JP2006002993A - 電気採暖具 - Google Patents

Abstract

【課題】発熱体にかけられるカバー表面から空気中に放熱される熱を低減すること。
【解決手段】発熱体５と、この発熱体５を被覆する断熱材７と、この断熱材７の一方側に設けられた表面材４と、断熱材７の他方側に設けられた裏面材６とを備え、融点が３０℃〜５０℃の範囲内にある蓄熱材を内包するマイクロカプセル８が、前記表面材４に含浸または塗布されている。これによって、発熱体５からの過剰熱を蓄熱材に一時蓄熱することができる。即ち発熱体５の温度制御において、通電・休止を繰り返す際に、発熱体５が通電状態ではカバー表面より空気中に放熱されていた熱は蓄熱材に蓄熱され、また休止状態では蓄熱材から放熱することが可能となる。
【選択図】図２

Description

本発明は、電気カーペット等の電気採暖具に関するものである。

従来、この種の電気採暖具は、通電状態で発熱する発熱体を表生地と裏生地との間に配設してなるカーペット本体と、このカーペット本体の通電時における温度制御を行うコントロール部とを備えた上、前記カーペット本体の上面にカーペットカバーを装着して使用される（例えば、特許文献１参照）。

図５は、特許文献１に記載された従来の電気採暖具を示すものであるが、図に示すように、発熱線５と、表面材４と、裏面材６と、断熱材７とカバー３から構成されている。
特開平１１−１３２４８１号公報

しかしながら、前記従来の構成では、通電して発熱体より発生した熱は表面材を伝わり上部に載置したカバーと表面材の間の空気層を暖め、さらに上カバーに伝わり、カバー表面全体から空気中に放熱される。また、発熱体は、隣接する温度センサーとの組合せにより温度が制御される。つまり、発熱体の温度が設定温度に達すると、温度センサーからの信号により発熱体の発熱を休止し、次に発熱体の温度が設定温度以下になると温度センサーからの信号により発熱体を再加熱して温度が制御される。

そして、発熱体から発生する熱は発熱体上部に集中して伝えられるので必要以上の熱が発熱体上部のカバー表面から空気中に無駄に放熱されるという課題を有していた。

本発明は、前記従来の課題を解決するもので、発熱体から発生する熱を効率的に利用することを目的としている。

前記従来の課題を解決するために、本発明の電気採暖具は、発熱体と、前記発熱体を覆う断熱材とからなる本体と、前記本体の上面に表面材を備え、かつ前記本体の下面に裏面材を備え、前記表面材に蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含浸することにより発熱体からの過剰熱を蓄熱材に一時的に蓄熱する構成としたものである。

これによって、従来の電気採暖具においては、発熱体に対する温度制御により通電、休止を繰り返す過程において通電状態でカバー表面より空気中に放熱されていた熱を蓄熱材が蓄熱する一方、発熱体が休止状態となれば蓄熱材から放熱される。

本発明の電気採暖具は、蓄熱材が発熱体からの過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱材が放熱することにより熱効率を高めることができる。

第１の発明は発熱体と、前記発熱体を覆う断熱材とからなる本体と、前記本体の上面に表面材を備え、かつ前記本体の下面に裏面材を備え、前記表面材に３０℃〜５０℃の有する蓄熱材を内包するマイクロカプセルを含浸することにより、蓄熱材が発熱体からの過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱材が放熱することとなり、電気採暖具の熱効率を高めることができる。

第２の発明は、特に、第１の発明の蓄熱材の融点を５０℃〜７０℃の範囲とすることにより、第１の発明の蓄熱材と同様に発熱体からの過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱材が放熱することとなり電気採暖具の熱効率を高めることができる。

第３の発明は、第１または第２の発明の異なる複数種の蓄熱材を内包するマイクロカプセルを表面材に含浸することにより、第１、第２の発明と同様にシートに内包された蓄熱材が発熱体からの過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱材が放熱することとなり電気採暖具の熱効率を高めることができる。

以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。

（実施の形態１）
図１は、本発明の実施の形態１における電気採暖具の斜視図、図２は同実施の形態における電気採暖具の縦断面図を示すものである。図において、１は電気採暖具の本体であり、本体１の１側端にはコントローラ２が配設され、上面にはカバー３が載置される。また、本体１は上面の表面材４と表面材４の下部に配設される発熱体５と、本体１の下面の裏面材６と表面材４と裏面材６との間に配設される断熱材７より構成される。また、表面材４は融点が３０℃〜５０℃の範囲を所定温度とする蓄熱材を内包するマイクロカプセル８を含浸したものである。

