JP2006012255A - リールバネおよびこれを備えた磁気テープカートリッジ - Google Patents

リールバネおよびこれを備えた磁気テープカートリッジ Download PDF

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Abstract

【課題】テープリールの回転中心上部の耐摩耗性を高め、生産性にも優れたリールバネおよびこれを備えた磁気テープカートリッジを提供する。
【解決手段】 本発明のリールバネ25Aは、その金属製バネ本体30のテープリール対向面に、テープリールの回転中心上部の耐摩耗性を高めるための潤滑性塗装被膜31を形成することにより、摩擦潤滑性の高い材料を用いずにテープリールの耐摩耗性を高める。潤滑性塗装被膜31は、潤滑剤を添加した合成樹脂被膜でなり、この潤滑剤の含有量を、0.5wt%以上16wt%以下とする。0.5wt%未満では被膜31の潤滑性が少なく、16wt%を越えるとバネ本体30との密着性が劣化し、プレス生産性が悪くなる。また、この潤滑性塗装被膜31の膜厚は10μm以上30μm以下とすることにより、被膜の摩耗耐久性と生産性の両立が図れる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、テープ状記録媒体として磁気テープが巻装されたテープリールをカートリッジケースに回転可能に収納してなる磁気テープカートリッジに関し、更に詳しくは、テープリールの回転中心上部を付勢するリールバネに関する。
一般に、ビデオ機器などにおいては、一対のテープリールに巻き回した磁気テープを、カートリッジケース内に走行可能に保持して記録再生を行う磁気テープカートリッジ(あるいはテープカセット)が多用されている。図8は、この種の従来の磁気テープカートリッジとして、VHSタイプのテープカートリッジの構成を示している。
図8に示す磁気テープカートリッジ101は、上シェル102と下シェル103とを結合することにより形成されるカートリッジケース104と、磁気テープ105が巻装されるとともにカートリッジケース104の内部に回転可能に収納された一対のテープリール106,106とを備えている。
各テープリール106は、それぞれ、上リールフランジ106aと、磁気テープ105の巻芯となるハブ106bおよび下フランジ106cが一体に形成された下リール106dを備えた構成とされている。
上シェル102の内面側にはリールバネ107が固着されており、このリールバネ107の各々の端部107a,107aにより、テープリール106,106の回転中心上部がそれぞれ下シェル103側に付勢されている。リールバネ107は、ステンレス等のバネ性を有する薄鋼帯を打抜きプレス加工して形成されている。
リールバネ107は、磁気テープカートリッジ101が記録再生装置(ドライブ)に装着され、テープリール106の下面底部に形成された孔部に記録再生装置のリール駆動軸が挿入された際、テープリール106をリール駆動軸に向けて付勢することにより、テープリール106の安定した回転走行性を確保する。
したがって、リールバネ107は、テープリール106の回転動作の際、テープリール106の回転中心上部に常に付勢状態で接触している。この接触状態におけるテープリール106の回転スピードは、磁気テープ105の早送り、早巻き戻し状態においては、一分間に1000回転〜6000回転(1000rpm〜6000rpm)以上に達する高速にて回転している。
このような機構でテープリール106を回転させているため、テープリール106のリールバネ107との接触部分の摩滅によりテープリール106の安定した回転走行性が損なわれたり、摩耗粉が磁気テープ105に付着して記録再生時のドロップアウトが引き起こされ、磁気テープカートリッジ101の所期の性能を維持できなくなる懸念が生じる。そのため、磁気テープカートリッジ101の所期の性能を確保する上では、テープリール106のリールバネ107との接触部分の摩耗を軽減する必要がある。
そこで、従来では、テープリール106(下リール106d)をポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂といった摩擦潤滑性の高い樹脂材料によって形成している。あるいは、上リールフランジ106aと下リール106dとの間に、リールバネ107の端部107aと接触するように、摩擦潤滑性の高いポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂といった樹脂材料により形成されたセンターピン108,108が取り付けられたものもある(図8)。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献を以下に示す。
特開平1−306026号公報 特開平11−232821号公報 特開2000−328209号公報
しかしながら、テープリール106(下リール106d)をポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂といった摩擦潤滑性の高い樹脂材料によって形成した場合においては、これらの樹脂がABS(アクリルブチルスチロール樹脂)やHI−PS(ハイインパクトスチロール樹脂)といった汎用樹脂に比べて高価であるという問題がある。
