JP2006006119A - 微生物菌体の処理方法および処理装置、ならびに菌体触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】 培養終了後に微生物菌体中の酵素活性が低下するのを抑える。
【解決手段】酵素産生能を有する微生物菌体を培養して菌体液を得る培養工程と、培養後の菌体液を冷却する冷却工程と、冷却された菌体液から菌体を分離する分離工程を有することを特徴とする微生物菌体の処理方法。
【選択図】 なし
【解決手段】酵素産生能を有する微生物菌体を培養して菌体液を得る培養工程と、培養後の菌体液を冷却する冷却工程と、冷却された菌体液から菌体を分離する分離工程を有することを特徴とする微生物菌体の処理方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、菌体触媒の製造に好適な微生物菌体の処理方法、該処理方法に用いられる処理装置、および菌体触媒に関する。
現在、酵素活性を有する微生物菌体は、化学変換反応の触媒(菌体触媒)として多くの場面で使用されている。例えば、ニトリル基の水和能を有する酵素であるニトリルヒドラターゼやニトリラーゼを含有する菌体触媒は、化学工業上重要なアミド化合物の効率的な製造を可能にするため、世界的に多く使用されている。また、光学活性体の製造においても光学選択性のある酵素を保有する菌体触媒が一般的に使用されている。
しかしながら微生物菌体中の酵素は、培養終了後に経時的失活が生じ、活性が低下してしまう。菌体触媒中の酵素活性の低下は、化合物の製造等における菌体触媒の使用量の増加をもたらし、その結果、反応工程や精製工程の負荷が増す。このことは品質低下の原因となるうえ経済的にも好ましくない。
微生物菌体中の酵素は、一般的に低温で保存した方が失活しにくいことは知られている。そこで、菌体を培養し、遠心分離により濃縮して得られる濃縮菌体液を25℃以下に冷却した後、凍結保存用の容器に充填して凍結させることにより、凍結保存中における菌体の酵素活性低下を抑える方法が提案されている(下記、特許文献1)。
特開2003−125763号公報
しかしながら、この方法によっても、微生物菌体の培養終了後における酵素活性の低下抑制効果は十分とは言えなかった。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、培養終了後に微生物菌体中の酵素活性が低下するのをより抑えることができるようにした微生物菌体の処理方法、処理装置、および菌体触媒を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、培養終了後の菌体液から菌体を分離する工程においても酵素活性の低下が生じることを知見した。そして、培養後の菌体液を分離工程に供する前に冷却することにより、該分離工程における酵素活性の低下を抑制できることを見出して本発明に到達した。
即ち、本発明の微生物菌体の処理方法は、酵素産生能を有する微生物菌体を培養して菌体液を得る培養工程と、培養後の菌体液を冷却する冷却工程と、冷却された菌体液から菌体を分離する分離工程とを有することを特徴とする。
本発明の微生物菌体の処理装置は、酵素産生能を有する微生物菌体を培養する培養手段と、前記培養手段から得られる菌体液を培養温度より低い温度に冷却する冷却手段と、
冷却された菌体液から菌体を分離する分離手段とを有することを特徴とする。
冷却された菌体液から菌体を分離する分離手段とを有することを特徴とする。
本発明の菌体触媒は、酵素産生能を有する微生物菌体を培養して得られた菌体液を冷却した後に、該菌体液から菌体を分離して製造されたことを特徴とする。
本発明の微生物菌体の処理方法および処理装置によれば、培養終了後に微生物菌体中の酵素活性が低下するのを効果的に抑えることができる。
また本発明の菌体触媒は、微生物菌体の培養終了後における酵素活性の低下が効果的に抑えられており、良好な酵素活性を有する。
また本発明の菌体触媒は、微生物菌体の培養終了後における酵素活性の低下が効果的に抑えられており、良好な酵素活性を有する。
本発明における、酵素産生能を有する微生物菌体の種類は特に限定されないが、培養により、工業的に有用な触媒作用を有する酵素を産生する微生物菌体として知られているものを適宜用いることができる。例えばニトリルヒドラターゼを産生する微生物菌体やニトリラーゼを産生する微生物菌体を挙げることができる。
ニトリルヒドラターゼ産生能を有する微生物としては、例えば、ノカルディア(Nocardia)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、ミクロコッカス(Micrococcus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、アシネトバクター(Acinetobacter)属、キサントバクター(Xanthobacter)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、リゾビウム(Rhizobium)属、クレブシエラ(Klebsiella)属、エンテロバクター(Enterobacter)属、エルウィニア(Erwinia)属、エアロモナス(Aeromonas)属、シトロバクター(Citrobacter)属、アクロモバクター(Achromobacter)属、アグロバクテリウム(Agrobacterium)属、およびシュードノカルディア(Pseudonocardia)属に属する微生物等が挙げられる。
