JP2006017286A - バランサ機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成により、エンジンの回転数の変化に応じて、適切にバランスシャフトによるバランス力を変化させることができ、エンジンの回転による振動や騒音等の発生を効果的に抑制することができるバランサ機構を提供すること。
【解決手段】バランサ機構2は、エンジン1のクランクシャフト11の回転を受けて従動回転するバランスシャフト21を有している。バランスシャフト21は、シャフト部3と、シャフト部3に対して、その径方向Dにスライド可能に配設されたバランスウェイト4と、バランスウェイト4をシャフト部3の方向へ付勢する付勢手段5とを有している。バランスウェイト4は、シャフト部3の回転に伴って生ずる遠心力により、付勢手段5による付勢力に抗して、径方向Dにおける外方へスライドするよう構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、エンジンのクランクシャフトの回転を受けてバランスシャフトを従動回転させ、ピストン等が往復運動を行うことによって発生する振動や騒音を低減させるバランサ機構に関する。
自動車等のエンジン(特にレシプロエンジン)においては、ピストン及びこれに連結されたコンロッド等の往復運動による慣性力等により、振動や騒音が発生する。この振動や騒音を低減するために、コンロッドとクランクシャフト(ドライブシャフト)とを連結するクランクアームにバランスウェイトを設けたり、また、バランスウェイトを有するバランスシャフトをクランクシャフトのクランクギヤ(ドライブギヤ)に係合させて従動回転させたりすることが行われている。
例えば、特許文献1においては、上記振動や騒音はエンジンの回転数が中回転数(例えば3000rpm)以上に高くなったときに大きく発生することに着目し、上記回転数が中回転数より低いときにはクラッチ機構によってバランスシャフトの回転駆動を切り離し(休止させ)、一方、上記回転数が中回転数以上になったときには上記クラッチ機構によってバランスシャフトの回転駆動を行っている。これにより、上記回転数が中回転数より低いときには、燃費及び出力トルクの向上を図り、上記回転数が中回転数以上のときには、バランスウェイトによるバランス力によりピストン等による慣性力等を打ち消して、振動や騒音の低減を図っている。
しかしながら、特許文献1においては、2枚の摩擦板をバランスシャフトの途中に設けることによって上記クラッチ機構を構成しており、2枚の摩擦板の入切を行うためにバランスシャフトの全体を軸方向に向けて移動させている。そのため、バランスシャフト自体をその軸方向に移動させる必要があり、バランスシャフト及びクラッチ機構等の構造が複雑になる。
また、上記振動や騒音の原因になるピストン等による慣性力等は、エンジンの回転数が増加するに応じて大きくなる。しかしながら、上記特許文献1においては、クラッチ機構によってバランスシャフトの切離及び連結を行っており、バランスシャフトによるバランス力を適切に変化させることはできない。そのため、バランスシャフトにより効果的に振動や騒音の発生を抑制するためには、バランスシャフトによるバランス力を適切に変化させる必要がある。
特開平10−280973号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、エンジンの回転数の変化に応じて、適切にバランスシャフトによるバランス力を変化させることができ、エンジンの回転による振動や騒音等の発生を効果的に抑制することができるバランサ機構を提供しようとするものである。
本発明は、エンジンのクランクシャフトの回転を受けて従動回転するバランスシャフトを有するバランサ機構であって、
上記バランスシャフトは、シャフト部と、該シャフト部に対して、その径方向にスライド可能に配設されたバランスウェイトと、該バランスウェイトを上記シャフト部の方向へ付勢する付勢手段とを有しており、
上記バランスウェイトは、上記バランスシャフトの回転に伴って生ずる遠心力により、上記付勢手段による付勢力に抗して、上記径方向における外方へスライドするよう構成されていることを特徴とするバランサ機構にある(請求項1)。
本発明のバランサ機構は、簡単な構成により、エンジンの回転数の変化に応じて、適切にバランスシャフトによるバランス力を変化させることができるものである。
すなわち、上記バランサ機構は、上記シャフト部、バランスウェイト及び付勢手段を備えた簡単な構成のバランスシャフトを有している。
