JP2006011359A - 液晶分割配向突起用感光性組成物、及び液晶表示装置 - Google Patents

液晶分割配向突起用感光性組成物、及び液晶表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 着色がなく透過率に優れ、且つ、高さや、基板と接触する角度等の形状が安定した液晶分割配向突起を形成することができる液晶分割配向突起用感光性組成物を提供する。
【解決手段】 エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂を主成分とする液晶分割配向突起用感光性組成物において、該感光性組成物を膜厚1.7μmで塗布した感光層に、線幅15μmの細線パターンを有するマスクを介して波長365nmの紫
外光を50mJ/cm2で照射し、継いで、23℃、水圧0.25MPaのシャワー現像
処理により得られた細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W1)、該細線画像をさらに230℃、30分の加熱処理を施した液晶分割配向突起状の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W2)とした場合、以下の式を満たすことを特徴とする液晶分割配向突起用感光性組成物。
W1/W2≧1.2
【選択図】 図1

Description

本発明は、液晶表示装置の製造に用いられる、液晶分割配向突起用感光性組成物、及びそれを用いた液晶表示装置に関する。
一方、近年、薄型で且つ消費電力の少ない液晶表示装置を大画面テレビに利用する液晶テレビの技術が実用化され、急速にその市場が立ち上がろうとしている。それに伴い、従来のブラウン管を用いたテレビに比べて劣っていた液晶テレビの低い視野角の改良が、強く求められている。液晶表示装置の視野角を改善試みとして、透明電極上に突起を形成し、この突起のスロープを利用して液晶を局所的に傾け、一画素内で液晶を多方向に分割配向させる方法がある。透明電極上の突起はアーチ状が好ましく、通常ポジ型レジストにてパターンを形成し、熱溶融にてリフローさせてアーチ形状を得ている(特許文献1)。しかし、ポジ型レジストは加熱させると未反応のキノンジアジトとノボラック樹脂とがカップリング反応しレジストを赤変させるという問題があった。また、ポジ型レジストは、通常ネガ型レジストに比べ高強度のアルカリ現像液が必要であったため、空気中の酸素による劣化が著しく液管理が困難であった。更に、ポジ型レジストはキノンジアジドの光分解で生成させたアルカリ可溶性のカルボン酸により、露光部と未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性の差を発現させる為、光架橋反応により著しくアルカリ現像液に対する溶解性の差を発生させるネガ型レジストに比べ、現像条件のマージンが狭く、空気中の酸素による現像劣化の影響を受けるため、現像状態の管理が困難であった。このような理由から、液晶分割配向突起には、従来の上記ポジ型レジストに代わる技術として、ネガ型レジストが強く望まれていた。
一方、ネガ型レジストを用いる技術としては、特定の光重合開始剤を選定し適用することにより、熱溶融によらずアーチ状の液晶分割配向突起を形成させ、液晶分割配向突起を設けたカラ−フィルターが特許文献2に記載されている。しかし、加熱溶融に頼らずにアーチ状の液晶分割配向突起を得ようとすると、アルカリ現像工程にてレジストの特定な部分を選択的に膜べりさせる必要があり、それが現像条件のマージンを狭くする要因となり、問題であった。
特開平7−92689号公報 特開2003−330011号公報
本発明は、このような問題点を解決する為のものであって、着色がなく透過率に優れ、且つ、高さや、基板と接触する角度等の形状が安定した液晶分割配向突起を形成することができる液晶分割配向突起用感光性組成物を提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、特定の感光性組成物が上記目的を達成可能である事を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の要旨は次の通りである。
(1)エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂を主成分とする液晶分割配向突起用感光性組成物において、該感光性組成物を膜厚1.7μmで塗布した感光層に、線幅15μmの細線パターンを有するマスクを介して波長365nmの紫外光を5
0mJ/cm2で照射し、継いで、23℃、水圧0.25MPaのシャワー現像処理によ
り得られた細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W1)、該細線画像をさら
に230℃、30分の加熱処理を施した液晶分割配向突起状の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W2)とした場合、以下の式を満たすことを特徴とする液晶分割配向突起用感光性組成物。
W1/W2≧1.2
(2)上記(1)に記載の感光性組成物を用いて形成された液晶表示装置。
本発明により、着色がなく透過率に優れ、且つ、高さや、基板と接触する角度等の形状が安定した液晶分割配向突起を形成することができる液晶分割配向突起用感光性組成物を提供することができ、また、これにより高品質な液晶表示装置を提供することが出来る。
以下に記載する構成要件の発明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、これらの内容には特定されない。
まず、第1の本発明の液晶分割配向突起用感光性組成物(以下、単に感光性組成物と称することがある。)について詳細に説明する。
[A]本発明の液晶分割配向突起用感光性組成物の構成成分
本発明の感光性組成物はエチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂を構成成分とすることが必須要件とする。以下、本発明の感光性組成物を構成する各成分について説明する。
[1]エチレン性不飽和化合物
本発明の感光性組成物を構成するエチレン性不飽和化合物としては、エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物を意味するが、重合性、架橋性、及びそれに伴う露光部と非露光部の現像液溶解性の差異を拡大できる等の点から、エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物であることが好ましく、また、その不飽和結合は(メタ)アクリロイルオキシ基に由来するアクリレート化合物が更に好ましい。
エチレン性不飽和結合を分子内に1個以上有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸、及びそのアルキルエステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、スチレン等が挙げられる(尚、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル及び/又はメタクリル」を意味するものとする。以下同じ。)。
エチレン性不飽和結合を分子内に2個以上有する化合物としては、代表的には、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類、及び、(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
