JP2006011275A - 画像形成装置 - Google Patents

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栄司 丹村
Takateru Kamei
隆輝 亀井
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Abstract

【課題】現像剤が担持された現像スリーブの温度上昇を確実に防止できる画像形成装置を提供する。
【解決手段】感光体ドラム10と現像スリーブ20とは、一組の調整コロ40によってその間隔が一定に保持される。現像スリーブ20の軸部22には通風穴23が形成され、一組の調整コロ40には通風穴23を囲むように羽根42が設けられる。一方の軸部22に設けられた調整コロ40が回転すると、その回転方向と同じ方向に反る羽根42の回転によって該調整コロ40の中心側へ向かう空気流が発生し、他方の軸部22に設けられた調整コロ40が回転すると、その回転方向と反対の方向に反る羽根42の回転によって該調整コロ40の外周側へ向かう空気流が発生する。そして、一方の通風穴23を通って現像スリーブ20の内部へ流入した空気は、現像スリーブ20の内部を流通し、他方の通風穴23を通って現像スリーブ20の外部へ流出する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、レーザプリンタや複写機等に使用される電子写真方式或いは静電記録方式の画像形成装置に関する。
従来より、特許文献1に開示されているように、感光ドラムと現像装置とを備える画像形成装置が知られている。この画像形成装置において、現像装置には、感光ドラムに現像剤を付着させるための現像剤担持体と、現像剤担持体の表面に均一に現像剤を担持させるためのブレードとが設けられている。一方、現像剤担持体の回転による渦電流やブレードと現像剤との摩擦により現像剤担持体の温度が上昇し、画像品質の低下を招くおそれがある。この対策として、上記画像形成装置では、感光ドラムの軸線方向端部に全周に亘るフィンを設け、感光ドラムの軸線方向端部と現像装置との間にダクトを配設している。そして、感光ドラムの回転に伴うフィンの回転により空気流を発生させ、この空気流をダクトを通じて現像装置へ送り込むことによって現像装置を冷却し、現像装置の温度上昇を抑制している。
また、現像剤を感光ドラムの外周面の潜像に均一に付着させるために、感光ドラムと現像剤担持体との間隔を一定に保持する必要がある。例えば、特許文献2に開示されている現像装置では、現像剤が担持された現像ローラの両端部にギャップ調整コロを取り付け、このギャップ調整コロを感光体に当接させることで、現像ローラと感光体との距離を一定に保持するようにしている。
ところが、この種の現像装置では、現像剤から分離したトナーがギャップ調整コロの隙間や感光体の端部外周面に付着し、凝固したトナーによりギャップ調整コロの回転が不安定になるという問題がある。この対策として、上記現像装置では、ギャップ調整コロに、内側と外側とを連通させる開口部と、中心から放射状に延びる複数枚の羽根とを形成している。そして、ギャップ調整コロの回転に伴う羽根の回転により空気流を発生させ、また、羽根の形状を変えることで空気流の向きを変更し、トナーがギャップ調整コロの隙間や感光体の端部外周面に付着することを防止している。
特開2000−321928号公報 特開平6−202458号公報
しかしながら、上記特許文献1の画像形成装置では、ダクトの距離が長い。すなわち、感光ドラムの軸線方向端部に設けられるフィンの回転により発生した空気は、感光体ドラムの軸方向中央部に集められ、その後に現像装置へ送り込まれる。このため、現像装置において空気の流れが弱くなってしまい、温度の上昇した現像剤担持体を含む現像装置を充分に冷却することができない。
