JP2006013795A - 住宅情報盤 - Google Patents

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Abstract

【課題】安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカを通して受話信号を聞くことができるようにする。
【解決手段】異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段12が検出すると、アッテネータ制御手段13がアッテネータ11の減衰量を0デシベルから所定値に変更して挿入損失量制御部6が観測する送話信号の信号レベルを減少させるため、音声スイッチVSWの挿入損失量制御部6が通話状態を受話状態と推定しやすくなる。その結果、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においても警報監視盤80から伝送される受話信号をスピーカ2を通して聞くことができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、住宅情報盤に関するものである。
近年、マンションなどの集合住宅では住宅情報盤システムが普及してきている。このような住宅情報盤システムは、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホンと、管理室や防災監視室などに設置される警報監視盤(あるいは統合盤)と、各住戸内に設置される住宅情報盤と、各住戸の戸外(玄関先)に設置されるドアホン子器とで構成される。そして、住宅情報盤は、ロビーインターホンやドアホン子器あるいは警報監視盤との間の通話を行う通話機能と、住戸内に設置された火災感知器やガス漏れ警報器などの安全装置と信号線を介して接続され、何れかの安全装置から異常発生を知らせる報知信号を受け取ると少なくとも異常発生並びに当該異常の種類に応じた警報音又は警報メッセージを発生させるとともに警報監視盤に対して異常の発生及び種類を報知するセキュリティ機能とを備えている(例えば、特許文献1参照)。また、ハンドセットの代わりにマイクロホンとスピーカを利用して拡声通話(ハンズフリー通話)を行う拡声通話機能を備えた住宅情報盤も提供されている。
ここで、拡声通話機能を備えた住宅情報盤では、マイクロホンとスピーカの音響結合により形成される音響側の帰還経路や、相手側の通話端末との間で形成される回線側の帰還経路によって任意の周波数成分における一巡利得が1倍を超えるような閉ループが通話系に形成されると当該周波数にてハウリングが生じてしまう場合があるので、かかるハウリングの発生を防止するため、通話状態(送話状態、受話状態)を常時推定し、その推定結果に基づいて適切な配分で送話側及び受話側の信号経路に対して損失を挿入する音声スイッチを備えている。
特開平11−195183号公報
ところで、住宅情報盤に接続される安全装置のなかには異常発生時に住宅情報盤に報知信号を出力するだけでなく自ら警報音を発するものがある。この種の安全装置が発する警報音の音量は一般に人の話し声などに比べて非常に大きく、安全装置と住宅情報盤の距離が比較的に近い場合、住宅情報盤のマイクロホン近傍における音量が90デシベル程度になることもある。そのため、送話信号と受話信号の信号レベルを比較することで通話状態を推定している音声スイッチにおいては、安全装置の発する警報音のレベルが非常に大きいため、報知信号を受信した警報監視盤から通話信号(受話信号)が伝送されてきても送話状態から受話状態に切り換えられず、受話信号がスピーカから聞こえなくなる現象(送話側への継続的な片倒れ)が発生する虞がある。火災発生時やガス漏れ時には警報監視盤からの通話指示が住戸へ確実に伝えられるべきであり、住戸(住宅情報盤)への受話信号がより確実に届けられる必要がある。
本発明は上記事情に鑑みて為されたものであり、その目的は、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカを通して受話信号を聞くことができる住宅情報盤を提供することにある。