[1−1]不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類
不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、具体的には以下の化合物が挙げられる。
不飽和カルボン酸と糖アルコールとの反応物;糖アルコールは具体的には、エチレングリコール、ポリエチレングリコール(付加数2〜14)、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール(付加数2〜14)、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
不飽和カルボン酸と糖アルコールのアルキレンオキサイド付加物との反応物;糖アルコールは上記と同じ。アルキレンオキサイド付加物とは具体的にはエチレンオキサイド付加物、又はプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
不飽和カルボン酸とアルコールアミンとの反応物;アルコールアミン類とは具体的にはジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
具体的な不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類は以下の通りである

エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート、グリセロールプロピレンオキサイド付加トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等、及び同様のクロトネート、イソクロトネート、マレエート、イタコネート、シトラコネート等
その他、不飽和カルボン酸とポリヒドロキシ化合物とのエステル類としては、不飽和カルボン酸と、ヒドロキノン、レゾルシン、ピロガロール、ビスフェノールF、ビスフェノールA等の芳香族ポリヒドロキシ化合物、或いはそれらのエチレンオキサイド付加物との反応物が挙げられる。具体的には、例えば、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAビス〔オキシエチレン(メタ)アクリレート〕、ビスフェノールAビス〔グリシジルエーテル(メタ)アクリレート〕等、また、前記の如き不飽和カルボン酸と、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートのジ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリレート等、また、不飽和カルボン酸と多価カルボン酸とポリヒドロキシ化合物との反応物、例えば、(メタ)アクリル酸とフタル酸とエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とマレイン酸とジエチレングリコールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とテレフタル酸とペンタエリスリトールとの縮合物、(メタ)アクリル酸とアジピン酸とブタンジオールとグリセリンとの縮合物等が挙げられる。
[1−2](メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類 (メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類としては、(メタ)アクリロイルオキシ基を含有するホスフェート化合物であれば特に限定されないが、中でも、下記一般式(A−1)又は(A−2)で表されるものが好ましい。
Figure 2006011359
(式(A−1)及び(A−2)中、Rzは水素原子又はメチル基を示し、jは1〜25の
整数、kは1、2、又は3である。)
ここで、jは1〜10、特に1〜4であることが好ましく、これらの具体例としては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、ビス〔(メタ)アクリロイルオキシエチル〕ホスフェート、(メタ)アクリロイルオキシエチレングリコールホスフェート等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で用いられても混合物として用いられても良い。
[1−3]ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類
ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリイソシアネート化合物とのウレタン(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等のヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサンジイソシアネート、4,4−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等の脂環式ポリイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等の芳香族ポリイソシアネート、イソシアヌレート等の複素環式ポリイソシアネート、等のポリイソシアネート化合物との反応物等が挙げられる。例えば、新中村化学社製商品名「U−4HA」「UA−306A」「UA−MC340H」「UA−MC340H」「U6LPA」等が挙げられる。
これらの中でも、1分子中に4個以上のウレタン結合〔−NH−CO−O−〕及び4個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物が好ましく、該化合物は、例えば、ペンタエリスリトール、ポリグリセリン等の1分子中に4個以上の水酸基を有する化合物に、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等のジイソシアネート化合物を反応させて得られた化合物(i−1)、或いは、エチレングリコール等の1分子中に2個以上の水酸基を有する化合物に、旭化成工業社製「デュラネート24A−100」、同「デュラネート22A−75PX」、同「デュラネート21S−75E」、同「デュラネート18H−70B」等ビウレットタイプ、同「デュラネートP−301−75E」、同「デュラネートE−402−90T」、同「デュラネートE−405−80T」等のアダクトタイプ等の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する化合物を反応させて得られた化合物(i−2)、或いは、イソシアネートエチル(メタ)アクリレート等を重合若しくは共重合させて得られた化合物(i−3)等の、1分子中に4個以上、好ましくは6個以上のイソシアネート基を有する化合物等、例えば、旭化成工業社製「デュラネートME20−100」(i)と、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の、1分子中に1個以上の水酸基及び2個以上、好ましくは3個以上の(メタ)アクリロイルオキシ基を有する化合物(ii)とを、反応させることにより得ることができる。