加えて、ポリアセタール樹脂は成形収縮率が大きいことよりリールの精度(特に回転精度)を確保するのが難しく、キャビティ数(1個の金型から幾つのリールを作ることができるか)を多くすることができないために、生産性が劣り、生産コストが高くなるといった問題を有している。また、ポリブチレンテレフタレート樹脂にあっては、成形収縮が大きいことに加え、射出成形した後の収縮も大きく、リールの寸法精度を確保するのが難しい。
また、上リールフランジ106aと下リール106dとの間に、リールバネ107と接触するように、摩擦潤滑性の高いポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂といた樹脂材料で形成されたセンターピン108が取り付けられるタイプのものにおいては、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂といった高価な樹脂を多量に使う必要がないといった利点がある反面、部品点数が増えることにより、リールの組立精度が劣る、射出成形用金型の投資が増えて経済的でない、部品を取り付けた後に上下リールを接合する必要があり作業が煩雑となる、等といった問題を有している。
一方、上記特許文献1,2には、テープリールと接触するリールバネ表面に樹脂被膜を形成してテープリールの耐摩耗性を高める技術が開示されている。この構成によれば、テープリールにポリアセタール樹脂等の摩擦潤滑性の高い樹脂材料を用いずにテープリールの耐摩耗性を得ることができるので非常に有利である。
ところが、この種の樹脂被膜付きリールバネに関しては、テープリールとの接触による樹脂被膜の摩耗耐久性を確保しながら、リールバネの下地金属と樹脂被膜との間の十分な密着強度を維持するとともに、リールバネをプレスにて打ち抜く際の生産性の低下を防ぐ必要がある。
そこで、本発明は、テープリールとの対向面に樹脂被膜が形成されたリールバネであって、樹脂被膜の摩耗耐久性を確保できるとともに、樹脂被膜の十分な密着性が得られ、生産性をも確保することができるリールバネおよびこれを備えた磁気テープカートリッジを提供することを課題とする。
以上の課題を解決するに当たり、本発明は、リールバネが、金属材料でなるとともに、テープリールの回転中心上部に対向する側の面には、潤滑剤を0.5重量%以上16重量%以下含有した合成樹脂製の潤滑性塗装被膜が形成されていることを特徴とする。
本発明は、テープリールの回転中心上部と対向するリールバネの表面に上記構成の潤滑性塗装被膜を形成することにより、テープリールとの摩擦を軽減し、テープリールの回転中心上部耐摩耗性を向上させるようにしている。これにより、テープリールを汎用樹脂で形成してもテープリール回転中心上部の摩耗を抑制し、性能の劣化がない磁気テープカートリッジを提供することができるようになる。
また、潤滑剤の含有量が0.5重量%未満の場合には、十分な潤滑性を得ることができず、テープリールの高速回転時において潤滑性塗装被膜が摩耗し、これに接触するテープリールの回転中心上部の摩耗を誘発する。一方、潤滑剤の含有量が16重量%を越えると、下地金属との密着性が劣化して剥がれ易くなり、リールバネをプレスによる打抜き形成時に、切断面から潤滑性塗装被膜が脱落し、プレス金型のメンテナンス頻度を増大させてプレス生産性に悪影響を与える。
潤滑性塗装被膜の膜厚は、10μm以上30μm以下であることが好ましい。10μm未満では潤滑性塗装被膜の摩耗耐久性が劣化し、30μmを越えるとリールバネのプレス生産性に悪影響を与えるからである。
リールバネのバネ本体は、ステンレス鋼やアルミニウム合金などの金属材料で形成される。特に、バネ本体をアルミニウム合金製とすることにより、リールバネの軽量化が図られ、落下衝撃等によるリールバネ取付部の損傷を抑止できる。
本発明の磁気テープカートリッジによれば、テープリールの回転中心上部を付勢するリールバネの表面に、潤滑剤を添加した合成樹脂製の潤滑性塗装被膜が形成されているので、摩擦潤滑性の高い合成樹脂材料を使用せずとも、リールバネの付勢によるテープリール回転中心上部の摩耗に対して耐久性を高めることが可能となるとともに、潤滑性塗装被膜の密着性を向上させ、プレス生産性にも優れたリールバネを得ることができるので、信頼性および生産性に優れたリールバネおよびこれを備えた磁気テープカートリッジを得ることができる。
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
図1は本発明の第1の実施の形態による磁気テープカートリッジ1の構成を示す分解斜視図であり、一例としてVHSタイプの磁気テープカートリッジを示している。まず、この磁気テープカートリッジ1の全体構成について説明する。
本実施の形態の磁気テープカートリッジ1は、例えばハイインパクトスチロール(耐衝撃性ポリスチレン:HI−PS)樹脂製の上シェル2と下シェル3とを結合することにより形成されるカートリッジケース4と、磁気テープ5が巻装されるとともにカートリッジケース4の内部に回転可能に収納された一対のテープリール6,6とを備えている。なお、上シェル2および下シェル3は、複数本のネジ部材7を用いて互いに結合されている。
