JP2006014096A - 弾性表面波装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 IDT電極で発生する熱の放熱性に優れ、耐電力性に優れた弾性表面波装置を提供すること。
【解決手段】 圧電基板1の一方主面にIDT電極2および電極パッド3が形成され、これらを取り囲むように接地用環状電極4が形成されている弾性表面波素子が回路基板11の上面に一方主面を対向させて実装されており、接地用環状電極4は、回路基板11の下面に形成された接地導体15に、回路基板11の内部に形成された貫通導体14により接続されている弾性表面波装置である。これによりIDT電極2で発生した熱が接地用環状電極4,貫通導体14および接地導体15を介して外部に逃げやすくなり、熱による悪影響を抑えて弾性表面波装置の耐電力性を向上させることができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は弾性表面波装置に関するものであり、特に小型で高耐電力が要求される移動体通信機器の送受信分波回路(以下、デュプレクサと呼ぶ。)に用いられる高周波フィルタに適した弾性表面波装置に関するものである。
近年、弾性表面波装置、中でも弾性表面波フィルタは通信分野で広く利用されており、小型で、急峻なフィルタ特性を有し、量産性に優れる等の優れた特長を有することから、特に移動体通信機器に多く用いられている。そして、移動体通信機器の小型化のために、その内部の送受信回路に用いられるデュプレクサを構成するフィルタにも、従来より用いられてきた誘電体フィルタに代わって、弾性表面波フィルタが用いられるようになってきている。
ところが、デュプレクサは移動体通信機器のフロントエンドに用いられるため、送信時には0.8〜1.2Wの高電力が加わる。そのため、従来はもっぱら受信回路に使用されていた弾性表面波フィルタでは耐電力が不足するため、弾性表面波フィルタに対して耐電力性の改善が強く要望されている。
一般に、弾性表面波フィルタは圧電基板の表面にアルミニウム(Al)で形成された励振電極であるインターディジタルトランスデューサ電極(IDT電極)を有しているが、このIDT電極には、耐電力性の改善のため、従来から半導体の分野でマイグレーションに強いことで定評があったスパッタリング成膜によるAlに微量の異種金属を添加したAl系合金膜が用いられてきた。しかしながら、これを送信時に高電力負荷が加わるデュプレクサで用いると、IDT電極間で上記のマイグレーション現象が起こってしまうため、十分な耐電力性を有していないという問題点があった。

なお、マイグレーションとは、弾性表面波によってIDT電極に応力が生じ、歪みが生じて、それが限界を超えると電極材料であるAl原子が合金の結晶粒界を移動し、その結果、合金に突起(ヒロック)と空隙(ボイド)とを発生させる現象である。
そこで、弾性表面波フィルタの耐電力性をさらに向上させるために、例えば特許文献1に示されるように、チタン(Ti)とAlとを交互に積層した膜をIDT電極に用いることが提案されている。これによると、100℃の雰囲気で中心周波数に4Wの電力を印加し、挿入損失が初期値から0.5dB劣化した時点を寿命と定義して、Al単層膜の寿命を1で正規化すると、Al系合金(Alに1質量%のTiを添加)単層が100に対し、TiとAlとを交互に積層した膜は3×10と約5桁寿命が延びることが分かっている。
一方、デュプレクサに対しては、小型化についても強く要望されている。従来は、セラミックパッケージの凹部の中に弾性表面波素子を実装し、ワイヤボンディング技術により弾性表面波素子のパッド電極とセラミックパッケージの端子部とを接続した後、その凹部をキャップ等で気密封止することにより弾性表面波フィルタを作製する、いわゆるパッケージタイプの弾性表面波フィルタが一般的であった。
これに対し、近年ではより小型化するためにCSP(Chip Size Packeage:チップサイズパッケージ)技術を積極的に活用し、弾性表面波素子を回路基板上にフリップチップ実装することにより、いわゆるCSPタイプの弾性表面波フィルタとして、従来のパッケージタイプではワイヤボンディングのために必要であったスペースや高さを削減することが提案されている。
特許第3430745号公報
しかしながら、従来の弾性表面波フィルタ等の弾性表面波装置においては、IDT電極の膜構造を前述のように変えるだけでは十分な耐電力性を得ることができないという問題点があった。
これは、弾性表面波装置のIDT電極に高電力が印加されることにより、IDT電極で多量の熱が発生し、この熱によって電極材料のマイグレーションが加速されるため、IDT電極の耐電力が不足してしまうということによるものである。
さらに、弾性表面波装置を小型化するためにCSPタイプとすると、圧電基板のIDT電極が形成された側の面を回路基板に向けてフェイスダウン実装することとなるため、高電力が印加されてIDT電極で発生した熱を逃がすための放熱対策が施しにくくなり、その結果、耐電力の点で不利になるという問題点があった。これに対し、従来のパッケージタイプの弾性表面波装置では、パッケージの凹部に弾性表面波素子を実装する際に熱伝導性の良い導電性ペーストを用いており、なおかつその実装面をグランドに接続することにより有効な放熱経路を確保していた。CSPタイプの弾性表面波装置では、弾性表面波素子の実装面側からは微小な断面積の導体バンプを介してしか回路基板側へ放熱できないため、このような有効な放熱経路の確保が困難であるという問題点があった。
