JP2006007433A - 積層体の製造法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体を製造するに際し、硬化(架橋)阻害を簡易な方法で回避しながら行う方法を提供する。
【解決手段】(i)基材上にラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を形成する工程、および(ii)該ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を酸素飽和溶解度が1000ppm以下である常温で液状の物質で被覆した後、該ラジカル硬化性ポリマー組成物を硬化させる工程を含む、基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体の製造法。
【選択図】なし
【解決手段】(i)基材上にラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を形成する工程、および(ii)該ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を酸素飽和溶解度が1000ppm以下である常温で液状の物質で被覆した後、該ラジカル硬化性ポリマー組成物を硬化させる工程を含む、基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体の製造法。
【選択図】なし
Description
本発明は、基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体の製造法に関する。特に、ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層をラジカル硬化(架橋)させて積層体を製造する際に、特定の液体でラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を被覆して、硬化(架橋)阻害が低減化された状態で積層体を製造する方法に関する。
ラジカル硬化性ポリマー組成物のラジカル硬化反応では、酸素の存在が硬化(架橋)反応を阻害することが知られている。そこで、従来でも、硬化雰囲気を酸素濃度が低いものを使用して硬化を行っている。たとえば、窒素気流をラジカル硬化性ポリマー層に吹き付けてその層の酸素含有量を低下(約10%)させたり、硬化を窒素気流中で行ったりしている。
しかし、硬化雰囲気を低酸素状態に維持するためには、設備的、工程的な配慮が必要であり、コスト面で不利である。また、大面積の層を均一に硬化させることが困難である。
また、ラジカル硬化反応の硬化阻害防止を意図したものではないが、ラジカル硬化性ポリマー組成物層の上に別異の樹脂層(たとえばPET製の離型フィルムなどの酸素低透過性フィルム)を設け、しかるのち硬化反応を行うことも行われている(特許文献1など)。この方法であれば、意図しなくても酸素による硬化阻害は低減化されている。
しかし、別異の樹脂層などを設け、さらに硬化処理後剥離するという工程が必要になり、生産性の点で改善が期待される。
本発明は、基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体を製造するに際し、硬化(架橋)阻害を簡易な方法で回避しながら行う方法を提供することを目的とする。
すなわち本発明は、
(i)基材上にラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を形成する工程、および
(ii)該ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を酸素飽和溶解度が1000ppm以下である常温で液状の物質で被覆した後、該ラジカル硬化性ポリマー組成物を硬化させる工程
を含む、基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体の製造法に関する。
(i)基材上にラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を形成する工程、および
(ii)該ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を酸素飽和溶解度が1000ppm以下である常温で液状の物質で被覆した後、該ラジカル硬化性ポリマー組成物を硬化させる工程
を含む、基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体の製造法に関する。
前記常温で液状の物質が、オイル、特に炭化水素系オイル、シリコーン系オイルまたはフッ素系オイルであることが好ましい。
本発明の製造法は、ラジカル硬化したポリマーからなる反射防止膜層と基材とからなる積層体の製造に好適である。
本発明の製造法によれば、ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層をラジカル硬化(架橋)させて積層体を製造する際に、特定の液体でラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を被覆して、硬化(架橋)阻害が低減化された状態で積層体の製造を行うことができる。