これらの中でも、シュードモナス(Pseudomonas)属、バチルス(Bacillus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属は、非常に高活性で安定性の良いニトリルヒドラターゼ活性を発現するので好ましい。
具体的には、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)B23(FERM BP-187)、バチルス スミシー(Baillus smithii)SC-J05-1(FERM P-14037)、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1 (FERM BP-1478)、シュードノカルディア サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095等の菌株を挙げることができる。
また、これら微生物よりクローニングしてきたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で発現させた形質転換体も含まれる。任意の宿主としては、大腸菌やバチルス(Bacillus)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌や、酵母、放線菌などが例示できる。これら形質転換体の具体例としては、シュードノカルディア サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095のニトリルヒドラターゼ遺伝子を大腸菌(Esherichia coli)HB101 に形質転換したものとしてMT-10822(FERM BP-5785)を例示できる。
これらの中でも、シュードモナス(Pseudomonas)属、バチルス(Bacillus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、シュードノカルディア(Pseudonocardia)属は、非常に高活性で安定性の良いニトリルヒドラターゼ活性を発現するので好ましい。
具体的には、シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)B23(FERM BP-187)、バチルス スミシー(Baillus smithii)SC-J05-1(FERM P-14037)、ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1 (FERM BP-1478)、シュードノカルディア サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095等の菌株を挙げることができる。
また、これら微生物よりクローニングしてきたニトリルヒドラターゼ遺伝子を任意の宿主で発現させた形質転換体も含まれる。任意の宿主としては、大腸菌やバチルス(Bacillus)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌や、酵母、放線菌などが例示できる。これら形質転換体の具体例としては、シュードノカルディア サーモフィラ(Pseudonocardia thermophila)JCM3095のニトリルヒドラターゼ遺伝子を大腸菌(Esherichia coli)HB101 に形質転換したものとしてMT-10822(FERM BP-5785)を例示できる。
ニトリラーゼ産生能を有する微生物としては、例えば、ロドコッカス(Rhodococcus)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、ゴルドナ(Gordona)属、およびシュードモナス(Pseudomonas)属に属する微生物が挙げられる。
具体的には、ロドコッカスエスピー (Rhodococcus sp.)SK92(FERM BP-3324)、ゴルドナ テラエ (Gordona terrae)MA−1(FERM BP-4535)、シュードモナス エスピー (Pseudomonas sp.)BC−18(FERM BP-4536)およびブレビバクテリウム アセチリカム (Brevibacterium acetylicum)IAM1790 等の菌株を挙げることができる。
また、これら微生物よりクローニングしてきたニトリラーゼ遺伝子を任意の宿主で発現させた形質転換体も含まれる。任意の宿主としては、大腸菌やバチルス(Bacillus)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌や、酵母、放線菌などが例示できる。
具体的には、ロドコッカスエスピー (Rhodococcus sp.)SK92(FERM BP-3324)、ゴルドナ テラエ (Gordona terrae)MA−1(FERM BP-4535)、シュードモナス エスピー (Pseudomonas sp.)BC−18(FERM BP-4536)およびブレビバクテリウム アセチリカム (Brevibacterium acetylicum)IAM1790 等の菌株を挙げることができる。
また、これら微生物よりクローニングしてきたニトリラーゼ遺伝子を任意の宿主で発現させた形質転換体も含まれる。任意の宿主としては、大腸菌やバチルス(Bacillus)属細菌、ロドコッカス(Rhodococcus)属細菌や、酵母、放線菌などが例示できる。
