JP2006018751A - 車両用画像処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 悪天候下での車両検知性能を向上させる。
【解決手段】 自車の前方を撮像した画像の一部に画像処理領域を設定し、設定した画像処理領域から画像の特徴を導出するとともに、導出した特徴に基づいて車両の存在を判定する車両用画像処理装置において、撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域を設定し、自車に近い位置から遠い位置へ行くにしたがって画像処理領域を狭くする。
【選択図】 図4


Description

本発明は、カメラで撮像した画像を処理して先行車を検出する車両用画像処理装置に関する。
カメラにより撮像した画像を処理して自車前方の車両を検出するようにした車両用障害物検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この出願の発明に関連する先行技術文献としては次のものがある。
特開平10−097699号公報
しかしながら、上述した従来の車両用障害物検出装置では、降雨や降雪などの悪天候下では前方車両の検知性能が低下してしまうという問題がある。
撮像画像の一部に画像処理領域を設定して画像の特徴を導出し、導出した特徴に基づいて車両の存在を判定する車両用画像処理装置において、撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域を設定し、自車に近い位置から遠い位置へ行くにしたがって画像処理領域を狭くする。
本発明によれば、面積の小さい画像処理領域を設定して悪天候時における車両検知性能を向上させながら、画像の撮像間隔において撮像画像の中の広い範囲に多くの画像処理領域を設定して早く、確実に車両を検出できる。
《発明の第1の実施の形態》
図1は第1の実施の形態の構成を示す。スキャンニング式レーザーレーダー1は車両前方にレーザー光を照射して物体からの反射光を受光し、物体までの距離と方位を測定する。レーダー処理装置2はレーザーレーダー1による測定結果に基づいて車両前方の車両を抽出し、自車両を原点とする車両前後方向と車幅方向の二次元座標上における車両の位置と車両の大きさ(幅)とを算出する。プログレッシブスキャン式3CCDカメラ3は車両前方を高速に撮像する。画像処理装置4はカメラ3による撮像画像の内、レーダー処理装置2により算出した車両周辺を注目領域として画像処理を行い、自車のピッチング変動などによりレーダー検知物体をロストした場合にも、カメラ画像により車両を検知し続ける。
外界認識装置5は、レーダー処理装置2と画像処理装置4の車両検出結果と、車速検出装置6により検出された車速、操舵角検出装置7により検出された操舵角などに基づいて自車前方の車両を検出し、自車にとって障害物か否かを判断し、必要に応じて自動ブレーキ制御装置8を制御して負圧ブレーキブースター9を駆動し、車両の制動力を発生させる。なお、以下の一実施の形態ではレーザーレーダー1が物体を検出できない走行環境下を想定し、カメラ3による撮像画像を処理して車両の検出を行う。
図2は第1の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第1の実施の形態の動作を説明する。外界認識装置5は所定時間(この第1の実施の形態では50msec)ごとにこの車両検出処理を実行する。
ステップ201においてCCDカメラ3から今回のサンプリングにおける撮像画像を読み込む。続くステップ202では車速検出装置6から車速を、操舵角検出装置7から操舵角をそれぞれ読み込む。ステップ203で将来の自車進路の曲率半径Row[m]を次式により推定する。
Row=(1+A・Vsp・LWB)/Steer ・・・(1)
(1)式において、Aは車両固有の値であるスタビリティーファクター(車重、ホイールベース長、重心位置、タイヤの横力で決まる定数と見なせる値)を示す。また、Vspは自車速[m/s]を、LWBはホイールベース長[m]を、Steerは操舵角[rad](右切りが正)をそれぞれ示す。
ステップ204では車幅(左右)方向のスキャンニング位置を決定する。なお、この明細書ではカメラ3の撮像画像の一部に画像処理領域を設定して車両の検出処理を行う際に、画像処理領域の設定地点を自車前方の前後方向と車幅(左右)方向に複数箇所設定し、それらの設定地点の画像処理領域において順に車両検出処理を行うが、その動作を“スキャンニング”と呼ぶ。この第1の実施の形態では50msecごとに自車線上の中央→右側→左側→中央・・の順に車幅方向にスキャンニングするとともに、各車幅方向の位置において自車の前後方向にスキャンニングして車両の検出を行う。なお、撮像画像上の車幅方向の画像処理領域の設定位置は自車線上に限定されず、自車線から隣接車線にはみ出した位置に画像処理領域を設定してもよい。
具体的には、図3に示すように、時刻t[s]で自車線上の中央を手前から前方の順に画像処理領域を設定してスキャンニングした後、時刻(t+0.05)[s]で自車線上の右側を手前から前方の順に画像処理領域を設定してスキャンニングし、さらに時刻(t+0.1)[s]で自車線上の左側を手前から前方の順に画像処理領域を設定してスキャンニングする。自車線上の車幅方向のスキャンニング位置をMalfunScanで表すと、
MalfunScan=MalfunScan+1 ・・・(2),
if(MalfunScan>2)MalfunScan=0 ・・・(3)
(2)、(3)式において、if(expression)statementとは、expressionを満たす場合にstatementを実施する関数である。MalfunScanは車幅方向のスキャンニング位置を示すカウンターであり、初期値0(中央)、1(右側)、2(左側)の順に車幅方向にスキャンニングする。
ステップ205では自車前後方向のスキャンニング位置を決定する。前後方向のスキャンニングは、図3に示すように自車に近い手前から自車から遠い前方へ順に画像処理領域を設定して行う。自車前後方向のスキャンニング位置をLoopで表すと、
Loop=Loop+1 ・・・(4),
if(Loop>5)Loop=0 ・・・(5)
(4)、(5)式において、Loopは自車前後方向のスキャンニング位置を示すカウンターであり、初期値0(自車に最も近い位置)から5(自車から最も遠い位置)までの6カ所において前後方向にスキャンニングする。
ステップ206では、画像処理領域を設定するために自車から所定の距離に相当する地点を決める。
