JP2006003125A - 張力検出装置 - Google Patents

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隆史 三ツ橋
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Abstract

【課題】巻出し、巻取り時における長尺物の張力を非接触で高精度に検出することができるようにした張力検出装置を提供する。
【解決手段】リール4に巻回されている長尺物5を回転軸3の回転によって矢印B方向に巻出し、図示しない巻取りリールによって巻取る。スライド部材23は、回転軸3を回転自在に保持する。長尺物5の巻出しに際しては、張力制御装置6によって回転軸3に制動トルクを付与しておく。長尺物5は、リール4から巻出されると巻径が減少することにより張力が増大する。長尺物5の張力が増大すると、回転軸3の軸線と直交する巻出し方向(矢印B方向)の分力が回転軸3に作用するため、回転軸3とスライド部材23はガイド板21a,21bに沿って矢印B方向に変位する。スライド部材23の変位を変位検出手段によって検出し、その検出信号に基づいて張力制御装置6への供給電流を制御し制動トルクを小さくすることにより、長尺物5の張力を一定になるようにする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、紙、シート、糸、ロープ等の長尺物を巻出したり、巻取るときの長尺物の張力変化を検出する張力検出装置に関するものである。
長尺物の巻出し、巻取り装置において、巻出しリールに巻回された紙、シート等の長尺物を所定の張力を与えながら巻出して巻取りリールに巻取っていくと、長尺物の張力は巻径の変化に反比例して変化する。すなわち、長尺物の張力をF、巻径をD、回転軸に作用するモーメント(制動トルクまたは駆動トルク)をTとすると、張力Fは次式で表される。
F=2T/D
このため、例えば巻出し時において長尺物の張力Fを一定にするためには、巻出しリールの回転軸に対する制動トルク(T)を長尺物の巻径Dの減少にともなって漸次減少させる必要がある。一方、巻取り時においては、巻出し側の長尺物の巻径の減少にともなって張力が増大し、この張力が長尺物を介して巻取り側の回転軸に作用するため、巻取り側回転軸に対する駆動トルク(T)を漸次減少させる必要がある。
長尺物の巻出し、巻取り時における張力を一定にするための方法としては、長尺物の張力を検出してフィードバックし張力制御装置を制御する方法(例えば、特許文献1参照)、実際の巻径を検出器で計測して長尺物の張力を制御する方法(例えば、特許文献2参照)、巻軸の回転数と長尺物の走行速度を計測して長尺物の張力を制御する方法(例えば、特許文献3参照)などがある。なお、本発明は長尺物の巻出し、巻取り時における張力を検出してフィードバックし張力制御装置を制御する方式を採用した張力検出装置の改良に関するものである。
特開2003−83827号公報 特開昭49−21591号公報 特開昭54−106760号公報
長尺物の張力制御装置としては、電磁パウダークラッチ・ブレーキや電磁ヒステリシスクラッチ・ブレーキなどの空隙型電磁連結装置を巻出し時においては制動トルクを付加する負荷ブレーキとして用い、巻取り時においては駆動トルクを伝達するクラッチとして用いることが周知である(例えば、特許文献4,5参照)。
特公昭50−11010号公報 特開昭50−77764号公報
前記特開2003−83827号公報に開示されている張力検出器は、長尺物の張力変動に応じて変位する可動部材を備えている。可動部材は、長尺物を支持、案内する複数個のローラーと、前記複数個のローラーのうちの1つが取付けられ前記長尺物の張力変動に対応して揺動する支持部材と、この支持部材を介して前記ローラーを長尺物に押し付けるコイルばねとで構成され、前記支持部材の揺動変位を変位検出手段によって検出するようにしている。
しかしながら、上記した特開2003−83827号公報に開示されている張力検出器は、可動部材の一端を揺動自在に枢支し、長尺物の走行方向と直交する方向の張力の分力によって可動部材を揺動変位させるようにしているため、長尺物の巻出し、巻取り時に可動部材が振動し易く、そのため振動による張力の変動が大きく、高い精度で張力を検出することができないという問題があった。
また、複数のローラーと可動部材を長尺物の走行部分に設けているため、そのための設置スペースを確保する必要がある。また、ローラーを長尺物の表裏面に接触させているので、長尺物を傷付けるおそれがあり、さらに長尺物の断面形状によってはローラーの形状が特殊な形状となるなど多くの問題があった。