以上のように構成された電気採暖具について、以下その動作、作用を説明する。まず、表面材４の融点温度が３０℃〜５０℃の範囲内とする所定温度を有する蓄熱材を内包したマイクロカプセル８を含浸することにより、電気採暖具の使用範囲である３０℃〜５０℃の範囲で発熱体５より放熱される熱を蓄熱することとなる。

そして、本実施の形態１においては蓄熱材を内包するマイクロカプセルが発熱体からの過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱された３０℃〜５０℃の範囲の熱を放熱することにより、発熱体からの熱を有効利用すると共に表面温度を均一に保ち、熱効率を高めることができる。

（実施の形態２）
図３は、本発明の実施の形態２の電気採暖具の縦断面図である。図３において、融点が５０℃〜７０℃の範囲を所定温度とする蓄熱材を内包したマイクロカプセル８を含浸した表面材４が配設されている。

以上のように構成された電気採暖具について、以下その動作、作用を説明する。まず、表面材４の表面に融点が５０℃〜７０℃の範囲の蓄熱材を内包したマイクロカプセル８を含浸することにより発熱体５より放熱される熱を蓄熱することとなる。また、発熱体５より放熱される熱は発熱体５と表面カバー３との間の空気断熱層による熱分散を考慮して表面の仕様温度より高い５０℃〜７０℃で設定されている。

本実施の形態においては蓄熱材を内包するマイクロカプセルが発熱体からの過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱された熱を放熱することにより、高温域での熱損失を抑え、かつ、発熱体からの熱を有効利用することとなり熱効率を高めることができる。

（実施の形態３）
図４は、本発明の実施の形態３の電気採暖具の縦断面図である。図４において、融点が３０℃〜５０℃の範囲の蓄熱材と５０℃〜７０℃の範囲の蓄熱材とをそれぞれ内包したマイクロカプセル８を含浸した表面材４が配設されている。

以上のように構成された電気採暖具について、以下その動作、作用を説明する。まず、表面材４の表面に３０℃〜５０℃の範囲の融点を有する蓄熱材と５０℃〜７０℃の範囲の融点を有する蓄熱材を内包したマイクロカプセル８を含浸することにより発熱体５より放熱される熱を５０℃〜７０℃の範囲内の融点を有する蓄熱材を内包したマイクロカプセル８が蓄熱することとなる。

また、発熱体５より放熱される熱は発熱体５と表面カバー３との間の空気断熱層による熱分散を考慮して表面の仕様温度より高い５０℃〜７０℃で設定されている。さらに、カバー３の表面設定温度である３０℃〜５０℃の範囲における温度域で３０℃〜５０℃の範囲内の融点を有する蓄熱材が蓄熱される。

以上のように、本実施の形態においては蓄熱材を内包するマイクロカプセルが発熱体からの２つの温度域で発生する過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱された熱を放熱することにより、２つの温度域での熱損失を抑え、かつ発熱体からの熱を有効利用することにより熱効率を高めることができる。

以上のように、本発明にかかる電気採暖具は、蓄熱材が発熱体からの過剰熱を蓄熱し、発熱体が休止状態で蓄熱材が放熱することとなり、電気採暖具の熱効率を高めることが可能となるので、発熱体を利用している電気毛布等の用途にも適用できる。

本発明の実施の形態１における電気採暖具の斜視図 同電気採暖具の縦断面図 本発明の実施の形態２の電気採暖具を示す縦断面図 本発明の実施の形態３の電気採暖具を示す縦断面図 従来の電気採暖具を示す縦断面図

符号の説明

１ 本体
２ コントローラ
３ カバー
４ 表面財
５ 発熱体
６ 裏面材
７ 断熱材
８ マイクロカプセル

Claims (3)

1. 発熱体と、前記発熱体を被覆する断熱材と、前記断熱材の一方側に設けられた表面材と、前記断熱材の他方側に設けられた裏面材とを備え、融点が３０℃〜５０℃の範囲内にある蓄熱材を内包するマイクロカプセルを前記表面材に含浸または塗布してなる電気採暖具。
2. 発熱体と、前記発熱体を被覆する断熱材と、前記断熱材の一方側に設けられた表面材と、前記断熱材の他方側に設けられた裏面材とを備え、融点が５０℃〜７０℃の範囲内にある蓄熱材を内包するマイクロカプセルを前記表面材に含浸または塗布してなる電気採暖具。
3. マイクロカプセルが複数種の異なる融点の蓄熱材を内包する請求項１又は２記載の電気採暖具。

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