ここで、前記化合物(i)の分子量は、500〜200,000であることが好ましく、1,000〜150,000であることが特に好ましい。また、前記のようなウレタン(メタ)アクリレート類の分子量は、600〜150,000であることが好ましい。また、ウレタン結合を6個以上有するのが好ましく、8個以上有するのが特に好ましく、(メタ)アクリロイルオキシ基を6個以上有するのが好ましく、8個以上有するのが特に好ましい。
なお、このようなウレタン(メタ)アクリレート類は、例えば、前記化合物(i)と前記化合物(ii)とを、トルエンや酢酸エチル等の有機溶媒中で、前者のイソシアネート基と後者の水酸基とのモル比を1/10〜10/1の割合として、必要に応じてジラウリン酸n−ブチル錫等の触媒を用いて、10〜150℃で5分〜3時間程度反応させる方法により製造することができる。
[1−4](メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類
(メタ)アクリル酸又はヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物とポリエポキシ化合物とのエポキシ(メタ)アクリレート類としては、例えば、(メタ)アクリル酸、又は前記の如きヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物と、(ポリ)エチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)テトラメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ペンタメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ネオペンチルグリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ヘキサメチレングリコールポリグリシジルエーテル、(ポリ)トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、(ポリ)グリセロールポリグリシジルエーテル、(ポリ)ソルビトールポリグリシジルエーテル等の脂肪族ポリエポキシ化合物、フェノールノボラックポリエポキシ化合物、ブロム化フェノールノボラックポリエポキシ化合物、(o−,m−,p−)クレゾールノボラックポリエポキシ化合物、ビスフェノールAポリエポキシ化合物、ビスフェノールFポリエポキシ化合物等の芳香族ポリエポキシ化合物、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等の複素環式ポリエポキシ化合物、等のポリエポキシ化合物との反応物等が挙げられる。
[1−5]その他のエチレン性不飽和化合物
その他のエチレン性不飽和化合物として、前記以外に、例えば、エチレンビス(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類、フタル酸ジアリル等のアリルエステル類、ジビニルフタレート等のビニル基含有化合物類、エーテル結合含有エチレン性不飽和化合物のエーテル結合を5硫化燐等により硫化してチオエーテル結合に変えることにより架橋速度を向上せしめたチオエーテル結合含有化合物類、及び、例えば、特許第3164407号公報及び特開平9−100111号公報等に記載の、多官能(メタ)アクリレート化合物と、粒子径5〜30nmのシリカゾル〔例えば、イソプロパノール分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「IPA−ST」)、メチルエチルケトン分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「MEK−ST」)、メチルイソブチルケトン分散オルガノシリカゾル(日産化学社製「MIBK−ST」)等〕とを、イソシアネート基或いはメルカプト基含有シランカップリング剤を用いて結合させた化合物等の、エチレン性不飽和化合物にシランカップリング剤を介してシリカゾルを反応させ結合させることにより硬化物としての強度や耐熱性を向上せしめた化合物類、等が挙げられる。
以上のエチレン性不飽和化合物は、それぞれ単独で用いられても良く、2種以上が併用されても良い。
本発明において、エチレン性不飽和化合物としては、エステル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリロイルオキシ基含有ホスフェート類、又は、ウレタン(メタ)アクリレート類が好ましく、エステル(メタ)アクリレート類が更に好ましく、そのエステル(メタ)アクリレート類の中でも、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等、(メタ)アクリロイルオキシ基を3個以上含むエステル(メタ)アクリレート類が特に好ましい。
本発明の感光性組成物中のエチレン性不飽和化合物の含有量は、溶剤を除く感光性組成物の成分の全量(以下、全固形分と称する。)に対して、通常1重量%以上、好ましくは
2重量%以上であり、通常60重量%以下、好ましくは40重量%以下である。エチレン性不飽和化合物の量が少なすぎると感度の低下、現像溶解速度の低下を招き易く、多すぎると画像断面形状の再現性の低下、レジストの膜べりを招きやすい。
[2]光重合開始剤
本発明の感光性組成物を構成する光重合開始剤は、公知のいずれのものも用いることができ、紫外線によりエチレン性不飽和基を重合させるラジカルを発生させることのできる化合物及び紫外線により酸を発生させる化合物が挙げられる。
本発明で用いることができる重合開始剤の具体的な例を以下に列挙する。
2−(4−メトキシフェニル) −4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジ
ン、2−(4−メトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s −トリア
ジン、2−(4−エトキシカルボニルナフチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどのハロメチル化トリアジン誘導体、
ハロメチル化オキサジアゾール誘導体、
2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ビス(3'−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(
o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体などのイミダゾール誘導体、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類、
2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、1−クロロアントラキノンなどのアントラキノン誘導体、
ベンズアンスロン誘導体、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン誘導体、
2,2,−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、α−ヒドロキシ−2−メチルフェニルプロパノン、1−ヒドロキシ−1−メチルエチル−(p−イソプロピルフェニル)ケトン、1−ヒドロキシ−1−(p−ドデシルフェニル)ケトン、2−メチル−(4'−(
メチルチオ)フェニル)−2−モルホリノ−1−プロパノン、1,1,1,−トリクロロメチル−(p−ブチルフェニル)ケトンなどのアセトフェノン誘導体、
チオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4 −ジエチルチオキサ
ントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン誘導体、
p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジエチルアミノ安息香酸エチルなどの安息香酸エステル誘導体、
9−フェニルアクリジン、9−(p−メトキシフェニル)アクリジンなどのアクリジン誘導体、
9,10−ジメチルベンズフェナジンなどのフェナジン誘導体、
ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ジ−クロライド、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−フェニル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,5,6−テトラフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,4,6−トリフルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−
フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,4−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニ−1−イル、ジ−メチルシクロペンタジエニル−Ti−ビス−2,6−ジ−フルオロフェニ−1−イル、ジ−シクロペンタジエニル−Ti−2,6−ジ−フルオロ−3−(ピル−1−イル)−フェニ−1−イルなどのチタノセン誘導体、
2-メチル-1[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2−ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)ブタン-1-オン、4-ジメチルアミノエチルベンゾエ-ト
、4-ジメチルアミノイソアミルベンゾエ-ト、4-ジエチルアミノアセトフェノン、4-ジメ
チルアミノプロピオフェノン、2-エチルヘキシル-1,4-ジメチルアミノベンゾエート、2,5-ビス(4-ジエチルアミノベンザル)シクロヘキサノン、7-ジエチルアミノ-3-(4-ジエチル
アミノベンゾイル)クマリン、4-(ジエチルアミノ)カルコン等のα-アミノアルキルフェノン系化合物。
1,2-オクタンジオン,1-[4-(フェニルチオ)フェニル]-,2-(O-ベンゾイルオキシム)、エタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(O-アセチルオキシム)等、特開2000−80068号公報、特開2001−233842号公報、特開2001−235858号各公報、及びWO02/00903号明細書に記載されている化合物に代表される、オキシム誘導体類等が挙げられる。
これらの光重合開始剤は単独で、又は複数組み合わせて使用される。組み合わせとしては、例えば、特公昭53−128 02号公報、特開平1−279903号公報、特開平
2 −48664号公報、特開平4−164902号公報、又は特開平6−75373号
公報などに記載された、開始剤の組み合わせが挙げられる。
本発明の感光性組成物中の光重合開始剤の含有量は、全固形分に対して、通常0.1重量%以上、好ましくは0.5重量%以上であり、通常40重量%以下、好ましくは30重量%以下である。エチレン性不飽和化合物の量が少なすぎると、感度の低下を招き易く、多すぎると地汚れ(現像溶解性)の低下を招きやすい、
[3]アルカリ可溶性樹脂
本発明の感光性組成物を構成するアルカリ可溶性樹脂としては、カルボキシル基又は水酸基を含む樹脂であれば特に限定はないが、例えば以下の化合物が挙げられる。(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、マレイン酸、酢酸ビニル、マレイミド等、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、マレイミド等に水酸基又はカルボキシル基を含有させた水酸基又はカルボキシル基含有ビニル系樹脂、並びに、ポリアミド、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリビニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アセチルセルロース等が挙げられる。中でも、アルカリ現像性と画像形成性の面から、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂とカルボキシル基含有ビニル系樹脂が好適である。
[3−1]不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂
本発明に係る不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂のα,β−不飽和基含有カルボン酸付加体に、多価カルボン酸及び/又はその無水物が付加された、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂、即ち、エポキシ樹脂のエポキシ基にα,β−不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基が開環付加されて形成されたエステル結合(−COO−)を介してエチレン性不飽和結合が付加されていると共に、その際生じた水酸基に多価カルボン酸若しくはその無水物のカルボキシル基が反応して形成された
エステル結合を介して残存するカルボキシル基が付加されたものを含むことが必須である。
以下、不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂の構成成分について詳細に説明する。
[3−1−1]エポキシ樹脂
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールAエポキシ樹脂、ビスフェノールFエポキシ樹脂、ビスフェノールSエポキシ樹脂、フェノールノボラックエポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、トリスフェノールエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂等が挙げられ、中でも、フェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂、フェノールとジシクロペンタジエンとの重合エポキシ樹脂が好ましい。
[3−1−2]α,β−不飽和モノカルボン酸
α,β−不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸等、及び、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水琥珀酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート無水フタル酸付加物、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートテトラヒドロ無水フタル酸付加物、(メタ) アクリル酸とε−カプロラクトンとの反応生成物等が挙げられ、中で