<培養工程>
本発明の方法は、まず酵素産生能を有する微生物菌体を培養して菌体液を得る。
培養手段としては、特に限定されず、既存の培養槽を適宜用いることができる。
微生物菌体の培養は、特に制限はなく、資化し得る炭素源、窒素源、無機塩、さらに微量の有機栄養物などを含有する培地を適宜用いて行うことができる。
より高い酵素活性を発現する菌体をより大量に取得すべく、培養装置の最適化、培地成分の最適化、攪拌量・通気量・培養温度等の培養条件の最適化を行うことができる。
培養温度は、通常、その菌体にとって最も代謝の活発な温度(至適培養温度)が用いられる。一般的に、工業的に菌体触媒として使用される微生物の至適培養温度は、通常30℃〜40℃の範囲内である。
本発明の方法は、まず酵素産生能を有する微生物菌体を培養して菌体液を得る。
培養手段としては、特に限定されず、既存の培養槽を適宜用いることができる。
微生物菌体の培養は、特に制限はなく、資化し得る炭素源、窒素源、無機塩、さらに微量の有機栄養物などを含有する培地を適宜用いて行うことができる。
より高い酵素活性を発現する菌体をより大量に取得すべく、培養装置の最適化、培地成分の最適化、攪拌量・通気量・培養温度等の培養条件の最適化を行うことができる。
培養温度は、通常、その菌体にとって最も代謝の活発な温度(至適培養温度)が用いられる。一般的に、工業的に菌体触媒として使用される微生物の至適培養温度は、通常30℃〜40℃の範囲内である。
<冷却工程>
培養終了後、得られた菌体液を冷却する。本発明では、通常、培養槽に培養温度制御のために設けられている内部コイル/ジャケット等の培養温度制御手段を用いてもよく、ここれとは別に培養後の菌体液を冷却する冷却手段を設けてもよい。該冷却手段は、特に限定されず、例えば、培養槽にジャケットやコイル等の外部循環型の熱交換機等を設けて培養槽内で菌体液を冷却する構成としてもよい。または、培養槽から菌体液を移送しつつ、単独又は多段の熱交換器内を通過させる構成としてもよい。大量の菌体液を冷却する場合は、菌体液が培養槽から後記分離手段へ移送される間に冷却手段を通過するように構成して、連続的に冷却することが効率的で好ましい。
培養終了後、得られた菌体液を冷却する。本発明では、通常、培養槽に培養温度制御のために設けられている内部コイル/ジャケット等の培養温度制御手段を用いてもよく、ここれとは別に培養後の菌体液を冷却する冷却手段を設けてもよい。該冷却手段は、特に限定されず、例えば、培養槽にジャケットやコイル等の外部循環型の熱交換機等を設けて培養槽内で菌体液を冷却する構成としてもよい。または、培養槽から菌体液を移送しつつ、単独又は多段の熱交換器内を通過させる構成としてもよい。大量の菌体液を冷却する場合は、菌体液が培養槽から後記分離手段へ移送される間に冷却手段を通過するように構成して、連続的に冷却することが効率的で好ましい。
菌体液の冷却温度は、培養に用いた培養温度より低ければよい。培養温度としては、通常、至適培養温度の範囲内の温度が用いられる。冷却温度がより低い方が酵素活性の低下を抑えるうえで好ましいが、低すぎると例えば無機塩類等、菌体液に含まれる成分の析出や溶媒の氷結が生じ易くなる。このような成分の析出や溶媒の氷結は、後の分離工程を行う際に障害となるので、これらの不都合が生じないように冷却温度を設定することが好ましい。したがって、冷却温度の下限は菌体液の凝固点を超える温度が好ましく、例えば0℃超が好ましく、5℃以上がより好ましい。また冷却温度の上限は、培養に用いた微生物菌体の至適培養温度よりも低いことが好ましく、培養温度よりも5℃以上低いことがより好ましい。微生物菌体の至適培養温度が30〜40℃程度である場合には、冷却温度は25℃以下に設定することがより好ましい。
<分離工程>
本発明では、冷却された菌体液を分離工程に供して、菌体液から菌体を分離する。具体的には、遠心分離装置や膜分離装置等の分離手段を用いて、菌体液中の培地の一部、好ましくは大部分を分離除去することによって、菌体を高濃度で含む菌体液を得ることができる。このような分離工程は濃縮処理ということもでき、以下、濃縮処理により得られた菌体液を濃縮菌体液ということもある。
または分離工程として、かかる濃縮処理を行って得られた高濃度の菌体液に、純水や緩衝液等の分散媒を加えて菌体液中の培地を液置換することによって、菌体の分散液を得ることができる。この場合の分離工程は洗浄処理ということもでき、以下洗浄処理により得られた菌体液を洗浄菌体液ということもある。洗浄処理を行う場合、前記濃縮処理を行う工程と前記分散媒を加える工程を複数回ずつ交互に行うことによって、培地成分をより高度に除去することができる。
本発明では、冷却された菌体液を分離工程に供して、菌体液から菌体を分離する。具体的には、遠心分離装置や膜分離装置等の分離手段を用いて、菌体液中の培地の一部、好ましくは大部分を分離除去することによって、菌体を高濃度で含む菌体液を得ることができる。このような分離工程は濃縮処理ということもでき、以下、濃縮処理により得られた菌体液を濃縮菌体液ということもある。
または分離工程として、かかる濃縮処理を行って得られた高濃度の菌体液に、純水や緩衝液等の分散媒を加えて菌体液中の培地を液置換することによって、菌体の分散液を得ることができる。この場合の分離工程は洗浄処理ということもでき、以下洗浄処理により得られた菌体液を洗浄菌体液ということもある。洗浄処理を行う場合、前記濃縮処理を行う工程と前記分散媒を加える工程を複数回ずつ交互に行うことによって、培地成分をより高度に除去することができる。