テープリール6は、図2に示すように、上リールフランジ6aと、磁気テープ5の巻芯となるハブ6bおよび下フランジ6cが一体に形成された下リール6dとを備えた構成とされている。上リールフランジ6aは、例えばアクリルスチレン(AS)樹脂、ポリスチレン(PS)樹脂等の透明合成樹脂で形成され、下リール6dは、例えばHI−PS樹脂、アクリルブチルスチロール(ABS)樹脂などの汎用熱可塑性樹脂で形成されている。
テープリール6は、ハブ6bの上面に形成された複数の突起6eを上リールフランジ6aの対応部に形成された貫通孔6fに係合させた後、突起6eの先端部を熱圧着などで拡径することにより、上リールフランジ6aが下リール6cに接合、一体化されている。下リール6cの底面略中央部には、記録再生装置のリール駆動軸が挿入され内周部に駆動係合用爪(図示略)が形成された孔部6gが形成されているとともに、下リール6d(ハブ6b)の回転中心上部には、後述するリールバネ25Aが弾接する凸部6hが形成されている。
テープリール6の凸部6hは、図2に示したように、上リールフランジ6aの中央部に形成した孔6jを貫通させて上方側へ突出させているが、図3に示すように、上リールフランジ6aの回転中心上部に、リールバネ接触用の凸部6kを突出形成させるようにしてもよい。
さて、下シェル3の前方側(図中手前側)に形成されたテープローディング用の開口部8の両側には、円筒状のテープガイド9,9がそれぞれ設けられている。これらテープガイド9,9はステンレス製で、一方のテープリール6から送出され他方のテープリール6に巻き取られる磁気テープ5が下シェル3と接触して傷などが付かないように走行を案内する。
ガイドポール10は、シート材にて形成されたテープ緩み止め11とともに下シェル3に係合され、これらガイドポール10とテープ緩み止め11とにより磁気テープ5を挟み込むことにより、カートリッジケース4内に収納されている磁気テープ5が不用意に弛み開口部8からはみ出るのを防ぐ。ガイドローラ12は、磁気テープ5の安定した走行性が得られるように取り付けた回転ローラである。
リッド(蓋)部材13は、開口部8を横切る磁気テープ5の前面を覆うようにカートリッジケース4に対して開閉自在に取り付けられている。リッドロック部材14は、磁気テープカートリッジ1の非使用時にリッド部材13を閉止位置にロックし、磁気テープカートリッジ1が記録再生装置に装着された使用時にのみ、リッド部材13を開蓋させる。リッド部材13は、リッドスプリング15により閉止位置に付勢され、リッドロック部材14は、リッドロックスプリング16によりリッド部材13をロックする位置に付勢されている。
下シェル3の中央側後方には、一対のリールロック片17,17が設けられている。これらリールロック片17,17は可動プラグ18に対してトーションバネ19,19を介して組み付けられている。リールロック片17,17は、トーションバネ19,19の付勢力を受けて、テープリール6の外周縁に形成された係合歯20,20と係合することにより、磁気テープカートリッジ1の非使用時におけるテープリール6,6の回転を阻止する機能を果たす。
なお、下シェル3の主面部には、テープリール6,6の配置位置に対応して、記録再生装置のリール駆動軸が進入する一対の孔21,21がそれぞれ形成されている。
一方、上シェル2には、テープリール6,6に巻き回された磁気テープ5の巻き量を確認するための窓22,22が設けられている。窓22,22は、上シェル2に設けられた窓開口23,23を上シェル2の内面側から塞ぐ透明な材料で形成されている。
また、上シェル2の内面側には、本発明に係るリールバネ25Aが固着されており、このリールバネ25Aの各々の端部25a,25aにより、テープリール6,6の凸部6h(6k),6h(6k)がそれぞれ下シェル3側に付勢されている。
本実施の形態のリールバネ25Aは、図4に示すように、ステンレス(例えばSUS304)鋼帯を打抜きプレス加工して形成されたバネ本体30と、このバネ本体30のテープリール6の凸部6h(6k)が接触する側の面に形成された潤滑性塗装被膜31とで構成されている。
バネ本体30は、厚さが例えば0.3mmの板バネでなり、その長手方向中央部に関して対称的に多角節25cが形成されて段階的に左右同一角度でテープリール6側に折れ曲げられている。これにより、上記長手方向中央部の平坦部25dから端部25a,25aに向かって第1傾斜部25e,25e、第2傾斜部25f,25fがそれぞれ順に形成されている。
図5A,Bに示すように、リールバネ25Aの平坦部25dには取付孔25b,25bが形成されている。これら取付孔25b,25bに対して上シェル2の対応する内面部に突出形成された突起2a,2aを挿入させた後、これら突起2a,2aの先端部を熱圧着などによりかしめ、突起2a,2a先端の径を取付孔25b,25bより大となすように形成することにより、リールバネ25Aが上シェル2内面の所定位置に固着されている。
そして、リールバネ25Aは、磁気テープカートリッジ1が記録再生装置に装着され、テープリール6,6の孔部6g,6gにリール駆動軸が挿入された際、テープリール6,6をリール駆動軸に向けて付勢することにより、テープリール6,6の安定した回転走行性を確保する。