obj_Y=Ky・Loop+InitDist ・・・(6),
LateralSlide=Kx・(MalScanDir−1) ・・・(7),
if(Row>0)obj_X=Row−√(Row−obj_Y)+LateralSlide+CamInsOfs
・・・(8),
els obj_X=Row+√(Row−obj_Y)+LateralSlide+CamInsOfs
・・・(9)
ここで、obj_Yとobj_Xが画像処理領域の設定地点の前後、左右の位置[m]を表し、InitDistは前後方向にスキャンニングする際の最も近距離側の位置[m]であり、LateralSlideは車幅方向のスキャンニングにおける自車予測進路の正面からのスライド量[m]である。InitDistの値は、通常はVsp[m/s]の値をそのまま用いる。すなわち、時速100km/hではInitDist=約28m/sである。これは、車間時間THW=1sより遠方に限定することを意味している。電子地図情報などで自動車専用道路を走行中であると判断できる場合には、この値を通常より長めに設定してもよい。同様に、VICSなどの交通情報から混雑状況を把握し、現在の走行地点が混雑している場合にはInitDistを通常より短く設定してもよい。また、Ky、Kxとは自車の前後方向と車幅方向のスキャンニングにおける1ステップの間隔を意味する値[m]である。さらに、CamInsOfsは自車の中心からカメラ3の取り付け位置までのオフセット量[m]であって、if(expression)statement1 else statement2とは、expressionを満たす場合にstatement1を実行し、expressionを満たさない場合にstatement2を実行する関数である。
ステップ207では自車から所定の距離にある地点を撮像画像上の座標に変換し、次式により画像処理領域を設定する。
disp_obj_YA=yo+focusV・CAM_h2/obj_Y ・・・(10),
disp_obj_YB=yo+focusV・CAM_h/obj_Y ・・・(11),
disp_obj_XL=xo+focusH・obj_X/obj_Y−focusH・ProcessWide/obj_Y
・・・(12),
disp_obj_XR=xo+focusH・obj_X/obj_Y+focusH・ProcessWide/obj_Y
・・・(13)
ここで、disp_obj_YAは画像処理領域の上側、disp_obj_YBは画像処理領域の下側、disp_obj_XLは画像処理領域の左側、disp_obj_XRは画像処理領域の右側の座標である。また、yo、xoは消失点の縦方向座標[pix:画素数]と横方向座標[pix](カメラ3の取り付け位置と向きで決まるパラメーター)である。同様に、focusVとfocusHは鉛直方向と水平方向のカメラ3の焦点距離を画素換算した値[pix](カメラ3の画角と受光素子の解像度で決まるパラメーターで、受光面が正方格子である場合にはfocusV=focusHとなる)である。また、CAM_hはカメラ3の取り付け高さ[m]であり、CAM_h2はCAM_hから前方車両候補として考慮すべき物体の高さを減算した値である。ProcessWideは画像処理領域の幅を決めるパラメーターであり、自車幅以下の値[m]であって、この一実施の形態では1.4[m]とする。さらに、CAM_h−CAM_h2≪ProcessWideの関係がある。
ステップ208では、ステップ206と207で設定した画像処理領域に対して特徴抽出のためのエッジ検出処理を、例えば以下の(a)から(d)の手順で行う。(a)設定した画像処理領域について、Sobelフィルター演算(隣接する画素間での濃淡変化を微分演算により求める演算手法であって、画像上における道路と車両の境界のように濃淡変化が大きい部分だけを集めることが可能な画像処理手法)などにより、エッジ画像を求める。(b)上記(a)で求めたエッジ画像の濃淡値の平均値と分散値からしきい値を設定し、エッジ画像を2値化する。つまり、エッジ画像について、しきい値を超える領域とそうでない領域とに分類することによって、明確なエッジ部分とエッジでない部分の2つに分類する。(c)明確なエッジとして分類されたエッジの中から、地平線に相当するような水平方向に長いエッジではなく、垂直方向に長いエッジのみを集め、この集合をVertEdgeとする。(d)同様に、明確なエッジとして分類されたエッジの中から、水平方向に長いエッジのみを集め、この集合をHoriEdgeとする。
ステップ209では、ステップ208で抽出した特徴量を前方車両として検出するか否かの判定を、例えば次の(e)〜(g)の手順で行う。(e)ステップ206で求めた画像処理領域の設定地点obj_Yを用いて検知したい車両の大きさ(幅)の最も広い限界値obj_Wfと最も狭い限界値obj_Wnを次式により画素数に換算して求める。
obj_Wn=(focusH・pWn)/obj_Y ・・・(14),
obj_Wf=(focusH・pWf)/obj_Y ・・・(15)
ここで、pWnとpWfはそれぞれ、検知したい車両の横方向の大きさ(幅)[m]であり、例えばpWn=1.0[m]、pWf=2.5[m]とする。
(f)鉛直エッジ群VertEdgeの中から上記(e)で定めた範囲に入る鉛直方向エッジの対(ペア)を求め、 この画像上の座標の集合をCarCanEdge_Left(ペアの左側に相当する鉛直方向エッジの水平座標)と、CarCanEdge_Right(ペアの右側に相当する鉛直方向エッジの水平座標)とする。これを数式化すると次式になる。
BodySpace=CarCanEdge_Right[i]−CarCanEdge_Left[i] ・・・(16),
obj_Wn<BodySpace<obj_Wf ・・・(17)
ここで、iは(17)式を満足する鉛直エッジのインデックスであり、iの数だけ画像処理領域内に検出したい車両の候補が存在することを意味する。
(g)水平エッジ群HoriEdgeの中から、上記(f)で求めたすべてのエッジペアに対してその中間に存在する水平エッジと鉛直エッジペアの組み合わせを見つけ、これを満足するエッジの組み合わせをそれぞれCarEdge_L(車両として検知する領域の左側座標)、CarEdge_R(車両として検知する領域の右側座標)、CarEdge_B(車両として検知する領域の下側座標)とする。これを数式化すると次式になる。
if(CarCanEdge_Left[i]<HoriEdge_x[j]<CarCanEdge_Right[i]{
・・・(18),