そして、エンジンの運転を開始すると、クランクシャフトの回転を受けてバランスシャフトが従動回転する。このとき、エンジンの回転数が増加するに伴って、バランスシャフトの回転数も増加し、バランスウェイトに生ずる遠心力も増加する。そして、バランスウェイトは、遠心力の増加に応じて付勢手段をより多く弾性変形させ、上記シャフト部の径方向における外方へのスライド量を増加させる。
これにより、エンジンの回転数の増加に応じて、シャフト部に対するバランスウェイトの偏心量が増加し、バランスシャフトによるバランス力を増加させることができる。
そのため、エンジンの回転数の増加により、ピストン等の往復運動による慣性力等が増加する一方、これを打ち消すように、バランスシャフトによるバランス力も増加させることができる。
それ故、上記バランサ機構によれば、簡単な構成により、エンジンの回転数の変化に応じて、適切にバランスシャフトによるバランス力を変化させることができ、エンジンの回転による振動や騒音等の発生を効果的に抑制することができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記バランスウェイトのスライド量は、エンジンの回転数に比例して変化させることができる。また、バランスウェイトのスライド量は、エンジンの回転数が2000〜4000rpm(中回転数)未満であるときに遠心力の増加に伴って変化させ、これ以上であるときには、最大量に固定することもできる。そして、この場合には、上記付勢手段の付勢力は、エンジンの回転数が上記中回転数になったときに、バランスウェイトのスライド量が最大量になる大きさとして設定することができる。
また、上記バランスウェイトは、上記クランクシャフトに接続される複数のピストンが上死点又は下死点にあるときに、上記ピストンから離れる方向に上記バランスウェイトの偏心によるバランス力を作用させるよう構成することが好ましい。
また、上記バランスシャフトは、上記クランクシャフトに配設されたクランク伝動車と、当該バランスシャフトに配設されたドリブン伝動車とを係合させることによって、上記クランクシャフトの回転に応じて従動回転させることができる。
また、上記ドリブン伝動車の直径(基準ピッチ円直径)は、上記クランク伝動車の直径(基準ピッチ円直径)と同じにすることができ、この場合には、クランク伝動車が1回転する毎にドリブン伝動車を1回転させて、クランクシャフトの回転に従動してバランスシャフトを回転させることができる。
また、上記ドリブン伝動車の直径は、上記クランク伝動車の直径の半分とすることもでき、この場合には、クランク伝動車が1回転する毎にドリブン伝動車を2回転させて、クランクシャフトの回転に従動してバランスシャフトを回転させることができる。
また、上記クランク伝動車と上記ドリブン伝動車とは、それぞれ平歯車、はすば歯車又はやまば歯車等のギヤにより構成することができる。この場合には、クランク伝動車とドリブン伝動車とは、互いに噛合させて動力を伝達することができ、また、歯付ベルトを介して動力を伝達することもできる。
また、これ以外にも、例えばクランク伝動車とドリブン伝動車とは、それぞれスプロケットにより構成し、チェーンを介して動力を伝達することもできる。
また、上記バランスウェイトの外周には、該バランスウェイトとの間に間隙を設けてカバー部材が配設されていると共に、該カバー部材は、上記バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするガイドピンを有しており、該ガイドピンは、上記シャフト部と上記カバー部材との間に連結されており、また、上記バランスウェイトは、上記ガイドピンに挿通されるガイド用穴と、上記ガイドピンと共に当該バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするスライド用長穴とを有しており、かつ上記付勢部材は、弾性変形可能な圧縮コイルバネであり、該圧縮コイルバネは、上記ガイドピンの外周に挿通されて、上記バランスウェイトと上記カバー部材との間に挟持されていることが好ましい(請求項2)。
この場合には、バランスウェイトは、上記スライド用長穴及びガイドピンによって、シャフト部の径方向にガイドされた状態で、上記圧縮コイルバネによる付勢力に抗して上記径方向における外方に向けてスライドすることができる。そのため、バランスウェイトのスライド動作を安定させることができる。
また、バランスウェイトのスライド動作は、カバー部材によってガイドすることもでき、このスライド動作を一層安定させることができる。