さて、本実施の形態のリールバネ25Aは、そのテープリール6と対向する側の面に、上述した潤滑性塗装被膜31が形成されている。この潤滑性塗装被膜31は、合成樹脂材料中に潤滑剤等を添加した塗膜でなり、リールバネ25Aを打ち抜く前の金属原反にプレコートされている。
このような構成のリールバネ25Aを打抜き形成するにあたっては、図6に模式的に示すように、リールバネ25Aの潤滑性塗装被膜31の形成面がプレス金型40のダイセット41側となるように配置し、潤滑性塗装被膜31の形成されていない面をプレス金型40のパンチ42側となるようにして打抜き加工を行う。なお、図6において26は、リールバネ25Aの原反を示している。
これにより、切断面からの潤滑性塗装被膜31の脱落を抑えて、プレス金型40のメンテナンス頻度を少なくすることができ、これによりリールバネ25Aのプレス生産性を高く維持することができる。
次に、潤滑性塗装被膜31の詳細について説明する。
上述のように、潤滑性塗装被膜31は、合成樹脂材料中に潤滑剤等を添加した塗膜で構成されている。潤滑剤を含む塗料としては、潤滑剤を0.5wt(重量)%以上16wt%以下含有する合成樹脂塗料を使用する。これにより、テープリール6の下リール6dの回転中心上部に一体形成された凸部6h、あるいは、上リールフランジ6aの回転中心上部に一体形成された凸部6kがリールバネ25Aの端部25aと接触回転する際、潤滑性塗装被膜31の潤滑効果により、凸部6h,6kの耐摩耗性を高め、テープリール6の安定した回転走行性を確保することができる。
塗料に添加する潤滑剤としては、ワックス及び/又はフッ素化合物が用いられる。ワックスとしては、ポリオレフィンワックス、石油ワックス、カルナバロウに代表される天然ワックスが挙げられ、フッ素化合物としては、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
潤滑剤の添加量が0.5wt%未満の場合においては、十分な潤滑性を確保することができず、テープリール6の高速回転時において、潤滑性塗装被膜31が摩耗して下地金属(バネ本体30)が露出し、テープリール6の凸部6h(6k)が摩耗してしまうおそれがある。一方、潤滑剤の添加量が16wt%を越えると、潤滑剤を含む塗料の金属下地(バネ本体30)への密着性が劣って剥がれ易くなり、リールバネ25Aをプレス金型40にて打ち抜く作業を行う際、切断面から塗装膜31が脱落し、プレス金型40のメンテナンス頻度の増大による生産性低下が懸念される。
潤滑性塗装被膜31の母材となる合成樹脂塗料としては、ポリエステル系やエポキシ系のほか、アクリル系、ウレタン系などが挙げられる。これに潤滑剤を添加して得られた塗料を芳香族炭化水素系溶剤、アルコール系溶剤、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤などを主溶剤及び/又は希釈剤として使用し、塗料粘度などのコーティング特性を調整し、ロールコーター、ブレードコーター、スプレー装置などにより塗装する。
本発明に係る潤滑性塗装被膜31は、上に例示した熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂のみならず、その他にも公知の紫外線硬化樹脂を適用し、潤滑剤を添加することにより同様の効果を得ることができる。
具体的には、ベース樹脂として、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、シリコンアクリレートなどが挙げられ、反応希釈剤として、2−エチルヘキシアクリレート、2N−ビニル−2−ピロリドン、イソボニルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、1−6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどが挙げられる。光重合開始剤としては、デンゾイエンエーテル系として、イソプロピルベンゾイエンエーテル、イソブチルベンゾイエンエーテルなどが挙げられる。ベース樹脂、反応希釈剤、光重合開始剤を必須成分として構成し、安定化を図るための添加剤として、レベリング剤や可塑剤、酸化防止剤、帯電防止剤、消泡剤、表面張力調整剤などが含まれていてもよい。
このようにして得られた紫外線硬化型塗料に潤滑剤を添加混練した後、これをステンレス鋼板に塗布し、紫外線を照射して硬化させる。このような処理を施しても同様の耐摩耗性を有する硬化樹脂膜を得ることができる。
一方、潤滑性塗装被膜31の厚さは、10μm以上30μm以下、さらに好ましくは、10μm以上20μm以下とする。
潤滑性塗装被膜31の厚さが10μm未満では、当該塗装被膜の摩耗耐久性が十分ではなく長時間のテープ走行即ちリールの回転により塗装被膜が摩耗し、下地金属(バネ本体30)が露出して、テープリール6の凸部6h,6kの耐摩耗性を低下させてしまう。また、潤滑性塗装被膜31の厚さが30μmを越えると、プレス加工時にプレス金型のパンチとダイの衝撃により、潤滑性塗装被膜が打抜き部近傍で剥離し、脱落粉がプレス金型のパンチとダイの隙間に入り込んで打抜き性が劣化する。このため、パンチとダイの隙間に入った脱落粉を定期的に取り除く必要が生じ、生産性が悪くなる。
