JP2006009774A - 内燃機関の可変動弁機構 - Google Patents

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裕二 吉原
Fuminori Hosoda
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Koichi Shimizu
弘一 清水
Takahide Koshimizu
孝英 腰水
Yoshiaki Miyasato
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Abstract

【課題】 バルブ特性調節のためのコントロールシャフトの強度を維持し、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構。
【解決手段】 スライダギアに係合する係合部132cは鉄系材料が用いられ、連結シャフト132dはシリンダヘッドと同じアルミニウム合金材料を用いている。このためコントロールシャフト132全体を鉄系材料とする場合よりも、コントロールシャフト132の熱膨張率をシリンダヘッドに近づけることができる。したがって温度雰囲気が変化してもシリンダヘッドに対する係合部132cの位置ずれが抑制される。そして係合部132cでは鉄系材料が用いられていることで係合部132cにおける強度が十分に維持され、コントロールシャフト132が変形することが防止される。このことにより課題が達成される。
【選択図】 図11

Description

本発明は、内燃機関においてコントロールシャフトをアクチュエータにより軸方向に移動することでバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構に関する。
コントロールシャフトをアクチュエータにより軸方向に移動させ、このコントロールシャフトに係合するスライダギアを軸方向に移動することでバルブ作用角やバルブリフト量といったバルブ特性を調節する内燃機関の可変動弁機構が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2001−263015号公報(第7−12頁、図5−28)
このように可変動弁機構のコントロールシャフトは、スライダギアを軸方向に移動させるため、スライダギアに対する係合部には大きな力がかかる。特にバルブリフト量を大きくする方向にスライダギアを移動させる場合には係合部に大きな力が作用する傾向にある。このためコントロールシャフトの強度が不十分であると係合部が変形するおそれがある。このような変形を防止するため、コントロールシャフトには鉄系材料などの材質が高強度の材料を用いている。
しかしエンジン軽量化のためにアルミ合金などの軽合金系材料がシリンダヘッドに用いられた場合には、シリンダヘッドの熱膨張率が鉄系材料に比較して可成り大きくなる。具体的には2倍程度に大きくなる。したがって可変動弁機構のコントロールシャフトに鉄系材料を用いていたのでは、エンジン冷間時とエンジン暖機後とでは、コントロールシャフト上における係合部の位置がシリンダヘッドに対して相対的に大きくずれることになる。このためアクチュエータ側でコントロールシャフトの移動量を検出してコントロールシャフトの移動量を制御しようとしても、係合部の軸方向位置が温度によりずれているので、バルブリフト量などのバルブ特性を高精度に制御できなくなるおそれがある。
コントロールシャフトをシリンダヘッドと同じ材質であるアルミ合金などの軽合金系材料に変更することにより、熱膨張率をシリンダヘッドに適合させれば、バルブ特性制御を高精度に維持させることができる。しかしアルミ合金などの軽合金系材料は鉄系材料ほどの強度がなく、スライダギア側からの反力により係合部が変形するおそれがある。
本発明は、コントロールシャフトの強度を維持し、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とする内燃機関の可変動弁機構を目的とするものである。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の内燃機関の可変動弁機構は、内燃機関のシリンダヘッドに備えられたカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達する仲介駆動機構と、該仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合して該バルブ特性操作部を軸方向に移動することでバルブ特性を調節するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトをバルブ特性調節のために軸方向に移動するアクチュエータとを備えた内燃機関の可変動弁機構であって、前記コントロールシャフトは、前記バルブ特性操作部に係合する係合部では材質が高強度の材料が用いられ、他の部分では前記係合部と異なる材質の材料によりコントロールシャフト全体の熱膨張率がシリンダヘッドの熱膨張率に近づけられていることを特徴とする。
コントロールシャフトにおいて、前記係合部では材質が高強度の材料が用いられ、他の部分では係合部と異なる材質の材料を用いることによりコントロールシャフト全体の熱膨張率がシリンダヘッドの熱膨張率に近づけられている。このようにコントロールシャフトの係合部は高強度であることにより、係合部が変形することが防止される。そしてコントロールシャフトの他の部分では係合部と同じ材質の材料は用いずに、異なる材質の材料を用いることによりコントロールシャフト全体の熱膨張率がシリンダヘッドの熱膨張率に近づけられている。すなわち前記他の部分では、係合部ほどの強度は必要ないので、コントロールシャフト全体の熱膨張率を調節する材質の材料を優先して選択して、コントロールシャフト全体の熱膨張率をシリンダヘッドの熱膨張率に近づけている。したがって、温度雰囲気が変化しても係合部の軸方向位置のずれを抑制できる。
このことにより本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項2に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1において、前記シリンダヘッドは軽合金系材料からなり、前記コントロールシャフトの係合部は鉄系材料からなり、前記コントロールシャフトの他の部分は軽合金系材料からなることを特徴とする。
具体的にはシリンダヘッドは軽合金系材料からなれば、コントロールシャフトの係合部は鉄系材料とし、コントロールシャフトの他の部分は軽合金系材料とする。シリンダヘッドとコントロールシャフトの他の部分とは軽合金同士であって熱膨張率が近似あるいは同一となるので、コントロールシャフトの係合部に鉄系材料を用いても、コントロールシャフト全体の熱膨張率はシリンダヘッドの熱膨張率に近づいている。
このことにより本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項3に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項2において、前記軽合金系材料は、アルミニウム合金材料又はマグネシウム合金材料であることを特徴とする。
軽合金系材料としてはアルミニウム合金材料又はマグネシウム合金材料を挙げることができ、これらは熱膨張率が近似あるいは同一となるので、コントロールシャフトの係合部に鉄系材料を用いても、コントロールシャフト全体の熱膨張率はシリンダヘッドの熱膨張率に近づく。したがって本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項4に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトの他の部分は前記シリンダヘッドと同一の材質であることを特徴とする。
このように前記コントロールシャフトの他の部分はシリンダヘッドと同一の材質としても良い。このことにより係合部で鉄系材料などの材質が高強度の材料を用いても、コントロールシャフト全体の熱膨張率はシリンダヘッドの熱膨張率に近づく。したがって本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項5に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1〜3のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトは、前記シリンダヘッドの熱膨張率と略同一となるように、前記係合部の材質と長さ及び前記他の部分の材質と長さが設定されていることを特徴とする。
係合部の材質と長さ及び他の部分の材質と長さを設定することで、コントロールシャフトの熱膨張率を、シリンダヘッドの熱膨張率と略同一となるようにしても良い。このようにシリンダヘッドの熱膨張率に適合させるようにコントロールシャフトを設計することにより、コントロールシャフト全体の熱膨張率はシリンダヘッドの熱膨張率に、より近づけることができ、略同一にすることができる。したがって本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持しつつ、一層高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項6に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記シリンダヘッドは前記係合部よりも熱膨張率が大きいと共に、気筒毎に配置された前記仲介駆動機構に対して共通に設けられた前記コントロールシャフトにおける前記他の部分は前記係合部よりも熱膨張率が大きい材質であり、前記他の部分と前記係合部との長さ関係は、前記仲介駆動機構の各間にて、前記コントロールシャフトの熱膨張率が前記シリンダヘッドの熱膨張率より低く設定されていると共に、前記仲介駆動機構の各間での前記係合部に対する前記他の部分の長さの比率は、前記アクチュエータ側から離れるに従って次第に大きくされていることを特徴とする。
他の部分に用いる材質は、熱膨張率が大きいことを考慮して選択した材質であるため、強度の点あるいはコストの点から長くすることができない場合がある。したがって熱膨張率については係合部の軸方向位置のずれをほとんどあるいは完全に無くすようにするのではなく、係合部の軸方向位置のずれを許容できる範囲として、なるべく他の部分の長さを短くする方が、強度的あるいはコスト的に好ましい。
しかし、アクチュエータに近い方でこのように他の部分を短くした場合に、アクチュエータから離れるに従って次第に係合部の軸方向位置のずれが蓄積する。したがってアクチュエータから離れても他の部分と係合部とが同一の長さ比率では係合部の軸方向位置のずれが許容範囲から外れるおそれがある。
本発明のごとく他の部分の係合部に対する長さの比率を、アクチュエータ側から離れるに従って次第に大きく設定することにより、各係合部の軸方向位置ずれが許容範囲から外れるのを防止できると共に、コントロールシャフトの強度低下あるいはコスト悪化を抑制することができる。
請求項7に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項6において、前記仲介駆動機構は略等間隔に配置されていると共に、前記仲介駆動機構の各間では、前記他の部分は前記アクチュエータ側から離れるに従って次第に長くされていることを特徴とする。
このように仲介駆動機構が略等間隔に配置されていれば、前記他の部分についてはアクチュエータ側から離れるに従って次第に長くなるように設定する。このことで、全ての係合部の軸方向位置ずれが許容範囲から外れるのを防止できると共に、コントロールシャフトの強度低下あるいはコスト悪化を抑制することができる。