本発明は上述した問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、小型でありながら耐電力性に優れた、デュプレクサ用の弾性表面波フィルタに好適に使用できるCSPタイプの弾性表面波装置を提供することにある。
本発明の弾性表面波装置は、1)圧電基板の一方主面に複数のIDT電極および複数の電極パッドが形成され、前記一方主面に前記複数のIDT電極および前記複数の電極パッドを取り囲むように接地用環状電極が形成されている弾性表面波素子が回路基板の上面に前記一方主面を対向させて実装されており、前記接地用環状電極は、前記回路基板の内部または下面に形成された接地導体に前記回路基板の内部に形成された貫通導体により接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明の弾性表面波装置は、2)上記1)の構成において、前記接地用環状電極が四角形状であり、その辺に前記貫通導体が接続されていることを特徴とするものである。
また、本発明の弾性表面波装置は、3)上記1)の構成において、前記複数のIDT電極および複数の電極パッドが複数のフィルタを構成しており、前記接地用環状電極が前記複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されていることを特徴とするものである。
また、本発明の弾性表面波装置は、4)上記3)の構成において、前記複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されている前記接地用環状電極が互いに接していることを特徴とするものである。
また、本発明の弾性表面波装置は、5)上記3)または4)の各構成において、複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されている前記接地用環状電極の大きさが異なっていることを特徴とするものである。
また、本発明の弾性表面波装置は、6)上記1)〜6)の各構成において、前記IDT電極のうち少なくとも1つが抵抗体を介して前記接地用環状電極に電気的に接続されていることを特徴とするものである。
本発明の弾性表面波装置によれば、1)圧電基板の一方主面に複数のIDT電極および複数の電極パッドが形成され、前記一方主面に複数のIDT電極および複数の電極パッドを取り囲むように接地用環状電極が形成されている弾性表面波素子が回路基板の上面に一方主面を対向させて実装されており、接地用環状電極は、回路基板の内部または下面に形成された接地導体に回路基板の内部に形成された貫通導体により接続されていることから、IDT電極で発生した熱をそのIDT電極を取り囲むように形成されている接地用環状電極を介して拡散させるとともにこの接地用環状電極に接続された貫通導体から回路基板の接地導体に伝えて接地導体から放熱させることができるので、CSPタイプの弾性表面波装置であってもその弾性表面波素子のIDT電極で発生した熱を良好に放熱させることができ、その結果、IDT電極におけるマイグレーションの発生を抑えることができ、耐電力性に優れた弾性表面波装置となる。
また、本発明の弾性表面波装置によれば、2)前記接地用環状電極が四角形状であり、その辺に前記貫通導体が接続されているものであるときには、接地用環状電極をIDT電極から接地用環状電極に延びる導体パターンと最短距離で接続させることができるので、より効率的に放熱を行なうことができるものとなる。
また、本発明の弾性表面波装置によれば、3)複数のIDT電極および複数の電極パッドが複数のフィルタを構成しており、接地用環状電極が複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されているときには、各々のフィルタに対して接地用環状電極が電磁的なシールドの役割を果たすので、各々のフィルタの電磁的な結合を無くすことができ、フィルタ間の干渉を抑えることができる。特に、複数のフィルタがデュプレクサを構成する送信用フィルタと受信用フィルタとの場合には、フィルタ間の干渉とはパワーアンプで増幅された送信信号が受信側へ漏れてしまうことを意味し、このような漏れが生じると本来受信しなければならない信号を妨害してしまうので、フィルタ間の干渉は避けなければならないものである。
なお、これら複数のフィルタが、例えば送信用フィルタと受信用フィルタであるときには、この弾性表面波装置はデュプレクサとして好適に使用できるものとなる。また、これら複数のフィルタが例えばGSM用フィルタとDCS用フィルタであるときには、この弾性表面波装置は2つのフィルタを別々の圧電基板上に形成するのに比べて小型化することができ、回路基板への実装面積を小さくできるものとして好適に使用できるものとなる。
また、本発明の弾性表面波装置によれば、4)複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されている接地用環状電極が互いに接しているときには、複数のフィルタで発熱量に差がある場合に、発熱量の多いフィルタは、自身を取り囲む接地用環状電極と発熱量の少ないフィルタを取り囲む接地用環状電極との両方の貫通導体を利用して放熱することができるので、より放熱性に優れた構造とすることができる。また、複数の接地用環状電極が接していない場合に比べ、接することにより接地用環状電極の設置面積を小さくすることができるので、弾性表面波装置を小型にできる。なお、この場合も各々のフィルタは電磁的に遮断されており、フィルタ間の干渉は抑えられている。