本発明は上記した従来の問題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、巻出し、巻取り時における長尺物の張力を非接触で、かつ高精度に検出することができる張力検出装置を提供することにある。
上記目的を達成するために第1の発明は、長尺物の巻出しまたは巻取りを行う回転軸を回転自在に保持し、前記長尺物の張力変動に応じて前記回転軸の軸線と直交する巻出し方向のみの分力または巻取り方向とは反対方向のみの分力により直線変位するスライド部材と、前記スライド部材の変位を検出する変位検出手段とを備え、前記変位検出手段の検出信号に基づいて前記長尺物の張力が一定になるように前記回転軸に対するトルク伝達を制御するものである。
第2の発明は、スライド部材が互いに対向するガイド板間に水平方向に移動自在に支持されて配設され、付勢手段によって長尺物の巻出し方向と反対方向または巻取り方向に付勢されているものである。
第3の発明は、回転軸を張力制御装置の回転部材としたものである。
本発明においては、スライド部材と回転軸が長尺物の張力変動に応じて回転軸の軸線と直交する巻出し方向のみの分力または巻取り方向とは反対方向のみの分力により直線変位するので、長尺物の走行によるスライド部材と回転軸の振動が少なく、張力変動を高い精度で検出することができる。また、張力検出装置は長尺物に対して非接触状態で張力変動を検出できる。
また、スライド部材は回転軸に取付けられているので、長尺物の走行部分に格別な設置スペースを確保する必要がない。
さらに、張力制御装置の回転部材を長尺物の回転軸として用いると、定張力巻出し、巻取り装置の構造を簡素化することができる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る張力検出装置の一実施の形態を示す上カバーを取り外した状態の平面図、図2は同張力検出装置の左側面図、図3は図1のIII - III 線断面図、図4はスライド部材の支持部分の拡大断面図、図5は同スライド部材の圧縮コイルばねによる支持構造を示す拡大断面図、図6は位置検出手段の取付構造を示す正面図、図7は信号処理回路の構成を示すブロック図、図8は換算式及び補正テーブルの求め方を説明するための図、図9は補正テーブルの構成を示す図である。
図1〜図6において、全体を符号1で示す定張力巻出し、巻取り装置は、巻取り専用のモータ2と、回転軸3と、紙、シート等の長尺物5が巻回され前記回転軸3の一端に取付けられたリール4と、前記長尺物5の巻出し時に前記回転軸3に長尺物5の張力が一定になるように制動トルク(負荷ブレーキ力)を付与し、巻取り時には前記モータ2の駆動トルク(回転力)を前記回転軸3に伝達する張力制御装置6と、前記長尺物5の巻出し、巻取り時における張力変動を検出する張力検出装置7等を備えている。
前記巻取り専用モータ2は、定張力巻出し、巻取り装置1を長尺物5の巻出し装置として使用するときには用いられず、長尺物5の巻取り装置として使用するときにのみ駆動して前記回転軸3を長尺物5の巻取り方向(図1矢印A方向と反対方向)に回転させるものである。このため、巻取り専用モータ2の出力軸2Aの回転は、前記張力制御装置6、タイミングベルト8,9、タイミングプーリ10〜13等を介して前記回転軸3に伝達されるように構成されている。
前記張力制御装置6は、前記特公昭50−11010号公報、特開昭50−77764号公報に開示されている電磁パウダークラッチ・ブレーキや電磁ヒステリシスクラッチ・ブレーキなど従来周知の空隙型電磁連結装置からなり、定張力巻出し、巻取り装置1を巻出し装置として使用し、長尺物5をリール4から巻出す際には回転軸3に制動トルクを付与する負荷ブレーキとして用いられ、定張力巻出し、巻取り装置1を巻取り装置として使用するときは巻取り専用モータ2の駆動トルクを回転軸3に伝達するクラッチとして用いられる。本実施の形態においては、張力制御装置6として電磁パウダークラッチ・ブレーキ(以下、パウダーブレーキと略称する)を用いた例を示している。
巻取り専用モータ2の出力軸2Aとパウダークラッチ6の駆動側回転部材6Aには、タイミングプーリ10,11がそれぞれ取付けられており、これらのプーリ10,11間にはタイミングベルト8が張設されている。同様に、回転軸3とパウダークラッチ6の従動側回転部材6Bにもタイミングプーリ12,13がそれぞれ取付けられており、これらのプーリ12,13間にはタイミングベルト9が張設されている。