また、上記特許文献2の現像装置において、羽根の形状を空気流が外側から内側へ向かう方向に設定すると、ギャップ調整コロの回転に伴い空気が開口部を通って現像ローラと感光体との隙間に流入する。ところが、現像ローラの表面には現像剤が付着しており、また、現像ローラは熱容量が大きいために、現像ローラと感光体との隙間を流通する空気によって現像ローラを充分に冷却することは困難である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、現像剤が担持された現像スリーブの温度上昇を確実に防止できる画像形成装置を提供することにある。
第1の発明は、静電潜像が表面に形成される感光体ドラムと、上記感光体ドラムに隣接して設けられ、該感光体ドラムの静電潜像に現像剤を供給する中空の現像スリーブと、上記現像スリーブの両端部に回転自在に設けられ、上記感光体ドラムに当接して現像スリーブと感光体ドラムとの間隔を一定に保持する一組の調整コロとを備えた画像形成装置を対象としている。そして、上記現像スリーブの両端部に、該現像スリーブの内部と外部とを連通させる通風穴を形成するとともに、上記一組の調整コロの少なくとも一方に、回転によって上記通風穴を通って現像スリーブの内部から外部へ又は外部から内部へ向かう空気流を発生させる羽根を設けたことを特徴とするものである。
第2の発明は、第1の発明において、上記一組の調整コロの一方に、上記通風穴を通って現像スリーブの内部から外部へ向かう空気流を発生させる羽根を設け、もう一方の調整コロに、上記通風穴を通って現像スリーブの外部から内部へ向かう空気流を発生させる羽根を設けたものである。
第3の発明は、静電潜像が表面に形成される感光体ドラムと、上記感光体ドラムに隣接して設けられ、該感光体ドラムの静電潜像に現像剤を供給する中空の現像スリーブと、上記現像スリーブの両端部に回転自在に設けられ、上記感光体ドラムに当接して現像スリーブと感光体ドラムとの間隔を一定に保持する一組の調整コロとを備えた画像形成装置を対象としている。そして、上記一組の調整コロに、回転によって半径方向外方又は内方へ向かう空気流を発生させる羽根を設けるとともに、上記現像スリーブを複数の部材を積層して形成し、上記現像スリーブの最内側層を構成する部材の熱伝導率を上記複数の部材のうちで最も高くしたことを特徴とするものである。
第4の発明は、第3の発明において、上記現像スリーブが、最内側層をアルミニウム層とし最外側層をステンレス層としたものであるものである。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、上記調整コロは、2個の対峙する円板の間に上記羽根を保持して形成されるものである。
−作用−
上記第1の発明では、感光体ドラムの回転に伴ってこの感光体ドラムに当接する一組の調整コロが回転する。また、一組の調整コロの少なくとも一方に設けられた羽根の回転によって、現像スリーブの内部から外部へ向かう空気流又は現像スリーブの外部から内部へ向かう空気流が発生する。
ここで、現像スリーブが回転すると、その表面に担持された現像剤とブレードとの摩擦などにより、現像スリーブが発熱する。一方、現像スリーブの各端部には、現像スリーブの内部と外部とを連通させる通風穴が形成されている。このため、調整コロの回転により一方の通風穴を通って現像スリーブの内部から外部へ向かう空気流が発生すると、他方の通気穴を通って現像スリーブの外部から内部へ空気が送り込まれる。また、調整コロの回転により一方の通風穴を通って現像スリーブの外部から内部へ向かう空気流が発生すると、他方の通気穴を通って現像スリーブの内部から外部へ空気が送り出される。
このように、一組の調整コロの少なくとも一方に設けられた羽根の回転により、一方の通風穴から現像スリーブの内部を通って他方の通風穴へと向かう空気流が発生し、現像スリーブよりも温度の低い空気と現像スリーブとの間で熱交換が行われる。
上記第2の発明において、一組の調整コロのうち一方が回転すると、通風穴を通って現像スリーブの内部から外部へ向かう空気流が発生し、一組の調整コロのうち他方が回転すると、通風穴を通って現像スリーブの外部から内部へ向かう空気流が発生する。つまり、一組の調整コロのうち他方の回転により現像スリーブの外部から通風穴を通ってその内部へ送り込まれた空気は、現像スリーブの内部を流通し、一組の調整コロのうち一方の回転により現像スリーブの内部から通風穴を通ってその外部へ送り出される。