ところで、潤滑性塗装被膜31の厚みを大きくすると、当該塗装被膜が軟らかくなり、テープリール6の凸部6h(6k)に対する弾接作用で当該塗装被膜の接触部に凹みが生じて、凸部6h(6k)の耐摩耗性を低下させてしまう場合がある。
この場合、潤滑性塗装被膜31を構成する塗料に潤滑剤とともに骨剤を添加、混練するようにすれば、潤滑性塗装被膜31の剛性が高まり、リールバネ25Aに接触するテープリール6の凸部6h(6k)の耐摩耗性を向上させることができる。添加される骨剤としては、粒状、鱗片状等の酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナ、ホウ酸アルミニウム顔料、酸化亜鉛、シリカ、セラミック、ガラスといった無機質の材料、あるいは、アクリル、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ウレタン、オレフィン、ナイロンなどの有機質の材料が好適である。
このように、潤滑性塗装被膜31に骨剤を添加することにより、潤滑性塗装被膜31の剛性が高められ、これによりテープリール6の凸部6h(6k)に対する弾接作用による凹みや窪みの発生を抑制し、凸部6h(6k)との点接触状態を維持してテープリール6の耐摩耗性を高めることができる。
以上のように構成される本実施の形態の磁気テープカートリッジ1によれば、テープリール6の回転中心部である凸部6h(6k)に接触する側のリールバネ25Aの表面に、潤滑剤を0.5wt%以上16wt%以下含有した合成樹脂製の潤滑性塗装被膜31を形成したので、リールバネ25Aとテープリール凸部6h(6k)との摩擦を軽減して当該凸部6h(6k)の耐摩耗性を向上させることができる。
これにより、HI−PSに代表されるスチロール系樹脂やABSに代表されるアクリル系樹脂などの汎用熱可塑性樹脂でテープリール6を形成しても凸部6h(6k)の摩耗を抑制できるので、テープリールの高速回転走行性の長期にわたる安定化、摩耗粉の付着による磁気テープ5の記録再生不良の防止が図られ、性能の劣化のない磁気テープカートリッジ1を提供することができる。
また、テープリールを汎用熱可塑性樹脂で形成できることに伴い、テープリール6を安価に形成でき経済的であるとともに、ポリアセタール樹脂等の摩擦潤滑性の高いエンジニアリングプラスチックにより形成されるものに比べて成形収縮率が小さいことから、リールの寸法精度、回転精度が確保し易く、テープリールの将来的な高速回転化の要請に十分に応えることが可能となる。
そして、本発明に係る潤滑性塗装被膜31は、潤滑剤を0.5wt%以上16wt%以下含有した合成樹脂被膜で形成されているので、この被膜31の潤滑性を十分に確保してテープリール凸部6h(6k)の耐摩耗性を向上させながら、被膜31自体の摩耗耐久性をも高めて、テープリール凸部6h(6k)および被膜31の摩滅を防止できる。
加えて、潤滑性塗装被膜31と金属下地(バネ本体30)との間の十分な密着性を確保することができ、これにより、リールバネ25Aの打ち抜き形成時における切断面からの被膜31の脱落を防いで、プレス金型40のメンテナンス頻度を少なくし、リールバネ25Aの生産性向上に大きく貢献することができるとともに、リールバネ25Aの摩耗耐久性を長期にわたって維持できるようになる。
[第2の実施の形態]
続いて、図7は、本発明の第2の実施の形態を示している。なお、図において上述の第1の実施の形態と対応する部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略するものとする。
本実施の形態では、下リール6d(または上フランジ6a)の回転中心上部に位置する凸部6h(または6k)を付勢するように上シェル2の内面に固着されるリールバネ25Bのバネ本体30を、アルミニウム合金材料で形成している点で、上述の第1の実施の形態と異なる。このアルミニウム合金製のリールバネ25Bを用いることにより、ステンレス鋼製の第1の実施の形態のリールバネ25Aに比べて軽量化が図れるようになる。
リールバネ25Bは、上述の第1の実施の形態と同様に、その長手方向中央部の平坦部に一対の取付孔が形成され、これら取付孔に上シェル2内面に突出形成された突起2a,2aを挿通させた後、熱圧着などによりかしめることにより、上シェル2内面の所定位置に固着される。そこで、リールバネ25Bの軽量化を図るということは、磁気テープカートリッジが落下などの衝撃を受けた際に、熱圧着などによりかしめられた突起2a,2a先端が破損するなどして、リールバネ25Bが上シェル2から脱落するなどの問題が回避されることになる。
リールバネ25Bのバネ本体30を形成するアルミニウム合金材料としては、例えば、Al−Mg系合金(JISA5000系)、Al−Mn系合金(A3000系)といった強度の高いものが好適に使用できる。また、リールバネ25Bの形成は、上述の第1の実施の形態と同様に、潤滑性塗装被膜31の形成面側をダイ側に向けたプレスによる打ち抜き、折り曲げ加工が適用される。