CarEdge_L[k]=CarCanEdge_Left[i] ・・・(19),
CarEdge_R[k]=CarCanEdge_Right[i] ・・・(20),
CarEdge_B[k]=HoriEdge_x[j] ・・・(21),
k=k+1 ・・・(22),

これにより、CarEdge_LとCarEdge_RとCarEdge_Bの組み合わせから、H型のエッジパターンが検出される。このとき、最も画面の下側に存在するCarEdge_Bのインデックス番号をkbottomとすると、CarEdge_L[kbottom]とCarEdge_R[kbottom]とCarEdge_B[kbottom]の組み合わせからなる領域がU字型のエッジパターンになる。ここで、HoriEdge_xは水平エッジの水平座標であり、jは水平エッジのインデックスを意味し、kは水平エッジと鉛直エッジの組み合わせから車両として判断した画像特徴のインデックスを意味する。(18)式から(22)式はすべての水平エッジとすべての鉛直エッジペアに対して行われる処理である。
ステップ210では、ステップ209で車両を検知できたか否かを確認し、車両を検知した場合にはステップ212へ進み、その後のスキャンニングを途中でも中止する。
ステップ211では、次式の条件を満足する場合には前後方向のスキャンニングを続けるため、ステップ205へ進む。条件を満足しない場合はステップ212へ進む。
if(Loop<5)goto[step205] ・・・(23)
ここで、goto[step***]とは、***に記載のステップ番号へ進むことを意味する関数である。
ステップ212では次式により検出車両の位置を算出し、さらに車両発見終了を意味する状態遷移変数Mode=InitDetectからMode=Trackingに移行してそれを後段へ出力する。
DetectObj_tate=focusV・CAM_h/(CarEdge_B[kk]−yo) ・・・(24),
DetectObj_yoko=(((CarEdge_L[kk]+CarEdge_R[kk])/2)−xo)・obj_Y/focusH ・・・(25)
DetectObj_haba=(CarEdge_R[kk]−CarEdge_L[kk])・obj_Y/focusH
・・・(26)
ここで、kkはステップ209で求めたkの中で最も大きい領域を構成するエッジ組み合わせのインデックス番号である。最大領域を選ぶ理由は、設定領域内に複数の車両が存在する場合に、前方車両の部分的な検知をなくし、全体を検知するためである。
ステップ213では今回の撮像結果における前方車両発見処理を終了する。
図3および図4は第1の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。図3において、時刻t[s]でカメラ3の撮像画像を入力し、自車線中央を手前(Loop=0)から自車前方へ等間隔((6)式のKy[m])に画像処理領域の設定地点を設定し、図4に示すように手前の領域の面積を最大にして自車前方になるほど面積が小さくなるように画像処理領域を設定する。同様に、時刻(t+0.05)[s]においてカメラ3の撮像画像を入力し、自車線右側を手前から自車前方へ等間隔に、自車前方になるほど小さい面積の画像処理領域を設定する。さらに、時刻(t+0.1)[s]においてカメラ3の撮像画像を入力し、自車線左側を手前から自車前方へ等間隔に、自車前方になるほど小さい面積の画像処理領域を設定する。
このように第1の実施の形態によれば、高性能な車両検知が単眼カメラで可能になる。すなわち、画像処理領域を非常に小さくして悪天候にも頑強な車両検知を可能にした。また、小さい画像処理領域であるが走行路に沿って高速に走査でき、CPUの演算負荷を抑制することができる。さらに、誤って背景を車両と誤認することなく、車両を確実に捕捉できる。
《発明の第2の実施の形態》
上述した第1の実施の形態では1枚の撮像画像に対しては自車の前後方向のみにスキャンニングし、撮像画像を更新しながら車幅方向にスキャンニングする例を示したが、演算負荷に余裕のある高速CPUを用いる場合には、1枚の撮像画像に対して自車の前後方向のスキャンニングと車幅方向のスキャンニングとを同時に行うことができる。なお、この第2の実施の形態の構成は図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、説明を省略する。
図5は第2の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第2の実施の形態の動作を説明する。外界認識装置5は所定時間(この第2の実施の形態では50msec)ごとにこの車両検出処理を実行する。
ステップ301〜303の処理は上述した図2に示すステップ201〜203の処理と同様であり、説明を省略する。ステップ304の処理は図2に示すステップ205の処理と同様であり(自車前後方向のスキャンニング)、説明を省略する。ステップ305の処理は図2に示すステップ204の処理と同様であり(自車の車幅方向のスキャンニング)、説明を省略する。ステップ306〜307の処理は図2に示すステップ206〜207の処理と同様であり、説明を省略する。
ステップ308において、ステップ306と307で設定した画像処理領域に対して特徴抽出のためのエッジ検出処理を、例えば以下の(a)から(d’)の手順で行う。(a)設定した画像処理領域について、Sobelフィルター演算(隣接する画素間での濃淡変化を微分演算により求める演算手法であって、画像上における道路と車両の境界のように濃淡変化が大きい部分だけを集めることが可能な画像処理手法)などにより、エッジ画像を求める。(b)上記(a)で求めたエッジ画像の濃淡値の平均値と分散値からしきい値を設定し、エッジ画像を2値化する。つまり、エッジ画像について、しきい値を超える領域とそうでない領域とに分類することによって、明確なエッジ部分とエッジでない部分の2つに分類する。
(c’)明確なエッジとして分類されたエッジの中から、地平線に相当するような水平方向に長いエッジではなく、鉛直方向に長いエッジのみを集め、それらの内から次式の条件を満足するものだけに限定して集合VerEdgeとする。
vEdgeLength_S=(focusV・pHs)/obj_Y ・・・(27),
vEdgeLength_T=(focusV・pHt)/obj_Y ・・・(28),
vEdgeLength_S<VerEdge_Height<vEdgeLength_T ・・・(29)