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、集合住宅の各住戸内に設置され、住戸外に設置されるドアホン子器、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホン、集合住宅の管理室などに設置される警報監視盤との間で通話を行う通話機能と、住戸内に設置されて住人の安全が脅かされた場合に自動又は手動で異常発生を知らせる報知信号を出力する1乃至複数種類の安全装置と接続され、何れかの安全装置から報知信号を受け取ると少なくとも異常発生並びに当該異常の種類に応じた警報音又は警報メッセージを発生させるとともに警報監視盤に対して異常の発生及び種類を報知するセキュリティ機能とを備えた住宅情報盤において、マイクロホン並びにスピーカと、マイクロホンで集音された送話信号をドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤に伝送するとともにドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤から伝送されてくる受話信号をスピーカに送り出す伝送処理手段と、マイクロホンから伝送処理手段に至る送話路に損失を挿入する送話路損失挿入手段と、伝送処理手段からスピーカに至る受話路に損失を挿入する受話路損失挿入手段と、送話信号と受話信号を観測することによって通話状態を推定し、該推定結果に基づき、所定の総損失量を送話路損失挿入手段による挿入損失量と受話路損失挿入手段による挿入損失量に分配する挿入損失量制御手段と、1乃至複数種類の安全装置のうちで異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを検出する警報状態検出手段と、警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が観測する送話信号を減衰させる送話信号減衰手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明は、上記目的を達成するために、請求項1の発明における送話信号減衰手段に代えて、警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が観測する受話信号を増幅する受話信号増幅手段を備えたことを特徴とする。
請求項3の発明は、上記目的を達成するために、集合住宅の各住戸内に設置され、住戸外に設置されるドアホン子器、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホン、集合住宅の管理室などに設置される警報監視盤との間で通話を行う通話機能と、住戸内に設置されて住人の安全が脅かされた場合に自動又は手動で異常発生を知らせる報知信号を出力する1乃至複数種類の安全装置と接続され、何れかの安全装置から報知信号を受け取ると少なくとも異常発生並びに当該異常の種類に応じた警報音又は警報メッセージを発生させるとともに警報監視盤に対して異常の発生及び種類を報知するセキュリティ機能とを備えた住宅情報盤において、マイクロホン並びにスピーカと、マイクロホンで集音された送話信号をドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤に伝送するとともにドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤から伝送されてくる受話信号をスピーカに送り出す伝送処理手段と、マイクロホンから伝送処理手段に至る送話路に損失を挿入する送話路損失挿入手段と、伝送処理手段からスピーカに至る受話路に損失を挿入する受話路損失挿入手段と、送話信号と受話信号を観測することによって通話状態を推定し、該推定結果に基づき、所定の総損失量を送話路損失挿入手段による挿入損失量と受話路損失挿入手段による挿入損失量に分配する挿入損失量制御手段と、1乃至複数種類の安全装置のうちで異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを検出する警報状態検出手段と、前記通話機器のうちでマイクロホンとスピーカが音響結合しやすい通話機器とマイクロホンとスピーカが音響結合し難い通話機器の何れの機種が通話相手であるかを特定する相手機種特定手段と、警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに相手機種特定手段で特定された相手の通話機器が音響結合し難い機種であれば、音響結合しやすい機種である場合に比べて前記総損失量を減少させる総損失量設定手段とを備えたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が観測する送話信号を減衰させる送話信号減衰手段を備えたことを特徴とする。
請求項5の発明は、上記目的を達成するために、請求項4の発明における送話信号減衰手段に代えて、前記警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が送話信号を観測するための信号経路を切断する切断手段を備えたことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段で検出した場合、送話信号減衰手段により、挿入損失量制御手段が観測する送話信号を減衰させるため、挿入損失量制御手段が通話状態を受話状態と推定しやすくなり、その結果、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカを通して受話信号を聞くことができるという効果がある。