また、本発明の弾性表面波装置によれば、5)複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されている接地用環状電極の大きさが異なっているときには、発熱量の多いフィルタを取り囲む接地用環状電極を大きくすることによって、発熱量の多いフィルタの周りにより多くの貫通導体を設けることができるので、効率的に熱を回路基板側に逃がすことができるものとなる。
また、本発明の弾性表面波装置によれば、6)IDT電極のうち少なくとも1つが抵抗体を介して接地用環状電極に電気的に接続されているときには、IDT電極で発生した熱は接地用環状電極を介して逃がすことができるが、抵抗体によってIDT電極から高周波信号は逃がさないようにすることができるので、IDT電極の特性およびこれにより構成されるフィルタの特性に影響を与えないようにしつつ、良好に放熱させることができるものとなる。
以下に、本発明の弾性表面波装置について、実施の形態の例を模式的に図示した図面に基づき詳細に説明する。なお、以下に説明する図面において同様の箇所には同じ符号を付してある。
図1〜図3はそれぞれ本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第1の例を示すものであり、図1は本発明の弾性表面波装置を構成する弾性表面波素子の圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図、図2はその圧電基板が実装される回路基板の上面を示す平面図、図3は弾性表面波素子が回路基板に実装されて構成された本発明の弾性表面波装置の図1のA−A’線および図2のB−B’線に沿った断面図である。
図1において、1は圧電基板、2は圧電基板1の一方主面に複数形成されたIDT電極、3は圧電基板1の一方主面に複数形成された、IDT電極2に電気的に接続された、入出力用端子として機能する電極パッド、4は圧電基板1の一方主面に複数のIDT電極2および複数の電極パッド3を取り囲むように形成された接地用環状電極であり、これらにより弾性表面波素子が構成されている。この第1の例として示すのは、ラダー型弾性表面波フィルタを用いたデュプレクサを構成した例であり、圧電基板1上に複数のIDT電極2および複数の電極パッド3が複数のフィルタとして送信用フィルタ5と受信用フィルタとを構成しており、送信用フィルタ5および受信用フィルタ6をそれぞれ個別に取り囲むように接地用環状電極4が形成されている。また、この第1の例では、送信用フィルタ5を構成するIDT電極2は高電力が入力されて動作中に発熱するものであり、接地用環状電極4は四角形状に形成されている。
一方、図2において、11は回路基板、12は回路基板11に電極パッド3と対応させて形成された、入出力用端子として機能する入出力用貫通導体、13は回路基板11の上面に接地用環状電極4と対応させて形成された接地用環状導体、14は回路基板11の内部に接地用環状電極4と対応させて形成された貫通導体、15は回路基板11の下面に形成され、貫通導体14が接続された接地導体である。なお、この接地導体15は、回路基板11の内部に形成される場合もある。
そして、図3において、1は圧電基板、4は接地用環状電極、5は送信用フィルタ、6は受信用フィルタであり(IDT電極2および電極パッド3は図示していない。)、11は回路基板、14は貫通導体、15は接地導体であり(入出力用貫通導体12および接地用環状導体13は図示していない。)、21は回路基板11上に実装された弾性表面波素子を封止する封止樹脂である。
このように、本発明の弾性表面波装置は、圧電基板1の一方主面に複数のIDT電極2および複数の電極パッド3が形成され、この一方主面にこれら複数のIDT電極2および複数の電極パッド3を取り囲むように接地用環状電極4が形成されている弾性表面波素子が回路基板11の上面に一方主面を対向させて実装されており、接地用環状電極4は、回路基板11の内部または下面に形成された接地導体15に、回路基板11の内部に形成された貫通導体14により接続されている。これにより、IDT電極2で発生した熱をそのIDT電極2を取り囲むように形成されている接地用環状電極4を介して拡散させるとともにこの接地用環状電極4に接続された貫通導体14から回路基板11の接地導体15に伝えて接地導体15から放熱させることができるので、CSPタイプの弾性表面波装置であってもその弾性表面波素子のIDT電極2で発生した熱を良好に放熱させることができ、その結果、IDT電極2におけるマイグレーションの発生を抑えることができ、耐電力性に優れた弾性表面波装置となる。
また、接地用環状電極4と貫通導体14とを接続する場合に、この第1の例のように回路基板11の上面に接地用環状電極4に対応させて接地用環状導体13を形成して、これに接地用環状電極4および貫通導体14をそれぞれ接続するようにすると、接地用環状電極4と接地用環状導体13とによってその内側の空間にIDT電極2および電極パッド3を気密に封止して保護することができ、また圧電基板1に外力が加わったとしてもそれを接地用環状電極4と接地用環状導体13とで受けてIDT電極2の動作への悪影響を防止することができ、信頼性に優れた弾性表面波装置となる。
