JP2006013336A - 半導体記憶装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体記憶装置およびその製造方法。
【解決手段】トンネル効果を利用するトランジスタ100Cを含む半導体記憶装置の製造方法であって、半導体層10に、トレンチ素子分離法により、トランジスタ100Cの形成領域10Cを画定する素子分離絶縁層20を形成する工程と、トランジスタ100Cの形成領域10Cにおいて、少なくとも素子分離絶縁層20に隣接した半導体層10の上部のコーナー部11に、酸化抑制物質を注入する工程と、トランジスタ100Cの形成領域10Cにおける半導体層10の上方に、熱酸化によりトンネル絶縁層31を形成する工程と、トンネル絶縁層31の上方にフローティングゲート電極32を形成する工程と、フローティングゲート電極32に印加する電圧を制御するコントロールゲート42を形成する工程と、少なくともトランジスタ100Cの形成領域10Cに、ソースおよびドレイン領域を形成する工程と、を含む。
【選択図】 図3

Description

本発明は、トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置およびその製造方法に関する。
半導体記憶装置のうちの一例として、トンネル効果を利用するトランジスタを含むものがある。たとえば、半導体層上にトンネル絶縁層を介して形成されたフローティングゲート電極と、フローティングゲート電極上にゲート絶縁層を介して形成されたコントロールゲート電極と、半導体層内に形成されたソースおよびドレイン領域と、からなる、いわゆるスタックトゲート型の半導体記憶装置が挙げられる。
また、たとえば、特許文献1には、コントロールゲートが半導体層内のn型の不純物領域であり、フローティングゲート電極が、一層のポリシリコン層などの導電層からなる半導体記憶装置(以下、「一層ゲート型の半導体記憶装置」ともいう)が提案されている。
特開昭63−166274号公報
本発明は、高速動作が可能な半導体記憶装置およびその製造方法を提供することにある。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法は、
トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置の製造方法であって、
半導体層に、トレンチ素子分離法により、前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域を画定する素子分離絶縁層を形成する工程と、
前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域において、少なくとも前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部のコーナー部に、酸化抑制物質を注入する工程と、
前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域における前記半導体層の上方に、熱酸化によりトンネル絶縁層を形成する工程と、
前記トンネル絶縁層の上方にフローティングゲート電極を形成する工程と、
前記フローティングゲート電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートを形成する工程と、
少なくとも前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に、ソースおよびドレイン領域を形成する工程と、を含む。
本発明において、特定のもの(以下、「A」という)の上方の他の特定のもの(以下、「B」という)とは、A上に直接形成されたBと、A上に、A上の他のものを介して形成されたBと、を含む。
この半導体記憶装置の製造方法によれば、トンネル効果を利用する前記トランジスタの形成領域において、前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部の前記コーナー部に、前記酸化抑制物質を注入する工程を含む。これにより、前記コーナー部に、前記酸化抑制物質を含む酸化抑制物質領域が形成される。そして、前記トンネル絶縁層を形成する熱酸化工程において、前記酸化抑制物質領域の酸化は、前記酸化抑制物質によって抑制される。その結果、前記酸化抑制物質領域の上方の前記トンネル絶縁層の膜厚は、前記酸化抑制物質を含まない前記半導体層の上方の前記トンネル絶縁層の膜厚より薄く形成される。前記酸化抑制物質領域の上方の前記トンネル絶縁層の膜厚が薄く形成されることによって、トンネル効果を効率良く生じさせることができる。言い換えるならば、電荷の移動(注入/放出)効率を良くすることができ、トンネル電流を大きくすることができる。したがって、トンネル効果を利用する前記トランジスタ以外のトランジスタのゲート絶縁層と同一の膜厚であって、かつ均一な膜厚のトンネル絶縁層を有する半導体記憶装置に比べ、より高速に動作可能な半導体記憶装置を提供することができる。また、デバイス面積の縮小化を図ることのできる半導体記憶装置を提供することができる。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
前記酸化抑制物質は、窒素および炭素のうちの少なくとも一方であることができる。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
前記コントロールゲートを形成する工程は、前記フローティングゲート電極の下方の前記半導体層内に不純物領域を形成する工程であることができる。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域以外の領域において、前記半導体層の上方に、熱酸化によりゲート絶縁層を形成する工程を有し、
前記トンネル絶縁層を形成する工程と、前記ゲート絶縁層を形成する工程と、は同一のプロセスで行われることができる。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の上方に形成されることができる。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法は、
トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置の製造方法であって、
第1導電型の半導体層に、トレンチ素子分離法により、第1領域、第2領域、および、前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域である第3領域を画定する素子分離絶縁層を形成する工程と、
