JP2006002362A - 建物の床根太 - Google Patents

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Abstract

【課題】床板の厚みに対応して設置面から根太の上面までの高さを容易に変更することができるとともに、根太と床フレームとの接合部の強度を低下させることのない建物の床根太を提供すること。
【解決手段】上面が床板17で覆われ、下面が方形枠状の床梁(床フレーム)11に保持された床小梁16で支持されるとともに、両端部21、21が床梁11に支持される金属製の角型鋼管からなる根太20を有し、この根太20が一定間隔を置いて複数平行に並べられた建物ユニット(建物)10の床根太であって、根太20の両端部21、21には、下部を切り取ることにより断面逆U字状で、且つ、床梁11の上面に支持される支持部22を形成した。
【選択図】図1(a)

Description

本発明は、金属製の角型鋼管からなる根太が一定間隔を置いて複数平行に並べられた建
物の床根太に関する発明である。
従来の建物の床根太(以下、床根太という)としては、図3に示すようなものが知られ
ている(例えば、特許文献1〜3参照)。
この床根太1は、一対の床桁梁2、2間に平行に渡した複数の床小梁3に下面が支持さ
れるとともに、一対の妻床梁4に両端部5A、5Aが支持された複数の根太5を備えてい
る。そして、この複数の根太5は、床小梁3及び床妻梁4と直交する方向に沿って平行に
並べられている。
また、この複数の根太5の上面には、例えば厚さ15mmのパーチクルボードからなる
床板6が設けられ、各根太5はこの床板6によって覆われている。なお、図3において、
床板6は複数の根太5の一部を覆っているが、通常すべての根太5が床板6によって覆わ
れる。
そして、各根太5の両端部5A、5Aには、図3(b)及び図4に示すように、下部が
切り取られて長手方向に突出した支持部5Bがそれぞれ形成されている。支持部5Bは妻
床梁4によって支持され、根太5は、支持部5B及び床板6を貫通するタッピンネジ7に
よって床妻梁4に固定されている。
さらに、この従来の床根太1を備えた建物を、いわゆる準耐火建築物に適合させるため
には、床板6を加熱開始後45分間変形等に耐えうる構造としなければならなかった。
そのため、このような準耐火建築物に適合した建物の場合では、例えば床板6´を厚さ
12mmのパーチクルボード6Aと厚さ12mmの硬質木片セメント板6Bとを張り合わ
せて厚さ24mmに形成していた。
また、異種用途区画等に使用するために所定の防火性能が必要な床である界床であって
も、床板は上述の厚さ24mmに形成されていた。
このように、床板6の厚さが、15mmから24mmに変更される場合、床板6の増加
した厚み分だけ床板6の上面が上方に位置することとなってしまう。そのため、図5(a
)に示すように、根太5の支持部5Bの高さHを床板6の増加した厚み分だけ低く(小
さく)し、設置面Sから根太5の上面までの高さHを低く(小さく)することが考えら
れた。
しかし、このように支持部5Bの高さHを低くすると、この支持部5Bの根元の強度
が低下し、上方から荷重Fが負荷された場合、図5(b)に示すように、支持部5Bの根
元が破損するおそれがあった。
そこで、床板6の厚みが変更された場合には、図6に示すように、妻床梁4の開放側に
断面コ字状の支持部材8を合せるように設けて、この支持部材8の側面に根太受プレート
9を溶接固定し、この根太受プレート9の上面に根太5の端部5Aをタッピンネジ7によ
って固定したものが考えられていた。
一方、根太5の強度を高めるために、根太5を金属製の角型鋼管によって形成したもの
も知られている(例えば、特許文献4参照)。
特開2003−339585号公報 特公平7−6233号公報 特公昭58−37462号公報 特開2004−19191号公報
しかしながら、従来の床根太1において、準耐火建築物に適合した建物とするために床
板6の厚みを変更した場合、妻床梁4の開放側に設けられた支持部材8の側面に根太受プ
レート9を溶接固定しなければならず、溶接工程が必要であった。
また、支持部材8及び根太受プレート9が必要となるために部品点数が増加し、製造コ
ストも増加するという問題も生じていた。
さらに、根太5を金属製の角型鋼管によって形成した場合では、根太5の長手方向中間
部を切断し、この切断した端部近傍の上壁5Cにタッピンネジ7を貫通させて床小梁3等