ここで、pHsとpHtはそれぞれ特徴量として導出したいエッジの長さ[m]であり、例えばpHs=0.3m、pHt=1.0mとする。そして、VerEdge_HeightとはVerEdgeの集合におけるエッジの長さを意味する集合である。
(d’)同様に、明確なエッジとして分類されたエッジの中から、水平方向に長いエッジのみを集め、それらの内から次式の条件を満足するものだけに限定して集合HoriEdgeとする。
hEdgeLength_n=(focusH・pW1)/obj_Y ・・・(30),
hEdgeLength_w=(focusH・pW2)/obj_Y ・・・(31),
hEdgeLength_n<HoriEdge_Length<hEdgeLength_w ・・・(32)
ここで、pW1とpW2はそれぞれ特徴量として導出したいエッジの長さ[m]であり、例えばpW1=0.4m、pW2=2.5mとする。そして、HoriEdge_LengthとはHoriEdgeの集合におけるエッジの長さを意味する集合である。
ステップ309〜310の処理は図2に示すステップ209〜210の処理と同様であり、説明を省略する。ステップ311では次式の条件を満足する場合には車幅(左右)方向のスキャンニングを続けるため、ステップ305へ進む。
if(MalfunScan<2)goto[step305] ・・・(33)
ステップ312の処理は図2に示すステップ211の処理(縦方向スキャンニングの後処理)と同様であり、説明を省略する。また、ステップ313〜314の処理は図2に示すステップ212〜213の処理と同様であり、説明を省略する。
図6は第2の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。時刻t[s]でカメラ3の撮像画像を入力し、自車に近い側の左側から中央、右側の順に車幅方向にスキャンニングした後、所定間隔((6)式のKy[m])だけ自車から遠い前方へ移動し、その位置で車幅方向にスキャンニングする。この動作を繰り返し、自車の車幅方向と前後方向にスキャンニングする。なお、図4に示すように、自車前後方向の手前の領域の面積を最大にして自車前方になるほど面積が小さくなるように画像処理領域を設定する。同様に、時刻(t+0.05)[s]においてカメラ3の撮像画像を入力し、自車の車幅方向と前後方向にスキャンニングする。さらに、時刻(t+0.1)[s]においてカメラ3の撮像画像を入力し、自車の車幅方向と前後方向にスキャンニングする。
このように第2の実施の形態によれば、高性能な車両検知が単眼カメラで可能になる。すなわち、高速のCPUを用いて1枚の撮像画像の中を前後左右に一気にスキャンニングするため、前方車両を発見するまでの時間が短縮できること、および、特徴量として導出するエッジの長さを自車からの距離に応じて規定するため、遠近ともに適切な長さのエッジを車両の特徴として導出でき、不検出や誤検出の頻度を低減できる。
《発明の第3の実施の形態》
上述した第1および第2の実施の形態では自車の前後方向のスキャンニングは等間隔で行い、車幅方向のスキャンニングは一方向で行うものであるが、この第3の実施の形態では、前後方向のスキャンニング間隔を自車速に応じて変え、車幅方向のスキャンニングを左右両方から行う。なお、この第3の実施の形態の構成は図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、説明を省略する。
図7は第3の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第3の実施の形態の動作を説明する。外界認識装置5は所定時間(この第1の実施の形態では50msec)ごとにこの車両検出処理を実行する。
ステップ401〜403の処理は、図2に示すステップ201〜203の処理と同様であり、説明を省略する。ステップ404の処理は図2に示すステップ204の処理と同様であるが、(3)式の代わりに以下に示す(3’)式を用いる。
if(MalfunScan>3)MalfunScan=0 ・・・(3’)
ステップ405の処理は図2に示すステップ205の処理と同様であり、説明を省略する。
ステップ406の処理は図2に示すステップ206の処理と同様であるが、(6)、(7)式の代わりに次に示す(34)、(35)式を用いる。
obj_Y=func1(Vsp,Loop)+InitDist ・・・(34),
LateralSlide=func2(MalScanDir) ・・・(35)
ここで、func1、func2はそれぞれ図9、図10に示すような特性を有する関数である。図9において、自車速Vspが高くなるほどfunc1が大きくなり、かつまた、Loopが大きくなるほど、つまり自車から遠い前方になるほどfunc1が大きくなる。したがって、自車の前後方向のスキャンニング間隔は、自車速Vspが高くなるほど広くなり、また、自車から遠い前方になるほど広くなる。
ステップ407〜408の処理は図5に示すステップ307〜308の処理と同様であり、説明を省略する。ステップ409〜413の処理は図2に示すステップ209〜213の処理と同様であり、説明を省略する。
図8は第3の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。時刻t[s]でカメラ3の撮像画像を入力し、自車線中央を手前(Loop=0)から自車前方へ自車速に応じた間隔で画像処理領域の設定地点を設定し、図4に示すように手前の領域の面積を最大にして自車前方になるほど面積が小さくなるように画像処理領域を設定する。次に、時刻(t+0.05)[s]においてカメラ3の撮像画像を入力し、自車線右側を手前から自車前方へ自車速に応じた間隔で、自車前方になるほど小さい面積の画像処理領域を設定する。さらに、時刻(t+0.1)[s]においてカメラ3の撮像画像を入力し、ふたたび自車線中央を手前から自車前方へ自車速に応じた間隔で、自車前方になるほど小さい面積の画像処理領域を設定する。続く時刻(t+0.15)[s]においてカメラ3の撮像画像を入力し、自車線左側を手前から自車前方へ自車速に応じた間隔で、自車前方になるほど小さい面積の画像処理領域を設定する。また、時刻(t+0.2)[s]でカメラ3の撮像画像を入力し、ふたたび自車線中央を手前から自車前方へ自車速に応じた間隔でに、自車前方になるほど小さい面積の画像処理領域を設定する。さらに、時刻(t+0.25)[s]でカメラ3の撮像画像を入力し、自車線右側を手前から自車前方へ自車速に応じた間隔で、自車前方になるほど小さい面積の画像処理領域を設定する。