前記第1領域および前記第2領域の前記半導体層内に、第1導電型のウェルを形成する工程と、
前記第3領域の前記半導体層内に、第2導電型のウェルを形成する工程と、
前記第3領域において、少なくとも前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部のコーナー部に、酸化抑制物質を注入する工程と、
前記第1領域および前記第2領域の前記半導体層の上方に、熱酸化によりゲート絶縁層を形成する工程と、
前記第3領域の前記半導体層の上方に、熱酸化によりトンネル絶縁層を形成する工程と、
少なくとも前記ゲート絶縁層および前記トンネル絶縁層の上方であって、前記第1ないし第3領域に、フローティングゲート電極を形成する工程と、
前記第1領域において、前記フローティングゲート電極の下方の前記半導体層内に、コントロールゲートとして機能する第2導電型の第1不純物領域を形成する工程と、
前記第2領域において、前記フローティングゲート電極の側方にソースおよびドレイン領域となる前記第2導電型の第2不純物領域を形成する工程と、
前記第3領域において、前記フローティングゲート電極の側方にソースおよびドレイン領域となる前記第1導電型の第3不純物領域を形成する工程と、を含む。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
前記酸化抑制物質は、窒素および炭素のうちの少なくとも一方であることができる。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
前記第1領域において、前記フローティングゲート電極の側方に前記第1不純物領域に比べて不純物濃度が高い第4不純物領域を形成する工程を有することができる。
本発明に係る半導体記憶装置の製造方法において、
前記ゲート絶縁層を形成する工程と、前記トンネル絶縁層を形成する工程と、は同一のプロセスで行われることができる。
本発明に係る半導体記憶装置は、
トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置であって、
半導体層と、
前記半導体層にトレンチ素子分離法により形成された、前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域を画定する素子分離絶縁層と、
前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に形成され、かつ、少なくとも前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部のコーナー部に形成された、酸化抑制物質を含む酸化抑制物質領域と、
前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域における前記半導体層の上方に形成されたトンネル絶縁層と、
前記トンネル絶縁層の上方に形成されたフローティングゲート電極と、
前記フローティング電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートと、
少なくとも前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に形成されたソースおよびドレイン領域と、を含み、
前記酸化抑制物質領域の上方の前記トンネル絶縁層の膜厚は、前記酸化抑制物質を含まない前記半導体層の上方の該トンネル絶縁層の膜厚より薄い。
本発明に係る半導体記憶装置は、
トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置であって、
半導体層と、
前記半導体層にトレンチ素子分離法により形成された、前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域を画定する素子分離絶縁層と、
前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に形成され、かつ、少なくとも前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部のコーナー部に形成された、酸化抑制物質を含む酸化抑制物質領域と、
前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域における前記半導体層の上方に形成されたトンネル絶縁層と、
前記トンネル絶縁層の上方に形成されたフローティングゲート電極と、
前記フローティング電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートと、
少なくとも前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に形成されたソースおよびドレイン領域と、を含み、
前記酸化抑制物質領域に隣接している前記トンネル絶縁層の膜厚は、前記酸化抑制物質を含まない前記半導体層に隣接している該トンネル絶縁層の膜厚より薄い。
本発明に係る半導体記憶装置において、
前記酸化抑制物質は、窒素および炭素のうちの少なくとも一方であることができる。
本発明に係る半導体記憶装置において、
前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の下方の前記半導体層内に形成された不純物領域であることができる。
本発明に係る半導体記憶装置において、
前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の上方に形成されていることができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
1.デバイスの構造
図1は、本発明を適用した実施の形態に係る半導体記憶装置100を模式的に示す斜視図である。図2は、図1に示す半導体記憶装置100を模式的に示す平面図である。図3は、図2のA−A線に沿った断面図である。図4は、図2のB−B線に沿った断面図である。図5は、図2のC−C線に沿った断面図である。図6は、図2のD−D線に沿った断面図である。図7は、図2のD’−D’線に沿った断面図である。なお、図1のX−X線は、図2のX−X線に対応する。