請求項2の発明によれば、異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段で検出した場合、受話信号増幅手段により、挿入損失量制御手段が観測する受話信号を増幅するため、挿入損失量制御手段が通話状態を受話状態と推定しやすくなり、その結果、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカを通して受話信号を聞くことができるという効果がある。
請求項3の発明によれば、異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段で検出したとき、通話機器のうちでマイクロホンとスピーカが音響結合しやすい通話機器とマイクロホンとスピーカが音響結合し難い通話機器の何れの機種が通話相手であるかを相手機種特定手段で特定し、特定された相手の通話機器が音響結合し難い機種である場合に、総損失量設定手段が、音響結合しやすい機種である場合に比べて前記総損失量を減少させるので、送話路及び受話路に挿入する総損失量が減少することによって語頭切れや継続的な片倒れなどの不具合の発生を抑えることができるとともに、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカを通して受話信号を聞くことができ、さらに小さな音量の音声でも相手の通話機器へ伝えることができるという効果がある。
請求項4の発明によれば、請求項3の発明の効果に加えて、異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段で検出したときには挿入損失量制御手段が観測する送話信号を送話信号減衰手段で減衰させるため、挿入損失量制御手段が通話状態を受話状態と推定しやすくなり、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカを通して受話信号を確実に聞くことができるという効果がある。
請求項5の発明によれば、異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段で検出したとき、通話機器のうちでマイクロホンとスピーカが音響結合しやすい通話機器とマイクロホンとスピーカが音響結合し難い通話機器の何れの機種が通話相手であるかを相手機種特定手段で特定し、特定された相手の通話機器が音響結合し難い機種である場合に、音響結合しやすい機種である場合に比べて総損失量設定手段が前記総損失量を減少させるとともに挿入損失量制御手段が観測する送話信号を送話信号減衰手段で減衰させるので、送話路及び受話路に挿入する総損失量が減少することによって語頭切れや継続的な片倒れなどの不具合の発生を抑えることができるとともに、挿入損失量制御手段が通話状態を受話状態と推定しやすくなり、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカを通して受話信号を聞くことができ、さらに小さな音量の音声でも相手の通話機器へ伝えることができるという効果がある。
(実施形態1)
本実施形態の住宅情報盤Aを用いた住宅情報盤システムのシステム構成例を図2に示す。本システムは、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホン60と、集合住宅の管理室等に設置される警報監視盤80と、各住戸内に設置される住宅情報盤Aと、各住戸の外(玄関先)に設置されるドアホン子器50とを備える。そして、警報監視盤80と各住戸の住宅情報盤Aが、通話音声や警報音等の音声信号とロビーインターホン60が具備するテレビカメラで撮像した映像信号を多重伝送する通信線L1、呼出や警報等の制御信号を多重伝送する制御線L2によって接続される。尚、本システムでは映像信号を音声信号と多重伝送する構成を例示するが、映像信号を独立した映像伝送線で伝送する構成としても良い。
ロビーインターホン60は、CPUを主構成要素とする信号処理部(図示せず)と、テンキーや呼出釦等を具備する操作部61と、表示ランプや液晶ディスプレイを具備する表示部62と、制御線L2を介して警報監視盤80との間で制御信号を送受信する伝送送受信部(図示せず)と、マイクロホン63並びにスピーカ64と、マイクロホン63並びにスピーカ64を用いて住宅情報盤Aや警報監視盤80との間で拡声通話を行うための通話制御部(図示せず)と、CCDのような撮像素子を有するテレビカメラ(図示せず)と、テレビカメラの出力を信号処理して映像信号を出力する映像信号処理部(図示せず)と、通話制御部から出力される音声信号と映像信号処理部から出力される映像信号を多重化して通信線L1に送出するとともに通信線L1を介して送られてくる音声信号を通話制御部に出力する入出力処理部(図示せず)とを備えている。