このように第3の実施の形態によれば、高性能な車両検知が単眼カメラで可能になる。すなわち、自車の前後方向のスキャンニングにおいて、自車速が高くなるほど間隔を広くするとともに、自車から遠い前方になるほど間隔を広くするようにしたので、カメラ画像上の遠近感に応じたスキャンニング間隔とすることができ、画像上のしきい値変化を均等化できる。
また、車幅方向のスキャンニングを左右両方向から行うようにし、自車線中央におけるスキャンニング回数を多くした。一般に、白線が見えにくい悪天候時には車線の中央を走行する傾向が高く、前車が自車の正面に存在するケースが多い。そのため、車線中央における自車前後方向のスキャンニングの回数を多くすることによって、車両を検知するまでの時間を短縮できる。
《発明の第4の実施の形態》
上述した第1から第3の実施の形態では自車前後方向のスキャンニングにおける画像処理領域の設定地点の数を一定(6カ所)とする例を示したが、これを可変とする第4の実施の形態を説明する。なお、この第4の実施の形態の構成は図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、説明を省略する。
図11は第4の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第4の実施の形態の動作を説明する。外界認識装置5は所定時間(この第1の実施の形態では50msec)ごとにこの車両検出処理を実行する。
ステップ501の処理は図2に示すステップ201の処理と同様であるが、この第4の実施の形態ではさらに次の処理を加える。すなわち、画像処理負荷が低い場合にのみ、車幅(左右)方向のスキャンニングにおける画像処理領域の設定地点の個数を増加するフラグExcepWideCntをゼロクリアする。ステップ502〜504の処理は図2に示すステップ202〜204の処理と同様であり、説明を省略する。
ステップ505の処理は図2に示すステップ205の処理と同様であるが、(5)式に変えて次の(36)式を用いる。
if(Loop>5)Loop=max(0,(ConstSR−InitDist)/Ky ・・・(36)
ここで、max(A、B)とはAとBを比較して大きい方の値を選択する関数である。また、ConstSRとは最も至近距離に画像処理領域を設定する際の距離[m]である。例えばConstSR=10[m]とし、自車が停止中の場合ではVsp=0[m/s]のため、InitDist=0[m]となる。このため、自車前後方向のスキャンニング間隔をKy=5[m]とすると、(36)式はLoop=2となり、前後方向のスキャンニング1回あたり、Loop∈[2,5]のため、画像処理領域の設定地点数は6から4に減少する。
ステップ506〜507の処理は図2に示すステップ206〜207の処理と同様であり、説明を省略する。ステップ508の処理は図5に示すステップ308の処理と同様であり、説明を省略する。また、ステップ509〜510の処理は図2に示すステップ209〜210の処理と同様であり、説明を省略する。
ステップ511では次の条件を満足する場合に車幅(左右)方向のスキャンニングにおける画像処理領域の設定地点数を増加させる。
if(obj_Y>ConstLR){ ・・・(37)
if(ExcepWideCnt=0){ ・・・(38)
ExcepWideCnt=1 ・・・(39)
LateralSlide=Kx・(MalScanDir−1)−Kx/2 ・・・(40)
If(Row>0)obj_X=Row−√(Row−obj_Y)+LaterlSlide+CamInsOfs
・・・(8)
else obj_X=Row+√(Row−obj_Y)+LateralSlide+CamInsOfs
・・・(9)
goto[step507]

if(ExcepWideCnt=1){ ・・・(41)
ExcepWideCnt=2 ・・・(42)
LateralSlide=Kx・(MalScanDir−1)+Kx/2 ・・・(43)
if(Row>0)obj_X=Row−√(Row−obj_Y)+LateralSlide+CamInsOfs
・・・(8)
els obj_X=Row+√(Row−obj_Y)+LateralSlide+CamInsOfs
・・・(9)
goto[step507]


ここで、ConstLRとは画像処理領域の面積が所定値以下となる距離[m]を表している。画像処理の演算負荷が低いものと判断される場合には、通常の車幅(左右)方向のスキャンニング位置から半ステップほどの間隔を空けた地点に画像処理領域を設定することを意味している。
ステップ512〜514の処理は図2に示すステップ211〜213の処理と同様であり、説明を省略する。
図12は第4の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。時刻t1では通常走行が行われており、自車前後方向のスキャンニングでは6カ所の地点で広い面積の画像処理領域を設定する。次に、時刻t2で高速走行になると、自車前後方向のスキャンニングでは車速に応じて設定地点の間隔を広くするとともに、画像処理領域の面積を小さくする。さらに、画像処理領域の面積が小さいので、自車から遠方の車幅方向のスキャンニングでは画像処理領域の設定地点数を増加する。また、時刻t3で低速走行になった場合は、画像処理領域の面積を大きくして自車前後方向の画像処理領域の設定地点数を低減する。
このように第4の実施の形態によれば、画像処理領域の面積が大きい場合は、自車前後方向のスキャンニングにおける画像処理領域の設定地点数を低減するようにした。つまり、自車速が低い場合は大きな面積の画像処理領域を設定するので、自車前後方向の長い範囲でスキャンニングしても意味がなく、したがって、画像処理領域の設定地点数を低減することによって、演算負荷を軽減することができる。
また、高速走行時などで自車前後方向における画像処理領域の面積が小さい場合は、車幅方向の画像処理領域の設定地点数を増加するようにしたので、演算負荷の増加にならない範囲で探索領域の個数増加による車両検知の応答性を向上させることができる。
《発明の第5の実施の形態》
上述した第1の実施の形態では画像処理領域の設定地点までの距離に基づいて車両検出のためのしきい値を決定する例を示したが、画像処理領域で検出した特徴量の座標に基づいて車両検出のためのしきい値を決定する第5の実施の形態を説明する。なお、この第5の実施の形態の構成は図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、説明を省略する。