本実施の形態に係る半導体記憶装置100は、図1〜図7に示すように、半導体層10と、トレンチ酸化膜22と、素子分離絶縁層20と、ゲート絶縁層30と、トンネル絶縁層31と、フローティングゲート電極32と、コントロールゲートである第1不純物領域42と、ソースおよびドレイン領域である第2不純物領域36と、ソースおよびドレイン領域である第3不純物領域38と、第4不純物領域35と、酸化抑制物質領域50と、を含む。なお、図1において、ゲート絶縁層30およびトンネル絶縁層31の図示は省略している。
半導体層10としては、たとえばp型のシリコン基板を用いることができる。素子分離絶縁層20は、半導体層10を第1領域10Aと、第2領域10Bと、第3領域10Cとに画定する。第1領域10A、第2領域10B、および第3領域10Cにおける素子分離絶縁層20は、図4〜図7に示すように、半導体層10の上方に、トレンチ酸化膜22を介して形成されている。
第1領域10Aには、図4に示すように、半導体層10内に形成されたp型のウェル16、p型の半導体層10の上に形成されたゲート絶縁層30、ゲート絶縁層30の上に形成されたフローティングゲート電極32、フローティングゲート電極32の下の半導体層10内に形成されたn型の第1不純物領域42、および、フローティングゲート電極32の側方の半導体層10内であって、第1不純物領域42に隣接して形成されたn型の第4不純物領域35が設けられている。n型の第1不純物領域42は、コントロールゲートとして機能する。n型の第4不純物領域35は、コントロールゲート(第1不純物領域)42と電気的に接続され、コントロールゲートに電圧を印加するためのコンタクト部となる。n型の第4不純物領域35は、n型の第1不純物領域42に比べて不純物濃度を高くすることができる。これにより、第4不純物領域35と配線(図示せず)との良好なコンタクトを得ることができる。
第2領域10Bには、図5に示すように、後述する書き込み動作および読み出し動作を行うためのn型トランジスタ100Bが形成されている。n型トランジスタ100Bとしては、たとえば、n型MOSトランジスタなどを用いることができる。n型トランジスタ100Bは、半導体層10内に形成されたp型のウェル16と、p型の半導体層10の上に形成されたゲート絶縁層30と、ゲート絶縁層30の上に形成されたフローティングゲート電極32と、フローティングゲート電極32の側方であって、半導体層10内に形成されたn型の第2不純物領域36と、を含む。n型の第2不純物領域36は、フローティングゲート電極32を挟むように形成されている。第2不純物領域36は、ソース領域またはドレイン領域となる。
第3領域10Cには、図6および図7に示すように、後述する消去動作を行うためのp型トランジスタ100Cが形成されている。本実施の形態に係る半導体記憶装置100において、p型トランジスタ100Cは、後述するデバイスの動作の項で説明するように、トンネル効果を利用するトランジスタである。p型トランジスタ100Cとしては、たとえば、p型MOSトランジスタなどを用いることができる。p型トランジスタ100Cは、半導体層10内に形成されたn型のウェル14と、n型のウェル14の上に形成されたトンネル絶縁層31と、トンネル絶縁層31の上に形成されたフローティングゲート電極32と、フローティングゲート電極32の側方であって、n型のウェル14内に形成された第3不純物領域38と、酸化抑制物質領域50と、を有する。p型の第3不純物領域38は、フローティングゲート電極32を挟むように形成されている。第3不純物領域38は、ソース領域またはドレイン領域となる。
酸化抑制物質領域50は、素子分離絶縁層20に隣接した半導体層10の上部のコーナー部11に形成されている。酸化抑制物質領域50は、酸化抑制物質を含む。酸化抑制物質については、デバイスの製造方法の項にて詳細に説明する。
酸化抑制物質領域50の上のトンネル絶縁層31の膜厚は、酸化抑制物質を含まない半導体層10の上におけるトンネル絶縁層31の膜厚より薄い。たとえば図3に示す例では、半導体層10の上部のコーナー部11に隣接したトンネル絶縁層31の端部31aの膜厚は、トンネル絶縁層31の中央部31bの膜厚より薄い。トンネル絶縁層31の端部31aは、図3に示すように、酸化抑制物質領域50の上方に形成されている。トンネル絶縁層31の中央部31bは、酸化抑制物質を含まない半導体層10の上方に形成されている。言い換えるならば、トンネル絶縁層31の中央部31bは、酸化抑制物質領域50以外の領域54の上方に形成されている。トンネル絶縁層31の端部31aの膜厚は、たとえば7nm程度である。トンネル絶縁層31の中央部31bの膜厚は、たとえば10nm程度である。
フローティングゲート電極32は、図1〜図3に示すように、第1領域10A、第2領域10B、および第3領域10Cに亘って連続的に形成されている。
フローティングゲート電極32とコントロールゲートであるn型の第1不純物領域42との重なり面積は、書き込みを行うためのトランジスタ100Bにおけるp型のウェル16上の活性化領域とフローティングゲート電極32との重なり面積、および、消去を行うためのトランジスタ100Cにおけるn型のウェル14上の活性化領域とフローティングゲート電極32との重なり面積に比べて、大きいことが好ましい。これにより、効率良く書き込みを行うことができる。その理由は、以下の通りである。
本実施の形態に係る半導体記憶装置100では、第1領域10Aのコントロールゲート(第1不純物領域)42、第2領域10Bのn型トランジスタ100Bのソースおよびドレイン(第2不純物領域)36、および、第3領域10Cのp型トランジスタ100Cのソースおよびドレイン(第3不純物領域)38に印加した電圧により、第1領域10Aにおけるフローティングゲート電極32とゲート絶縁層30を介したn型の第1不純物領域42との間に形成される容量と、第2領域10Bにおけるフローティングゲート電極32とゲート絶縁層30を介したp型のウェル16上の活性化領域との間に形成される容量と、第3領域10Cにおけるフローティングゲート電極32とトンネル絶縁層31を介したn型のウェル14上の活性化領域との間に形成される容量と、の比(容量比)が決定される。この容量比に応じて、フローティングゲート電極32に印加される電圧が決まる。すなわち、コントロールゲート(第1不純物領域)42に印加した電圧に、上述した容量比を乗じた値の電圧が、フローティングゲート電極32に印加されることになる。そして、第1領域10Aにおけるフローティングゲート電極32と、ゲート絶縁層30を介したn型の第1不純物領域42との間に形成される容量は、他の容量に比して大きい方が、フローティングゲート電極32に印加される電圧は高くなる。したがって、フローティングゲート電極32と第1不純物領域42との重なり面積は、トランジスタ100Bにおけるp型のウェル16上の活性化領域とフローティングゲート電極32との重なり面積、および、トランジスタ100Cにおけるn型のウェル14上の活性化領域とフローティングゲート電極32との重なり面積に比べて大きい方が、効率良く書き込みを行うことができる。
