JP2006008835A - 粘着シート - Google Patents
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Abstract
【課題】柔軟性を有すると共に、耐擦傷性、耐候性、耐ガソリン性、白化性などの良好な基材フィルムを有し、曲面追従性、重ね貼り適性及び耐久性などに優れ、塗装代替用シートなどとして好適な粘着シートを提供する。
【解決手段】基材フィルムと、その一方の面に設けられた粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなる、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩を使用したフィルムを用いた粘着シートである。
【選択図】なし
【解決手段】基材フィルムと、その一方の面に設けられた粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなる、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩を使用したフィルムを用いた粘着シートである。
【選択図】なし
Description
本発明は粘着シートに関する。さらに詳しくは、本発明は、柔軟性を有すると共に、耐擦傷性、耐候性、耐ガソリン性、白化性などの良好なアイオノマー樹脂系フィルムからなる基材フィルムを有し、曲面追従性、重ね貼り適性及び耐久性などに優れ、塗装代替用シートなどとして好適な粘着シートに関するものである。
近年、塗装製品の生産性の向上や製造コストの低減を図るなどの目的で、塗装代替用粘着シートが多用されている。この塗装代替用粘着シートとしては、例えばショーウィンドや建造物などの装飾用シート、自動車やオートバイなどの装飾用ステッカー、自動車ドアサッシュ部の装飾用シート、各種表示・標識用のマーキングシートなどが挙げられる。この塗装代替用粘着シートは、一般に基材フィルムの一方の面に粘着剤層が設けられた構造を有している。
このような塗装代替用粘着シートの基材としては、貼付作業性の面から、曲面追従性などを有する軟質のものが好ましく、従来、カレンダー法やゾルキャスト法により得られた可塑化ポリ塩化ビニルを主成分とする軟質フィルム(以下、PVC系軟質フィルムと称す。)が多く使用されてきた。
しかしながら、このPVC系軟質フィルムを基材フィルムとする塗装代替用粘着シートは、気温が0℃前後の低温となるような冬季、又は30℃を超える高温となるような夏季に用いると、該粘着シートのモジュラスが大きく変化するため、作業性に問題があった。また、PVC系軟質フィルムは、大量の可塑剤を含むために、フィルムから粘着剤層へ可塑剤が移行し、経時的に粘着剤層の粘着力が低下したり、基材フィルムと粘着剤層との間の接着力が低下して、粘着シートが剥がれやすくなるという欠点があった。さらに、近年、環境問題の観点から、ハロゲンを含まない基材フィルムを用いた塗装代替用粘着シートが要求されている。
そこで、前記のような問題に対処するために、特定のポリプロピレン系樹脂を用いて得られた基材フィルムの片面に、粘着剤層が形成されてなるマーキングフィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなポリプロピレン系樹脂製フィルムを基材フィルムとする塗装代替用粘着シートは、以下に示すような欠点を有している。
塗装代替用粘着シートにおいては、その貼付製品は屋外で使用されることが多く、基材フィルムに対して、耐候性に優れることが要求され、また良好な耐擦傷性を有することが要求される。しかしながら、前記のマーキングフィルムに基材フィルムとして用いられるポリプロピレン系樹脂製フィルムは、耐候性及び耐擦傷性については十分に満足し得るものではない。
また、塗装代替用粘着シートを被着体に貼付する場合、用途によっては、継ぎ目境界部分で重ね貼りを必要とすることがある。しかしながら、前記のポリプロピレン系樹脂製フィルムは、非極性であって、表面エネルギーが低く、したがって、それを基材フィルムとする粘着シートにおいては自背面剥離強度が小さく、重ね貼り適性に劣るという問題を有している。
一方、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体を金属イオンで架橋した構造を有するアイオノマー樹脂からなるフィルムは、耐候性、耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性、耐シガレット性などに優れ、かつ良好な透明性を有することから、化粧版の表面保護層に用いることが試みられている。例えばアクリレート系樹脂シートを基材として、最上層にアイオノマー樹脂からなる層を有する化粧材が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このようなアイオノマー樹脂からなるフィルムは、柔軟性に富み、かつ前記のような好ましい性質を有するものの、PVC系軟質フィルムに比べて表面エネルギーが低く、したがって、該アイオノマー樹脂からなるフィルムを基材フィルムとする粘着シートは、自背面剥離強度が小さく、重ね貼りした場合に、容易に剥離してしまうという問題があった。
特開平8−20750号公報
特開平10−315422号公報
このような塗装代替用粘着シートの基材としては、貼付作業性の面から、曲面追従性などを有する軟質のものが好ましく、従来、カレンダー法やゾルキャスト法により得られた可塑化ポリ塩化ビニルを主成分とする軟質フィルム(以下、PVC系軟質フィルムと称す。)が多く使用されてきた。
しかしながら、このPVC系軟質フィルムを基材フィルムとする塗装代替用粘着シートは、気温が0℃前後の低温となるような冬季、又は30℃を超える高温となるような夏季に用いると、該粘着シートのモジュラスが大きく変化するため、作業性に問題があった。また、PVC系軟質フィルムは、大量の可塑剤を含むために、フィルムから粘着剤層へ可塑剤が移行し、経時的に粘着剤層の粘着力が低下したり、基材フィルムと粘着剤層との間の接着力が低下して、粘着シートが剥がれやすくなるという欠点があった。さらに、近年、環境問題の観点から、ハロゲンを含まない基材フィルムを用いた塗装代替用粘着シートが要求されている。
そこで、前記のような問題に対処するために、特定のポリプロピレン系樹脂を用いて得られた基材フィルムの片面に、粘着剤層が形成されてなるマーキングフィルムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このようなポリプロピレン系樹脂製フィルムを基材フィルムとする塗装代替用粘着シートは、以下に示すような欠点を有している。
塗装代替用粘着シートにおいては、その貼付製品は屋外で使用されることが多く、基材フィルムに対して、耐候性に優れることが要求され、また良好な耐擦傷性を有することが要求される。しかしながら、前記のマーキングフィルムに基材フィルムとして用いられるポリプロピレン系樹脂製フィルムは、耐候性及び耐擦傷性については十分に満足し得るものではない。
また、塗装代替用粘着シートを被着体に貼付する場合、用途によっては、継ぎ目境界部分で重ね貼りを必要とすることがある。しかしながら、前記のポリプロピレン系樹脂製フィルムは、非極性であって、表面エネルギーが低く、したがって、それを基材フィルムとする粘着シートにおいては自背面剥離強度が小さく、重ね貼り適性に劣るという問題を有している。
