JP2006001910A - 歯科用根管充填材および歯科用糊剤 - Google Patents

歯科用根管充填材および歯科用糊剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 インピーダンス測定などの電気的な測定を用いることにより、根管内の適合状態を確認することができ、しかも、熱伝導性、弾力性、強度、組織液や薬液などに対する安定性に優れた歯科用根管充填材を提供する。
【解決手段】 カーボンナノチューブを含む導電性材料により表面がコーティングされた歯科用根管充填材とする。また、カーボンナノチューブとを含む歯科用根管充填材とする。根管充填用糊剤と、カーボンナノチューブを含む歯科用糊剤とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、歯科用根管充填材および歯科用糊剤に関し、より詳細には、インピーダンス測定などの電気的な測定を用いることにより、根管内の適合状態を確認することができる歯科用根管充填材および歯科用糊剤に関する。
歯科臨床治療においては、根管治療が多く行われる。根管充填は、根管治療の仕上げに相当する操作であり、正確に充填を行うことはきわめて重要である。すなわち、根尖狭窄部を超えて充填されてしまうと根尖歯周組織を刺激する結果となり、また短い場合には残随や根尖部に死腔を許す結果となる。
根管に充填されるものとしては、ガッタパーチャポイントやシルバーポイントなどの根管充填用ポイント、ペースト状の歯科用糊剤などを挙げることができる。また、注入器に根管充填用ポイントと同様の材質のものが充填され、根管充填時に加熱することによって注入器から吐出されて根管内に充填される歯科用根管充填材もある。
根管に根管充填用ポイントを充填する場合、通常、リーマまたはファイルなどを挿入したX線写真により作業長を決定し、根尖部の根管拡大形成に使用した最終的なリーマまたはファイルと同サイズのメインポイントを選択する。そして、メインポイントの長さを作業長と合わせ、牽引抵抗(tagback)を確認した後、再びX線写真を用いて適合状態を確認する試適を行う。その後、メインポイント、アクセサリーポイントの順で充填する。この際、シーラやクロロパーチャなどで充填するか、またはさらに軟化・加圧してポイントを根管壁や根尖方向に圧接させ、根管を可及的に、かつ緊密に充填する。そして、根管充填が完了した段階で、再度X線写真を用いて適合状態の良否を確認する。
しかしながら、このような方法では、適合状態の確認をX線写真を用いて行うため、以下に示すような問題があった。すなわち、X線写真を用いる場合、根管という3次元的な立体を2次元的な平面像として観察して行うので、近遠心的な関係は把握できるものの、3次元的な位置関係については推測するしかなく、確実ではないといった問題があった。また、妊婦等、X線被爆することが好ましくない場合もある。さらに、インピーダンス測定などの電気的な測定を用いる方法と比較して、時間や手間がかかるという不都合もあった。
この問題を解決するために、ガッタパーチャポイントの適合状態をインピーダンス測定によって行う技術(特許文献1)(特許文献2)がある。特許文献1には、表面が導電性材料でコーティングされたガッタパーチャポイントや、導電性粉体を含むガッタパーチャポイントが記載されている。しかしながら、特許文献1に記載のガッタパーチャポイントでは、より一層、熱伝導性、弾力性、強度、組織液や薬液などに対する安定性を高めることが望まれている。また、近年では、ガッタパーチャといった天然材料の枯渇のため、他の熱可塑性高分子を利用することが望まれている。
また、特許文献2には、内部に金属線が挿通されたガッタパーチャポイントが提案されている。しかしながら、特許文献2に記載の技術では、根管充填施術後にこの金属線を切断または除去する必要が生じること、除去する場合にはガッタパーチャポイントによる密閉性に問題が生じること、また金属線とガッタパーチャポイントの一体性が失われ、金属線のみが根先狭窄部に達してしまい、死腔を残す場合も生じること、ガッタパーチャポイントと金属線との一体性が失われることにより金属線が根尖孔外に突出して、根尖歯周組織に炎症を生じさせてしまうおそれがあることなどの不都合があった。
また、シルバーポイントは、インピーダンス測定を用いることができる、弾力性に優れているなどの利点を有するが、根管壁との適合性に難点があるため組織液による腐蝕が生じやすい、撤去が困難であるなどの不都合がある。
また、注入器に充填された歯科用根管充填材を根管に充填する場合や、ペースト状の歯科用糊剤を根管に充填する場合、シリンジ等の注入器で注入する方法により行われる。
注入器を用いる方法として、根管充填用糊剤に導電性材料を添加した歯科用糊剤(特許文献3)を用いる技術がある。特許文献3に記載の歯科用糊剤では、インピーダンス測定を用いることにより、根管長および根管内の適合状態を確認することができる。しかしながら、特許文献3に記載の歯科用糊剤では、添加される導電性材料の組織液や薬液などに対する安定性を高め、より一層、物性を安定させるとともに、充填後における弾力性、強度、熱伝導性、組織液や薬液などに対する安定性をより一層高めることが望まれている。