前記張力検出装置7は、前記定張力巻出し、巻取り装置1の回転軸3を軸支するケース20を備えている。ケース20は、回転軸3の軸線と直交するように前後に対向して配設された前面板21aおよび背面板21bと、回転軸3の両側に対向して配設された左右一対の側板21c,21cと、上板(図示せず)および底板21eとによって箱状に形成され、内部に前記回転軸3を回転自在に保持するスライド部材23と前記パウダークラッチ6が組み込まれている。回転軸3の前端部は、前面板21aに設けた貫通孔を貫通してケース20の前方に突出し、その突出端部には前記リール4が着脱可能に取付けられている。パウダークラッチ6の駆動側回転部材6Aは、背面板21bの後方に突出している。
前記前面板21aと背面板21bの互いに対向する内面上部には、それぞれ上下に対向する一対のガイド板25a,25bが複数個の止めねじ26(図4)によって固定されている。上方側の各ガイド板25aの表面27と下面28および下方側の各ガイド板25bの表面29と上面30は、前記スライド部材23を案内する案内面(以下、これらの面27〜30を案内面という)をそれぞれ形成している。
前記スライド部材23は、前後に対向する一対のスライド板32A,32Bと、これらのスライド板32A,32Bを連結する4本の連結棒33と、各スライド板32A,32Bにそれぞれ6個ずつ取付けられた合計12個のベアリングからなるコロ34(34a〜34l)等で構成され、前方側の一対のガイド板25a,25bと後方側の一対のガイド板25a,25b間に、前記案内面27〜30に沿って左右方向に移動自在に配設されている。一対のスライド板32A,32Bの中央には、前記回転軸3が貫通する軸受孔36(図1)が軸線を一致させてそれぞれ形成されている。これらの軸受孔36には、前記回転軸3を回転自在に軸支する前後一対の軸受37が嵌合されている。
合計12個のコロ34のうち8個のコロ34a〜34hは、各スライド板32A,32Bの上下面にそれぞれ支持軸38(図4)を介して2個ずつ水平な状態で回転自在に取付けられている。また、前方側のスライド板32Aに取付けられている4個のコロ34a〜34d(図3、図4)は、前方側のガイド板25a,25bの垂直な案内面27,29にそれぞれ回動自在に接触している。同様に、後方側のスライド板32Bに取付けられている4個のコロ34e〜34h(図1、図2、ただし、34gは図示せず)は、後方側のガイド板25a,25bの垂直な案内面27,29にそれぞれ回動自在に接触している。
図2〜図4において、残り4つのコロ34i〜34l(34kは図示せず)は、前方側のスライド板32Aの前面と、後方側のスライド板32Bの背面にそれぞれ支持軸40(図4)を介して前記回転軸3を挟んで左右に対向するように2個ずつ回転自在に取付けられている。前方側のスライド板32Aに取付けられている左右一対のコロ34i,34jは、前方側のガイド板25aと25bとの間の空間に嵌め込まれ、その水平な案内面28,30にそれぞれ回動自在に接触している。同様に、後方側のスライド板32Bの背面側に取付けられている左右一対のコロ34k,34lは、後方側のガイド板25aと25bとの間の空間に嵌め込まれ、その水平な案内面28,30にそれぞれ回動自在に接触している。したがって、スライド部材23は、前後のガイド板25a,25bによって前後方向および上下方向の移動を規制され、左右方向にのみ水平移動可能に保持されている。なお、各スライド板32A,32Bの高さ方向中央には、左右一対の貫通孔41(図4)がそれぞれ形成されており、これらの貫通孔41に前記支持軸40の一端部が嵌合され、止めねじ42によって固定されている。前記支持軸40の他端側にはコロ34i(34J〜34lも同様)がカラー44を介して回転自在に嵌合され、C形の止め輪45によって抜けを防止されている。
図1、図3および図6において、前記回転軸3の中央部にはスリット板47が取付けられており、このスリット板47に対応して前方側のスライド板32Aの背面にはフォトインタラプタ48が取付けられている。スリット板47とフォトインタラプタ48は、前記回転軸3の回転数を検出する回転検出手段49を構成している。
