JP2006005337A - 複合型反射型発光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 小型かつ簡易な構造で、電気的に光の配光特性を可変できる複合型反射型発光装置を提供する。
【解決手段】 複数の光学素子1、2が焦点または焦点近傍で反射面体3の光軸oa上にあるので、光学素子1、2が発光素子の場合には、焦点位置の光学素子は反射面3aから光軸oa方向と平行に反射し、焦点近傍の光学素子では焦点位置の光学素子と比べて若干平行からずれた角度で反射するものの、一様に反射する。これにより、従来の発光素子が横方向にずれて配置されたために反射面で光軸の左右で非対称に拡散し、一様な配光特性が得られにくいのに比べて、それぞれ一様で異なる光の配光特性を複数有することができる。また、複数の光学素子1、2が光軸oa方向にずれて配置されているので、従来のように横方向にずれて配置された場合に比べて小型かつ簡易な構造にでき、また光軸のバラツキを少なくすることができる。
【選択図】 図1




Description

本発明は、複数の光学素子と単一の凹面状の薄膜反射面体とを有する複合型反射型発光装置に関する。
従来から、照射光の光源や光の送受信装置などとして、複数の光学素子と単一の凹面状の反射面体とを有する種々の複合型反射型発光装置が使用されている。
従来装置の一例として、単一の反射面体を有し、複数の発光素子が横に並べられた、つまり複数の発光素子が反射面体の光軸から横方向にずれた複数の軸上に配置された発光装置が知られている(例えば、特許文献1)。また、複数の発光素子が反射面体の光軸上に配置されているものの、一方の受光素子を反射面の底面に、他方の発光素子を反射面の焦点に配置されている発光装置も知られている(例えば、特許文献2)。
特開平5−267721号公報 特開平9−116187号公報
しかし、特許文献1は、複数の発光素子が光軸から横方向に互いにずれて配置されているので、各発光素子からの光が反射面でばらばらに拡散し、各発光素子において一様な配光特性が得られにくい。また、この事から、製造上、各種の調整工程を必要とし、製品の歩留まりも低く、コストが上がり、さらに、発光素子が横方向にずれて配置されているので、装置が大型化し、配線構造も複雑になる。また、特許文献2は、反射面の底面の受光素子は受光するだけで、2つ共に発光素子として使用するものではない。すなわち、従来の複数の発光素子を有する反射型発光装置では、小型かつ簡易な構造で、それぞれ一様で異なる光の配光特性を複数有する複合型反射型発光装置を実現できなかった。
本発明は、前記問題点を解決して、小型かつ簡易な構造で、一様で異なる光の配光特性を複数有する複合型反射型発光装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明にかかる複合型反射型発光装置は、複数の光学素子と、凹面状の反射面をもち、その光軸上に焦点をもつ単一の反射面体とを備え、前記複数の光学素子が、前記単一反射面体の光軸上の焦点またはその近傍に当該光軸方向に互いにずらせて配置されて、異なる配光特性を有するものである。前記複数の光学素子には例えば発光素子が好ましく用いられる。ここで、配光特性(指向角パターン)とは、光学素子が発光(発光)または受光できる光線の3次元の広がりとその光強度をいう。
この構成によれば、反射面が略放物面の場合、複数の光学素子が焦点または焦点近傍で反射面体の光軸上にあるので、光学素子が発光素子の場合には、焦点位置の光学素子からの光は反射面で反射面が光軸方向と略平行に反射し、焦点近傍にずれて配置された光学素子からの光は焦点位置の光学素子と比べて若干平行からずれた角度で反射するものの、一様(拡散状態が均一)に反射する。これにより、従来の発光素子が横方向にずれて配置されたために反射面で光軸の左右で非対称に拡散し、一様な配光特性が得られにくいのに比べて、それぞれ一様で異なる光の配光特性を複数有することができる。また、複数の光学素子が光軸方向にずれて配置されているので、従来のように横方向にずれて配置された場合に比べて小型かつ簡易な構造にでき、配光特性の制御もより容易で歩留まりも向上し、製造コストも下げることができる。なお、光学素子が受光素子の場合には、焦点位置の光学素子は、外部からの光を集光し、焦点近傍の光学素子では焦点位置の光学素子と比べてずれて集光するものの、同様に従来と比較してそれぞれ一様(集光状態が均一)で異なる光の配光特性を複数有することができる。
