JP2006017113A - 内燃機関用燃料噴射器 - Google Patents

Abstract

【課題】シール部材を、直接弁体上に成形して、安定し正確な位置調整と有効なシールを保証する。
【解決手段】内燃機関用の燃料噴射器１が、それ自体の中空の噴射器本体２内に、噴射制御弁４と、噴射器本体２とともに環状チャンバ３０を画定する弁体１７と、を収納し、この環状チャンバ３０は、圧力下の燃料を受け入れるように設計されるとともに、弁体１７により支持されプラスチック材料からなるシール部材５１により液密式に隔離されている。
【選択図】 図１

Description

本発明は、内燃機関用の燃料噴射器に関する。

特に、本発明は、中空の噴射器本体を含むタイプの噴射器に関し、噴射器本体は、それ自体の軸線を有し、噴射制御弁を収容するための座部を画定する。弁は、次に、管形の弁体を含み、この弁体は、噴射器本体の座部内へリングナット式に螺合させることによって、前述の軸線に同軸に噴射器本体の座部内に挿入されブロックされて、弁体の外部フランジが、噴射器本体自体の内側肩部に押し付けられる。弁は、弾性スラスト部材により弁体の頭部表面に押し付けられる開閉部材と、電気アクチュエータとを備え、この電気アクチュエータは、弾性部材による作用と逆に作用するように、かつ開閉部材が、前述の頭部表面から間隔をおいて配置され得るように、前述の軸線に沿って配置される。弁体と噴射器本体との間に、環状チャンバが得られ、その中へ、噴射される圧力下の燃料を供給するための管が配管される。チャンバは、前述の軸線を共有しており、相互に面する２つの肩部により軸方向に画定され、肩部の一方が噴射器本体により支持され、他方が弁体により支持されている。噴射器本体と弁体との間における燃料の漏出を防ぐ目的で、噴射器本体の肩部に対して、エラストマー材料からなるリングシールが配置される。弁体の肩部上に、環状チャンバ内に含まれる燃料の圧力が、作用し、あるいは用いられて、リングナットの方を向いた軸方向スラストを生成する。

上述のタイプの既知の噴射器は、一般に用いられているとはいえ、開閉部材のストロークまたはリフトを特に抑制して、噴射を規則的に行う場合、全く効率的ではなく信頼性がなく、よって全く満足のいくものではない。

上述したことは、圧力下の燃料を受け入れる環状座部の特定の形態のために、燃料自体が、弾性ボディにより開閉部材にかかる弾性スラストとは反対の、軸方向スラストを弁体上に生成するということに、基本的に基づく。前記スラストは、燃料を導入する圧力に比例しており、リングナットから噴射器本体へ荷重をかけず、弁体を弾性変形させる。したがって、噴射器の作動中に、開閉部材および電気アクチュエータは、設計段階における構想とは異なる相対的な位置に配置され、よって、すなわち作動状態では、開閉部材の有効なリフトは、構想とは異なる。

さらに、弁体の弾性変形が、通常数ミクロンオーダーであり、環状チャンバ内の燃料の圧力の瞬時値に厳密に関連しているので、圧力がない静止状態に対して一定のオフセットを表わさず、よって噴射器を配置する段階では全く補償不可能である。

本発明の目的は、構造の特徴によって、上述の問題を簡単にかつ経済的に有利な方法で解決し得る燃料噴射器を提供することである。

本発明によれば、座部を有する噴射器本体と、圧力下の燃料を受け入れるように設計された環状チャンバを画定するための、前記座部に配置された弁体を含む噴射制御弁と、前記環状チャンバの軸方向反対側に配置されて、液密式にチャンバを隔離するための第１および第２の液密手段であって、前記第２の液密手段は、前記噴射器本体と前記弁体との間に配置されたシール部材を含み、前記噴射器は、前記シール部材が前記弁体により支持されることを特徴とする第１および第２の液密手段と、を備える内燃機関用の燃料噴射器が、提供される。

