JP2006017286A - バランサ機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バランサ機構2は、エンジン1のクランクシャフト11の回転を受けて従動回転するバランスシャフト21を有している。バランスシャフト21は、シャフト部3と、シャフト部3に対して、その径方向Dにスライド可能に配設されたバランスウェイト4と、バランスウェイト4をシャフト部3の方向へ付勢する付勢手段5とを有している。バランスウェイト4は、シャフト部3の回転に伴って生ずる遠心力により、付勢手段5による付勢力に抗して、径方向Dにおける外方へスライドするよう構成されている。
【選択図】図1
Description
上記バランスシャフトは、シャフト部と、該シャフト部に対して、その径方向にスライド可能に配設されたバランスウェイトと、該バランスウェイトを上記シャフト部の方向へ付勢する付勢手段とを有しており、
上記バランスウェイトは、上記バランスシャフトの回転に伴って生ずる遠心力により、上記付勢手段による付勢力に抗して、上記径方向における外方へスライドするよう構成されていることを特徴とするバランサ機構にある(請求項1)。
すなわち、上記バランサ機構は、上記シャフト部、バランスウェイト及び付勢手段を備えた簡単な構成のバランスシャフトを有している。
そのため、エンジンの回転数の増加により、ピストン等の往復運動による慣性力等が増加する一方、これを打ち消すように、バランスシャフトによるバランス力も増加させることができる。
本発明において、上記バランスウェイトのスライド量は、エンジンの回転数に比例して変化させることができる。また、バランスウェイトのスライド量は、エンジンの回転数が2000〜4000rpm(中回転数)未満であるときに遠心力の増加に伴って変化させ、これ以上であるときには、最大量に固定することもできる。そして、この場合には、上記付勢手段の付勢力は、エンジンの回転数が上記中回転数になったときに、バランスウェイトのスライド量が最大量になる大きさとして設定することができる。
また、上記バランスシャフトは、上記クランクシャフトに配設されたクランク伝動車と、当該バランスシャフトに配設されたドリブン伝動車とを係合させることによって、上記クランクシャフトの回転に応じて従動回転させることができる。
また、上記ドリブン伝動車の直径は、上記クランク伝動車の直径の半分とすることもでき、この場合には、クランク伝動車が1回転する毎にドリブン伝動車を2回転させて、クランクシャフトの回転に従動してバランスシャフトを回転させることができる。
また、これ以外にも、例えばクランク伝動車とドリブン伝動車とは、それぞれスプロケットにより構成し、チェーンを介して動力を伝達することもできる。
また、バランスウェイトのスライド動作は、カバー部材によってガイドすることもでき、このスライド動作を一層安定させることができる。
(実施例1)
本例のバランサ機構2は、図1〜図3に示すごとく、エンジン(レシプロエンジン)1のクランクシャフト11の回転を受けて従動回転するバランスシャフト21を有しており、エンジン1の回転数の変化に応じて、適切にバランスシャフト21によるバランス力を変化させることができるものである。
以下に、これを詳説する。
また、間隙60は、バランスウェイト4がスライドする径方向Dにおいて形成されており、バランスウェイト4は、間隙60を利用してスライドすることができる。
そして、バランスウェイト4は、ガイドピン7及びガイド内壁面422によってガイドされて、シャフト部3の径方向Dにスライドするよう構成されていると共に、ガイドピン7によって、シャフト部3の周方向には回転できないよう構成されている。
すなわち、シャフト部3の外周には、ガイド突起33が形成されており、バランスウェイト4のスライド用長穴42のガイド内壁面422には、ガイド突起33を摺動可能に配置するガイド溝423が形成されている。また、カバー部材6の内周面には、バランスウェイト4の径方向Dへのスライドをガイドするガイド面61が形成されている。また、ガイド突起33及びガイド溝423と、ガイド面61とはそれぞれ一対に形成されている。
そして、バランスシャフト21は、ガイド突起33とガイド溝423との係合、及びガイド面61によっても、上記径方向Dへのスライドがガイドされている。
なお、バランスウェイト4は、上記初期状態において、その重心がシャフト部3の軸中心にほぼ一致する形状に形成することもできる。
また、バランスシャフト21は、上記スライド用長穴42とは反対側に、上記バランス力を発生させるためのバランス力発生方向Pが位置する。
すなわち、本例では、図2に示すごとく、バランスウェイト4は、4気筒の両端に位置する第1、第4ピストン13A、Dが上死点131にあり、残りの第2、第3ピストン13B、Cが下死点132にあるときに、各ピストン13から最も離れる位置にバランス力発生方向Pが位置する。
一方、図8に示すごとく、バランスウェイト4は、第1〜第4ピストン13A〜Dが上死点131と下死点132との中間位置133にあるときに、各ピストン13に最も近づく位置にバランス力発生方向Pが位置する。
こうして、各ピストン13及びコンロッド14の往復運動により発生する慣性力及び慣性偶力等の作用方向とは逆方向に上記バランスウェイト4によるバランス力(慣性力)を作用させて、エンジン1の振動や騒音の発生を低減させることができる。
そして、バランスシャフト21のシャフト部3には、従動バランスシャフト210を従動回転させるためのバランスギヤ(バランス伝動車)32が配設されている。また、従動バランスシャフト210には、バランスギヤ32に噛合(係合)する従動バランスギヤ(従動バランス伝動車)320が配設されている。また、バランスギヤ32と従動バランスギヤ320とは、それらの基準ピッチ円直径と歯数とがそれぞれ同じになっており、これらは、互いに逆方向に同じ回転数で回転する。
その他、従動バランスシャフト210の構造は、バランスシャフト21の構造と同様である。
そして、バランスシャフト21の回転に従動して従動バランスシャフト210が受動回転することにより、バランスシャフト21が横方向に発生させる慣性力と、従動バランスシャフト210が横方向に発生させる慣性力とをつり合わせることができ、バランスシャフト21の回転運動により発生する振動や騒音を低減させることができる。