請求項8に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1〜7のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトの係合部と前記コントロールシャフトの他の部分とは別体に形成されて軸上にて当接状態で配列されることで前記コントロールシャフトが構成され、該コントロールシャフトの一端に前記アクチュエータを備え、他端に前記アクチュエータ側にコントロールシャフトを付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする。
コントロールシャフトの係合部と他の部分とは、一体に形成する必要はなく、別体に形成し、上述したごとくアクチュエータと付勢手段とで挟むことで、アクチュエータの駆動に連動して常に係合部と他の部分とが当接した状態でコントロールシャフトを軸方向に移動させることができる。このことにより材質の異なるコントロールシャフトの係合部と他の部分とを接合する必要が無く、コントロールシャフトの製造が容易となる。
請求項9に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1〜5のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトは軸方向において前記他の部分の材質の連続性が維持されていることを特徴とする。
このようにコントロールシャフトは軸方向において前記他の部分の材質が連続して配置されている。すなわち軸方向において前記他の部分の材質が異なる材質の係合部により分離されていない。このことにより軸方向においてはコントロールシャフトの熱膨張率は前記他の部分の材質による熱膨張率が支配的となる。したがって係合部については熱膨張率を考慮せずに強度のみ考慮しても、コントロールシャフトの軸方向の熱膨張率に与える影響はほとんどない。
このため係合部については高強度の材質を選択し、前記他の部分についてはシリンダヘッドの熱膨張率と実質的に差のない材質を選択することで、コントロールシャフトの強度を維持しつつ、シリンダヘッドの熱膨張率に極めて近い、あるいは同一のコントロールシャフトを、極めて容易に構成できるようになる。
請求項10に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項9において、前記他の部分は、全てが一体に形成され、前記係合部を埋設状態で支持していることを特徴とする。
このように前記他の部分の全てが一体に形成され、係合部を埋設することで支持していることで、コントロールシャフトの軸方向において前記他の部分の材質による熱膨張率が支配的となる。
請求項11に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項9又は10において、前記係合部は、前記バルブ特性操作部に対してコントロールピンを介して係合すると共に、前記コントロールピンを支持するために前記コントロールシャフトにおいて前記コントロールピンの周辺に設けられていることを特徴とする。
このように係合部はコントロールピンを支持するためにコントロールピン周辺に設けられているのみであることから、コントロールシャフト中でもスペース的には或る程度限定される。
このためコントロールシャフトの軸方向において前記他の部分の材質による熱膨張率を支配的にすることが容易となる。
請求項12に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項1〜11のいずれかにおいて、前記仲介駆動機構は、前記コントロールシャフトの係合部に支持されたコントロールピンに係合されて前記コントロールシャフトの軸方向移動に連動して移動する前記バルブ特性操作部と、前記バルブ特性操作部と第1スプライン機構を介して係合することにより前記カム側からのバルブ駆動力を受けて前記バルブ特性操作部に伝達する入力部と、前記バルブ特性操作部と第2スプライン機構を介して係合することにより前記バルブ特性操作部からのバルブ駆動力を伝達されて前記バルブ側へ出力する出力部とを備え、前記第1スプライン機構と前記第2スプライン機構とのねじれ角が異なることにより、前記コントロールシャフトの軸方向移動により前記入力部と前記出力部との相対的位置関係が変更されることでバルブ特性を調節することを特徴とする。
仲介駆動機構は上述したごとくの構成を挙げることができ、コントロールシャフトの駆動によりバルブ特性を調節することができる。そしてこのような仲介駆動機構を用いた可変動弁機構において、コントロールシャフトが前述した構成であることにより、コントロールシャフトの強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項13に記載の内燃機関の可変動弁機構は、内燃機関のシリンダヘッドに備えられたカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達する仲介駆動機構と、該仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合して該バルブ特性操作部を軸方向に移動することでバルブ特性を調節するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトをバルブ特性調節のために軸方向に移動するアクチュエータとを備えた内燃機関の可変動弁機構であって、前記バルブはラッシュアジャスタによりバルブクリアランスが調節されるとともに、気筒間で前記ラッシュアジャスタにおけるリークダウン特性に差を設けたことにより、気筒毎に設けられた前記仲介駆動機構に対する前記コントロールシャフトと前記シリンダヘッドとの熱膨張率差により生じる気筒間のバルブ特性のばらつきを抑制したことを特徴とする。
ラッシュアジャスタは、定荷重が加えられた場合に内部の作動油の漏れによる沈み込みを生じる現象であるリークダウン特性を有している。このリークダウン特性が小さければ仲介駆動機構から伝達されるバルブ駆動量に対応するバルブ作用角やバルブリフト量などのバルブ特性は大きいが、リークダウン特性が大きくなるにしたがってバルブ駆動量に対応するバルブ特性は小さくなる。
このリークダウン特性によるバルブ特性変化の感度は作動油の粘度に関係し、作動油の粘度が高ければ内部の作動油の漏れ量が少なくなることにより、リークダウン特性によるバルブ特性変化の感度は低くなる。すなわちラッシュアジャスタ間にリークダウン特性の差が存在しても、作動油が高粘度であるとリークダウン特性の差がバルブ特性の差に現れにくくなり、作動油が低粘度になるとリークダウン特性の差がバルブ特性の差に現れ易くなる。
このため本発明のごとく、気筒毎に設けられた仲介駆動機構に対するコントロールシャフトとシリンダヘッドとの熱膨張率差により生じるバルブ特性のばらつきを抑制できるように気筒間でリークダウン特性に差を設けることで、内燃機関の暖機時においては、熱膨張率差は問題なくなる。
しかも熱膨張率差によるバルブ特性のばらつきが生じていない内燃機関の冷間時においては、低温のため作動油は高粘度であるので、リークダウン特性に差が有っても実際にはリークダウン特性によるバルブ特性の差は生じにくくなる。
このためコントロールシャフトとシリンダヘッドとに熱膨張率差が有っても、内燃機関の全温度領域においてバルブ特性のばらつきが生じるのを抑制できる。
このことにより本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項14に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項13において、前記熱膨張率差により、高温側で相対的にバルブ特性としてのバルブ作用角又はバルブリフト量が大きくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタのリークダウン特性を、高温側で相対的にバルブ作用角又はバルブリフト量が小さくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタよりも大きくすることを特徴とする。
より具体的には、上述したごとくのリークダウン特性のラッシュアジャスタが各気筒に配置されることにより、内燃機関の低温時にはリークダウン特性の差がバルブ特性に現れるのが抑制され、高温時にはリークダウン特性の差により気筒間のバルブ特性の同一性を維持できる。
このことにより本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項15に記載の内燃機関の可変動弁機構は、内燃機関のシリンダヘッドに備えられたカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達する仲介駆動機構と、該仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合して該バルブ特性操作部を軸方向に移動することでバルブ特性を調節するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトをバルブ特性調節のために軸方向に移動するアクチュエータとを備えた内燃機関の可変動弁機構であって、前記バルブはラッシュアジャスタによりバルブクリアランスが調節されるとともに、気筒毎に前記ラッシュアジャスタに対する供給油圧を内燃機関温度に応じて調節することにより、気筒毎に設けられた前記仲介駆動機構に対する前記コントロールシャフトと前記シリンダヘッドとの熱膨張率差により生じる気筒間のバルブ特性のばらつきを抑制することを特徴とする。
ラッシュアジャスタへの供給油圧を高めると同じリークダウン特性であってもリークダウン量が少なくなりバルブ特性を大きくでき、供給油圧を低めるとリークダウン量は大きくなりバルブ特性は小さくできる。このため気筒毎にラッシュアジャスタに対する供給油圧を内燃機関温度に応じて調節することにより、気筒毎に設けられた仲介駆動機構に対するコントロールシャフトとシリンダヘッドとの熱膨張率差により生じるバルブ特性のばらつきを、内燃機関の全温度領域において抑制することができる。
このことにより本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
請求項16に記載の内燃機関の可変動弁機構では、請求項15において、前記熱膨張率差により、高温側で相対的にバルブ特性としてのバルブ作用角又はバルブリフト量が大きくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタへの供給油圧を、高温側で相対的にバルブ作用角又はバルブリフト量が小さくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタへの供給油圧よりも、内燃機関温度に応じて小さくすることを特徴とする。
より具体的には、上述したごとくに各気筒に設けられたラッシュアジャスタへの供給油圧を調節することにより、低温時においても高温時においても気筒間のバルブ作用角又はバルブリフト量のばらつきを抑制できる。
このことにより本発明の内燃機関の可変動弁機構は、コントロールシャフトの強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
[実施の形態1]
図1は、内燃機関としてのガソリンエンジン(以下、「エンジン」と略す)2における可変動弁機構の構成を示している。図1は1つの気筒における縦断面を表している。図2はエンジン2の上部を主として示す平面図である。
エンジン2は車両走行駆動用として車両に搭載されているものである。このエンジン2は、シリンダブロック4、ピストン6及びシリンダブロック4上に取り付けられたシリンダヘッド8等を備えている。尚、このエンジン2においては、シリンダブロック4、ピストン6及びシリンダヘッド8は軽合金系材料としてのアルミニウム合金材料にて成形されている。