分離手段としての遠心分離装置は、菌体液中の培地と菌体を分離できるものであればよく、連続式でも、回分式でもよい。工業的に大量の菌体液を処理する場合には、連続式の方が効率的である。
分離手段としての膜分離装置は、菌体液中の培地と菌体を分離できるものであればよく、工業的にはクロスフロー型のものが効率的で好ましい。膜の材質や孔径は菌体液の性状や物性、微生物菌体のサイズや性状に応じて、好適なものを選定して使用することが好ましい。
分離手段としての膜分離装置は、菌体液中の培地と菌体を分離できるものであればよく、工業的にはクロスフロー型のものが効率的で好ましい。膜の材質や孔径は菌体液の性状や物性、微生物菌体のサイズや性状に応じて、好適なものを選定して使用することが好ましい。
<菌体触媒>
前記分離工程を経て得られる菌体液(濃縮菌体液または洗浄菌体液)は、酵素活性を有する微生物菌体を含んでおり、該微生物菌体は菌体触媒として機能する。
菌体触媒は、かかる酵素活性を有する微生物菌体を含有していればよく、その形態は特に限定されない。例えば前記分離工程により得られる菌体液(濃縮菌体液または洗浄菌体液)をそのままの状態で菌体触媒として用いてもよく、または該濃縮菌体液または洗浄菌体液に適宜の処理や加工を施したものを菌体触媒として用いてもよい。
前記分離工程を経て得られる菌体液(濃縮菌体液または洗浄菌体液)は、酵素活性を有する微生物菌体を含んでおり、該微生物菌体は菌体触媒として機能する。
菌体触媒は、かかる酵素活性を有する微生物菌体を含有していればよく、その形態は特に限定されない。例えば前記分離工程により得られる菌体液(濃縮菌体液または洗浄菌体液)をそのままの状態で菌体触媒として用いてもよく、または該濃縮菌体液または洗浄菌体液に適宜の処理や加工を施したものを菌体触媒として用いてもよい。
<処理装置>
本発明の微生物菌体の処理装置は、上記培養手段、冷却手段、および分離手段を備える。各手段の機構や配置等は適宜設計することができる。これらの手段以外の各種装置を必要に応じて設けてもよい。
本発明の微生物菌体の処理装置は、上記培養手段、冷却手段、および分離手段を備える。各手段の機構や配置等は適宜設計することができる。これらの手段以外の各種装置を必要に応じて設けてもよい。
本発明によれば、菌体液が培養温度よりも低い温度に冷却された状態で分離工程を行うことにより、培養温度のままで分離工程を行う場合に比べて、分離工程後における酵素活性を高くすることができる。
これは、通常、培養温度が微生物菌体にとって代謝の活発な温度であり、培養温度よりも低い温度に冷却されることにより、菌体の生命活動が低下して代謝も低減される。その結果、菌体の生命活動に伴う酵素の分解等が生じ難くなり、分離工程において微生物菌体が物理的ストレスを受けても、酵素活性の低下は生じ難いためと推測される。
したがって、培養終了後に微生物菌体中の酵素活性が低下するのが効果的に抑えられる。
また、培養工程を終えた後に分離工程を行って、菌体液に含まれる菌体以外の物質を分離除去することにより、不要物質の混入が防止または低減された菌体触媒を得ることができる。
これは、通常、培養温度が微生物菌体にとって代謝の活発な温度であり、培養温度よりも低い温度に冷却されることにより、菌体の生命活動が低下して代謝も低減される。その結果、菌体の生命活動に伴う酵素の分解等が生じ難くなり、分離工程において微生物菌体が物理的ストレスを受けても、酵素活性の低下は生じ難いためと推測される。
したがって、培養終了後に微生物菌体中の酵素活性が低下するのが効果的に抑えられる。
また、培養工程を終えた後に分離工程を行って、菌体液に含まれる菌体以外の物質を分離除去することにより、不要物質の混入が防止または低減された菌体触媒を得ることができる。
以下、本発明について実施例、比較例を挙げて更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(1)培養工程
ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1 (FERM BP-1478)を、酵母エキス0.2質量%、燐酸2水素1カリウム0.1質量%、燐酸1水素2カリウム0.1質量%、硫酸マグネシウム7水和物0.1質量%、塩化コバルト6水和物0.01質量%、硫酸アンモニウム0.025質量%、フルクトース2質量%、尿素2質量%、エタノール0.4質量%、およびプルロニックL61(旭電化工業株式会社製)0.1質量%を含む培地(pH7.0)で培養した。培養には、底部のステンレス板を介して加熱/冷却が可能な温度調節装置(冷却手段)を備えた3リットルの培養槽(高杉製作所社製)を用い、2リットルの培地に、上記菌株を20mL植菌した。培養条件は、ゲージ圧0.1MPa、温度30℃、好気的条件下で、2日間培養した。尚、培養開始後20時間目からフルクトース20質量%、エタノール5質量%、硫酸アンモニウム6質量%を含有する後添加培地を20ml/hrの流速で培養終了まで添加した。ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1中央第6)にFERM BP-1478として寄託されている。
(1)培養工程
ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1 (FERM BP-1478)を、酵母エキス0.2質量%、燐酸2水素1カリウム0.1質量%、燐酸1水素2カリウム0.1質量%、硫酸マグネシウム7水和物0.1質量%、塩化コバルト6水和物0.01質量%、硫酸アンモニウム0.025質量%、フルクトース2質量%、尿素2質量%、エタノール0.4質量%、およびプルロニックL61(旭電化工業株式会社製)0.1質量%を含む培地(pH7.0)で培養した。培養には、底部のステンレス板を介して加熱/冷却が可能な温度調節装置(冷却手段)を備えた3リットルの培養槽(高杉製作所社製)を用い、2リットルの培地に、上記菌株を20mL植菌した。培養条件は、ゲージ圧0.1MPa、温度30℃、好気的条件下で、2日間培養した。尚、培養開始後20時間目からフルクトース20質量%、エタノール5質量%、硫酸アンモニウム6質量%を含有する後添加培地を20ml/hrの流速で培養終了まで添加した。ロドコッカス ロドクロウス(Rhodococcus rhodochrous)J-1は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1中央第6)にFERM BP-1478として寄託されている。
(2)冷却工程
培養終了後、温度設定値を15℃に変更して培養槽内の菌体液の温度を15℃とした後、該菌体液をビーカーに移液し、冷蔵庫(冷却手段)で5℃に冷却した。
培養終了後、温度設定値を15℃に変更して培養槽内の菌体液の温度を15℃とした後、該菌体液をビーカーに移液し、冷蔵庫(冷却手段)で5℃に冷却した。
(3)分離工程(洗浄処理)
冷却工程後の菌体液を、連続式遠心ローター(SAKUMA社製、遠心分離機5OA−IVD)を用いて遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを5℃に冷却しておいた50mMの燐酸緩衝液(pH7.0)10リットル中に分散させ、得られた懸濁液を再度、前記連続式遠心ローターで遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを再度、50mM燐酸緩衝液(pH7.0)中に分散させて、菌体を乾燥質量濃度で10質量%含む洗浄菌体液を得た。
冷却工程後の菌体液を、連続式遠心ローター(SAKUMA社製、遠心分離機5OA−IVD)を用いて遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを5℃に冷却しておいた50mMの燐酸緩衝液(pH7.0)10リットル中に分散させ、得られた懸濁液を再度、前記連続式遠心ローターで遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを再度、50mM燐酸緩衝液(pH7.0)中に分散させて、菌体を乾燥質量濃度で10質量%含む洗浄菌体液を得た。
(4)ニトリルヒドラターゼ活性の測定
上記の分離工程を経て得られた菌体液のニトリルヒドラターゼ活性を以下のようにして測定する。
すなわち、菌体液0.1mlと、1/20M(0.05M)燐酸緩衝液(pH7.7)4.9mlとを混合し、これにさらに5.0質量%のアクリロニトリルを含む1/20M(0.05M)燐酸緩衝液(pH7.7)5mlを加えて、10℃で10分間反応させる。反応後、菌体を濾別した後、ガスクロマトグラフィー(GC−14B 島津製作所社製)により、生成したアクリルアミドを分析して定量する。分析条件はポラパックPS(ウォーターズ社製、カラム充填剤)を充填した1mガラスカラムを用い、カラム温度を230℃とし、検出器は250℃の水素炎イオン化検出器(FID)を用いる。
上記の分離工程を経て得られた菌体液のニトリルヒドラターゼ活性を以下のようにして測定する。
すなわち、菌体液0.1mlと、1/20M(0.05M)燐酸緩衝液(pH7.7)4.9mlとを混合し、これにさらに5.0質量%のアクリロニトリルを含む1/20M(0.05M)燐酸緩衝液(pH7.7)5mlを加えて、10℃で10分間反応させる。反応後、菌体を濾別した後、ガスクロマトグラフィー(GC−14B 島津製作所社製)により、生成したアクリルアミドを分析して定量する。分析条件はポラパックPS(ウォーターズ社製、カラム充填剤)を充填した1mガラスカラムを用い、カラム温度を230℃とし、検出器は250℃の水素炎イオン化検出器(FID)を用いる。
[実施例2]
実施例1において、(2)冷却工程を行う際に、冷蔵庫を用いず、培養槽の温度調節装置の温度設定値を25℃として冷却を行った。それ以外は、実施例1と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。実施例1で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す。
実施例1において、(2)冷却工程を行う際に、冷蔵庫を用いず、培養槽の温度調節装置の温度設定値を25℃として冷却を行った。それ以外は、実施例1と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。実施例1で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す。
[比較例1]
実施例1において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(30℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例1と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行い、実施例2と同様に、ニトリルヒドラターゼ活性の相対活性の値を下記表1に示す。
