JP2006007687A - 鋼板化粧材の製造方法と鋼板化粧材 - Google Patents

鋼板化粧材の製造方法と鋼板化粧材 Download PDF

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浩一 佐川
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【課題】非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シートを用い、かつ化粧シートの鋼板基材への積層に際しては熱による接着剤層の活性化を行う従来の方法を採用しながらも、表面のエンボスが浅く緩やかになってしまったり、また化粧シートの層間の密着強度が低下してしまったりという不具合が生じないようにした、鋼板化粧材の製造方法と鋼板化粧材の提供。
【解決手段】鋼板基材2上に非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シート5を少なくとも貼り合わせてなる鋼板化粧材の製造方法であって、加熱して活性化させた接着剤層13を介して鋼板基板上に化粧シートを貼り合わせて化粧シート積層体を作製した後、その化粧シート積層体を冷却してからその上部の化粧シート上に透明ポリオレフィンシート10をドライラミネーションによりさらに貼り合わせることを特徴とする、鋼板化粧材の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、主に建築物の玄関ドアやカーテンレール等の表面装飾等に用いられる、非ポリ塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とする化粧シートを、鋼板基材上に積層してなる鋼板化粧材の製造方法と鋼板化粧材に関するものである。
従来、主に建築物の玄関ドアや鋼板材料系エクステリア部材の表面装飾には、鋼板部材に直接装飾模様を塗装する方法や、ポリ塩化ビニル系シートに印刷及び凹凸のエンボス加工を施した化粧シートを、接着剤を介して鋼板基材上に貼り合わせる方法などが用いられてきたが、塗装による装飾模様の付与では凹凸感のある意匠が表現しづらく、またポリ塩化ビニル系化粧シートを用いた装飾模様の付与も、近年の環境への意識の高まりから敬遠されがちである。
近年においては、ポリ塩化ビニル系化粧シートと同等の意匠性を保持しつつ、環境への負荷も少ないポリオレフィン系樹脂やアクリル樹脂等を主材料とした非ポリ塩化ビニル系化粧シートが注目されており、その中でも特にポリオレフィンを主材料とした化粧シートが、物性及び生産コストの面ではポリ塩化ビニル系化粧シートと比較して同等以上のレベルにあり、ポリ塩化ビニル系化粧シートの代替として広く一般に使用されはじめている。
しかしながら、化粧シートを玄関ドアや鋼板基材系エクステリア部材の表面装飾に使用する場合には、化粧シートを鋼板基材に貼り合わせる際、鋼板基材に塗布した接着剤を150〜250℃程度まで熱して活性化させた後に化粧シートを貼り合わせる方法が一般的に用いられているため、このような製造方法においてポリオレフィン系の化粧シートを適用すると、接着剤を加熱した際の熱の影響により化粧シート表面の凹凸のエンボスが浅く緩やかになってしまい、意匠感が損なわれてしまう問題がある。
また物性の面でも、熱負荷とそれに伴う樹脂の劣化により、化粧シートの層間の密着強度が低下してしまい、長期の耐候性能を低下させてしまう問題も併せ持っている。
本発明は、係る従来技術の欠点に鑑みなされたもので、非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シートを用い、かつ化粧シートの鋼板基材への積層に際しては熱による接着剤層の活性化を行う従来の方法を採用しながらも、表面のエンボスが浅く緩やかになってしまったり、また化粧シートの層間の密着強度が低下してしまったりという不具合が生じないようにした、鋼板化粧材の製造方法と鋼板化粧材の提供を課題とする。
上記課題を解決するためになされ、請求項1に記載の発明は、鋼板基材上に非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シートを少なくとも貼り合わせてなる鋼板化粧材の製造方法であって、加熱して活性化させた接着剤層を介して貼り合わせて鋼板基板上に化粧シートを貼り合わせて化粧シート積層体を作製した後、その化粧シート積層体を冷却してからその上部の化粧シート上に透明ポリオレフィンシートをドライラミネーションによりさらに貼り合わせることを特徴とする、鋼板化粧材の製造方法である。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1記載の鋼板化粧材の製造方法において、化粧シート上への透明ポリオレフィンシートの積層は、透明ポリオレフィンシートにエンボス