特に、リールバネ25Bを上述の第1の実施の形態にように長手方向中央部に関して対称的に複数の多角節を有する構成とすることにより、バネ応力が多角節部に分散されることになり、ステンレス鋼などと比べて張力が低いアルミニウム合金材料を使用しても、クリープ即ちバネ性の経時劣化を軽減することが可能となる。
本実施の形態においても、このアルミニウム合金製のリールバネ25Bは、そのテープリール6との対向面に、潤滑剤を0.5wt%以上16wt%以下含有した合成樹脂製の潤滑性塗装被膜31が形成されている。この潤滑性塗装被膜31の膜厚は、10μm以上30μm以下が好ましく、必要に応じて、骨剤が添加されてもよい。
これにより、リールバネ25Bとテープリール凸部6h(6k)との摩擦を軽減して当該凸部6h(6k)の耐摩耗性を向上させることができるとともに、リールバネ25Bの打ち抜き形成時における切断面からの被膜31の脱落を防いで、プレス金型のメンテナンス頻度を少なくし、リールバネ25Bの生産性向上に大きく貢献することができる。
また、本実施の形態では、リールバネ25Bの潤滑性塗装被膜31が形成される面とは反対側の面に、アルミニウム合金でなるリールバネ本体の耐食性を目的とした耐食性塗装被膜32が形成されている。この耐食性塗装被膜32は、アルマイト被膜等のように電気化学的に形成される防食膜で構成することも勿論可能であるが、本実施の形態では、生産性、生産コスト等の見地から、潤滑性塗装被膜31と同種の膜で当該耐食性塗装被膜32を形成している。
ここで、耐食性塗装被膜32は潤滑性塗装被膜31よりも薄厚に形成されており、10μm以下、更に好ましくは、0.5μm以上5μm以下の厚さとされている。
この耐食性塗装被膜32の膜厚が0.5μm以下では、安定した被膜を形成できずピンホールなどが発現し、耐食性を確保することが困難となる。また、10μmを超えると、これとは反対側の面に形成された潤滑性塗装被膜31と相乗して、プレス加工時の衝撃により潤滑性塗装被膜31と耐食性塗装被膜32が切断面から脱落し、その脱落粉がプレス金型のパンチとダイの隙間に入り込んで、プレスの打ち抜きに不都合が生じる、即ちリールバネ25Bのプレス生産性に悪影響を与えかねない。
耐食性塗装被膜32を潤滑性塗装被膜31よりも薄厚に形成することにより、これら被膜31,32間の塗膜収縮差を利用して、図7において矢印Cで示すように、塗膜厚が大なる潤滑性塗装被膜31の塗膜収縮によるリールバネ25Bのテープリール6側への反りが生じることになり、これがリールバネ25Bの形状維持とバネ形成後のへたり防止に効果的となる。
なお、リールバネ25Bの製造に際し、バネ本体30に対する潤滑性塗装被膜31および耐食性塗装被膜32の形成には、塗膜形成面にクロム酸系処理、リン酸クロム酸系処理などの化成皮膜形成処理を行った後、塗装皮膜31,32を塗布することにより、耐食性と塗膜の密着性を向上させることができる。これらの処理は、例えばカラーアルミの製造に用いられる連続塗装工程によって行うことができる。
また、どちらの被膜が潤滑性塗装被膜31か、あるいは耐食性塗装被膜32か判別がつきにくく、打抜き工程にて表裏を間違えてしまう懸念がある場合には、摩耗耐久性や耐食性、密着性に影響を与えない範囲で着色剤等を添加することにより、被膜31,32の色彩を互いに異ならせてもよい。
更に、耐食性塗装被膜32が磁気テープカートリッジの窓(22)を介して視認できるので、カートリッジの装飾性向上を目的として、リールバネ25Bの素地を生かしたカラークリア塗装や素地を隠蔽したカラー塗装、絵柄、文字等の印刷を被膜32に施してもよい。
本発明の効果を確認するために、以下の実験を行った。
バネ本体30にアルミニウム合金板(JIS A5182、板厚0.3mm)を用い、その両面にクロム酸クロメート処理を施した後、テープリール6との対向面に潤滑性塗装被膜31を、その反対側の面に耐食性塗装被膜32をそれぞれ形成したリールバネ25Bを製作し、これを上シェル2内面の所定位置に図7に示した方法で固着して磁気テープカートリッジを製作した。そして、この磁気テープカートリッジを記録再生装置へ装着し、内装された磁気テープ(120分テープ)の早送り、早巻き戻しを30〜50往復、あるいは50往復以上繰り返した後、リールバネ25Bと接触するテープリール凸部6h(6k)の摩耗状態およびリールバネ25の接触部の摩耗状態を評価した。実験の結果を表1に示す。
Figure 2006012255
ここで、潤滑性塗装被膜31は、ポリエステル樹脂(実施例1〜6,8〜11)、エポキシ樹脂(実施例7)に、潤滑剤としてポリフッ化ビニリデン(実施例1〜5,7〜11)、天然カルナバロウ(実施例6)および骨剤として炭酸カルシウムをそれぞれ表1に示す量だけ添加した塗料を、乾燥後の塗膜厚が表1に示した厚さとなるように形成した。
耐食性塗装被膜32は、潤滑性塗装被膜31と同種のものを用い、その膜厚は3μmとした。
また、リールバネ25Bと接触するテープリール凸部の構成は、下リール6dの回転中心上部に一体形成されたもの(6h)、上リールフランジ6aの回転中心上部に一体形成されたもの(6k)についてそれぞれ評価し、その構成材料は表1に記載した汎用樹脂を使用した。
なお、比較として、樹脂被膜が形成されていないリールバネ(従来品)を用いたときのテープリール凸部6h(6k)の耐摩耗性評価についても、表1に併記する。
