JP2006017194A - 捩りばね及び車両用スタビライザ - Google Patents
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Abstract
【課題】 車両用スタビライザにおいて、捩り変位に対してばね力が二次曲線的に増大するばね特性及び減衰特性を得る。
【解決手段】 捩りばね部材5の外周に円筒ばね部材6を設け、これらの一端部を互いに連結し、その端部にアーム部材3を取付ける。捩りばね部材5の他端部にアーム部材4を取付ける。捩りばね部材5と円筒ばね部材6との間を弾性体7によって結合する。支持部材12によって円筒ばね部材6を車体に回動可能に支持し、アーム部材3、4を左右のサスペンションアームに連結する。アーム部材3、4の捩り変位が小さい領域では、主に捩りばね部材5の変位によって小さいばね力を発生して振動を吸収し、捩り変位が増大すると、弾性体7の変形及び円筒ばね部材6の捩り変位によって、ばね力が二次曲線的に増大してローリングを効果的に抑制する。また、弾性体7の変形によって振動を減衰する。
【選択図】 図1
【解決手段】 捩りばね部材5の外周に円筒ばね部材6を設け、これらの一端部を互いに連結し、その端部にアーム部材3を取付ける。捩りばね部材5の他端部にアーム部材4を取付ける。捩りばね部材5と円筒ばね部材6との間を弾性体7によって結合する。支持部材12によって円筒ばね部材6を車体に回動可能に支持し、アーム部材3、4を左右のサスペンションアームに連結する。アーム部材3、4の捩り変位が小さい領域では、主に捩りばね部材5の変位によって小さいばね力を発生して振動を吸収し、捩り変位が増大すると、弾性体7の変形及び円筒ばね部材6の捩り変位によって、ばね力が二次曲線的に増大してローリングを効果的に抑制する。また、弾性体7の変形によって振動を減衰する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自動車等の車両のサスペンション装置に使用することができる捩りばね及びこれを用いた車両用スタビライザに関するものである。
一般的に、自動車のサスペンション装置には、車両旋回時に車体のローリングを抑制して操縦安定性高めるために、スタビライザが装着されている。スタビライザは、車体に回動可能に支持された捩りばねによって、左右のサスペンションアームを連結するものである。これにより、左右のサスペンションアームが同方向(同相)にストロークする場合には、捩りばねの捩り変位が小さく、発生するばね力も小さくなり、また、左右のサスペンションアームが逆方向(逆相)にストロークする場合には、捩りばねの捩り変位が大きくなり、発生するばね力も大きくなる。その結果、通常は、小さなばね力を発生し、振動を吸収して乗り心地を向上させることができ、また、旋回時には、大きなばね力を発生し、車体のローリングを抑制して操縦安定性を向上させることができる。
上述の捩りばねを用いたスタビライザにおいては、車両が平坦路を直進走行する場合には、捩りばねの捩り剛性を低くすることにより、路面の凹凸による振動を吸収し易くして乗り心地下を向上させることができ、一方、車両が高速で旋回する場合には、捩りばねの捩り剛性を高くすることにより、車体の姿勢変化を抑えて操縦安定性を向上させることができる。
そこで、例えば特許文献1には、車両の乗り心地の向上と操縦安定性の向上の両立を達成すべく、捩りばねの捩り剛性を調整可能としたスタビライザが記載されている。このスタビライザは、左右のサスペンションアームを連結する棒状の捩りばねの外周に円筒状の剛性制御部を配置し、捩りばねと剛性制御部との間に、これら相対回転を阻止する油圧ピストンをスプライン嵌合したものである。この構成により、油圧によって油圧ピストンを移動させて、捩りばねと剛性制御部材との結合部位を移動させることにより、タビライザの捩り剛性を調整することができる。