上述の噴射器では、前記シール部材は、プラスチック材料からなる本体であることが、好ましい。

ここで、本発明を、実施形態の非限定的な例を図示している添付の図面に関して説明する。

図１において、参照番号１は、図１に概略を破線で示した内燃機関Ｅ用の燃料噴射器全体を示す。

噴射器１は、軸線３を有する管状の噴射器本体２と、噴射器本体２の座部５内に収容されたサーボ弁４と、１０００バールを超える圧力で燃料を供給するための管７に噴射器１を連結するためのコネクタ６と、サーボ弁４の座部９に部分的に配置され、軸線３と平行な方向Ｄ１に可動であるロッド８と、を備える。

本処理の結果として、参照番号３は、噴射器本体２の軸線および噴射器１の軸線の両方を指し、それらは、実際一致している。

噴射器本体２は、実質的に円筒形の側壁１０を有し、その内側に、座部５が形成されている。側壁１０は、１１および１２で示す、２つの円筒形の軸方向端伸長部を有し、これらは、同じ軸線３を共有して延びており、また、伸長部１１は、伸長部１２より直径が大きい。伸長部１１および１２は、軸線３に直交する径方向の肩部１３により相互に適合されている。伸長部１２に設けられているのは、円周方向に環状の凹所１５であって、それは、伸長部１２に形成された通路１６から供給管７と連通している。

再度、図１を参照すると、サーボ弁４は、Ｔ字状の弁体１７を備えるとともに、それ自体の、リングナット１８により噴射器本体２に取り付けられる頭部１７ａを有し、リングナット１８は、頭部１７ａを噴射器本体２の肩部１３に押し付け、液密結合を提供する。サーボ弁４は、さらに、ロッド８と共軸であり電磁石２１が設けられたアクチュエータ装置２０を備えている。サーボ弁４４は、さらに、扇形に分割された構成を有するとともに電磁石２１の作用下で伸長部１１内を軸方向に滑動し得るアンカー２２と、電磁石２１に囲まれ電磁石２１自体により引きつけられるのとは逆方向にスラスト作用をアンカー２２に働かせる、予圧をかけられたばね２４と、を備える。

再度、図１に詳細に示したことによれば、チャンバ９は、軸方向に、ロッド８の部分２６の終端面２５と、端部ディスク２７との間に画定され、端部ディスク２７は、噴射器本体２のチャンバ５内の、アクチュエータ装置２０と、弁体１７の頭部１７ａとの間の所定位置に収容されている。

チャンバ９は、弁体１７内に形成された径方向較正ダクト２９と環状チャンバ３０とを通って圧力下において燃料を受け入れるように、管７と永続的に連通している。チャンバ３０は、頭部１７ａに隣接した所定位置に形成されており、一方の側を凹所１５で、かつ弁体１７自体の中間の円筒形部で画定されている。

チャンバ９は、さらに、軸線３を共有する較正ダクト３２を介して、別のチャンバ３３と連通しており、この別のチャンバ３３はまた、同じ軸線３を共有するとともに、ディスク２７自体とアクチュエータ装置２０との間の中間軸方向位置に配置された分配ボディ３５内に形成されている。

ボディ３５は、基部３６を含み、この基部３６は、リングナット１８が基部３６の外側環状部を押圧するように、リングナット１８を伸長部１１の内面に螺合し軸方向に結合させることによって、液密式にかつ所定位置に、軸方向にディスク２７に緊密に詰め込まれる。ボディ３５は、さらに軸またはピン３７を含み、それは、基部３６の、ディスク２７とは反対の側を、基部３６から軸線３に沿って延びており、外側が、円筒形面３９により定められ、また、基部３６を伴って単一の部品からなる。

再度図３に関して、チャンバ３３は、軸線３を共有して、基部３６および軸３７の一部分を通って延びており、また、１８０°反対の側において、軸３７内に形成された径方向の各孔４１と連通している。孔４１は、基部３６に隣接した軸方向の位置において、表面３９に沿って掘られた環状チャンバ４２内へ延びる。

