JP2006019267A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Abstract

【課題】 維持放電を対向放電に誘導しながら、維持放電に関与する電極間に他の電極を備えることにより、放電開始電圧を低くしながらも発光効率を高めることができるプラズマディスプレイパネルを提供する。
【解決手段】 第1及び第2基板間の空間でアドレス電極が延びる方向及び交差する方向にそれぞれ配置される第1及び第2隔壁部材を含む隔壁は、複数の放電セルを区画し、各放電セル内には蛍光体層が形成される。互いに隣接する一対の第2隔壁部材の間でそれと平行に補助隔壁部材が配置される。第1及び第2基板間で、各放電セルを構成する第2隔壁部材に対応して第1及び第2電極が交互に配置され、そして補助隔壁部材に対応して、第1隔壁部材を横切って放電セルの内部空間を貫通して通過するように第3電極が形成される。第1、第2及び第3電極のうちのいずれか一つ以上は、放電セル内で相互対向面に向かって突出形成される突起を含む。
【選択図】 図2

Description

本発明はプラズマディスプレイパネルに係り、特に、高精細(higher density)、高輝度(high luminance)のディスプレイ実現に有利な電極構造を有するプラズマディスプレイパネルに関するものである。
一般的に、プラズマディスプレイパネル(PDP)は、気体放電により得られたプラズマから放射される真空紫外線(VUV)が蛍光体を励起させることによって発生する可視光を利用して映像を実現するディスプレイ素子である。このプラズマディスプレイパネルは、60インチ以上の超大型画面を僅か10cm以内の厚さで実現することができ、CRTと同一な自発光ディスプレイ素子であるので、色再現力が優れており、視野角による歪曲現象がない特性を有し、また、LCDなどに比べて製造工法が単純であって、生産性及び原価側面からも利点を有するTV及び産業用平板ディスプレイとして脚光を浴びている。
プラズマディスプレイパネルの構造は、1970年代から長い期間をかけて発展してきたが、現在、一般的に知られている構造は3電極面放電型構造である。3電極面放電型構造は、同一面上に位置した2個の電極を含んだ一つの基板と、これから所定の距離をおいて離隔して垂直な方向に連結されたアドレス電極を含んだ他の基板とからなり、その間に放電ガスが封入された構造である。一般的に放電の有無は、各ラインに連結されて独立的に制御される走査電極と、この走査電極に対向しているアドレス電極との放電によって決定され、輝度を表示する維持放電は、同一面上に位置した二つの電極群によって行われる。
プラズマディスプレイパネルは、人が見られる可視光を作るためにグロー放電(glow discharge)を利用するが、このグロー放電が発生した後から人の目に可視光が到達するまでにはいくつかの段階を経る。つまり、グロー放電が発生すれば、電子と気体との間の衝突によって励起された気体が生成され、このように励起された気体から紫外線が発生する。紫外線は、放電セル内の蛍光体と衝突して可視光を生成し、この可視光は前面の透明基板を通過して人の目に到達する。このような段階を経ながら入力エネルギー(input power)は相当量損失される。
グロー放電は、普通低気圧(<1atm)下で放電開始電圧以上の電圧を二つの電極の間に印加することによって得られる。放電開始電圧は、気体の種類、雰囲気圧力、電極間距離の関数である。AC放電の場合、この三つの他、誘電体のキャパシタンス(誘電率、電極面積、誘電体の厚さ)と印加電圧の周波数が放電開始電圧に影響を与える。
放電が開始されるためには非常に高い電圧が必要であるが、一旦放電が起こると、負極(cathode)と正極(anode)の周辺に生成される空間電荷の差により、負極と正極との間での電圧分布は図1のような歪曲された形態で現れる。図1は、二つの電極の周辺、つまり、カソードシース(cathode sheath)とアノードシース(anode sheath)と呼ばれる領域で電圧(voltage)のほとんどが消費されていることを示しており、相対的に陽光柱(positive column)領域で消費される電圧の量は微小たるものであることが分かる。特に、プラズマディスプレイパネルで発生するグロー放電の場合、カソードシースで消費される電圧がアノードシースで消費される電圧より遥かに高いことが知られている。
蛍光体からの可視光の放出は、紫外線と蛍光体との衝突によって発生し、紫外線は、励起状態のキセノン(Xe)が安定した状態のキセノン(Xe)にエネルギー準位が変わる時に生成される。一方、励起状態のキセノン(Xe)は、安定した状態のキセノン(Xe)と電子との衝突によって形成される。したがって、入力エネルギー中の可視光を生成する比率、つまり、発光効率を高めるためには、電子加熱効率が増加しなければならない。