特開平8−268029号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載のスタビライザでは、次のような問題がある。捩り剛性の調整範囲を広くするためには、油圧ピストンの移動範囲を大きくする必要があり、また、捩りばねが捩り変位した状態で油圧ピストンを移動させる際、スプライン嵌合部に大きな摩擦力が発生するので、必要な油圧力を得るために大きな油圧装置が必要となり、小型化が困難となっている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、車両の乗り心地の向上と操縦安定性の向上の両立を達成すべく、捩り変位が小さい領域では、充分小さなばね力を発生し、捩り変位が大きくなると、ばね力が二次曲線的に増大する非線形特性を有し、かつ、振動を減衰する減衰特性を有する捩りばね及びこれを用いた車両用スタビライザを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、請求項1の発明に係る捩りばねは、棒状部材の外周に円筒状部材を配置し、これらの一端部を互いにアーム部材を介して連結し、前記棒状部材と前記円筒部材との間に、前記棒状部材と前記円筒部材の相対回転によって変形可能な弾性体を介装したことを特徴とする。
請求項2の発明に係る捩りばねは、上記請求項1の構成において、前記弾性体は、粘性流体を封入した粘性流体室を有していることを特徴とする。
請求項3の発明に係る捩りばねは、上記請求項1又は2の構成において、前記円筒部材の内周に第1受圧部を設け、前記棒状部材に第2受圧部を設け、さらに、前記第1受圧部と前記第2受圧部との間に前記弾性体を充填し、該弾性体を押圧する押圧部材及び該押圧部材の押圧力を調整する押圧力調整手段を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明に係る捩りばねは、上記請求項3の構成において、前記第1、第2受圧部及び前記押圧部材は、互いに係合可能な楔形形状に形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明に係る車両用スタビライザは、請求項1乃至4のいずれかの捩りばねを介して車体左右のサスペンション部材を連結することを特徴とする。
請求項2の発明に係る捩りばねは、上記請求項1の構成において、前記弾性体は、粘性流体を封入した粘性流体室を有していることを特徴とする。
請求項3の発明に係る捩りばねは、上記請求項1又は2の構成において、前記円筒部材の内周に第1受圧部を設け、前記棒状部材に第2受圧部を設け、さらに、前記第1受圧部と前記第2受圧部との間に前記弾性体を充填し、該弾性体を押圧する押圧部材及び該押圧部材の押圧力を調整する押圧力調整手段を設けたことを特徴とする。
請求項4の発明に係る捩りばねは、上記請求項3の構成において、前記第1、第2受圧部及び前記押圧部材は、互いに係合可能な楔形形状に形成されていることを特徴とする。
請求項5の発明に係る車両用スタビライザは、請求項1乃至4のいずれかの捩りばねを介して車体左右のサスペンション部材を連結することを特徴とする。
請求項1の発明に係る捩りばねによれば、捩り変位が小さい領域では、主に棒状部材の回動変位によって充分小さいばね力を発生し、捩り変位が増大すると、弾性体の変形及び円筒部材の回動変位が加わって、その結果、ばね力が二次曲線的に増大し、また、弾性体の変形によって減衰力が発生する。
請求項2の発明に係る捩りばねによれば、粘性流体室内を有する弾性体の粘弾性によって大きな減衰力を発生することができる。
請求項3の発明に係る捩りばねによれば、押圧部材の押圧によって弾性体を圧縮し、押圧力調整手段によって押圧力を変化させることにより、弾性体による捩り部材と円筒部材と結合剛性を変化させることができ、捩り剛性(回動変位の剛性)を調整することができる。
請求項4の発明に係る捩りばねによれば、第1、第2受圧部及び押圧部材の楔形形状の係合によって、弾性体をスムーズに圧縮して捩り剛性(回動変位の剛性)を増大させることができる。
請求項5の発明に係る車両用スタビライザによれば、捩りばねの捩り変位に対して、ばね力が二次曲線的に増大する非線形特性及び減衰力を発生させる減衰特性によって、車両の乗り心地の向上と操縦安定性の向上を両立することができる。
請求項2の発明に係る捩りばねによれば、粘性流体室内を有する弾性体の粘弾性によって大きな減衰力を発生することができる。
請求項3の発明に係る捩りばねによれば、押圧部材の押圧によって弾性体を圧縮し、押圧力調整手段によって押圧力を変化させることにより、弾性体による捩り部材と円筒部材と結合剛性を変化させることができ、捩り剛性(回動変位の剛性)を調整することができる。
請求項4の発明に係る捩りばねによれば、第1、第2受圧部及び押圧部材の楔形形状の係合によって、弾性体をスムーズに圧縮して捩り剛性(回動変位の剛性)を増大させることができる。
