JP2006014404A - 駆動輪の空転検知装置およびトラクション制御装置 - Google Patents

駆動輪の空転検知装置およびトラクション制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 モータ駆動の車両でトラクション制御の応答時間を短縮すること。
【解決手段】 インバータから電流を一定に制御して駆動電力をモータに供給し、このモータで駆動輪を回転させている車両では、駆動輪が空転を始めるとインバータへの電圧指令値Vが急増する。そこで本発明では、電圧指令値Vの時間変化率ΔVが所定値Aに達したら、判定ステップS2で空転が始まっていると判定し、低減制御サブルーチンS4でインバータからモータへ供給する駆動電力を低減してトラクション制御を行うことにより、トラクション制御の応答時間を短縮する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、電動機駆動の車両において、駆動輪の空転を検知する技術や駆動輪の空転を制御する技術(トラクションコントロール)の技術分野に属する。
本発明は、電気自動車や燃料電池車ばかりではなく、ハイブリッド車や鉄道車両にも適用可能である。すなわち、本発明を適用することができる車両は、駆動輪のうち少なくとも一部がモータ駆動になっていたり、駆動輪を回転させる原動力のうち少なくとも一部をモータ(電動機)が提供していたりする車両である。
ふつう、自動車で行われているトラクション制御では、駆動輪の空転を検知するのに、駆動輪の回転速度を測る車輪速度センサ(車速センサともいう)を使用している。このような車輪速度センサは、基本的に回転速度センサであって、車輪が所定角度回転する毎にパルス信号を発生して、そのパルスの時間間隔を計ったり、逆に所定時間内に発生するそのパルス信号の数を計って車輪の回転速度を計測している。
次に挙げる二つの特許文献においても、トラクションコントロール技術が開示されているが、やはりこのようにパルス信号を発生するタイプの車輪速度センサが暗黙のうちに使用されている。
特開2003−204604号公報(たとえば第0020段落) 特開2001−263148号公報(たとえば第0033段落)
さて、トラクション制御においては、駆動輪の空転を検出して駆動輪の駆動トルクを抑制することにより、できるだけ短時間のうちに駆動輪のグリップを回復することが求められる。特にハイブリッド車では、駆動トルクを出力するモータのトルク応答が内燃機関に比べて10倍以上も速いので、従来のエンジン駆動の自動車に比べて応答性の良い空転防止制御ないしトラクション制御を行うことが望ましい。
しかしながら、前述の背景技術では、駆動輪の空転を検知するための手段として車輪速度センサを使用しているので、所定時間あたりのパルス信号の数(自然数)を計数している限り、分解能が劣るのが普通である。そのうえ、分解能が低い計測値を均すために、いわゆるなまし処理がなされるのが普通であり、車輪速度センサによる駆動輪の回転数の計測には時間遅れが伴わざるを得ない。また、仮に車輪速度センサが生成するパルス信号の時間間隔を計測する方式をとったとしても、あるパルス信号が生じて次のパルス信号を待っている間は計測ができず、やはり駆動輪の回転数を計測するには時間遅れが伴う。そして、車両が停止状態から発進する際には駆動輪の回転数が低いから、このような時間遅れは、いっそう大きくならざるを得ない。
その結果、トラクション制御を行うにあたって、駆動輪の空転を検出する段階で約10ms前後の時間遅れを生じており、この検出遅れに相当する時間だけはどうしてもトラクション制御の応答時間を短縮することができなかった。
そこで本発明は、モータに駆動される駆動輪の空転をごく短時間で検出することができる駆動輪の空転検知技術を提供することを解決すべき課題とする。また、本発明は、この空転検知技術を用いて、前述の背景技術より応答時間が短縮されたトラクション制御技術を提供することをも併せて課題とする。
前記課題を解決するために、発明者は以下の手段を発明した。
[駆動輪の空転検知装置]
(第1手段の構成)
本発明の第1手段は、駆動輪を回転させるモータとこのモータに駆動電力を供給する電力供給手段とを有する車両に搭載され、これらの駆動輪のうち少なくとも一つが空転していることを検知する「駆動輪の空転検知装置」である。本手段の特徴は、前記駆動輪の空転に伴う前記駆動電力の特性変動に基づいてその駆動輪が空転していることを判定する判定手段をもつことである。
ここで、モータとはふつう交流電動機を指し、車両の駆動に適正な電動機であれば特別な限定はなく、電動作用の他に発電作用をもつ回転電機であってもよい。一方、電力供給手段とは、電源(バッテリーや燃料電池あるいは発電機や受電手段など)から提供される電力を、適正に制御ないし変換してモータに供給する装置(インバータなど)のことである。
さらに、モータの駆動電力とは、直接的には電力供給手段からモータに供給されてモータで消費される電力を指すが、電力供給手段の効率をほぼ一定と見なすことができるならば、モータの駆動電力は間接的に電力供給手段に供給される電力からも推定可能である。したがって、駆動電力の特性変動とは、直裁にはモータで消費される電力(電力供給手段の出力電力)の特性の時間変化を指すが、これは電力供給手段へ入力される電力の変化にも反映されているので、間接的には電力供給手段へ入力される電力の変化でもよいものとする。
そして、駆動電力の特性としては、駆動電力が直流であれば、主に電圧および電流が挙げられるが、逆に駆動電力が交流であれば、電圧振幅および電流振幅の他に、電流電圧の周波数や両者の位相差ないし力率などが挙げられる。これらの特性のうちどれを観測して空転を検知するべきかは、本手段を搭載した車両の駆動システムの構成によって異なり、本手段の実施形態によって適正に選択される。
なお、判定手段は、マイクロコンピュータのようにデジタル的に判定を行う論理的な判定手段であってもよいし、逆にアナログ的に大小を比較して結果的に判定が行われる電気的な判定手段や機械的な手段であってもよい。
(第1手段の作用)
さて、一般的にいって、車両の駆動時に駆動輪のうち一部(ないし全部)に空転現象が生じると、車両の走行速度のあるべき変化とはかけ離れて、空転している駆動輪の回転数が跳ね上がる(すなわち急激に回転数が増える)。すると、その駆動輪を回転駆動しているモータの回転数も跳ね上がるわけであるから、そのモータのトルクおよび回転数のうち後者は跳ね上がり、そのモータの軸出力にも変化が生じる。ここで、モータの軸出力はそのトルクと回転数との積であり、モータの効率を介して軸出力と消費電力とが関係していることから考えて、モータの消費電力(すなわち駆動電力)の特性にも何らかの変化が生じているはずである。