特許第3490378号 特開平9−140728号 特許第3501290号
本発明の歯科用根管充填材および歯科用糊剤によれば、カーボンナノチューブを含む導電性材料により導電性が付与されるので、根管に充填した歯科用根管充填材または歯科用糊剤を電流プローブとして用いることが可能なものとなり、インピーダンス測定などの電気的な測定を用いることにより、根管内の適合状態を確認することができるものとなる。よって、根管内の適合状態の確認を容易に、迅速に、正確に行うことができ、根管の充填を容易に、迅速に、正確に行うことができる。
しかも、本発明の歯科用根管充填材によれば、カーボンナノチューブにより導電性が付与され、熱伝導性、弾力性、強度、組織液や薬液などに対する安定性に優れた歯科用根管充填材となる。
また、本発明の歯科用糊剤は、弾力性、強度、組織液や薬液などに対する安定性、熱伝導性、導電性に優れたカーボンナノチューブを含む導電性材料を含むものであるので、安定した物性を示すものとなる。
さらに、充填後においても、弾力性、強度、熱伝導性、組織液や薬液などに対する安定性に優れたものとなる。
本発明は、上述の問題を解決し、インピーダンス測定などの電気的な測定を用いることにより、根管内の適合状態を確認することができるものとし、根管内の適合状態の確認を容易に、迅速に、正確に行うことができ、しかも、熱伝導性、弾力性、強度、組織液や薬液などに対する安定性に優れた歯科用根管充填材を提供することを課題としている。
また、本発明は、上述の問題を解決し、インピーダンス測定などの電気的な測定を用いることにより、根管内の適合状態を確認することができるものとし、根管内の適合状態の確認を容易に、迅速に、正確に行うことができ、しかも、安定した物性を示し、充填後においても、弾力性、強度、熱伝導性、組織液や薬液などに対する安定性に優れた根管充填に好適な歯科用糊剤を提供することを課題としている。
上記の問題を解決するために、本発明の歯科用根管充填材は、カーボンナノチューブを含むこと特徴とする。
また、本発明の歯科用根管充填材は、熱可塑性高分子と、カーボンナノチューブを含む導電性材料とを含むこと特徴とする。
上記の歯科用根管充填材においては、カーボンナノチューブを、0.5〜25質量%含むものとすることができる。
上記の問題を解決するために、本発明の歯科用根管充填材は、熱可塑性高分子を含む本体の表面が、カーボンナノチューブを含む導電性材料によりコーティングされたこと特徴とする。
また、上記のいずれかの歯科用根管充填材は、ガッタパーチャ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらの混合物からなる群から選択されるものとすることができる。
上記のいずれかの歯科用根管充填材は、X線造影剤を含むものとすることができる。
上記のいずれかの歯科用根管充填材においては、前記熱可塑性高分子が、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウムフォスフェート、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、ヨードホルム、硫酸バリウム、無水硫酸亜鉛、次炭酸ビスマス、またはこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むものとすることができる。
上記のいずれかの歯科用根管充填材は、根管充填用ポイントとすることができる。
また、上記の問題を解決するために、本発明の歯科用糊剤は、根管充填用糊剤と、カーボンナノチューブを含む導電性材料とを含むことを特徴とする。
また、上記の歯科用糊剤においては、カーボンナノチューブを0.5〜25質量%含むことが望ましい。
また、上記の歯科用糊剤においては、根管充填用糊剤が、X線造影剤を含むものであることが望ましい。
上記の歯科用糊剤においては、根管充填用糊剤が、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウムフォスフェート、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、ヨードホルム、硫酸バリウム、無水硫酸亜鉛、次炭酸ビスマス、またはこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含むものとすることができる。
以下、図面を参照して本発明を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の歯科用根管充填材を示した立面図であり、図2は、図1に示す歯科用根管充填材1のラインA−Aに沿った断面を示した図である。
歯科用根管充填材1は、図1に示すように、従来の根管充填用ポイントと同様の形状を有するものであり、図2に示すように、根管充填用ポイントの形状とされた組成物からなる非導電部2(特許請求の範囲における「本体」に相当する。)の表面が、均一の厚みを有するカーボンナノチューブを含む導電性材料のコーティング3により被覆されたものである。また、非導電部2は、熱可塑性高分子とワックスとフィラーとを含む組成物からなるものである。