一般的に、陽光柱領域での電子加熱効率がカソードシース領域での電子加熱効率に比べて高いので、プラズマディスプレイパネル発光効率の向上は、陽光柱領域を増加させることによって可能である。シース領域は同一な圧力下ではその厚さがほとんど同一であるので、発光効率を増加させるためには放電の長さを増加させる必要がある。
3電極構造を有するプラズマディスプレイパネルの場合、二つの電極の間が最も近い領域−放電セル中心部分−で放電が開始され、その後、放電は電極の周縁領域に移動する。放電が中心領域で起こる理由は、この領域での放電開始電圧が低いからである。一般的に放電開始電圧は、圧力と電極間の距離との積の関数であり、プラズマディスプレイパネルの運転領域は、パシェン曲線(Paschen curve)の最小値の右側に位置する。一旦放電が開始されれば、空間電荷の形成によって放電開始電圧より遥かに低い電圧下で放電が維持され、二つの電極の間にかかる電圧は時間の経過に伴って次第に低くなる。放電開始後、中心領域にイオンと電子が蓄積されることによって電場の強さは弱くなり、この領域で放電は無くなる。
カソードとアノードスポット(spot)は、時間の流れに伴って表面電荷のない領域、つまり、電極の周縁付近に移動する。この時、二つの電極の間にかかる電圧が時間の経過に伴って減少するため、放電セルの中心領域(発光効率の低い構造)では強い放電が起こり、放電セルの周縁付近(発光効率の高い構造)では弱い放電が起こるようになる。このような原理で、従来の3電極面放電構造は、入力エネルギーの内で電子を加熱するのに使用される部分の比率が低いものであり、結果的に発光効率も低くなる。
このような3電極面放電構造が有する弱点を克服するためには、表示電極の間の距離を大きくする方法を考慮してみることができるが、これは放電開始電圧の上昇を招くので好ましくない。
したがって、本発明の目的は、維持放電を対向放電に誘導しながら、維持放電に関与する電極の間に他の電極を備えることにより、放電開始電圧を低くしながらも発光効率を高めることができるプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
本発明によるプラズマディスプレイパネルは、対向配置され、その間の空間で多数区画される放電セルを含む第1基板及び第2基板と、前記第1基板で一方向に沿って伸張形成されるアドレス電極と、前記各放電セル内に形成される蛍光体層と、前記第1基板と第2基板との間で、前記アドレス電極の伸張方向に沿って互いに隣接した放電セルの境界に対応して位置し、前記アドレス電極と交差する方向に伸張形成され、前記アドレス電極の伸張方向に沿って交互に配置される第1電極及び第2電極と、前記第1電極と第2電極との間に配置され、前記放電セルの内部空間を貫通して通過するように形成される第3電極とを含み、前記第1電極、第2電極、及び第3電極のうちの少なくとも一つの電極は、放電セルの内部空間に向かって突出形成される突起を含む。
また、前記プラズマディスプレイパネルには、前記第1基板と第2基板との間の空間で前記アドレス電極と並んだ方向に配置される第1隔壁部材と、前記アドレス電極と交差する方向に配置される第2隔壁部材とを含みながら、複数の放電セルを区画する隔壁が含まれる。
前記隔壁には、互いに隣接する一対の第2隔壁部材との間で第2隔壁部材と並んで配置される補助隔壁部材が含まれることができる。
前記蛍光体層は、補助隔壁部材の側面に形成されるのが好ましい。
前記補助隔壁部材は、長さ方向に垂直な平面に切断した断面において、第2隔壁部材の高さより低い高さで形成されることができる。
前記第1電極及び第2電極は、第3電極に向かった面に突起を備え、この突起は、第1電極及び第2電極の長さ方向に対する垂直断面において、第1基板側と第2基板側との間の下端又は中間に形成されることができる。前記第1電極及び第2電極の各々は、外面及び突起が誘電層で覆われて成る。
前記第1電極及び第2電極とこれらに各々対応する前記第2隔壁部材の長さ方向に垂直な断面は、実質的に同一な対称中心線を有することができる。
前記第1電極及び第2電極は、その長さ方向に対する垂直断面において、前記基板と並行な方向の長さより、前記基板に垂直な方向への長さをさらに長く形成するのが好ましい。
前記第1電極及び第2電極は、少なくとも前記各放電セルの内部空間に向かった側面に保護膜を備える。この保護膜は、可視光非透過性の特性を有する。
前記第3電極の各々は外面が誘電層で覆われて成り、この第3電極とこれらに各々対応する前記補助隔壁部材の長さ方向に垂直な断面は、実質的に同一な対称中心線を有するのが好ましい。前記第3電極は、補助隔壁部材に付着形成されたりフローティング形成されることもできる。
前記第3電極は、長さ方向に垂直な平面に切断した断面において、第1電極及び第2電極の高さより低い高さで形成されるのが好ましい。