チャンバ４２は、径方向外側の位置に、環状ギャップまたはポートを画定し、これらは、開閉要素により開閉されるように設計され、この開閉要素は、スリーブ４３により定められ、このスリーブ３４は、調節チャンバ９内の圧力を変化させるようにアクチュエータ装置２０により作動されて、よってロッド８の軸方向の移動が調節される。
スリーブ４３は、アンカー２２を伴って単一の部品からなり、また、内側円筒形面を有し、この内側円筒形面は、端部前進移動位置と端部後退移動位置との間を軸方向に滑動するように、実質的に液密式に表面３９に結合されている。

特に、前進した端部移動位置では、スリーブ４３は、端部の一つの端部４４で円錐形の肩部４５を押圧するように結合されることにより、チャンバ４２の外側環状ギャップを閉じ、円錐形の肩部４５が、軸３７の表面３９を基部３６に連結する。この位置では、チャンバ４２内の圧力が、スリーブ４３自体の内側円筒形面に径方向に作用するので、燃料がかける軸方向のスラスト力はゼロとなり、スリーブ４３には全く力がかからない。

後退した端部移動位置では、スリーブ４３の端部４４は、肩部４７から間隔をおいて配置され、それと、環状チャネル４８へ燃料を流すためのギャップを画定し、環状チャネル４８は、リングナット１８とスリーブ４３自体とによって画定されている。環状チャネル４８は、噴射器本体２のキャビティ４９を通って、各排気または再循環管（図示せず）と連通している。

再度図１に関して、弁体１７は、頭部１７ａに加えて、軸線３を有する円筒形の中空軸１７ｂを備え、この中空軸１７ｂは、座部５の伸長部１２内を延びるとともに、環状溝５０が設けられており、この環状溝５０は、環状チャンバ３０の下にかつ環状チャンバ３０から軸方向に間隔をおいて配置された軸１７ｂの中間伸長部上に形成されている。溝５０には、環状シールボディ５１が係合しており、この環状シールボディ５１は、適切なプラスチック材料、好ましくは銅の充填材を有するＰＴＦＥ、または、商品名「Ｔｕｒｃｉｔｅ（登録商標）」または「Ｔｕｒｃｏｎ（登録商標）」として知られている材料からなり、また軸１７ｂの外周からカンチレバー式に突出して、それを押圧することによって、または液密性を提供するための、環状チャンバ３０に隣接する伸長部１２の一部分との径方向結合を行うことによって、弁体１７に据えられた適切な肩部と協働する。ボディ５１は、溝５０内に直接ボディ５１自体を形成する材料を堆積させることによって、弁体と一体化するように、軸１７ｂ上に直接成形されると好都合である。

あるいは、図２に示したことによれば、ボディ５１は、螺旋形のボディ５３と取り替えられ、この螺旋形のボディ５３は、１つの完全な巻きおよび端が切り取られた２つの座巻を有することが好ましい。螺旋形のボディ５３は、弁体とは別に形成され、その後、座部５０内へ挿入することにより弁体に結合される。

図３に示した別の変形では、軸１７ｂは、外側の溝がなく、直線の母線を有し、軸方向に取り付けられるように差し込まれて、追加の支持ボディ５５を支持し、その上で、環状ボディ５６を支持し、この環状ボディ５６はまた、液密性を提供するように、軸１７ｂおよび追加のボディ３３の外周を越えて延びている。

使用において、環状チャンバ３０内へ導入された圧力下の燃料は、ボディ５１、５３または５６に、下向きに、すなわち、噴霧器部材（図示せず）の方へ軸方向スラストをかける。前記スラストは、前記ボディが弁体により支持されているので、弁体へはかからない。肩部１３に弁の頭部１７ａを結合させることによりシールされるので、前記スラストの方向は、弁体自体へ圧力がかかる方向と反対の方向である。したがって、弁体は、反対方向に作用し実質的に大きさが等しい２つのスラストの作用を受け、よって実質的に平衡が保たれる。前記の平衡化によって、アクチュエータ装置２０の方向における弁体自体の転置および／または局所の弾性変形が妨げられて、このようにして、弁体の幾何学的形状が実質的に変化しないことと、種々の部分が、常に、燃料の圧力とは無関係に相対的に動いて相対的に配置されることとが保証される。