加工を施した後に行うことを特徴とする。
さらにまた、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の鋼板化粧材の製造方法において、透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂としてペンタッド分率が75%以下のホモポリプロピレンを使用することを特徴とする。
さらにまた、請求項4に記載の発明は、請求項1または2に記載の鋼板化粧材の製造方法において、透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂としてアイオノマー樹脂を使用することを特徴とする。
さらにまた、請求項5に記載の発明は、鋼板基材上に非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シートが少なくとも貼り合わされている鋼板化粧材であって、化粧シートは熱で活性化された接着剤層を介して鋼板基板上に設けられていると共に、化粧シート上には下層の接着剤層の活性化に伴う熱が冷やされてからドライラミネーションにより積層された透明ポリオレフィンシートが設けられていることを特徴とする鋼板化粧材である。
さらにまた、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の鋼板化粧材において、透明ポリオレフィンシートは化粧シート上への積層の前にエンボス加工が施さているものであることを特徴とする。
さらにまた、請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の鋼板化粧材において、透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂がペンタッド分率が75%以下のホモポリプロピレンであることを特徴とする。
さらにまた、請求項8に記載の発明は、請求項5または6に記載の鋼板化粧材において、透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂がアイオノマー樹脂であることを特徴とする。
本発明の鋼板化粧材の製造方法並びに鋼板化粧材は、非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シートを用い、かつ化粧シートの鋼板基材上への積層に際しては熱による接着剤層の活性化を行う従来の方法を採用しながらも、表面のエンボスが浅く緩やかになってしまったり、また化粧シートの層間の密着強度が低下してしまったりという不具合が生じない。
以下、図面を参照にしながら、本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る鋼板化粧材の製造方法の概要を示す説明図である。また、図2は本発明に係る鋼板化粧材の概略の構成を示す説明図である。
鋼板化粧材の製造に当たっては、図1に示すように、まず鋼板化粧材の基板となる鋼板基材2を巻出部1から接着剤塗工部3へと送り出す。送り出されてきた鋼板基材2はそこで化粧シートを貼り合わせる面に対して接着剤が塗布され、接着剤層13が形成される。
接着剤層13が形成された鋼板基材2はさらに加熱オーブン4へと送られ、そこで150〜250℃程度に熱せられ、接着剤層13を構成する接着剤が活性化された後、印刷模様を施した非ポリ塩化ビニル系化粧シート5が貼り合わされる。
上記接着剤の塗布工程における接着剤の塗布方法は特に制限されるものではなく、T型
ダイによるダイコート法、ロールコート法、グラビアロールによるグラビアコート法などの種々の塗布方法から適宜な方法を選択して用いればよい。
この様にして鋼板基材2上に化粧シート5が接着剤層13を介して貼り合わされたら、これらの鋼板基材2/接着剤層13/化粧シート5の三層からなる化粧シート積層体は一定温度に保たれた冷却水6によって瞬時に30〜50℃程度までに冷却され、さらに第一の乾燥炉7へと送られて不要な冷却水が除去されてから第二の接着剤塗工部8へと送られる。
接着剤塗工部8では送られてきた三層構成の化粧シート積層体の化粧シート面側に接着剤が塗布される。接着剤が塗布されたら第二の乾燥炉9へと送られ、そこで40〜60℃程度に加熱されて接着剤中の溶剤成分が揮散させられ、接着剤層18が形成される。そして、接着剤層18上には凹凸のエンボス加工を施した透明ポリオレフィンシート10がドライラミネートされ、図2に示すような構成の鋼板化粧板が得られる。