2.デバイスの動作
次に、本実施の形態に係る半導体記憶装置100の動作について説明する。なお、下記の半導体記憶装置100の動作は一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変更が可能である。
本実施の形態に係る半導体記憶装置100は、いわゆる一層ゲート型の半導体記憶装置である。コントロールゲートは、第1領域10Aの半導体層10内に形成されたn型の第1不純物領域42である。フローティングゲート電極32は、第1〜第3領域10A〜10Cの半導体層10の上方に形成されている。コントロールゲート(第1不純物領域)42は、フローティングゲート電極32に印加される電圧を制御する。第2領域10Bの半導体層10の上方に形成されたフローティングゲート電極32をゲート電極とするトランジスタ100Bは、書き込み動作および読み出し動作を行う。第3領域10Cの半導体層10の上方に形成されたフローティングゲート電極32をゲート電極とするトランジスタ100Cは、消去動作を行う。
図8は、本実施の形態にかかる半導体記憶装置100の等価回路を示す図である。本実施の形態に係る半導体記憶装置100には、選択トランジスタ100Dが設けられている。なお、選択トランジスタ100Dは、図1〜図7には特に図示していない。図8に示すように、選択トランジスタ100Dのゲート電極は、ワード線WLと電気的に接続されている。選択トランジスタ100Dのドレイン領域は、ビット線BLと電気的に接続されている。選択トランジスタ100Dのソース領域は、n型トランジスタ100Bの第2不純物領域(ドレイン領域)36(図5参照)と電気的に接続されている。n型トランジスタ100Bの他方の第2不純物領域(ソース領域)36(図5参照)は、たとえばグランド線に接続されている。
本実施の形態に係る半導体記憶装置100において、第2領域10Bのn型トランジスタ100Bは、書き込み動作を行う。書き込み動作は、第2領域10Bのn型トランジスタ100Bにチャネルホットエレクトロン(Channel Hot Electron:以下、「CHE」とも言う。)を発生させて、フローティングゲート電極32にCHEを注入することにより行われる。具体的には、以下の通りである。
第2領域10Bのn型トランジスタ100Bのドレイン領域36に、選択トランジスタ100Dを介して、たとえば8Vの電圧を印加する。第2領域10Bのn型トランジスタ100Bのソース領域36を、たとえば接地する。コントロールゲートとして機能するn型の第1不純物領域42に、第4不純物領域35を介して、たとえば8Vの電圧を印加する。n型の第1不純物領域42に、たとえば8Vの電圧を印加することにより、フローティングゲート電極32に、たとえば約7.2Vの電圧を印加することができる。各部を上述のような電圧状態にすることによって、第2領域10Bにおけるn型トランジスタ100Bのドレイン領域36近傍でCHEを発生させることができる。そして、このCHEが、フローティングゲート電極32に注入される。これにより、書き込みが行われる。
次に、読み出し動作について説明する。読み出し動作は、フローティングゲート電極32に電子が注入されている(書き込みがされている)か否かによって、第2領域10Bのn型トランジスタ100Bのしきい値が変動することを利用して行われる。たとえば、コントロールゲート42、および第2領域10Bのn型トランジスタ100Bの第2不純物領域(ドレイン領域)36に所定の電圧を印加して、n型トランジスタ100Bに電流が流れるか否かを計測することによって、読み出しが行われる。
次に、消去動作について説明する。消去の際には、いわゆるトンネル効果を利用する。具体的には以下の通りである。フローティングゲート電極32の電圧は、書き込み動作時と同様に、第1領域10A、第2領域10B、および、第3領域10Cの活性化領域と、ゲート絶縁層30またはトンネル絶縁層31を介したフローティングゲート電極32との間に形成される容量による比(容量比)に応じて、フローティングゲート電極32に印加される電圧が決まる。そして、コントロールゲートとして機能するn型の第1不純物領域42と第2領域10Bのn型トランジスタ100Bの第2不純物領域(ソースおよびドレイン領域)36とを、たとえば接地する。そして、第3領域10Cに形成されたn型トランジスタ100Cの第3不純物領域(ソースおよびドレイン領域)38に、たとえば18Vの電圧を印加する。そうすると、フローティングゲート電極32と第3領域10Cの活性化領域との間に高い電圧差が生じる。その結果、トンネル効果が生じて、電子がトンネル絶縁層31を通過する。すなわち、フローティングゲート電極32から、n型トランジスタ100Cのドレイン領域38へ、電子を引き抜くことができる。
3.デバイスの製造方法
次に、図1〜図7に示す半導体記憶装置100の製造方法について、図9〜図18を参照して説明する。図9〜図18はそれぞれ、図1〜図7に示す半導体記憶装置100の一製造工程を模式的に示す断面図であり、それぞれ図3に示す断面に対応している。
(1)まず、図9に示すように、半導体層10上に、パッド層26を形成する。パッド層26の材質は、たとえば酸化シリコン、酸化窒化シリコンなどを挙げることができる。パッド層26が酸化シリコンからなる場合には、熱酸化法、CVD法などにより形成することができる。パッド層26が酸化窒化シリコンからなる場合には、CVD法などにより形成することができる。パッド層26の膜厚は、たとえば5〜20nmである。
次に、図9に示すように、パッド層26上に、ストッパ層24を形成する。ストッパ層24としては、たとえば窒化シリコン層、多結晶シリコン層、非晶質シリコン層、あるいは、窒化シリコン層、多結晶シリコン層、および非晶質シリコン層のうちの少なくとも2種からなる多層構造などを挙げることができる。ストッパ層24の形成方法としては、たとえばCVD法などを挙げることができる。ストッパ層24は、後述する化学的機械的研磨法(以下、「CMP法」という)におけるストッパとして機能するのに十分な膜厚、たとえば50〜150nmの膜厚を有する。