一方、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体を金属イオンで架橋した構造を有するアイオノマー樹脂からなるフィルムは、耐候性、耐擦傷性、耐薬品性、耐汚染性、耐シガレット性などに優れ、かつ良好な透明性を有することから、化粧版の表面保護層に用いることが試みられている。例えばアクリレート系樹脂シートを基材として、最上層にアイオノマー樹脂からなる層を有する化粧材が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
このようなアイオノマー樹脂からなるフィルムは、柔軟性に富み、かつ前記のような好ましい性質を有するものの、PVC系軟質フィルムに比べて表面エネルギーが低く、したがって、該アイオノマー樹脂からなるフィルムを基材フィルムとする粘着シートは、自背面剥離強度が小さく、重ね貼りした場合に、容易に剥離してしまうという問題があった。
本発明は、このような事情のもとで、柔軟性を有すると共に、耐擦傷性、耐候性、耐ガソリン性、白化性などの良好な基材フィルムを有し、曲面追従性、重ね貼り適性及び耐久性などに優れ、塗装代替用シートなどとして好適な粘着シートを提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、前記の優れた機能を有する粘着シートを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、アイオノマー樹脂系フィルムの特性に着目し、基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなるアイオノマー樹脂系フィルムを用いることにより、その目的を達成し得ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルムと、その一方の面に設けられた粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなる、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩を使用したフィルムを用いたことを特徴とする粘着シート、
(2)粘着剤層を構成する粘着剤が、極性基を有するポリマーからなる粘着成分を含むものである上記(1)項に記載の粘着シート、
(3)基材フィルムと粘着剤層との間にプライマー層を有する上記(1)又は(2)項に記載の粘着シート、
(4)ガス放電処理が、プラズマ放電処理又はコロナ放電処理である上記(1)、(2)又は(3)項に記載の粘着シート、
(5)ガス放電処理が、プラズマ放電処理であって、粘着剤層を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である上記(4)項に記載の粘着シート、
(6)基材フィルムを構成するエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩がナトリウム塩、亜鉛塩又はマグネシウム塩である上記(1)ないし(5)項のいずれかに記載の粘着シート、及び
(7)自背面剥離強度が10N/25mm以上である上記(1)ないし(6)項のいずれかに記載の粘着シート、
を提供するものである。
すなわち、本発明は、
(1)基材フィルムと、その一方の面に設けられた粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなる、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩を使用したフィルムを用いたことを特徴とする粘着シート、
(2)粘着剤層を構成する粘着剤が、極性基を有するポリマーからなる粘着成分を含むものである上記(1)項に記載の粘着シート、
(3)基材フィルムと粘着剤層との間にプライマー層を有する上記(1)又は(2)項に記載の粘着シート、
(4)ガス放電処理が、プラズマ放電処理又はコロナ放電処理である上記(1)、(2)又は(3)項に記載の粘着シート、
(5)ガス放電処理が、プラズマ放電処理であって、粘着剤層を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である上記(4)項に記載の粘着シート、
(6)基材フィルムを構成するエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩がナトリウム塩、亜鉛塩又はマグネシウム塩である上記(1)ないし(5)項のいずれかに記載の粘着シート、及び
(7)自背面剥離強度が10N/25mm以上である上記(1)ないし(6)項のいずれかに記載の粘着シート、
を提供するものである。
本発明によれば、基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなるアイオノマー樹脂系フィルムを用いることにより、柔軟性を有すると共に、耐擦傷性、耐候性、耐ガソリン性、白化性などの良好な基材フィルムを有し、曲面追従性、重ね貼り適性及び耐久性などに優れ、塗装代替用シートなどとして好適な粘着シートを提供することができる。
本発明の粘着シートにおいては、基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなる、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩を使用したフィルムが用いられる。
当該基材フィルムを構成するエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩は、いわゆるアイオノマー樹脂のことである。アイオノマー樹脂とは、一般に有機及び無機の成分が、共有結合とイオン結合によって結合されている樹脂を指す。本発明においては、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の分子間を金属イオンで架橋した樹脂が用いられる。
本発明において、基材フィルムに用いられるエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩としては、エチレン-アクリル酸共重合体系、エチレン-メタクリル酸共重合体系、あるいはエチレン−メタクリル酸又はエチレン−アクリル酸に第3成分として例えばアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等を重合させた3元共重合体、さらにはそれ以上の多元共重合体の金属塩樹脂も含まれる。
具体的には、エチレン−アクリル酸アイオノマー、エチレン−メタクリル酸アイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸プロピルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ブチルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ヘキシルアイオノマー、エチレン−アクリル酸−アクリル酸2−メチルプロピルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸2−メチルプロピルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸2−メチルブチルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸2−エチルブチルアイオノマー、エチレン-メタクリル酸−メタクリル酸2−メチルヘキシルアイオノマー等が挙げられる。
これらのアイオノマー樹脂において、共重合体の分子間の架橋に用いられる金属イオンとしては、例えばNa、K、Mg、Znなどのイオンが用いられる。