具体的に説明すると、現行の多くの自動車のように三相交流誘導電動機を電流制御で使っている場合には、ふつう、モータのトルクがほぼ一定になるように駆動電力が制御されている。このような車両では、駆動輪の空転によりモータの回転数が跳ね上がれば、その軸出力も回転数にほぼ比例して跳ね上がり、これに対応して駆動電力は増大する。ここで、前述のように電流制御がなされていれば、モータに印加される駆動電力のうち電流の振幅が一定になるように制御されているわけであるから、電圧の振幅が増大せざるを得ない。そして、このような駆動電力の変化は、駆動輪の回転数の変化に伴ってほぼ時間遅れなしに起きているものと考えられる。
ここで、自動車に用いられるモータ制御では、電流制御周期を1ms以下にする場合が多く、駆動電力の変化に対して電圧の振幅変化を数msの応答性で追従させることが可能である。それゆえ、モータ制御のこのような特性を巧みに利用すれば、以下に示す本手段のように、従来の空転検出機能と比較して遙かに短時間で空転を検出することができるようになる。
本手段の「駆動輪の空転検知装置」では、その判定手段が、駆動輪の空転に伴う駆動電力の特性変動に基づいて、その駆動輪が空転していることを判定する。すると、前述のように、モータに供給される駆動電力の変化がその駆動輪の回転数の変化に伴ってほぼ時間遅れなしに起きているものと仮定すれば、その駆動輪が空転して回転数が跳ね上がったことを瞬時に検出することができる。
すなわち、駆動輪の空転に伴う回転数の変化が、モータまたは電力供給手段に付設された電圧センサやA/D変換器などを通して観測されるものとすれば、観測に要する時間遅れは極めて小さくすることができる。このような電圧センサの応答時間やA/D変換器のサンプリング周期は、すでに市場に普及している安価な商品レベルでも十分に短くなっている。そして、その観測結果に基づいて空転の有無を判定するには、すでに十分に高速なデジタル処理手段が安価に提供されているので、判定に要する時間は観測に要する時間に比べてほとんど無視できるほど短い。それゆえ、本手段で駆動輪の空転を検出するのに要する時間遅れは、前述の電圧センサの応答時間やA/D変換器のサンプリング周期などに相当する程度であり、極めて短くすることができる。
そればかりではなく、車両用の駆動系においては、もともと電圧センサなど各種の電気的なセンサがモータや電力供給手段に付設されており、これらのセンサで検出されたデジタルデータがECUなどの制御手段に提供されるのが普通である。それゆえ、本手段は、前述の背景技術とは異なって、駆動輪のそれぞれにパルスセンサを新たに設けることなしに実施することができる。
(第1手段の効果)
したがって、本手段の「駆動輪の空転検知装置」によれば、背景技術の項で説明したようにパルス式の車速センサで回転数を観測して駆動輪の空転を検出する装置に比べ、格段に短い検出時間で駆動輪の空転を検出することができるという効果がある。
この効果は、車両の発進時や低速走行時において顕著である。なぜならば、車両の発進時などには、駆動輪の回転速度がまだ遅く、背景技術の車速センサによる回転数の測定には割合と時間がかかるのに比べ、本手段によれば通常の走行時と変わらない速やかさで駆動輪の空転を検知することができるからである。
そして、通常の自動車の駆動輪においては、そのモータの回転子から駆動輪のタイヤまでを含む慣性モーメントはおおよそ定まっており、駆動トルクの最大値にも自ずと限界があるから、駆動輪の空転時に生じる回転加速度にも上限がある。それゆえ、自動車のトラクション制御を目的とする限り、本手段で十分に短い空転検出時間を達成することができるものと、発明者らは考えている。
そればかりではなく、本手段によれば、前述の背景技術とは異なって駆動輪のそれぞれに車速センサを設ける必要がなく、既存の電気的なセンサを有効利用することができるので、背景技術よりも装置コストが安価になるという効果がある。また、同じ理由で配線等を増やす必要がなくなるので、車両に取り付ける工数すなわち設置コストも比較的安価になり、より簡便に実施することができるという効果がある。さらに、同じ理由で装置の構成や配線がより簡素になるから、車両の重量が軽減される一方で、装置の信頼性が向上して故障しにくくなるという効果もある。
(第2手段)
本発明の第2手段は、前述の第1手段において、前記駆動電力の前記特性変動とは、前記電力供給手段の入力電圧および出力電圧のうち少なくとも一方の時間変動であることを特徴とする「駆動輪の空転検知装置」である。当然のことながら、ここでいう電圧とは、交流の場合には電圧の振幅を指すものとする。
本手段のポイントは、電力供給手段からモータに供給される駆動電力の特性変動というものは、電力供給手段の出力側で測られるばかりではなく、電力供給手段の入力側で測ることもできるということである。
本手段では、電力供給手段の入力電圧および出力電圧のうち少なくとも一方に生じる時間変動に基づいて、当該駆動輪が空転しているか否かが判定される。ここで、電圧は、電気的な測定事項のうち最も計測が容易であるばかりではなく、比較的精密に計測することができるうえに、その計測に要する時間も短い。さらに、通常は電圧センサの値段も、他のセンサに比べると安価である。
そしてもし、空転判定の基になる駆動電力の特性変動が、電力供給手段の出力電圧の時間変動であれば、直接的にモータに供給される駆動電力の電圧変動に基づいて、駆動輪の空転の有無が判定される。それゆえ、このように出力電圧に基づいて空転の判定がなされるのであれば、最も直裁的で確かである。そして、前述のように、駆動電力の電流が一定に制御されているのであれば、駆動輪が空転を始めるとモータに供給される駆動電力の電圧が跳ね上がるから、空転の判定は比較的容易である。
逆にもし、駆動電力の特性変動が、電力供給手段の入力電圧の時間変動であれば、モータを駆動する電力の変動が間接的に観測されて、空転判定がなされる。ここで、電源が電池であり、電力供給手段の効率がほぼ一定であるとすれば、駆動輪の空転が始まって駆動電力が増えたとたんに、電力供給手段の入力側では、電流が激増する一方、電圧が激減するであろう。それゆえ、電力供給手段への入力電圧が激減することをもって、駆動輪が空転を始めたと判定することができる。
したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、電力供給手段の出力側だけではなく、電力供給手段の入力側でも、電圧の変化に着目して駆動輪の空転判定を行うことができるという効果がある。また、前述のように、電圧センサが安価であり、すでに装備されている電圧センサの計測値を利用することもできるから、コストダウンの効果がいっそう高まる。
(第3手段)
本発明の第3手段は、前述の第2手段において、前記モータは交流モータであり、前記電力供給手段はインバータをもつ、「駆動輪の空転検知装置」である。本手段の特徴は、前記出力電圧は、このインバータに与えられる出力電圧の振幅指令値と、前記駆動電力の電圧振幅の実測値とのうち少なくとも一方であることである。
本手段のポイントは、電力供給手段であるインバータの出力電圧は、電圧センサ等によって計測した電圧振幅の実測値でなくても、インバータに与えられる出力電圧の振幅指令値をもって代えることができるということである。なぜならば、インバータ出力電圧の実測値には、その指令値が極めてよく反映されるからである。