シリンダブロック4には、複数の気筒、本実施の形態では4つの気筒2aが形成され、各気筒2aには、シリンダブロック4、ピストン6及びシリンダヘッド8にて区画された燃焼室10が形成されている。各燃焼室10には、それぞれ2つの吸気バルブ12及び2つの排気バルブ16の4バルブが配置されている。吸気バルブ12は吸気ポート14を、排気バルブ16は排気ポート18を開閉する。
各気筒2aの吸気ポート14は吸気マニホールド内に形成された吸気通路を介してサージタンクに接続され、エアクリーナを介してサージタンクから空気を各気筒2aに供給している。更に各気筒2aの吸気ポート14に燃料を噴射するように各吸気通路にはそれぞれフューエルインジェクタが配置されている。尚、このように吸気バルブ12の上流側にて燃料噴射するエンジン以外に、直接各燃焼室10内に燃料を噴射する筒内噴射型ガソリンエンジンを用いることもできる。
本実施の形態では、吸気バルブ12のバルブリフト量の変化により吸入空気量を調節しているので、サージタンク上流の吸気通路にはスロットルバルブは配置されていない。ただし補助的なスロットルバルブを配置しても良い。このような補助用スロットルバルブを配置した場合には、例えば、エンジン2の始動時に補助用スロットルバルブを全開にし、エンジン2の停止時に補助用スロットルバルブを全閉にする制御を行う。そして、例えば後述する仲介駆動機構120が異常となった場合には補助用スロットルバルブの開度制御により吸入空気量を制御する。
吸気バルブ12のリフト駆動は、シリンダヘッド8に配置された仲介駆動機構120及びローラロッカーアーム52を介して、吸気カムシャフト45に設けられた吸気カム45aからのバルブ駆動力が、吸気バルブ12に伝達されることにより可能となっている。このバルブ駆動力伝達において、スライドアクチュエータ100と付勢機構102と出力のバランスに応じてコントロールシャフト132が軸方向に移動し、このことにより仲介駆動機構120による伝達状態が調節されてバルブリフト量が可変となっている。尚、吸気カムシャフト45は、一端に設けられたタイミングスプロケット(タイミングギアやタイミングプーリでも良い)とタイミングチェーン47を介してエンジン2のクランクシャフト49の回転と連動している。
各気筒2aの排気バルブ16は、エンジン2の回転に連動して回転する排気カムシャフト46に設けられた排気カム46aにより、ローラロッカーアーム54を介して一定のバルブリフト量で開閉されている。そして各気筒2aの各排気ポート18は排気マニホルドに連結され、排気を触媒コンバータを介して外部に排出している。
電子制御ユニット(以下、ECUと称する)60は、デジタルコンピュータを中心に構成され、双方向性バスを介して相互に接続されたCPU、ROM、RAM、各種ドライバー回路、入力ポート及び出力ポート等の構成を備えている。ECU60の入力ポートへは、アクセル開度ACCP、エンジン回転NE、吸入空気量GA、エンジン冷却水温度THW、空燃比AF、基準クランク角G2等の各信号が入力されている。
更に、本実施の形態では、ECU60は、スライドアクチュエータ100においてボールネジシャフト100eの軸方向移動位置を検出するためのシャフト位置センサ100dからシャフト位置信号SLが入力されている。
ECU60の出力ポートは、駆動回路を介して各フューエルインジェクタに接続され、ECU60はエンジン2の運転状態に応じて各フューエルインジェクタの開弁制御を行い、燃料噴射時期制御や燃料噴射量制御を実行している。その他、点火時期制御などの各種制御を実行している。
更に、本実施の形態では、ECU60は、スライドアクチュエータ駆動回路62へ駆動信号Dsを出力することで、スライドアクチュエータ100を介してコントロールシャフト132の軸方向位置を調節し、このことで吸気バルブ12のバルブリフト量を目標値に制御している。
スライドアクチュエータ100は、モータ100a、ギア部100b及びボールネジ部100cから構成されている。モータ100aはスライドアクチュエータ駆動回路62からの給電制御により回転方向と回転量とが調節される。そしてこの回転がギア部100bにより減速されてボールネジ部100cに伝達され、コントロールシャフト132側に軸力を伝達するボールネジシャフト100eがモータ100aの回転方向に応じた軸方向に、モータ100aの回転量に応じた移動量で移動する。
ECU60はシャフト位置センサ100dにて検出されるボールネジシャフト100eの軸方向移動位置がエンジン2の運転状態に応じて設定される目標バルブリフト量を実現する位置となるように、駆動信号Dsによりモータ100aの回転方向と回転量とを調節する。このことにより吸入空気量が調節される。
次に仲介駆動機構120について説明する。図3は仲介駆動機構120の斜視図を、図4は部分破断斜視図を示している。尚、図4の(A)は図3と同方向(正面側)から見た部分破断斜視図、図4の(B)は背面側から見た部分破断斜視図である。又、図5は分解斜視図、図6は図4に対応する仲介駆動機構120の外側部分の構成を示す破断斜視図である。
仲介駆動機構120は、図示中央に設けられた入力部122、入力部122の一端側に設けられた第1揺動カム124、第1揺動カム124とは反対側に設けられた第2揺動カム126及び内部に配置されたスライダギア128を備えている。
入力部122のハウジング122aは内部に軸方向に空間を形成し、この空間の内周面には軸方向に右ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン122bを形成している。又、ハウジング122aの外周面からは平行な2つのアーム122c,122dが突出して形成されている。これらアーム122c,122dの先端には、ハウジング122aの軸方向と平行なシャフト122eが掛け渡され、ローラ122fが回転可能に取り付けられている。尚、図1に示したごとくローラ122fは、スプリング122gの付勢力がアーム122c,122dあるいはハウジング122aに与えられていることにより、吸気カム45a側に常に接触するようにされている。このスプリング122gは、入力部122とシリンダヘッド8あるいは支持パイプ130との間に設けられている。
第1揺動カム124のハウジング124aは、内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン124bを形成している。又、このハウジング124aの内部空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部124cにて一端が覆われている。また外周面からは略三角形状のノーズ124dが突出して形成されている。このノーズ124dの一辺は凹状に湾曲するカム面124eを形成している。
第2揺動カム126のハウジング126aは、内部に軸方向に空間を形成し、この内部空間の内周面には軸方向に左ネジの螺旋状に形成されたヘリカルスプライン126bを形成している。又、このハウジング126aの内部空間は径の小さい中心孔を有するリング状の軸受部126cにて一端が覆われている。また外周面からは略三角形状のノーズ126dが突出して形成されている。このノーズ126dの一辺は凹状に湾曲するカム面126eを形成している。
これらの第1揺動カム124および第2揺動カム126は、図5に示したごとく軸受部124c,126cを外側にして、入力部122に対して両側から各端面を同軸上で接触させるように配置され、全体が図3に示したごとく内部空間を有する略円柱状となる。
入力部122及び2つの揺動カム124,126から構成される内部空間には、スライダギア128が配置されている。スライダギア128の詳細を図7〜9に示す。図7の(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は右側面図である。図8は斜視図、図9は軸に沿って垂直に破断した場合の破断斜視図を示している。
スライダギア128は略円柱状をなし、外周面中央には右ネジの螺旋状に形成された入力用ヘリカルスプライン128aが形成されている。この入力用ヘリカルスプライン128aの一端側には小径部128bを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第1出力用ヘリカルスプライン128cが形成されている。第1出力用ヘリカルスプライン128cとは反対側には小径部128dを挟んで左ネジの螺旋状に形成された第2出力用ヘリカルスプライン128eが形成されている。尚、これら出力用ヘリカルスプライン128c,128eは入力用ヘリカルスプライン128aに対して外径が小さく形成されている。
スライダギア128の内部には中心軸方向に貫通孔128fが形成されている。そして入力用ヘリカルスプライン128aの位置で、貫通孔128fの内周面には周方向に周溝128gが形成されている。この周溝128gには一カ所にて径方向に外部に貫通するピン挿入孔128hが形成されている。
スライダギア128の貫通孔128f内には、図10(A)の斜視図に一部分を示している支持パイプ130が周方向に摺動可能に配置される。図2に示したごとく、この支持パイプ130は全仲介駆動機構120に共通の1本が設けられている。支持パイプ130には各仲介駆動機構120に対応する位置に軸方向に長く形成された長孔130aが開口している。
更に支持パイプ130内には、図10(B)の斜視図に一部分を示しているコントロールシャフト132が、図10(C)に示すごとく軸方向に摺動可能に貫通して配置されている。このコントロールシャフト132の全体図を図11の斜視図に示す。コントロールシャフト132は、4本の係合部132cと4本の連結シャフト132dとから構成されている。これら係合部132cと連結シャフト132dとは別体に構成されて、支持パイプ130内に交互にそれぞれ端面を当接した状態で配置されることで、コントロールシャフト132が形成されている。
この内、係合部132cと連結シャフト132dとは、同径のシャフトであるが、係合部132cは連結シャフト132dに比較して可成り短く形成されている。係合部132cは鋳鋼、鋳鉄などの鉄系材料からなり、高強度の材質である。連結シャフト132dはシリンダヘッド8と同じくアルミニウム合金材料からなる。
各連結シャフト132dは丸棒状に形成されたものであるが、各係合部132cは図10(B)に示したごとく軸直角方向の支持穴132bが設けられている。この支持穴132bにはそれぞれコントロールピン132aの基端部が挿入されることにより、コントロールピン132aが軸直角方向に突出するように支持されている。尚、コントロールピン132aは係合部132cと同じく鋳鋼、鋳鉄などの鉄系材料からなり、高強度の材質である。
そしてコントロールシャフト132が支持パイプ130の内部に配置されている状態では、各コントロールピン132aの先端は、支持パイプ130に形成されている軸方向の長孔130aを貫通し、図12の部分破断図に示すごとくスライダギア128の内周面に形成されている周溝128gに挿入されている。
図11に示したごとく、コントロールシャフト132の一端側の連結シャフト132dは、スライドアクチュエータ100側のボールネジシャフト100eにより軸方向での駆動力を受ける。そしてコントロールシャフト132の他端側の係合部132cは、付勢機構102(図2)の内部に設けられた押圧スプリング102aにより、スプリングシート102bに設けられている押圧シャフト102c及び補助シャフト133を介して、スライドアクチュエータ100側への付勢力を与えられている。
尚、吸気カム45aの駆動力を仲介する際に、4つの仲介駆動機構120は、内部のスプライン機構により各コントロールピン132aを介して、コントロールシャフト132に対して、付勢機構102方向への軸力を生じさせている。押圧スプリング102aの付勢力は、これら4つの仲介駆動機構120から生じている全軸力よりも少し大きく設定されている。