も、(メタ)アクリル酸が好ましい。
[3−1−3]多価カルボン酸若しくはその無水物
多価カルボン酸若しくはその無水物としては、例えば、琥珀酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、及びそれらの無水物等が挙げられ、中で、マレイン酸無水物、テトラヒドロフタル酸無水物、又はヘキサヒドロフタル酸無水物が好ましく、テトラヒドロフタル酸無水物が更に好ましい。
以上において、本発明においては、感光性組成物としての感度、解像性、及び基板に対する密着性等の面から、エポキシ樹脂がフェノールノボラックエポキシ樹脂、又はクレゾールノボラックエポキシ樹脂であり、α,β−不飽和モノカルボン酸が(メタ)アクリル酸であり、多価カルボン酸若しくはその無水物がテトラヒドロフタル酸無水物であるものが好ましい。また、酸価が20〜200mg−KOH/gであるものが好ましく、30〜180mg−KOH/gであるものが更に好ましい。また、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)測定によるポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「GPC測定による重量平均分子量Mw」と略す。)が、通常1,000以上、好ましくは1,500以上であり、通常30,000以下、好ましくは20,000以下、更に好ましくは10,000以下、特に好ましくは5,000以下である。
本発明における前記不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂は、従来公知の方法により、具体的には、前記エポキシ樹脂をメチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の有機溶剤に溶解させ、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリベンジルアミン等の第3級アミン類、又は、テトラメチルアンモニウムクロライド、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラブ
チルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等の第4級アンミニウム塩類、トリフェニルホスフィン等の燐化合物、又は、トリフェニルスチビン等のスチビン類等の触媒の存在下、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、メチルハイドロキノン等の熱重合禁止剤の共存下に、前記α,β−不飽和モノカルボン酸を、エポキシ樹脂のエポキシ基の1化学当量に対して通常0.7〜1.3化学当量、好ましくは0.9〜1.1化学当量となる量で加え、通常60〜150℃、好ましくは80〜120℃の温度で付加反応させ、引き続き、多価カルボン酸若しくはその無水物を、前記反応で生じた水酸基の1化学当量に対して通常0.1〜1.2化学当量、好ましくは0.2〜1.1化学当量となる量で加えて、前記条件下で反応を続ける等の方法により製造することができる。
以上の不飽和基及びカルボキシル基含有エポキシ樹脂の構成繰返し単位の具体例を以下に示す。
Figure 2006011359
Figure 2006011359
[3−2]カルボキシル基含有ビニル系樹脂
そのカルボキシル基含有ビニル系樹脂としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸等の不飽和カルボン酸と、スチレン、α−メチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、酢酸ビニル等のビニル化合物との共重合体等が挙げられる。中でも、ジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートは、後加熱による接触角の変化率が大きく、アーチ状の液晶分割配向突起を安定して形成させるとともに、現像時間や現像液劣化などに対する広いラチチュードを与える点で好ましく、そのジシクロペンタジエニル(メタ)アクリレートとしては、例えば特開2001−89533に挙げられる化合物、例えばジシクロペンタジエン骨格、ジシクロペンタニル骨格、ジシクロペンテニル骨格、ジシクロペンテニルオキシアルキル骨格の(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記の共重合体の中では、スチレン−(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体が好ましく、スチレン3〜30モル%、(メタ)アクリレート10〜70モル%、(メタ)アクリル酸10〜60モル%からなる共重合体が更に好ましく、スチレン5〜25モル%、(メタ)アクリレート20〜60モル%、(メタ)アクリル酸15〜55モル%からなる共重合体が特に好ましい。また、これらカルボキシル基含有ビニル系樹脂は、酸
価が30〜250mg−KOH/g、好ましくは、50〜200mg−KOH/g、更に好ましくは、70〜150mg−KOH/gである。
GPC測定による重量平均分子量Mwは通常1,000以上、好ましくは1500以上、更に好ましくは2000以上であり、通常100,000以下、好ましくは50,000万以下、更に好ましくは20,000以下、特に好ましくは10,000以下である。上記範囲のカルボキシル基含有ビニル系樹脂を含有する場合は、感光性組成物の加熱時の変形が大きい(接触角の変化が大きい)ため、好ましい。
更に、上記カルボキシル基含有ビニル系樹脂として、側鎖にエチレン性不飽和結合を有するものが好適であり、例えば、カルボキシル基含有重合体に、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、α−エチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジルイソクロトネート、クロトニルグリシジルエーテル、イタコン酸モノアルキルモノグリシジルエステル、フマル酸モノアルキルモノグリシジルエステル、マレイン酸モノアルキルモノグリシジルエステル等の脂肪族エポキシ基含有不飽和化合物、又は、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、7,8−エポキシ〔トリシクロ[5.2.1.0]デシ−2−イル〕オキシメチル(メタ)アクリレート等の脂環式エポキシ基含有不飽和化合物を、カルボキシル基含有重合体の有するカルボキシル基の5〜90モル%、好ましくは30〜70モル%程度を反応させて得られた反応生成物、及び、アリル(メタ)アクリレート、3−アリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シンナミル(メタ)アクリレート、クロトニル(メタ)アクリレート、メタリル(メタ)アクリレート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物、又は、ビニル(メタ)アクリレート、1−クロロビニル(メタ)アクリレート、2−フェニルビニル(メタ)アクリレート、1−プロペニル(メタ)アクリレート、ビニルクロトネート、ビニル(メタ)アクリルアミド等の2種以上の不飽和基を有する化合物と、(メタ)アクリル酸等の不飽和カルボン酸、又は更に不飽和カルボン酸エステルとを、前者の不飽和基を有する化合物の全体に占める割合を10〜90モル%、好ましくは30〜80モル%程度となるように共重合させて得られた反応生成物等が挙げられる。