図13は第5の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第5の実施の形態の動作を説明する。外界認識装置5は所定時間(この第1の実施の形態では50msec)ごとにこの車両検出処理を実行する。ステップ601〜607の処理は図2に示すステップ201〜207の処理と同様であり、説明を省略する。また、ステップ608の処理は図5に示すステップ308の処理と同様であり、説明を省略する。
ステップ609において、ステップ608で導出した特徴量に基づいて次の(h)から(k)の手順により前方車両として検出するか否かの判断を行う。(h)ステップ606で求めた画像処理領域の設定地点obj_Yを次式により高精度化する。
if(HoriEdge_Nunb>0){
obj_Y=focusV・CAM_h/(HoriEdge_Row[max_row]−yo) ・・・(44)

ここで、HoriEdge_Rowはステップ608で導出した水平方向エッジにおける鉛直方向の座標の集合であり、max_rowはこの中で最も画面下側に位置する鉛直座標のインデックス番号である。これにより、U字型のエッジとなる。また、HoriEdge_Nunbとは水平エッジの個数であり、もし水平エッジが存在しない場合にはobj_Yの値は(6)式で設定されたままの値である。
(i)上記(h)で求めたobj_Yを用いて次式により検知したい車両の間隔obj_Wf(最も広い限界値)、obj_Wn(最も狭い限界値)を画素数に換算して求める。
obj_Wn=(focusH・pWn)/obj_Y ・・・(14),
obj_Wf=(focusH・pWf)/obj_Y ・・・(15)
(j)鉛直エッジ群VertEdgeの中から上記(i)で定めた範囲に入る鉛直エッジの対(ペア)を求め、この画像上の座標の集合をCarCanEdge_Left(ペアの左側に相当する鉛直方向エッジの水平座標)とCarCanEdge_Right(ペアの右側に相当する鉛直方向エッジの水平座標)とする。これを数式化すると次式になる。
BodySpace=CarCanEdge_Right[i]−CarCanEdge_Left[i] ・・・(16),
obj_Wh<BodySpace<obj_Wf ・・・(17)
(k)水平エッジ群HoriEdgeの中から上記(j)で求めたすべてのエッジペアに対して、その中間に存在する水平エッジと鉛直エッジペアの組み合わせを見つけ、これを満足するエッジの組み合わせをそれぞれCarEdge_L(車両として検知する領域の左側座標)、CarEdge_R(車両として検知する領域の右側座標)、CarEdge_B(車両として検知する領域の下側座標)とする。これを数式化すると次式になる。
if(CarCanEdge_Left[i]<HoriEdge_x[j]<CarCanEdge_Right[i]{
・・・(18),
CarEdge_L[k]=CarCanEdge_Left[i] ・・・(19),
CarEdge_R[k]=CarCanEdge_Right[i] ・・・(20),
CarEdge_B[k]=HoriEdge_x[j] ・・・(21),
k=k+1 ・・・(22),
ステップ610〜613の処理は図2に示すステップ210〜213の処理と同様であり、説明を省略する。
この第5の実施の形態によれば高性能な車両検知が単眼カメラで可能となる。すなわち、車両を検出できたか否かを判断する際には、画像処理領域から導出した特徴量の座標に基づいて車両検出のためのしきい値を決定するようにしたので、背景や路上ペイントなどを誤検出する頻度を低減できる
《発明の第6の実施の形態》
上述した第5の実施の形態では画像処理領域から導出した特徴量の座標に基づいて物体検出のためのしきい値を決定する例を示したが、特徴量の長さに基づいて物体検出のためのしきい値を決定する第6の実施の形態を説明する。なお、この第6の実施の形態の構成は図1に示す第1の実施の形態の構成と同様であり、説明を省略する。
図14は第6の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。このフローチャートにより、第6の実施の形態の動作を説明する。外界認識装置5は所定時間(この第1の実施の形態では50msec)ごとにこの車両検出処理を実行する。ステップ701〜708の処理は図13に示すステップ601〜608の処理と同様であり、説明を省略する。
ステップ709において、ステップ708で導出した特徴量から前方車両として検出するか否かの判断を次の(l)〜(o)の手順で行う。(l)ステップ706で求めた画像処理領域の設定地点obj_Yを次式により算出し直す。
if(HoriEdge_Numb>0){
obj_Y=1.7・focusV/HoriEdge_Length[max_length] ・・・(45)

ここで、HoriEdge_Lengthはステップ708で導出した水平方向エッジにおけるエッジ長さの集合であり、max_lengthはこの中で最も長いエッジのインデックス番号である。また、数値1.7は日本の一般的な車両の車幅を表す数値である。
(m)上記(l)で求めたobj_Yを用いて次式により検知したい車両の間隔obj_Wf(最も広い限界値)、obj_Wn(最も狭い限界値)を画素数に換算して求める。
obj_Wn=(focusH・pWn)/obj_Y ・・・(14),
obj_Wf=(focusH・pWf)/obj_Y ・・・(15)
(n)鉛直エッジ群VertEdgeの中から上記(m)で定めた範囲に入る鉛直方向エッジの対(ペア)を求め、この画像上の座標の集合をCarCanEdge_Left(ペアの左側に相当する鉛直方向エッジの水平座標)とCarCanEdge_Right(ペアの右側に相当する鉛直方向エッジの水平座標)とする。これを数式化すると次式になる。
BodySpace=CarCanEdge_Right[i]−CarCanEdge_Left[i] ・・・(16),
obj_Wh<BodySpace<obj_Wf ・・・(17)
(o)水平エッジ群HoriEdgeの中から上記(n)で求めたすべてのエッジペアに対して、その中間に存在する水平エッジと鉛直エッジペアの組み合わせを見つけ、これを満足するエッジの組み合わせをそれぞれCarEdge_L(車両として検知する領域の左側座標)、CarEdge_R(車両として検知する領域の右側座標)、CarEdge_B(車両として検知する領域の下側座標)とする。これを数式化すると次式になる。