また、前記スライド部材23は、付勢手段としての圧縮コイルばね50によって長尺物5の巻出し方向(図1の矢印B方向)とは反対方向に付勢されている。前記圧縮コイルばね50は、前面板21aの背面左端部上方に取付けた支持板51とスライド板32Aの左側面との間に弾装されており、その両端がばね受座54,55(図5)にそれぞれ圧接されている。一方のばね受座54は、支持板51に止めねじ56とナット57によって前後調整可能に取付けられている。他方のばね受座55は、スライド板32Aの左側面に取付止めねじ58によって固定されている。また、前記前面板21aの背面で右端部上方には前記スライド板32Aの右端が当接することによりスライド部材23を初期位置に係止するストッパ59(図1、図3)が取付けられている。さらに、前記支持板51には、スライド部材23の巻出し方向の移動を制限するストッパ60が設けられている。なお、長尺物5の巻出し、巻取り時におけるスライド部材23の図1の矢印B方向の変位量は、最大1mm程度である。
図3および図6において、さらに前記スライド板32Aの上面にはL字型の取付部材62を介して永久磁石63が取付けられている。一方、ケース20の前面板21aの背面側には、基板64が固定されている。基板64には、ホール素子65が前記永久磁石63と近接して対向するように取付けられている。前記永久磁石63とホール素子65は、前記長尺物5の巻出し時または巻取り時にその張力変化に対応して図1の矢印B方向に変位する前記スライド部材23の変位量を検出し、前記長尺物5の張力値に対応する計測値に変換する変位検出手段66を形成している。また、前記基板64には、前記変位検出手段66から出力された信号を処理する信号処理回路70が設けられている。
図7において、前記信号処理回路70は、定電流駆動回路71、増幅回路72、A/D変換器73、マイクロコンピュータ74および記憶装置75とを備え、前記長尺物5の張力値と補正後の計測信号とが比例関係を示すように、前記変位検出手段66から出力された計測信号を補正するものである。変位検出手段66からの計測信号を信号処理回路70によって補正する理由は、信号処理回路70の構成を簡単にするために変位検出手段66として出力電圧が比較的大きなホール素子65を用いた場合、張力検出装置7の出力信号が長尺物5の張力変化と比例関係を示さなくなり、張力検出が不正確になるからである。なお、計測信号の補正については後述する。
次に、上記構造からなる張力検出装置7による長尺物5の張力検出について説明する。
回転軸3に取付けられたリール4に巻回されている長尺物5を巻出すときや、リール4に長尺物5を巻き取るときに、その巻径の変化に応じて長尺物5の張力が変化するため、この張力変化を張力検出装置7によって検出し、回転軸3に対するトルク伝達(巻出し時においては制動トルク、巻取り時においては駆動トルク)を長尺物5の張力が一定になるように制御する必要がある。
リール4に巻回されている長尺物5を巻出して図示しない巻取り装置のリールに巻取る場合について説明すると、このとき巻取り専用モータ2は使用されず停止している。一方、パウダークラッチ6は、電磁コイルへの通電によって回転軸3に制動トルクを付与している。
この状態でリール4から長尺物5が徐々に巻出されて巻取り側のリールに巻取られていくと、リール4に巻回されている長尺物5の巻径が徐々に減少するため、長尺物5の張力は徐々に増大する。長尺物5の張力が増大すると、回転軸3およびスライド部材23には巻出し方向(図1の矢印B方向)の分力が作用する。その他の分力は、スライド部材23がガイド板25a,25bに対して摺動抵抗が小さいコロ34を介して摺動する構造を採っているので小さい。
スライド部材23は、張力の矢印B方向の分力を受けると圧縮コイルばね50に抗して矢印B方向に水平移動し、変位検出手段66の永久磁石63をホール素子65から離間する方向に移動させる。このため、変位検出手段66の出力信号が変化し、この出力信号を信号処理回路70によって処理し、長尺物5の張力が一定になるようにパウダークラッチ6を制御する。以下、信号処理回路70による信号処理について説明する。
永久磁石63とホール素子65を対向させて配置しておくと、永久磁石63からホール素子65に磁界が印加される。定電流駆動回路71はホール素子65を定電流駆動し、ホール素子65は自身と交叉する磁束密度に応じた電圧を出力する。長尺物5の張力が変動(増大)すると、スライド部材23は回転軸3と一体に図1の矢印B方向に変位するので、ホール素子65と交叉する磁束密度が減少して、ホール素子65の出力電圧が変化する。
ホール素子65の出力電圧は、増幅回路72により後段の処理に適した電圧まで増幅される。A/D変換器73は、増幅回路72から出力されたアナログ電圧をデジタル値に変換する。なお、A/D変換器73は、単独の装置でもよいし、マイクロコンピュータ74に内蔵されたものでもよい。
