JP2006012926A - 沸騰冷却器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】下面に発熱素子を取り付ける冷媒蒸発部(3)とその上面に蒸発部に連通して設けた、内部にフィンを有するコンテナ部材(4)を複数の所定間隔で配置立設するとともに、該各コンテナ部材の外側の各部材の間隙にその幅全体にコルゲートフィン(5)を設けてなる凝縮部(1)とよりなり、蒸発部と前記蒸発部の凝縮部との接合面において冷媒蒸気が蒸発部において凝縮部の底面に対して行きわたるように基板中の蒸発部の仕切枠に切欠部を設けた沸騰冷却器。
【選択図】図1
Description
この沸騰冷却方式は、下方に発熱する素子を取り付けた基板部70があり、基板部70の上部には凝縮部71が設けられ、その凝縮部の上方にはヘッダー部72が設けられている。そして基板部70の、凝縮部71の底面に対応した部分には基板部内部に蒸発部73が設けられている。この蒸発部には、通常、その作動冷媒として、パーフルオロカーボン(以下、PFCという)が封入されている。74はPFC注入封止部を示す。
この作動液を用いる沸騰冷却方式の最大の利点は、放熱性能のパフォーマンスの高さにあり、特に鉄道車両用のパワーインバータ系の半導体素子冷却用途として多く使用されている。
(1)下面に発熱素子を取り付ける冷媒蒸発部と、その上面に蒸発部に連通して設けた、内部にフィンを有するコンテナ部材を複数の所定間隔で配置立設するとともに、該各コンテナ部材の外側の各部材の間隙にその幅全体にコルゲートフィンを設けてなる凝縮部とよりなり、蒸発部と前記蒸発部の凝縮部との接合面において冷媒蒸気が蒸発部において凝縮部の底面に対して行きわたるように基板中の蒸発部の仕切枠に切欠部を設けたことを特徴とする沸騰冷却器。
(2)コンテナ部材の内部に設けたフィンを該部材の最上位まで延ばさず、最上位部を冷媒が水平方向に移動しうるよう所定の高さの隙間を空けた事を特徴とする(1)記載の沸騰冷却器。
(3)冷媒蒸発部の冷媒が、平行した所定高さに設けられ、かつ、間欠的に切り欠きを設けた、複数の立体壁によって形成される溝構造からなる流路を流れる(1)又は(2)記載の沸騰冷却器。
(4)複数の溝構造の流路を平行配置した前記の蒸発通路部材の一部を切り欠き、連通させて接合一体化した蒸発部において、該蒸発部の上面部及び/又は下面部の表面に規則的もしくはランダムに細かい溝加工を施したことを特徴とする(1)または(2)のいずれか1項記載の沸騰冷却器。
(5)複数の通路を平行配置した構成の蒸発通路部材の一部を切り欠き、連通させて接合一体化した蒸発部において、上面部及び下面部を規則的もしくはランダムにエッチング加工を施したことを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項記載の沸騰冷却器。
以上のように、本発明は放熱性能を従来製品と同等以上とした上で、寸法を小型化し、製造コストを大幅に改善することが出来る放熱器を提供することを可能とするものである。
図1は、本発明品の全体図である。図1に示した様に、構成部分は大別して、凝縮部の底面に対応させて設置した蒸発部1を有する基板部2、蒸発部1の上に取り付けた前記の凝縮部3、とからなる。凝縮部3は、所定間隔で複数立設したコンテナ部材4と、外部コルゲートフィン5とを交互に配設して組立てる。
この凝縮部3を図3に斜視図で示す。コンテナ部材4は図6によって説明するように内部フィン材を有し、該部材4の上面及び両側部を略コの字形のサイドフレームで密閉してある。コルゲートフィン5の上部面及び底部面は、それぞれ、上面板6a、下面板6bで閉じてある。このように凝縮部3は所定間隔で立設したコンテナ部材を有している。図示しないが、基板部の裏面(下面)には発熱素子が取付けられ、PFC注入封止部を有していることは従来と同様である。
このように本発明の実施態様では、凝縮部最上部間を連通させるヘッダー部がない構造になっている。凝縮部最上部間を連通させるヘッダーの機能の代わりに、蒸発部内部のアルミニウム押し出し成型品製の分割部材を接合部に切り欠きを設けてそこで連通を取らせている。
上板9には、縦枠9c、横枠9dが形成されている。枠9c、9dの間で形成される孔部が、冷媒流路からの冷媒の蒸発上昇空間であり、この部分を通って、前記の流路11から蒸発した前記コンテナ部材4の内部へと冷媒が上昇する。12が上板9と下板8の縦の仕切枠に設けた切欠部である。
切欠部12は、図4のように少なくとも1個所設けるが、2個所以上設けて左右の板の前記の蒸発上昇空間を連続させてもよい。