また、この第1の例のように接地用環状電極4が四角形状であり、その辺に貫通導体14が接続されているものであるときには、接地用環状電極4をIDT電極2から接地用環状電極4に延びる導体パターンと最短距離で接続させることができるので、より効率的に放熱を行なうことができるものとなる。
また、この第1の例のように複数のIDT電極2および複数の電極パッド4が複数のフィルタとして例えば送信用フィルタ5および受信用フィルタ6を構成しており、接地用環状電極4がこれら送信用フィルタ5および受信用フィルタ6を個別に取り囲むように形成されているときには、各々のフィルタ5,6に対して接地用環状電極4が電磁的なシールドの役割を果たすので、各々のフィルタ5,6の電磁的な結合を無くすことができ、フィルタ5,6間の干渉を抑えることができる。
本発明の弾性表面波装置において、弾性表面波素子を構成する圧電基板1は、タンタル酸リチウム等の圧電材料から成る基板が用いられ、例えば36°±3°YカットX伝搬のタンタル酸リチウム単結晶,42°±3°YカットX伝搬のタンタル酸リチウム単結晶,64°±3°YカットX伝搬のニオブ酸リチウム単結晶,41°±3°YカットX伝搬のニオブ酸リチウム単結晶,45°±3°XカットZ伝搬の四ホウ酸リチウム単結晶が、それぞれ電気機械結合係数が大きく、かつ周波数温度係数が小さいため好適に用いることができる。また圧電基板1の厚さは0.1mm〜0.5mm程度が好適である。0.1mm未満の厚さでは圧電基板1が割れやすくなり、0.5mm超では部品寸法が大きくなり弾性表面波装置の小型化を達成することが困難となる傾向がある。
圧電基板1の一主面に形成される複数のIDT電極2は、これらによって例えば直列および並列にはしご型に接続したラダー型フィルタを構成することによって、送信用フィルタ5および受信用フィルタ6等のフィルタを構成するものであり、これによって急峻でかつ低損失なフィルタ特性を持つ弾性表面波フィルタを実現することができる。そして、圧電基板1の同じ一主面には複数の電極パッド3が形成されており、IDT電極2には、接地用端子あるいは送信用または受信用の信号入出力端子等としてのこれら電極パッド3が電気的に接続されている。
なお、第1の例では送信フィルタ5および受信フィルタ6を構成した例を示しているが、これはデュプレクサとして好適に用いることができる。また、構成するフィルタとして例えばPCS用のハーフバンドフィルタとしたときは、PCS帯の帯域幅の仕様が厳しいため、通過帯域内をLowバンドとHighバンドとの2つに分割して、それぞれLowバンドフィルタとHighバンドフィルタとして同一の圧電基板1上に形成することができる。
また、圧電基板1の同じ一主面に複数のIDT電極2および複数の電極パッド3を取り囲んで形成される接地用環状電極4は、各電極パッド3が回路基板11の上面にそれら電極パッド3に対応させて形成された各入出力用貫通導体12に導体バンプ(図示せず)を介して接続されるとともに、この接地用環状電極4が回路基板11の上面にこれに対応させて形成された接地用環状導体13に、例えば半田等のろう材を用いて、内側を環状に封止するようにして接続される。これにより、弾性表面波素子の動作面側に所定の空間を確保してその空間の気密性を保つことができるので、弾性表面波素子を外部環境の影響を抑えて安定して動作させることができるとともに、その動作を長期間にわたって安定して行なわせることができ、高信頼性の弾性表面波装置とすることが可能となる。
また、これら接地用環状電極4および接地用環状導体13により環状に気密封止された内部に、さらに例えば不活性ガスである窒素ガス等を封入することにより、各IDT電極2や各電極パッド3,各入出力用貫通導体12の酸化等による劣化を効果的に防止することができるので、さらに高信頼性とすることが可能となる。
そして、接地用環状電極4が接地用環状導体13を介して貫通導体14により回路基板11の下面に形成された接地導体15に接続されることにより、前述のようにIDT電極2で発生した熱を良好に放熱させることができる。
このような接地用環状電極4は、圧電基板1の一方主面において、複数のIDT電極2および複数の電極パッド3に対してこれらを取り囲むように、四角形状のものにすることにより、圧電基板1の外縁部に沿って設けることができ、複数のIDT電極2および複数の電極パッド3で構成されるフィルタ(5,6)をその内側に広い面積を利用して有効に配置させることができる。この際、フィルタが複数構成される場合には、それら複数のフィルタを接地用環状電極4により個別に取り囲むように形成することが好ましい。
この接地用環状電極4は、半田等のろう材による封止性や位置合わせ精度を考慮して、例えば0.05mmから0.15mmの幅で形成することが好ましい。0.05mmより狭い幅では、半田による封止性や機械的応力による信頼性を満足させることが困難となる傾向がある。また、必要以上に幅を大きくして接地用環状電極4を設けることは、複数のIDT電極2および複数の電極パッド3をその内側に広い面積を用いて有効に配置させることが困難となるので、弾性表面波装置に要求される特性や仕様に応じて適切に設定すればよい。