したがってコントロールシャフト132全体を付勢機構102側(矢印L方向)へ移動させる場合には、スライドアクチュエータ100は、押圧スプリング102aの付勢力の内で仲介駆動機構120が生じている全軸力よりも大きい部分の付勢力に抗してボールネジシャフト100eを移動させることになる。又、逆方向(矢印H方向)へコントロールシャフト132を移動させる場合には、スライドアクチュエータ100は前記付勢力に対抗するボールネジシャフト100eの駆動力を弱める、あるいは逆方向の駆動力とする。このことで前記付勢力を利用してコントロールシャフト132を移動させることになる。
このようにボールネジシャフト100eを、付勢機構102側(矢印L方向)へ移動させた場合は、補助シャフト133を介して付勢機構102から与えられる付勢力により、4本の係合部132cと4本の連結シャフト132dとは当接状態を維持したまま付勢機構102側へ移動する。このことにより入力部122と揺動カム124,126とが形成している各仲介駆動機構120の内部空間内において、各係合部132cのコントロールピン132aが係止している全てのスライダギア128を、ボールネジシャフト100eの移動量と同じ移動量で、L方向(図4)へ移動させることができる。
逆に、前記付勢力に対抗する力を弱めることにより、あるいは逆方向の駆動力によりボールネジシャフト100eを押圧スプリング102aの付勢方向と同じ側(矢印H方向)へ移動させた場合も同様である。すなわち前記付勢力により4本の係合部132cと4本の連結シャフト132dとは当接状態を維持したままスライドアクチュエータ100側へ移動する。このことにより各仲介駆動機構120の内部空間内において、各係合部132cのコントロールピン132aが係止している全てのスライダギア128を、ボールネジシャフト100eの移動量と同じ移動量で、H方向(図4)へ移動させることができる。
このように4本の係合部132cと4本の連結シャフト132dとを別体に形成して支持パイプ130内で単に端面を当接した状態とされたコントロールシャフト132であっても、常に付勢機構102により端面の当接状態が維持されるので各スライダギア128を同じ移動量で移動させることができる。
このように各スライダギア128はコントロールシャフト132の移動により軸方向位置が決定される。しかし図12に示したごとく、各スライダギア128は周溝128gにてコントロールピン132aに係止されているので、軸周りについてはコントロールピン132aの位置に関わらず揺動可能となっている。
スライダギア128内では、入力用ヘリカルスプライン128aは入力部122内部のヘリカルスプライン122bに噛み合わされている。そして第1出力用ヘリカルスプライン128cは第1揺動カム124内部のヘリカルスプライン124bに噛み合わされ、第2出力用ヘリカルスプライン128eは第2揺動カム126内部のヘリカルスプライン126bに噛み合わされている。
そして各仲介駆動機構120は、図2に示したごとく、揺動カム124,126の軸受部124c,126c側にてシリンダヘッド8に設けられた軸受136に接触し、2つの軸受136の間に挟まれて、軸周りには揺動可能であるが軸方向に移動するのが阻止されている。このためコントロールシャフト132がスライダギア128を軸方向に移動させても、入力部122及び揺動カム124,126は軸方向に移動することはない。
このため仲介駆動機構120の内部空間内でスライダギア128の軸方向移動量を調節することにより、ヘリカルスプライン128a,122b,128c,124b,128e,126bの機能により、入力部122と揺動カム124,126との位相差を変更できる。そしてこのことにより、ローラ122fとノーズ124d,126dとの位置関係を変更することができる。
尚、可変動弁機構の取り付けは次のように行われる。すなわち支持パイプ130内に、図11に示した配列で交互に連結シャフト132dと係合部132cとを挿入する。そして図5に示すごとく4つのスライダギア128の貫通孔128fに支持パイプ130を挿入して、各長孔130aの位置にそれぞれスライダギア128を配置する。そして、スライダギア128のピン挿入孔128hから長孔130aを介して支持穴132bにコントロールピン132aの基端部を挿入する。そして支持パイプ130とコントロールシャフト132との一体物と、スライダギア128とを相対的に回転させることにより、コントロールピン132aをピン挿入孔128hの位相位置から十分に離れた位相位置に配置する。このことによりスライダギア128が支持パイプ130とコントロールシャフト132との一体物に対して相対的に揺動してもコントロールピン132aが支持穴132bから脱落しないようにする。その後、入力部122と揺動カム124,126とをスライダギア128に組み合わせる。
そして図2に示したごとくシリンダヘッド8上に配置して固定し、コントロールシャフト132の一端側にスライドアクチュエータ100を取り付ける。更にコントロールシャフト132の他端側に補助シャフト133を配置して、この補助シャフト133を押圧シャフト102cにて押圧するようにして、軸受136に付勢機構102を取り付ける。このように構成することにより、前述したごとくスライドアクチュエータ100によりローラ122fとノーズ124d,126dとの位置関係を変更でき、このことで吸気バルブ12のバルブリフト量を調節できる。
ここで図13は、スライドアクチュエータ100の駆動力を調節して、ボールネジシャフト100eにて、付勢機構102の付勢力に抗してコントロールシャフト132を最大限L方向(図3,4の矢印)へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。図13(A)が閉弁時、図13(B)が開弁時である。この場合には入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの相対的位置関係が最も近い状態となる。このため、図13(B)に示すごとく吸気カム45aが最大限に入力部122のローラ122fを押し下げても、ノーズ124d,126dのカム面124e,126eによるロッカーローラ52aの押し下げ量は最小となり、吸気バルブ12のバルブリフト量は最小となる。したがって吸気ポート14から燃焼室10内への吸入空気量も最小限の状態となる。
図14は、スライドアクチュエータ100の駆動力を調節して、ボールネジシャフト100eを付勢機構102の付勢力と同方向に移動させ、付勢機構102の付勢力を利用してコントロールシャフト132を最大限H方向(図3,4の矢印)へ移動させた場合の仲介駆動機構120の状態を示している。図14(A)が閉弁時、図14(B)が開弁時である。この場合には入力部122のローラ122fと揺動カム124,126のノーズ124d,126dとの相対的位置関係が最も遠い状態となる。このため、図14(B)に示すごとく吸気カム45aが最大限に入力部122のローラ122fを押し下げた時には、ノーズ124d,126dのカム面124e,126eによるロッカーローラ52aの押し下げ量は最大となり、吸気バルブ12のバルブリフト量は最大となる。したがって吸気ポート14から燃焼室10内への吸入空気量も最大限の状態となる。
このようにスライドアクチュエータ100と付勢機構102との協働によりコントロールシャフト132の軸方向位置を調節することで、図13の状態と図14の状態との間で連続的に吸気バルブ12のバルブリフト量を調節できる。このことによりスロットルバルブによることなく、吸入空気量の調節が可能となる。
そしてこのようなコントロールシャフト132の軸方向位置調節において、図15の縦断面図に示すごとく、コントロールピン132aはスライダギア128の周溝128gから、矢印で示した方向の反力を交互に、あるいは強弱のある反力を繰り返し受ける。このためにコントロールピン132a及びこれを支持している支持穴132bが形成されている係合部132cには、鉄系材料を用いている。そして前記反力の影響を直接受けない連結シャフト132dにはアルミニウム合金材料を用いている。ここでは補助シャフト133は連結シャフト132dと同じくアルミニウム合金材料であるが、鉄系材料でも良い。
尚、前記図13(B)に示したごとく吸気バルブ12のバルブリフト量の最小状態は或る程度の開度が存在したが、バルブリフト量「0」すなわち吸気バルブ12を完全に閉じたままにしても良く、この場合には吸入空気量は「0」となる。
上述した構成において、請求項との関係は、スライダギア128がバルブ特性操作部に相当し、スライドアクチュエータ100がアクチュエータに相当し、付勢機構102が付勢手段に相当する。揺動カム124,126が出力部に相当し、入力部122のヘリカルスプライン122bとスライダギア128の入力用ヘリカルスプライン128aとの組み合わせが第1スプライン機構に相当する。揺動カム124,126のヘリカルスプライン124b,126bとスライダギア128のヘリカルスプライン128c,128eとの組み合わせが第2スプライン機構に相当する。ここで第1スプライン機構は右ネジタイプであり、第2スプライン機構は左ネジタイプであるので、ねじれ角が異なる。
以上説明した本実施の形態1によれば、以下の効果が得られる。
(イ).コントロールシャフト132においては、スライダギア128にコントロールピン132aにて係合する係合部132cは、前述したごとく強度が要求されるので高強度の鉄系材料が用いられている。そしてコントロールシャフト132の他の部分、すなわち連結シャフト132dでは、係合部132cほどの強度は必要ないので、シリンダヘッド8と同じアルミニウム合金材料を用いている。このためコントロールシャフト132全体を鉄系材料とする場合よりも、コントロールシャフト132の熱膨張率をシリンダヘッド8に近づけることができる。具体的には鉄系材料の線膨張係数(線膨張率)は10〜12×10-6(1/℃)程度であるが、アルミニウム合金材料の線膨張係数は24〜25×10-6(1/℃)程度である。したがって鉄系材料のみをコントロールシャフト132に用いた場合に比較し、コントロールシャフト132の熱膨張率をシリンダヘッド8に近づけることができる。
このため温度雰囲気が変化してもシリンダヘッド8上の各部材間隔(ここでは各軸受136とスライドアクチュエータ100の取り付け位置との間隔)と、スライドアクチュエータ100からコントロールシャフト132の各係合部132cまでの距離との関係に変化が生じにくくなる。すなわちシリンダヘッド8に対する係合部132cの位置ずれが抑制される。
本実施の形態の場合には、係合部132cの軸方向長さは、連結シャフト132dよりも十分に短く、コントロールシャフト132全体の長さの10〜20%程度である。このためコントロールシャフト132全体の熱膨張率は、アルミニウム合金材料のみを用いた場合と大きな差はなく、前記温度雰囲気変化による影響は極めて小さくなる。
そしてコントロールシャフト132の係合部132cでは鉄系材料が用いられていることにより、前述したごとく係合部132cにおける強度が十分に維持され、係合部132cの部分でコントロールシャフト132が変形することが防止される。
このことにより本実施の形態の可変動弁機構は、コントロールシャフト132の強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
(ロ).スライドアクチュエータ100が配置されている端部側とは反対側の端部で、付勢機構102が補助シャフト133を介してコントロールシャフト132をスライドアクチュエータ100側に向けて付勢している。このためコントロールシャフト132は係合部132cと連結シャフト132dとを一体にして形成する必要はなく、別体でも係合部132cと連結シャフト132dとは常に端面にて当接した状態にある。したがってスライドアクチュエータ100は、常に係合部132cと連結シャフト132dとの当接状態を維持してコントロールシャフト132を軸方向に移動させることができる。このように材質の異なる係合部132cと連結シャフト132dとを接合する必要が無いので、コントロールシャフト132の製造が容易となる。