アイオノマー樹脂を得るには、例えば側鎖にカルボキシル基を有する前記のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体に、Na、K、Mg、Znなどの水酸化物、アルコレート、低級脂肪酸塩などを加えて酸基を中和する方法が挙げられる。これにより、分子鎖に沿って分布するカルボキシル陰イオンが分子間に存在する金属陽イオンと静電的に結合して一種の架橋を形成し、共重合体の分子間を金属イオンで架橋した構造のアイオノマー樹脂が得られる。
当該基材フィルムを構成するエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩は、いわゆるアイオノマー樹脂のことである。アイオノマー樹脂とは、一般に有機及び無機の成分が、共有結合とイオン結合によって結合されている樹脂を指す。本発明においては、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の分子間を金属イオンで架橋した樹脂が用いられる。
本発明において、基材フィルムに用いられるエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩としては、エチレン-アクリル酸共重合体系、エチレン-メタクリル酸共重合体系、あるいはエチレン−メタクリル酸又はエチレン−アクリル酸に第3成分として例えばアクリル酸エステルやメタクリル酸エステル等を重合させた3元共重合体、さらにはそれ以上の多元共重合体の金属塩樹脂も含まれる。
具体的には、エチレン−アクリル酸アイオノマー、エチレン−メタクリル酸アイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸プロピルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ブチルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸ヘキシルアイオノマー、エチレン−アクリル酸−アクリル酸2−メチルプロピルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸2−メチルプロピルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−アクリル酸2−メチルブチルアイオノマー、エチレン−メタクリル酸−メタクリル酸2−エチルブチルアイオノマー、エチレン-メタクリル酸−メタクリル酸2−メチルヘキシルアイオノマー等が挙げられる。
これらのアイオノマー樹脂において、共重合体の分子間の架橋に用いられる金属イオンとしては、例えばNa、K、Mg、Znなどのイオンが用いられる。
アイオノマー樹脂を得るには、例えば側鎖にカルボキシル基を有する前記のエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体に、Na、K、Mg、Znなどの水酸化物、アルコレート、低級脂肪酸塩などを加えて酸基を中和する方法が挙げられる。これにより、分子鎖に沿って分布するカルボキシル陰イオンが分子間に存在する金属陽イオンと静電的に結合して一種の架橋を形成し、共重合体の分子間を金属イオンで架橋した構造のアイオノマー樹脂が得られる。
当該基材フィルムにおいては、アイオノマー樹脂として、エチレン-メタクリル酸共重合体のナトリウム塩、亜鉛塩及びマグネシウム塩が性能の点から好ましく用いられる。また、当該基材フィルムには、前記のアイオノマー樹脂以外に、本発明の効果が損なわれない範囲で、他の熱可塑性樹脂やエラストマー、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、ポリメチルペンテン、エチレン-酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂、非晶質のポリエチレンテレフタレートやポリプチレンテレフタレートなどのポリエステル系樹脂、熱可塑性ポリウレタン、ポリブタジエンなどを含むことができる。この場合、当該基材フィルム中のアイオノマー樹脂の含有量は、好ましくは60重量%以上、より好ましくは80重量%以上である。
当該基材フィルムは、前記アイオノマー樹脂及び所望により用いられる前記他の熱可塑性樹脂や各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、着色剤、難燃剤などを含む樹脂組成物を調製し、押出し法、カレンダー法、インフレーション法などの適宜の方法でフィルム状に成形することにより、作製することができる。
このようにして得られた基材フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常30〜500μm程度である。この厚さが30μm以上であると、基材フィルムとしての十分な腰を有し、また貼付時の施工性も良好であり、一方500μm以下であると曲面追従性が良好であり、また反発力による剥がれが生じにくい。基材フィルムの好ましい厚さは50〜300μmであり、特に60〜200μmの範囲が好ましい。
本発明においては、この基材フィルムは、PVC系軟質フィルムに比べて表面エネルギーが低いため、その上に設けられる粘着剤層との密着性を向上させる目的で、また自背面剥離強度を高め、重ね貼り適性を向上させる目的で、その両面にガス放電処理が施される。
当該基材フィルムは、前記アイオノマー樹脂及び所望により用いられる前記他の熱可塑性樹脂や各種添加剤、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、着色剤、難燃剤などを含む樹脂組成物を調製し、押出し法、カレンダー法、インフレーション法などの適宜の方法でフィルム状に成形することにより、作製することができる。
このようにして得られた基材フィルムの厚さについては特に制限はないが、通常30〜500μm程度である。この厚さが30μm以上であると、基材フィルムとしての十分な腰を有し、また貼付時の施工性も良好であり、一方500μm以下であると曲面追従性が良好であり、また反発力による剥がれが生じにくい。基材フィルムの好ましい厚さは50〜300μmであり、特に60〜200μmの範囲が好ましい。
本発明においては、この基材フィルムは、PVC系軟質フィルムに比べて表面エネルギーが低いため、その上に設けられる粘着剤層との密着性を向上させる目的で、また自背面剥離強度を高め、重ね貼り適性を向上させる目的で、その両面にガス放電処理が施される。
このガス放電処理としては、例えばプラズマ放電処理及びコロナ放電処理などを用いることができる。このプラズマ放電処理やコロナ放電処理により、基材フィルムの表面が極性化され、表面エネルギーが大きくなり、粘着剤層との接着力や、自背面剥離強度を向上させることができる。
前記プラズマ放電処理としては、例えば以下に示す方法を採用することができる。
第一の方法として、基材フィルムをA4版程度の大きさに切り抜き、サンプル周囲をアルゴン・二酸化炭素の混合気体で満たす。続いて放電量1.9A×265Vのような条件にて1秒間程度グロー放電する。第二の方法として、長さ50m×幅3000mm程度の大きさの基材フィルムを分速20m程度で流す。この基材フィルムに対して、流量80L/分程度でアルゴン・二酸化炭素の混合気体を供給しつつ放電量700W程度にて連続してグロー放電を行う。
本発明においては、特に上記第二の方法の条件でプラズマ放電処理を行うことが望ましい。
一方、コロナ放電処理は、例えば以下に示す方法を採用することができる。