本発明は、ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を酸素飽和溶解度が1000ppm以下である常温で液状の物質(以下、「液体」という)で覆い、ラジカル硬化反応の場に酸素を極力存在させない状態で硬化反応を行う方法である。
酸素飽和溶解度とは、液体(質量)中に溶解している酸素(質量)の最大(飽和)の割合であり、この値が少ないほど、接する他の物質に供給可能な酸素量が少なくなる。本発明では酸素飽和溶解度が1000ppm以下、好ましくは800ppm以下、特に好ましくは750ppm以下である。下限は低ければ低いほどよいが、通常10ppm以上が好ましい。
ちなみに、ラジカル硬化反応時における硬化(架橋)が良好に実施できる許容酸素濃度は5容量%以下、さらには3容量%以下、特に好ましくは1容量%以下といわれているが、本発明において酸素飽和溶解度が1000ppm以下の液体で被覆するときは、これらの条件を充分に満たしている。
本発明の特徴のもう1つは、液体を使用することである。液体を使用することにより、固体状のフィルムで覆う場合に比べて、専用のフィルムなどを作製する必要がない点、フィルムの着脱の工程や着脱による硬化層の破壊といった危険性も少なくなる点で優れている。
実質的に酸素を透過しない液体としては、硬化層上に均一で切れない膜を形成できる点からオイル(油状物)が好ましく、たとえばソルベントオイルなどの合成油;鉱物油;動植物由来の天然油脂;高級アルコールなどの炭化水素系オイル;ペルフルオロポリエーテル、三フッ化塩化エチレン低重合体、ペルフルオロオレフィン、高級フッ素アルコールなどのフッ素系オイル;シリコーンオイルなどがあげられる。
加えて、使用する液体として別異の機能を付与し得る液体を用いることにより、さらに多機能の表面を提供できる。
たとえば防汚性を付与し得る液体を使用することは、硬化層の表面の防汚性やすべり性を向上させることができ、ポリマー硬化層が反射防止膜、表面保護膜、耐擦傷性向上のためのハードコート膜などであるときに有利である。そうした液体としては、分子鎖にアルコキシシリル基、アクリレート型イソシアヌレート基、水酸基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、アクリル基、メタクリル基などの反応性基で修飾したフッ素オイルやシリコーンオイルなどがあげられる。
積層体を構成するラジカル硬化性のポリマー組成物は特に限定されず、酸素の存在により硬化(架橋)阻害が生ずる従来公知のラジカル硬化(架橋)性の組成物を用いる積層体の製造に、本発明の方法を適用することができる。
硬化(架橋)系としては、前記ラジカル硬化法が、活性エネルギー線照射による硬化系、加熱による硬化系など、特に限定されない。また、硬化反応の条件も特に制限されず、従来公知の条件が採用できる。
なお、活性エネルギー線硬化系の場合は、特定の酸素飽和溶解度を有する液体は活性エネルギー線に対して透明であることが好ましく、加熱硬化系の場合は耐熱性であることが好ましい。
ただ、液体で覆うという手段から、好ましくは反応温度が比較的低温で実施できる活性エネルギー線の照射による硬化系が好適である。活性エネルギー線としては、紫外線、X線、γ線、電子線などが使用できる。
ラジカル硬化ポリマー層は積層体の最外層であっても、中間層であってもよい。
本発明で使用する基材としては特に制限されず、アクリル樹脂,PET,ポリカーボネート樹脂,MS樹脂,トリアセチルセルロース樹脂,シクロオレフィン樹脂,ポリエチレンナフタレートなどがあげられる。また、硬化方法によって活性エネルギー線に透明な基材を選択したり、耐熱性に富む基材を選択すればよい。
特定の酸素飽和溶解度を有する液体でラジカル硬化性のポリマー組成物層を覆う方法としては、たとえば液体の薄膜をラジカル硬化性ポリマー組成物層上に形成する方法、液体中にラジカル硬化性ポリマー組成物層を浸漬する方法、液上に浮上させたラジカル硬化性のポリマー組成物液膜上に基材を戴置した後硬化反応を行う方法などがある。
これらの方法のうちどの方法を採用するかは、硬化(架橋)系、どの段階で硬化させるか、他の層の有無、薬剤相互の反応性などによって、適宜選択すればよい。
基材が単一フィルムの場合は浸漬法か、または酸素を実質的に透過させない支持材(金属やガラスなどの板)の上に載置し、上面だけを液体で覆う方法が例示できる。
硬化反応が終了した後、液体は蒸発させる方法、洗浄する方法などで、完全にまたは部分的に除去すればよい。
本発明の好ましい実施形態として、特定の酸素飽和溶解度を有する液体でラジカル硬化性のポリマー組成物層を覆う前に、ラジカル硬化性のポリマー組成物層を不完全に予備硬化させておく形態があげられる。
予備硬化は、ラジカル硬化性ポリマー組成物層が乾燥などでは固体化していない場合、使用する液体や被覆材料と何らかの物理的または化学的な相互作用を及ぼす場合、ポリマー組成物層を予め不完全に(部分的に)硬化させておくことにより、液体や被覆材料と接触することで生ずる問題を解消することができる。
また、予備硬化工程を施すことにより、ラジカル硬化性ポリマー組成物層の上に他の層をさらに形成(積層)する際の影響を少なくすることができ、ラジカル硬化層の均質性や表面平滑性が保たれる点で望ましい。
この予備硬化は組成物のラジカル硬化反応系に応じた効果方法で行う。