また、上記バランスウェイトは、該バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするスライド用長穴を有しており、該スライド用長穴の開口部には、該開口部の両端に架け渡した架設部が配設されており、また、上記シャフト部は、上記架設部と上記バランスウェイトとの間において、上記径方向に向けて配設されたガイドピンに挿通されており、かつ上記付勢部材は、弾性変形可能な圧縮コイルバネであり、該圧縮コイルバネは、上記ガイドピンの外周に挿通されて、上記シャフト部と上記架設部との間に挟持されていることが好ましい(請求項3)。
この場合にも、バランスウェイトは、上記スライド用長穴及びガイドピンによって、シャフト部の径方向にガイドされた状態で、上記圧縮コイルバネによる付勢力に抗して上記径方向における外方に向けてスライドすることができる。そのため、バランスウェイトのスライド動作を安定させることができる。
以下に、本発明のバランサ機構にかかる実施例につき、図面と共に説明する。
(実施例1)
本例のバランサ機構2は、図1〜図3に示すごとく、エンジン(レシプロエンジン)1のクランクシャフト11の回転を受けて従動回転するバランスシャフト21を有しており、エンジン1の回転数の変化に応じて、適切にバランスシャフト21によるバランス力を変化させることができるものである。
上記バランスシャフト21は、図4〜図6に示すごとく、シャフト部3と、このシャフト部3に対して、シャフト部3の径方向Dにスライド可能に配設されたバランスウェイト4と、このバランスウェイト4をシャフト部3の方向へ付勢する付勢手段5とを有している。そして、バランスウェイト4は、シャフト部3の回転に伴って生ずる遠心力の増加に応じ、付勢手段5による付勢力に抗して、径方向Dにおける外方へのスライド量Sを増加させるよう構成されている。
以下に、これを詳説する。
図4〜図6に示すごとく、本例のバランスウェイト4の外周には、このバランスウェイト4との間に間隙60を設けてカバー部材6が配設されている。このカバー部材6は、バランスウェイト4の上記径方向Dへのスライドをガイドするガイドピン7を有しており、このガイドピン7は、シャフト部3とカバー部材6との間に連結されている。
また、間隙60は、バランスウェイト4がスライドする径方向Dにおいて形成されており、バランスウェイト4は、間隙60を利用してスライドすることができる。
また、バランスウェイト4は、ガイドピン7に挿通されるガイド用穴41と、上記シャフト部3に対して摺動して、ガイドピン7と共に当該バランスウェイト4の径方向Dへのスライドをガイドするスライド用長穴42とを有している。また、スライド用長穴42は、ガイドピン7の配設方向と同一方向に向けて形成されている。
また、スライド用長穴42は、シャフト部3の外周面に当接する当接内壁面421と、この当接内壁面421の両側に形成され、バランスウェイト4とシャフト部3とのスライドをガイドする一対のガイド内壁面422とを有している。
そして、バランスウェイト4は、ガイドピン7及びガイド内壁面422によってガイドされて、シャフト部3の径方向Dにスライドするよう構成されていると共に、ガイドピン7によって、シャフト部3の周方向には回転できないよう構成されている。
また、図4〜図6に示すごとく、本例のバランスウェイト4においては、上記径方向Dへのスライドのガイドがさらに円滑になされる工夫がなされている。
すなわち、シャフト部3の外周には、ガイド突起33が形成されており、バランスウェイト4のスライド用長穴42のガイド内壁面422には、ガイド突起33を摺動可能に配置するガイド溝423が形成されている。また、カバー部材6の内周面には、バランスウェイト4の径方向Dへのスライドをガイドするガイド面61が形成されている。また、ガイド突起33及びガイド溝423と、ガイド面61とはそれぞれ一対に形成されている。
そして、バランスシャフト21は、ガイド突起33とガイド溝423との係合、及びガイド面61によっても、上記径方向Dへのスライドがガイドされている。
また、本例の付勢手段5は、弾性変形可能な圧縮コイルバネ5である。この圧縮コイルバネ5は、ガイドピン7の外周に挿通されて、バランスウェイト4とカバー部材6との間に挟持されている。そして、バランスシャフト21が回転していない状態において、バランスウェイト4は、圧縮コイルバネ5によってシャフト部3の方向へ付勢されており、バランスウェイト4におけるスライド用長穴42の当接内壁面421と、シャフト部3の外周面とが当接している。