本発明の感光性組成物中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、全固形分に対して、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以上であり、通常98重量%以下、好ましくは90重量%以下である。エチレン性不飽和化合物の量が少なすぎると、画像断面形状の再現性不良、耐熱性の低下等を招き易く、多すぎると感度の低下、現像溶解速度の低下を招きやすい。
本発明の感光性組成物は、加熱時のレジスト画像の変形を大きくする必要があり、アルカリ可溶性樹脂の含有量とエチレン性不飽和化合物の含有量が特定の比率であることが好ましい。具体的には、アルカリ可溶性樹脂の含有量/エチレン性不飽和化合物の重量比が、通常1.5以上、好ましくは2以上、更に好ましくは3以上、特に好ましくは3.5以上である。
[4]その他成分
[4−1]界面活性剤
本発明の感光性組成物は、前記の成分以外に、更に、組成物の塗布液としての塗布性、及び感光性組成物層の現像性の向上等を目的として、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、両性、及び弗素系等の界面活性剤を含有していても良い。上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセ
リン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が挙げられる。
また、上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホン酸塩類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキル硫酸エステル塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、脂肪族アルコール硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩類、アルキル燐酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩類等が挙げられる。
また、上記カチオン性界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩類、イミダゾリン誘導体類、アミン塩類等が、また、両性界面活性剤としては、ベタイン型化合物類、イミダゾリウム塩類、イミダゾリン類、アミノ酸類等が挙げられる。
本発明の感光性組成物において、界面活性剤の含有割合は、全固形分に対して、10重量%以下であることが好ましく、1〜5重量%であることが更に好ましい。
[4−2]その他添加剤
本発明の感光性組成物は、前記成分の他に、各種添加剤、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール等の熱重合防止剤を、全固形分に対して2重量%以下、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリクレジルホスフェート等の可塑剤を同じく40重量%以下の割合で含有していても良い。
更に、本発明において、必要に応じて、重合加速剤を添加することもできる。具体的には、例えばN-フェニルグリシンなどのアミノ酸のエステル又はその双極イオン化合物、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−4(3H)−キナゾリン、β−メルカプトナフタレン、エチレングリコールジチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等のメルカプト基含有化合物類、ヘキサンジチオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコネート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート等の多官能チオール化合物類、N,N−ジアルキルアミノ安息香酸エステル、N−フェニルグリシン又はそのアンモニウム塩やナトリウム塩等の塩等の誘導体、フェニルアラニン、又はそのアンモニウムやナトリウム塩等の塩、エステル等の誘導体等の芳香族環を有するアミノ酸又はその誘導体類等が挙げられる。
本発明の感光性組成物において、重合加速剤の含有割合は、全固形分に対して、20重量%以下であることが好ましく、1〜10重量%であることが更に好ましい。
[5]有機溶剤
上述した各成分は、通常、有機溶剤を用いて、固形分濃度が5〜50重量%、好ましくは10〜4 0重量%の範囲となるように調液して使用される。
有機溶剤としては前述の各成分を溶解・分散さることができ、取り扱い性が良いものであれば特に限定されない。具体的にはメチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下「PGMAc」と略記する。)、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、テトラハイドロフラン等が挙げられるが、沸点が100〜200℃の範囲が好ましく、より好ましくは120〜170℃の範囲のものである。
[B]本発明の液晶分割配向突起用感光性組成物のパターン形成特性
本発明の感光性組成物は加熱処理前後のパターン形成特性に特徴があり、具体的には、本発明の感光性組成物を膜厚1.7μmで塗布した感光層に、線幅15μmの細線パター
ンを有するマスクを介して波長365nmの紫外光を50mJ/cm2で照射し、継いで
、23℃、水圧0.25MPaのシャワー現像処理により得られた細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W1)、該細線画像をさらに230℃、30分の加熱処理を施した液晶分割配向突起状の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W2)とした場合、W1/W2が1.2以上であることが必要である。W1/W2は、好ましくは1.3以上、更に好ましくは1.5以上であり、通常10以下、好ましくは8以下である。
本発明の感光性組成物を用いることによって、加熱より液晶分割配向突起の形状に必要なアーチ状の形状が得られる(図1参照)。
[C]本発明の液晶分割配向突起用感光性組成物による画素の形成、及び液晶パネルの製造方法
本発明の感光性組成物は、上記関係式を満たすものであれば、特に限定はされないが、例えば前記[A][3]で記載の如く、アルカリ可溶性樹脂の含有量/エチレン性不飽和化合物の含有量やアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量が特定のもの、及び側鎖エチレン性付加重合性基を有するものを用いることによって具体的に達成される。
次に、第1の本発明の液晶分割配向突起用感光性組成物を用いた液晶分割配向突起の形成方法、及びこれによる第2の本発明の液晶パネルの製造方法について説明する。
[1]液晶分割配向突起の形成方法
まず、特開2003−33011に記載等に記載の方法により得られるのブラックマトリクスとレッド、ブルー、グリーンのカラーフィルターを設け、さらにその上に、150nm 厚のITOを蒸着した通常0.1から2mm厚透明基板上に、上述した本発明の液晶分割配