予備硬化の程度(硬化度)は任意に選定してよいが、目安としてはラジカル硬化性組成物層が処理中に溶解したり、他の材料に付着したりして膜厚の均一性が損なわれたりしなくなる程度でよく、たとえば反射防止層におけるラジカル硬化性組成物の硬化サイトの5%以上、好ましくは20%以上が消費されるまで行うことが望ましい。ただし完全に硬化させるのは後の硬化工程であり、したがって硬化サイトは95%以上、好ましくは80%以上は残しておく。なお、硬化の程度は、IR分析において硬化サイトの特性吸収の強度で判断できる。その特性吸収が消失したときが完全硬化した状態である。
本発明は、種々のラジカル硬化系材料を用いた積層体の製造法として使用できるが、特に反射防止膜積層体の製造時の硬化反応に有用である。
反射防止膜積層体には、大別して、支持体にハードコート層や反射防止層が積層され、さらに要すれば最外層として離型フィルムを有する積層体;物品(たとえばテレビの画面)の表面にハードコート層や反射防止層を積層し、順次または一括してそれらの層を硬化させて製造される積層体などがある。本発明の製造法は、いずれの積層体の製造にも適用できる。
反射防止膜積層体の製造に本発明の方法を適用した場合、たとえばつぎのような物品に反射防止機能を付与することができる。
家電製品:テレビ、電子レンジの窓、家電機器の各種表示板、外板部分の意匠的目的での反射防止など。
OA機器:各種モニター、センサー部分、操作パネル(ボタン)表面、外板部分の意匠的目的での反射防止など。
移動通信機器:携帯電話の液晶画面、操作ボタン表面、板部分の意匠的目的での反射防止など。
建築関連:窓、看板、ショーウインドウガラス、カーブミラー、信号機レンズなど。
車両関連:自動車・電車のガラス、ドアミラー、メータパネル保護板・表示面など。
インテリア関連:鏡、ショーケース、ブラインド、壁面、天井、床面、家具の表面など。
エクステリア関連:ネオンサイン、門扉、シャッター、各種エクステリアの表面など。
光学機器:眼鏡のレンズ、各種のレンズ、センサー部など。
意匠表示物関連:看板、ネオンサイン、ショーウィンドウなど。
その他:時計の文字盤など。
家電製品:テレビ、電子レンジの窓、家電機器の各種表示板、外板部分の意匠的目的での反射防止など。
OA機器:各種モニター、センサー部分、操作パネル(ボタン)表面、外板部分の意匠的目的での反射防止など。
移動通信機器:携帯電話の液晶画面、操作ボタン表面、板部分の意匠的目的での反射防止など。
建築関連:窓、看板、ショーウインドウガラス、カーブミラー、信号機レンズなど。
車両関連:自動車・電車のガラス、ドアミラー、メータパネル保護板・表示面など。
インテリア関連:鏡、ショーケース、ブラインド、壁面、天井、床面、家具の表面など。
エクステリア関連:ネオンサイン、門扉、シャッター、各種エクステリアの表面など。
光学機器:眼鏡のレンズ、各種のレンズ、センサー部など。
意匠表示物関連:看板、ネオンサイン、ショーウィンドウなど。
その他:時計の文字盤など。
つぎに実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
実施例1(一段硬化法)
(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)のハードコート層上にスピンコーターによりつぎの紫外線硬化性ポリマー組成物を塗布し、20分間室温で乾燥した(膜厚122nm)。なお、膜厚は光学式膜厚計(FILMETRICS社製)を使用して測定した(以下、同様)。
(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)のハードコート層上にスピンコーターによりつぎの紫外線硬化性ポリマー組成物を塗布し、20分間室温で乾燥した(膜厚122nm)。なお、膜厚は光学式膜厚計(FILMETRICS社製)を使用して測定した(以下、同様)。
(紫外線硬化性ポリマー組成物)
官能基含有含フッ素樹脂(オプツールAR−110。ダイキン工業(株)製)に架橋剤(ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサ−アクリレート)と光開始剤(イルガキュア、商品名。チバスペシャリティケミカルズ社製)を混合し、メチルイソブチルケトンで固形分濃度を4質量%に調整したもの。
官能基含有含フッ素樹脂(オプツールAR−110。ダイキン工業(株)製)に架橋剤(ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサ−アクリレート)と光開始剤(イルガキュア、商品名。チバスペシャリティケミカルズ社製)を混合し、メチルイソブチルケトンで固形分濃度を4質量%に調整したもの。
この紫外線硬化性ポリマー組成物層上にソルベントオイル(出光石油化学(株)製のIP2028。酸素飽和溶解度600ppm;20℃)をスプレーで塗布して液状の膜を形成した(厚さ5μm)。
ついで、高圧水銀灯(照度165mW/cm2)を用いて紫外線を1J/cm2照射して紫外線硬化性ポリマー組成物層を一段で完全硬化した後ソルベントオイルを拭き取り、硬化積層体を作製した。
この積層体の表面硬化層につき、以下の特性を調べた。結果を表1に示す。
(1)対水接触角
協和界面科学(株)製のCA−DT・A型接触角計で測定する。
(2)表面硬度
JIS K5400に従い、鉛筆硬度を測定する。
(3)ヘイズ値