(2)次に、図10に示すように、ストッパ層24の上に、所定のパターンのレジスト層R1を形成する。レジスト層R1は、後述する素子分離溝28(図11参照)が形成されることになる領域の上方において、開口されている。次に、レジスト層R1をマスクとして、ストッパ層24およびパッド層26をエッチングする。このエッチングは、たとえばドライエッチングにより行われる。次に、レジスト層R1をアッシングにより除去する。
(3)次に、図11に示すように、ストッパ層24をマスクとして、半導体層10をエッチングし、素子分離溝28を形成する。素子分離溝28の深さは、デバイスの設計で異なるが、たとえば300〜500nmである。半導体層10のエッチングは、ドライエッチングにより行うことができる。
(4)次に、図12に示すように、熱酸化法により、素子分離溝28における半導体層10の露出面を酸化し、トレンチ酸化膜22を形成する。以下、この工程を「ラウンド酸化工程」という。ラウンド酸化工程により、素子分離溝28に隣接した半導体層10の上部のコーナー部11をラウンディング形状にすることができる。ラウンディング形状とは、丸みを帯びている形状のことをいう。ラウンド酸化工程における熱酸化の温度は、たとえば1050℃程度で行うことができる。
ラウンド酸化工程により、コーナー部11がラウンディング形状となり、素子分離溝28の上端部における段差がなだらかになる。そのため、後述する工程において、絶縁層21(図13参照)を良好に埋め込むことができる。
(5)次に、素子分離溝28を埋め込むようにして、絶縁層21を全面に堆積する。絶縁層21の膜厚は、素子分離溝28を埋め込み、少なくともストッパ層24を覆うような膜厚、たとえば500〜800nmである。絶縁層21の材質は、たとえば、酸化シリコンなどからなる。絶縁層21の堆積方法としては、たとえば高密度プラズマCVD法、熱CVD法、TEOSプラズマCVD法などを挙げることができる。
次に、図13に示すように、絶縁層21をCMP法により平坦化する。この平坦化は、ストッパ層24が露出するまで行う。つまり、ストッパ層24をストッパとして、絶縁層21を平坦化する。
(6)次に、図14に示すように、ストッパ層24を除去する。ストッパ層24の除去は、たとえば、熱リン酸によるウェットエッチングにより行なわれる。次に、パッド層26を除去する。パッド層26の除去は、たとえばフッ酸によるウェットエッチングにより行なわれる。この際、半導体層10の上面に対して突出している絶縁層21の突出部21aもエッチング除去される。そして、図15に示すように、素子分離絶縁層20が形成される。素子分離絶縁層20により、半導体層10は、第1領域10A、第2領域10B、および第3領域10Cに画定される。
(7)次に、図15に示すように、半導体層10の露出面に、犠牲酸化膜27を熱酸化法により形成する。犠牲酸化膜27の膜厚は、たとえば10〜20nmである。次に、図15に示すように、第3領域10Cにn型のウェル14を形成する。n型のウェル14の形成は、たとえば、以下のように行うことができる。まず、第3領域10C以外を覆うレジスト層(図示せず)を形成する。このレジスト層をマスクとして、リン、ヒ素などのn型不純物を1回もしくは複数回にわたって半導体層10に注入する。これにより、半導体層10内にn型のウェル14を形成することができる。
次に、必要に応じて、図15に示すように、第1領域10Aおよび第2領域10Bにp型のウェル16を形成することができる。p型のウェル16の形成は、たとえば、以下のように行うことができる。まず、第1領域10Aおよび第2領域10B以外を覆うレジスト層(図示せず)を形成する。このレジスト層をマスクとして、ボロンなどのp型不純物を1回もしくは複数回にわたって半導体層10に注入する。これにより、半導体層10内にp型のウェル16を形成することができる。なお、上述の例では、n型のウェル14を形成した後に、p型のウェル16を形成する例について述べたが、p型のウェル16を形成した後に、n型のウェル14を形成することもできる。
次に、図15に示すように、第1領域10Aに、n型の第1不純物領域42を形成する。n型の第1不純物領域42の形成は、たとえば、以下のように行うことができる。まず、第1領域10A以外を覆うレジスト層(図示せず)を形成する。このレジスト層をマスクとして、リン、ヒ素などのn型不純物を1回もしくは複数回にわたって半導体層10に注入する。これにより、半導体層10内にn型の第1不純物領域42を形成することができる。
(8)次に、図16に示すように、素子分離絶縁層20および犠牲酸化膜27の上に、所定のパターンのレジスト層R2を形成する。レジスト層R2は、酸化抑制物質領域50が形成されることになる領域の上方において、開口されている。言い換えるならば、レジスト層R2は、第3領域10Cであって、素子分離絶縁層20に隣接した半導体層10の上部のコーナー部11の上方において、開口されている。
次に、図16に示すように、レジスト層R2をマスクとして、酸化抑制物質52を半導体層10内に注入し、酸化抑制物質領域50を形成する。酸化抑制物質52は、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cの形成領域、すなわち第3領域10Cにおいて、素子分離絶縁層20に隣接した半導体層10の上部のコーナー部11に注入される。酸化抑制物質52は、後述するトンネル絶縁層31を熱酸化により形成する工程(図18参照)において、酸化抑制物質領域50の酸化を抑制することのできる物質であれば、特に限定されない。酸化抑制物質52としては、たとえば窒素、炭素などを挙げることができる。酸化抑制物質52の注入は、たとえばイオン注入などにより行うことができる。酸化抑制物質52の注入をイオン注入で行う場合、その条件としては、注入エネルギーは、たとえば10〜50keV程度であり、ドーズ量は、たとえば1×1013〜5×1014cm−2程度である。次に、レジスト層R2をアッシングにより除去する。
(9)次に、図17に示すように、犠牲酸化膜27を、フッ酸などのエッチャントを用いてエッチングする。犠牲酸化膜27を除去することによって、半導体層10が露出する。