一方、警報監視盤80は、CPUを主構成要素とする信号処理部(図示せず)と、テンキーや呼出釦等を具備する操作部81と、表示ランプや液晶ディスプレイを具備する表示部82と、制御線L2を介して各住宅情報盤Aやロビーインターホン60との間で制御信号を送受信する伝送送受信部(図示せず)と、送受話器(ハンドセット)83と、送受話器83を用いて住宅情報盤Aやロビーインターホン60との間で同時通話を行うための通話制御部(図示せず)とを備えている。
またドアホン子器50は、マイクロホン並びにスピーカを具備し通話線L3により住宅情報盤Aと接続され、呼出釦57aが操作されたときに通話線L3の電圧レベルを変化させることで住宅情報盤Aに対して呼出信号を送出する機能を有している。
住宅情報盤Aは、ハウジングの前面上部にCRTや液晶ディスプレイからなるモニタ部40が設けられるとともに、ハウジングの前面下部には応答釦41が設けられる。通信線L1を介してロビーインターホン60から送られてくる映像がモニタ部40に表示され、ドアホン子器50やロビーインターホン60あるいは警報監視盤80からの呼出に対して応答釦41が操作されると住宅情報盤Aの通話機能が起動し、ドアホン子器50やロビーインターホン60あるいは警報監視盤80との間で拡声通話が行われる。また住宅情報盤Aは種々の安全装置、例えば火災感知器S1、ガス/CO検知器S2、防犯外部セットスイッチSW、防犯スイッチSW1、コールスイッチSW2、非常スイッチSW3等と接続され、何れかの安全装置から報知信号を受け取った場合、異常発生並びに発生した異常の種類(火災、ガス漏れ、一酸化炭素濃度の上昇、緊急呼出など)に応じた警報音又は警報メッセージを発生させるとともに警報監視盤80に対して制御線L2を介して異常の発生及び種類を報知する。
一方、警報監視盤80は、いずれかの住宅情報盤Aから制御線L2を介して報知信号を受信すると、報知信号に付加されたアドレスを識別して当該報知信号を出力した住宅情報盤Aを特定し、その住宅情報盤Aが設置されている住戸番号を表示部83に表示すると同時に警報音を出力することによって管理人等に異常発生を知らせる。そして、異常発生を知った管理人等が警報監視盤80のハンドセットをオフフックすれば、報知信号を出力した住宅情報盤Aとの間に通信線L1を介した通話路が強制的に形成され、異常が発生した住戸の住人と通話して異常の状況や安否の確認を行うことができる。
図1は本実施形態の住宅情報盤Aの要部構成を示すブロック図である。図1に示すように本実施形態の住宅情報盤Aは、マイクロホン1並びにスピーカ2と、マイクロホン1で集音された送話信号をドアホン子器50やロビーインターホン60若しくは警報監視盤80に伝送するとともにドアホン子器50やロビーインターホン60若しくは警報監視盤80から伝送されてくる受話信号をスピーカ2に送り出す伝送処理部3と、マイクロホン1から伝送処理部3に至る送話路に損失を挿入する送話路損失挿入部4と、伝送処理部3からスピーカ2に至る受話路に損失を挿入する受話路損失挿入部5と、送話信号と受話信号を観測することによって通話状態を推定し、その推定結果に基づき、所定の総損失量Ltを送話路損失挿入部4による挿入損失量ILTと受話路損失挿入部5による挿入損失量ILRに分配する挿入損失量制御部6と、マイクロホン1と送話路損失挿入部3の間の送話路に設けられて送話信号を増幅する第1の増幅器7と、受話路損失挿入部4とスピーカ2の間の受話路に設けられて受話信号を増幅する第2の増幅器8と、送話路損失挿入部4と伝送処理部3の間の送話路に設けられて送話信号を増幅する第3の増幅器9と、伝送処理部3と受話路損失挿入部5の間の受話路に設けられて受話信号を増幅する第4の増幅器10と、挿入損失量制御部6に送話信号を入力する信号経路に挿入されたアッテネータ11と、1乃至複数種類の安全装置のうちで異常発生時に自ら警報音を発する安全装置(例えば、火災感知器S1及びガス/CO検知器S2)が報知信号を出力したことを検出する警報状態検出手段12と、警報状態検出手段12が前記安全装置(火災感知器S1又はガス/CO検知器S2)の報知信号出力を検出したときにアッテネータ11の減衰量(挿入損失量)を0デシベルから所定値に変更することで挿入損失量制御部6が観測する送話信号を減衰させるアッテネータ制御手段とを備えている。ここで、送話路損失挿入部4と受話路損失挿入部5と挿入損失量制御部6とで音声スイッチVSWが構成されている。尚、音声スイッチVSWはアナログの集積回路で構成することも可能であるし、DSP(Digital Signal Processor)などのハードウェアを音声スイッチ用のソフトウェア(プログラム)で制御することによっても実現可能である。