すなわち、本手段では、電圧振幅の実測値に代えて、インバータを制御するECUなどによって設定される出力電圧の振幅指令値の時間変動に基づき、駆動輪の空転検知を行うことができる。それゆえ、振幅指令値が発生してから、この指令値に基づいて実際にインバータが作動し、その結果として生じる出力電圧の振幅を実測する必要がなくなり、その分だけ時間遅れがなくなるうえに、観測誤差(計測誤差)をもなくすことができる。
つまり、振幅指令値を採用すれば、駆動電力の電流を一定に保つためにはその電圧振幅をどのくらい引き上げなくてはならないかという制御則の処理が終わった段階で、出力電圧の振幅指令値が利用可能になり、指令値から実測値に至るまでの時間遅れがなくなる。すなわち、インバータの制御手段がマイクロコンピュータであれば、その内部に生じたデジタル信号である振幅指令値を、そのままフィードフォワード的に空転判定に利用することができる。その結果、前述のように、指令値から実測値に至るまでの時間遅れがなくなるばかりではなく、電圧の振幅を実測しなくてすむから計測誤差もなくすことができる。また、すでに電圧センサが装備されていないような場合にも、新たに電圧センサ一式を装備する必要がなくなり、コストダウンにつながる。
したがって本手段によれば、前述の第2手段の効果に加えて、インバータの指令値から実測値に至るまでの時間遅れがなくなり、駆動輪の空転検知に要する時間がいっそう短縮されるうえに、駆動電力の電圧振幅を実測しなくてすむという効果がある。
(第4手段)
本発明の第4手段は、前述の第1手段において、前記モータは交流モータであり、前記電力供給手段は昇圧コンバータおよびインバータをもつ、「駆動輪の空転検知装置」である。本手段の特徴は、前記駆動電力の特性変動とは、この昇圧コンバータの入力電圧と、この昇圧コンバータの出力電圧と、このインバータの出力電圧振幅の指令値と、このインバータの出力電圧振幅の実測値とのうち、少なくとも一つの時間変動であることである。
すなわち、本手段では、電力供給手段が昇圧コンバータおよびインバータをもち、駆動電力の特性変動には、昇圧コンバータおよびインバータのうち少なくとも一方の入力電圧または出力電圧の時間変動が参照される。そして、前述の第3手段と同様に、インバータの出力電圧としては、その振幅指令値をもって実測値に代えることができる。
本手段では、駆動電力の特性変動としていずれを採用して空転判定を行うかによって、前述の第2手段および第3手段の作用効果のうちいずれかに相当するものと、おおむね同様の作用効果が得られる。また、いずれを選択するにしても、電流ではなく電圧の実測値を用いるのでセンサの費用が安価であり、インバータの振幅指令値を用いればセンサ費用は少なくともその用途ではゼロになる。
したがって本手段によれば、前述の第1手段の効果に加えて、前述の第2手段および第3手段の作用効果のうちいずれか相当するものに同様な効果が得られる。
[トラクション制御装置]
(第5手段)
本発明の第5手段は、前述の第1手段〜第4手段のうちいずれかに記載された駆動輪の空転検知装置と、この空転検知装置が前記駆動輪の空転を検知した場合にはその駆動輪の回転を抑制する回転抑制装置とを有することを特徴とする「トラクション制御装置」である。
本手段では、駆動輪の空転が起きた場合には、それを駆動輪の空転検知装置が検知し、回転抑制装置がその駆動輪の回転を抑制するので、空転してスリップしている駆動輪の回転数が落ち、その駆動輪が路面に対してグリップを回復するに至る。こうして、トラクション制御が実施されるに至る。
この際、第1手段〜第4手段で前述したように、従来はトラクション制御の応答時間を短縮するうえでボトルネックであったのは駆動輪の空転検知に要する時間であったが、その検出時間を極めて短くすることができる。
したがって本手段によれば、駆動輪の空転によるスリップ状態からより速やかにグリップが回復されるので、トラクション制御の応答時間が短縮されるという効果がある。その結果、車両の操舵特性や加速特性ならびに加速時の安定性が改善され、走行時の安全性が向上するという効果ももたらされる。なお、前記の第1手段でも述べたように、この効果は駆動輪の回転数が低い発進時に、より顕著に発揮される。
そればかりではなく、本手段によれば、駆動輪の空転によって回転数が上がりモータに大出力を強いることがごく短時間ですむので、駆動電力が過大になる状態もごく短時間で脱することができるようになる。それゆえ、車両駆動用モータに電力を供給する電源(燃料電池または二次電池など)や電力供給手段(インバータや昇圧コンバータなど)に対する駆動輪空転時の負荷の急増を緩和することができる。その結果、車両の電源および電力供給手段に対して、過大な負荷ないし過大電流を回避することがある程度できるようになり、電源や電力供給手段の寿命を延ばすことができるという効果も生じる。そして、このような効果は、ハードウェアの設計余裕や運用寿命において、極めて重要な長所になる可能性がある。
(第6手段)
本発明の第6手段は、前述の第5手段において、前記回転抑制装置は、前記駆動電力を抑制する装置であることを特徴とする「トラクション制御装置」である。
ここで、駆動電力を抑制するというのは、単に駆動電力を減らしてゼロに近づけることが含まれるだけではなく、駆動電力を負としてモータに発電させ、その駆動輪に回生制動をかけることも含まれ得るものとする。すなわち、モータのトルクを減らしてゼロに近づける場合だけではなく、モータに負のトルクをかけて発電させ、より強い制動力を発生させることもあり得るものとする。
本手段では、回転抑制装置が、電力供給手段からモータに供給される駆動電力を抑制して、このモータが、空転している駆動輪にかけるトルクを減少ないし反転させる。それゆえ、路面との間の摩擦力も加わって、その駆動輪の回転数が急激に減少し、その駆動輪は路面との間にグリップを回復するに至る。
この際、回転抑制装置が、駆動電力を抑制してモータのトルクを低減、除去ないし反転させる方式をとっている。この方式には、エンジントルクを低減させる方式(ハイブリッドカーでエンジントルクを車輪駆動に利用している場合)や、油圧作動ないし電磁作動のブレーキをかける方式よりも、応答時間が短くすることができるという特徴がある。
したがって本手段によれば、駆動輪の空転検知装置の検出時間が短いうえに、回転抑制装置の応答時間も短くなるので、トラクション制御装置全体としての応答時間を最短にすることができるという効果がある。その結果、電源や電力供給手段に対する保護効果も、よりいっそう強くなる。すなわち、本手段によれば、前述の第5手段の効果がより強く発揮される。
[駆動輪の空転検知方法]
(第7手段)
本発明の第7手段は、駆動輪を回転させるモータとこのモータに駆動電力を供給する電力供給手段とを有する車両にあって、これらの駆動輪のうち少なくとも一つが空転していることを検知する「駆動輪の空転検知方法」である。本手段の特徴は、前記駆動輪の空転に伴う前記駆動電力の特性変動に基づいて、その駆動輪が空転していることを判定することである。