初期および磨耗試験後(ヘイドン磨耗計にスチールウールを取り付け、200g/cm2の荷重で反射防止層上を30往復させる)のヘイズ値をJIS K7105に準拠したヘイズメーターにより測定する。
(4)硬化度
使用した架橋剤のC=C二重結合の特性吸収(1647〜1640cm-1)の吸光強変化をIR分光分析法で分析し、架橋剤の消費量割合から硬化度(架橋度)を算出する。なお、紫外線硬化性ポリマー組成物層の予備硬化前(20分間乾燥した時点)の吸光度を100%とする。
(1)対水接触角
協和界面科学(株)製のCA−DT・A型接触角計で測定する。
(2)表面硬度
JIS K5400に従い、鉛筆硬度を測定する。
(3)ヘイズ値
初期および磨耗試験後(ヘイドン磨耗計にスチールウールを取り付け、200g/cm2の荷重で反射防止層上を30往復させる)のヘイズ値をJIS K7105に準拠したヘイズメーターにより測定する。
(4)硬化度
使用した架橋剤のC=C二重結合の特性吸収(1647〜1640cm-1)の吸光強変化をIR分光分析法で分析し、架橋剤の消費量割合から硬化度(架橋度)を算出する。なお、紫外線硬化性ポリマー組成物層の予備硬化前(20分間乾燥した時点)の吸光度を100%とする。
実施例2(二段硬化法)
(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)のハードコート層上にスピンコーターにより実施例1の紫外線硬化性ポリマー組成物を塗布し、20分間室温で乾燥した(膜厚120nm)。
(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)のハードコート層上にスピンコーターにより実施例1の紫外線硬化性ポリマー組成物を塗布し、20分間室温で乾燥した(膜厚120nm)。
ついで、高圧水銀灯を用いて紫外線を200mJ/cm2照射して紫外線硬化性ポリマー組成物層を予備硬化した(なお、紫外線硬化性ポリマー組成物層を完全に硬化させる線量は1J/cm2である)。
この予備硬化した紫外線硬化性ポリマー組成物層上にソルベントオイル(出光石油化学(株)製のIP2028)をスプレーで塗布して液体の膜を形成した(厚さ5μm)。
ついで上記高圧水銀灯を用いて紫外線を800mJ/cm2照射して紫外線硬化性ポリマー組成物層を完全に硬化させた後ソルベントオイルを拭き取り、硬化積層体を作製した。
この積層体の表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。結果を表1に示す。
比較例1(一段硬化法)
実施例1において、ソルベントオイルを塗布しなかったほかは実施例1と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
実施例1において、ソルベントオイルを塗布しなかったほかは実施例1と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
この積層体の表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。結果を表1に示す。
比較例2(一段硬化法)
(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)のハードコート層上にスピンコーターにより実施例1の紫外線硬化性ポリマー組成物を塗布し、20分間室温で乾燥した(膜厚136nm)。
(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)のハードコート層上にスピンコーターにより実施例1の紫外線硬化性ポリマー組成物を塗布し、20分間室温で乾燥した(膜厚136nm)。
この積層体を石英製の蓋のついた密閉容器に入れ、高純度窒素ガスでパージし、容器内酸素濃度を5ppmに調整した。
ついで、実施例1で使用した高圧水銀灯により紫外線を1J/cm2照射して、紫外線硬化性組成物層を完全に硬化した。
この積層体の表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。結果を表1に示す。
実施例3(一段硬化法)
実施例1において、ハードコート層形成済みのPETフィルムに代えて、PETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ12μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルムを用い、ソルベントオイルに代えてフッ素オイル(ダイキン工業(株)製のデムナムS200。酸素飽和溶解度727ppm;20℃)を用いたほかは実施例1と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製し、表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。
実施例1において、ハードコート層形成済みのPETフィルムに代えて、PETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ12μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルムを用い、ソルベントオイルに代えてフッ素オイル(ダイキン工業(株)製のデムナムS200。酸素飽和溶解度727ppm;20℃)を用いたほかは実施例1と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製し、表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。