テープリール凸部6h(6k)の耐摩耗性評価は、以下の判定基準を用いた。
○:50往復にて凸部6h(6k)の摩耗が見られず、かつ、リールバネ25Bの塗膜 31の摩耗も見られない。
△:30往復において凸部6h(6k)および塗膜31の摩耗は見られないが、50往 復においては塗膜31の若干の摩耗が見られる。
×:30往復において凸部6h(6k)および/または塗膜31の摩耗が見られる。
表1から明らかなように、塗膜31が形成されていない従来のリールバネでは、30往復以下においてテープリール凸部6h(6k)の摩耗が認められる(比較例2〜6)のに対し、潤滑剤が0.5wt%以上16wt%以下含有され、10μm以上30μm以下の膜厚を有する塗膜31を形成した本発明のリールバネにおいては、テープリール凸部6h(6k)の摩耗は認められず、また、塗膜31の摩耗もほとんど認められなかった。
なお、潤滑剤含有量が上記範囲の場合でも、骨剤の添加量が16wt%以上では塗膜31の剛性が高すぎて、テープリール凸部6h(6k)および/または塗膜31の摩耗が認められた(比較例1)。したがって、添加される骨剤の含有量は、0.5wt%以上15wt%以下で所期の耐摩耗性が得られると推認される。
一方、実施例1〜7に関しては、作成したリールバネ25Bの被膜密着性、プレス適性および塗膜へこみを評価した。
被膜密着性は、リールバネ25Bを打抜き形成する前の、潤滑性塗装被膜31を形成したアルミニウム合金板(原反)について、碁盤目テープ法による潤滑性塗装被膜31の剥離試験を行った。これは、金属下地に達する深さに潤滑性塗装被膜31に碁盤目状の切込みを形成し、粘着テープによる被膜31の切込み領域の剥離率で評価したもので、
二重丸:剥離率0%、
白丸(○):剥離率1%以上3%以下(良品レベル)、
三角(△):剥離率4%以上
を示している。なお、今回の実験で△の評価は見られなかった。
プレス適性評価は、リールバネ25Bを図5に示した形状に打ち抜いた際の抜き周部(切断面)の性状を評価したもので、
二重丸:全周にわたって滑らか、
白丸:全周の1%以下の領域で微小な欠落が見られる、
三角:全周の2%以上5%以下の領域で微小な欠落が見られる(白丸の評価より若干劣るが良品レベル)の三段階で行った。
そして、塗膜へこみは、磁気テープ巻取り状態においてカートリッジを逆さま(上シェル2を下側)にして、45℃の環境下、48時間放置後の塗膜31の形成面の凹みを観察したもので、
二重丸:凹みがまったく見られない、
白丸:見る角度により微小な凹みが見られる(良品レベル)、
三角:微小な凹みが見られる(良品レベル)の三段階で行った。
実験の結果、被膜密着性に関しては、骨剤が過量(16wt%以上)になると密着性が劣ることが確認された。また、プレス適性に関しては、潤滑剤の含有量および塗膜31の形成厚が大きくなるに従ってプレス適性が劣化することがわかり、潤滑剤の許容最大含有量は16wt%であると判断できる。更に、塗膜へこみに関しては、骨剤の含有量に大きく影響され、少なくとも0.5wt%以上含有されるのが好ましいことがわかる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、勿論、本発明はこれに限定されることなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形が可能である。
例えば以上の実施の形態では、磁気テープカートリッジとして、VHSタイプの磁気テープカートリッジを例に挙げて説明したが、これに限られず、8mmカセットやDVカセット用のリールバネにも本発明は適用可能である。
また、以上の実施の形態では、図4に示したように、第1,第2傾斜部25e,25fが形成されるような多角節25cを備えたリールバネ25A,25Bを例に挙げて説明したが、多角節25cの形成数、形成箇所は、上記の例に限られない。
また、リールバネは、それ一本で一対のテープリール6,6を同時に付勢する構成に限らず、各テープリール毎に独立してリールバネを一対設けるようにしてもよい。
更に、本発明に係る潤滑性塗装被膜31は、リールバネ25A,25Bのテープリール対向面全域に形成する例に限らず、少なくとも、テープリールとの接触領域にのみ形成されていてもよい。
本発明の磁気テープカートリッジの構成を示す分解斜視図である。 テープリール6の一構成例を示す側断面図である。 テープリール6の他の構成例を示す側断面図である。 リールバネ25A(25B)の構成を示す側面図である。 リールバネ25A(25B)の上シェル2への取付例を示す側断面図および当該リールバネの平面図である。 リールバネ25A(25B)のプレス形成工程を説明する模式図である。 本発明の第2の実施の実施の形態を示す磁気テープカートリッジの要部側断面図である。 従来の磁気テープカートリッジの構成を示す分解斜視図である。
符号の説明
1…磁気テープカートリッジ、2…上シェル、3…下シェル、4…カートリッジケース、5…磁気テープ、6…テープリール、6a…上リールフランジ、6b…ハブ、6c…下フランジ、6d…下リール、6h(6k)…凸部(回転中心上部)、25A,25B…リールバネ、30…バネ本体、31…潤滑性塗装被膜、32…耐食性塗装被膜、40…プレス金型、41…ダイ、42…パンチ。