本手段は、前述の第1手段(装置発明)の作用におおむね対応する方法発明であり、第1手段の作用におおむね相当する効果が得られる。
すなわち、本手段の「駆動輪の空転検知方法」では、駆動輪の空転に伴う駆動電力の特性変動に基づいて、その駆動輪が空転しているか否かが判定される。すると、モータに供給される駆動電力の変化が、その駆動輪の回転数の変化に起因して瞬時に起きていれば、その駆動輪が空転して回転数が跳ね上がったことが、ほとんど瞬時のうちに検出される。本手段によって駆動輪の空転が検知されるに要する時間遅れは、駆動輪の回転数変化から駆動電力の変化に至るまでの時間遅れの程度であり、これは背景技術に比べてかなり短いと言える。
したがって、本手段の「駆動輪の空転検知方法」によれば、背景技術の項で説明したようにパルス式の車速センサで回転数を観測して駆動輪の空転を検出する方法に比べ、格段に速く駆動輪の空転を検出することができるという効果がある。そして、この効果は、駆動輪の回転数がまだ低い車両の発進時や低速走行時において顕著である。
そればかりではなく、本手段によれば、前述の背景技術とは異なって駆動輪のそれぞれに車速センサを設ける必要がなく、既存の電気的なセンサを有効利用することができるので、背景技術よりも安価に実施することができるという効果がある。また、実施する際に装置の構成や配線がより簡素になるから、車両の重量が軽減される一方で、検出の信頼性が向上するという効果もある。
なお、本手段には、第1手段に対する第2手段〜第4手段に相当する限定をつけることが可能であり、それぞれの限定に相応の作用効果が得られる。
[トラクション制御方法]
(第8手段)
本発明の第8手段は、前述の第7手段に記載された空転検知方法によって前記駆動輪の空転を検知した場合に、その駆動輪の回転を抑制することを特徴とする「トラクション制御方法」である。
本手段は、前述の第5手段(装置発明)の作用におおむね対応する方法発明であり、第5手段の効果におおむね相当する効果が得られる。
すなわち、本手段では、駆動輪の空転が起きたことが駆動電力の特性変動に基づいて検知された場合には、その駆動輪の回転が抑制されるので、その駆動輪の回転数が落ちる。すると、空転してスリップしていたその駆動輪が路面に対してグリップを回復し、トラクション制御がなされるに至る。この際、従来はトラクション制御の応答時間を短縮するうえでボトルネックであったのは駆動輪の空転検知に要する時間であったが、前述の第7手段で述べたように、その検出時間を極めて短くすることができる。
したがって本手段によれば、駆動輪の空転によるスリップ状態から、より速やかにその駆動輪のグリップが回復されるので、トラクション制御の応答時間が短縮されるという効果がある。その結果、車両の操舵特性や加速特性ならびに加速時の安定性が改善され、走行時の安全性が向上するという効果ももたらされる。なお、第1手段の効果の項でも述べたように、この効果は駆動輪の回転数が低い発進時に、より顕著に発揮される。
そればかりではなく、本手段によれば、駆動輪の空転によって回転数が上がった状態が短時間で終了し、モータに過大な出力を強いることがごく短時間ですむので、駆動電力が過大になる状態もごく短時間で脱することができるようになる。それゆえ、車両駆動用モータに電力を供給する電源(燃料電池または二次電池など)や電力供給手段(インバータや昇圧コンバータなど)に対する駆動輪空転時の負荷の急増を緩和することができる。
その結果、駆動輪の空転時にも車両の電源および電力供給手段を保護することがある程度できるようになり、その結果、電源や電力供給手段の寿命を延ばすことができるという効果も生じる。そして、このような効果は、ハードウェアの設計余裕や運用寿命において、極めて重要な長所になる可能性がある。
なお、本手段にも、前述の第5手段に対する第6手段に相当する限定をつけることが可能であり、その限定に相応の効果が得られる。
本発明によれば、前述のように、モータに駆動される駆動輪の空転を極めて短時間のうちに検出することができる「駆動輪の空転検知装置」および「駆動輪の空転検知方法」を提供することができる。また、本発明は、この空転検知技術を用いて、前述の背景技術よりも応答時間が短縮された「トラクション制御装置」および「トラクション制御方法」を提供することができる。
すなわち、本発明によれば、駆動輪の空転を検知することがより速やかにできるようになり、その結果、車両のトラクション制御をより短い応答時間のうちに行うことが可能になる。このような効果は、駆動輪の回転数がまだ低い車両の発進時ならびに低速での加速時に、より顕著になる。
そればかりではなく、本発明によれば、車両駆動用モータに電力を供給する電源(燃料電池または二次電池など)や電力供給手段(インバータや昇圧コンバータなど)ならびにモータに対する駆動輪空転時の負荷の急増を緩和することができる。その結果、電源や電力供給手段ならびにモータが保護されるので、これらの寿命を延ばすことができるという効果も生じる。
本発明の「駆動輪の空転検知装置」を含む「トラクション制御装置」ならびに「駆動輪の空転検知方法」を含む「トラクション制御方法」がもつ実施形態については、当業者に実施可能な理解が得られるように、以下の実施例で明確かつ十分に説明する。なお、本発明の出願時点では、これらの実施例のうちいずれかが最良の形態に相当する可能性があるものと、発明者は考えている。
(実施例1の装置構成)
本発明の実施例1としての「トラクション制御装置」は、やはり本発明の実施例にあたる「駆動輪の空転検知装置」と、この空転検知装置が駆動輪の空転を検知した場合にはその駆動輪の回転を抑制する回転抑制装置とを有する車載システムである。すなわち、本実施例の「トラクション制御装置」は、図1に示すように、モータECU3であり、左右一対の駆動輪を回転させるモータ7と、モータ7に駆動電力を供給する電力供給手段としてのインバータ6とを有する車両(図略)に搭載されている。
ここで、このモータECU3を搭載した車両は、ハイブリッドカーであって、同図中のモータ駆動系(モータECU3、バッテリ4、インバータ6、モータ7)の他に、図略のエンジンおよびエンジンECUを有する。同図中のHV−ECU2は、このエンジンECUとモータECU3との上位に立ち、両ECUを介してエンジンとモータ7とを統合的に制御するECUである。すなわち、HV−ECU2は、アクセルペダル装置(アクセルと略称)1からアクセル開度信号を受け取り、モータECU3にトルク指令Thv*(*は上付き半角)を供給して、モータ7が出力すべきトルクを適正に指定する。
また、モータ7は、左右一対の駆動輪を回転駆動させる三相交流誘導電動機であって、電力供給手段としてのインバータ6から駆動電力を受け取って左右一対の駆動輪を駆動する。インバータ6は、前述のようにモータECU3によって制御され、バッテリ4から供給される直流電力を適正な三相交流に変換してモータ7を駆動する。