マイクロコンピュータ74内の図示しない演算装置は、長尺物5の張力値とこの張力値に対応するマイクロコンピュータ74の出力信号(以下、計測信号と呼ぶ)とが比例関係を示すように計測信号を補正して出力する。計測信号の補正方法としては、マイクロコンピュータ74の内部または外部に設けられた記憶装置75に、換算式または補正テーブルを予め格納しておき、この換算式または補正テーブルを用いて計測信号を補正する。
換算式を求めるには、張力検出装置7の製造工程において、予め正確に校正された張力検出器(以下、校正器と呼ぶ)と本実施の形態の張力検出装置7とを直列に配置して、同一の長尺物5の張力を測定すればよい。校正器では、長尺物5の張力値と計測信号とが比例関係を示し、張力値と計測信号の特性線が図8に示すような直線(以下、理想特性線と呼ぶ)となる。一方、本実施の形態の張力検出装置7では、張力値と補正前の計測信号の特性線が図8に示すような曲線(以下、実特性線と呼ぶ)となる。
校正器と本実施の形態の張力検出装置7とを使った測定は、長尺物5の張力を変えながら複数回行う。長尺物5の張力を変えることにより、同一の張力値に対応する、本実施の形態の張力検出装置7の補正前の計測信号と校正器の計測信号との対が複数組得られるので、これら複数組の計測信号対(T1 ,Tm1 )、(T2 ,Tm2 )、(T3 ,Tm3 )、(T4 ,Tm4 )、(T5 ,Tm5 )、(T6 ,Tm6 )、(T7 ,Tm7 )・・・・を記憶する。
そして、取得した複数組の計測信号対に基づく回帰演算によって、補正前の計測信号(A/D変換器73のデジタル値)から理想特性線上にある補正後の計測信号を算出する換算式を生成して、この換算式を記憶装置75に格納しておく。
マイクロコンピュータ74内の演算装置は、記憶装置75に格納された換算式を用いて、補正前の計測信号(A/D変換器73のデジタル値)から補正後の計測信号(マイクロコンピュータ74から出力されるデジタル値)を算出する。
一方、補正テーブルを用いる場合には、前記複数組の計測信号対を図9に示すような補正テーブル150として記憶装置75に格納しておく。マイクロコンピュータ74内の演算装置は、記憶装置75に格納された補正テーブル150を用いて、補正前の計測信号から補正後の計測信号を求める。なお、A/D変換器73のデジタル値が補正テーブル750に登録されていない場合、例えばT1とT2の中間にある場合には、T1,T2に対応する補正後の計測信号Tm1,Tm2を用いて補間演算を行い、A/D変換器73のデジタル値に対応する補正後の計測信号を算出すればよい。
マイクロコンピュータ74からパラレル形式またはシリアル形式で出力されるデジタル値は、前記パウダークラッチ6へ送出され、電磁コイルへの励磁電流が下げられる。すなわち、パウダークラッチ6は、長尺物5をリール5から巻出す場合、長尺物5に張力を付与する負荷ブレーキとして作用しているので、パウダークラッチ6の磁束により楔状に連結されたパウダー(磁性粉体)の結合力を小さくして制動トルクを弱くすることにより、長尺物5に作用する張力を一定になるように小さくする。
一方、リール4によって長尺物5を巻取る場合は、巻取り専用モータ2を駆動すると、その駆動トルクがパウダークラッチ6を介して回転軸3に伝達される。このため、回転軸3は巻取り方向(図1の矢印A方向とは反対方向)に回転し、リール4によって長尺物5を巻取る。長尺物5をリール4に巻き取っていくと、長尺物5の巻径が徐々に増大する。一方、巻出し側プーリに巻回されている長尺物5の巻径は徐々に減少し、張力が増大するため、回転軸3とスライド部材23を圧縮コイルばね50に抗して図1矢印B方向に変位させる。回転軸3とスライド部材23が変位すると、永久磁石63とホール素子65の間隔が拡大し変位検出手段66の検出信号が変化するので、その検出信号を信号処理回路70によって処理し、パウダークラッチ6の電磁コイルへの励磁電流の供給を少なくする。これによりパウダークラッチ6のパウダーの結合力が小さくなり、スリップ回転する。したがって、モータ2の回転軸3に対する制動トルクが小さくなり、長尺物5の張力を一定になるように小さくする。
このように、本発明による張力検出装置7によれば、長尺物5の巻出し、巻取りを行う回転軸3とスライド部材23とを一体化してケース20内に収納し、巻出し時においては長尺物5の張力が変化したとき、その張力の巻出し方向の分力のみによって回転軸3とスライド部材23をガイド板25a,25bに沿って変位させ、巻取り時においては長尺物5の張力が変化したとき、その張力の巻取り方向とは反対方向であって回転軸3の軸線と直交する方向の分力のみによって回転軸3とスライド部材23をガイド板25a,25bに沿って変位させるように構成したので、長尺物5の巻出し、巻取り時における回転軸3およびスライド部材23の振動が少なく、高い精度で張力を検出することができる。