に固定する際に(図7(a)参照)、タッピンネジ7の周囲に荷重や衝撃が加わって根太
5の上壁5Cが変形することがあった(図7(b)参照)。
そこで、この発明は、床板の厚みに対応して設置面から根太の上面までの高さを容易に
変更することができるとともに、根太と床フレームとの接合部の強度を低下させることの
ない建物の床根太を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、上面が床板で覆われ、下面が方
形枠状の床フレームに保持された床小梁で支持されるとともに、両端部が床フレームに支
持される金属製の角型鋼管からなる根太を有し、この根太が一定間隔を置いて複数平行に
並べられた建物の床根太であって、根太の両端部には、下部を切り取ることにより断面逆
U字状で、且つ、床フレームの上面に支持される支持部が形成されていることを特徴とし
ている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の建物の床根太において、支持部の内側には
スペーサが配設され、根太は、スペーサを介して床フレームに支持されるとともに、支持
部及びスペーサを貫通する固定部材によって床フレームに固定されることを特徴としてい
る。
請求項3に記載の発明は、上面が床板で覆われ、下面が方形枠状の床フレームに保持さ
れた床小梁で支持されるとともに、両端部が床フレーム上に支持される金属製の角型鋼管
からなる根太を有し、この根太が一定間隔を置いて複数平行に並べられた建物の床根太で
あって、根太の両端部の上壁には、端部を折り曲げられて形成された補剛部が設けられて
いることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の建物の床根太において、根太の両端部には
、下部を切り取ることにより断面逆U字状で、且つ、床フレームの上面に支持される支持
部が形成され、この支持部の内側にはスペーサが配設され、根太は、スペーサを介して床
フレームに支持されるとともに、支持部及びスペーサを貫通する固定部材によって床フレ
ームに固定されることを特徴としている。
本願請求項1の発明によれば、根太の両端部に断面逆U字状で妻床梁の上面に支持され
る支持部が形成されたので、この支持部の高さを変更することによって、床板の厚みに応
じて設置面から根太の上面までの高さを適宜変更することができる。
そのため、床板の厚みに関わらず、容易な構造で設置面から床板上面までの高さを一定
にすることができる。
また、根太が金属製の角型鋼管であるため、根太と床フレームとの接合部の強度の低下
を防止することができる。
本願請求項2の発明によれば、請求項1の効果に加え、根太が支持部及びこの支持部の
内側に配設されたスペーサを貫通する固定部材によって床フレームに固定されたので、根
太を床フレームに容易に固定することができるとともに、支持部の変形を確実に防止する
ことができる。
本願請求項3の発明によれば、根太の両端部の上壁には、折り曲げられて形成された補
剛部が設けられたので、根太の両端部の上壁の強度を増加させることができる。そのため
、この根太の両端部を釘等で床フレームに固定する場合であっても、根太の上壁が変形す
ることを防止できる。
本願請求項4の発明によれば、請求項3の効果に加え、根太が補剛部を形成された支持
部及びこの支持部の内側に配設されたスペーサを貫通する固定部材によって床フレームに
固定されたので、根太を床フレームに容易に固定することができるとともに、よりいっそ
う支持部の変形を防止することができる。
次に、図面に基づいて、この発明を実施するための最良の実施の形態の建物の床根太を
説明する。
図1(a)に示す建物ユニット10は、床梁11と、床梁(床フレーム)11上に立設
された柱12と、柱12の上部に支持された天井梁13とを備えた鉄骨構造体を有してい
る。
床梁11は、平行に配置された一対の妻床梁14、14と、この一対の妻床梁14、1
4の端部に掛け渡された一対の桁床梁15、15とを備え、方形枠状を呈している。そし
て、一対の桁床梁15、15間には複数の床小梁16が掛け渡されている。
また、妻床梁14の上側には、複数の根太20が各床小梁16と直交する方向に沿って
平行に配設され、各根太20の下面は床小梁16によって支持されている。
根太20の上側には、床板17が配設されており、この床板17によって各根太20の
上面が覆われている。なお、図1(a)における床板17は一部の根太20をのみを覆っ