ドライラミネートされた透明ポリオレフィンシートを構成するポリオレフィンは融点があまり高くないが、その中でも、最も融点の高い部類に入るホモタイプのポリプロピレンにあっても、その融点は160〜170℃程度であり、ASTM D1525で規定されるビカット軟化点はおおよそそれよりもさらに30〜100℃程度低いところにある。その為、鋼板基材に化粧シートを接着剤層を介して貼り合わせてからその上にエンボス加工を施しておいたホモタイプの透明ポリプロピレンシートを積層して鋼板化粧材を製造しようとする場合、従来のように、化粧シート貼り合わせ前に接着剤に加えられた接着剤層活性化のための高温状態が維持されたまま透明ポリプロピレンシートが貼り合わされてしまうと、透明ポリプロピレンシートに賦型されていた凹凸が熱の影響を受けて浅く緩やかになってしまい、意匠感が損なわれてしまう。
また、このようなラミネートを行うと、印刷模様を施した化粧シートと透明ポリオレフィンシートとの積層部に熱負荷がかかってしまうため、層間強度の低下が起きてしまい、層間から樹脂の劣化や膜浮きなどが起こってしまい耐候性能が劣ってしまう。
それに対し、本発明の製造方法においては、鋼板基材上の接着剤層を加熱により活性化させた後に印刷模様を施した化粧シートを強固に貼り合わせ、しかる後接着剤層の活性化のために高温になっている化粧シート積層体を冷却させてからドライラミネーションにより透明ポリオレフィンシートを貼り合わせるため、貼り合わせるシートが、例えばエンボス加工を施した融点の低い透明ポリオレフィンシートであっても、エンボスの凹凸が浅く緩やかになるようなことなしに積層することができる。よって、透明ポリオレフィンシートに付与されている凹凸による意匠感が、鋼板化粧板となった際にも全く失われることがなくなる。また印刷模様を施した化粧シートと透明ポリオレフィンシートとの積層部に熱負荷がかからないため、層間強度の低下が起きず、耐候性能の低下を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明の製造方法では、透明ポリオレフィンシートを構成する透明ポリオレフィンの選定の自由度が増すという利点をも併せ持つ。即ち、上述した従来の製造方法では、エンボス模様を施した透明ポリオレフィンシートが熱の影響を受けてしまうため、できる限り融点及びビカット軟化点の高いポリオレフィンを選定する必要があった。しかし一方では、鋼板化粧板は玄関ドアなどに加工する際に折り曲げ加工を施すため、表面の透明ポリオレフィンシートが曲げ加工時に割れや白化等を起こさないようにしておく必要があり、そのために曲げ弾性率の低い樹脂を選定する必要もあった。
以上の2つの物性、即ち融点及びビカット軟化点が高く、かつ曲げ弾性率の低いオレフ
ィン樹脂としては、ペンタッド分率の低いホモタイプのポリプロピレンかエチレン含有量を抑えたランダムポリプロピレンなどにほぼ限定されてしまう。例えばポリプロピレンにエチレン・プロピレン・ラバーやスチレン・ブタジエン・ラバーなどのゴム成分を添加した系や、ポリエチレンを使用した系では、曲げ弾性率を低くする事が可能であるが、同時に融点及びビカット軟化点も低くなってしまう為、上述のような従来の製造方法に用いる透明ポリオレフィンとしては適当でなかった。
それに対し本発明の製造方法では、透明ポリオレフィンシートの積層に際しては熱負荷が全く掛からないため、それを構成する透明ポリオレフィンとして融点及びビカット軟化点の低いものやペンタッド分率の低いホモタイプのポリプロピレンかエチレン含有量を抑えたランダムポリプロピレンを採用する事が可能であり、また前記のポリプロピレンにエチレン・プロピレン・ラバーやスチレン・ブタジエン・ラバーなどのゴム成分を添加した系や、ポリエチレン樹脂を使用する事も可能になる。ペンタッド分率の低いホモタイプのポリプロピレンとしては、ペンタッド分率が75%以下のものを使用すると、曲げ加工時の樹脂の割れや白化を抑制することが可能となって好ましい。
さらには、三井デュポンポリケミカル社製のハイミランのような、ポリエチレン系のアイオノマー樹脂を使用する事により、曲げ弾性率が低く軟質な樹脂でありながら、耐傷付き性の高い樹脂を選定する事も可能になる。
尚、透明ポリオレフィンシートへのエンボスの付与は、鋼板基材上に化粧シートを貼り合わせてなる化粧シート積層体上への透明ポリオレフィンシートのラミネート前かラミネート後に、加熱したエンボスロールを透明ポリオレフィンシートに押し当てて与える方法が一般的であるが、特にTダイによる押出しシート成形によって透明ポリオレフィンシートを作成する場合には、Tダイより溶融吐出された樹脂を冷却固化するための冷却ロールとして予めエンボス模様を付与させたものを使用し、シート成形と同時にエンボス加工を施すようにしておくと、2つの工程を同時に行う事ができて効率的である。