実施例1において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(30℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例1と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行い、実施例2と同様に、ニトリルヒドラターゼ活性の相対活性の値を下記表1に示す。
[実施例3]
(1)培養工程
実施例1の(1)培養工程において、培養槽として、ジャケットによる温度制御装置(冷却手段)を有した容量700リットルの培養槽を用い、培地量を500リットルとし、培養に用いた菌株量を5リットル、後添加培地の流速を5リットル/時間とした他は、実施例1と同様にして、菌体の培養を行った。
(1)培養工程
実施例1の(1)培養工程において、培養槽として、ジャケットによる温度制御装置(冷却手段)を有した容量700リットルの培養槽を用い、培地量を500リットルとし、培養に用いた菌株量を5リットル、後添加培地の流速を5リットル/時間とした他は、実施例1と同様にして、菌体の培養を行った。
(2)冷却工程
培養終了後、培養槽の温度制御装置に、0℃に冷却した30%エチレングリコール溶液を循環させて、培養槽内の菌体液の温度を10℃とした。
培養終了後、培養槽の温度制御装置に、0℃に冷却した30%エチレングリコール溶液を循環させて、培養槽内の菌体液の温度を10℃とした。
(3)分離工程(濃縮処理)
冷却工程後の菌体液を、クロスフロー型中空糸膜モジュール(クラレ社製、MLE7101)を用いて循環ろ過し、200リットルになるまで濃縮して濃縮菌体液を得た。
得られた濃縮菌体液について、ニトリルヒドラターゼ活性を上記実施例1と同様にして測定する。
冷却工程後の菌体液を、クロスフロー型中空糸膜モジュール(クラレ社製、MLE7101)を用いて循環ろ過し、200リットルになるまで濃縮して濃縮菌体液を得た。
得られた濃縮菌体液について、ニトリルヒドラターゼ活性を上記実施例1と同様にして測定する。
[比較例2]
実施例3において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(30℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例3と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。実施例3で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す。
実施例3において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(30℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例3と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。実施例3で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す。
[実施例4]
(1)培養工程
シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis )B23 (FERM BP-187)を、ショ糖1.0質量%、メタクリロニトリル0.5質量%、ポリペプトン(日本製薬株式会社製)0.3質量%、燐酸2水素1カリウム0.1質量%、燐酸1水素2カリウム0.1質量%、硫酸マグネシウム0.1質量%、酵母エキス0.3質量%、硫酸第一鉄0.001質量%、プルロニックL61の0.1質量%を含む培地(pH7.5)で、実施例1と同様の培養槽を用いて培養した。培地の量は2リットル、菌株の量は20mLとし、培養温度を27℃とした以外は実施例1と同じ培養条件とした。シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis )B23は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1中央第6)にFERM BP-187として寄託されている。
(1)培養工程
シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis )B23 (FERM BP-187)を、ショ糖1.0質量%、メタクリロニトリル0.5質量%、ポリペプトン(日本製薬株式会社製)0.3質量%、燐酸2水素1カリウム0.1質量%、燐酸1水素2カリウム0.1質量%、硫酸マグネシウム0.1質量%、酵母エキス0.3質量%、硫酸第一鉄0.001質量%、プルロニックL61の0.1質量%を含む培地(pH7.5)で、実施例1と同様の培養槽を用いて培養した。培地の量は2リットル、菌株の量は20mLとし、培養温度を27℃とした以外は実施例1と同じ培養条件とした。シュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis )B23は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1中央第6)にFERM BP-187として寄託されている。
(2)冷却工程
培養終了後、温度設定値を20℃にして培養槽内の菌体液の温度を20℃に冷却した。