係合部132cと連結シャフト132dとは丸棒状であり、各端面は平面状である。更に係合部132cについては丸穴状の支持穴132bを形成するのみであって、形状が単純である。そして係合部132cと連結シャフト132dとの各長さを高精度に形成すればコントロールピン132aの位置が正確に設定できるようになることからも、コントロールシャフト132の製造が容易である。
しかもコントロールシャフト132の長さの調節や、エンジンによりコントロールシャフト132の長さを変更する場合にも、長さの異なる連結シャフト132dに取り替えるのみで適用可能であるので、係合部132cが共通化できコントロールシャフト132の製造コストを抑制できる。
(ハ).付勢機構102の押圧スプリング102aは、4つの仲介駆動機構120が発生する軸力に対抗して、この軸力よりも少し大きい付勢力をコントロールシャフト132に与えている。このためスライドアクチュエータ100は小さい出力でも、係合部132cと連結シャフト132dとの当接状態を維持したまま、コントロールシャフト132の軸方向位置を調節することができる。
したがって可変動弁機構の駆動時の消費エネルギーも抑制することができるとともに、モータ100aも小型のものが採用可能であるので、エンジン2の小型化や軽量化に貢献できる。
[実施の形態2]
本実施の形態のコントロールシャフト232は、図16に示すごとく4つの係合部232c−1〜232c−4と4つの連結シャフト232d−1〜232d−4とからなる。この内、連結シャフト232d−1〜232d−4にはシリンダヘッド8の材質よりも熱膨張率の大きい材質の材料を用いている。そして鉄系材料からなる係合部232c−1〜232c−4との組み合わせにより、コントロールシャフト232全体でシリンダヘッド8の熱膨張率と略同一の熱膨張率となるように設計されていることを特徴としている。尚、コントロールピン232a−1〜232a−4は鉄系材料である。他の構成は前記実施の形態1と同じであるので同一の符号を用いて説明する。
ここで、係合部232c−1〜232c−4に線膨張係数がa(1/℃)の鉄系材料、連結シャフト232d−1〜232d−4に線膨張係数がb(1/℃)のアルミニウム合金材料、シリンダヘッド8に線膨張係数がc(1/℃)のアルミニウム合金材料を用いているものとする。ここで、a<c<bとなるように連結シャフト232d−1〜232d−4の材質を選択する。
このようにするとシャフト位置センサ100dが設けられているスライドアクチュエータ100に最も近いコントロールピン232a−1の位置での合成された線膨張係数d1は図17のグラフに実線にて示すごとくとなる。
ここで図16に示したごとく、x1=連結シャフト232d−1の長さ、y1/2=係合部232c−1の長さy1の内で連結シャフト232d−1との当接面からコントロールピン232a−1までの長さとすると、RX:RY=x1:(y1/2)の関係になる。
したがってx1:(y1/2)を調節することにより、線膨張係数d1を、シリンダヘッド8の線膨張係数cに一致させることができる。
ここで「RX/RY」を線膨張係数a,b,cを用いて表すと、「(c−a)/(b−c)」となるので、次の式1の関係が成立する。
(c−a)/(b−c) = x1/(y1/2) … [式1]
上記式1からx1を導くと次式2のごとくとなる。
x1 = y1×(c−a)/2×(b−c) … [式2]
スライドアクチュエータ100に最も近い仲介駆動機構120とスライドアクチュエータ100との距離を反映した値(x1+y1/2)がLであるとすると、次式3のごとくy1が表される。
y1 = 2(L−x1) … [式3]
したがって前記式2のy1に上記式3の右辺を代入すると、次式4に示すごとくx1が決定し、更に次式5のごとくy1も決定する。
x1 = L(c−a)/(b−a) … [式4]
y1 = 2L(b−c)/(b−a) … [式5]
同様にしてスライドアクチュエータ100側から2番目のコントロールピン232a−2の位置での合成された線膨張係数d2についても図17のグラフと同様である。ここでx2=連結シャフト232d−2の長さ、y2/2=係合部232c−2の長さy2の内で連結シャフト232d−2との当接面からコントロールピン232a−2までの長さとすると、RX:RY=x1+x2:(y1+y2/2)の関係になる。
したがって次式6の関係が成立する。
(c−a)/(b−c) = (x1+x2)/(y1+y2/2) …[式6]
上記式6からx2を導くと次式7のごとくとなる。
x2 = {(y1+y2/2)×(c−a)/(b−c)}−x1
… [式7]
x1,y1は前記式4,5で決定している。そして仲介駆動機構120間の距離(y1/2+x2+y2/2)がMであるとするとすると、次式8のごとくy2が表される。
y2 = 2(M−y1/2−x2) … [式8]
したがって前記式7のy2に上記式8の右辺を代入して、次式9に示すごとくx2が決定する。
x2={(y1/2+M)(c−a)−x1(b−c)}/(b−a)
… [式9]
x2が決定されたので、更に、y2についても前記式8から決定される。
同様にしてスライドアクチュエータ100側から3番目のコントロールピン232a−3の位置での合成された線膨張係数d3についても図17のグラフと同様である。ここでx3=連結シャフト232d−3の長さ、y3/2=係合部232c−3の長さy3の内で連結シャフト232d−3との当接面からコントロールピン232a−3までの長さとすると、RX:RY=x1+x2+x3:(y1+y2+y3/2)の関係になる。
したがって次式10の関係が成立する。
(c−a)/(b−c) = (x1+x2+x3)/(y1+y2+y3/2)
… [式10]
上記式10からx3を導くと次式11のごとくとなる。
x3={(y1+y2+y3/2)×(c−a)/(b−c)}−(x1+x2)
… [式11]
x1,x2,y1,y2は前記式4,5,8,9で決定している。そして仲介駆動機構120間の距離(y2/2+x3+y3/2)はMであるので、次式12のごとくy3が表される。
y3 = 2(M−y2/2−x3) … [式12]
したがって前記式11のy3に上記式12の右辺を代入して、次式13に示すごとくx3が決定する。
x3={(y1+y2/2+M)(c−a)−(x1+x2)(b−c)}/(b−a)
… [式13]
x3が決定されたので、更にy3についても前記式12から決定される。
同様にしてスライドアクチュエータ100側から4番目のコントロールピン232a−4の位置での合成された線膨張係数d4についても図17のグラフと同様である。ここでx4=連結シャフト232d−4の長さ、y4/2=係合部232c−4の長さy4の内で連結シャフト232d−4との当接面からコントロールピン232a−4までの長さとすると、RX:RY=x1+x2+x3+x4:(y1+y2+y3+y4/2)の関係になる。
したがって次式14の関係が成立する。
(c−a)/(b−c) =
(x1+x2+x3+x4)/(y1+y2+y3+y4/2)
… [式14]
上記式14からx4を導くと次式15のごとくとなる。
x4={(y1+y2+y3+y4/2)×(c−a)/(b−c)}
−(x1+x2+x3) … [式15]
x1,x2,x3,y1,y2,y3は前記式4,5,8,9,12,13で決定している。そして仲介駆動機構120間の距離(y3/2+x4+y4/2)はMであるので、次式16のごとくy4が表される。
y4 = 2(M−y3/2−x4) … [式16]
したがって上記式15のy4に上記式16の右辺を代入して、次式17に示すごとくx4が決定する。
x4={(y1+y2+y3/2+M)(c−a)−(x1+x2+x3)(b−c)}
/(b−a)
… [式17]
x4が決定されたので、更にy4についても前記式16から決定される。
このようにして連結シャフト232d−1〜232d−4と係合部232c−1〜232c−4との全ての長さx1〜x4,y1〜y4が決定される。そして、この長さx1〜x4,y1〜y4の連結シャフト232d−1〜232d−4と係合部232c−1〜232c−4とを形成して、前記実施の形態1にて説明したごとくに可変動弁機構のコントロールシャフト232として組み込む。このことにより、シリンダヘッド8の熱膨張率とコントロールシャフト232の熱膨張率とは略同一となり、雰囲気温度が変化しても仲介駆動機構120に対する駆動制御にずれを生じさせることが防止できる。
以上説明した本実施の形態2によれば、以下の効果が得られる。
(イ).係合部232c−1〜232c−4の材質と長さ、及び連結シャフト232d−1〜232d−4の材質と長さを上述のごとく設定することで、コントロールシャフト232全体の熱膨張率を、シリンダヘッド8の熱膨張率と略同一にしている。したがって温度雰囲気が変化してもシリンダヘッド8に対する係合部232c−1〜232c−4の位置ずれが防止される。
そしてこれら係合部232c−1〜232c−4では鉄系材料が用いられていることにより、係合部232c−1〜232c−4における強度が維持され、係合部232c−1〜232c−4でコントロールシャフト232が変形することが防止される。
このことにより本実施の形態の可変動弁機構は、コントロールシャフト232の強度を維持して、かつ一層高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
(ロ).前記実施の形態1の(ロ)、(ハ)の効果を生じる。
[実施の形態3]
本実施の形態では、図18の(A)に示すごとくコントロールシャフト282は1本のシャフト本体282dを備えている。シャフト本体282dは、シリンダヘッドと同一の材料、あるいはシリンダヘッドの熱膨張率と略同一のアルミニウム合金材料で一体に形成されている。
図18の(B)に示すごとく、シャフト本体282dには軸方向に長い矩形長穴282eが気筒数分、形成されて、この矩形長穴282eの内部空間と同一形状に形成されている係合部282cが埋設状態で収納されている。
係合部282cには支持穴282bが形成されており、図19の断面図に示すごとくコントロールピン282aの基部が挿入されて支持されている。係合部282c及びコントロールピン282aは共に高強度の鉄系材料が用いられている。
このようなコントロールシャフト282全体が前記実施の形態1にて説明した支持パイプに収納されている。そして各係合部282cは、支持しているコントロールピン282aを介して前記実施の形態1にて説明した仲介駆動機構のスライダギアに係合する。そして図11に示したごとくコントロールシャフト282の両側にはスライドアクチュエータと付勢機構とが配置されることで、前記実施の形態1に説明したごとく吸気バルブのバルブ特性を変更することができる。他の構成は前記実施の形態1と同じである。
以上説明した本実施の形態3によれば、以下の効果が得られる。
(イ).係合部282cは、スライダギアに対してコントロールピン282aを介して係合すると共に、コントロールピン282aを支持するためにコントロールシャフト282においてコントロールピン282aの周辺のみに設けられている。
したがってコントロールシャフト282における他の部分に相当するシャフト本体282dは、係合部282cを矩形長穴282eにて埋設状態で支持することで、シャフト本体282dの全てを一体に形成できる。このようにコントロールシャフト282は軸方向においてシャフト本体282dの材質の連続性が維持されている。