以上のような構成の鋼板化粧材に対しては、所定の艶を与える事で意匠感をさらに向上させ、なおかつ耐磨耗性、耐薬品性、耐傷付き性等を付与する事を目的として、透明ポリオレフィンシート側の表層部に表面保護層を設けておいてもよい。表面保護層の材質、厚み、及び形成方法は、透明ポリオレフィンシートとの密着性が充分に確保できるのであれば、特に制限されるものではないが、例えば、ウレタン系樹脂を用い、グラビアコート法により厚み4〜12μm程度になるように塗工して設ければよい。また透明ポリオレフィンシート上への表面保護層の積層は、化粧シートを貼り合わせた鋼板基材上に透明ポリオレフィン樹脂をラミネートした後に行なう方が、表面保護層の艶の調整により鋼板化粧板としての微妙な意匠感の調節ができるために利便性がよい。しかし、ラミネート前に、透明ポリオレフィンシート上に予め表面保護層を積層しておいてもよい。ただし、エンボス加工を施す前に表面保護層を積層してしまうと、エンボス加工時の熱により表面保護層に割れが生じたり、艶が変化するなどの不具合が生じるため、表面保護層の積層は、特別な制約が無い限りはエンボス加工前に行う方がよい。
このようにして得られる鋼板化粧材には耐候性が一般的には要求されるため、透明ポリオレフィンシートや前述した表面保護層へ紫外線吸収剤や光安定剤等を添加することが好ましい。紫外線吸収剤としては、所望の紫外線吸収効果を奏する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や添加量に制限はなく、例えば、2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(ジメチルベンジル)フェニル]−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(3、5−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチル
フェニル)−ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニルー1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、酸化セリウム、酸化チタン等の無機系紫外線吸収剤等を挙げることができ、これらの中から1種あるいは1種以上を任意に組み合わせて添加することが可能である。
また、光安定剤も所望の紫外線吸収効果を奏する範囲内で、かつ化粧シートの耐候性以外の特性に大きな影響を与えない範囲であれば、特にその成分や透明ポリオレフィン層や表面保護層への添加量には制限がない。具体的には、コハク酸ジメチル・1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ポリ[{6―(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、N,N'ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン・2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシラート等のヒンダードアミン系光安定剤、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系光安定剤、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−1−(オクチルキシ)−4−ピペリジニル)エステル等のアミノエーテル型の光安定剤等が挙げられ、これらから1種あるいは1種以上を任意に選択して組み合わせて使用することが可能である。
その他にも必要に応じて、熱安定剤、難燃剤、ブロッキング防止剤等を添加してもよい。熱安定剤としては、ペンタエリスリチルテトラキス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]−プロピオネート、2、4−ビス−(n−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、1,3,5−トリス(4−t−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)イソシアヌル酸等のヒンダードフェノール系酸化防止剤、2,2'−メチレンビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)等のフェノール系酸化防止剤、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイトに代表される燐系酸化防止剤等が挙げられ、これらの中から1種あるは2種以上を選択して適宜組み合わせて使用すればよい。