また、回転軸3に張力検出装置7を設けているので、長尺物5の走行部分に張力検出装置7のための設置スペースを確保する必要がなく、さらに長尺物5の張力を非接触で検出することができるので、長尺物5を傷つけたりするおそれもない。
図10は本発明に係る張力検出装置の他の実施の形態を示す上カバーを取り外した平面図である。
この実施の形態は、長尺物5を巻出す定張力巻出し装置100に適用したものである。このため、図1に示した巻取り専用モータ2を備えていない。また、張力制御装置として用いられるパウダーブレーキ80は、専ら制動トルクのみを長尺物5に付与する。
さらに、本実施の形態では、パウダーブレーキ80の回転部材80Aをスライド板32Bによって回転自在に保持し、回転部材80Aをリール4が取付けられる回転軸(上記した実施の形態における回転軸3)として用い、長尺物5の張力の変動にともないパウダーブレーキ80をスライド部材23と一体に巻出し方向に直線移動させるように構成したものである。その他の構造は上記した実施の形態と全く同一であるため、同一部品については同一符号をもって示し、その説明を省略する。
このような構造においては、タイミングベルト、タイミングプーリ等を必要としないため、簡素な定張力巻出し装置100とすることができる利点がある。
ここで、定張力巻出し装置100を定張力巻取り装置として使用する場合は、図1に示した巻取り専用モータ2を設ければよい。
なお、上記実施の形態においては、いずれもスライド部材23の摺動部材としてベアリングからなるコロ34を用いたが、これに限らず摩擦係数が小さいフッ素樹脂やコーティング層を設け、スライド部材23がケース20内を円滑に直線移動できるように構成してもよい。
また、張力検出手段66としては、永久磁石63とホール素子65を用いたものに限らす、他の適宜な検出手段を用いてもよい。
さらに、張力制御装置6を制御するための制御手段としては、図7に示した信号処理回路70を備えたものに何ら特定されるものではない。
本発明は、長尺物5として紙、シート等の帯状物に適用した例を示したが、これに限らず合成繊維、天然繊維、ガラス繊維、炭素繊維、金属線などの糸状物の定張力巻出し、巻取り装置にも適用することができる。
本発明に係る張力検出装置の一実施の形態を示す上カバーを取り外した状態の平面図である。 同張力検出装置の左側面図である。 図1のIII −III 線断面図である。 スライド部材の支持部分の拡大断面図である。 スライド部材の圧縮コイルばねによる支持構造を示す拡大断面図である。 位置検出手段の取付構造を示す正面図である。 信号処理回路の構成を示すブロック図である。 換算式及び補正テーブルの求め方を説明するための図である。 補正テーブルの構成を示す図である。 本発明に係る張力検出装置の他の実施の形態を示す上カバーを取り外した状態の平面図である。
符号の説明
1…定張力巻出し、巻取り装置、2…巻取り専用モータ、3…回転軸、4…リール、5…長尺物、6…張力制御装置、6A…駆動側回転部材、6B…従動側回転部材、7…張力検出装置、23…スライド部材、25a,25b…ガイド板、34,34a〜34l…コロ、37…軸受、66…変位検出手段、70…信号処理回路、80…張力制御装置、80A…回転部材。

Claims (3)

  1. 長尺物の巻出しまたは巻取りを行う回転軸を回転自在に保持し、前記長尺物の張力変動に応じて前記回転軸の軸線と直交する巻出し方向のみの分力または巻取り方向とは反対方向のみの分力により直線変位するスライド部材と、
    前記スライド部材の変位を検出する変位検出手段とを備え、
    前記変位検出手段の検出信号に基づいて前記長尺物の張力が一定になるように前記回転軸に対するトルク伝達を制御することを特徴とする張力検出装置。
  2. スライド部材は互いに対向するガイド板間に水平方向に移動自在に支持されて配設され、付勢手段によって長尺物の巻出し方向と反対方向または巻取り方向に付勢されていることを特徴とする請求項1記載の張力検出装置。
  3. 回転軸を張力制御装置の回転部材としたことを特徴とする請求項1または2記載の張力検出装置。
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