上記第3の発明では、感光体ドラムの回転に伴ってこの感光体ドラムに当接する一組の調整コロが回転する。また、一組の調整コロに設けられた羽根の回転によって、該調整コロの半径方向外方又は内方へ向かう空気流が発生する。
ここで、現像スリーブが回転すると、その表面に担持された現像剤とブレードとの摩擦などにより、現像スリーブが発熱する。一方、調整コロの回転により該調整コロの半径方向外方へ向かう空気流が発生すると、その中心側へ取り込まれる空気が現像スリーブの端部に接触する。また、調整コロの回転により該調整コロの半径方向内方へ向かう空気流が発生すると、半径方向内方へ向かう空気が現像スリーブの端部に接触する。この空気の温度は、現像スリーブの温度よりも低い。このため、現像スリーブは、その端部が冷却されると共に端部の雰囲気温度が低下する。
また、現像スリーブは複数の部材を積層して形成されており、その最内側層を構成する部材の熱伝導率が複数の部材のうちで最も高くなっている。このため、現像スリーブで発生した熱がその端部にまで一様に伝わり、現像スリーブが確実に冷却される。
上記第4の発明において、現像スリーブは、最内側層がアルミニウム層となり、最外側層がステンレス層となっている。ここで、アルミニウムは、ステンレスよりも熱伝導率が高い。また、ステンレスは、アルミニウムよりも耐摩耗性が高い。よって、現像スリーブの表面粗さを保ちつつ、現像スリーブで発生した熱がその端部にまで一様に伝わり、現像スリーブが確実に冷却される。
上記第5の発明では、調整コロに2個の対峙する円板と羽根とが設けられる。調整コロでは、その外側面を構成する各円板の間に羽根が保持されている。
上記第1の発明によれば、一組の調整コロの少なくとも一方に設けられた羽根の回転によって現像スリーブの内部から外部へ又は外部から内部へ向かう空気流を発生させ、現像スリーブよりも温度の低い空気を現像スリーブの内部を流通させることで、現像スリーブを確実に冷却してその温度上昇を防止することができ、画像形成装置の信頼性を向上させることができる。
上記第2の発明によれば、一組の調整コロのうち一方に設けられた羽根の回転によって現像スリーブの内部から外部へ向かう空気流を発生させ、一組の調整コロのうち他方に設けられた羽根の回転によって現像スリーブの外部から内部へ向かう空気流を発生させることで、一方の通風穴から他方の通風穴へスムーズに空気を導くことができ、現像スリーブの内部を流通する空気の流量を増加させることができる。これにより、現像スリーブをより一層確実に冷却してその温度上昇を防止することができ、画像形成装置の信頼性をより一層向上させることができる。
上記第3の発明によれば、一組の調整コロに設けられた羽根の回転によって該調整コロの半径方向外方又は内方へ向かう空気流を発生させることで、現像スリーブよりも温度の低い空気を現像スリーブの端部に接触させ、現像スリーブの端部を集中的に冷却すると共に端部の雰囲気温度を低下させることができる。また、現像スリーブを複数の部材を積層して形成し、その最内側層を構成する部材の熱伝導率を複数の部材のうちで最も高くすることにより、現像スリーブで発生した熱がその端部にまで一様に伝わり、現像スリーブを確実に冷却してその温度上昇を防止することができる。従って、画像形成装置の信頼性を向上させることができる。
上記第4の発明によれば、現像スリーブの最内側層をアルミニウム層として最外側層をステンレス層とすることで、現像スリーブの表面粗さを保ちつつ、現像スリーブを確実に冷却してその温度上昇を防止することができ、画像形成装置の信頼性をより一層向上させることができる。
上記第5の発明によれば、調整コロを2個の対峙する円板の間に羽根を保持して形成することにより、調整コロを小型化することができ、画像形成装置の構成を簡素化できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1に示すように、本実施形態の画像形成装置は、感光体ドラム10と、該感光体ドラムに隣接する現像スリーブ20とを備えている。現像スリーブ20は、図示しない現像装置に設けられている。