また、難燃剤としては、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の無機系化合物や燐酸エステル系の難燃剤等があるが、特にその種類には制限は無い。但し環境を考慮し、ハロゲン系の難燃剤の使用は配慮を要し、同等性能を有する代替品を使用することが望ましい。
さらにまた、ブロッキング防止剤としては、珪酸アルミニウム、酸化珪素、ハイドロタルサイト、炭酸カルシウム等の無機系ブロッキング防止剤、脂肪酸アミドのような有機系ブロッキング防止剤等があり、これらの中から1種あるは2種以上を選択して適宜組み合わせ使用すればよい。
その他、必要に応じて、鋼板基材の非ポリ塩化ビニル系化粧シートをラミネートする側
に、鋼板基材との密着強度を向上させる事を目的として、プライマー層を適宜設けておいてもよい。このプライマー層は、鋼板基材との充分な密着強度が得られ、かつ積層時の化粧シートと鋼板基材との間でのシート浮き等が発生しなければ、その材料は特に制限されるものではないが、一般的にはポリウレタン系のプライマー層が好適に用いられる。以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明する。
まず、トリアジン系の紫外線吸収剤を0.5重量部、ヒンダード・アミン系の光安定剤を0.5重量部、フェノール系酸化防止剤を0.2重量部の割合でそれぞれ添加した、ペンタッド分率が70%の透明ホモポリプロピレンを用い、Tダイ押出し法によりシート成形を行い、厚み90μmの透明ポリプロピレンシートを得た。
一方、酸化チタン等の無機系顔料を含有させて隠蔽効果を持たせたランダムポリプロピレンシート上に、グラビア印刷法により木質柄模様を施し、厚み70μmの着色ポリプロピレンシート(化粧シート)を得た。
次に、厚み500μmの鋼板基材に2液硬化型の接着剤を厚み約10μmで塗工し、さらに200℃のオーブンで2分間加熱して接着剤を活性化させた後、木質柄模様を施した前記着色ポリプロピレンシートを貼り合わせ、化粧シート積層体を得た。そして、高温になっている化粧シート積層体を水温約20℃の冷却水で冷却した後、余分の冷却水を乾燥炉で除去し、さらに透明ホモポリプロピレンシートを、印刷模様を施した着色ポリプロピレンシート上にイソシアネート硬化型のポリエステル系接着剤を使用してドライラミネートにより貼り合わせた。そして、さらに透明ホモポリプロピレンシートの上に、ウレタン樹脂中にトリアジン系の紫外線吸収剤を3.0重量部、ヒンダード・アミン系の光安定剤を3.0重量部添加した樹脂組成物を表面保護層として厚み9μmで積層して、実施例1の鋼板化粧材を得た。
透明ホモポリプロピレンを用いてTダイ押出し法によりシート成形を行なう際に、凹凸のエンボス模様を施した冷却ロールを使用することにより、ホモポリプロピレンシートにエンボス加工を施した他は実施例1と同様の製造方法によって、実施例2の鋼板化粧板を得た。
透明ホモポリプロピレンの替わりに、ポリエチレンベースのアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1554)を使用した他は、実施例2と同様の製造方法により、実施例3の鋼板化粧板を得た。
実施例1で用意した透明ホモポリプロピレンシートと印刷模様を施した着色ポリプロピレンシートを予めドライラミネート法を用いて積層し、さらに透明ホモポリプロピレンシート側の最表層に、トリアジン系の紫外線吸収剤を3.0重量部、ヒンダード・アミン系の光安定剤を3.0重量部添加したウレタン樹脂を主材料とした表面保護層を厚さ9μmで積層して、化粧シート体を作成した。
一方、鋼板基材に2液硬化型の接着剤を塗工し、200℃のオーブンで2分間加熱して厚み約10μmの接着剤層を設けた。その後、前記工程で作成しておいた化粧シート体を貼り合わせた後、直ちに水温約20℃の水で冷却し、さらに乾燥炉で冷却時に使用して不要となった冷却水を除去し、比較のための実施例4の鋼板化粧材を得た。
透明ホモポリプロピレンを用いてTダイ押出し法によりシート成形を行なう際に、凹凸のエンボス模様を施した冷却ロールを使用し、透明ホモポリプロピレンシートにエンボス加工を施した他は実施例4と同様の製造方法により、比較のための実施例5の鋼板化粧板を得た。
透明ホモポリプロピレン樹脂の替わりに、ポリエチレンベースのアイオノマー樹脂(三井デュポンポリケミカル社製、ハイミラン1554)を使用した他は、実施例2と同様の製造方法により、比較のための実施例6の鋼板化粧板を得た。
透明ホモポリプロピレンとして、ペンタッド分率が70%の透明ホモポリプロピレン樹脂の替わりにペンタッド分率が97%以上の高結晶透明ホモポリプロピレン樹脂を使用した他は実施例1と同様の製造方法により、比較のための実施例7の鋼板化粧板を得た。