請求項5の発明に係る車両用スタビライザによれば、捩りばねの捩り変位に対して、ばね力が二次曲線的に増大する非線形特性及び減衰力を発生させる減衰特性によって、車両の乗り心地の向上と操縦安定性の向上を両立することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の第1実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るスタビライザ1は、自動車のサスペンション装置に装着されて、左右のサスペンションアーム(サスペンション部材)を連結するものであり、捩りばね2の両端部に、アーム部材3、4が取付けられている。
本発明の第1実施形態について、図1乃至図4を参照して説明する。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るスタビライザ1は、自動車のサスペンション装置に装着されて、左右のサスペンションアーム(サスペンション部材)を連結するものであり、捩りばね2の両端部に、アーム部材3、4が取付けられている。
捩りばね2(円筒状部材)は、棒状の捩りばね部材5(棒状部材)の外周に、捩りばね部材5と略同じ軸長を有する円筒状の円筒ばね部材6が同軸上に配置されており、捩りばね部材5と円筒ばね部材6との間に弾性体7が充填されている。捩りばね部材5及び円筒ばね部材6の一端部(図中の左端部)は、共に左側のアーム部材3の基部に取付けられて互いに連結されている。捩りばね部材5の他端部(図中の右端部)は、右側のアーム部材4の基端部に結合されており、円筒ばね部材6の他端部は、ブッシュ8によって、捩りばね部材5に対して回動可能に支持されている。
捩りばね部材5は、捩り剛性が低く、円筒ばね部材6は、捩りばね部材5よりも捩り剛性が高くなっている。弾性体7は、捩りばね部材5及び円筒ばね部材6に結合されており、弾性変形によって捩りばね部材5と円筒ばね部材6との相対回転変位を許容する。図2に示すように、捩りばね部材5の外周部には、直径方向及び軸方向略全長にわたって延びる一対の板状の受圧羽根9が設けられており、また、円筒ばね部材6の内周部には、直径方向及び軸方向略全長にわたって延びる一対の板状の受圧羽根10が捩りばね部材5の受圧羽根9に対して90°異なる位置に設けられており、これらによって捩りばね部材5及び円筒ばね部材6の弾性体7に対する回り止めを行っている。このような形状の受圧羽根9、10は、例えば押出成形によって捩りばね部材5及び円筒ばね部材6と容易に一体成形することが可能である。このほか、捩りばね部材5及び円筒ばね部材6と弾性体7とは、ローレット加工、接着、焼付等の固着手段によって回り止めを行うこともできる。
弾性体7は、永久歪を生じにくいシリコンゴム、独立気泡を有する発泡ゴム等、粘弾性を有するヒドリンゴム等とすることができ、また、図3に示すように、シリコンオイル等の高粘度の粘性流体を封入した粘性流体室11を有する防振ゴムとすることができる。
スタビライザ1は、捩りばね2が車幅方向に沿って配置され、車体側(図示せず)の支持部材12によって回動可能に支持され、アーム部材3、4の先端部が左右のサスペンションアーム(図示せず)に連結されるように車両に装着される。なお、図1中、矢印Fは車両前方を示している。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
スタビライザ1の捩りばね2は、捩り変位が小さい領域では、主に捩りばね部材5の変位によって充分小さいばね力を発生し、捩り変位が増大すると、弾性体7の弾性変形及び円筒ばね部材6の捩り変位によって、ばね力が二次曲線的に増大する。また、弾性体7の変形によって減衰力を発生する。
スタビライザ1の捩りばね2は、捩り変位が小さい領域では、主に捩りばね部材5の変位によって充分小さいばね力を発生し、捩り変位が増大すると、弾性体7の弾性変形及び円筒ばね部材6の捩り変位によって、ばね力が二次曲線的に増大する。また、弾性体7の変形によって減衰力を発生する。
車両が平坦路を直進走行する場合には、左右の車輪すなわちロワアームがほぼ同じ方向(同相)に変位するため、スタビライザ1は、支持部12によって回動可能に支持された捩りばね2が回動することにより、捩り変位が小さくなるので、ばね力が充分小さくなる。これにより、路面の凹凸による振動を充分に吸収することができ、乗り心地を向上させることができる。一方、車両の旋回時には、車体のローリングによって、左右の車輪、すなわちロワアームが異なる方向(逆相)に変位するため、スタビライザ1の捩り変位が大きくなり、そのばね力が二次曲線的に増大する。これにより、車両が高速で旋回する場合には、車体のローリングに対して、大きなばね力を発生させることができ、車体のローリングを効果的に抑制して操縦安定性を向上させることができる。さらに、弾性体7の変形によってスタビライザ1の捩り振動に対して減衰力を作用させることができる。その結果、乗り心地の向上と操縦安定性の向上の両立を達成することができる。