挿入損失量制御部6は、第1の増幅器7で増幅された送話信号と第4の増幅器10で増幅された受話信号の信号レベルを比較し、例えば送話信号の信号レベルが受話信号の信号レベルよりも大きければ送話状態と推定して送話路損失挿入部4における挿入損失量を減らすと同時に受話路損失挿入部5における挿入損失量を増やし、反対に受話信号の信号レベルが送話信号の信号レベルよりも大きければ受話状態と推定して受話路損失挿入部5における挿入損失量を減らすと同時に送話路損失挿入部4における挿入損失量を増やすことで通話状態を切り換えている。但し、送話路並びに受話路に挿入される損失量の総和は常に一定である。
ここで、住宅情報盤Aはドアホン子器50やロビーインターホン60あるいは警報監視盤80からの呼出信号を検出するとともにスピーカ2から呼出音を出力させる呼出機能や、制御線L2を介して警報監視盤80との間で制御信号を授受する通信機能、安全装置が出力する報知信号を監視するとともに報知信号を受け取ったときに警報音等の出力や警報監視盤80への通報などを行うセキュリティ機能を有しているが、これらの機能はCPUを主構成要素とする制御部(図示せず)によって実現されており、さらに警報状態検出手段12並びにアッテネータ制御手段13も上記制御部によって実現されている。
而して、異常発生時に自ら警報音を発する安全装置(例えば、火災感知器S1及びガス/CO検知器S2)が住宅情報盤Aに接続されている場合、従来技術で説明したように、かかる安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においては、その警報音が住宅情報盤Aのマイクロホン1で集音されるために送話信号の信号レベルが非常に大きくなり、音声スイッチVSWの挿入損失量制御部6が送話状態と推定してしまうため、警報監視盤80から伝送されてくる受話信号が受話路損失挿入部5の挿入損失により減衰されてスピーカ2から聞こえない虞がある。
しかしながら本実施形態では、かかる安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段12が検出すると、警報状態検出手段12からアッテネータ制御手段13に対して検出信号が出力され、この検出信号を受け取ったアッテネータ制御手段13がアッテネータ11の減衰量を0デシベルから所定値に変更して挿入損失量制御部6が観測する送話信号の信号レベルを減少させるため、音声スイッチVSWの挿入損失量制御部6が通話状態を受話状態と推定しやすくなる。その結果、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においても警報監視盤80から伝送される受話信号をスピーカ2を通して聞くことができるものである。
(実施形態2)
図3は本実施形態の住宅情報盤Aの要部構成を示すブロック図である。但し、実施形態1と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、アッテネータ11及びアッテネータ制御手段13に代えて、挿入損失量制御部6に受話信号を入力する信号経路に挿入された受話信号増幅器14と、警報状態検出手段12が前記安全装置(火災感知器S1又はガス/CO検知器S2)の報知信号出力を検出したときに受話信号増幅器14の増幅度(ゲイン)を0デシベルから所定値に変更することで挿入損失量制御部6が観測する受話信号を増大させるゲイン制御手段15とを備えた点に特徴がある。
而して本実施形態では、かかる安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段12が検出すると、警報状態検出手段12からゲイン制御手段15に対して検出信号が出力され、この検出信号を受け取ったゲイン制御手段15が受話信号増幅器14の増幅度を0デシベルから所定値に変更して挿入損失量制御部6が観測する受話信号の信号レベルを増大させるため、音声スイッチVSWの挿入損失量制御部6が通話状態を受話状態と推定しやすくなる。その結果、実施形態1と同様に安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においても警報監視盤80から伝送される受話信号をスピーカ2を通して聞くことができるものである。
(実施形態3)