高電圧発生機に接続した電極と、ポリエステルフィルム、ハイパロン、EPラバーなどでカバーした金属ロール間に0.5〜0.6mm程度の間隔を設け、数百KC/sの高周波で数千〜数万Vの高電圧をかけると、間隙に高圧コロナが発生する。この間隙に基材フィルムを一定の速度で走らせると、フィルム表面にコロナを生成したオゾン、酸化窒素などが反応してカルボニル基などが生じて親水化する。処理の程度は間隙、電圧、消費電流、被覆厚、フィルムの通過速度で決まる。
このコロナ放電処理は空気中で行うことができるが、窒素、酸素、水素、二酸化炭素、塩素、アルゴン、ヘリウム、三フッ化硼素、ブチンジオール、アクリロニトリルなどを含む不活性ガス中で、行うのが有利である。
本発明においては、後述の粘着剤層として、アクリル系粘着剤を用いる場合、基材フィルムとの接着性の点から、特にプラズマ放電処理を基材フィルムの両面に施すことが好ましい。
前記プラズマ放電処理としては、例えば以下に示す方法を採用することができる。
第一の方法として、基材フィルムをA4版程度の大きさに切り抜き、サンプル周囲をアルゴン・二酸化炭素の混合気体で満たす。続いて放電量1.9A×265Vのような条件にて1秒間程度グロー放電する。第二の方法として、長さ50m×幅3000mm程度の大きさの基材フィルムを分速20m程度で流す。この基材フィルムに対して、流量80L/分程度でアルゴン・二酸化炭素の混合気体を供給しつつ放電量700W程度にて連続してグロー放電を行う。
本発明においては、特に上記第二の方法の条件でプラズマ放電処理を行うことが望ましい。
一方、コロナ放電処理は、例えば以下に示す方法を採用することができる。
高電圧発生機に接続した電極と、ポリエステルフィルム、ハイパロン、EPラバーなどでカバーした金属ロール間に0.5〜0.6mm程度の間隔を設け、数百KC/sの高周波で数千〜数万Vの高電圧をかけると、間隙に高圧コロナが発生する。この間隙に基材フィルムを一定の速度で走らせると、フィルム表面にコロナを生成したオゾン、酸化窒素などが反応してカルボニル基などが生じて親水化する。処理の程度は間隙、電圧、消費電流、被覆厚、フィルムの通過速度で決まる。
このコロナ放電処理は空気中で行うことができるが、窒素、酸素、水素、二酸化炭素、塩素、アルゴン、ヘリウム、三フッ化硼素、ブチンジオール、アクリロニトリルなどを含む不活性ガス中で、行うのが有利である。
本発明においては、後述の粘着剤層として、アクリル系粘着剤を用いる場合、基材フィルムとの接着性の点から、特にプラズマ放電処理を基材フィルムの両面に施すことが好ましい。
本発明においては、当該基材フィルムの粘着剤層が設けられる側の面に、粘着剤層と基材フィルムとの密着性をさらに向上させる目的で、必要に応じプライマー層を設けることができる。このプライマー層を構成するプライマーの種類は特に限定されないが、基材フィルムとの密着性に十分留意して選択するのがよく、アイオノマー樹脂と化学的な結合を生成し得る材料を使用することが好ましい。具体的には、イソシアネート系硬化剤を含有する2液反応型ウレタン系樹脂を主成分とする樹脂を使用すると、硬化剤に含まれるイソシアネート基が、アイオノマー樹脂に含まれる未架橋のカルボキシル基等の活性水素基と反応して、化学的に強固な結合を形成し、優れた密着性が得られるので非常に好適である。
このプライマー層の形成方法は特に限定されず、従来公知の任意の塗工方法を適宜使用して形成することができる。具体的には、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコート法、キスコート法、スプレーコート法、ダイコート法等を用いることができる。プライマー層の厚さは、通常1〜10μm程度、好ましくは1〜5μmである。
本発明の粘着シートにおいて、基材フィルムの一方の面に設けられる粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はないが、極性基を有するポリマーからなる粘着成分を含むものが好ましい。このような粘着剤としては、アクリル系粘着剤やウレタン系粘着剤などを挙げることができるが、特にアクリル系粘着剤が、前記プライマー層が所望の機能を効果的に発揮し得る点から好ましい。
このアクリル系粘着剤は、重量平均分子量50万〜200万程度、好ましくは70〜170万のアクリル系樹脂を含み、かつ架橋処理されたものが好適である。重量平均分子量が上記範囲にあれば、粘着力及び保持力のバランスがとれた粘着シートが得られる。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
このプライマー層の形成方法は特に限定されず、従来公知の任意の塗工方法を適宜使用して形成することができる。具体的には、グラビアコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、バーコート法、キスコート法、スプレーコート法、ダイコート法等を用いることができる。プライマー層の厚さは、通常1〜10μm程度、好ましくは1〜5μmである。
本発明の粘着シートにおいて、基材フィルムの一方の面に設けられる粘着剤層を構成する粘着剤としては特に制限はないが、極性基を有するポリマーからなる粘着成分を含むものが好ましい。このような粘着剤としては、アクリル系粘着剤やウレタン系粘着剤などを挙げることができるが、特にアクリル系粘着剤が、前記プライマー層が所望の機能を効果的に発揮し得る点から好ましい。
このアクリル系粘着剤は、重量平均分子量50万〜200万程度、好ましくは70〜170万のアクリル系樹脂を含み、かつ架橋処理されたものが好適である。重量平均分子量が上記範囲にあれば、粘着力及び保持力のバランスがとれた粘着シートが得られる。
なお、上記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により測定したポリスチレン換算の値である。
前記アクリル系粘着剤に含まれるアクリル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステル系共重合体が用いられる。この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体としては、例えばエステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルと、所望により用いられる活性水素をもつ官能基を有する単量体と、他の単量体との共重合体を好ましく挙げることができる。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、所望により用いられる活性水素をもつ官能基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、エステル部分のアルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸エステルの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸パルミチル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一方、所望により用いられる活性水素をもつ官能基を有する単量体の例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなどのアクリルアミド類;(メタ)アクリル酸モノメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モノメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸モノエチルアミノプロピルなどの(メタ)アクリル酸モノアルキルアミノアルキル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸などのエチレン性不飽和カルボン酸などが挙げられる。これらの単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、所望により用いられる他の単量体の例としては酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;塩化ビニル、ビニリデンクロリドなどのハロゲン化オレフィン類;スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;ブタジエン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル系単量体;N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN,N−ジアルキル置換アクリルアミド類などが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