実施例4(二段硬化法)
実施例3において、ハードコート層形成済みのPETフィルムに代えてPETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ12μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルムを用い、ソルベントオイルに代えてフッ素オイル(ダイキン工業(株)製のデムナムS200)を用いたほかは実施例2と同様にして予備硬化、完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
実施例3において、ハードコート層形成済みのPETフィルムに代えてPETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ12μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルムを用い、ソルベントオイルに代えてフッ素オイル(ダイキン工業(株)製のデムナムS200)を用いたほかは実施例2と同様にして予備硬化、完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
この積層体の表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。結果を表1に示す。
比較例3(一段硬化法)
実施例3において、フッ素オイルを塗布しなかったほかは実施例3と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
実施例3において、フッ素オイルを塗布しなかったほかは実施例3と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
この積層体の表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。結果を表1に示す。
比較例4(一段硬化法)
比較例2(窒素雰囲気条件での硬化)において、基材フィルムとして、PETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ5μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルムを用いたほかは比較例2と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
比較例2(窒素雰囲気条件での硬化)において、基材フィルムとして、PETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ5μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルムを用いたほかは比較例2と同様にして完全硬化を行い、硬化積層体を作製した。
この積層体の表面硬化層につき、実施例1と同じ特性を調べた。結果を表1に示す。
表1中の略号はつぎのものである。
PET1:(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)
PET2:PETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ12μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルム
ソルベントオイル:出光石油化学(株)製のIP2028。酸素飽和溶解度600ppm
;20℃)
フッ素オイル:ダイキン工業(株)製のデムナムS200。酸素飽和溶解度727ppm;20℃)
PET1:(株)きもと製のハードコート層形成済みのPETフィルム(厚さ125μm)
PET2:PETフィルム(ユニチカ(株)製のSA−100。厚さ100μm)にハードコート剤(旭電化工業(株)製のKRX−559)を厚さ12μmに塗布して紫外線を照射して硬化させたフィルム
ソルベントオイル:出光石油化学(株)製のIP2028。酸素飽和溶解度600ppm
;20℃)
フッ素オイル:ダイキン工業(株)製のデムナムS200。酸素飽和溶解度727ppm;20℃)
Claims (4)
- (i)基材上にラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を形成する工程、および
(ii)該ラジカル硬化性ポリマー組成物からなる層を酸素飽和溶解度が1000ppm以下である常温で液状の物質で被覆した後、該ラジカル硬化性ポリマー組成物を硬化させる工程
を含む、基材上にラジカル硬化したポリマーからなる層が積層された積層体の製造法。 - 前記常温で液状の物質が、オイルである請求項1記載の製造法。
- 前記オイルが、炭化水素系オイルまたはフッ素系オイルである請求項2記載の製造法。
- 前記ラジカル硬化したポリマーからなる層が反射防止膜層である請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
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