以上のようなIDT電極2,電極パッド3,接地用環状電極4は、Al,Al系合金,銅,銅合金,金,金合金,タンタル,タンタル合金、またはこれらの材料から成る層の積層膜やこれらの材料から成る層とチタン,クロム等の材料から成る層との積層膜を用いることができる。成膜方法としてはスパッタリング法や電子ビーム蒸着法を用いることができる。そして、成膜後、フォトレジストを約0.5μmの厚みにスピンコートした後、ステッパー(縮小投影露光機)にて所望の電極パターンにパターニングを行ない、次に、現像装置にて不要部分のレジストをアルカリ現像液で溶融させ、所望の電極パターンを表出させた後、RIE(Reactive Ion Etching)装置により電極のエッチングを行ない、所望の電極パターンのIDT電極2,電極パッド3,接地用環状電極4を得る。
回路基板11は、セラミックス,ガラス,樹脂等を材料とした複数の絶縁層が積層された絶縁基板に、各絶縁層にその材料に合わせて、接地用環状導体13や入出力用貫通導体12,貫通導体14,接地導体15をはじめとして所望の配線を形成するための導体パターンあるいは貫通導体パターンが、Au,Cu,Ag,Ag−Pd,W等の金属導体をスクリーン印刷あるいは蒸着やスパッタリング等の成膜法とエッチングとの組合せ等により形成されて作製されている。各導体パターンまたは各貫通導体パターンには、さらに弾性表面波素子との良好な接合に必要であれば、表面にNiあるいはAu等のめっきを施してもよい。
第1の例における回路基板11は2層の絶縁層が積層されて作製されている。これら絶縁層には、例えばアルミナを主成分とするセラミックスや、低温で焼結可能なガラスセラミックス、または有機材料を主成分とするガラスエポキシ樹脂等が用いられ、セラミックスやガラスセラミックスを用いる場合には、セラミックス等の金属酸化物と有機バインダとを有機溶剤等で均質混練したスラリーをシート状に成型したグリーンシートを作製し、所望の導体パターンや貫通導体パターンを形成した後、これらグリーンシートを積層し圧着することにより一体形成して焼成することによって作製されている。
電極パッド3と入出力用貫通導体12とを接続する導体バンプは、半田や金等の導体材料により形成される。半田で形成する場合には、例えばスクリーン印刷により電極パッド3または入出力用貫通導体12の端部にクリーム半田を塗布した後、その半田を溶融させることで導体バンプを形成することができる。また、金で形成する場合は、例えば金線を電極パッド3または入出力用貫通導体12の端部にワイヤボンディングし、これを短い長さに切断することで導体バンプを形成することができる。この導体バンプによる接続に際しては、熱もしくは超音波等を加えながら圧着することを行なってもよく、これによれば確実で良好な接続が可能である。
回路基板11に形成される貫通導体14は、接地用環状電極4を接地導体15に接続して電気的に接地するとともに良好な放熱を行なわせるためのものであり、回路基板11の上面に実装される弾性表面波素子の接地用環状電極4に対応させて形成される。この貫通導体14の配置は、発熱量の多いIDT電極2の近くか並列共振子からグランドにつながる配線パターンと接地用環状電極4との交点部分、もしくは発熱量の多いIDT電極2の反射器が接地用環状電極4と電気的に接続されている場合には、その接続部付近とすることが、放熱経路が短く、放熱効果が高くなるので好ましい。
特に、接地用環状電極4が四角形状に形成されている場合には、圧電基板1の隅まで有効に接地用環状電極4を配置して使用することができ、IDT電極2および電極パッド3をその内側に広い面積を利用して有効に配置させることができるので、その辺に対応する箇所に配置して接地用環状電極4に接続することが好ましい。また、貫通導体14の大きさは、放熱を考えると直径が大きいほうが有利となるが、大き過ぎると、回路基板11の絶縁材料である例えばセラミックスと金属から成る貫通導体14との間において熱膨張係数差が大きくなり、貫通導体14の近傍の絶縁層にクラック等の亀裂を発生させることになり、接続信頼性の低下を引き起こす場合がある。よって、ここでは貫通導体14の直径は50〜200μm程度が好適である。
回路基板11の内部または下面に形成される接地導体15は、外部の電子回路に接続されて弾性表面波装置を接地するとともに、IDT電極2で動作に伴って発生した熱を弾性表面波装置の外部へ良好に放熱させる機能を有する。このような接地導体15は、IDT電極2で発生した熱を効率的に外部の電子回路に逃がすためにも、最短経路で接続できる位置にあることが望ましい。すなわち、接地導体15と接地用環状電極4とが貫通導体14によって直線的に接続されていることが望ましい。さらに、接地導体15は外部の電子回路にIDT電極2で発生した熱を逃がす主たる経路となっているので、その接続面である接地導体15は、設計が許す範囲で大きくすることが望ましい。
封止樹脂21は、回路基板11上に実装された弾性表面波素子を気密に封止するとともに外部の環境や外力から保護するための外装保護材としても機能するものであり、この例では、弾性表面波素子の圧電基板1の他主面(図1においては上面になる。)から回路基板11の上面にかけて付与されて、弾性表面波装置の外形をなすように形成されている。このように、回路基板11の上面に実装されて圧電基板1をエポキシ樹脂やビフェノール樹脂,ポリイミド樹脂,固形分であるフィラーとしてアルミナや窒化アルミニウムや窒化珪素等のフィラーを混合した樹脂から成る封止樹脂21で封止することで、圧電基板1および電気的な接続部を機械的衝撃や水分・薬品等から保護することが可能となり、高信頼性の弾性表面波装置とすることができる。