該アクリル系粘着剤において、樹脂成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
該アクリル系粘着剤において、樹脂成分として用いられる(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は、その共重合形態については特に制限はなく、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のいずれであってもよい。
本発明においては、この(メタ)アクリル酸エステル系共重合体は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
該アクリル系粘着剤としては、架橋処理されたものが好ましく、この架橋処理に用いられる架橋剤としては特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
ここで、ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
本発明においては、この架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100重量部に対し、通常0.01〜20重量部、好ましくは、0.1〜10重量部の範囲で選定される。
該アクリル系粘着剤としては、架橋処理されたものが好ましく、この架橋処理に用いられる架橋剤としては特に制限はなく、従来アクリル系粘着剤において架橋剤として慣用されているものの中から、任意のものを適宜選択して用いることができる。このような架橋剤としては、例えばポリイソシアネート化合物、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ジアルデヒド類、メチロールポリマー、金属キレート化合物、金属アルコキシド、金属塩などが挙げられるが、ポリイソシアネート化合物が好ましく用いられる。
ここで、ポリイソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネートなど、及びそれらのビウレット体、イソシアヌレート体、さらにはエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ヒマシ油などの低分子活性水素含有化合物との反応物であるアダクト体などを挙げることができる。
本発明においては、この架橋剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、その使用量は、架橋剤の種類にもよるが、前記(メタ)アクリル酸エステル系共重合体100重量部に対し、通常0.01〜20重量部、好ましくは、0.1〜10重量部の範囲で選定される。
また、このアクリル系粘着剤には、所望により粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、軟化剤、シランカップリング剤、充填剤などを添加することができる。
本発明の粘着シートにおいては、粘着剤層上に剥離シートを設けることができる。また、前記粘着剤は、基材フィルムの片面に直接塗布して粘着剤層を設けてもよいし、剥離シート上に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けたのち、これを基材フィルムの片面に貼着し、該粘着剤層を転写してもよい。この場合、剥離シートは剥がすことなく、そのまま付着させておいて、該粘着シートの使用時に剥離してもよい。基材フィルムの片面に設けられる粘着剤層の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜60μm程度である。
粘着剤を基材フィルムの片面に直接塗布する方法、あるいは剥離シート上に塗布する方法としては、例えばナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの公知方法を採用することができる。
上記剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
本発明の粘着シートが適用される被着体としては特に制限はなく、例えば金属、塗装金属、ガラス、セラミックス、石材、木質材、プラスチック、紙類などのフィルム、シート、構造体などが挙げられる。これらの中で、特に塗装金属板に好適に使用される。
本発明の粘着シートは、柔軟性を有すると共に、耐擦傷性、耐候性、耐ガソリン性、白化性などの良好な基材フィルムを有し、曲面追従性、重ね貼り適性及び耐久性などに優れ、塗装代替用として好適であり、例えばショーウインドや建造物などの装飾用シート、自動車やオートバイなどの装飾用ステッカー、自動車ドアサッシュ部の装飾用シート、各種表示・標識用のマーキングシートなどとして用いられる。
本発明の粘着シートにおいては、粘着剤層上に剥離シートを設けることができる。また、前記粘着剤は、基材フィルムの片面に直接塗布して粘着剤層を設けてもよいし、剥離シート上に粘着剤を塗布して粘着剤層を設けたのち、これを基材フィルムの片面に貼着し、該粘着剤層を転写してもよい。この場合、剥離シートは剥がすことなく、そのまま付着させておいて、該粘着シートの使用時に剥離してもよい。基材フィルムの片面に設けられる粘着剤層の厚みは、通常5〜100μm、好ましくは10〜80μm、より好ましくは20〜60μm程度である。
粘着剤を基材フィルムの片面に直接塗布する方法、あるいは剥離シート上に塗布する方法としては、例えばナイフコート法、ロールコート法、バーコート法、ブレードコート法、ダイコート法、グラビアコート法などの公知方法を採用することができる。
上記剥離シートとしては、例えばグラシン紙、コート紙、キャストコート紙などの紙基材、これらの紙基材にポリエチレンなどの熱可塑性樹脂をラミネートしたラミネート紙、あるいはポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポリオレフィンフィルムなどのプラスチックフィルムに、シリコーン樹脂などの剥離剤を塗布したものなどが挙げられる。この剥離シートの厚さについては特に制限はないが、通常20〜150μm程度である。
本発明の粘着シートが適用される被着体としては特に制限はなく、例えば金属、塗装金属、ガラス、セラミックス、石材、木質材、プラスチック、紙類などのフィルム、シート、構造体などが挙げられる。これらの中で、特に塗装金属板に好適に使用される。