また、図4に示すごとく、バランスシャフト21が回転していない初期状態においては、バランスウェイト4の重心が、シャフト部3の軸中心に最も近づいており、シャフト部3に対するバランスウェイト4の偏心量(シャフト部3の軸中心からバランスウェイト4の重心までの距離)が最も小さくなっている。
なお、バランスウェイト4は、上記初期状態において、その重心がシャフト部3の軸中心にほぼ一致する形状に形成することもできる。
そして、図5に示すごとく、バランスウェイト4は、上記シャフト部3の径方向Dにおける外方へスライドすることによって、シャフト部3に対する偏心量を増加させ、エンジン1のピストン13及びコンロッド14等による慣性力及び慣性偶力等を打ち消すためのバランス力を増加させるよう構成されている。
また、バランスシャフト21は、上記スライド用長穴42とは反対側に、上記バランス力を発生させるためのバランス力発生方向Pが位置する。
図1、図2に示すごとく、本例のエンジン1は、直列4気筒エンジン1であり、2つのピストン13が上死点131に位置するときに、残りの2つのピストン13が下死点132に位置するよう構成されている。また、各ピストン13は、クランクシャフト11に配設されたクランクアーム111に、コンロッド14を介して接続されている。
また、クランクシャフト11には、クランクギヤ(クランク伝動車)12が配設されており、バランスシャフト21には、クランクギヤ12に噛合するドリブンギヤ(ドリブン伝動車)31が配設されている。本例のドリブンギヤ31の基準ピッチ円直径はクランクギヤ12の基準ピッチ円直径の半分となっており、ドリブンギヤ31の歯数はクランクギヤ12の歯数の半分となっている。そして、クランクギヤ12が1回転する毎にドリブンギヤ31は2回転する。
また、図2、図7に示すごとく、バランスウェイト4は、クランクシャフト11に接続される各ピストン13が上死点131又は下死点132にあるときに、ピストン13から離れる方向にバランス力を作用させるよう構成されている。
すなわち、本例では、図2に示すごとく、バランスウェイト4は、4気筒の両端に位置する第1、第4ピストン13A、Dが上死点131にあり、残りの第2、第3ピストン13B、Cが下死点132にあるときに、各ピストン13から最も離れる位置にバランス力発生方向Pが位置する。
また、図7に示すごとく、バランスウェイト4は、第1、第4ピストン13A、Dが下死点132にあり、第2、第3ピストン13B、Cが上死点131にあるときにも、各ピストン13から最も離れる位置にバランス力発生方向Pが位置する。
一方、図8に示すごとく、バランスウェイト4は、第1〜第4ピストン13A〜Dが上死点131と下死点132との中間位置133にあるときに、各ピストン13に最も近づく位置にバランス力発生方向Pが位置する。
こうして、各ピストン13及びコンロッド14の往復運動により発生する慣性力及び慣性偶力等の作用方向とは逆方向に上記バランスウェイト4によるバランス力(慣性力)を作用させて、エンジン1の振動や騒音の発生を低減させることができる。
また、本例のバランサ機構2は、図1、図3に示すごとく、バランスシャフト21自体による振動や騒音等の発生も抑制するために、バランスシャフト21の回転を受けて従動回転する従動バランスシャフト210を有している。
そして、バランスシャフト21のシャフト部3には、従動バランスシャフト210を従動回転させるためのバランスギヤ(バランス伝動車)32が配設されている。また、従動バランスシャフト210には、バランスギヤ32に噛合(係合)する従動バランスギヤ(従動バランス伝動車)320が配設されている。また、バランスギヤ32と従動バランスギヤ320とは、それらの基準ピッチ円直径と歯数とがそれぞれ同じになっており、これらは、互いに逆方向に同じ回転数で回転する。
そして、図1、図3に示すごとく、バランスギヤ32と従動バランスギヤ320とは、バランスシャフト21におけるバランスウェイト4と従動バランスシャフト210における従動バランスウェイト40とが互いに最も接近する位置関係と、互いに最も離れる位置関係とを形成するよう噛合している。
その他、従動バランスシャフト210の構造は、バランスシャフト21の構造と同様である。
また、図1に示すごとく、バランスシャフト21は、クランクシャフト11の下方向に配設されており、ドリブンギヤ31はクランクギヤ12の下方向に位置する。また、従動バランスシャフト210は、バランスシャフト21の横方向に配設されており、従動バランスギヤ320は、バランスギヤ32の横方向に位置する。