このシャフト本体282dは、係合部282cほどの強度は必要ないので、シリンダヘッドと同一の材料、あるいはシリンダヘッドの熱膨張率と略同一のアルミニウム合金材料を用いることができる。このためコントロールシャフト282全体はシャフト本体282dの熱膨張率が支配的となり、コントロールシャフト282の熱膨張率をシリンダヘッドと略同一にすることができる。
したがって温度雰囲気が変化してもシリンダヘッドに対する係合部282cの位置ずれが効果的に抑制される。そして係合部282cでは鉄系材料が用いられていることにより、強度が十分に維持され、係合部282cの部分でコントロールシャフト282が変形することが防止される。
このことにより本実施の形態の可変動弁機構は、コントロールシャフト282の強度を維持しつつ、高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
したがって前記実施の形態1の(イ)の効果を、より高めることができる。
(ロ).前記実施の形態1の(ハ)の効果を生じる。
[実施の形態4]
本実施の形態では、図20の斜視図に示すごとくコントロールシャフト302は全体が1本の鉄系材料から形成されている。ボールネジシャフト302bもここではコントロールシャフト302に一体化されている。したがってコントロールシャフト302の強度上の問題は存在しない。各コントロールピン302aも鉄系材料にて形成されている。エンジン側のシリンダヘッドについてはアルミニウム合金にて形成されている。尚、シリンダヘッドには他の実施の形態と同様にカムキャリアも含まれている。
コントロールシャフト302が可変動弁機構に組み込まれた状態を図21の斜視図に示す。尚、図21の例では各仲介駆動機構320は、前記実施の形態1とは基本的な構成は同じであるが配置が逆となっている。このことにより吸気カム345aによって仲介駆動機構320は前記実施の形態1とは逆方向に揺動するが、揺動によるバルブ駆動機能は同じである。吸気バルブ312の開閉状態を示すためにバルブシート314を各吸気バルブ312に対応してリング形状で示している。
この構成においてもボールネジシャフト302bがスライドアクチュエータにより図示矢印のH方向へ移動すると、ノーズ326dとローラ322fとが離れて、吸気バルブ312のバルブ特性(ここではバルブ作用角及びバルブリフト量の両者)は増大する。又、L方向へ移動するとノーズ326dとローラ322fとが近づいて、吸気バルブ312のバルブ作用角及びバルブリフト量は減少する。
本実施の形態においては吸気バルブ312のバルブクリアランスを調節しているラッシュアジャスタ350a,350b,350c,350dのリークダウン特性が各気筒毎に異なっている。ここでリークダウン特性とは、定荷重が加えられた場合にラッシュアジャスタ350a〜350d内部の作動油の漏れによる沈み込みを生じる特性である。リークダウン特性値が大きいほど、バルブ駆動時におけるローラロッカーアーム352に対するラッシュアジャスタ350a〜350dの支持部の沈み込み量(以下「リークダウン量」と称する)が大きくなる。このことによりコントロールシャフト302が同一のシャフト位置であっても、リークダウン特性値が大きいほど吸気バルブ312のバルブ作用角及びバルブリフト量は減少する。
各ラッシュアジャスタ350a〜350dのリークダウン特性値は、図22に示すごとく、第1気筒(以下「#1」で表示)のラッシュアジャスタ350aのリークダウン特性値LD1が最も大きくされている。そして第2気筒(以下「#2」で表示)のラッシュアジャスタ350b、第3気筒(以下「#3」で表示)のラッシュアジャスタ350c、第4気筒(以下「#4」で表示)のラッシュアジャスタ350dとなるに従ってリークダウン特性値LD2,LD3,LD4が小さく設定されている。
すなわち#1側ではコントロールシャフト302による調節量に比較してリークダウンによるバルブ作用角及びバルブリフト量の減少量は最大であり、#2,#3,#4に移行するに従って次第にリークダウンによる減少量は小さくされている。
ここで各仲介駆動機構320におけるボールネジシャフト302b側の端面321の軸方向位置が常温(例えば20℃)にてシム等にて調節されることにより、全気筒の吸気バルブ312のバルブ作用角及びバルブリフト量がばらつき無く同一となるようにされている。
このためエンジンの冷間時においては図23の(A)に示すごとく、シリンダヘッドとコントロールシャフト302との間の熱膨張率差によるバルブ作用角及びバルブリフト量の増加量は「0」で全気筒同一である。しかもこのような冷間時においては、油圧ポンプから各ラッシュアジャスタ350a〜350dに供給される作動油は温度が低いため高粘度である。このため図22のごとくにリークダウン特性に差が存在しても、実際のリークダウンによるバルブ作用角及びバルブリフト量の減少量は図23の(B)に示すごとく#1〜#4で大きな差はない。したがってスライドアクチュエータによる調節量と各気筒でのバルブ作用角及びバルブリフト量の関係は図24に示すごとく大きなばらつきは生じていない。
エンジンの暖機後においては図25の(A)に示すごとくシリンダヘッドとコントロールシャフト302との間の熱膨張率差によるバルブ作用角及びバルブリフト量の増加量は、#4,#3,#2,#1の順で大きくなり、#1と#4とでは大きく異なる。しかし暖機後は各ラッシュアジャスタ350a〜350dに供給される作動油は温度が高くなっているため低粘度となる。このため図22のごとくのリークダウン特性の感度が大きく出て、実際のリークダウンによるバルブ作用角及びバルブリフト量の減少量も図25の(B)に示すごとく#4,#3,#2,#1の順で大きくなり、#1と#4とでは大きな差を生じる。本実施の形態では、暖機後において生じる熱膨張率差によるバルブ作用角及びバルブリフト量の増加量と、リークダウンによるバルブ作用角及びバルブリフト量の減少量とは完全に相殺されて#1〜#4において増減量が「0」となるように設定されている。したがってスライドアクチュエータによる調節量と各気筒でのバルブ作用角及びバルブリフト量の関係は図26に示すごとく完全に一致してばらつきは生じない。
尚、比較例として、各ラッシュアジャスタ350a〜350dに全く同じリークダウン特性のものを用いた場合には、図27に示すごとく、暖機後にはスライドアクチュエータによる調節量と各気筒でのバルブ作用角及びバルブリフト量の関係は大きなばらつきを生じてしまう。もし、比較例のごとく全気筒同じリークダウン特性のラッシュアジャスタで、暖機後での一致をねらったとしても、逆に冷間時において大きなずれを生じてしまい、冷間時と暖機時とでの両立は不可能である。
以上説明した本実施の形態4によれば、以下の効果が得られる。
(イ).ラッシュアジャスタ350a〜350dは、リークダウン特性が小さければ仲介駆動機構320から伝達されるバルブ駆動量に対応するバルブ作用角及びバルブリフト量は大きいが、リークダウン特性が大きくなるにしたがってバルブ駆動量に対応するバルブ作用角及びバルブリフト量は小さくなる。
このリークダウン特性によるバルブ特性変化の感度は作動油の粘度に関係し、作動油の粘度が高ければラッシュアジャスタ350a〜350d内部の作動油の漏れ量が少なくなることにより、リークダウン特性によるバルブ特性変化の感度は低くなる。すなわちラッシュアジャスタ350a〜350d間にリークダウン特性の差が存在しても、作動油が高粘度であるとリークダウン特性の差がバルブ作用角及びバルブリフト量の差に現れにくくなり、作動油が低粘度になるとリークダウン特性の差がバルブ作用角及びバルブリフト量の差に現れ易くなる。
このため本実施の形態のごとく、各仲介駆動機構320に対するコントロールシャフト302とシリンダヘッドとの熱膨張率差により生じるバルブ作用角及びバルブリフト量のばらつきを抑制できるように気筒間でリークダウン特性に差を設けることで、エンジン暖機時においては、熱膨張率差は問題なくなる。
しかも熱膨張率差によるバルブ作用角及びバルブリフト量のばらつきが生じていないエンジン冷間時においては、低温のため作動油は高粘度であるので、リークダウン特性に差が有っても実際にはリークダウン特性によるバルブ作用角及びバルブリフト量の差は生じにくくなる。
このためコントロールシャフト302とシリンダヘッドとに熱膨張率差が有っても、エンジンの全温度領域においてバルブ作用角及びバルブリフト量のばらつきが生じるのを抑制できる。
このことにより本実施の形態の可変動弁機構は、コントロールシャフト302の強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
[実施の形態5]
本実施の形態では、前記実施の形態4と異なる点は図28に示す全気筒のラッシュアジャスタ450a,450b,450c,450dのリークダウン特性が全て同じである点である。そして各気筒毎のラッシュアジャスタ450a〜450dにはそれぞれに油圧調節機構448a,448b,448c,448dを介して作動油が、エンジン駆動の油圧ポンプ464から供給されている。他の構成については前記実施の形態4の図20,21に示した構成と基本的に同一である。
ここでラッシュアジャスタ450a〜450dのリークダウン特性が同じであっても、供給される油圧により図29に示すごとく、リークダウンによるバルブ作用角及びバルブリフト量の減少量は変化する。すなわち低油圧側ではリークダウン量が大きくなるためバルブ作用角及びバルブリフト量の減少量が大きくなり、高油圧側では逆にリークダウン量が小さくなるため前記減少量が小さくなる。
ECU460は、前記図29に示した現象を利用して、図30に示すごとくの油圧制御マップから、各気筒のラッシュアジャスタ450a〜450dに対する供給油圧値をエンジン温度(ここでは冷却水温センサ462から得られるエンジン冷却水温度THW)に基づいて算出している。
例えば、冷間時であれば#1〜#4までの全気筒に対して同一の供給油圧値(P4)が油圧制御マップ(図30)から得られる。したがってECU460は、全ての油圧調節機構448a〜448dに対して、油圧ポンプ464から各ラッシュアジャスタ450a〜450dへ供給される油圧が供給油圧値P4となるように制御信号を出力する。
そしてエンジン冷却水温度THWが上昇するに従って、油圧制御マップ(図30)から得られる供給油圧値は気筒毎に異なる値となる。最もスライドアクチュエータに近い側(ボールネジシャフト402b側)の#4のラッシュアジャスタ450dが最も供給油圧値が高く、次に#3のラッシュアジャスタ450c、次に#2のラッシュアジャスタ450b、次に#1のラッシュアジャスタ450aの順に供給油圧値が低くなる。そして暖機後においては、例えば図30に示すごとく、#1の供給油圧値=P1、#2の供給油圧値=P2、#3の供給油圧値=P3、#4の供給油圧値=P4となる。ここでP1<P2<P3<P4である。
このような供給油圧値P1〜P4の関係は、シリンダヘッドとコントロールシャフト402との熱膨張率差に応じた仲介駆動機構420によるバルブ作用角及びバルブリフト量の増加量を、リークダウンによるバルブ作用角及びバルブリフト量の減少量が相殺するように設定されている。
以上説明した本実施の形態5によれば、以下の効果が得られる。
(イ).図29に示したごとくラッシュアジャスタ450a〜450dへの供給油圧を高めるとリークダウン量が少なくなりバルブ作用角及びバルブリフト量を大きく維持でき、低めるとリークダウン量は大きくなりバルブ作用角及びバルブリフト量が小さくなる。
このことを利用して、ECU460では、シリンダヘッドとコントロールシャフト402との熱膨張率差によるバルブ作用角及びバルブリフト量の変化を防止するために、各ラッシュアジャスタ450a〜450dに対する供給油圧をエンジン温度(ここではエンジン冷却水温度THW)に応じて調節している。すなわち、図30に示した油圧制御マップにより、エンジン冷却水温度THWに応じて、#4側から#1側へ移行するに従ってラッシュアジャスタ450a〜450dへの供給油圧を小さくしている。