if(CarCanEdge_Left[i]<HoriEdge_x[j]<CarCanEdge_Right[i]{
・・・(18),
CarEdge_L[k]=CarCanEdge_Left[i] ・・・(19),
CarEdge_R[k]=CarCanEdge_Right[i] ・・・(20),
CarEdge_B[k]=HoriEdge_x[j] ・・・(21),
k=k+1 ・・・(22),
ステップ710〜713の処理は図13に示すステップ610〜613の処理と同様であり、説明を省略する。
この第6の実施の形態によれば高性能な車両検知が単眼カメラで可能となる。すなわち、車両を検知できたか否かを判断する際に、画像処理領域から導出した特徴量の長さに基づいて車両検知のためのしきい値を決定するようにしたので、背景や路上ペイントなどを誤検出する頻度を低減することができる。
このように一実施の形態によれば、自車の前方を撮像した画像の一部に画像処理領域を設定し、設定した画像処理領域から画像の特徴を導出するとともに、導出した特徴に基づいて車両の存在を判定する車両用画像処理装置において、撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域を設定し、自車に近い位置から遠い位置へ行くにしたがって画像処理領域を狭くするようにした。
撮像画像の中の自車に近い位置では先行車は大きく写し込まれ、自車から遠い位置になるにほど先行車は小さく写し込まれている。したがって、撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域を設定し、自車に近い位置から遠い位置へ行くにしたがって画像処理領域を狭くすることによって、先行車以外の物体を捕捉する確立が少なくなり、面積の小さい画像処理領域を設定して悪天候時における車両検知性能を向上させながら、撮像画像の中の広い範囲に多くの画像処理領域を設定して早く、確実に車両を検出できる。
また、一実施の形態によれば自車の進路を予測し、予測した自車進路に沿って画像処理領域を設定するようにしたので、曲線路を走行中であっても先行車を早く、確実に検出できる。
一実施の形態によれば撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域が設定されるたびに、設定された画像処理領域において画像の特徴を導出するとともに、画像の特徴に基づいて車両の存在を判定し、車両の存在が判定されたら一連の画像処理を終了するようにした。
通常、先行車追従走行制御装置や車間距離制御装置においては、自車線上の自車に最も近い先行車のみを検出すればよいから、それらのアプリケーションに適用することによってCPUの演算負荷を軽減しながら、先行車を早く、確実に検出することができる。
また、一実施の形態によれば、撮像画像上の自車の車幅方向の複数の位置において、撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域を設定し、自車に近い位置から遠い位置へ行くにしたがって画像処理領域を狭くしたので、悪天候時の車両検知の確立を高めるために画像処理領域を小さくしても、自車の正面から横へずれた位置を走行する先行車を確実に検出することができる。
さらに、撮像画像上の自車の正面における画像処理領域の設定回数を、自車の左右の位置における画像処理領域の設定回数よりも多くすることによって、自車の正面に存在する確立が高い先行車をより早く検出することができる。
一実施の形態によれば小さな面積の画像処理領域を設定する場合には、自車の車幅方向に多くの画像処理領域を設定するようにしたので、演算負荷を増加させずに、車両探索領域の数を増やすことができ、早く車両を検出できる確立が高くなる。
一実施の形態によれば大きな面積の画像処理領域を設定する場合には、自車の前後方向の画像処理領域の設定数を少なくするようにした。車速が低い場合には大きな面積の画像処理領域を設定するが、車速が低い場合には自車から遠方まで画像処理領域を数多く設定しても意味がない。したがって、この場合は自車前後方向の画像処理領域の設定数を少なくすることによって、CPUの演算負荷を軽減することができる。
一実施の形態によれば自車から所定距離の地点に相当する撮像画像上の位置に画像処理領域を設定するようにしたので、画像処理領域で検出される車両までの距離を正確に把握できる。
一実施の形態によれば自車からの距離が遠くなるほど撮像画像上の画像処理領域の設定位置間隔を広くするようにしたので、自車の前後方向における画像処理領域の設定位置を撮像画像上の遠近感に応じた間隔にすることができる。また、各画像処理領域における車両検出のしきい値を均等化することができる。
一実施の形態によれば撮像画像上の画像処理領域の設定地点を自車からの距離に換算し、自車からの換算距離に基づいて画像の特徴から車両の存在を判定するためのしきい値を設定するようにしたので、撮像画像上の画像処理領域の設定地点における車両判定しきい値を正しく設定することができ、単眼カメラ単独で前方車両を検出する際の誤検出と不検出の頻度を低減することができる。
一実施の形態によれば画像処理領域から導出した特徴の位置座標に基づいて車両の存在を判定するためのしきい値を設定するようにしたので、背景や路上ペイントなどを車両と誤検出する頻度を低減できる。また、一実施の形態によれば画像処理領域から導出した特徴の長さに基づいて車両の存在を判定するためのしきい値を設定するようにしたので、背景や路上ペイントなどを車両と誤検出する頻度を低減できる。
なお、自車の車幅方向の大きさが車両2台分以下の画像処理領域とし、自車の車幅方向の大きさが前後方向の大きさよりも大きい画像処理領域を設定する。これにより、しきい値の適正化が可能となり、悪天候時でも先行車検出が頑強に実施できる。また、上空に存在する看板や陸橋などの背景を画像処理領域から排除でき、それらを車両と誤検出する頻度を低減できる。
特許請求の範囲の構成要素と一実施の形態の構成要素との対応関係は次の通りである。すなわち、カメラ3が撮像手段を、外界認識装置5が領域設定手段、特徴導出手段、車両判定手段および進路予測手段をそれぞれ構成する。なお、本発明の特徴的な機能を損なわない限り、各構成要素は上記構成に限定されるものではない。