培養終了後、温度設定値を20℃にして培養槽内の菌体液の温度を20℃に冷却した。
(3)分離工程(洗浄処理)
冷却工程後の菌体液を、実施例1と同様の連続式遠心ローターを用いて遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを5℃に冷却しておいた0.1質量%のアクリル酸水溶液(水酸化ナトリウムで中和したもの)10リットル中に分散させ、得られた懸濁液を再度、前記連続式遠心ローターで遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを0.1質量%アクリル酸水溶液(水酸化ナトリウムで中和したもの)中に分散させて、菌体を乾燥質量濃度で10質量%含む洗浄菌体液を得た。
冷却工程後の菌体液を、実施例1と同様の連続式遠心ローターを用いて遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを5℃に冷却しておいた0.1質量%のアクリル酸水溶液(水酸化ナトリウムで中和したもの)10リットル中に分散させ、得られた懸濁液を再度、前記連続式遠心ローターで遠心分離して菌体を含むケーキを得た。このケーキを0.1質量%アクリル酸水溶液(水酸化ナトリウムで中和したもの)中に分散させて、菌体を乾燥質量濃度で10質量%含む洗浄菌体液を得た。
(4)ニトリルヒドラターゼ活性の測定
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。
[比較例3]
実施例4において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(27℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例4と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。実施例4で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す
実施例4において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(27℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例4と同様に操作を行った。
ニトリルヒドラターゼ活性の測定は、上記実施例1と同様に行う。実施例4で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリルヒドラターゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す
[実施例5]
(1)培養工程
ゴルドナ テラエ (Gordona terrae)MA−1(FERM BP-4535)を、グリセロール2質量%、酵母エキス0.6質量%、金属塩混合液0.5質量%、1M硫酸ナトリウム0.2質量%、o−アミノベンゾニトリル0.02質量%、およびプルロニックL61の0.1質量%を50mM燐酸緩衝液(pH7.5)に溶解した培地で培養した。
尚、培地に用いた金属塩混合液は、硫酸ナトリウム56g、塩化マグネシウム8g、塩化カルシウム0.8g、硫酸マンガン0.6g、塩化第二鉄0.12g、硫酸亜鉛0.06gを純水に溶解させて1リットルにメスアップしたものである。
実施例1と同様の培養槽を用い、培地の量は2リットル、菌株の量は20mLとした。培養条件は、培養日数を3日間とした他は実施例1と同じとした。培養温度は30℃である。ゴルドナ テラエ (Gordona terrae)MA−1は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1中央第6)にFERM BP-4535として寄託されている。
(1)培養工程
ゴルドナ テラエ (Gordona terrae)MA−1(FERM BP-4535)を、グリセロール2質量%、酵母エキス0.6質量%、金属塩混合液0.5質量%、1M硫酸ナトリウム0.2質量%、o−アミノベンゾニトリル0.02質量%、およびプルロニックL61の0.1質量%を50mM燐酸緩衝液(pH7.5)に溶解した培地で培養した。
尚、培地に用いた金属塩混合液は、硫酸ナトリウム56g、塩化マグネシウム8g、塩化カルシウム0.8g、硫酸マンガン0.6g、塩化第二鉄0.12g、硫酸亜鉛0.06gを純水に溶解させて1リットルにメスアップしたものである。
実施例1と同様の培養槽を用い、培地の量は2リットル、菌株の量は20mLとした。培養条件は、培養日数を3日間とした他は実施例1と同じとした。培養温度は30℃である。ゴルドナ テラエ (Gordona terrae)MA−1は独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(茨城県つくば市東1-1-1中央第6)にFERM BP-4535として寄託されている。
(2)菌体の冷却
培養終了後、温度設定値を25℃にして培養槽内の菌体液の温度を25℃とした。
培養終了後、温度設定値を25℃にして培養槽内の菌体液の温度を25℃とした。
(3)分離工程(洗浄処理)
冷却工程後の菌体液を、実施例1と同様にして遠心分離し菌体ケーキを得た後、これを5℃に冷却しておいた50mM燐酸緩衝液(pH8.0)1リットルに分散させ、得られた懸濁液を、遠心分離して菌体を含むケーキを得た。これを50mM燐酸緩衝液(pH8.0)中に分散させて菌体を乾燥質量濃度で10質量%含む洗浄菌体液を得た。