前記第3電極は、第1基板と第2基板との間の第1電極及び第2電極の高さ方向に対し、第1電極及び第2電極に形成された突起に対応して配置される。
前記第3電極は、第1基板と第2基板との間の第1電極及び第2電極の高さ方向に対し、第1電極及び第2電極の中間又は下端に対応して配置される。
前記第3電極は、少なくとも前記放電セルの内部空間に露出される外面に覆われて形成される保護膜を備え、この保護膜は、可視光非透過性の特性を有する。
前記第3電極は、前記第1隔壁部材を貫通するように形成されることができる。
前記第2基板には、前記第1隔壁部材と対応する形状に、第1基板に向かって突出形成される第3隔壁部材が形成されており、前記第2隔壁部材と対応する形状に、第1基板に向かって突出形成される第4隔壁部材が形成されている。
前記第1電極及び第2電極は、相互対応する第2隔壁部材と第4隔壁部材との間に位置し、前記第3電極は、相互交差する補助隔壁部材と第3隔壁部材との間に位置する。
前記第3隔壁部材と第4隔壁部材によって区画される第2基板の領域内に蛍光体層が形成されるのが好ましい。
本発明によるプラズマディスプレイパネルによれば、維持放電に関与する電極が放電セルの両側に対向した状態に備えられ、リセット放電及びアドレス放電に関与する電極がその間に配置されることにより、維持放電を対向放電となるように形成しながら、放電開始のための電極間の間隔を短く形成して放電開始電圧を低くし、また、放電開始後、維持放電に関与する電極の間のギャップを長く形成して発光効率を高める効果がある。
また、本発明によれば、リセット放電及びアドレス放電に関与する電極の高さを、維持放電に関与する電極の高さより低く形成し、リセット放電及びアドレス放電に関与する電極の上下左右に誘電層及びMgO保護膜を備えることにより、壁電荷が多く蓄積されるようにして放電開始がさらに容易に行われるようにする。
また、本発明によれば、維持放電に関与する電極、又はリセット放電及びアドレス放電に関与する電極のうちのいずれか一側に突起を備えることにより、電極間の間隔をさらに短くして放電開始電圧を低くする効果がある。
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。しかし、本発明は多様な相違した形態で実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。図面において、本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略しており、明細書全体を通じて同一又は類似な構成要素については同一な参照符号を付けた。
図2は、本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルを示した部分分解斜視図であり、図3は、本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおける電極と放電セルの構造を概略的に示した部分平面図であり、図4は、図2に示されたプラズマディスプレイパネルを上下組み合わせた状態のIV−IV線による部分断面図である。
この図面を参照すれば、本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルは、基本的に第1基板10(以下、‘背面基板’とする)と第2基板20(以下、‘前面基板’とする)が所定の間隔で対向配置され、この背面基板10と前面基板20との間の空間で複数の放電セル18が隔壁16、26によって区画される。放電セル18内には、紫外線を吸収して可視光を放出する蛍光体層19、29が隔壁面と底面に沿って形成され、また、前記放電セル18内には、プラズマ放電を起こすことができるように放電ガス(例えば、キセノン(Xe)、ネオン(Ne)などを含んだ混合ガス)が充填されている。
前面基板20に対向する背面基板10の一面には、一方向(図面のy軸方向)に沿ってアドレス電極12が形成され、これらアドレス電極12を覆いながら、背面基板10の内面全体に誘電層14が形成される。アドレス電極12は、隣接した他のアドレス電極12と放電セル18に対応する間隔(x軸方向)を維持しながら互いに並んで配置される。
隔壁16、26は、背面基板10に隣接して前面基板20に向かって突出形成される背面板隔壁16と、前面基板20に隣接して背面基板10に向かって突出形成される前面板隔壁26とで構成される。