このように供給油圧を調節することにより、前記熱膨張率差により生じるバルブ作用角及びバルブリフト量のばらつきを、エンジンの全温度領域において抑制することができる。
このことにより本実施の形態の可変動弁機構は、コントロールシャフト402の強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
[実施の形態6]
本実施の形態では、前記実施の形態1と異なる構成は、図31に示すごとく、支持パイプ内に配置されているコントロールシャフト532の係合部532cと連結シャフト532dとの長さの関係が、等間隔に配置されている仲介駆動機構の各間で異なっている。
すなわち前記実施の形態1では、前記図11に示したごとく鋳鋼、鋳鉄などの鉄系材料からなる係合部132cは最低限の長さに形成し、シリンダヘッドと同じくアルミニウム合金材料からなる連結シャフト132dは最大限長く形成することにより、シリンダヘッド側との熱膨張率差をできるだけ小さくしていた。特に仲介駆動機構の各間では連結シャフト132dは同一の長さであった。
本実施の形態では、熱膨張率差に伴う全てのコントロールピン532aの位置ずれがバルブ特性の制御上許容できる範囲となり、かつできるだけ連結シャフト532dが短くなるように、係合部532cと連結シャフト532dとの長さ関係が設定されている。
まず、スライドアクチュエータにて軸方向移動及び軸方向位置検出がなされるボールネジシャフト500eの基端部500fから、#4のコントロールピン532a(#4)までの間における長さ関係R4は図32の(A)に示すごとくとなる。すなわち連結シャフト532d(#4)の長さa4と、残りのボールネジシャフト500e及び係合部532c(#4)が占める長さb4との関係は、コントロールピン532a(#4)における冷間時と暖機時とでのシリンダヘッド側との間のずれ量V4が許容ずれ量(一点鎖線)以下となるように設定されている。図32の(A)〜(D)においては、斜めの実線が、連結シャフト532dの長さの比率が低くなるに従ってずれ量が大きくなる状態を示している。図32全体において横軸がボールネジシャフト500eの基端部500fからの距離であり、斜めの破線はコントロールシャフトがすべて鋳鋼、鋳鉄などの鉄系材料からなる場合のずれ量である。
尚、本実施の形態では、ボールネジシャフト基端部500fから#4のコントロールピン532a(#4)までの間にて、連結シャフト532d(#4)は設けずに全てボールネジシャフト500eと係合部532c(#4)とで占めても良い。すなわち連結シャフト532d(#4)の長さa4=0(mm)であっても良い。
そして#4のコントロールピン532a(#4)から#3のコントロールピン532a(#3)までの間における長さ関係R3は、図32の(B)に示すごとくとなる。すなわち連結シャフト532d(#3)の長さa3と、残りの係合部532c(#3,#4)が占める長さb3との関係は、コントロールピン532a(#3)における冷間時と暖機時とでのシリンダヘッド側とのずれ量V3が、許容ずれ量以下となるように設定されている。尚、このずれ量V3には前記ずれ量V4が蓄積されている。又、本実施の形態では連結シャフト532d(#3)の長さa3は、連結シャフト532d(#4)の長さa4よりも長く設定されている。
更に、#3のコントロールピン532a(#3)から#2のコントロールピン532a(#2)までの間における長さ関係R2は、図32の(C)に示すごとくとなる。すなわち連結シャフト532d(#2)の長さa2と、残りの係合部532c(#2,#3)が占める長さb2との関係は、コントロールピン532a(#2)における冷間時と暖機時とでのシリンダヘッド側とのずれ量V2が、許容ずれ量以下となるように設定されている。このずれ量V2には前記ずれ量V3が蓄積されていると共に、連結シャフト532d(#2)の長さa2は連結シャフト532d(#3)の長さa3よりも長く設定されている。
更に、#2のコントロールピン532a(#2)から#1のコントロールピン532a(#1)までの間における長さ関係R1は、図32の(D)に示すごとくとなる。すなわち連結シャフト532d(#1)の長さa1と、残りの係合部532c(#1,#2)が占める長さb1との関係は、コントロールピン532a(#1)における冷間時と暖機時とでのシリンダヘッド側とのずれ量V1が、許容ずれ量以下となるように設定されている。このずれ量V1には前記ずれ量V2も蓄積されていると共に、連結シャフト532d(#1)の長さa1は連結シャフト532d(#2)の長さa2よりも長く設定されている。
そして#1のコントロールピン532a(#1)から付勢機構502までの構成についてはずれ量に関係ないのでアルミニウム合金材料からなる連結シャフトは設けられていない。
以上説明した本実施の形態6によれば、以下の効果が得られる。
(イ).連結シャフト532d(#1〜#4)の材質をシリンダヘッドと同一とし、係合部532c(#1〜#4)の材質をシリンダヘッドよりも小さい熱膨張率であるが高剛性の鋳鋼、鋳鉄などの鉄系材料としている。そして係合部532c(#1〜#4)と連結シャフト532d(#1〜#4)との長さ関係を、それぞれの位置での位置ずれ(V1〜V4)が許容範囲から外れないようにして、次第にスライドアクチュエータ側から離れるに従って連結シャフト532d(#1〜#4)が占める割合を高くしている。すなわち係合部532c(#1〜#4)に対する連結シャフト532d(#1〜#4)の長さの比率を、スライドアクチュエータ側から離れるに従って次第に大きくしている。特に、仲介駆動機構の各間では、スライドアクチュエータ側から離れるに従って次第に連結シャフト532d(#1〜#3)を長くしている(a3<a2<a1)。
請求項の他の部分に相当する連結シャフト532d(#1〜#4)に用いる材質は、熱膨張率が大きいことを考慮して選択した材質であるため、強度の点あるいはコストの点から長くすることができない場合がある。ここではシリンダヘッドと同じアルミニウム合金材料を用いているので、コスト的に不利であり、更に太さが制限されている連結シャフト532dでは強度的にも不利となる。
したがってコントロールシャフト532をシリンダヘッドの熱膨張率にできるだけ近づけようとするのではなく、各コントロールピン532aでの軸方向位置ずれを許容できる範囲に設定してなるべく連結シャフト532dの長さを短くする方が、強度的、コスト的に好ましい。
しかしスライドアクチュエータに近い方、すなわちボールネジシャフト500e側でこのように連結シャフト532d(#4あるいは#3)を短くした場合に、スライドアクチュエータから離れるに従ってコントロールピン532a位置での係合部532cの軸方向位置ずれが蓄積する。したがってスライドアクチュエータから離れても連結シャフト532dと係合部532cとの長さが同一の比率では係合部532cの軸方向位置ずれが許容範囲から外れるおそれがある。
本実施の形態では上述したごとく連結シャフト532d(#1〜#3)について、係合部532c(#1〜#3)に対する長さの比率を、スライドアクチュエータ側から離れるに従って次第に大きく設定している。実際には、連結シャフト532d(#4)と係合部532c(#4)との長さ関係も含めて、スライドアクチュエータ側から離れるに従って次第に大きく設定している。
したがって、各係合部532cについてコントロールピン532aでの軸方向位置ずれが許容範囲から外れるのを防止できると共に、コントロールシャフト532の強度低下及びコスト悪化を抑制することができる。
このことにより本実施の形態の可変動弁機構は、コントロールシャフト532の強度を維持して、かつ高精度なバルブ特性制御を可能とすることができる。
(ロ).前記実施の形態1の(ロ)、(ハ)の効果を生じる。
[その他の実施の形態]
(a).前記実施の形態1,2のコントロールシャフトにおいては、係合部と連結シャフトとは端面にて当接しただけの別体の状態であった。これ以外に、例えば図33に示すごとく、係合部632cと連結シャフト632dとに雄ネジ部633aと雌ネジ部633bとを形成して、係合部632cと連結シャフト632dとを螺合により一体化しても良い。あるいはその他の接合手法にて一体化しても良い。
更にスライドアクチュエータ100のボールネジシャフト100eと一体化すれば、付勢機構102を用いずに、スライドアクチュエータのみでコントロールシャフトの軸方向位置を調節することができる。尚、このように係合部、連結シャフト及びボールネジシャフトを一体化した場合も付勢機構102を用いてアシストしても良い。
(b).前記各実施の形態では軽合金系材料としてアルミニウム合金材料を用いたが、マグネシウム合金材料を用いても良い。
(c).スライドアクチュエータ100は、電動モータとボールネジとの組み合わせであったが、これに限らず油圧その他の駆動力源を用いたものでも良い。
(d).前記実施の形態3ではシャフト本体282dはコントロールシャフト282全体で一体に形成されていたが、図11に示したごとく気筒毎に別々に形成して端面を当接しても良い。又、図33にて示したごとく螺合により一体化しても良い。あるいはその他の接合手法にて一体化しても良い。
又、図18に示したような矩形長穴でなく他の形状の穴に係合部を配置しても良い。
(e).前記実施の形態6では、連結シャフトはシリンダヘッドと同じ材質であったが、シリンダヘッドとは異なる材質であって、係合部よりも熱膨張率が大きい材料を用いても良い。
実施の形態1としてのエンジン及び可変動弁機構の構成を説明する縦断面図。 同エンジンの平面図。 同可変動弁機構に用いられている仲介駆動機構の斜視図。 同仲介駆動機構の部分破断斜視図。 同仲介駆動機構の分解斜視図。 同仲介駆動機構の外側部分の破断斜視図。 同仲介駆動機構内に配置されるスライダギアの構成説明図。 同スライダギアの斜視図。 同スライダギアを軸に沿って垂直に破断した状態の斜視図。 同スライダギア内に貫通配置される支持パイプ及びコントロールシャフトの斜視図。 同コントロールシャフトの全体構成を示す斜視図。 前記仲介駆動機構の部分破断図。 同仲介駆動機構の動作説明図。 同仲介駆動機構の動作説明図。 同仲介駆動機構の動作における応力状態を示す縦断面図。 実施の形態2のコントロールシャフトの構成説明図。 同コントロールシャフトの長さ設定を説明するためのグラフ。 実施の形態3のコントロールシャフトの構成説明図。 実施の形態3のコントロールシャフトの断面図。 実施の形態4のコントロールシャフトの構成説明図。 実施の形態4の可変動弁機構の斜視図。 実施の形態4のラッシュアジャスタのリークダウン特性を示すグラフ。 実施の形態4の冷間時での熱膨張率差による作用角・リフト量の増加量とリークダウンによる作用角・リフト量の減少量とを示すグラフ。 実施の形態4の冷間時での各気筒におけるスライドアクチュエータによる調節量と作用角・リフト量との関係を示すグラフ。 実施の形態4の暖機後での熱膨張率差による作用角・リフト量の増加量とリークダウンによる作用角・リフト量の減少量とを示すグラフ。 実施の形態4の暖機後での各気筒におけるスライドアクチュエータによる調節量と作用角・リフト量との関係を示すグラフ。 比較例としての暖機後での各気筒におけるスライドアクチュエータによる調節量と作用角・リフト量との関係を示すグラフ。 実施の形態5の可変動弁機構の斜視図。 実施の形態5のラッシュアジャスタにおける油圧とリークダウンによる作用角・リフト量の減少量との関係を示すグラフ。 実施の形態5の油圧制御マップの構成説明図。 実施の形態6のコントロールシャフトの構成を示す斜視図。 実施の形態6での連結シャフトの長さ比率と軸方向位置ずれの変化を示すグラフ。 コントロールシャフトの他の構成例を示す部分破断図。
符号の説明