リードには発光素子または受光素子がチップ状態でボンディングされ、このリードが反射鏡薄膜が蒸着生成された前記ケースに取り付けられていることが好ましい。この場合、基板に個別半導体部品のLEDやセンサを取り付けるのに比べて、開口部が大きくなり、光効率を向上することができる。
前記複数の発光素子の発光面がともに反射面と対向するように配置されていることが好ましく、また、少なくとも1つの発光素子の発光面が反射面と対向し、他の発光素子の発光面が反射面と反対側に対向していることが好ましい。さらに、複数の発光素子の発光色がそれぞれ異なることも好ましい。この場合、きれいな混色が得られる。
複数の光学素子は、少なくとも1つが発光素子で、他の少なくとも1つが受光素子であることが好ましい。また、複数の光学素子を駆動する電圧、電流を変化させることにより、その配光特性を変化させることが好ましい。
以下、本発明の実施形態を図面にしたがって説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る複合型反射型発光装置を示す構成図である。図1(A)に示すように、本装置は、複数の光学素子、例えば2つの第1、2発光素子(LEDチップ)1、2と、蒸着により放物面のような凹面状の薄膜として形成された反射面3aを有し、その光軸oa上に焦点をもつ反射面体3と、金属製のリード5〜8と、ワイヤ10、11とがケース9に収納されてなる。本装置は、LEDチップ1、2と反射面3a間に透明樹脂rが充填されて、一体成形されている。
図1(B)に示すように、LEDチップ1はケース9に固定された電源リード5上にマウントされ、ワイヤ10でグランドリード6に電気的に接続されている。LEDチップ2は電源リード7上にマウントされ、ワイヤ11でグランドリード8に電気的に接続されている。図1(C)に示すように、2つのLED チップ1、2は、反射面3aの光軸oa上にそれぞれ設けられており、光軸oa上の焦点または焦点近傍に配置されている。すなわち、本装置は、図1(B)のように、LEDチップ1をマウントしたリード5、6と、LEDチップ2をマウントしたリード7、8とを平面視で十字状に配置し、図1(C)のように、LEDチップ1、2を光軸oa上の焦点または焦点近傍で高さをずらして(例えば、10〜50μm)配置しているので、各LEDチップ1、2を所定位置に配置するのが容易で、小型かつ簡易な構造を実現できる。また、LEDチップ1、2を同一の光軸上に配置しているが、出射光におけるLEDチップ1、2自体による影の影響は、そのチップサイズが些少で、かつ光軸方向について周りの反射光から補完されることから、ほとんど生じない。
この例では、2つのLEDチップ1、2は、ともに各発光面が反射面3aと対向するように配置されている。また、LEDチップ1を焦点に位置させ、LEDチップ2を焦点よりも反射面3aに近づけた(図では焦点よりも下方)焦点近傍に位置させている。なお、LEDチップ2を焦点に、LEDチップ1を焦点よりも反射面3aから遠ざけた(図では焦点よりも上方)焦点近傍に位置させるようにしてもよい。また、LEDチップ1、2をともに焦点近傍に配置してもよい。
図1(D)に示すように、焦点に位置するLEDチップ1から発光された光は、反射面3aに反射して光軸oaと平行な光(実線)として出射する。一方、焦点よりも反射面3aに近づけた(図では焦点よりも下方)焦点近傍に位置しているLEDチップ2は、反射面3aに反射して拡散した光(一点鎖線)が出射する。この場合、LEDチップ1からの出射光はその光束が狭くて強い光となり、LEDチップ2からの出射光はその光束が広くて弱い光となる。各LEDチップ1、2の光軸oa上の位置およびその間の距離をスペーサなどを入れて適当に変えることにより、各LEDチップ1、2による出射光の配光特性を変え、さらに各LEDに通電する電流量を変えることで、2つのLEDチップからの光の放射光を合成した配光特性を可変することができる。
すなわち、本装置は2つのLEDチップ1、2を光軸oa上の焦点または焦点近傍に配置することにより、それぞれ異なる角度の出射光が得られ、異なる出射光(光の指向角)パターンが得られるものである。本装置を照明装置として使用する場合、LEDチップ2を焦点以外の焦点近傍に配置したとき、本例のように、焦点よりも反射面3aに近づけた焦点近傍に位置させると、反射面3aから出射する光束が広くなって弱い光となり、装置の位置から近いエリアの照明に適する。逆に、LEDチップ1を焦点位置または焦点よりも反射面3aから遠ざけた焦点近傍に位置させると、光束が狭くなって強い光となり、装置の位置から遠いエリアの照明に適する。そして、この場合、焦点または焦点近傍に位置する2つのLEDチップ1、2を、電気的に切り替えて選択的に発光させると、照射する距離に応じて適切な照明が可能となる。