そして、バランスシャフト21の回転に従動して従動バランスシャフト210が受動回転することにより、バランスシャフト21が横方向に発生させる慣性力と、従動バランスシャフト210が横方向に発生させる慣性力とをつり合わせることができ、バランスシャフト21の回転運動により発生する振動や騒音を低減させることができる。
また、図2、図3に示すごとく、バランスシャフト21及び従動バランスシャフト210は、軸受15によってエンジン1に回転可能に支持されている。
また、本例の圧縮コイルバネ5のバネ定数は、エンジン1の回転数が約3000rpm(中回転数)になったときに、バランスウェイト4のスライド量Sが最大量になる大きさとして設定した。そして、本例のバランスウェイト4のスライド量Sは、エンジン1の回転数が約3000rpm(中回転数)未満であるときに遠心力の増加に伴って変化させ、エンジン1の回転数が約3000rpm以上であるときには、最大量に固定した。
そのため、振動、騒音等の発生が少ないエンジン1の回転数が中回転数未満のときには、バランスウェイト4の偏心量をできるだけ小さくしておくことができ、バランスシャフト21を支える軸受15等における摩擦損失の発生を抑制することができる。
上述したように、本例のバランスシャフト21は、上記シャフト部3、バランスウェイト4、圧縮コイルバネ5及びカバー部材6を備えた簡単な構成を有している。
そして、エンジン1の運転を開始すると、クランクシャフト11の回転を受けてバランスシャフト21が従動回転する。このとき、エンジン1の回転数が増加するに伴って、バランスシャフト21の回転数も増加し、バランスウェイト4に生ずる遠心力も増加する。そして、バランスウェイト4は、遠心力の増加に応じて圧縮コイルバネ5をより多く弾性変形させ、上記シャフト部3の径方向Dにおける外方へのスライド量Sを増加させる。
これにより、エンジン1の回転数の増加に応じて、シャフト部3に対するバランスウェイト4の偏心量が増加し、バランスシャフト21によるバランス力を増加させることができる。
そのため、エンジン1の回転数の増加により、ピストン13及びコンロッド14等の往復運動による慣性力及び慣性偶力が増加する一方、これらを打ち消すように、バランスシャフト21によるバランス力も増加させることができる。
一方、エンジン1の回転数が減少すると、これに伴ってバランスシャフト21の回転数も減少し、バランスウェイト4に生ずる遠心力も減少する。そして、バランスウェイト4は、遠心力の減少に応じて圧縮コイルバネ5の弾性変形が復元し、上記シャフト部3の径方向Dにおける外方へのスライド量Sを減少させる。
これにより、エンジン1の回転数の減少に応じて、シャフト部3に対するバランスウェイト4の偏心量が減少し、バランスシャフト21によるバランス力を減少させることができる。
それ故、本例のバランサ機構2によれば、簡単な構成により、エンジン1の回転数の変化に応じて、適切にバランスシャフト21によるバランス力を変化させることができ、エンジン1の回転による振動や騒音等の発生を効果的に抑制することができる。
(実施例2)
本例は、図9〜図12に示すごとく、上記カバー部材6を用いずに構成したバランスシャフト22を有するバランサ機構2を示す例である。
すなわち、図9、図10に示すごとく、本例のバランスウェイト4Aは、バランスウェイト4Aの上記径方向Dへのスライドをガイドするスライド用長穴42Aを有しており、このスライド用長穴42Aの開口部424Aには、この開口部424Aの両端に架け渡した架設部43Aが配設されている。
また、本例のシャフト部3Aは、架設部43Aとバランスウェイト4Aとの間において、径方向Dに向けて配設されたガイドピン7Aに挿通されている。
また、本例の付勢手段5Aとしての圧縮コイルバネ5Aは、ガイドピン7Aの外周に挿通されて、シャフト部3Aと架設部43Aとの間に挟持されている。
また、本例においては、シャフト部3Aには、ガイドピン7Aを挿通させるためのガイド用穴41Aが形成されており、ガイドピン7Aの一端は、架設部43Aに連結されている。
そして、バランスウェイト4Aは、バランスシャフト22の回転により生ずる遠心力によって、架設部43Aに連結されたガイドピン7Aがシャフト部3Aにおけるガイド用穴41A内を摺動して、シャフト部3Aに対して、その径方向Dにスライドすることができる。
本例においても、その他は、上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
なお、図11、図12に示すごとく、上記ガイドピン7Aは、シャフト部3Aに連結し、上記架設部43Aに上記ガイド用穴431Aを形成することもできる。この場合にも、上記と同様の作用効果を得ることができる。