ているが、通常すべての根太20が床板17によって覆われる。
柱12は、妻床梁14と桁床梁15との接合部分にそれぞれ設けられ、ほぼ垂直に起立
している。
天井梁13は、妻床梁14と平行に配設されるとともに柱12間に掛け渡された一対の
妻天井梁18、18と、桁床梁15と平行に配設されるとともに柱12間に掛け渡された
一対の桁天井梁19、19と、桁天井梁19、19間に掛け渡された複数の補助梁19a
とを備えている。
そして、補助梁19aの下面側に図示しない天井パネルが取り付けられて、天井が形成
される。
根太20は、短手方向の断面がほぼ正方形を成す金属製の角型鋼管によって形成されて
いる。なお、この角型鋼管は中空となっており、各壁面20A〜20Cの板厚T(図1(
b)参照)はここでは、それぞれ8mmとなっている。また、この厚みTはこれに限らず
、適宜所望の厚みに変更してもよい。
そして、この根太20の長手方向の両端部21、21には、図1(b)に示すように、
下部を切り取られることによって短手方向の断面が逆U字状になった支持部22がそれぞ
れ形成されている。
つまり、この支持部22は、根太20の一方の側壁20Bの上下方向中間部から下壁2
0C、他方の側壁(図示せず)の上下方向中間部に渡って切り取られ、上壁20Aと一対
の側壁20B(他方図示せず)がそれぞれ長手方向に突出することで形成されている。
そのため、一対の側壁20Bの上下方向中間部の切り取る位置を変更することによって
、支持部22の高さHを適宜変更することが可能となる。
そして、この支持部22の内側(開放側)には、直方体形状を呈したスペーサ23が内
接するように配設されている。このスペーサ23の高さHは、支持部22の高さH
りも大きくされ、側壁20Bの下端よりも下面が僅かに下方に突出している。これにより
、後述するように、根太20を妻床梁14上に配置した際に、支持部22の下端が妻床梁
14に当接しないようになっている。
また、スペーサ23は、合板や火山性ガラス質複層板等によって形成され、ねじや釘等
を打ち込んでも割れや欠けが生じにくいものとなっている。
なお、ここでは、根太20の上壁20A及び両側壁20Bに密着しているが、両側壁2
0Bに密着していなくともよい。
そして、この建物ユニット10の床根太を形成するには、まず、角型鋼管によって形成
された根太20の長手方向の両端部21、21の下部をそれぞれ切り取り、断面逆U字状
の支持部22を形成する。
次に、支持部22の内側に、あらかじめ支持部22に内接するように形成されたスペー
サ23を挿入し、図示しない接着剤等で接着固定する。
そして、スペーサ23が内側に接着固定された支持部22を妻床梁14上に配置し、支
持部22とスペーサ23とを共に貫通する固定部材であるタッピンネジ7によって妻床梁
14に根太20を固定する。
このように、根太20を長手方向の両端部21、21に形成された断面逆U字状の支持
部22によって妻床梁14上に固定したので、この支持部22の高さHを変更すること
によって、設置面から根太20の上壁20Aまでの高さを適宜変更することができる。
そして、床板17の厚みに応じて設置面から根太20の上壁20Aまでの高さを変更で
きるので、床板17の厚みに関わらず、常に設置面から床板17の上面までの高さを一定
にすることが可能となる。
さらに、根太20が金属製の角型鋼管によって形成されているので、支持部22の高さ
が根太20の中間部の太さよりも小さくなっても強度がほとんど低下せず、根太20
と妻床梁14との接合部の強度の低下を防止することができる。
そして、支持部22の内側にスペーサ23を介してタッピンネジ7を貫通させたので、
支持部22が内側からスペーサ23で支持され、タッピンネジ7を打ち込む衝撃で支持部
22の上壁20Aが変形することを防止できる。
また、スペーサ23によって支持部22を妻床梁14上に容易に位置決めして、配置す
ることができ、容易に固定することが可能となる。
一方、玄関、階段等を形成するために床根太が長手方向中間部で分断される場合には、
図2に示すように、根太20を長手方向中間部で切断する。
そして、図2(a)、(b)に示すように、根太20の上壁20Aの端部を下側に折り
曲げて補剛部24を形成する。
この補剛部24は、上壁20Aの端部を全長に渡ってへこませることで形成され、上壁
20Aの強度を向上させている。
そのため、図2(c)に示すように、タッピンネジ7を根太20の上壁20Aに打ち込