図2(A)の反射面が放物面の場合の他例に示すように、2つのLEDチップ1、2を例えば光軸oa上の焦点(距離f)および焦点近傍(距離a)に配置した場合、焦点距離fをもつLEDチップ1の出射光は略平行光となって、図2(B)の図示αのような強度分布になる。焦点近傍の距離a(例えばf>a)のLEDチップ2の出射光は拡散光となって、図示βのような強度分布になる。この2つのLEDチップ1、2を同時に発光させて出射光を加え合わせると、図示εのような台形に近い強度分布になり、広い光束でかつ強い光が得られる。この中心部および周辺部の双方が明るく、周辺部の外側には光を照射しない照射パターンは、各種センサ、照明などに好適に用いられる。なお、LEDチップ2を焦点近傍の距離a(f<a)に配置した場合、その出射光は収束光となる。また、この2つのLEDチップを電気的に切り替えて通電することで、同じ電力で、2種類、広角で弱い配光特性、または狭角で強い配光特性を切り替えて使用したり、また照明強度の要求に合わせて双方を同時に通電したり、また例えば、LEDチップ1への通電時間とLEDチップ2の通電時間の比率を変更する事で、2つの異なる配光特性を加算した配光特性を自在に作ることもできる。
さらに、例えば、各LEDチップ1、2への入力電流パルスのON−OFF時間の比率変更や、最大パルス入力電流値を大きくするなど、LEDチップ1、2への入力電流の調整により、照射波形を変えることができ、この波形を組み合わせることで、配光特性を所望の特性に変更することが可能となる。図2(C)は、例えば、入力電流パルスが50%デューティサイクルと80%デューティサイクルの場合を示す。
上記の焦点距離fと距離aとの関係は、実験結果によると、光の有効利用の観点から、0.5f<a<2fの範囲であることが好ましい。
このように、第1実施形態では、複数の発光素子1、2が焦点または焦点近傍で反射面体3の光軸oa上にあることから、焦点位置の発光素子1からの光は反射面3aで光軸oa方向と平行に反射し、焦点近傍の光学素子2からの光は焦点位置の発光素子1と比べて若干平行からずれた角度で反射するものの、発光素子2が焦点から光軸oa方向にずれているだけなので、反射面3aで一様(拡散状態が均一)に反射する。これにより、従来の発光素子が横方向にずれて配置されたために反射面でばらばらに拡散し、一様な配光特性が得られにくいのに比べて、それぞれ一様で異なる光の配光特性を複数作り出すことができる。また、複数の発光素子1、2が光軸oa方向にずれて配置されているので、従来のように横方向にずれて配置された場合に比べて小型かつ簡易な構造にできる。
図3は、第2実施形態に係る複合型反射型発光装置の内部構造を示す。
本装置は、図1と同様に、2つの発光素子(LEDチップ)1、2は、反射面3aの光軸oa上にそれぞれ設けられており、光軸oa上の焦点または焦点近傍に配置されている。しかし、第2実施形態は、第1実施形態のLEDチップ1、2の発光面がともに反射面3aと対向しているのと異なり、LEDチップ2の発光面は反射面3aと対向しているものの、LEDチップ1の発光面は反射面3aの反対側(出射方向)に対向している。つまりLEDチップ1、2をマウントしているリードは5、6とリード7、8とを背中合わせに配置している。リードは互いに絶縁されLEDチップ1,2を独立して通電してもよく、またはリード1,2の同一のリードにして、グランドを共通にしてもよい。この例では、LEDチップ2は反射放物面3aの略焦点に配置されている。LEDチップ1上の図には示されないが、適切な例えば高反射率の樹脂にて小型レンズを凹面体ケースの内部が樹脂充填されるときに、同時に一体的に成型を行い、LEDチップ1からの配光パターンを一様にすることも好ましい。
LEDチップ1の発光面からは放射状に光が出射し、その配光特性はチップ上に形成する例えば上記の小型レンズによって決められる。LEDチップ2からの光は反射面で反射され。第2実施形態も、第1実施形態と同様に、小型かつ簡易な構造で、2つのLEDチップによりそれぞれ異なる角度の出射光が得られ、異なる配光特性のパターンが得られる。