背面板隔壁16は、背面基板10に形成される誘電層14上に形成されるが、本実施形態で前記背面板隔壁16は、アドレス電極12と並んだ方向に配置される第1隔壁部材16aと、この第1隔壁部材16aと交差するように形成されながら、各々の放電セル18を独立的な放電空間に区画する第2隔壁部材16bとで構成される。そして、前面板隔壁26は、前記第1隔壁部材16aと対応する形状からなる第3隔壁部材26aと、前記第2隔壁部材16bと対応する形状からなる第4隔壁部材26bとで構成される。したがって、第3隔壁部材26aと第4隔壁部材26bは、互いに交差する方向に形成されながら、前記各放電セル18に対応する領域28を前面基板20に形成する。
また、互いに隣接する一対の第2隔壁部材16bの間には、補助隔壁部材17が第2隔壁部材16bと並んで配置される。つまり、第2隔壁部材16bと補助隔壁部材17は、アドレス電極12の長さ方向(y軸方向)に沿って交互に配置される。したがって、この補助隔壁部材17は、放電セル18の背面基板10側を二つの領域18a、18bに区画する。
一方、前記背面基板10と前面基板20との間で、各放電セル18の一側を構成する第2隔壁部材16bに対応し、これと並んだ方向(図面のx軸方向)に沿って第1電極31及び第2電極32が長く連結形成される。本実施形態で第1電極31及び第2電極32は、前記第2隔壁部材16bの各々に一つずつ交互に対応してこれら第2隔壁部材16bの上を通過するように配置されるので、前記第1電極31及び第2電極32は、アドレス電極12の長さ方向(図面のy軸方向)に隣接する放電セル18を区分する基準となることができる。
また、互いに隣接する一対の第1電極31と第2電極32との間の各々には第3電極33が配置される。つまり、第3電極33は、第2隔壁部材16bの間に配置される補助隔壁部材17に対応し、この補助隔壁部材17と並んだ方向(図面のx軸方向)に沿って長く連結形成される。第3電極33は、前記第1隔壁部材16aを横切って放電セル18内部を貫通して通過するように形成される。
この時、第3電極33は、第1電極31又は第2電極32と共にリセット期間の放電に関与した後、アドレス電極12と共にアドレス期間の放電に関与して、点灯される放電セル18を選択する役割を果たし、第1電極31と第2電極32は、維持期間の放電に関与して画面を表示する役割を果たす。しかし、各電極は、印加される信号電圧に応じてその役割を別にすることができるので、本発明がそれ以上に限定される必要はない。
図3を参照すれば、補助隔壁部材17及び第3電極33によって各放電セル18は二つの領域18a、18bに分けられ、放電維持期間で、これら各領域18a、18bに対応する第1電極31と第2電極32との間で維持放電が起こる。つまり、放電セル18を横切る第3電極33は、その両側に配置された一対の第1、第2電極31、32の間で維持放電が起こることを補助するようになるので、放電開始電圧が低くなることができる。
また、第1電極31及び第2電極32は、放電セル18の内部空間に向かって突出形成される突起31a、32aを各々備えている。もちろん、第1電極31にのみ突起31aが形成されたり第2電極32にのみ突起32aが形成されることもできる。この突起31a、32aによって第1、第2電極31、32の間で放電を開始する放電ギャップがさらに減るようになって、放電開始電圧がさらに低くなることができる。また、第3電極33により、放電開始の後に放電経路が長く形成され、発光効率がさらに向上する。本実施形態は、第1、第2電極31、32にのみ突起31a、32aを形成し、第3電極33には突起を形成しないことを例示しているが、第3電極33にも突起が備えられることができる。
図4を参照すれば、本実施形態において、一対の第1電極31及び第2電極32とこれらに各々対応する第2隔壁部材16bとをその長さ方向(図面のx軸方向)に垂直な平面に切断した各断面は、実質的に同一な対称中心線(L)を有する。このようにすれば、第1電極31及び第2電極32は、前記アドレス電極12の長さ方向(y軸方向)に隣接した一対の放電セル18に両側で関与することができるようになる。そして、第3電極33とこれらに各々対応する補助隔壁部材17とをその長さ方向(図面のx軸方向)に垂直な平面に切断した各断面は、実質的に同一な対称中心線(L)を有する。このようにすれば、第3電極33は、一つの放電セル18の二つの領域18a、18bに関与することができるようになる。