Claims (21)

  1. カートリッジケース内に収納されたテープリールの回転中心上部を付勢するリールバネであって、
    金属製のバネ本体と、このバネ本体の前記テープリールの回転中心上部に対向する側の表面に形成され、潤滑剤を添加した合成樹脂製の潤滑性塗装被膜とを有し、
    前記潤滑性塗装被膜は、前記潤滑剤を0.5重量%以上16重量%以下含有している
    ことを特徴とするリールバネ。
  2. 前記潤滑性塗装被膜は、10μm以上30μm以下の厚さに形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリールバネ。
  3. 前記潤滑性塗装被膜には、骨剤が含有されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリールバネ。
  4. 前記骨剤の含有量は、0.5重量%以上16重量%以下である
    ことを特徴とする請求項3に記載のリールバネ。
  5. 前記バネ本体はアルミニウム合金で形成されており、前記潤滑性塗装被膜の形成面と反対側の面には、耐食性塗装被膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリールバネ。
  6. 前記耐食性塗装被膜は、前記潤滑性塗装被膜よりも薄厚に形成されている
    ことを特徴とする請求項5に記載のリールバネ。
  7. 前記バネ本体は、その長手方向中央部に対して対称的に多角節が形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のリールバネ。
  8. テープ状記録媒体が巻装されたテープリールと、このテープリールを回転可能に収納するカートリッジケースと、前記テープリールの回転中心上部を付勢するリールバネとを有する磁気テープカートリッジにおいて、
    前記リールバネは金属材料でなるとともに、前記テープリールの回転中心上部に対向する側の面には、潤滑剤を添加した合成樹脂製の潤滑性塗装被膜が形成されており、
    前記潤滑性塗装被膜は、前記潤滑剤を0.5重量%以上16重量%以下含有している
    ことを特徴とする磁気テープカートリッジ。
  9. 前記潤滑性塗装被膜は、10μm以上30μm以下の厚さに形成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気テープカートリッジ。
  10. 前記潤滑性塗装被膜には、骨剤が含有されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気テープカートリッジ。
  11. 前記骨剤の含有量は、0.5重量%以上15重量%以下である
    ことを特徴とする請求項10に記載の磁気テープカートリッジ。
  12. 前記リールバネは、前記テープリールのハブの回転中心上部に突出形成された凸部を付勢している
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気テープカートリッジ。
  13. 前記テープリールのハブは、汎用熱可塑性樹脂により形成されている
    ことを特徴とする請求項12に記載の磁気テープカートリッジ。
  14. 前記テープリールのハブは、スチロール系樹脂またはアクリル系樹脂で形成されている
    ことを特徴とする請求項13に記載の磁気テープカートリッジ。
  15. 前記テープリールのハブは、ハイインパクトスチロール樹脂で形成されている
    ことを特徴とする請求項14に記載の磁気テープカートリッジ。
  16. 前記リールバネは、前記テープリールの上リールフランジの回転中心上部に突出形成された凸部を付勢している
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気テープカートリッジ。
  17. 前記リールバネはアルミニウム合金で形成されており、前記潤滑性塗装被膜の形成面と反対側の面には、耐食性塗装被膜が形成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気テープカートリッジ。
  18. 前記耐食性塗装被膜は、前記潤滑性塗装被膜よりも薄厚に形成されている
    ことを特徴とする請求項17に記載の磁気テープカートリッジ。
  19. 前記リールバネは、その長手方向中央部に対して対称的に多角節が形成されている
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気テープカートリッジ。
  20. 前記リールバネは、前記潤滑性塗装被膜がプレコートされた金属板をプレス加工してなる
    ことを特徴とする請求項8に記載の磁気テープカートリッジ。
  21. 前記リールバネは、前記金属板が前記潤滑性塗装被膜の形成面側をダイの方にセットして打ち抜かれてなる
    ことを特徴とする請求項20に記載の磁気テープカートリッジ。

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