上記感光体ドラム10は、その表面に静電潜像を形成するものである。上記現像スリーブ20は、図示しないブレードと現像スリーブ20との隙間に現像剤を送り込むことによってその表面に均一に担持された現像剤を感光体ドラム10の静電潜像に供給するためのものである。この現像スリーブ20は、中空の円筒状であって、中央に位置するシリンダ部21の外径がシリンダ部21の両端に位置する軸部22の外径よりも大きく形成されており、図示しない軸受によって回転自在に支持されている。
現像スリーブ20において、シリンダ部21の内部には、現像スリーブ20の内周面と一定の間隙を持ってマグネットローラ30が収納されている。このマグネットローラ30は、表面に磁界を発生させて現像剤を現像スリーブ20の表面に担持させるものである。マグネットローラ30には、該マグネットローラ30の中心部を貫通すると共にその長手方向に延びる軸31が取り付けられている。軸31の両端は、現像スリーブ20の内周面に接する軸受32によって支持されている。
また、現像スリーブ20の軸部22には、通風穴23が形成されている。図2に示すように、この通風穴23は、長方形状であって1組の対辺が外側に膨らんでおり、現像スリーブ20の同一円周上に3つ形成されている。この通風穴23を介して、現像スリーブ20の内部と現像スリーブ20の外部とが連通する。尚、図2では、現像スリーブ20の一方の軸部22に形成される通風穴23を示しているが、他方の軸部22にも同様の形状を有する通風穴23が形成されている。尚、通風穴23の数に限定はない。
上記感光体ドラム10と上記現像スリーブ20とは、回転自在な一組の調整コロ40によってその間隔が一定に保持されている。一組の調整コロ40は、現像スリーブ20の両方の軸部22に1つずつ設けられている。各調整コロ40は、1枚の円板41を備えており、この円板41が感光体ドラム10に当接している。図3にも示すように、円板41は、ドーナツ状に形成されており、その中央の穴径が現像スリーブ20の軸部22の外径よりも僅かに大きく、その外径が現像スリーブ20の外径よりも大きくなっている。この円板41は、感光体ドラム10の回転に伴って現像スリーブ20の軸心回りに回転する。
また、上記一組の調整コロ40のそれぞれには、複数枚の羽根42が設けられている。これら羽根42は、円板41の現像スリーブ20側の面に、現像スリーブ20側の面と垂直に取り付けられており、その厚みが円板41の厚みと概ね等しくなっている。具体的に、複数枚の羽根42は、円板41の中心から半径方向に向かって放射状に延びており、等角度間隔に設けられている。また、各羽根42は、円板41の半径方向に対して反るように形成され、その内側端が円板41の中央に設けられた穴よりも外側であって、その外側端が円板41の外周面よりも内側に位置している。
更に、現像スリーブ20の一方の軸部22に設けられた調整コロ40では、該調整コロ40の回転方向と同じ方向に反るように円板41に羽根42が取り付けられ、他方の軸部22に設けられた調整コロ40では、該調整コロ40の回転方向と反対の方向に反るように円板41に羽根42が取り付けられている。そして、各調整コロ40は、その羽根42が通風穴23を囲むように現像スリーブ20の軸部22に設けられている。
−運転動作−
上記画像形成装置の運転動作について説明する。
上記画像形成装置の運転時には、感光体ドラム10が回転し、該感光体ドラム10の表面が均一に帯電する。この帯電した感光体ドラム10の表面にレーザ光などの光を照射して部分的に除電し、感光体ドラム10の表面に静電潜像を形成する。また、感光体ドラム10の回転に伴ってマグネットローラ30を含む現像スリーブ20が回転し、該現像スリーブ20に担持された現像剤が感光体ドラム10の静電潜像に供給される。
上述のように、上記画像形成装置の運転時には、感光体ドラム10及び現像スリーブ20が回転する。また、感光体ドラム10の回転に伴ってこの感光体ドラム10に当接する一組の調整コロ40が回転し、各調整コロ40に設けられた羽根42が回転する。