図4に、車体のロール角に対して、スタビライザ1が発生するばね力の大きさを示す。図4において、破線13は、捩りばね部材5のばね特性を示し、二点鎖線14は、捩りばね部材5と円筒ばね部材6とを直接結合した場合のばね特性を示し、また、実線15は、捩りばね部材5、円筒ばね部材6及び弾性体7による二次曲線的なばね特性を示している。
次に、本発明の第2実施形態について、図5乃至図8を参照して説明する。なお、本実施形態に係る捩りばねは、上記第1実施形態における捩りばね1と同様、車両用スタビライザに用いることができるものであり、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図5乃至図7に示すように、本実施形態に係る捩りばね16では、弾性体7は、円筒ばね部材6(円筒状部材)の左側部分のみに充填されており、円筒ばね部材6の右側部分の内部には、捩り剛性調整機構17が設けられている。捩り剛性調整機構17は、円筒ばね部材6の内周部に突出された一対の楔形ガイド18(第1受圧部)と捩りばね部材5(棒状部材)の外周部に突出された一対の楔形受圧羽根19(第2受圧部)と、これらの間に充填された弾性体20と、弾性体20を押圧する押圧ピストン21(押圧部材)を有する油圧シリンダ22と、油圧シリンダ22に油液を供給する油圧装置23(押圧力調整手段)とを備えている。
図5乃至図7に示すように、本実施形態に係る捩りばね16では、弾性体7は、円筒ばね部材6(円筒状部材)の左側部分のみに充填されており、円筒ばね部材6の右側部分の内部には、捩り剛性調整機構17が設けられている。捩り剛性調整機構17は、円筒ばね部材6の内周部に突出された一対の楔形ガイド18(第1受圧部)と捩りばね部材5(棒状部材)の外周部に突出された一対の楔形受圧羽根19(第2受圧部)と、これらの間に充填された弾性体20と、弾性体20を押圧する押圧ピストン21(押圧部材)を有する油圧シリンダ22と、油圧シリンダ22に油液を供給する油圧装置23(押圧力調整手段)とを備えている。
一対の楔形ガイド18は、尖端側を油圧シリンダ22の左側に向けて直径方向に突出されている。一対の楔形受圧羽根19は、尖端側を同油圧シリンダ22の左側に向けて、一対の楔形ガイド18の間に、これとは90°異なる位置に直径方向に突出されている。弾性体20は、上記第1実施形態の弾性体7と同様の材質で、楔形ガイド18と楔形受圧羽根19との間に充填されて、捩りばね部材5及び円筒ばね部材6に固着されており、捩りばね部材5の右側端部と円筒ばね部材6の右側端部との相対回転によって、楔形ガイド18と楔形受圧羽根19とで圧縮されて、油圧シリンダ22の左側へ突出する(図7(B)参照)。
油圧シリンダ22は、円筒ばね部材6内に気密的に嵌合、固定された仕切部材24と、円筒ばね部材6内に摺動可能に嵌装された押圧ピスト21によって油室25が形成されており、油圧装置23によって油室25に油液を供給して押圧ピストン21を弾性体20に押圧する。油室25内には、予め油液が封入され、また、押圧ピストン21を弾性体20に常時押圧する予圧ばね26が設けられている。これにより、油室25に供給する油液の量を軽減している。押圧ピストン21には、楔形ガイド18と楔形受圧羽根19との間の弾性体20に対向する尖端部を有する楔形押圧部27が形成されている。ここで、押圧ピストン21は、捩りばね部材5及び円筒ばね部材6に対して軸回りに回転しないように固定する必要はなく、楔形押圧部27の先端部が弾性体20に食い込むことにより(図7(A)参照)、軸回りの回転に対して位置決めされている。楔形ガイド18と、楔形受圧羽根19と、楔形押圧部27の傾斜角度は、ほぼ同じ角度となっており、楔形ガイド18と楔形受圧羽根19との相対回転によって圧縮されて突出した弾性体20に、押圧ピストン21の楔形押圧部27を押圧することにより、弾性体20をさらに圧縮して、相対回転した楔形ガイド18と楔形受圧羽根19と原位置側へ付勢するとともに、ばね部材5と円筒ばね部材6との弾性体20を介した結合剛性を高めることができる。
油圧装置23は、油圧ポンプ28、オイルタンク29及び制御弁30を備えており、車両の走行状態に応じて車体の姿勢制御等を行うサスペンション制御装置のコントローラ(図示せず)からの制御信号あるいは車両運転者の操作に応じて、油圧シリンダ22の油室25に油液を供給する。