本発明において、凝縮部3のコンテナ部材4の下部と蒸発部の横仕切枠9dとは互いに直交するように構成する。
この溝構造壁10と切り欠き13との幅(長さ)の比は特に制限するものではないが、3:1〜3:2、特に2:1の割合が良好である。切り欠きの効果としては、これがない押し出し材のままでは、横方向の冷媒(PFC液)の連通が取れなくなり、液の流れが阻害される。一方、本製品は、内部でPFC液が蒸発凝縮を繰り返す為、一定の耐圧強度が必要となる。これらを総合的に検討した結果、蒸発部ベース部分の切り欠きは前記割合がよい。この割合はPFC液の長手方向への直進性と横方向への移動との関係で定める。11aは冷媒流路11の底面にさらに深く切り込んで設けたより細い溝孔である。これを設ける理由は、毛細管現象により冷却器が傾いた時にも流路に必要な冷媒を保持する作用を付与するためである。
すなわち、蒸発部と凝縮部との接合面は端部ほど、蒸発上昇空間を大きく取り、中央部ほどそれを小さくするパターンを設けた。このことの効果は、蒸発部の平面部の大きさに対して凝縮部は、外部に取り付けられている、外部のアルミニウム製のフィンの許容される、圧力損失の影響の為に、蒸発部並行面に比べてサイズ寸法が小さくなってしまう。この為、蒸発部端部に近いところほど、大きく切り欠き、周囲に液が循環して全体として液の流れを改善することができる。
このようにすることにより、凝縮部最上部の連通用のヘッダーを不要とできる。この効果としては、ヘッダー部と凝縮部最上面部とを接続する個所が不要になり、気密保持不完全の危険性が大きく減少する。更に、ヘッダー部がなくなるため、凝縮部最上位部はフラットな面となり、高さ寸法も小さくすることが出来る。
しかしながら、オフセットフィンと呼ばれる内部フィンは、構造上入り組んだ構造で且つ、平面方向の蒸気の移動が困難な構造となっている。つまり、ヘッダー部のみの連通では、個々の上記コンテナ部内の蒸気を均一に回らせることが困難である。このヘッダー部の重要な機能として、内部フィンが無い部分なので、この部分でPFC蒸気がPFC液に戻り、それが、個々のコンテナ部を通って蒸発部へと戻っていく。
以上のように、本発明は、蒸発部と凝縮部とのPFCの液の流れを改善する手法を採用したことにより、性能劣化を起こすことなく、ヘッダー部を削除することが可能となった。このことにより、接続個所を減らすことが出来、気密保持の信頼性が向上し、且つ、沸騰冷却器の高さ寸法を小さくすることが可能となった。
2 基板部
3 凝縮部
4 コンテナ部材
5 コルゲートフィン
6a 上面板
6b 下面板
8 下板
9 上板
9a 上板の左板
9b 上板の右板
9c 上板の縦枠
9d 上板の横枠
10 溝構造壁
11 冷媒の流路
12 切欠部
13 切り欠き部
Claims (5)
- 下面に発熱素子を取り付ける冷媒蒸発部と、その上面に蒸発部に連通して設けた、内部にフィンを有するコンテナ部材を複数の所定間隔で配置立設するとともに、該各コンテナ部材の外側の各部材の間隙にその幅全体にコルゲートフィンを設けてなる凝縮部とよりなり、蒸発部と前記蒸発部の凝縮部との接合面において冷媒蒸気が蒸発部において凝縮部の底面に対して行きわたるように基板中の蒸発部の仕切枠に切欠部を設けたことを特徴とする沸騰冷却器。
- コンテナ部材の内部に設けたフィンを該部材の最上位まで延ばさず、最上位部を冷媒が水平方向に移動しうるよう所定の高さの隙間を空けた事を特徴とする請求項1記載の沸騰冷却器。
- 冷媒蒸発部の冷媒が、平行した所定高さに設けられ、かつ、間欠的に切り欠きを設けた、複数の立体壁によって形成される溝構造からなる流路を流れる請求項1又は2記載の沸騰冷却器。
- 複数の溝構造の流路を平行配置した前記の蒸発通路部材の一部を切り欠き、連通させて接合一体化した蒸発部において、該蒸発部の上面部及び/又は下面部の表面に規則的もしくはランダムに細かい溝加工を施したことを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項記載の沸騰冷却器。
- 複数の通路を平行配置した構成の蒸発通路部材の一部を切り欠き、連通させて接合一体化した蒸発部において、上面部及び下面部を規則的もしくはランダムにエッチング加工を施したことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の沸騰冷却器。
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