本発明の粘着シートは、柔軟性を有すると共に、耐擦傷性、耐候性、耐ガソリン性、白化性などの良好な基材フィルムを有し、曲面追従性、重ね貼り適性及び耐久性などに優れ、塗装代替用として好適であり、例えばショーウインドや建造物などの装飾用シート、自動車やオートバイなどの装飾用ステッカー、自動車ドアサッシュ部の装飾用シート、各種表示・標識用のマーキングシートなどとして用いられる。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、粘着シートの各特性は、以下に示す方法に従って求めた。
(a)耐ガソリン性
JIS Z 0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に基づき行う。まず、JIS G 4305に規定されるSUS304鋼板を耐水研磨紙にて算術平均粗さ(Ra)が0.05<Ra<0.40μm、研磨面の凹凸の最大高低差:Rmax<3μmとなるように研磨する。この表面をイソプロピルアルコールを染み込ませたガーゼにてよく洗浄し、乾いたガーゼで更によく拭く作業を3回繰り返す。洗浄後の鋼板を温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に5分間以上放置しておく。また、粘着シートを長さ40mm×幅50mmに切り抜いておく。
次に、切り抜いた粘着シートの剥離材を剥し、露出した粘着剤の面をJIS K 6253に規定するスプリング硬さ80±5Hs、厚さ6mmのゴム層で被覆された、幅約45mm、直径約95mm、質量2000±50gのローラを用いて、粘着材と鋼板の間に気泡が残らないように、圧着速さを約20mm/s、2往復にて鋼板に貼り付けて試験片を調製する。この試験片を、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。
続いて、温度23±2℃の環境下で50mlの無鉛ガソリンを金属製の容器の中に注ぎ、試験片を、粘着シートを取り付けた面を上にして静かに置く。この状態で1時間放置した後に試験片を取り出し、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。
このように試験処理が終わった後、粘着シートの寸法変化や変色、粘着シート端部の剥離の有無を確認する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:寸法変化や変色、粘着シート端部の剥離などなし。
×:寸法変化や変色、粘着シート端部の剥離などが発生。
(b)耐傷付き性
JIS L 0823−1971の摩擦に対する染色堅ろう度試験方法に準じて行った。摩擦試験機II型を使用し、摩擦用白綿布はJIS規格のカナキン3号を使用した。試験条件は、荷重0.98N、試験回数50往復で行った。
なお、粘着シート試験試料の評価基準は下記の基準に従って行った。
○:同条件で行ったPVCベースの粘着シート試験試料[リケンテクノス社製、商品名「NC1531」]と比較して、傷付き性について同等もしくは同等以上の場合。
×:同条件で行ったPVCベースの粘着シート試験試料[リケンテクノス社製、商品名「NC1531」]と比較して、傷付き性について同等以下の場合。
(c)耐候性
サンシャインウェザーメーター[スガ試験機(株)製、型名:「S−300」]において、放電電圧50V、放電電流60A、ブラックパネル温度63℃、槽内湿度50%、1サイクル時間120min(降雨時間18min)の条件で2000時間照射した際の粘着シート試験試料について、変色、退色、クラックなどの外観変化の有無を観察する。
なお、粘着シート試験試料の評価は下記の基準に従って行った。
○:変色、退色、クラックなどの外観変化がない。
△:やや、変色、退色、クラックなどの外観変化が見られる。
×:変色、退色、クラックなどの外観変化が大きい。
(d)白化性
まず、試験片を長さ100mm×幅10mmの大きさに切り抜き、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。続いて、試験片の剥離紙を除去し、引張り試験機[島津製作所社製「オートグラフAG−100A」]のチャック間に固定する。この際、チャック間の距離は50mmとする。試験片を固定した後、速さ50±5mm/分で連続して引き伸ばし、伸びが50%となった時点で粘着シートの変色の有無を確認する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:粘着シートの変色がない。
△:やや粘着シートの変色がある。
×:粘着シートの変色が大きい。
(e)重ね貼り性(自背面剥離強度)
JIS Z 0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に基づき行う。まず、JIS G 4305に規定されるSUS304鋼板を耐水研磨紙にて算術平均粗さ(Ra)が0.05<Ra<0.40μm、研磨面の凹凸の最大高低差:Rmax<3μmとなるように研磨する。この表面をイソプロピルアルコールを染み込ませたガーゼにてよく洗浄し、乾いたガーゼで更によく拭く作業を3回繰り返す。洗浄後の鋼板を温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に5分間以上放置しておく。また、粘着シートを長さ250mm×幅30mm、及び長さ200mm×幅25mmに切り抜いておく。
次に、長さ250mm×幅30mmに切り抜いた粘着シートの剥離材を剥し、露出した粘着剤の面をJIS K 6253に規定するスプリング硬さ80±5Hs、厚さ6mmのゴム層で被覆された、幅約45mm、直径約95mm、質量2000±50gのローラを用いて、粘着材と鋼板の間に気泡が残らないように、圧着速さを約20mm/s、2往復にて鋼板に貼り付ける。更に、長さ200mm×幅25mmに切り抜いた粘着シートの剥離材を剥し、露出した粘着剤の面を上記ローラを用いて、既に鋼板に貼り付けた粘着シートと粘着剤との間に気泡が残らないように、圧着速さを約20mm/s、2往復にて鋼板に貼り付けて試験片を調製する。この試験片を、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。
続いて、試験片の遊び部分を180度折り返し、約40mm剥した後、引張り試験機[島津製作所社製「オートグラフAG−100A」]のチャック間に固定する。試験片を固定した後、速さ300±30mm/分で連続して引き剥がし、20mm間隔で4ヶ所の引張り応力を測定した。4つの値の平均値を粘着力の値とする。
(f)長期重ね貼り性
6ヶ月間、室温にて保管した粘着シートを、上記(e)重ね貼り性試験と同様の手順で試験片を調製し、更に同様の方法で粘着力を測定する。
また、基材フィルムのプラズマ放電処理及びコロナ放電処理は、以下に示す方法に従って行った。
(1)プラズマ放電処理
長さ50m×幅300mmの基材フィルムを分速20mで流す。この基材フィルムに対して、流量80L/分でアルゴン・二酸化炭素の混合気体を供給しつつ放電量700Wにて連続してグロー放電を行う。
(2)コロナ放電処理
長さ50m×幅300mmの基材フィルムを分速20mで流す。この基材フィルムに対して、コロナ放電量を90W/m2/min、放電度を4.8W/cm2にて、連続してコロナ放電を行う。
なお、粘着シートの各特性は、以下に示す方法に従って求めた。
(a)耐ガソリン性
JIS Z 0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に基づき行う。まず、JIS G 4305に規定されるSUS304鋼板を耐水研磨紙にて算術平均粗さ(Ra)が0.05<Ra<0.40μm、研磨面の凹凸の最大高低差:Rmax<3μmとなるように研磨する。この表面をイソプロピルアルコールを染み込ませたガーゼにてよく洗浄し、乾いたガーゼで更によく拭く作業を3回繰り返す。洗浄後の鋼板を温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に5分間以上放置しておく。また、粘着シートを長さ40mm×幅50mmに切り抜いておく。