以上のように構成した本実施形態の作用について次に説明する。
上記第1実施形態と同様、捩りばね部材5、円筒ばね部材6及び弾性体7、20によって、捩り変位に対して、ばね力が二次曲線的に増大し、また、弾性体7の変形によって減衰力を発生させることができるので、車両用スタビライザに使用することにより、乗り心地及び操縦安定性を向上させることができる。そして、油圧装置23によって油圧シリンダ22の油室25に油液を供給して、押圧ピストン21の楔形押圧部27を弾性体20に押圧することにより、油圧に応じて捩り剛性を無段階に連続的に調整することができる。
上記第1実施形態と同様、捩りばね部材5、円筒ばね部材6及び弾性体7、20によって、捩り変位に対して、ばね力が二次曲線的に増大し、また、弾性体7の変形によって減衰力を発生させることができるので、車両用スタビライザに使用することにより、乗り心地及び操縦安定性を向上させることができる。そして、油圧装置23によって油圧シリンダ22の油室25に油液を供給して、押圧ピストン21の楔形押圧部27を弾性体20に押圧することにより、油圧に応じて捩り剛性を無段階に連続的に調整することができる。
通常、図7(A)に示すように一対の楔形ガイド18の中央にある楔形受圧羽根19が、車体のローリングによって図7(B)に示すように中心角θだけ変位すると、一方の楔形ガイド18と楔形受圧羽根19との間の弾性体20が圧縮されて油圧ピストン21側へ突出する。このとき、図7(C)に示すように、油圧装置23によって油圧シリンダ22に油液を供給し、押圧ピストン21を前進させて、楔形押圧部27によって弾性体20を押圧することにより、楔形ガイド18を楔形受圧羽根19を原位置へ付勢するとともに、捩りばね16の捩り剛性を高めて、車体のローリングを減少させることができる。
このように、押圧ピストン21によって弾性体20を押圧することにより、弾性体20を圧縮して、捩りばね16を原位置へ付勢するとともに、捩りばね部材5と円筒ばね部材6との結合剛性を高めて、捩りばね16の捩り剛性を高めることができる。このとき、捩りばね16は、原位置が変化することがなく、捩りモーメントが消失すれば、原位置に復帰するので、容易に車体のロール制御を行うことができる。
捩りばね16を用いたスタビライザが装着された車両における車体のロール角と捩りばね16が発生するばね力との関係を図8に示す。図8において、破線13は、捩りばね部材5のばね特性を示し、二点鎖線14は、捩りばね部材5と円筒ばね部材6とを直接結合した場合のばね特性を示し、実線31は、油圧シリンダ22に油液を供給していない状態の捩りばね部材5、円筒ばね部材6及び弾性体7、20による二次曲線的なばね特性を示している。そして、油圧装置23によって油圧シリンダ22の油室25に供給する油液の量を調整することにより、実線31から二点鎖線14との間の領域(図8中の斜線部参照)でロール角に対するばね力を調整することができ、例えば点32で示すロール角から点33で示すロール角に車体のローリングを復帰させることができる。
なお、上記第2実施形態において、弾性体7は、二次曲線的なばね特性及び減衰特性を補強するために設けられているので、省略することが可能であり、この場合、仕切部材24を省略してもよい。
次に本発明の第3実施形態について、図9乃至図11を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第2実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して、異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図9乃至図11に示すように、本実施形態に係る捩りばね34では、上記第2実施形態の捩りばね16に対して、弾性体7が省略され、また、円筒ばね部材6(円筒状部材)には、楔形ガイド18の代りに平板状のガイド35(第1受圧部)が取付けられ、捩り部材5(棒状部材)には、楔形受圧部材19の代りに平板状の受圧羽根36(第2受圧部)が取付けられており、ガイド35と受圧羽根36との間に弾性体20が充填されている。さらに、押圧ピストン21には、楔形押圧部27の代りに、弾性体20に対向する平坦な押圧部37が形成されている。