第1の実施の形態の構成を示す図である。 第1の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。 第1の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。 第1の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。 第2の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。 第2の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。 第3の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。 第3の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。 関数func1の特性を示す図である。 関数func2の特性を示す図である。 第4の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。 第4の実施の形態による画像処理領域の設定の様子を示す図である。 第5の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。 第6の実施の形態の車両検出処理を示すフローチャートである。
符号の説明
3 CCDカメラ
4 画像処理装置
5 外界認識装置
6 車速検出装置
7 操舵角検出装置

Claims (14)

  1. 自車の前方を撮像する撮像手段と、
    前記撮像手段による撮像画像の一部に画像処理領域を設定する領域設定手段と、
    前記領域設定手段により設定した画像処理領域から画像の特徴を導出する特徴導出手段と、
    前記特徴導出手段により導出した特徴に基づいて車両の存在を判定する車両判定手段とを備えた車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、前記撮像手段による撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域を設定し、自車に近い位置から遠い位置へ行くにしたがって画像処理領域を狭くすることを特徴とする車両用画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の車両用画像処理装置において、
    自車の進路を予測する進路予測手段を備え、
    前記領域設定手段は、前記進路予測手段で予測された自車進路に沿って画像処理領域を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段によって撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域が設定されるたびに、設定された画像処理領域において前記特徴導出手段により特徴を導出するとともに前記車両判定手段により車両の存在を判定し、車両の存在が判定されたら前記領域設定手段、前記特徴導出手段および前記車両判定手段による画像処理を終了することを特徴とする車両用画像処理装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、撮像画像上の自車の車幅方向の複数の位置において、撮像画像の中の自車に近い位置から遠い位置へ順に画像処理領域を設定し、自車に近い位置から遠い位置へ行くにしたがって画像処理領域を狭くすることを特徴とする車両用画像処理装置。
  5. 請求項4に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、撮像画像上の自車の正面における画像処理領域の設定回数を、自車の左右の位置における画像処理領域の設定回数よりも多くすることを特徴とする車両用画像処理装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、小さな面積の画像処理領域を設定する場合には、自車の車幅方向に多くの画像処理領域を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、大きな面積の画像処理領域を設定する場合には、自車の前後方向の画像処理領域の設定数を少なくすることを特徴とする車両用画像処理装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、自車から所定距離の地点に相当する撮像画像上の位置に画像処理領域を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
  9. 請求項1〜8のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、自車からの距離が遠くなるほど撮像画像上の画像処理領域の設定位置間隔を広くすることを特徴とする車両用画像処理装置。
  10. 請求項8または請求項9に記載の車両用画像処理装置において、
    前記車両判定手段は、撮像画像上の画像処理領域の設定地点を自車からの距離に換算し、自車からの換算距離に基づいて画像の特徴から車両の存在を判定するためのしきい値を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
  11. 請求項1〜10のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記車両判定手段は、前記特徴導出手段で導出した特徴の位置座標に基づいて車両の存在を判定するためのしきい値を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
  12. 請求項1〜10のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記車両判定手段は、前記特徴導出手段で導出した特徴の長さに基づいて車両の存在を判定するためのしきい値を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
  13. 請求項1〜12のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、自車の車幅方向の大きさが車両2台分以下の画像処理領域を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
  14. 請求項1〜13のいずれか1の請求項に記載の車両用画像処理装置において、
    前記領域設定手段は、自車の車幅方向の大きさが前後方向の大きさよりも大きい画像処理領域を設定することを特徴とする車両用画像処理装置。
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