向突起用感光性組成物をスピナー、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、ロールコーター、スプレー等の塗布装置を用いて塗布する。組成物の塗布膜厚は通常0.5〜5μmである。該組成物からなる塗布膜を乾燥した後、乾燥塗膜上にフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して画像露光する。露光後、未露光の未硬化部分を現像にて除去することにより、画素を形成する。通常、現像後得られる画像は、5〜20μの巾の細線再現性が求められ、高画質のディスプレーの要求からより高精細な細線再現性が要求さる傾向にある。高精細な細線を安定し再現する上で、現像後の細線画像の断面形状は、非画像と画像部のコントラストが明瞭な矩形型が、現像時間、現像液経時、現像シャワーの物理刺激などの現像マージンが広く好ましい。
本発明では、現像後の画像は、矩形型に近い断面形状を有している。液晶分割配向突起の形状に必要なアーチ状の形状を得るために、通常150℃以上、好ましくは180℃
以上、更に好ましくは200℃以上、通常400℃以下、好ましくは300℃以下、更に好ましくは280℃以下で、且つ、通常10分以上、好ましくは15分以上、さらに好ましくは20分以上、通常120分以下、好ましくは60分以下、更に好ましくは40分以下の加熱処理を施し、矩形状の断面形状をアーチ状の形状に変形させ、巾0.5−20μ高さ0.2から5μの液晶分割配向突起を形成させる。この加熱時の変形の範囲としては感光性組成物と加熱条件を適宜調整し、加熱前の細線画像(矩形画像断面形状)の側面と基板平面から形成される接触角(W1)が上記加熱処理後の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角(W2)を比較した場合、W1/W2が1.2以上、好ましくは1.3以上、更に好ましくは1.5以上、通常10以下、好ましくは8以下になるようにする。加熱温度が高い程、又は加熱時間が長い程変形率が大きく、反対に加熱温度が低い程、又は加熱時間が短い程その変形率は低い。また、前記[A][3]で記載の如く、アルカリ可溶性樹脂の含有量/エチレン性不飽和化合物の含有量やアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量
が特定のもの、及び側鎖エチレン性付加重合性基を有するものが加熱時の変形効果と、現像後の矩形性および加熱のアーチの形状に優れ特に良好である。
本発明の組成物からなる塗布膜の乾燥には、ホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等を用いることができる。好ましい乾燥条件は温度40〜150℃、乾燥時間10秒〜60分の範囲である。
乾燥塗膜の露光工程に用いる光源としては、例えば、キセノンランプ、ハロゲンランプ、タングステンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定波長の光のみを使用する場合には、光学フィルターを利用することもできる。
現像処理は、未硬化部の塗布膜を溶解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けないが、前述したように、環境汚染、人体に対する有害性、火災危険性などの点から、有機溶剤ではなく、アルカリ現像液を使用するのが好ましい。
このようなアルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ化合物、或いはジエタノールアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキサイド等の有機アルカリ化合物を含有した水溶液が挙げられる。
アルカリ現像液には、必要に応じ、界面活性剤、水溶性の有機溶剤、湿潤剤、水酸基又はカルボン酸基を有する低分子化合物等を含有させることもできる。特に、界面活性剤は現像性、解像性、地汚れなどに対して改良効果をもつものが多いため添加するのは好ましい。
例えば、現像液に使用する界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。
現像処理の方法については特に制限は無いが、通常、10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像、スプレー現像、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われる。
[2]液晶表示装置(パネル)
次に、本発明に係る液晶表示装置(パネル)の製造法について説明する。本発明に係る液晶表示装置は、通常、カラーフィルタ上に配向膜を形成し、この配向膜上にスペーサ及び前述の液晶分割配向突起を形成した後、対向基板と貼り合わせて液晶セルを形成し、形成した液晶セルに液晶を注入し、対向電極に結線して完成する。配向膜は、ポリイミド等の樹脂膜が好適である。配向膜の形成には、通常、グラビア印刷法及び/又はフレキソ印刷法が採用され、配向膜の厚さは数10nmとされる。熱焼成によって配向膜の硬化処理を行なった後、紫外線の照射やラビング布による処理によって表面処理し、液晶の傾きを調整しうる表面状態に加工される。
スペーサは、対向基板とのギャップ(隙間)に応じた大きさのものが用いられ、通常2〜8μmのものが好適である。カラーフィルタ基板上に、フォトリソグラフィ法によって透明樹脂膜のフォトスペーサ(PS)を形成し、これをスペーサの代わりに活用することもできる。対向基板としては、通常、アレイ基板が用いられ、特にTFT(薄膜トランジスタ)基板が好適である。
対向基板との貼り合わせのギャップは、液晶表示装置の用途によって異なるが、通常2
μm以上、8μm以下の範囲で選ばれる。対向基板と貼り合わせた後、液晶注入口以外の部分は、エポキシ樹脂等のシール材によって封止する。シール材は、UV照射及び/又は加熱することによって硬化させ、液晶セル周辺がシールされる。
周辺をシールされた液晶セルは、パネル単位に切断した後、真空チャンバー内で減圧とし、上記液晶注入口を液晶に浸漬した後、チャンバー内をリークすることによって、液晶を液晶セル内に注入する。液晶セル内の減圧度は、通常1×10-2Pa以上、好ましくは1×10-3以上、また、通常1×10-7Pa以下、好ましくは1×10-6Pa以下の範囲である。また、減圧時に液晶セルを加温するのが好ましく、加温温度は通常30℃以上、好ましくは50℃以上、また、通常100℃以下、好ましくは90℃以下の範囲である。減圧時の加温保持は、通常10分間以上、60分間以下の範囲とされ、その後、液晶中に浸漬される。液晶を注入した液晶セルは、液晶注入口をUV硬化樹脂を硬化させて封止することによって、液晶表示装置(パネル)が完成する。
液晶の種類には特に制限がなく、芳香族系、脂肪族系、多環状化合物等、従来から知られている液晶であって、リオトロピック液晶、サーモトロピック液晶等の何れでもよい。サーモトロピック液晶には、ネマティック液晶、スメスティック液晶及びコレステリック液晶等が知られているが、何れであってもよい。
次に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。
[1]実施例1−3、比較例1
各試験溶液を、150nm厚のITOをスパッタ法により成膜したガラス基板(旭硝子社製カラーフィルタ用ガラス板「AN100」)上に塗布し、ホットプレート上で80℃にて3分間乾燥し、乾燥膜厚1.7μmの塗布膜を得た。その後、塗布膜側から15μ巾の細線パター