なお、本発明の弾性表面波装置において、送信用フィルタ5の接地用の電極パッド3は、回路基板11に上面から下面にかけて上下方向の位置をずらした複数の貫通導体を回路基板11内の導体層によって階段状に接続された階段状貫通導体に接続しておくとよい。これによれば、IDT電極2により構成される送信用フィルタ5(より具体的には低域側フィルタ)の接地導体に生じる寄生インダクタンスを回路基板11内に階段状に接続された階段状貫通導体を接続することによって増加させることができ、これによって送信用フィルタ5(低域側フィルタ)の並列共振器について、受信用フィルタ6(より具体的には高域側フィルタ)の周波数帯域と重なる帯域におけるインピーダンスを小さくすることができるため、その高域側周波数帯域と重なる帯域を通過する信号を効果的に阻止することが可能となるので、送信用フィルタ5(低域側フィルタ)の高域周波数側帯域外減衰特性を大幅に向上させることが可能となる。このような階段状貫通導体としては、例えば複数の貫通導体を0.05mmから0.2mm程度の直径で形成すればよく、階段状貫通導体のインダクタンスを大きくする目的からは貫通導体を0.1mm以下の直径として形成すればよい。
また、本発明の弾性表面波装置において、受信用フィルタ6の電極パッド3は、回路基板11に上面から下面にかけて直線状に形成された直線状貫通導体に接続しておくとよい。これによれば、IDT電極2により構成される受信用フィルタ6(より具体的には高域側フィルタ)の接地導体に生じる寄生インダクタンスを回路基板11内に直線状に形成された直線状貫通導体に接続することによって低減させることができ、これによって受信用フィルタ6(高域側フィルタ)の並列共振器について、送信用フィルタ5(低域側フィルタ)の周波数帯域と重なる帯域におけるインピーダンスを小さくすることができるため、その低域側周波数帯域と重なる帯域を通過する信号を効果的に阻止することが可能となるので、受信用フィルタ6(高域側フィルタ)の低域周波数側帯域外減衰特性を良好に向上させることが可能となる。このような直線状貫通導体としては、例えば直線状貫通導体(あるいは直線状に接続された複数の貫通導体)を0.05mmから0.2mm程度の直径で形成すればよく、直線状貫通導体のインダクタンスを小さくする目的からは貫通導体を0.1mm以上の直径とすればよい。
次に、図4は、本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第2の例を示す、図1と同様の本発明の弾性表面波装置を構成する弾性表面波素子の圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図である。図4において図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、この例は、複数のフィルタである送信用フィルタ5と受信用フィルタ6とを個別に取り囲む接地用環状電極4が互いに接しているものであり、送信用フィルタ5と受信用フィルタ6とが同一の接地用環状電極4でそれぞれ取り囲まれているものである。
このような構造の第2の例によれば、第1の例と比較して、同等の放熱性を持ちつつ、弾性表面波素子および弾性表面波装置をより小型化することができる。
次に、図5および図6は、本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第3の例を示す、図1と同様の本発明の弾性表面波装置を構成する弾性表面波素子の圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図、および図2と同様のその圧電基板が実装される回路基板の上面を示す平面図である。図5および図6において、図1および図2と同様の箇所には同じ符号を付してあり、この例は、複数のフィルタである送信用フィルタ5と受信用フィルタ6とを個別に取り囲む接地用環状電極4が互いに接しているとともに、その大きさが異なっているものであり、送信用フィルタ5と受信用フィルタ6とが同一の接地用環状電極4の大きさの異なる環状部でそれぞれ取り囲まれているものである。この例では、送信用フィルタ5を取り囲む環状部の大きさ(内側の面積)が受信用フィルタ6を取り囲む環状部の大きさより大きく(広く)なっている。
このような構造の第3の例によれば、高電力が直接加わる送信用フィルタ5のIDT電極2を大きな電極として設計することができるとともに、発熱量のより大きい送信用フィルタ5の周囲により多くの貫通導体15を設けて接地用環状電極4に接続することができるので、弾性表面波装置の大型化を抑えつつ耐電力性を高めることができる。
次に、図7は、本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第4の例を示す、図1と同様の本発明の弾性表面波装置を構成する弾性表面波素子の圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図である。図7においても図1と同様の箇所には同じ符号を付してあり、この例は、複数のフィルタである送信用フィルタ5と受信用フィルタ6とを接地用環状電極4で個別に取り囲むとともに、複数のIDT電極2のうち少なくとも1つが抵抗体7を介して接地用環状電極4に電気的に接続されているものである。この例では、送信用フィルタ5と受信用フィルタ6とをそれぞれ取り囲むように接地用環状電極4が形成されており、それぞれのIDT電極2のうち接地用環状電極4に直接つながっていない信号ラインが接続されているものをその信号ラインを介し抵抗体7を介して接地用環状電極4に電気的に接続している。この抵抗体7は、例えばシリコンや酸化チタン,酸化銅等の高抵抗の半導体で形成するとよい。また、窒化タンタル等の薄膜抵抗体で形成してもよい。