シールボディを直接弁体上に成形することによって、シールボディは、弁体上に永続的にブロックされ得る。その代わりに、螺旋形のシールボディおよび／または追加の支持ボディを使用することによって、弁体上へのシールボディの設置操作が、簡略化され、速くなるが、それと同時に、安定し正確な位置調整および有効なシールが保証される。

前述のことから、以下の特許請求の範囲により定められる保護範囲を逸脱せずに、ここに記述された噴射器１に変形および変更を行うことができることは、明白であると思われる。特に、弁体により支持されたシールボディは、ここに示されたものとは異なるように、また単に例として記述したものとは異なる材料を使用して形成可能である。

本発明の教示により作製された燃料噴射器の、簡略化のために部品が取り外された断面図である。 図１に表わされた部材の第１の変形の断面図である。 図２に表わされた部材の第２の変形の部分断面図である。

Claims (11)

1. 内燃機関用の燃料噴射器（１）であって、
   座部（５）が設けられた噴射器本体（２）と、
   前記座部（５）内に配置され環状チャンバ（３０）を画定する弁体（１７）を備え、圧力下の燃料を受け入れるように設計された噴射制御弁（４）と、
   前記環状チャンバ（３０）の軸方向反対側に配置され、液密式に前記環状チャンバを隔離するための第１の液密手段（１３、１７ａ）および第２の液密手段（５１、５３、５６）であって、前記第２の液密手段は、前記噴射器本体（２）と前記弁体（１７）との間に配置されたシール手段（５１、５３、５６）を含む、前記第１の液密手段（１３、１７ａ）と前記第２の液密手段（５１、５３、５６）と、
   を備え、
   前記噴射器は、前記シール部材（５１、５３、５６）が、前記弁体（１７）により支持されることを特徴とする燃料噴射器。
2. 前記シール部材（５１、５３、５６）は、プラスチック材料からなるボディであることを特徴とする請求項１に記載の噴射器。
3. 前記シール部材（５１、５３、５６）は、前記環状チャンバ（３０）から軸方向に間隔をおいた所定位置に配置されることを特徴とする請求項１または２のいずれかに記載の噴射器。
4. 前記シール部材（５１、５３、５６）は、軸方向肩部（５０）を押圧することにより協働し、この軸方向肩部（５０）は、前記弁体（１７）により支持されるとともに、前記環状座部（３０）と隣接した前記噴射器本体（２）の一部分と径方向に結合されていることを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の噴射器。
5. 前記弁体（１７）は、外周座部（５０）を含み、前記シール部材（５１、５３）は、前記外周座部（５０）内に部分的に収容されていることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の噴射器。
6. 前記外周座部は、円周座部であることを特徴とする請求項５に記載の噴射器。
7. 前記シール部材（５１）は、前記弁体（１７）と一体化していることを特徴とする請求項１から６のいずれかに記載の噴射器。
8. 前記シール部材（５１）は、前記溝（５０）内に材料を堆積させることにより前記弁体上に直接成形されることを特徴とする請求項７に記載の噴射器。
9. 前記シール部材（５３）は、前記弁体とは別個になっており、螺旋形であることを特徴とする請求項１から６のいずれかに記載の噴射器。
10. 前記シール部材（５６）は、前記弁体とは別個の支持ボディ（５５）に結合され、前記弁体に堅固に連結されることを特徴とする請求項１から４のいずれかに記載の噴射器。
11. 前記支持ボディ（５５）は、前記弁体に取り付けられることを特徴とする請求項１０に記載の噴射器。
    

Images