ンマスクを介して3kW高圧水銀を用い25、50、100、200mJ/cm-2の各種露光
条件にて画像露光を施した。ついで、乾燥膜厚が、1重量%の炭酸カリウムと4重量%のノニオン性界面活性剤を含有する水溶液よりなる現像液を用い、23℃において水圧0.25メガパスカルのシャワー現像を施した後、純水にて現像を停止し、水洗スプレーにてリンスした。 シャワー現像時間は、10〜120秒間の間で調整し、感光層が溶解除去される時間(ブレーク時間)の2倍とした。こうして画像形成されたガラス基板を230℃30分間加熱し、アーチ状に変形させた細線パターンを形成させた。得られた、加熱前後の細線の断面形状をキーエンス社製ヴァイオレットレーザー電子顕微鏡「VK9500」にて測定、基板平面と細線画像側面との接触角を求め、加熱前後における接触角の変化率を下記の方法により評価をした。
[実施例4、5]
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート145重量部を窒素置換しながら攪拌し120℃に昇温した。ここにスチレン20重量部、グリシジルメタクリレート57部及びトリシクロデカン骨格を有するモノアクリレート(日立化成(株)製FA−513M)82重量部を滴下し、更に140℃で2時間攪拌し続けた。次ぎに反応容器内を空気置換に変え、アクリル酸27重量部にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.7重量部及びハイドロキノン0.12重量部を投入し、120℃で6時間反応を続けた。その後、テトラヒドロ無水フタル酸(THPA)52重量部、トリエチルアミン0.7重量部を加え、120℃で3.5時間反応させ、アルカリ可溶性樹脂P−2を得た。こうして得られたバインダ樹脂の重量平均分子量MwをGPCにより測定したところ、約5000であった。
実施例1において試験溶液を表1(実施例4)のものに変更した外は、同様に感光性資料の製作および評価を行った。
<加熱による接触角の変化率の評価>
加熱前後の細線の断面形状をVK9500にて測定、接触角を求め、加熱前細線画像の側面と基板平面から形成されるの接触角(W1)と加熱後の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角(W2)を求め、接触角の変化率(W1/W2)の値から、加熱による接触角の
変化を下記のように評価した。
A: W1/W2が2以上
B: W1/W2が1.5以上2未満
C: W1/W2が1.2以上1.5未満
D: W1/W2が1.2未満
<画像形成>
上記の露光および現像処理で得られた画像を下記のように評価した。
A:塗布膜厚に対して、70%以上の膜厚の画像が形成された。
B:塗布膜厚に対して、70%未満の膜厚の画像が形成された。
C:感光層が完全に溶解し画像形成されなかった
D:まったく非画線部が溶解せず画像形成されなかった。
[3]比較例2
アルカリ可溶性樹脂として、フェノール:m−クレゾール:p−クレゾールの混合割合がモル比で20:50:30の混合フェノール類と、ホルムアルデヒドとの重縮合体からなるノボラック樹脂(重量平均分子量 7,000)80重量部、ナフトキノン−1,2
−ジアジド−5−スルホニルクロリドとピロガロール・アセトン樹脂とのエステル化合物(エステル化率30モル%、重量平均分子量2000)を20重量部、とPGMAを1000重量部からなるポジ型感光性組成物溶液を実施例1と同様にして塗布サンプルを作製、同様に評価を試みたところ、画像形成の評価がDであった。 また、塗布試料を230℃3
0分間の加熱処理を施したところ赤みの発生が観測された。一方、実施例1−3及び比較例1のネガレシストを用いて得られた試料中には、赤変の発生がまったく認められなかった。
Figure 2006011359
・M−1 :日本化薬(株)社製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)
・M−2 :新中村科学社製 2官能リン酸エステル「PM−21」
・S−1 :チバスペシャルケミカルズ(株)社製「シージーアイ242(CGI242)」
・S−2 :チバスペシャルケミカルズ(株)社製「イルガキュアー369」
・S−3 :2−メルカプトベンゾチアゾール
・S−4 :チバスペシャルケミカルズ(株)社製「イルガキュアー907」
・S−5 :2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体
・P−1 :下記式で表わされる化合物(nは整数を示す。) 重量平均分子量 2000、固形分酸価 100
Figure 2006011359
・F−1 住友3M社製フッソ系界面活性剤「FC130」
・PGMA イソプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
上記表1によると、本発明の感光性組成物を用いた実施例1〜5は、接触角の変形率が高く、アーチ状の突起が良好に形成され、更に、画像の形成が良好で透明な液晶分割配向突起の形成が可能であることが分かった。
本発明は、着色がなく透過率に優れ、且つ、高さや、基板と接触する角度等の形状が安定した液晶分割配向突起を形成することができる液晶分割配向突起用感光性組成物を提供することができ、また、これにより高品質な液晶表示装置を提供することが出来るので、液晶分割配向突起用感光性組成物、及び液晶表示装置の分野において産業上の利用可能性は極めて高い。
液晶分割配向突起用感光性組成物の加熱前及び加熱後のパターン形成特性を示した説明図である
符号の説明
1 基板
2 加熱処理前の細線画像の断面
3 加熱処理後の細線画像の断面
4 加熱処理前の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角(W1)
5 加熱処理後の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角(W2)

Claims (4)

  1. エチレン性不飽和化合物、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂を主成分とする液晶分割配向突起用感光性組成物において、該感光性組成物を膜厚1.7μmで塗布した感光層に、線幅15μmの細線パターンを有するマスクを介して波長365nmの紫外光を50m
    J/cm2で照射し、継いで、23℃、水圧0.25MPaのシャワー現像処理により得
    られた細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W1)、該細線画像をさらに230℃、30分の加熱処理を施した液晶分割配向突起状の細線画像の側面と基板平面から形成される接触角を(W2)とした場合、以下の式を満たすことを特徴とする液晶分割配向突起用感光性組成物。
    W1/W2≧1.2
  2. アルカリ可溶性樹脂/エチレン性不飽和化合物の重量比が1.5以上である請求項1に記載の液晶分割配向突起用感光性組成物。
  3. アルカリ可溶性樹脂が及び側鎖エチレン性付加重合性基を有するものである請求項1又は2に記載の液晶分割配向突起用感光性組成物。
  4. 請求項1乃至3の何れか1項に記載の液晶分割配向突起用感光性組成物を用いて形成された液晶表示装置。
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