本実施例の「トラクション制御装置」は、前述のように「駆動輪の空転検知装置」と回転抑制装置とを有するモータECU3であり、「駆動輪の空転検知装置」と回転抑制装置とのそれぞれについて、以下のような特徴を持っている。
先ず、「駆動輪の空転検知装置」は、左右一対の駆動輪のうち少なくとも一つが空転している場合には、その駆動輪の空転に伴う駆動電力の特性変動に基づいて、その駆動輪が空転していることを判定する判定手段(図略)をもっている。より具体的には、この判定手段は、モータECU3がインバータ6に与える出力電圧の振幅指令値の時間変動が、所定の閾値に達したか否かで、駆動輪に空転があるか否かを判定する。
次に、回転抑制装置は、この空転検知装置が駆動輪の空転を検知した場合には、インバータ6がモータ7へ供給する駆動電力を抑制することによって、その駆動輪の回転を抑制する装置である。
(実施例1の方法構成)
以上では、本実施例を装置発明として扱い、図1中に示すモータECU3として説明したが、その機能ないし作用に着目して本実施例を方法発明として扱うこともできる。すなわち、方法発明としての本実施例は「トラクション制御方法」である。そして、「トラクション制御方法」は、やはり本発明の実施例である「駆動輪の空転検知方法」を実施する検知段階と、この検知段階で駆動輪の空転が検知された場合にその駆動輪の回転を抑制する抑制段階との二段階からなる。
これら二段階のうち前者の検知段階で実施される「駆動輪の空転検知方法」は、駆動輪を回転させるモータ7とモータ7に駆動電力を供給する電力供給手段としてのインバータ6とを有する車両にあって、これらの駆動輪のうち少なくとも一つが空転していることを検知する方法である。この「駆動輪の空転検知方法」の特徴は、駆動輪の空転に伴う駆動電力の特性変動に基づいて、その駆動輪が空転していることを判定することである。より具体的には、この駆動電力の特性変動として、モータECU3がインバータ6に与える出力電圧の振幅指令値の時間変動が用いられている。そして、この振幅指令値の時間変動が所定の閾値以上になったことをもって、駆動輪のうちいずれか空転が生じていると判定される。
一方、後者の抑制段階では、前述の空転検知方法によって駆動輪のうちいずれかの空転を検知した場合に、モータECU3が、インバータ6に与える出力電圧の振幅指令値を急減させることを特徴とする。すると、インバータ6からモータ7に供給される駆動電力が急減し、モータ7が発揮するトルクが急減する結果、その駆動輪の回転が抑制されるに至る。
(実施例1の作用)
本実施例の「トラクション制御装置」および「トラクション制御方法」は、以上のように構成されているので、以下のような手順に沿って作用する。すなわち、装置発明としての本実施例「トラクション制御装置」は、図1中のモータECU3であり、方法発明としての本実施例「トラクション制御方法」は、モータECU3の作用によって実施される。そこで、以下では数枚のフローチャートを参照して、モータECU3で行われるトラクション制御の処理手順を説明する。
トラクション制御に関する全体の処理手順は、図2に示すように、モータ7の負荷変動を検出ないし算出する検出サブルーチンS1と、有意な負荷変動の有無を判定する判定ステップS2と、その判定結果にしたがって二者択一される制御サブルーチンS3,S4とからなる。この処理手順全体を、駆動輪の空転を検知する検知段階と、駆動輪の回転を制御する制御段階との二段階に分けるならば、前者の検知段階には、順次処理される検出サブルーチンS1と判定ステップS2とが相当する。一方、後者の制御段階には、駆動輪がグリップ状態にあると判定された場合のための通常制御サブルーチンS3と、逆に駆動輪が空転状態にあると判定された場合に駆動電力を低減させる低減制御サブルーチンS4とがある。両サブルーチンS3,S4は、判定ステップS2の判定結果によって、二者択一で処理される。
このようなトラクション制御の処理手順のうち、駆動輪の空転を検知する検知段階(検出サブルーチンS1および判定ステップS2)だけを詳細にしたフローチャートを、図3に示す。すなわち、図3中で、ステップS11〜S17は、図2中の検出サブルーチンS1を詳細に記載したものである。一方、判定ステップS2は図2中の判定ステップS2を具体化したものであり、二者択一のステップS3,S4はそれぞれ図2中の制御サブルーチンS3,S4に相当するものである。
以下、図3のフローチャートに添い、順を追ってモータECU3(図1参照)が行うトラクション制御の処理手順を説明する。
先ず、モータECU3は、ステップS11でHV−ECU2から与えられるトルク指令Thv*を読み込み、続いてステップS12でモータ7の回転数Nを算出する。次に、ステップS13で、トルク指令Thv*および回転数Nに基づき、モータECU3のメモリに内蔵されたマップを引いて、インバータ6がモータ7に供給すべき電流の指令値である電流指令値Id*,Iq*(*はいずれも上付き半角)を算出する。また、ステップS14で、モータ7に付設された二つの電流センサ(図略)からサンプリングしたモータ電流の実測値である実電流Id,Iqを取り込む。これで、電流指令値Id*,Iq*と実電流Id,Iqとがそろったので、ステップS15でモータ7の駆動電流を一定に保つように電流フィードバック演算を行い、続くステップS16でインバータ6に与えるべき電圧振幅の指令値Vを算出する。そして、ステップS17で、電圧指令値Vの時間微分に相当する差分演算を行い、電圧指令値Vの変化率ΔVを算出する。
こうして、インバータ6の出力たる駆動電力の特性変動を示す電圧指令変化率ΔVが準備できたので、判定ステップS2で、電圧指令変化率ΔVが所定の閾値A(0<A)に達するほど大きくなっているか否かを判定し、もって駆動輪の空転が有るか無いかの判定とする。
すなわち、仮に駆動輪が空転を始めたとすると、モータ7のトルクは急変しなくても、空転に伴ってモータ7の回転数が急増して、モータ7の軸出力が急増し、必然的にインバータ6からモータ7に供給される駆動電力も急増する。ここで、インバータ6はモータ7を電流制御しており、トルク指令Thv*に従ってモータ7が一定のトルクを出せるように、インバータ6は出力電流を一定に保つフィードバック制御を行っている。そこで、モータ7の駆動電力が急増していながら、駆動電力の電流振幅に大きな変化がないものとすれば、駆動電力の電圧振幅が急増せざるを得ず、そのためには電圧指令値Vも跳ね上がらざるを得ない。
したがって、電圧指令値Vの時間変化率である電圧指令変化率ΔVが、適正な所定の閾値Aに達するほど大きく、電圧指令値Vが急増しているならば、モータ7の回転数が異常に急騰しており、駆動輪の空転があるものと判定することができる。逆に、電圧指令変化率ΔVが閾値Aに達していなければ、駆動輪の空転が確信できるほどモータ7の回転数が急騰しているわけではないので、駆動輪の空転はないものと判定することができる。このようにして、前述の判定ステップS2では、インバータ6やモータ7の負荷変動(駆動電力の特性変動)に基づき、駆動輪が空転しているか否かが判定される。