ここで、現像スリーブ20が回転すると、その表面に担持された現像剤とブレードとの摩擦などにより、現像スリーブ20が発熱する。一方、感光体ドラム10の回転に伴って各調整コロ40に設けられた羽根42が回転すると、空気流が発生する。具体的に、現像スリーブ20の一方の軸部22(図1では右側の軸部)に設けられた調整コロ40が回転すると、その回転方向と同じ方向に反る羽根42の回転によって、図1に実線の矢印で示すように該調整コロ40の外周側から中心側へ向かう空気流が発生する。また、現像スリーブ20の他方の軸部22(図1では左側の軸部)に設けられた調整コロ40が回転すると、その回転方向と反対の方向に反る羽根42の回転によって、図1に実線の矢印で示すように該調整コロ40の中心側から外周側へ向かう空気流が発生する。
そして、一方の軸部22に設けられた調整コロ40の回転により該調整コロ40の外周側から中心側へと送り込まれた空気は、一方の軸部22に形成された通風穴23を通って現像スリーブ20の内部へ流入する。現像スリーブ20の内部へ流入した空気は、現像スリーブ20の内周面とマグネットローラ30の外周面との隙間を流通し、現像スリーブ20の熱を奪いながら、現像スリーブ20の他方の軸部22へ送られる。現像スリーブ20の他方の軸部22へ送られた空気は、他方の軸部22に形成された通風穴23を通って現像スリーブ20の外部へ流出し、他方の軸部22に設けられた調整コロ40の回転により該調整コロ40の中心側から外周側へと送り出される。
このように、一組の調整コロ40のそれぞれに設けられた羽根42の回転により空気を現像スリーブ20の内部へ送り込んで該現像スリーブ20とマグネットローラ30との隙間を流通させることで、現像スリーブ20よりも温度の低い空気と現像スリーブ20との間で熱交換が行われ、現像スリーブ20が確実に冷却される。
−実施形態1の効果−
本実施形態によれば、一組の調整コロ40のうち一方に設けられた羽根42の回転によって現像スリーブ20の内部から外部へ向かう空気流を発生させ、一組の調整コロ40のうち他方に設けられた羽根42の回転によって現像スリーブ20の外部から内部へ向かう空気流を発生させて現像スリーブ20よりも温度の低い空気を現像スリーブ20の内部を流通させることで、現像スリーブ20を確実に冷却してその温度上昇を防止することができ、画像形成装置の信頼性を向上させることができる。
−実施形態1の変形例1−
上記実施形態1の画像形成装置の構成を変更してもよい。具体的に、現像スリーブ20の他方の軸部22(図1では左側の軸部)に設けられた調整コロ40の羽根42を省略してもよい。上述のように、現像スリーブ20には、その両方の軸部22のそれぞれに通風穴23が形成されている。現像スリーブ20の一方の軸部22(図1では右側の軸部)に設けられた調整コロ40が回転すると、その円板41に取り付けられた羽根42の回転によって該調整コロ40の外周側から中心側へ向かう空気流が発生する。そして、一方の軸部22に形成された通風穴23から現像スリーブ20の内部へ空気が送り込まれ、他方の軸部22に形成された通風穴23から現像スリーブ20の外部へ空気が送り出される。
或いは、現像スリーブ20の一方の軸部22に設けられた調整コロ40の羽根42を省略してもよい。現像スリーブ20の他方の軸部22に設けられた調整コロ40が回転すると、その円板41に取り付けられた羽根42の回転によって該調整コロ40の中心側から外周側へ向かう空気流が発生する。そして、他方の軸部22に形成された通風穴23から現像スリーブ20の外部へ空気が吸い出され、一方の軸部22に形成された通風穴23から現像スリーブ20の内部へ空気が吸い込まれる。
本変形例によれば、一組の調整コロ40の何れか一方に設けられた羽根42の回転によって現像スリーブ20の内部から外部へ又は外部から内部へ向かう空気流を発生させ、現像スリーブ20よりも温度の低い空気を現像スリーブ20の内部を流通させることで、現像スリーブ20を確実に冷却してその温度上昇を防止することができ、画像形成装置の信頼性を向上させることができる。