(10)次に、図18に示すように、露出している半導体層10の上に、ゲート絶縁層30およびトンネル絶縁層31を形成する。ゲート絶縁層30およびトンネル絶縁層31は、熱酸化法により形成することができる。上述したように、第3領域10Cには、酸化抑制物質を含む酸化抑制物質領域50が形成されている。トンネル絶縁層31を形成する熱酸化工程において、酸化抑制物質領域50の酸化は、酸化抑制物質によって抑制される。たとえば窒素または炭素などは、酸化種である酸素の膜中への拡散を抑えることにより、酸化反応を抑制する。これにより、酸化抑制物質領域50の上方のトンネル絶縁層31の膜厚は、酸化抑制物質を含まない半導体層10の上方のトンネル絶縁層31の膜厚より薄く形成される。たとえば図18に示す例では、半導体層10の上部のコーナー部11に隣接したトンネル絶縁層31の端部31aの膜厚は、トンネル絶縁層31の中央部31bの膜厚より薄く形成される。なお、トンネル絶縁層31の端部31aは、酸化抑制物質領域50の上方に形成される。トンネル絶縁層31の中央部31bは、酸化抑制物質を含まない半導体層10の上方に形成される。言い換えるならば、トンネル絶縁層31の中央部31bは、酸化抑制物質領域50以外の領域54の上方に形成される。
また、ゲート絶縁層30およびトンネル絶縁層31は、同一のプロセスで形成されることができる。これにより、製造工程を簡素化することができる。なお、この場合、ゲート絶縁層30の膜厚は、トンネル絶縁層31の中央部31bの膜厚と同程度になる。
(11)次に、図1〜図7に示すように、ゲート絶縁層30およびトンネル絶縁層31の上に、フローティングゲート電極32を形成する。フローティングゲート電極32は、第1領域10Aから第3領域10Cに亘って連続して形成される。フローティングゲート電極32は、半導体層10の上方に、たとえば、ポリシリコン層からなる導電層(図示せず)を形成し、この導電層をパターニングすることで形成される。
次に、図1、図2、図4〜図7に示すように、フローティングゲート電極32をマスクとしてコンタクト領域、ソース領域、あるいはドレイン領域となる不純物領域の形成を行う。具体的には、第1領域10Aでは、n型の第4不純物領域35が形成され、第2領域10Bでは、n型の第2不純物領域36が形成され、第3領域10Cでは、p型の第3不純物領域38が形成される。より具体的には、以下の通りである。
まず、第3領域10Cのみを覆うように、すなわち、第1領域10Aおよび第2領域10Bは覆わずに、たとえばレジスト層などを形成する。次に、フローティングゲート電極32をマスクとして、n型の不純物を半導体層10内に、たとえばイオン注入などにより導入する。これにより、n型の第4不純物領域35および第2不純物領域36が形成される。次に、第1領域10Aおよび第2領域10Bのみを覆うように、すなわち、第3領域10Cは覆わずに、たとえばレジスト層などを形成する。次に、フローティングゲート電極32をマスクとして、p型の不純物を半導体層10内に、たとえばイオン注入などにより導入する。これにより、p型の第3不純物領域38が形成される。
なお、選択トランジスタ100D(図8参照)のゲート絶縁層、ゲート電極、ソース領域およびドレイン領域を形成する工程は、上述したゲート絶縁層30の形成工程、フローティングゲート電極32の形成工程、各不純物領域の形成工程と同一の工程で行うことができる。
以上の工程により、本実施の形態に係る半導体記憶装置100を製造することができる。
4.作用・効果
本実施の形態に係る半導体記憶装置100の製造方法によれば、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cの形成領域、すなわち第3領域10Cにおいて、素子分離絶縁層20に隣接した半導体層10の上部のコーナー部11に、酸化抑制物質52を注入する工程(図16参照)を含む。これにより、前記コーナー部11に、酸化抑制物質を含む酸化抑制物質領域50が形成される。そして、トンネル絶縁層31を形成する熱酸化工程において、酸化抑制物質領域50の酸化は、酸化抑制物質によって抑制される。その結果、酸化抑制物質領域50の上方のトンネル絶縁層31の膜厚は、酸化抑制物質を含まない半導体層10の上方のトンネル絶縁層31の膜厚より薄く形成される。酸化抑制物質領域50の上方のトンネル絶縁層31の膜厚が薄く形成されることによって、トンネル効果を効率良く生じさせることができる。言い換えるならば、電荷の移動(注入/放出)効率を良くすることができ、トンネル電流を大きくすることができる。したがって、トンネル効果を利用するトランジスタ100C以外のトランジスタ、たとえばトランジスタ100A,100Bのゲート絶縁層30と同一の膜厚であって、かつ均一な膜厚のトンネル絶縁層を有する半導体記憶装置に比べ、より高速に動作可能な半導体記憶装置100を提供することができる。また、デバイス面積の縮小化を図ることのできる半導体記憶装置100を提供することができる。デバイス面積の縮小化を図ることができる理由は、以下のとおりである。
トンネル効果を利用する消去方法では、フローティングゲート電極32と第3不純物領域38との間に、大きな電界強度が印加される。そのためには、コントロールゲート42に印加される電圧および容量カップリング(容量比)を大きくする。ここで、従来と同程度の書込み・消去特性を求めるならば、本実施の形態に係る半導体記憶装置100では、電荷の移動効率が良好なため、コントロールゲート42に印加される電圧または容量カップリングを小さくすることができる。容量カップリングは、フローティングゲート電極32とコントロールゲート42との重なり合う面積に依存している。すなわち、容量カップリングを小さくする場合は、フローティングゲート電極32とコントロールゲート42との重なり合う面積を小さくすることができる。半導体記憶装置100の中で、大きな面積を占めるフローティングゲート電極32とコントロールゲート42との重なり合う面積を小さくできることにより、デバイス面積の縮小化を図ることができる。
本実施の形態に係る半導体記憶装置100の製造方法によれば、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cの形成領域10C以外の領域、たとえば、第1領域10Aおよび第2領域10Bにおけるゲート絶縁層30と、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cの形成領域10Cにおけるトンネル絶縁層31とは、同一のプロセスで形成されることができる。このプロセスでは、酸化抑制物質領域50の上方のトンネル絶縁層31の膜厚は、酸化抑制物質を含まない半導体層10の上方のトンネル絶縁層31の膜厚より薄く形成され、かつ、ゲート絶縁層30の膜厚は、酸化抑制物質を含まない半導体層10の上方のトンネル絶縁層31の膜厚と同程度になる。すなわち、本実施の形態に係る半導体記憶装置100の製造方法によれば、トンネル効果を効率良く生じさせることができるように、酸化抑制物質領域50の上方のトンネル絶縁層31の膜厚を、ゲート絶縁層30の膜厚よりも薄く形成することができる。そして、ゲート絶縁層30を、ゲート耐圧の低下や、寄生トランジスタ素子の形成といった影響を極力回避することができるような厚い膜厚で形成することができる。