さて、判定ステップS2で、有意な負荷変動がなく空転がないと判定された場合には、ロジックはNoの分枝に進み、モータECU3は、通常制御サブルーチンS3を処理し、図4に示すように、通常の制御の仕方でモータ7を制御する。
逆に、判定ステップS2(図2および図3を参照)で、有意な負荷変動があるから、駆動輪が空転しているものと判定された場合には、ロジックはYesの分枝に進み、モータECU3は低減制御サブルーチンS4を処理する。すなわち、モータECU3は、HV−ECU2から命ぜられたトルク指令Thv*と回転数Nとから、dq座標系における電圧制限(Vd*,Vq*)をマップ補間にて算出し、dq座標系から三相電圧指令に変換して、PMWのデューティーを算出する。
より詳しくは、図5に示すように、低減制御サブルーチンS4では、Thv*および回転数Nからマップを参照して電圧指令の制限値たる電圧制限Vd*,Vq*(*はいずれも上付き半角)が算出される。そして、ステップS42で、これらの電圧制限Vd*,Vq*はdq/三相の三相電圧Vu,Vv,Vwに変換され、続くステップS43で、PMWのデューティー比Du,Dv,Dwが算出される。
このようにして、モータECU3の内部では、インバータ6を制御してモータ7に供給する駆動電力を適度に低減させるための信号が揃う。モータECU3は、こうしてインバータ6の出力電圧を落とし、モータ7のトルクを低減して空転している駆動輪の回転数を落とし、路面に対するグリップを回復させるに至る。
そして、空転していた駆動輪が、その回転数を落としてグリップを回復すれば、再び図2および図3に示すように、判定ステップS2での分枝は再び通常制御サブルーチンS3に戻り、インバータ6は通常通りに制御されてモータ7のトルクを回復するに至る。こうして、本実施例の「トラクション制御装置」および「トラクション制御方法」では、モータECU3によって駆動輪のトラクション制御が行われる。
(実施例1の効果)
したがって、本実施例の「トラクション制御装置」および「トラクション制御方法」によれば、以下のように幾つもの効果が得られる。
第一の効果は、トラクション制御を行うにあたって、背景技術に比べて格段に速い応答速度が得られるという反応時間の短縮効果である。
なぜならば、空転検知段階では、前述のように、駆動電力の特性変動として電圧指令値Vの時間変化率ΔVを観測しているので、センサからの信号取り込みにかかる時間が少なく、駆動輪の空転を検知するのに要する時間が格段に短縮されるからである。この空転の検知に要する時間の短縮効果は、パルス式の車速センサとは異なって、駆動輪の回転数がまだ低い車両の発進時および低速域での加速時にも損なわれない。それゆえ、本実施例によるトラクション制御の反応時間短縮効果は、車両の発進時や低速での加速時に、背景技術と比べていっそう顕著になる。さらに、続く回転抑制段階では、インバータ6に与える電圧指令値Vを減じてモータ7のトルクを直接的に減じているので、駆動輪が空転している旨の判定結果が得られてから駆動輪の回転トルクが抑制されるまでに要する時間も、ブレーキ制御方式などに比べて短縮されている。したがって、本実施例によれば、トラクション制御の全体に要する時間、すなわち、計測(センシング)から処理(プロセッシング)を経て作動(アクチュエーション)に至るまでの応答時間を極めて短くすることができるという効果がある。
第二の効果は、バッテリ4、インバータ6およびモータ7に対する保護効果であり、その結果、これらの寿命が延びるという延命効果も得られる。
なぜならば、前述のように、駆動輪が空転するとモータ7の軸出力が急増し、モータ7の駆動電力も跳ね上がるので、モータ7が大電力で運転されるばかりではなく、バッテリ4およびインバータ6もモータ7に大電力を供給することになる。ところが、第一の効果で前述したように、本実施例ではトラクション制御の反応時間が極めて短いので、このような状態から速やかに脱出することができる。そのうえ、モータECU3が直裁にインバータ6の出力電圧を減らすので、駆動輪の回転数が下がるまで待つまでもなく、バッテリ4、インバータ6およびモータ7の負担はいっそう速やかに低減される。その結果、バッテリ4、インバータ6およびモータ7は、保護されて寿命が延びる。
第三の効果は、背景技術よりもシステム構成が簡素であるから、装置価格を安価にすることができるうえに、装置の重量も軽量化することができ、さらに故障しにくく信頼性が向上するという簡素化効果である。
なぜならば、すでに与えられている信号をモータECU3の内部で処理するだけで駆動輪の空転の有無を判定することができ、さらにインバータ6への指令値を低減するだけで駆動輪の回転を抑制することができるからである。それゆえ、パルス式の車速センサなどを各駆動輪に設ける必要がないうえに、モータECU3からブレーキまでの配線や、駆動輪にブレーキをかけるアクチュエータなども必要とされない。その結果、背景技術のセンサやアクチュエータのコストおよび重量と、これらとモータECU3とを結ぶ配線にかかるコストおよび重量とが、節約される。さらに、これらのセンサやアクチュエータならびにその配線が必要ないから、そこで起こる故障が回避され、信頼性も向上する。
第四の効果は、本実施例の「トラクション制御装置」を在来のハイブリッドカーなどに搭載するにあたって、改修が極めて容易であるという搭載の容易性である。
なぜならば、本実施例のモータECU3を車両に搭載するにあたり、前述のように、パルス式の車速センサなどを各駆動輪に設ける必要がないからである。そればかりか、モータECU3からブレーキまでの配線や、モータECU3からの信号で駆動輪にブレーキをかけるアクチュエータなども必要とされない。その結果、従前のモータECUを本実施例のモータECU3に交換する車両設計の変更作業は極めて容易であり、極端な場合には、モータECUのソフトウェアを書き換えるだけで、本実施例のモータECU3を搭載する設計変更が済むこともあり得る。
(実施例1の変形態様1)
本実施例の変形態様1として、回転抑制段階のサブルーチン(図2中のS4に相当)が、実施例1のそれ(図5参照)とは異なるトラクション制御装置の実施が可能である。本変形態様では、モータECU3が、空転している駆動輪の回転を抑制するためにインバータ6を制御してモータ7のトルクを低減するにあたり、dq座標系のモータ電流Id,Iqを低減させる。
すなわち、図6に示すように、モータECU3は先ず、ステップS41で、HV−ECU2からのトルク指令Thv*と回転数Nとを読み込み、これらからマップ補間によってdq座標系における電圧制限(Vd*,Vq*)を算出する。そして、ステップS42で、この電圧制限Vd*,Vq*の二乗和平方をとって電圧制限振幅V*を算出する。
続くステップS43では、この電圧制限振幅V*と後述の補正電圧振幅Vhとから同図中の演算式に基づいて補正電流指令(Idh*,Iqh*)を算出する。すなわち、モータ出力が急増した場合には、実際の補正電圧振幅Vhが電圧制限振幅V*よりも大きくなっているから、補正電流指令Idh*,Iqh*を下げてモータ7のトルクを弱める。逆に、モータ出力が急増した場合には、補正電圧振幅Vhが電圧制限振幅V*よりも小さくなっているから、補正電流指令Idh*,Iqh*を上げてモータ7のトルクを強める。