−実施形態1の変形例2−
上記実施形態1の画像形成装置において、調整コロ40の構成を変更してもよい。
図4に示すように、本変形例の画像形成装置において、一組の調整コロ40は、それぞれが2個の円板43と複数枚の羽根42とを備えている。各円板43は、上記実施形態1の円板41よりも厚みの薄いドーナツ状に形成されており、その中央の穴径が現像スリーブ20の軸部22の外径よりも僅かに大きく、その外径が現像スリーブ20の外径よりも大きくなっている。これら円板43は、感光体ドラム10の回転に伴って現像スリーブ20の軸心回りに回転する。そして、対峙する2個の円板43の間に複数枚の羽根42(例えば、8枚)を挟み込んだ状態で、各円板43の互いに向き合う面に複数枚の羽根42が取り付けられている。
各調整コロ40に設けられた複数枚の羽根42は、円板43の中心から半径方向に向かって放射状に延びており、円板43に等角度間隔に取り付けられている。また、複数枚の羽根42は、円板43の半径方向に対して反るように形成され、その内側端が円板43の中央に設けられた穴よりも外側であって、その外側端が円板43の外周端よりも内側に位置している。そして、各調整コロ40は、現像スリーブ20の軸部22に通風穴23を囲むように設けられている。
本変形例によれば、調整コロ40を2個の対峙する円板43の間に複数枚の羽根42を保持して形成することにより、調整コロ40を小型化することができ、画像形成装置の構成を簡素化できる。
−実施形態1の変形例3−
上記実施形態1の画像形成装置の構成を変更してもよい。具体的に、上記画像形成装置において、感光体ドラム10と現像スリーブ20とを別々に駆動可能な構成としてもよい。このような構成とすることで、現像スリーブ20の回転を停止して感光体ドラム10のみを回転させ、現像スリーブ20の発熱を抑制することができる。また、感光体ドラム10の回転に伴って一組の調整コロ40が回転し、各調整コロ40に設けられた羽根42が回転することで、現像スリーブ20の回転を停止した状態で現像スリーブ20を冷却することができる。例えば、現像スリーブ20の回転を停止して感光体ドラム10のみを回転させる時間を上記画像形成装置の作動時間に応じて設定することで、効率良く現像スリーブ20を冷却することができる。
《発明の実施形態2》
本発明の実施形態2は、上記実施形態1の画像形成装置の構成を変更したものである。ここでは、本実施形態の画像形成装置について、上記実施形態1と異なる点を説明する。
本実施形態の画像形成装置では、現像スリーブ20のシリンダ部21が2層構造となっている。具体的に、図5に示すように、上記画像形成装置のシリンダ部21は、内側層を構成するアルミニウム層50に外側層を構成するステンレス層51を積層して形成されている。現像スリーブ20の軸部22は、アルミニウムによって形成されている。
また、本実施形態の画像形成装置では、上記実施形態1と異なり、現像スリーブ20の軸部22に形成される通風穴23が省略されている。つまり、現像スリーブ20の内部と現像スリーブ20の外部とは、連通していない。また、現像スリーブ20の軸部22に設けられた一組の調整コロ40のそれぞれには、該調整コロ40の回転方向と同じ方向に反るように複数枚の羽根42が設けられている。
上記画像形成装置の運転時において、現像スリーブ20が回転すると、ブレードと現像剤との摩擦などにより現像スリーブ20が発熱する。一方、感光体ドラム10が回転すると、該感光体ドラム10に当接する一組の調整コロ40が回転し、各調整コロ40に設けられた羽根42の回転によって図5に実線の矢印で示すように該調整コロ40の半径方向内方へ向かう空気流が発生する。そして、各調整コロ40の半径方向内方に取り込まれた空気が現像スリーブ20の軸部22に接触する。この空気の温度は、現像スリーブ20の温度よりも低い。このため、現像スリーブ20は、その軸部22が冷却されると共に軸部22の雰囲気温度が低下する。