また、図2、図3に示すごとく、バランスシャフト21及び従動バランスシャフト210は、軸受15によってエンジン1に回転可能に支持されている。
そのため、振動、騒音等の発生が少ないエンジン1の回転数が中回転数未満のときには、バランスウェイト4の偏心量をできるだけ小さくしておくことができ、バランスシャフト21を支える軸受15等における摩擦損失の発生を抑制することができる。
そして、エンジン1の運転を開始すると、クランクシャフト11の回転を受けてバランスシャフト21が従動回転する。このとき、エンジン1の回転数が増加するに伴って、バランスシャフト21の回転数も増加し、バランスウェイト4に生ずる遠心力も増加する。そして、バランスウェイト4は、遠心力の増加に応じて圧縮コイルバネ5をより多く弾性変形させ、上記シャフト部3の径方向Dにおける外方へのスライド量Sを増加させる。
そのため、エンジン1の回転数の増加により、ピストン13及びコンロッド14等の往復運動による慣性力及び慣性偶力が増加する一方、これらを打ち消すように、バランスシャフト21によるバランス力も増加させることができる。
これにより、エンジン1の回転数の減少に応じて、シャフト部3に対するバランスウェイト4の偏心量が減少し、バランスシャフト21によるバランス力を減少させることができる。
本例は、図9〜図12に示すごとく、上記カバー部材6を用いずに構成したバランスシャフト22を有するバランサ機構2を示す例である。
すなわち、図9、図10に示すごとく、本例のバランスウェイト4Aは、バランスウェイト4Aの上記径方向Dへのスライドをガイドするスライド用長穴42Aを有しており、このスライド用長穴42Aの開口部424Aには、この開口部424Aの両端に架け渡した架設部43Aが配設されている。
また、本例の付勢手段5Aとしての圧縮コイルバネ5Aは、ガイドピン7Aの外周に挿通されて、シャフト部3Aと架設部43Aとの間に挟持されている。
そして、バランスウェイト4Aは、バランスシャフト22の回転により生ずる遠心力によって、架設部43Aに連結されたガイドピン7Aがシャフト部3Aにおけるガイド用穴41A内を摺動して、シャフト部3Aに対して、その径方向Dにスライドすることができる。
なお、図11、図12に示すごとく、上記ガイドピン7Aは、シャフト部3Aに連結し、上記架設部43Aに上記ガイド用穴431Aを形成することもできる。この場合にも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
11 クランクシャフト
12 クランクギヤ
13 ピストン
2 バランサ機構
21 バランスシャフト
3 シャフト部
31 ドリブンギヤ
4 バランスウェイト
41 ガイド用穴
42 スライド用長穴
5 付勢手段(圧縮コイルバネ)
6 カバー部材
60 間隙
7 ガイドピン
D 径方向
S スライド量
Claims (3)
- エンジンのクランクシャフトの回転を受けて従動回転するバランスシャフトを有するバランサ機構であって、
上記バランスシャフトは、シャフト部と、該シャフト部に対して、その径方向にスライド可能に配設されたバランスウェイトと、該バランスウェイトを上記シャフト部の方向へ付勢する付勢手段とを有しており、
上記バランスウェイトは、上記バランスシャフトの回転に伴って生ずる遠心力により、上記付勢手段による付勢力に抗して、上記径方向における外方へスライドするよう構成されていることを特徴とするバランサ機構。 - 請求項1において、上記バランスウェイトの外周には、該バランスウェイトとの間に間隙を設けてカバー部材が配設されていると共に、該カバー部材は、上記バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするガイドピンを有しており、該ガイドピンは、上記シャフト部と上記カバー部材との間に連結されており、
また、上記バランスウェイトは、上記ガイドピンに挿通されるガイド用穴と、上記ガイドピンと共に当該バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするスライド用長穴とを有しており、
かつ上記付勢部材は、弾性変形可能な圧縮コイルバネであり、該圧縮コイルバネは、上記ガイドピンの外周に挿通されて、上記バランスウェイトと上記カバー部材との間に挟持されていることを特徴とするバランサ機構。 - 請求項1において、上記バランスウェイトは、該バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするスライド用長穴を有しており、該スライド用長穴の開口部には、該開口部の両端に架け渡した架設部が配設されており、
また、上記シャフト部は、上記架設部と上記バランスウェイトとの間において、上記径方向に向けて配設されたガイドピンに挿通されており、
かつ上記付勢部材は、弾性変形可能な圧縮コイルバネであり、該圧縮コイルバネは、上記ガイドピンの外周に挿通されて、上記シャフト部と上記架設部との間に挟持されていることを特徴とするバランサ機構。
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DE102012211049A1 (de) * | 2012-06-27 | 2014-01-16 | Magna Powertrain Ag & Co. Kg | Massenausgleichssystem mit variabler Unwuchtmasse |
CN108194197A (zh) * | 2018-03-08 | 2018-06-22 | 浙江中马园林机器股份有限公司 | 一种自带动平衡补偿机构的皮带轮以及四冲程发动机 |
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- 2004-07-05 JP JP2004198410A patent/JP4421958B2/ja not_active Expired - Fee Related
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