次に、切り抜いた粘着シートの剥離材を剥し、露出した粘着剤の面をJIS K 6253に規定するスプリング硬さ80±5Hs、厚さ6mmのゴム層で被覆された、幅約45mm、直径約95mm、質量2000±50gのローラを用いて、粘着材と鋼板の間に気泡が残らないように、圧着速さを約20mm/s、2往復にて鋼板に貼り付けて試験片を調製する。この試験片を、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。
続いて、温度23±2℃の環境下で50mlの無鉛ガソリンを金属製の容器の中に注ぎ、試験片を、粘着シートを取り付けた面を上にして静かに置く。この状態で1時間放置した後に試験片を取り出し、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。
このように試験処理が終わった後、粘着シートの寸法変化や変色、粘着シート端部の剥離の有無を確認する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:寸法変化や変色、粘着シート端部の剥離などなし。
×:寸法変化や変色、粘着シート端部の剥離などが発生。
(b)耐傷付き性
JIS L 0823−1971の摩擦に対する染色堅ろう度試験方法に準じて行った。摩擦試験機II型を使用し、摩擦用白綿布はJIS規格のカナキン3号を使用した。試験条件は、荷重0.98N、試験回数50往復で行った。
なお、粘着シート試験試料の評価基準は下記の基準に従って行った。
○:同条件で行ったPVCベースの粘着シート試験試料[リケンテクノス社製、商品名「NC1531」]と比較して、傷付き性について同等もしくは同等以上の場合。
×:同条件で行ったPVCベースの粘着シート試験試料[リケンテクノス社製、商品名「NC1531」]と比較して、傷付き性について同等以下の場合。
(c)耐候性
サンシャインウェザーメーター[スガ試験機(株)製、型名:「S−300」]において、放電電圧50V、放電電流60A、ブラックパネル温度63℃、槽内湿度50%、1サイクル時間120min(降雨時間18min)の条件で2000時間照射した際の粘着シート試験試料について、変色、退色、クラックなどの外観変化の有無を観察する。
なお、粘着シート試験試料の評価は下記の基準に従って行った。
○:変色、退色、クラックなどの外観変化がない。
△:やや、変色、退色、クラックなどの外観変化が見られる。
×:変色、退色、クラックなどの外観変化が大きい。
(d)白化性
まず、試験片を長さ100mm×幅10mmの大きさに切り抜き、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。続いて、試験片の剥離紙を除去し、引張り試験機[島津製作所社製「オートグラフAG−100A」]のチャック間に固定する。この際、チャック間の距離は50mmとする。試験片を固定した後、速さ50±5mm/分で連続して引き伸ばし、伸びが50%となった時点で粘着シートの変色の有無を確認する。
なお、評価は下記の基準に従って行った。
○:粘着シートの変色がない。
△:やや粘着シートの変色がある。
×:粘着シートの変色が大きい。
(e)重ね貼り性(自背面剥離強度)
JIS Z 0237の「粘着テープ・粘着シート試験方法」に基づき行う。まず、JIS G 4305に規定されるSUS304鋼板を耐水研磨紙にて算術平均粗さ(Ra)が0.05<Ra<0.40μm、研磨面の凹凸の最大高低差:Rmax<3μmとなるように研磨する。この表面をイソプロピルアルコールを染み込ませたガーゼにてよく洗浄し、乾いたガーゼで更によく拭く作業を3回繰り返す。洗浄後の鋼板を温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に5分間以上放置しておく。また、粘着シートを長さ250mm×幅30mm、及び長さ200mm×幅25mmに切り抜いておく。
次に、長さ250mm×幅30mmに切り抜いた粘着シートの剥離材を剥し、露出した粘着剤の面をJIS K 6253に規定するスプリング硬さ80±5Hs、厚さ6mmのゴム層で被覆された、幅約45mm、直径約95mm、質量2000±50gのローラを用いて、粘着材と鋼板の間に気泡が残らないように、圧着速さを約20mm/s、2往復にて鋼板に貼り付ける。更に、長さ200mm×幅25mmに切り抜いた粘着シートの剥離材を剥し、露出した粘着剤の面を上記ローラを用いて、既に鋼板に貼り付けた粘着シートと粘着剤との間に気泡が残らないように、圧着速さを約20mm/s、2往復にて鋼板に貼り付けて試験片を調製する。この試験片を、温度23±2℃、相対湿度50±5%の雰囲気中に30分間放置する。
続いて、試験片の遊び部分を180度折り返し、約40mm剥した後、引張り試験機[島津製作所社製「オートグラフAG−100A」]のチャック間に固定する。試験片を固定した後、速さ300±30mm/分で連続して引き剥がし、20mm間隔で4ヶ所の引張り応力を測定した。4つの値の平均値を粘着力の値とする。
(f)長期重ね貼り性
6ヶ月間、室温にて保管した粘着シートを、上記(e)重ね貼り性試験と同様の手順で試験片を調製し、更に同様の方法で粘着力を測定する。
また、基材フィルムのプラズマ放電処理及びコロナ放電処理は、以下に示す方法に従って行った。
(1)プラズマ放電処理
長さ50m×幅300mmの基材フィルムを分速20mで流す。この基材フィルムに対して、流量80L/分でアルゴン・二酸化炭素の混合気体を供給しつつ放電量700Wにて連続してグロー放電を行う。
(2)コロナ放電処理
長さ50m×幅300mmの基材フィルムを分速20mで流す。この基材フィルムに対して、コロナ放電量を90W/m2/min、放電度を4.8W/cm2にて、連続してコロナ放電を行う。
実施例1
厚さ100μmのアイオノマー樹脂系フィルム[三井・デュポンポリケミカル社製、商品名「ハイミラン1605」にオレフィン系黒MB添加品、金属イオン:一価のナトリウム陽イオン]の両面にプラズマ放電処理を施した。
一方、片面にシリコーン樹脂を塗布した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[ユニチカ社製、商品名「エンブレットSC」]のシリコーン樹脂塗布面に、アクリル系粘着剤溶液[総研化学社製、商品名「SKダイン1310」]を塗布し、100℃で1分間乾燥処理して、厚さ30μmの粘着剤層を設けた。
次に、この粘着剤層付き剥離シートを、前記アイオノマー樹脂フィルムの片面に、粘着剤層が接するように貼着し、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
実施例2
実施例1において、プラズマ放電処理の代わりに、コロナ放電処理を、基材フィルムの両面に施した以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、基材フィルムの粘着剤層を設ける側の面に、ポリウレタン系プライマー[トクシキ社製、商品名「AD265」]を乾燥厚さが3μmになるように設けた以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
実施例4
実施例3において、プラズマ放電処理の代わりに、コロナ放電処理を、基材フィルムの両面に施した以外は、実施例3と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例1