ここで、アルミニウムは、ステンレスよりも熱伝導率が高い。このため、現像スリーブ20を内側層を構成するアルミニウム層50と外側層を構成するステンレス層51とを積層して形成すると、現像スリーブ20をステンレス層のみで形成するのと比べ、現像スリーブ20で発生する熱がその軸部22まで一様に伝わりやすい。また、アルミニウムは、ステンレスよりも耐摩耗性が低い。このため、現像スリーブ20をアルミニウム層のみで形成すると、その表面粗さを保つことが難しく、現像スリーブ20の寿命が低下することとなる。従って、現像スリーブ20を内側層を構成するアルミニウム層50と外側層を構成するステンレス層51との2層構造とすることで、現像スリーブ20の寿命を低下させることなく、現像スリーブ20を確実に冷却することが可能となる。
本実施形態によれば、一組の調整コロ40のそれぞれに設けられた羽根42の回転によって該調整コロ40の半径方向内方へ向かう空気流を発生させることで、現像スリーブ20よりも温度の低い空気を現像スリーブ20の軸部22に接触させ、現像スリーブ20の軸部22を集中的に冷却すると共に軸部22の雰囲気温度を低下させることができる。また、現像スリーブ20を複数の部材を積層して形成し、その最内側層を構成する部材の熱伝導率を複数の部材のうちで最も高くすることにより、現像スリーブ20で発生した熱がその軸部22にまで一様に伝わり、現像スリーブ20を確実に冷却してその温度上昇を防止することができる。従って、画像形成装置の信頼性を向上させることができる。
特に、現像スリーブ20を内側層を構成するアルミニウム層50と外側層を構成するステンレス層51とを積層して形成することで、現像スリーブ20の表面粗さを保ちつつ、現像スリーブ20を確実に冷却してその温度上昇を防止することができ、画像形成装置の信頼性をより一層向上させることができる。
−実施形態2の変形例1−
上記実施形態2の画像形成装置の構成を変更してもよい。具体的に、上記画像形成装置において、現像スリーブ20の軸部22に設けられた一組の調整コロ40のそれぞれに、該調整コロ40の回転方向と反対の方向に反るように複数枚の羽根42を設けてもよい。
上記画像形成装置の運転時において、感光体ドラム10が回転すると、該感光体ドラム10に当接する一組の調整コロ40が回転する。また、一組の調整コロ40のそれぞれに設けられた羽根42の回転によって、該調整コロ40の半径方向外方へ向かう空気流が発生する。その際、各調整コロ40では、その中心側へ空気が送り込まれる。そして、各調整コロ40の中心側へ取り込まれた空気が現像スリーブ20の軸部22に接触する。この空気の温度は、現像スリーブ20の温度よりも低い。このため、現像スリーブ20は、その軸部22が冷却されると共に軸部22の雰囲気温度が低下する。
−実施形態2の変形例2−
上記実施形態2の画像形成装置の構成を変更してもよい。具体的に、上記画像形成装置において、一組の調整コロ40のそれぞれには、円板41の現像スリーブ20側の面に限らず、現像スリーブ20と反対側の面に複数枚の羽根42を取り付けてもよいし、現像スリーブ20側の面と現像スリーブ20と反対側の面の両方に複数枚の羽根42を取り付けてもよい。或いは、上記画像形成装置において、調整コロ40を2個の対峙する円板43の間に複数枚の羽根42を保持して形成してもよい。
本変形例によれば、調整コロ40に設けられた複数枚の羽根42を円板41の現像スリーブ20側の面と現像スリーブ20と反対側の面の両方に取り付けることで、現像スリーブ20の軸部22に接触する空気の流量を増加させることができ、より効果的に現像スリーブ20を冷却することが可能となる。また、調整コロ40を2個の対峙する円板43の間に複数枚の羽根42を保持して形成することにより、調整コロ40を小型化することができ、画像形成装置の構成を簡素化できる。
以上説明したように、本発明は、レーザプリンタや複写機等に使用される電子写真方式或いは静電記録方式の画像形成装置について有用である。