このような構造の第4の例によれば、この抵抗体7はIDT電極2に入力される高周波信号に対しては高インピーダンスとなっているため、この抵抗体7を介して接地用環状電極4に高周波信号が漏れることはない。一方、直流的には低インピーダンスとなっているため導通状態となり、IDT電極2から接地用環状電極4への放熱経路として動作するため、IDT電極2において発生した熱をさらに効率よく放熱させることができるので、弾性表面波装置の耐電力性をさらに高めることができるものとなる。
このような抵抗体7は、複数のIDT電極2のうち少なくとも1つに、より具体的には接地用環状電極4に直接つながっていない最も発熱量の多いIDT電極2に対して接続するとよい。また、IDT電極2に対しては、この例のように信号ラインを介して接続してもよいし、IDT電極2のバスバー部分に直接接続してもよい。
次に、本発明の弾性表面波装置の実施例について説明する。
弾性表面波素子は、圧電基板として38.7°YカットX方向伝搬のタンタル酸リチウム単結晶基板を用い、この一主面上に、Al(99質量%)−Cu(1質量%)のAl合金から成るIDT電極2のパターンと入出力電極としての電極パッドのパターンとこれらを電気的に接続する配線のパターンと接地用環状電極とを形成した。これらのパターン作製、以下のようにして、スパッタリング法によりAl合金薄膜を形成した後、ステッパーおよびRIE(反応性イオンエッチング)装置等によりフォトリソグラフィを行ない、所定の各パターンとすることにより行なった。
まず、圧電基板となるタンタル酸リチウムウエハをアセトン,IPA(イソプロピルアルコール)等の有機溶剤によって超音波洗浄し、有機成分を洗浄した。次に、クリーンオーブンによって十分に基板乾燥を行なった後、IDT電極,電極パッド,配線および接地用環状電極の形成を行なった。
これらの形成では、スパッタリング装置を使用して上記組成のAl−Cu薄膜を形成した後、フォトレジストを約0.5μmの厚みにスピンコートし、ステッパーにより所望の各パターンにパターニングを行なった。次に、現像装置にて不要部分のレジストをアルカリ現像液で溶融させ、所望の各パターンを表出させた後、RIE装置によりAl−Cu薄膜のエッチングを行ない、所望のIDT電極,電極パッド,配線および接地用環状電極を形成した。
この後、これらを保護する保護膜を形成した。ここでは、酸化珪素膜をスパッタリング装置にて成膜し、その後、フォトリソグラフィによってレジストのパターニングを行ない、RIE装置等で電極パッドに対応した入出力電極用窓開け部と接地用環状電極に対応した環状電極用窓開け部とのエッチングを行ない、保護膜パターンを形成した。
次に、保護膜にIDT電極と接地用環状電極とを接続する抵抗体を成膜する部分の開口パターンをフォトリソグラフィによって作製し、この部分の保護膜をRIE装置でエッチングした後、抵抗体をリフトオフ法にて作製した。この抵抗体にはホウ素を添加したシリコンを用い、スパッタリング法にて成膜した。
なお、ここでは抵抗体を独立にパターニングして作製したが、保護膜自体をシリコン等の半導体薄膜で形成し、それによってIDT電極と接地用環状電極とを電気的に接続してもよい。この場合には、抵抗体を改めてパターニングして作製する工程を省略することができる。また、IDT電極をエッチングする際にIDT電極と接地用環状電極との間に極薄くAl−Cu薄膜を残しておき、その後の酸素プラズマを用いたレジスト剥離工程や酸素プラズマを用いたCVD(化学的気相成長)法による保護膜作製工程において、残しておいたAl−Cu極薄膜を酸化させることにより、高抵抗半導体であるCuAlOを形成し、これを抵抗体として用いることができる。さらに、IDT電極をここでは単層のAl−Cu薄膜で形成したが、これにTiやCu等を下地層として設けたりして積層膜としてもよく、下地層にTiやCuを用いた場合には、同様のプロセスを用いて残しておいたTiやCuの極薄層を酸化させることにより酸化チタンや酸化銅等の高抵抗半導体とすることができるので、これを抵抗体として用いてもよい。
次に、ダイシング線に沿って圧電基板をダイシングし、弾性表面波素子のチップごとに分割した。そして、チップの電極パッドおよび接地用環状電極と回路基板上の入出力用貫通導体および接地用環状導体とを半田ボールで仮付けした後、リフロー工程を経てそれぞれを接合し、IDT電極を気密封止した弾性表面波フィルタを得た。
ここで、回路基板は、複数の絶縁層が積層されて作製されている。これらの絶縁層には、例えばアルミナを主成分とするセラミックスや、低温で焼成可能なガラスセラミックス、または有機材料を主成分とするガラスエポキシ樹脂等が用いられ、セラミックスやガラスセラミックスを用いる場合には、セラミックス等のグリーンシートを作製し、所望の配線パターンや貫通導体を設けた後、これらグリーンシートを積層し圧着することにより一体形成して焼成することにより作製されている。