冷却工程後の菌体液を、実施例1と同様にして遠心分離し菌体ケーキを得た後、これを5℃に冷却しておいた50mM燐酸緩衝液(pH8.0)1リットルに分散させ、得られた懸濁液を、遠心分離して菌体を含むケーキを得た。これを50mM燐酸緩衝液(pH8.0)中に分散させて菌体を乾燥質量濃度で10質量%含む洗浄菌体液を得た。
(4)ニトリラーゼ活性の測定
上記の分離工程を経て得られた菌体液のニトリラーゼ活性を以下のようにして測定する。
すなわち、菌体液0.2mlを、14mMのマンデロニトリルを含む0.8mlの50mM燐酸緩衝液(pH7.5)に懸濁し、30℃で4分間インキュベートした後、遠心分離により菌体を除去し反応を止める。菌体除去後の液について、液体クロマトグラフィーを用いてマンデル酸の定量を行う。分析条件はカラム:wakosil 5C18(和光純薬社製)、溶離液:20%アセトニトリル、0.1M燐酸、検出器:UV検出器254nm、カラム温度:30℃で実施する。
上記の分離工程を経て得られた菌体液のニトリラーゼ活性を以下のようにして測定する。
すなわち、菌体液0.2mlを、14mMのマンデロニトリルを含む0.8mlの50mM燐酸緩衝液(pH7.5)に懸濁し、30℃で4分間インキュベートした後、遠心分離により菌体を除去し反応を止める。菌体除去後の液について、液体クロマトグラフィーを用いてマンデル酸の定量を行う。分析条件はカラム:wakosil 5C18(和光純薬社製)、溶離液:20%アセトニトリル、0.1M燐酸、検出器:UV検出器254nm、カラム温度:30℃で実施する。
[比較例4]
実施例5において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(30℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例5と同様に操作を行った。
ニトリラーゼ活性の測定は、上記実施例5と同様に行い、実施例5で得られたニトリラーゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリラーゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す。
実施例5において、(2)の菌体液の冷却を行わず、培養終了後の菌体液(30℃)を直ちに分離工程に供した。それ以外は、実施例5と同様に操作を行った。
ニトリラーゼ活性の測定は、上記実施例5と同様に行い、実施例5で得られたニトリラーゼ活性の測定値を100とするときの、本例で得られたニトリラーゼ活性の測定値の相対値を相対活性として下記表1に示す。
表1に示されるように、菌体液が培養温度よりも低い温度に冷却された状態で分離工程を行った実施例1〜5は、培養温度のままで分離工程を行った比較例1〜4に比べて、分離工程後における酵素活性が高かった。
Claims (3)
- 酵素産生能を有する微生物菌体を培養して菌体液を得る培養工程と、
培養後の菌体液を培養温度より低い温度に冷却する冷却工程と、
冷却された菌体液から菌体を分離する分離工程とを有することを特徴とする微生物菌体の処理方法。 - 酵素産生能を有する微生物菌体を培養する培養手段と、
前記培養手段から得られる菌体液を培養温度より低い温度に冷却する冷却手段と、
冷却された菌体液から菌体を分離する分離手段とを有することを特徴とする微生物菌体の処理装置。 - 酵素産生能を有する微生物菌体を培養して得られた菌体液を培養温度より低い温度に冷却した後に、該菌体液から菌体を分離して製造されたことを特徴とする菌体触媒。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004183643A JP2006006119A (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | 微生物菌体の処理方法および処理装置、ならびに菌体触媒 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004183643A JP2006006119A (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | 微生物菌体の処理方法および処理装置、ならびに菌体触媒 |
Publications (1)
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Family Applications (1)
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JP2004183643A Withdrawn JP2006006119A (ja) | 2004-06-22 | 2004-06-22 | 微生物菌体の処理方法および処理装置、ならびに菌体触媒 |
Country Status (1)
Country | Link |
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2004
- 2004-06-22 JP JP2004183643A patent/JP2006006119A/ja not_active Withdrawn
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