このように構成したことにより、通常、図11(A)に示すように、一対のガイド35の中央にある受圧羽根36が車体のローリングによって図11(B)に示すように中心角θだけ変位すると、一方のガイド35と受圧羽根36との間の弾性体20が圧縮されて油圧ピストン21側へ突出する。このとき、油圧装置23によって油圧シリンダ22に油液を供給し、押圧ピストン21を前進させて、押圧部37によって弾性体20を押圧することにより、捩りばね34を原位置へ付勢するとともに捩り剛性を高めることができ、車体のローリングを減少させることができる。なお、捩りばね34は、原位置が変化することがなく、捩りモーメントが消失すれば、原位置に復帰するので、容易に車体のロール制御を行うことができる。
このようにして、上記第2実施形態と同様、二次曲線的なばね特性及び減衰特性を得ることができ、油圧装置23によって油圧シリンダ22の油室25に供給する油液の量を変化させることによって、捩り剛性を調整することができる。
次に、本発明の第4実施形態について、図12を参照して説明する。なお、以下の説明において、上記第1実施形態に対して、同様の部分には同一の符号を付して異なる部分についてのみ詳細に説明する。
図12に示すように、本実施形態では、上記第1実施形態のものと同様の2つの捩りばね2が車体の略中央を挟んで左右に配置されおり、それぞれの捩りばね2の車体中央部側の端部は、支持部材38によって互いに連結されて、車体に固定されている。また、それぞれの捩りばね2の車体左右両側の端部は、支持部材12によって車体に回動可能に支持されており、捩りばね部材5の先端部にアーム部材3、4が連結されている。アーム部材3、4の先端部は、左右のサスペンションアーム(図示せず)に連結される。
このように構成したことにより、捩りばね2は、車体重量の一部を支持してサスペンションスプリングを補助することができ、あるいは、サスペンションスプリングとして車体重量を支持することができ、さらに、その減衰特性によって、サスペンション装置のばね上、ばね下間の振動に対して減衰力を作用させることができる。これにより、サスペンションスプリング及び油圧緩衝器を小型化又は省略することが可能となり省スペース可に貢献することができる。
本実施形態において、車体中央の支持部材38をアクチュエータ(図示せず)によって回動可能に支持し、車高センサ(図示せず)を設けて、捩りばね2の原位置を調整することにより、車高調整を行うことも可能である。また、捩りばね2の代りに、上記第2実施形態に係る捩りばね16又は上記第3実施形態に係る捩りばね34を用いることにより、サスペンションスプリングのばね力を調整することが可能となり、さらには車体の前後に対に設けるようにしても良く、この場合、ローリングはもちろん、ピッチング、バウンシング等の車体の姿勢制御を行うことが可能となる。
1 スタビライザ、2 捩りばね、5 捩りばね部材(棒状部材)、6 円筒ばね部材(円筒状部材)、7 弾性体、11 粘性流体室、18 楔形ガイド(第1受圧部)、19 楔形受圧羽根(第2受圧部)、20 弾性体、21 押圧ピストン(押圧部材)、23 油圧装置(押圧力調整手段)、ガイド35(第1受圧部)、36 受圧羽根(第2受圧部)
Claims (5)
- 棒状部材の外周に円筒状部材を配置し、これらの一端部を互いにアーム部材を介して連結し、前記棒状部材と前記円筒部材との間に、前記棒状部材と前記円筒部材の相対回転によって変形可能な弾性体を介装したことを特徴とする捩りばね。
- 前記弾性体は、粘性流体を封入した粘性流体室を有していることを特徴とする請求項1に記載の捩りばね。
- 前記円筒部材の内周に第1受圧部を設け、前記棒状部材に第2受圧部を設け、さらに、前記第1受圧部と前記第2受圧部との間に前記弾性体を充填し、該弾性体を押圧する押圧部材及び該押圧部材の押圧力を調整する押圧力調整手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の捩りばね。
- 前記第1、第2受圧部及び前記押圧部材は、互いに係合可能な楔形形状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載の捩りばね。
- 請求項1乃至4のいずれかの捩りばねを介して車体左右のサスペンション部材を連結することを特徴とする車両用スタビライザ。
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2004
- 2004-06-30 JP JP2004194449A patent/JP2006017194A/ja active Pending
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