ところで、住宅情報盤Aの通話相手となるドアホン子器50やロビーインターホン60あるいは警報監視盤80などの通話機器のうちで、ドアホン子器50及びロビーインターホン60は住宅情報盤Aと同様にハンドセットを用いないで拡声通話を行うものであるが、警報監視盤80は送受話器(ハンドセット)83を用いて非拡声通話を行っている。したがって、住宅情報盤Aとドアホン子器50やロビーインターホン60との間で通話する場合、ドアホン子器50又はロビーインターホン60におけるマイクロホンとスピーカの間で音響結合が生じやすいから、ハウリングを防止するために住宅情報盤Aの音声スイッチVSWにおける総損失量Ltをある程度大きくする必要がある。しかしながら、住宅情報盤Aと警報監視盤80との間で通話する場合、警報監視盤80におけるマイクロホンとスピーカがハンドセット83に組み込まれているために両者の間で音響結合が生じ難いから、音声スイッチVSWにおける総損失量Ltをそれほど大きくする必要がないにもかかわらず拡声通話時と同程度の総損失量Ltにすると、音声スイッチVSWによる通話状態の切り換えがスムーズに行われなくなり、語頭切れや送話側への継続的な片倒れなどの不具合が発生する虞がある。この点、通常通話時だけの問題に止まらず、特に火災発生時やガス漏れ時には警報監視盤80からの通話指示が住戸へ確実に伝えられるべきであり、住戸(住宅情報盤A)への受話信号がより確実に届けられる必要がある。
そこで本実施形態は、上記課題を解決するために、図4に示すように通話機器のうちでマイクロホンとスピーカが音響結合しやすい通話機器とマイクロホンとスピーカが音響結合し難い通話機器の何れの機種が通話相手であるかを特定する相手機種特定手段16と、警報状態検出手段12が前記安全装置(火災感知器S1又はガス/CO検知器S2)の報知信号出力を検出したときに相手機種特定手段16で特定された相手の通話機器が音響結合し難い機種であれば、音響結合しやすい機種である場合に比べて総損失量Ltを減少させる総損失量設定手段17とを備えた点に特徴がある。但し、基本的な構成については実施形態1と共通であるから、共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
既に説明したようにドアホン子器50は通話線L3の電圧レベルを変化させることで住宅情報盤Aに対して呼出信号を送出し、ロビーインターホン60並びに警報監視盤80は制御線L2を介して送信する制御信号として住宅情報盤Aに対して呼出信号を送出している。したがって、住宅情報盤Aで通話を開始する場合、その直前に呼出信号を送出した通話機器と通話を行うと考えられるから、相手機種特定手段16では呼出信号を検出した場合にその送信元の通話機器を判別することで相手の通話機器の機種を特定している。例えば、通話線L3を介して送出された呼出信号を検出したときには相手の通話機器がドアホン子器50であるから音響結合しやすい機種と特定でき、制御線L2を介して送出された呼出信号に含まれる送信元のアドレスに基づいて相手の通話機器がロビーインターホン60であるか警報監視盤80であるかを判別し、ロビーインターホン60であれば音響結合しやすい機種、警報監視盤80であれば音響結合し難い機種というように相手の通話機器の種類が特定できる。尚、相手機種特定手段16並びに総損失量設定手段17は前記制御部によって実現される。
そして、警報状態検出手段12が前記安全装置(火災感知器S1又はガス/CO検知器S2)の報知信号出力を検出したときに相手機種特定手段16で特定された機種が音響結合し難いものであれば、総損失量設定手段17が音声スイッチVSWの挿入損失量制御部6に対して切換指令を与え、この切換指令を受け取った挿入損失量制御部6が総損失量Ltを初期値から減少させ(あるいはゼロとし)、特定された機種が音響結合しやすいものであれば総損失量設定手段17は総損失量Ltを初期値に戻す処理を行う。すなわち、図5に示すように相手の通話機器の機種が音響結合しやすいものである場合には破線イで示すように総損失量Ltが相対的に大きい初期値に設定されており、相手の通話機器の機種が音響結合し難いものである場合には実線ロで示すように総損失量Ltを初期値から減少させ、あるいは一点破線ハで示すように総損失量Ltが略ゼロに設定される。