実施例1における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの側方から見た状態で示す説明図。 実施例1における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、バランスウェイトがスライドする前の状態のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、バランスウェイトがスライドした状態のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例1における、バランスウェイトがスライドした状態のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの側方から見た状態で示す説明図。 実施例1における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの側方から見た状態で示す他の説明図。 実施例1における、バランサ機構を有するエンジンの要部をクランクシャフトの側方から見た状態で示す他の説明図。 実施例2における、バランスウェイトがスライドする前の状態のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例2における、バランスウェイトがスライドした状態のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例2における、バランスウェイトがスライドする前の状態の他のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。 実施例2における、バランスウェイトがスライドした状態の他のバランサ機構の要部を、クランクシャフトの軸方向から見た状態で示す説明図。
符号の説明
1 エンジン
11 クランクシャフト
12 クランクギヤ
13 ピストン
2 バランサ機構
21 バランスシャフト
3 シャフト部
31 ドリブンギヤ
4 バランスウェイト
41 ガイド用穴
42 スライド用長穴
5 付勢手段(圧縮コイルバネ)
6 カバー部材
60 間隙
7 ガイドピン
D 径方向
S スライド量

Claims (3)

  1. エンジンのクランクシャフトの回転を受けて従動回転するバランスシャフトを有するバランサ機構であって、
    上記バランスシャフトは、シャフト部と、該シャフト部に対して、その径方向にスライド可能に配設されたバランスウェイトと、該バランスウェイトを上記シャフト部の方向へ付勢する付勢手段とを有しており、
    上記バランスウェイトは、上記バランスシャフトの回転に伴って生ずる遠心力により、上記付勢手段による付勢力に抗して、上記径方向における外方へスライドするよう構成されていることを特徴とするバランサ機構。
  2. 請求項1において、上記バランスウェイトの外周には、該バランスウェイトとの間に間隙を設けてカバー部材が配設されていると共に、該カバー部材は、上記バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするガイドピンを有しており、該ガイドピンは、上記シャフト部と上記カバー部材との間に連結されており、
    また、上記バランスウェイトは、上記ガイドピンに挿通されるガイド用穴と、上記ガイドピンと共に当該バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするスライド用長穴とを有しており、
    かつ上記付勢部材は、弾性変形可能な圧縮コイルバネであり、該圧縮コイルバネは、上記ガイドピンの外周に挿通されて、上記バランスウェイトと上記カバー部材との間に挟持されていることを特徴とするバランサ機構。
  3. 請求項1において、上記バランスウェイトは、該バランスウェイトの上記径方向へのスライドをガイドするスライド用長穴を有しており、該スライド用長穴の開口部には、該開口部の両端に架け渡した架設部が配設されており、
    また、上記シャフト部は、上記架設部と上記バランスウェイトとの間において、上記径方向に向けて配設されたガイドピンに挿通されており、
    かつ上記付勢部材は、弾性変形可能な圧縮コイルバネであり、該圧縮コイルバネは、上記ガイドピンの外周に挿通されて、上記シャフト部と上記架設部との間に挟持されていることを特徴とするバランサ機構。
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