本実施の形態に係る半導体記憶装置100の製造方法によれば、通常のCMOSトランジスタの製造プロセスと同様の工程で行うことができる。そのため、煩雑な工程を経ることなく半導体記憶装置100を形成することができる。また、MOSトランジスタで構成されるICと同一の基板(半導体層10)に、本実施の形態に係る半導体記憶装置100を混載することができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について述べたが、本発明はこれらに限定されず、各種の態様を取りうる。たとえば、上述した本発明の実施の形態では、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cによって消去動作を行う一層ゲート型の半導体記憶装置100の例について説明したが、本発明は、トンネル効果を利用する半導体記憶装置であれば、特に限定されず適用可能である。たとえば、書き込みと消去とを同一のトランジスタ(同一箇所)で行う一層ゲート型の半導体記憶装置に本発明を適用することもできる。この場合、書き込みと消去とを行うトランジスタとして、本発明に係るトンネル効果を利用するトランジスタを適用することができる。また、たとえば、いわゆるスタックトゲート型トランジスタに本発明を適用することもできる。スタックトゲート型トランジスタとは、トンネル絶縁層の上方にフローティングゲート電極が形成され、コントロールゲートがフローティングゲート電極の上方にゲート絶縁層を介して形成されたトランジスタである。この場合、上述した実施の形態に係る半導体記憶装置100と同様、スタックトゲート型トランジスタのトンネル絶縁層の端部を薄くすることができる。
また、上述した本発明の実施の形態では、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cの形成領域、すなわち第3領域10Cにおいて、素子分離絶縁層20に隣接した半導体層10の上部のコーナー部11に、酸化抑制物質52を注入する例(図16参照)について説明したが、酸化抑制物質52を注入する領域は、第3領域10Cにおける半導体層10の上部であれば、特に限定されない。たとえば、第3領域10Cにおける半導体層10の上部の全面に酸化抑制物質52を注入することができる。この場合、トンネル絶縁層31の膜厚は、ゲート絶縁層30の膜厚に比べ、全体的に薄くなる。さらに、この場合も、半導体層10の上部のコーナー部11に隣接したトンネル絶縁層31の端部31aの膜厚は、トンネル絶縁層31の中央部31bの膜厚より薄く形成される。これは、酸化反応において、たとえば珪素原子の供給量が少ないためである。トンネル絶縁層31を形成する工程において、たとえば、トンネル絶縁層31の中央部31bでは、酸素原子に対して珪素原子は十分にあるが、トンネル絶縁層31の端部31aでは、珪素原子が不足して珪素原子の酸化反応が少なくなる。そのため、トンネル絶縁層31の端部31aの膜厚は、トンネル絶縁層31の中央部31bの膜厚より薄く形成される。また、たとえば、第3領域10Cにおける半導体層10の上部であって、トンネル絶縁層31の中央部31bが形成される領域に、酸化抑制物質52を注入することができる。この場合、トンネル絶縁層31の端部31aの膜厚は、トンネル絶縁層31の中央部31bの膜厚より厚く形成される。
また、上述した本発明の実施の形態では、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cの形成領域10C以外の領域は、たとえば第1領域10Aおよび第2領域10Bである場合について説明したが、トンネル効果を利用するトランジスタ100Cの形成領域10C以外の領域はこれらに限定されない。たとえば、周辺ロジック領域などを挙げることができる。
また、たとえば、フローティングゲート電極32の平面形状として、図1および図2に示す平面形状を例示したが、フローティングゲート電極32の平面形状は、各領域10A,10B,10C間での各容量比を所望の値にすることができるならば、特に限定されることはない。
また、たとえば、上述した実施の形態において、各半導体層におけるp型とn型とを入れ替えても本発明の趣旨を逸脱するものではない。
また、本発明に係る半導体記憶装置は、たとえば、液晶パネルの画質や色合いを調整する液晶パネルの調整用の半導体記憶装置として好適に用いることができる。液晶パネルの調整用の半導体記憶装置として用いる場合、通常のCMOSトランジスタの製造プロセスと同様の工程で形成することができるため、液晶表示ドライバICと同時に形成することができるという利点がある。その結果、製造工程を増加させることなく、特性の優れた半導体記憶装置が混載された表示用ドライバICを提供することができる。
また、たとえば、本実施の形態に係る半導体記憶装置を用いてメモリセルアレイを構成する場合には、面積効率を考慮して鏡面配置にして、メモリセルアレイを構成することができる。
実施の形態にかかる半導体記憶装置を模式的に示す斜視図。 実施の形態にかかる半導体記憶装置を模式的に示す平面図。 図2のA−A線に沿った断面図。 図2のB−B線に沿った断面図。 図2のC−C線に沿った断面図。 図2のD−D線に沿った断面図。 図2のD’−D’線に沿った断面図。 実施の形態かかる半導体記憶装置の等価回路を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。 図1〜図7に示す半導体記憶装置の製造工程を示す図。
符号の説明
10 半導体層、11 コーナー部、14 n型のウェル、16 p型のウェル、20 素子分離絶縁層、21 絶縁層、22 トレンチ酸化膜、24 ストッパ層、26 パッド層、27 犠牲酸化膜、28 素子分離溝、30 ゲート絶縁層、31 トンネル絶縁層、32 フローティングゲート電極、35 第4不純物領域、36 第2不純物領域、38 第3不純物領域、42 第1不純物領域、50 酸化抑制物質領域、52 酸化抑制物質、54 酸化抑制物質領域以外の領域、100 半導体記憶装置

Claims (13)

  1. トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置の製造方法であって、
    半導体層に、トレンチ素子分離法により、前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域を画定する素子分離絶縁層を形成する工程と、