2…エンジン、2a…気筒、4…シリンダブロック、6…ピストン、8…シリンダヘッド、10…燃焼室、12…吸気バルブ、14…吸気ポート、16…排気バルブ、18…排気ポート、45…吸気カムシャフト、45a…吸気カム、46…排気カムシャフト、46a…排気カム、47…タイミングチェーン、49…クランクシャフト、52…ローラロッカーアーム、52a…ロッカーローラ、54…ローラロッカーアーム、60…ECU、62…スライドアクチュエータ駆動回路、100…スライドアクチュエータ、100a…モータ、100b…ギア部、100c…ボールネジ部、100d…シャフト位置センサ、100e…ボールネジシャフト、102…付勢機構、102a…押圧スプリング、102b…スプリングシート、102c…押圧シャフト、120…仲介駆動機構、122…入力部、122a…ハウジング、122b…ヘリカルスプライン、122c,122d…アーム、122e…シャフト、122f…ローラ、122g…スプリング、124…第1揺動カム、124a…ハウジング、124b…ヘリカルスプライン、124c…軸受部、124d…ノーズ、124e…カム面、126…第2揺動カム、126a…ハウジング、126b…ヘリカルスプライン、126c…軸受部、126d…ノーズ、126e…カム面、128…スライダギア、128a…入力用ヘリカルスプライン、128b…小径部、128c…第1出力用ヘリカルスプライン、128d…小径部、128e…第2出力用ヘリカルスプライン、128f…貫通孔、128g…周溝、128h…ピン挿入孔、130…支持パイプ、130a…長孔、132…コントロールシャフト、132a…コントロールピン、132b…支持穴、132c…係合部、132d…連結シャフト、133…補助シャフト、136…軸受、232…コントロールシャフト、232a−1〜232a−4…コントロールピン、232c−1〜232c−4…係合部、232d−1〜232d−4…連結シャフト、282…コントロールシャフト、282a…コントロールピン、282b…支持穴、282c…係合部、282d…シャフト本体、282e…矩形長穴、302…コントロールシャフト、302a…コントロールピン、302b…ボールネジシャフト、312…吸気バルブ、314…バルブシート、320…仲介駆動機構、321…端面、322f…ローラ、326d…ノーズ、345…吸気カムシャフト、345a…吸気カム、350a,350b,350c,350d…ラッシュアジャスタ、352…ローラロッカーアーム、402…コントロールシャフト、402b…ボールネジシャフト、420…仲介駆動機構、448a,448b,448c,448d…油圧調節機構、450a,450b,450c,450d…ラッシュアジャスタ、460…ECU、462…冷却水温センサ、464…油圧ポンプ、500e…ボールネジシャフト、500f…ボールネジシャフト基端部、502…付勢機構、532…コントロールシャフト、532a…コントロールピン、532c…係合部、532d…連結シャフト、632a…コントロールピン、632c…係合部、632d…連結シャフト、633a…雄ネジ部、633b…雌ネジ部。

Claims (16)

  1. 内燃機関のシリンダヘッドに備えられたカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達する仲介駆動機構と、該仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合して該バルブ特性操作部を軸方向に移動することでバルブ特性を調節するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトをバルブ特性調節のために軸方向に移動するアクチュエータとを備えた内燃機関の可変動弁機構であって、
    前記コントロールシャフトは、前記バルブ特性操作部に係合する係合部では材質が高強度の材料が用いられ、他の部分では前記係合部と異なる材質の材料によりコントロールシャフト全体の熱膨張率がシリンダヘッドの熱膨張率に近づけられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  2. 請求項1において、前記シリンダヘッドは軽合金系材料からなり、前記コントロールシャフトの係合部は鉄系材料からなり、前記コントロールシャフトの他の部分は軽合金系材料からなることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  3. 請求項2において、前記軽合金系材料は、アルミニウム合金材料又はマグネシウム合金材料であることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトの他の部分は前記シリンダヘッドと同一の材質であることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  5. 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトは、前記シリンダヘッドの熱膨張率と略同一となるように、前記係合部の材質と長さ及び前記他の部分の材質と長さが設定されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  6. 請求項1〜4のいずれかにおいて、前記シリンダヘッドは前記係合部よりも熱膨張率が大きいと共に、気筒毎に配置された前記仲介駆動機構に対して共通に設けられた前記コントロールシャフトにおける前記他の部分は前記係合部よりも熱膨張率が大きい材質であり、
    前記他の部分と前記係合部との長さ関係は、前記仲介駆動機構の各間にて、前記コントロールシャフトの熱膨張率が前記シリンダヘッドの熱膨張率より低く設定されていると共に、前記仲介駆動機構の各間での前記係合部に対する前記他の部分の長さの比率は、前記アクチュエータ側から離れるに従って次第に大きくされていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  7. 請求項6において、前記仲介駆動機構は略等間隔に配置されていると共に、前記仲介駆動機構の各間では、前記他の部分は前記アクチュエータ側から離れるに従って次第に長くされていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  8. 請求項1〜7のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトの係合部と前記コントロールシャフトの他の部分とは別体に形成されて軸上にて当接状態で配列されることで前記コントロールシャフトが構成され、該コントロールシャフトの一端に前記アクチュエータを備え、他端に前記アクチュエータ側にコントロールシャフトを付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  9. 請求項1〜5のいずれかにおいて、前記コントロールシャフトは軸方向において前記他の部分の材質の連続性が維持されていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  10. 請求項9において、前記他の部分は、全てが一体に形成され、前記係合部を埋設状態で支持していることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  11. 請求項9又は10において、前記係合部は、前記バルブ特性操作部に対してコントロールピンを介して係合すると共に、前記コントロールピンを支持するために前記コントロールシャフトにおいて前記コントロールピンの周辺に設けられていることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  12. 請求項1〜11のいずれかにおいて、前記仲介駆動機構は、前記コントロールシャフトの係合部に支持されたコントロールピンに係合されて前記コントロールシャフトの軸方向移動に連動して移動する前記バルブ特性操作部と、前記バルブ特性操作部と第1スプライン機構を介して係合することにより前記カム側からのバルブ駆動力を受けて前記バルブ特性操作部に伝達する入力部と、前記バルブ特性操作部と第2スプライン機構を介して係合することにより前記バルブ特性操作部からのバルブ駆動力を伝達されて前記バルブ側へ出力する出力部とを備え、前記第1スプライン機構と前記第2スプライン機構とのねじれ角が異なることにより、前記コントロールシャフトの軸方向移動により前記入力部と前記出力部との相対的位置関係が変更されることでバルブ特性を調節することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  13. 内燃機関のシリンダヘッドに備えられたカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達する仲介駆動機構と、該仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合して該バルブ特性操作部を軸方向に移動することでバルブ特性を調節するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトをバルブ特性調節のために軸方向に移動するアクチュエータとを備えた内燃機関の可変動弁機構であって、
    前記バルブはラッシュアジャスタによりバルブクリアランスが調節されるとともに、気筒間で前記ラッシュアジャスタにおけるリークダウン特性に差を設けたことにより、気筒毎に設けられた前記仲介駆動機構に対する前記コントロールシャフトと前記シリンダヘッドとの熱膨張率差により生じる気筒間のバルブ特性のばらつきを抑制したことを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  14. 請求項13において、前記熱膨張率差により、高温側で相対的にバルブ特性としてのバルブ作用角又はバルブリフト量が大きくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタのリークダウン特性を、高温側で相対的にバルブ作用角又はバルブリフト量が小さくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタよりも大きくすることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  15. 内燃機関のシリンダヘッドに備えられたカム側からのバルブ駆動力をバルブ側に伝達する仲介駆動機構と、該仲介駆動機構に設けられたバルブ特性操作部に係合して該バルブ特性操作部を軸方向に移動することでバルブ特性を調節するコントロールシャフトと、該コントロールシャフトをバルブ特性調節のために軸方向に移動するアクチュエータとを備えた内燃機関の可変動弁機構であって、
    前記バルブはラッシュアジャスタによりバルブクリアランスが調節されるとともに、気筒毎に前記ラッシュアジャスタに対する供給油圧を内燃機関温度に応じて調節することにより、気筒毎に設けられた前記仲介駆動機構に対する前記コントロールシャフトと前記シリンダヘッドとの熱膨張率差により生じる気筒間のバルブ特性のばらつきを抑制することを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
  16. 請求項15において、前記熱膨張率差により、高温側で相対的にバルブ特性としてのバルブ作用角又はバルブリフト量が大きくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタへの供給油圧を、高温側で相対的にバルブ作用角又はバルブリフト量が小さくなる側の気筒に設けられたラッシュアジャスタへの供給油圧よりも、内燃機関温度に応じて小さくすることを特徴とする内燃機関の可変動弁機構。
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