んだ際に、タッピンネジ7の周囲に荷重や衝撃が加わっても、図2(d)に示すように、
上壁20Aの変形を防止することができる。
また、図示しないが、上述の支持部22の端部に補剛部24を形成しても良い。この場
合、補剛部24によって支持部22の上壁20Aの強度が向上し、さらに根太20と妻床
梁14との接合部の強度の低下を防止することができる。
そして、補剛部24を形成した支持部22の内側にスペーサ23を配置した場合では、
スペーサ23によって支持部22の上壁20Aの変形が防止されることに加え、補剛部2
4によって上壁20Aの強度を向上させることが可能となる。
そのため、根太20を妻床梁14に容易に固定することができるとともに、よりいっそ
う支持部22の変形を防止することができる。
以上、この発明にかかる実施の形態の一つを図面により詳述してきたが、この発明の床
根太を備えた建物ユニット10を複数組み合わせてユニット建物を形成してもよい。この
場合、床板17の厚みに対応して設置面から根太20の上面までの高さを容易に変更する
ことができるとともに、根太20と妻床梁14との接合部の強度を低下させることのない
ユニット建物を提供することが可能となる。
また、この発明の建物の床根太は、建物ユニットの床に限られずプレハブ住宅等の床に
も適用することが可能である。この場合であっても、床板の厚みに対応して設置面から根
太の上面までの高さを容易に変更することができるとともに、根太と妻床梁との接合部の
強度を低下させることのないプレハブ住宅を提供することが可能となる。
この発明の実施の形態の床根太を備えた建物ユニットの全体を示す斜視図である。 図1(a)におけるA部の拡大図である。 (a)はこの発明の床根太が長手方向で切断された場合を示す斜視図であり、(b)は図2(a)におけるB−B断面図であり、(c)は図2(a)においてタッピンネジを貫通させる際の説明図であり、(d)は図2(a)においてタッピンネジが貫通した場合を示す説明図である。 (a)は従来の床根太を備えた建物の全体を示す斜視図であり、(b)は図3(a)におけるC部の拡大図である。 図3(a)におけるD−D断面図である。 (a)は従来の床根太において床板の厚みを変更した場合を示す説明図である、(b)は図5(a)において、上方から荷重が負荷した場合を示す説明図である。 従来の床根太において、床板の厚みに応じてさらに変更した場合を示す説明図である。 (a)、(b)は従来の床根太を鋼管にした例を示す説明図である。
符号の説明
10 建物ユニット(建物)
11 床梁(床フレーム)
16 床小梁
17 床板
20 根太
21、21 両端部
22 支持部

Claims (4)

  1. 上面が床板で覆われ、下面が方形枠状の床フレームに保持された床小梁で支持されると
    ともに、両端部が前記床フレームに支持される金属製の角型鋼管からなる根太を有し、該
    根太が一定間隔を置いて複数平行に並べられた建物の床根太であって、
    前記根太の両端部には、下部を切り取ることにより断面逆U字状で、且つ、前記床フレ
    ームの上面に支持される支持部が形成されていることを特徴とする建物の床根太。
  2. 前記支持部の内側にはスペーサが配設され、前記根太は、前記スペーサを介して前記床
    フレームに支持されるとともに、前記支持部及び前記スペーサを貫通する固定部材によっ
    て前記床フレームに固定されることを特徴とする請求項1に記載の建物の床根太。
  3. 上面が床板で覆われ、下面が方形枠状の床フレームに保持された床小梁で支持されると
    ともに、両端部が前記床フレーム上に支持される金属製の角型鋼管からなる根太を有し、
    該根太が一定間隔を置いて複数平行に並べられた建物の床根太であって、
    前記根太の両端部の上壁には、端部を折り曲げられて形成された補剛部が設けられてい
    ることを特徴とする建物の床根太。
  4. 前記根太の両端部には、下部を切り取ることにより断面逆U字状で、且つ、前記床フレ
    ームの上面に支持される支持部が形成され、該支持部の内側にはスペーサが配設され、前
    記根太は、前記スペーサを介して前記床フレームに支持されるとともに、前記支持部及び
    前記スペーサを貫通する固定部材によって前記床フレームに固定されることを特徴とする
    請求項3に記載の建物の床根太。
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