    前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域において、少なくとも前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部のコーナー部に、酸化抑制物質を注入する工程と、
    前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域における前記半導体層の上方に、熱酸化によりトンネル絶縁層を形成する工程と、
    前記トンネル絶縁層の上方にフローティングゲート電極を形成する工程と、
    前記フローティングゲート電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートを形成する工程と、
    少なくとも前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に、ソースおよびドレイン領域を形成する工程と、を含む、半導体記憶装置の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記酸化抑制物質は、窒素および炭素のうちの少なくとも一方である、半導体記憶装置の製造方法。
  3. 請求項1または2において、
    前記コントロールゲートを形成する工程は、前記フローティングゲート電極の下方の前記半導体層内に不純物領域を形成する工程である、半導体記憶装置の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域以外の領域において、前記半導体層の上方に、熱酸化によりゲート絶縁層を形成する工程を有し、
    前記トンネル絶縁層を形成する工程と、前記ゲート絶縁層を形成する工程と、は同一のプロセスで行われる、半導体記憶装置の製造方法。
  5. 請求項1または2において、
    前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の上方に形成される、半導体記憶装置の製造方法。
  6. トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置の製造方法であって、
    第1導電型の半導体層に、トレンチ素子分離法により、第1領域、第2領域、および、前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域である第3領域を画定する素子分離絶縁層を形成する工程と、
    前記第1領域および前記第2領域の前記半導体層内に、第1導電型のウェルを形成する工程と、
    前記第3領域の前記半導体層内に、第2導電型のウェルを形成する工程と、
    前記第3領域において、少なくとも前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部のコーナー部に、酸化抑制物質を注入する工程と、
    前記第1領域および前記第2領域の前記半導体層の上方に、熱酸化によりゲート絶縁層を形成する工程と、
    前記第3領域の前記半導体層の上方に、熱酸化によりトンネル絶縁層を形成する工程と、
    少なくとも前記ゲート絶縁層および前記トンネル絶縁層の上方であって、前記第1ないし第3領域に、フローティングゲート電極を形成する工程と、
    前記第1領域において、前記フローティングゲート電極の下方の前記半導体層内に、コントロールゲートとして機能する第2導電型の第1不純物領域を形成する工程と、
    前記第2領域において、前記フローティングゲート電極の側方にソースおよびドレイン領域となる前記第2導電型の第2不純物領域を形成する工程と、
    前記第3領域において、前記フローティングゲート電極の側方にソースおよびドレイン領域となる前記第1導電型の第3不純物領域を形成する工程と、を含む、半導体記憶装置の製造方法。
  7. 請求項6において、
    前記酸化抑制物質は、窒素および炭素のうちの少なくとも一方である、半導体記憶装置の製造方法。
  8. 請求項6または7において、
    前記第1領域において、前記フローティングゲート電極の側方に前記第1不純物領域に比べて不純物濃度が高い第4不純物領域を形成する工程を有する、半導体記憶装置の製造方法。
  9. 請求項6〜8のいずれかにおいて、
    前記ゲート絶縁層を形成する工程と、前記トンネル絶縁層を形成する工程と、は同一のプロセスで行われる、半導体記憶装置の製造方法。
  10. トンネル効果を利用するトランジスタを含む半導体記憶装置であって、
    半導体層と、
    前記半導体層にトレンチ素子分離法により形成された、前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域を画定する素子分離絶縁層と、
    前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に形成され、かつ、少なくとも前記素子分離絶縁層に隣接した前記半導体層の上部のコーナー部に形成された、酸化抑制物質を含む酸化抑制物質領域と、
    前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域における前記半導体層の上方に形成されたトンネル絶縁層と、
    前記トンネル絶縁層の上方に形成されたフローティングゲート電極と、
    前記フローティング電極に印加する電圧を制御するコントロールゲートと、
    少なくとも前記トンネル効果を利用するトランジスタの形成領域に形成されたソースおよびドレイン領域と、を含み、
    前記酸化抑制物質領域の上方の前記トンネル絶縁層の膜厚は、前記酸化抑制物質を含まない前記半導体層の上方の該トンネル絶縁層の膜厚より薄い、半導体記憶装置。
  11. 請求項10において、
    前記酸化抑制物質は、窒素および炭素のうちの少なくとも一方である、半導体記憶装置。
  12. 請求項10または11において、
    前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の下方の前記半導体層内に形成された不純物領域である、半導体記憶装置。
  13. 請求項10または11において、
    前記コントロールゲートは、前記フローティングゲート電極の上方に形成されている、半導体記憶装置。
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