また、本実施形態において、第1電極31及び第2電極32の長さ方向に垂直な平面に切断した第1電極31及び第2電極32の断面は、基板10、20面に並行な方向にの長さ(w1)より、基板10、20面に垂直な方向への長さ(h1)がさらに長く形成されることができる。第3電極33は、第1、第2電極31、32に対応する形状からなることができるが(図4参照)、第3電極33の長さ方向に垂直な平面に切断した断面は、基板10、20面に並行な方向への長さ(w2)と基板10、20面に垂直な方向への長さ(h2)とがほぼ同一に形成されることもできる(図5及び図6参照)。この第3電極33の断面の長さ(w2、h2)は、第1、第2電極31、32の各断面の長さ(w1、h1)より短く形成されるのが好ましい。つまり、第3電極33の断面積は、第1、第2電極31、32の断面積より小さく形成される。このような第3電極33は、基板10、20面に垂直な方向(z軸方向)への第1、第2電極31、32の多様な長さに対応して配置されることができる。第1、第2電極31、32の間でさらに容易に対向放電を誘導し、高い発光効率を得るために、第3電極33は、基板10、20面に垂直な方向への第1、第2電極31、32の長さより短い長さで形成されるのが好ましい。これにより、第1、第2電極31、32の間で起こる対向放電の妨害が最小化されながらアドレス電極12と対向する面でのアドレス放電が防止され、第1、第2電極31、32と対向する側でアドレス放電を誘導することができる。
一方、第1、第2電極31、32の各々は外面と突起31a、32aが、そして第3電極33の各々は外面が、誘電層34、35で覆われて成る。これら第1、第2、第3電極31、32、33はTFCS(Thick Film Ceramic Sheet)法で製作可能である。つまり、第1、第2電極31、32と第3電極33を含む電極部を別途に製作した後、隔壁16が形成されている背面基板10に結合して製作することもできる。この時、電極はセラミックで塗布される。
一方、前記突起31a、32aは、第1、第2電極31、32の長さ方向(x軸方向)に対する垂直断面において、背面基板10側と前面基板20側との間の多様な位置に形成されることができ、前記実施形態では背面基板10側に偏って形成されたものを例示しているが、前面基板10側に偏って形成されたり、その中間に形成されることもできる。
第1、第2電極31、32と第3電極33を各々覆っている誘電層34、35の表面にはMgO保護膜36が形成されることができる。特に、MgO保護膜36は、放電セル18内部の放電空間で起こるプラズマ放電に露出される部分に形成されることができる。本実施形態で、第1、第2電極31、32と第3電極33は前面基板20に形成されるものでないので、これら第1、第2、第3電極31、32、33を覆っている誘電層34、35に塗布されるMgO保護膜36は、可視光非透過性の特性を有するMgOからなることができる。この可視光非透過性MgOは可視光透過性MgOに比べて遥かに高い二次電子放出係数値を有し、したがって、放電開始電圧がさらに低くなることができる。
本実施形態の第3電極33は補助隔壁部材17に対応して形成されることにより、放電セル18内で安定した構造に支持され、また、アドレス電極12と第3電極33の下側面でアドレス放電が起こるのが防止され、第3電極33の側面と前記アドレス電極12との間でアドレス放電が発生するようにする。
このように、誘電層34とMgO保護膜36を有する第1、第2電極31、32は、相互に対応する第2隔壁部材16bと第4隔壁部材26bとの間でこの第2、第4隔壁部材16b、26bと並んで位置する。しかし、誘電層35とMgO保護膜36を有する第3電極33は、相互交差する補助隔壁部材17と第3隔壁部材26aとの間で補助隔壁部材17と並んで位置すると共に、第3隔壁部材26aと交差するように位置する。
特に、第3電極33と補助隔壁部材17を形成するために第1隔壁部材16aの一部に溝が形成され、誘電層35とMgO保護膜36が塗布された第3電極33が、補助隔壁部材17上で前記溝に嵌合されることもできる。この時、前記第3電極33と第1、第2電極31、32は、背面基板10から測定される距離が同一であるように形成されることができ、また、前記第3電極33を覆う誘電層35の上端面が前記第1隔壁部材16aの上端面とほぼ一致するように形成されることもできる。このような第3電極33が、第1隔壁部材16aを貫通するように形成されることもできる。
このような第1電極31と第2電極32は、通電性に優れた金属電極からなるのが好ましい。
一方、前面基板20に隣接して形成される第3隔壁部材26a及び第4隔壁部材26bによって区画される前面基板20の領域28内には、蛍光体層29が形成されることができる。このような蛍光体層29は、前面基板20上に誘電層を塗布し、前面板隔壁26を形成した後、前記誘電層上に塗布されることができ、選択的に前記誘電層を前面基板20に塗布せず、この前面基板20上に前面板隔壁26を形成した後で塗布されることもできる。さらに、前記前面基板20を放電セル18の形状に合うようにエッチングした後、この前面基板20上に蛍光体層を塗布することも可能である。この時、前面板隔壁26は前面基板20と同一な材料で形成される。
以上の説明で前面基板20に形成される蛍光体層29は、放電セル18内部で放電が発生した後、前面基板20側に向かう真空紫外線(VUV)を吸収して、可視光を発生させるのに利用される。このような蛍光体層29は可視光を透過させなければならず、このために、背面基板10に形成された蛍光体層19の厚さより薄い厚さで前面基板20に蛍光体層29が形成されることができる。