上述のように本実施形態では、警報状態検出手段12が前記安全装置(火災感知器S1又はガス/CO検知器S2)の報知信号出力を検出したときに相手機種特定手段16で通話相手の機種を特定し、総損失量設定手段17が特定された機種に応じて音声スイッチVSWの総損失量Ltを適切な値に設定するため、マイクロホンとスピーカが音響結合しやすい機種(ドアホン子器50やロビーインターホン60)との通話においては従来通りにハウリングを抑制することができ、マイクロホンとスピーカが音響結合し難い機種(警報監視盤80)との通話においては送話路及び受話路に挿入する総損失量Ltが減少することによって音声スイッチVSWの継続的な片倒れや語頭切れなどの不具合の発生を抑えることができるとともに、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においてもスピーカ2を通して受話信号を聞くことができる。また挿入損失量制御部6が総損失量Ltをゼロとした場合には、相手の通話機器が音響結合し難い機種(例えば、送受話器を利用する警報監視盤80など)であれば小さな音量の音声でも相手の通話機器へ伝えることができるという利点がある。
(実施形態4)
図6は本実施形態の住宅情報盤Aの要部構成を示すブロック図である。但し、実施形態1及び3と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、実施形態3における相手機種特定手段16と総損失量設定手段17とを実施形態1に追加した点に特徴がある。
而して本実施形態では、警報状態検出手段12が前記安全装置(火災感知器S1又はガス/CO検知器S2)の報知信号出力を検出したときに相手機種特定手段16で通話相手の機種を特定し、総損失量設定手段17が特定された機種に応じて音声スイッチVSWの総損失量Ltを適切な値に設定することで実施形態3と同様の作用効果を奏すると同時に、アッテネータ制御手段13がアッテネータ11の減衰量を0デシベルから所定値に変更して挿入損失量制御部6が観測する送話信号の信号レベルを減少させるため、音声スイッチVSWの挿入損失量制御部6が通話状態を受話状態と推定しやすくなり、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においても警報監視盤80から伝送される受話信号をスピーカ2を通して確実に聞くことができるものである。またアッテネータ制御手段13がアッテネータ11の減衰量を変更する前記所定値を無限大とし、挿入損失量制御部6が観測する送話信号の信号レベルをほぼゼロとすることが望ましい。尚、図7に示すように実施形態2の構成に相手機種特定手段16及び総損失量設定手段17を追加しても同様の作用効果を奏することは明らかである。
(実施形態5)
図8は本実施形態の住宅情報盤Aの要部構成を示すブロック図である。但し、実施形態4と共通の構成要素には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態は、アッテネータ11及びアッテネータ制御手段13に代えて、挿入損失量制御部6に送話信号を入力する信号経路を開閉するスイッチ手段18と、警報状態検出手段12が前記安全装置の報知信号出力を検出したときにスイッチ手段18を開成して信号経路を切断する切断制御手段19とを備えた点に特徴がある。
而して本実施形態では、かかる安全装置が報知信号を出力したことを警報状態検出手段12が検出すると、警報状態検出手段12から切断制御手段19に対して検出信号が出力され、この検出信号を受け取った切断制御手段19がスイッチ手段18を開成して挿入損失量制御部6に送話信号を入力する信号経路が切断されるため、音声スイッチVSWの挿入損失量制御部6が通話状態を受話状態と推定しやすくなり、安全装置が大きな音量で警報音を発している状況下においても警報監視盤80から伝送される受話信号をスピーカ2を通して確実に聞くことができるとともに、小さな音量の音声でも警報監視盤80へ伝えることができる。さらに、実施形態3と同様にマイクロホンとスピーカが音響結合しやすい機種(ドアホン子器50やロビーインターホン60)との通話においては従来通りにハウリングを抑制することができ、マイクロホンとスピーカが音響結合し難い機種(警報監視盤80)との通話においては送話路及び受話路に挿入する総損失量Ltが減少することによって音声スイッチVSWの継続的な片倒れや語頭切れなどの不具合の発生を抑えることができるものである。
実施形態1の要部構成を示すブロック図である。 同上を含む住宅情報盤システムのシステム構成図である。 実施形態2の要部構成を示すブロック図である。 実施形態3の要部構成を示すブロック図である。 同上の動作説明図である。 実施形態4の要部構成を示すブロック図である。 同上の他の要部構成を示すブロック図である。 実施形態5の要部構成を示すブロック図である。
符号の説明
1 マイクロホン
2 スピーカ
3 伝送処理部
4 送話路損失挿入部
5 受話路損失挿入部
6 挿入損失量制御部
11 アッテネータ
12 警報状態検出手段
13 アッテネータ制御手段

Claims (5)