そして、以上のようにして得られた本発明の弾性表面波装置について、50℃の環境温度の下で32dBmの電力を印加する試験において、従来の弾性表面波装置によりも優れた約3時間の耐電力寿命を得た。
以上の結果より、本発明の弾性表面波装置によれば、IDT電極で発生する熱を効率よく放熱することができ、それにより耐電力性に優れたものであることが確認できた。
なお、本発明は以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることは何ら差し支えない。例えば、以上の実施の形態の例では、圧電基板1の電極パッド3は回路基板11の入出力用貫通導体12の端部に接続されるものとしたが、回路基板11の上面に電極パッド3に対応させた電極パッドを形成してこれに接続するようにしてもよい。
また、回路基板11内に、送信用フィルタ5と受信用フィルタ6との間のアイソレーションを良好にするために、メアンダ状の位相線路やインダクタおよびキャパシタによる整合回路を配置してもよい。これによれば、アンテナ端子から見た受信用フィルタ6のインピーダンス特性が送信周波数帯域において無限大に限りなく近づき、送信信号が受信フィルタ6へ流れ込むのを防ぐことができるので、アイソレーション特性を良好にすることが可能となる。
本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第1の例を示す、弾性表面波装置を構成する圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図である。 本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第1の例を示す、弾性表面波装置を構成する、圧電基板が実装される回路基板の上面を示す平面図である。 本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第1の例を示す、図1のA−A’線および図2のB−B’線に沿った断面図である。 本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第2の例を示す、弾性表面波装置を構成する圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図である。 本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第3の例を示す、弾性表面波装置を構成する圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図である。 本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第1の例を示す、弾性表面波装置を構成する、圧電基板が実装される回路基板の上面を示す平面図である。 本発明の弾性表面波装置の実施の形態の第4の例を示す、弾性表面波装置を構成する圧電基板のIDT電極が形成された面を示す平面図である。
符号の説明
1・・・圧電基板
2・・・IDT電極
3・・・電極パッド
4・・・接地用環状電極
5・・・送信用フィルタ
6・・・受信用フィルタ
7・・・抵抗体
11・・・回路基板
12・・・入出力用貫通導体
13・・・接地用環状導体
14・・・貫通導体
15・・・接地導体
21・・・封止樹脂

Claims (6)

  1. 圧電基板の一方主面に複数のIDT電極および複数の電極パッドが形成され、前記一方主面に前記複数のIDT電極および前記複数の電極パッドを取り囲むように接地用環状電極が形成されている弾性表面波素子が回路基板の上面に前記一方主面を対向させて実装されており、前記接地用環状電極は、前記回路基板の内部または下面に形成された接地導体に、前記回路基板の内部に形成された貫通導体により接続されていることを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 前記接地用環状電極が四角形状であり、その辺に前記貫通導体が接続されていることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置。
  3. 前記複数のIDT電極および複数の電極パッドが複数のフィルタを構成しており、前記接地用環状電極が前記複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されていることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波装置。
  4. 前記複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されている前記接地用環状電極が互いに接していることを特徴とする請求項3記載の弾性表面波装置。
  5. 前記複数のフィルタを個別に取り囲むように形成されている前記接地用環状電極の大きさが異なっていることを特徴とする請求項3または請求項4記載の弾性表面波装置。
  6. 前記IDT電極のうち少なくとも1つが抵抗体を介して前記接地用環状電極に電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の弾性表面波装置。
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