<性能比較>
上記各実施例における鋼板基材への貼り合わせの前後に係るエンボス模様賦型化粧シートに対し、それらのエンボス最深部の深さを測定し、その深さの比をエンボス保持率として求めた。得られたエンボス保持率を表1に示す。
また物性試験として、得られた鋼板化粧材に対してサンシャインウェザーメーターによる促進耐候試験とJIS K5400によって規定される鉛筆引っ掻き試験、及び5℃環境下で1R折り曲げ試験を行った際の曲げ加工部の外観評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2006007687
表1から明らかなように、本発明の鋼板化粧材の製造方法によって得られる鋼板化粧材は、従来の製造方法によって得られるものと較べ、サンシャインウェザーメーターでの外観変化が発生するまでの時間が1500時間程度延び、耐候性能の向上効果が確認された。また、エンボス保持率も100%であるため、エンボス加工時に賦型された形状が、鋼板化粧材になった後も保持されていた。さらに、アイオノマー樹脂などの特殊ポリオレフィンを使用しても、エンボス形状が熱により変化することが無く、耐傷性能が優れたものであった。
本発明の鋼板化粧材の製造方法の概略を示す説明図である。 本発明の鋼板化粧材の概略の構成を示す説明図である。
符号の説明
1…巻出部
2…鋼板基材
3…接着剤塗工部
4…加熱オーブン
5…印刷模様を施した非ポリ塩化ビニル系化粧シート
6…冷却水
7…第一の乾燥炉
8…接着剤塗工部
9…第二の乾燥炉
10…透明ポリオレフィンシート
13…接着剤層

Claims (8)

  1. 鋼板基材上に非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シートを少なくとも貼り合わせてなる鋼板化粧材の製造方法であって、加熱して活性化させた接着剤層を介して鋼板基板上に化粧シートを貼り合わせて化粧シート積層体を作製した後、その化粧シート積層体を冷却してからその上部の化粧シート上に透明ポリオレフィンシートをドライラミネーションによりさらに貼り合わせることを特徴とする、鋼板化粧材の製造方法。
  2. 化粧シート上への透明ポリオレフィンシートの貼り合わせは、透明ポリオレフィンシートにエンボス加工を施した後に行うことを特徴とする請求項1記載の鋼板化粧材の製造方法。
  3. 透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂としてペンタッド分率が75%以下のホモポリプロピレンを使用することを特徴とする請求項1または2記載の鋼板化粧材の製造方法。
  4. 透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂としてアイオノマー樹脂を使用することを特徴とする請求項1または2記載の鋼板化粧材の製造方法。
  5. 鋼板基材上に非塩化ビニル系の熱可塑性樹脂を主材料とした化粧シートが少なくとも貼り合わされている鋼板化粧材であって、化粧シートは熱で活性化された接着剤層を介して鋼板基板上に設けられていると共に、化粧シート上には下層の接着剤層の活性化に伴う熱が冷やされてからドライラミネーションにより積層された透明ポリオレフィンシートが設けられていることを特徴とする鋼板化粧材。
  6. 透明ポリオレフィンシートは化粧シート上への積層の前にエンボス加工が施さているものであることを特徴とする請求項5記載の鋼板化粧材。
  7. 透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂がペンタッド分率が75%以下のホモポリプロピレンであることを特徴とする請求項5または6記載の鋼板化粧材。
  8. 透明ポリオレフィンシートを構成する樹脂がアイオノマー樹脂であることを特徴とする請求項5または6記載の鋼板化粧材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN113481428A (zh) * 2021-06-04 2021-10-08 马鞍山钢铁股份有限公司 一种高抗拉强度的含铝或铝硅涂覆钢板及其热成形钢构件的制造方法

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CN113481428A (zh) * 2021-06-04 2021-10-08 马鞍山钢铁股份有限公司 一种高抗拉强度的含铝或铝硅涂覆钢板及其热成形钢构件的制造方法

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