実施例1において、基材フィルムの粘着剤層が設けられる側の面のみプラズマ放電処理した以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、基材フィルムの粘着剤層を設ける側の面にのみにプラズマ放電処理したのち、ポリウレタン系プライマー[トクシキ社製、商品名「AD265」]を乾燥厚さが3μmになるように設け、その上に粘着剤層を設けた以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例3
実施例1において、アイオノマー樹脂系フィルムの代わりに、厚さ100μmのポリプロプレンフィルム[リケンテクノス社製、商品名「TPP061XP2902」]を用いた以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例4
実施例3において、アイオノマー樹脂系フィルムの代わりに、厚さ100μmのポリプロプレンフィルム[リケンテクノス社製、商品名「TPP061XP2902」]を用いた以外は、実施例3と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例5
実施例4において、基材フィルムとして、アイオノマー樹脂系フィルムの代わりに、厚さ100μmのポリプロプレンフィルム[リケンテクノス社製、商品名「TPP061×P2902」]を用い、かつ粘着剤層が設けられる側の面のみ、コロナ放電処理を行った以外は、実施例4と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
厚さ100μmのアイオノマー樹脂系フィルム[三井・デュポンポリケミカル社製、商品名「ハイミラン1605」にオレフィン系黒MB添加品、金属イオン:一価のナトリウム陽イオン]の両面にプラズマ放電処理を施した。
一方、片面にシリコーン樹脂を塗布した厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[ユニチカ社製、商品名「エンブレットSC」]のシリコーン樹脂塗布面に、アクリル系粘着剤溶液[総研化学社製、商品名「SKダイン1310」]を塗布し、100℃で1分間乾燥処理して、厚さ30μmの粘着剤層を設けた。
次に、この粘着剤層付き剥離シートを、前記アイオノマー樹脂フィルムの片面に、粘着剤層が接するように貼着し、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
実施例2
実施例1において、プラズマ放電処理の代わりに、コロナ放電処理を、基材フィルムの両面に施した以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
実施例3
実施例1において、基材フィルムの粘着剤層を設ける側の面に、ポリウレタン系プライマー[トクシキ社製、商品名「AD265」]を乾燥厚さが3μmになるように設けた以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
実施例4
実施例3において、プラズマ放電処理の代わりに、コロナ放電処理を、基材フィルムの両面に施した以外は、実施例3と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例1
実施例1において、基材フィルムの粘着剤層が設けられる側の面のみプラズマ放電処理した以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、基材フィルムの粘着剤層を設ける側の面にのみにプラズマ放電処理したのち、ポリウレタン系プライマー[トクシキ社製、商品名「AD265」]を乾燥厚さが3μmになるように設け、その上に粘着剤層を設けた以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例3
実施例1において、アイオノマー樹脂系フィルムの代わりに、厚さ100μmのポリプロプレンフィルム[リケンテクノス社製、商品名「TPP061XP2902」]を用いた以外は、実施例1と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例4
実施例3において、アイオノマー樹脂系フィルムの代わりに、厚さ100μmのポリプロプレンフィルム[リケンテクノス社製、商品名「TPP061XP2902」]を用いた以外は、実施例3と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
比較例5
実施例4において、基材フィルムとして、アイオノマー樹脂系フィルムの代わりに、厚さ100μmのポリプロプレンフィルム[リケンテクノス社製、商品名「TPP061×P2902」]を用い、かつ粘着剤層が設けられる側の面のみ、コロナ放電処理を行った以外は、実施例4と同様にして、剥離シート付き粘着シートを作製した。この粘着シートの特性を第1表に示す。
本発明の粘着シートは、柔軟性を有すると共に、耐擦傷性、耐候性、耐ガソリン性、白化性などの良好なアイオノマー樹脂系フィルムからなる基材フィルムを有し、曲面追従性、重ね貼り適性及び耐久性などに優れ、塗装代替用シートなどとして好適である。
Claims (7)
- 基材フィルムと、その一方の面に設けられた粘着剤層を有する粘着シートにおいて、前記基材フィルムとして、両面にガス放電処理が施されてなる、エチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩を使用したフィルムを用いたことを特徴とする粘着シート。
- 粘着剤層を構成する粘着剤が、極性基を有するポリマーからなる粘着成分を含むものである請求項1に記載の粘着シート。
- 基材フィルムと粘着剤層との間にプライマー層を有する請求項1又は2に記載の粘着シート。
- ガス放電処理が、プラズマ放電処理又はコロナ放電処理である請求項1、2又は3に記載の粘着シート。
- ガス放電処理が、プラズマ放電処理であって、粘着剤層を構成する粘着剤がアクリル系粘着剤である請求項4に記載の粘着シート。
- 基材フィルムを構成するエチレン−(メタ)アクリル酸系共重合体の金属塩がナトリウム塩、亜鉛塩又はマグネシウム塩である請求項1ないし5のいずれかに記載の粘着シート。
- 自背面剥離強度が10N/25mm以上である請求項1ないし6のいずれかに記載の粘着シート。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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Citations (3)
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JPH09291261A (ja) * | 1996-04-24 | 1997-11-11 | Nitto Denko Corp | 塗膜保護層の製造方法 |
JP2002294181A (ja) * | 2001-03-21 | 2002-10-09 | Three M Innovative Properties Co | 装飾シート |
JP2003288017A (ja) * | 2002-03-28 | 2003-10-10 | Dainippon Printing Co Ltd | ストレッチラベル |
-
2004
- 2004-06-25 JP JP2004187494A patent/JP2006008835A/ja active Pending
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