そして、ステップS44では、図示の演算を行ってVdh,Vqhを算出し、求めた補正電流指令(Idh*,Iqh*)を目標とした電流フィードバックを行う。しかる後、ステップS45で、Vdh,Vqhの二乗和平方をとって補正電圧振幅Vhを算出する。さらに、ステップS46で、dq座標系から三相電圧指令値Vu、Vv,Vwに変換し、ステップS47で、PMWのデューティーDu,Dv,Dwを算出する。
本変形態様によれば、実施例1の効果に加えて、前述のように、抑制段階で、駆動電力の急増の程度によってモータ7のトルクをどの程度下げるかが調整されるという効果もある。すなわち、モータ出力が急増し、実際の補正電圧振幅Vhが電圧制限振幅V*よりも大きくなっていれば、その程度に応じて補正電流指令Idh*,Iqh*を下げる程度が調整される。その結果、駆動輪の空転時にモータ7のトルクを弱める程度が、一律にではなく適正に調整されるという効果がある。
(実施例1の変形態様2)
本実施例の変形態様2として、やはり抑制段階のサブルーチン(図1中のS4に相当)が実施例1のそれ(図5参照)とは異なるトラクション制御装置および同方法を実施することができる。
すなわち、図7に示すように、モータECU3は、先ず、ステップS41で、モータECU3が現在出力している電圧指令位相θをVq,Vdから算出し、ステップS42で、電圧位相が90°すなわちトルクがゼロになる電圧位相を目標として、補正位相θ*を算出する。続くステップS43では、この補正位相θ*に基づいて補正位相電圧指令Vdh*,Vqh*を算出する。そして、ステップS44で、dq座標系から三相電圧指令値Vu、Vv,Vwに変換し、ステップS45で、PMWのデューティーDu,Dv,Dwを算出する。
本変形態様によれば、実施例1の効果に加えて、即座にモータ7のトルクをゼロにすることができるという効果を生じる。
(実施例1の変形態様3)
本実施例の変形態様3として、もう一つ、やはり回転抑制段階のサブルーチン(図1中のS4に相当)が、実施例1のそれ(図5参照)とは異なるトラクション制御装置および同方法を実施することができる。
すなわち、図8に示すように、モータECU3が行う処理は前述の変形態様1(図6参照)とおおむね同様であるが、補正電流指令Idh*,Iqh*を算出する手順が変形態様1と異なっている。すなわち、補正電流指令Idh*,Iqh*を設定するにあたり、変形態様1では、図6中のステップS43で前回値を基に直接的に演算処理していたが、本手段では、図8中のステップS43Aで補正トルク指令Th*を前回値に基づいて算出し、続くステップS43Bで補正トルク指令Th*および回転数Nからマップ引きを行っている。
本変形態様によれば、実施例1の効果に加えて、マップ引きで補正電流指令Idh*,Iqh*を設定しているので、前述の変形態様1よりも実情にあわせてモータ7のトルクを設定しやすくなるという効果がある。
(実施例1の変形態様4)
本実施例の変形態様4として、バッテリ電圧(バッテリ4の出力電圧の実測値)Vbに基づいて間接的に駆動電力の特性変動を観測して駆動輪の空転検知を行い、トラクション制御を行うこともできる。
すなわち、再び図1に示すように、モータECU3は、バッテリ4の出力電圧たるバッテリ電圧Vbを電圧センサ41で観測している。また、前述のように、駆動輪の空転が始まりモータ7の回転数が急増すると駆動電力が跳ね上がるので、バッテリ4から流出する電流が急騰してバッテリ電圧Vbは急減せざるを得ない。
それゆえ、本変形態様では、モータECU3が、バッテリ電圧Vbの急減の程度が基準よりも大きければ、駆動輪に空転が始まったものと判定し、インバータ6を制御してモータ7のトルクを抑制する。
本変形態様によれば、実施例1の効果に加えて、検知段階での処理手順がより単純になるという効果がある。
(実施例1の変形態様5)
本実施例の変形態様5として、インバータ6からモータ7に供給される三相交流の電圧振幅を二つないし三つの電圧センサで実測し、モータ7に供給される駆動電力の特性変動を直裁に観測して、駆動輪の空転検知を行うようにすることもできる。
すなわち、実施例1ではインバータ6に与えるべき電圧指令値Vの時間変化率をもって空転判定を行っていたが、本変形態様では、インバータ6の出力電圧を実測し、その振幅の時間変化率をもって空転判定を行うようにする。本変形態様では、指令値を実測値で置き換えるだけであるから、実施例1の判定基準や判定方法を準用することができる。
本変形態様によっても、実施例1の効果に準ずる効果が得られる。
(実施例1のその他の変形態様)
以上のように、本実施例のトラクション制御装置および同方法を実施するにあたって、駆動輪の空転を検知する段階(検知段階)では、たとえば実施例1およびその変形態様4〜変形態様6に記載されたヴェリエーションがある。また、空転が検知されて駆動輪の回転を抑制する段階(抑制段階)では、たとえば実施例1およびその変形態様1〜変形態様3に記載されたヴァリエーションがある。それゆえ、検知段階のヴァリエーションと抑制段階のヴァリエーションとを任意に組み合わせて、その他の変形態様を構成することができる。そして、そのような変形態様でも、その検知段階に特有の効果とその抑制段階に特有の効果との両方が発揮される。
なお、抑制段階のヴァリエーションには、モータ7の駆動電力を抑制する抑制段階で、さらにブレーキ制御やエンジン制御を併用してもよい。特にブレーキ制御を併用すれば、強大な制動力が空転中の駆動輪にかかり、より急速にグリップを回復することができるようになるという効果がある。
あるいは、抑制段階で、モータ7の駆動電力を抑制せずに、ブレーキ制御やエンジン制御によって駆動輪の回転を抑制してもよい。このような構成でも、検知段階に本発明の特徴があるトラクション制御技術の実施が可能であり、検知段階に限っては時間短縮効果が得られる。
(実施例2の構成および作用効果)
本発明の実施例2としての「トラクション制御装置」は、図9に示すように、ハイブリッドカー(図略)に搭載されたモータECU3であり、このハイブリッドカーには、電力供給手段としてインバータ6に加えて昇圧コンバータ5が装備されている。ここで、昇圧コンバータ5には、その入力電圧を計測する電流センサ41に加えて、その出力電圧を計測する電流センサ51が付設されている。これらの電圧センサ41,51から、実施例1とほぼ同様のバッテリ電圧Vbだけではなく、昇圧コンバータ5からインバータ6への電圧Viが、モータECU3に提供される。
本実施例としての「トラクション制御装置」および「トラクション制御方法」の特徴は、その検知段階で、昇圧コンバータ5の入力電圧であるバッテリ電圧Vbの時間変化率ΔVbと、昇圧コンバータ5の出力電圧であるインバータ電圧Viの時間変化率ΔViとを、空転判定に用いることである。