  1. 集合住宅の各住戸内に設置され、住戸外に設置されるドアホン子器、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホン、集合住宅の管理室などに設置される警報監視盤との間で通話を行う通話機能と、住戸内に設置されて住人の安全が脅かされた場合に自動又は手動で異常発生を知らせる報知信号を出力する1乃至複数種類の安全装置と接続され、何れかの安全装置から報知信号を受け取ると少なくとも異常発生並びに当該異常の種類に応じた警報音又は警報メッセージを発生させるとともに警報監視盤に対して異常の発生及び種類を報知するセキュリティ機能とを備えた住宅情報盤において、マイクロホン並びにスピーカと、マイクロホンで集音された送話信号をドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤に伝送するとともにドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤から伝送されてくる受話信号をスピーカに送り出す伝送処理手段と、マイクロホンから伝送処理手段に至る送話路に損失を挿入する送話路損失挿入手段と、伝送処理手段からスピーカに至る受話路に損失を挿入する受話路損失挿入手段と、送話信号と受話信号を観測することによって通話状態を推定し、該推定結果に基づき、所定の総損失量を送話路損失挿入手段による挿入損失量と受話路損失挿入手段による挿入損失量に分配する挿入損失量制御手段と、1乃至複数種類の安全装置のうちで異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを検出する警報状態検出手段と、警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が観測する送話信号を減衰させる送話信号減衰手段とを備えたことを特徴とする住宅情報盤。
  2. 請求項1の発明における送話信号減衰手段に代えて、警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が観測する受話信号を増幅する受話信号増幅手段を備えたことを特徴とする住宅情報盤。
  3. 集合住宅の各住戸内に設置され、住戸外に設置されるドアホン子器、集合住宅の共同玄関に設置されるロビーインターホン、集合住宅の管理室などに設置される警報監視盤との間で通話を行う通話機能と、住戸内に設置されて住人の安全が脅かされた場合に自動又は手動で異常発生を知らせる報知信号を出力する1乃至複数種類の安全装置と接続され、何れかの安全装置から報知信号を受け取ると少なくとも異常発生並びに当該異常の種類に応じた警報音又は警報メッセージを発生させるとともに警報監視盤に対して異常の発生及び種類を報知するセキュリティ機能とを備えた住宅情報盤において、マイクロホン並びにスピーカと、マイクロホンで集音された送話信号をドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤に伝送するとともにドアホン子器やロビーインターホン若しくは警報監視盤から伝送されてくる受話信号をスピーカに送り出す伝送処理手段と、マイクロホンから伝送処理手段に至る送話路に損失を挿入する送話路損失挿入手段と、伝送処理手段からスピーカに至る受話路に損失を挿入する受話路損失挿入手段と、送話信号と受話信号を観測することによって通話状態を推定し、該推定結果に基づき、所定の総損失量を送話路損失挿入手段による挿入損失量と受話路損失挿入手段による挿入損失量に分配する挿入損失量制御手段と、1乃至複数種類の安全装置のうちで異常発生時に自ら警報音を発する安全装置が報知信号を出力したことを検出する警報状態検出手段と、前記通話機器のうちでマイクロホンとスピーカが音響結合しやすい通話機器とマイクロホンとスピーカが音響結合し難い通話機器の何れの機種が通話相手であるかを特定する相手機種特定手段と、警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに相手機種特定手段で特定された相手の通話機器が音響結合し難い機種であれば、音響結合しやすい機種である場合に比べて前記総損失量を減少させる総損失量設定手段とを備えたことを特徴とする住宅情報盤。
  4. 前記警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が観測する送話信号を減衰させる送話信号減衰手段を備えたことを特徴とする請求項3記載の住宅情報盤。
  5. 請求項4の発明における送話信号減衰手段に代えて、前記警報状態検出手段が前記安全装置の報知信号出力を検出したときに、前記挿入損失量制御手段が送話信号を観測するための信号経路を切断する切断手段を備えたことを特徴とする住宅情報盤。
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