このようにすることによって真空紫外線の損失を最小化し、発光効率を向上させることができる。
また、本実施形態では、背面基板10に補助隔壁部材17がさらに備えられ、この補助隔壁部材17の側面にも蛍光体層19が形成されることにより、真空紫外線が衝突して可視光を発生させることができる蛍光体層19の面積がさらに増大する。
一方、前記実施形態は、第3電極33が基板10、20の間の高さ方向(z軸方向)に対して第1、第2電極31、32と同一の高さで形成されて配置されることを例示する。
図5及び図6は、本発明の第2及び第3実施形態によるプラズマディスプレイパネルの部分断面図である。
前記第1実施形態に比べ、図5及び図6に示された第2及び第3実施形態では、突起312a、322aが、基板10、20面に垂直な方向への第1、第2電極312、322の長さ方向(z軸方向)の中間に形成され、第3電極332は前記突起312a、322aに対応する、つまり、基板10、20面に垂直な方向(z軸方向)に対して第1、第2電極312、322の中間に形成されることを例示している。
この時、図5は、補助隔壁部材17が第2隔壁部材16bと同一の高さで形成されることを示し、図6は、補助隔壁部材173が第2隔壁部材16bの高さより低い高さで形成されることを示す。
図5及び図6に示された第2及び第3実施形態では、第3電極332の上面、又は上下面に誘電層352とMgO保護膜362が形成され、アドレス放電時にさらに多くの壁電荷が蓄積されるようにして、放電開始電圧がさらに低くなることができる。また、図6に示された第3実施形態は、図5に示された第2実施形態に比べて補助隔壁部材173の高さが低いので、第1、第2電極312、322の間の遮断を最小化し、第1、第2電極312、322による対向放電をさらに有利にする。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明及び添付した図面の範囲内で多様に変形又は変更して実施することが可能であり、これもまた本発明の範囲に属する。
一般的なグロー放電における、負極と正極との間にかかる電圧分布を概略的に示したグラフである。 本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルを示した部分分解斜視図である。 本発明の第1実施形態によるプラズマディスプレイパネルにおける電極と放電セルの構造を概略的に示した部分平面図である。 図2に示されたプラズマディスプレイパネルを結合した状態のIV−IV線による部分断面図である。 本発明の第2実施形態によるプラズマディスプレイパネルの部分断面図である。 本発明の第3実施形態によるプラズマディスプレイパネルの部分断面図である。
符号の説明
10 背面基板
12 アドレス電極
14、34、35、352 誘電層
16、26 隔壁
16a、16b、26a、26b、173 隔壁部材
17 補助隔壁部材
18 放電セル
18a、18b 放電セルの背面基板側の領域
19、29 蛍光体層
20 前面基板
28 各放電セルに対応する領域
31、32、33、312、322、332 電極
31a、32a、312a、322a 突起
36、362 MgO保護膜

Claims (23)

  1. 対向配置され、その間の空間で多数区画される放電セルを含む第1基板及び第2基板;
    前記第1基板で一方向に沿って伸張形成されるアドレス電極;
    前記各放電セル内に形成される蛍光体層;
    前記第1基板と第2基板との間で、前記アドレス電極の伸張方向に沿って互いに隣接した放電セルの境界に対応して位置し、前記アドレス電極と交差する方向に伸張形成され、前記アドレス電極の伸張方向に沿って交互に配置される第1電極及び第2電極;及び
    前記第1電極と第2電極との間に配置され、前記放電セルの内部空間を貫通して通過するように形成される第3電極;
    を含み、
    前記第1電極、第2電極、及び第3電極のうちの少なくとも一つの電極は、放電セルの内部空間に向かって突出形成される突起を含むプラズマディスプレイパネル。
