれか一方または両方が、物理的蒸着技術によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
  3. 前記放熱フィンは、少なくとも前記第1,第2の薄膜の形成されている面が、絶縁材料によって形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒートシンク。
  4. 前記放熱フィンが、セラミックス製である
    ことを特徴とする請求項3に記載のヒートシンク。
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