実施形態1に係る画像形成装置の概略構成図である。 実施形態1に係る画像形成装置において、現像スリーブの要部拡大図である。 実施形態1に係る画像形成装置において、(A)は調整コロを側方から見た図であり、(B)は調整コロを正面側から見た図である。 実施形態1の変形例に係る画像形成装置において、(A)は調整コロを側方から見た図であり、(B)は(A)におけるイ−イ線断面図である。 実施形態2に係る画像形成装置の概略構成図である。
符号の説明
10 感光体ドラム
20 現像スリーブ
21 シリンダ部
22 軸部
23 通風穴
30 マグネットローラ
31 軸
32 軸受
40 調整コロ
41,43 円板
42 羽根
50 アルミニウム層
51 ステンレス層

Claims (5)

  1. 静電潜像が表面に形成される感光体ドラムと、
    上記感光体ドラムに隣接して設けられ、該感光体ドラムの静電潜像に現像剤を供給する中空の現像スリーブと、
    上記現像スリーブの両端部に回転自在に設けられ、上記感光体ドラムに当接して現像スリーブと感光体ドラムとの間隔を一定に保持する一組の調整コロとを備えた画像形成装置において、
    上記現像スリーブの両端部に、該現像スリーブの内部と外部とを連通させる通風穴を形成するとともに、上記一組の調整コロの少なくとも一方に、回転によって上記通風穴を通って現像スリーブの内部から外部へ又は外部から内部へ向かう空気流を発生させる羽根を設けたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1に記載の画像形成装置において、
    上記一組の調整コロの一方に、上記通風穴を通って現像スリーブの内部から外部へ向かう空気流を発生させる羽根を設け、もう一方の調整コロに、上記通風穴を通って現像スリーブの外部から内部へ向かう空気流を発生させる羽根を設けた画像形成装置。
  3. 静電潜像が表面に形成される感光体ドラムと、
    上記感光体ドラムに隣接して設けられ、該感光体ドラムの静電潜像に現像剤を供給する中空の現像スリーブと、
    上記現像スリーブの両端部に回転自在に設けられ、上記感光体ドラムに当接して現像スリーブと感光体ドラムとの間隔を一定に保持する一組の調整コロとを備えた画像形成装置において、
    上記一組の調整コロに、回転によって半径方向外方又は内方へ向かう空気流を発生させる羽根を設けるとともに、上記現像スリーブを複数の部材を積層して形成し、上記現像スリーブの最内側層を構成する部材の熱伝導率を上記複数の部材のうちで最も高くしたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項3に記載の画像形成装置において、
    上記現像スリーブが、最内側層をアルミニウム層とし最外側層をステンレス層としたものである画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4の何れか1つに記載の画像形成装置において、
    上記調整コロは、2個の対峙する円板の間に上記羽根を保持して形成されている画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010078950A (ja) * 2008-09-26 2010-04-08 Fuji Xerox Co Ltd 回転力伝達装置、画像形成体および画像形成装置
US8170453B2 (en) 2008-03-27 2012-05-01 Sharp Kabushiki Kaisha Developing device having developing roller with sleeve having air permeability and sucking device for sucking air from inside the sleeve and image forming apparatus having the developing device
JP2016142990A (ja) * 2015-02-04 2016-08-08 株式会社ブリヂストン 導電性ローラ

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