  2. 前記第1基板と第2基板との間の空間で前記アドレス電極と並んだ方向に配置される第1隔壁部材と、前記アドレス電極と交差する方向に配置される第2隔壁部材とを含みながら、複数の放電セルを区画する隔壁を含む、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 互いに隣接する一対の第2隔壁部材との間で第2隔壁部材と並んで配置される補助隔壁部材を含む、請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記蛍光体層は補助隔壁部材の側面に形成される、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記補助隔壁部材は、長さ方向に垂直な平面に切断した断面において、第2隔壁部材の高さより低い高さで形成される、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記第1電極及び第2電極は第3電極に向かった面に突起を備え、前記突起は、第1電極及び第2電極の長さ方向に対する垂直断面において、第1基板側と第2基板側との間の下端及び中間のうちのいずれか一側に形成される、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記第1電極及び第2電極の各々は、外面及び突起が誘電層で覆われて成る、請求項6に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記第1電極及び第2電極と、これらに各々対応する前記第2隔壁部材の長さ方向に垂直な断面は、実質的に同一な対称中心線を有する、請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 前記第1電極及び第2電極は、その長さ方向に対する垂直断面において、前記基板と並行な方向の長さより前記基板に垂直な方向への長さがさらに長く形成される、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  10. 前記第1電極及び第2電極は、少なくとも前記各放電セルの内部空間に向かった側面に保護膜を備える、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 前記保護膜は可視光非透過性の特性を有する、請求項10に記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 前記第3電極の各々は外面が誘電層で覆われて成る、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  13. 前記第3電極と、これらに各々対応する前記補助隔壁部材の長さ方向に垂直な断面は、実質的に同一な対称中心線を有する、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  14. 前記第3電極は補助隔壁部材に付着形成される、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  15. 前記第3電極は補助隔壁部材の上でフローティング形成される、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル。
  16. 前記第3電極は、長さ方向に垂直な平面に切断した断面において、前記基板面に垂直な方向への第1電極及び第2電極の長さより短い長さで形成される、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  17. 前記第3電極は、前記基板面に垂直な方向に対して、第1電極及び第2電極に形成された突起に対応して配置される、請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル。
  18. 前記第3電極は、前記基板面に垂直な方向に対して、第1電極及び第2電極の下端及び中間のうちのいずれか一側に対応して配置される、請求項16に記載のプラズマディスプレイパネル。
  19. 前記第3電極は、少なくとも前記放電セルの内部空間に露出される外面に形成される保護膜を備える、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  20. 前記保護膜は可視光非透過性の特性を有する、請求項19に記載のプラズマディスプレイパネル。
  21. 前記第2基板には、前記第1隔壁部材と対応する形状に第1基板に向かって突出形成される第3隔壁部材が形成されており、前記第2隔壁部材と対応する形状に第1基板に向かって突出形成される第4隔壁部材が形成されている、請求項2に記載のプラズマディスプレイパネル。
  22. 前記第1電極及び第2電極は、相互対応する第2隔壁部材と第4隔壁部材との間に位置し、前記第3電極は、相互交差する補助隔壁部材と第3隔壁部材との間に位置する、請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。
  23. 前記第3隔壁部材と第4隔壁部材によって区画される第2基板の領域内に蛍光体層が形成される、請求項21に記載のプラズマディスプレイパネル。


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