図4は、第3実施形態に係る複合型反射型発光(反射複合型受発光)装置を示す。本装置は、発光素子(LEDチップ)1と受光ダイオード(PDチップ)のような受光素子4とが反射面3aの光軸oa上にそれぞれ設けられており、光軸oa上の焦点または焦点近傍に配置されている。LEDチップ1からの光を集光する高屈折率マイクロレンズ21がLEDチップ1上に設けられ、マイクロレンズ21は凹面体鏡を充填する樹脂rと一体成型されている。PDチップ4は凹面体鏡の略焦点に位置している。また機能を上げるため、LEDチップ1の外周面に沿って環状の集光用のマイクロリフレクタ23を、PDチップ4の外周面に沿って環状の雑音防止用のマイクロリフレクタ24を設けてもよい。LEDチップ1の発光面は反射面3aの反対側(出射方向)と、PDチップ4の受光面は反射面3aと対向しており、LEDチップ1をマウントしているリード5、6とPDチップ4をマウントしているリード7、8とを背中合わせに配置している。その他の構成は図3と同様である。
LEDチップ1から発光した光は一部がリフレクタ23で集光され、レンズ21により例えば光軸oaに略平行な光として被照射体に照射される。被照射体からの反射光は反射面3aに反射して、略焦点位置のPDチップ4に受光される。発光素子と受光素子が双方とも光軸上にあるので、光の利用効率が高く、遠距離の物体を検知できる利点がある。レンズ21と焦点からの距離を適当に選択することにより、LEDチップ1からの配光特性と反射面3aを介した入射光パターンとからなる光のPDチップ4の受光特性を可変できるので、非照射体の検知特性が最適になるように、受発光素子を一体的に製造することができ、また小型でかつ簡易な構造で、かつ低コストで得ることができる。本装置は被照射体を検出するセキュリティ装置や検査装置のほか、光通信装置などとしても使用できる。
図5は、第4実施形態に係る複合型反射型発光装置を示す。
本装置は、複数の、例えば3つの発光素子(LEDチップ)31〜33が焦点または焦点近傍の光軸oa上に配置されるものであって、発光色のそれぞれ異なる透明なLEDチップ31〜33と電極35とを交互に積層して(ミルフィーユ方式)、リード8にマウントしたものである。この例では3つのLEDチップがほぼ同じ大きさであるが、積層するLEDチップのサイズを上から順番に大きくしても、逆に小さくしてもよい。
本装置は、例えば 赤色(R)LEDチップ、緑色(G)LEDチップおよび青色(B)LEDチップからの光を混色して白色を得る場合に好ましく用いられる。なお、2つの青色(B)LEDチップおよび黄色素子(Y)を混色して白色を得るようにしてもよい。上記と同様に複数の発光素子31〜33が同一光軸oa上に配置されて、一様な出射光パターンが得られるので、色むらやばらつきの少ない(きれいな)混色が得られる。また、より混色を良くするために、各電極35のオン・オフを電気的に高速で切り替えたり、反射面3aで光を散乱させることや、チップの表面に光学シリカなど適切な散乱材料を塗布するなどの手段を講じてもよい。
本発明の第1実施形態に係る複合型反射型発光装置を示す構成図である。 第1実施形態の他例に係る複合型反射型発光装置を示す構成図および特性図である。 第2実施形態に係る複合型反射型発光装置を示す構成図である。 第3実施形態に係る複合型反射型発光装置を示す構成図である。 第4実施形態に係る複合型反射型発光装置を示す構成図である。
符号の説明
1、2:光学(発光)素子
3a:反射面
4:光学(受光)素子
31〜33:光学(発光)素子
oa:光軸

Claims (8)

  1. 複数の光学素子と、蒸着によって生成された、光軸上に焦点をもつ単一の薄膜反射凹面をもつケースを備え、前記複数の光学素子が、前記単一の反射面体の光軸上の焦点またはその近傍に当該光軸方向に互いにずらせて配置されて、異なる配光特性を有する複合型反射型発光装置。
  2. 請求項1において、反射面はケースの凹面に薄膜として作成されたもので、このケースにリードが固定され、該リードに前記光学素子が取り付けられている複合型反射型発光装置。
  3. 請求項1または2において、複数の光学素子がともに発光素子である複合型反射型発光装置。
  4. 請求項3において、複数の発光素子の発光面がともに反射面と対向するように配置されている複合型反射型発光装置。
  5. 請求項3において、少なくとも1つの発光素子の発光面が反射面と対向し、他の発光素子の発光面が反射面と反対側に対向している複合型反射型発光装置。
  6. 請求項3において、複数の発光素子の発光色または波長がそれぞれ異なる複合型反射型発光装置。
  7. 請求項1または2において、複数の光学素子は、少なくとも1つが発光素子で、他の少なくとも1つが受光素子である複合型反射型発光装置。
  8. 請求項1または2において、複数の光学素子を駆動する電圧、電流を変化させることにより、その配光特性を変化させる複合型反射型発光装置。
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