すなわち、図10に示すように、モータECU3は、実施例1と同様(図3参照)に、ステップS11〜ステップS15で電流フィードバック演算を行う。一方、検知段階に相当するステップS16,S17,S2では、バッテリ電圧Vbの時間変化率ΔVbとインバータ電圧Viの時間変化率ΔViとを求めたうえで、両変化率ΔVb,ΔViを用いて駆動輪のうちいずれかが空転しているか否かが判定される。そして、その判定結果に基づき、再び実施例1と同様に通常制御(サブルーチンS3)または低減制御(サブルーチンS4)が行われる。
本実施例によれば、昇圧コンバータ5を用いて小型軽量化したモータ7を駆動する車両にも適用できるようになり、実施例1と同様の効果が得られるという効果がある。
(実施例2の各種変形態様)
本実施例においても、前述の実施例1とほぼ同様に各種の変形態様を実施することができ、その変形態様に特有の作用効果が得られる。
(実施例3の構成および作用効果)
本発明の実施例3としての「トラクション制御装置」は、図11に示すように、二組のインバータ6,8およびモータ7,9が並列に装備された車両に搭載され、各インバータ6,8を制御するモータECU3である。ここで、二つのモータ7,9は、左右一対の駆動輪をそれぞれ駆動するようになっていても、あるいは前後の両輪をそれぞれ駆動する四輪駆動形式であってもよい。本実施例のモータECU3は、二つのインバータ6を別個に制御するようになっている。
本実施例の「トラクション制御装置」および「トラクション制御方法」も、前述の実施例1とほぼ同様に作用し、実施例1と同様の効果を発揮する。
(実施例3の各種変形態様)
本実施例においても、前述の実施例1とほぼ同様に各種の変形態様を実施することができ、その変形態様に特有の作用効果が得られる。
(実施例4の構成および作用効果)
本発明の実施例4としての「トラクション制御装置」は、図12に示すように、前述の実施例3での車両構成に対し、昇圧コンバータ5と電圧センサ51とが増設され、インバータ6,8およびモータ7,9がより高い電圧で駆動される構成の車両に搭載されている。すなわち、本実施例での車両構成は、実施例1に対する実施例2と同様に、実施例3の車両構成が改変されたものである。
本実施例での車両構成は、図13により詳しく開示されている。同図には、各インバータ6に二つずつ付設された電流センサ61,62,81,82と、各モータ7,9に付設されたロータ回転位置検出器71,91と、これらからモータECU3に至る信号線が記載されている。なお、前述の実施例1〜実施例3の車両構成では、これらに相当する電流センサやロータ回転位置検出器は、該当する図面への記載が省略されていた。
本実施例の「トラクション制御装置」および「トラクション制御方法」も、前述の実施例3とほぼ同様に作用し、実施例3と概ね同様の効果を発揮する。
(実施例4の各種変形態様)
本実施例においても、前述の実施例3とほぼ同様に各種の変形態様を実施することができ、その変形態様に特有の作用効果が得られる。
実施例1としてのトラクション制御装置の全体構成を示すブロック図 実施例1でのトラクション制御作用の概要を示すフローチャート 実施例1での駆動輪の空転を検知する作用を示すフローチャート 実施例1での通常時におけるモータ制御作用を示すフローチャート 実施例1での空転時における回転抑制作用を示すフローチャート 実施例1の変形態様1での回転抑制作用を示すフローチャート 実施例1の変形態様2での回転抑制作用を示すフローチャート 実施例1の変形態様3での回転抑制作用を示すフローチャート 実施例2としてのトラクション制御装置の全体構成を示すブロック図 実施例2での駆動輪の空転を検知する作用を示すフローチャート 実施例3としてのトラクション制御装置の全体構成を示すブロック図 実施例4としてのトラクション制御装置の全体構成を示すブロック図 実施例4のトラクション制御装置の全体構成を詳細に示すブロック図
符号の説明
1:アクセルペダル装置(アクセルと略称)
2:HV−ECU(モータECUと図略のエンジンECUとを統合的に制御)
3:モータECU(駆動輪の空転検知装置およびトラクション制御装置として)
4:バッテリ(電源として) 41:バッテリ電圧センサ
5:昇圧コンバータ(電力供給手段の一部として) 51:インバータ電圧センサ
6:インバータ(電力供給手段として) 61,62:電流センサ
7:交流モータ 71:ロータ回転位置検出器
8:インバータ(電力供給手段として) 81,82:電流センサ
9:交流モータ 91:ロータ回転位置検出器
Thv*:トルク指令(この符号に限らず*は全て上付き半角文字)
Vb:バッテリ電圧=バッテリから電力供給手段への電圧(計測値)
Vi:インバータ電圧=昇圧コンバータからインバータへの電圧(計測値)
V:インバータに与えられる出力電圧の振幅指令値
ΔV:その時間微分値(dV/dt)に相当する差分値(電圧指令変化率)
A,C,E:空転の判定基準となる所定値

Claims (6)

  1. 駆動輪を回転させるモータとこのモータに駆動電力を供給する電力供給手段とを有する車両に搭載され、これらの駆動輪のうち少なくとも一つが空転していることを検知する駆動輪の空転検知装置において、
    前記駆動輪の空転に伴う前記駆動電力の特性変動に基づいてその駆動輪が空転していることを判定する判定手段をもつことを特徴とする、
    駆動輪の空転検知装置。
  2. 前記駆動電力の前記特性変動とは、前記電力供給手段の入力電圧および出力電圧のうち少なくとも一方の時間変動である、
    請求項1に記載された駆動輪の空転検知装置。
  3. 前記モータは交流モータであり、前記電力供給手段はインバータをもち、
    前記出力電圧は、このインバータに与えられる出力電圧の振幅指令値と、前記駆動電力の電圧振幅の実測値とのうち少なくとも一方である、
    請求項2に記載された駆動輪の空転検知装置。
  4. 前記モータは、交流モータであり、
    前記電力供給手段は、昇圧コンバータおよびインバータをもち、
    前記駆動電力の特性変動とは、この昇圧コンバータの入力電圧と、この昇圧コンバータの出力電圧と、このインバータの出力電圧振幅の指令値と、このインバータの出力電圧振幅の実測値とのうち、少なくとも一つの時間変動である、
    請求項1に記載された駆動輪の空転検知装置。
  5. 請求項1〜請求項4のうちいずれかに記載された駆動輪の空転検知装置と、
    この空転検知装置が前記駆動輪の空転を検知した場合にはその駆動輪の回転を抑制する回転抑制装置と、
    を有することを特徴とする、
    トラクション制御装置。
  6. 前記回転抑制装置は、前記駆動電力を抑制する装置である、
    請求項5記載のトラクション制御装置。
JP2004184072A 2004-06-22 2004-06-22 駆動輪の空転検知装置およびトラクション制御装置 Pending JP2006014404A (ja)

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