本発明の歯科用根管充填材1に用いられる熱可塑性高分子は、生体適合性を有し、45℃〜80℃の範囲で軟化するものが望ましく、例えば、ガッタパーチャ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらの混合物からなる群から選択されるものなどが使用できる。本発明の歯科用根管充填材1に用いられるガッタパーチャは、主としてアカテツ科、Payena属から得られる成分を凝固させ精製した後、乾燥させたものをいう。
熱可塑性高分子の使用量は、歯科用根管充填材1の質量に対して、10〜25質量%とすることが適切な成形性を付与する点から好ましい。
本発明の歯科用根管充填材1に用いられるワックスは、熱可塑性高分子に対して適切な柔軟性を付与すると共に、適度な潤滑性を与えるためのものである。ワックスとしては、パラフィンワックス、木蝋、密蝋、またはこれらの混合物を用いることができる。また、ワックスは、添加しなくてもよいが、歯科用根管充填材1の質量に対して5〜20質量%添加することが、適度な柔軟性および潤滑性を付与するために好ましい。
本発明の歯科用根管充填材1に用いられるフィラーとしては、歯科用根管充填材1に用いられるものとしてこれまで知られたいかなるフィラーを用いることができ、具体的には、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウムフォスフェート、酸化チタン、次炭酸ビスマス、硫酸バリウム、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、ヨードホルム、無水硫酸亜鉛などを挙げることができる。特に、適切な生体適合性を付与し、口腔内組織への刺激性が少ない点といった観点から、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウムフォスフェートを用いることが好ましい。また、適度なX線造影性を付与するために、次炭酸ビスマス、硫酸バリウムといったフィラーを併用することが好ましい。上述したフィラーは、歯科用根管充填材1に対して、1〜70質量%で用いることが可能である。
本発明の歯科用根管充填材1に用いられる導電性材料としては、カーボンナノチューブのみであってもよいし、カーボンナノチューブと他の導電性材料とを含むものであってもよい。
カーボンナノチューブとしては、良導体のものであればいかなるものであってもよいが、例えば、(株)マイクロフェーズから市販のグレードのものを使用することができる。
また、本発明では、他の導電性材料として、カーボンナノチューブの他、例えば、金、銀、白金、銅、チタン、ニッケル、パラジウム、カーボンブラックといった導電性材料を使用することができ、これらは適宜混合して使用できる。
本発明の歯科用根管充填材1を製造する方法としては、熱可塑性高分子とワックスとフィラーとを含む組成物を根管充填用ポイントの形状とした後、カーボンナノチューブを含む導電性材料によりその表面をコーティングする方法を挙げることができる。
根管充填用ポイントの形状とされた組成物にカーボンナノチューブを含む導電性材料をコーティングするためには、真空蒸着、スパッタリングといったドライプロセスや、カーボンナノチューブを含む導電性材料の微粉末を溶媒と結着剤と共に分散させた溶液中に浸漬するウエットプロセスなどを挙げることができる。
ドライプロセスによりコーティングを形成する場合には、根管充填用ポイントの形状とされた組成物を真空容器内に配置し、カーボンナノチューブを含む導電性材料を表面に堆積させることにより行われる。
また、ウエットプロセスを用いる場合、これまで知られたいかなる装置、結着剤および分散溶媒でも用いることができる。例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、といった熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を結着剤として用い、これらの結着剤中にカーボンナノチューブを含む導電性材料を分散させ、根管充填用ポイントの形状とされた組成物の表面へとコーティングすることができる。この際の導電性材料の結着剤に対する添加量としては、電気的根管長測定方法が適用できる程度の体積抵抗率を得ることができるように、適宜設定することができる。例えば、導電性材料としてカーボンナノチューブのみを結着剤に分散させて被膜を形成する場合には、結着剤に対して、カーボンナノチューブを0.5〜25質量%含むものとすることができる。また、ディップコーティングを行う場合には、コーティングの密着性を向上させるために、例えばクロロホルムなどの熱可塑性高分子を溶解させることが可能な溶媒を少量用いることもできる。
また、コーティングは、適切な強度および十分な導電性が得られる程度の膜厚とされ、用いるコーティングプロセスにより変動するが、数10nm〜数10μm程度の範囲で適宜調節される。
このような歯科用根管充填材1は、図1に示すように、従来の根管充填用ポイントと同様の形状を有し、主要な成分についても従来の根管充填用ポイントと同様である。このため、歯科用根管充填材1は、根管充填の施術性について従来の根管充填用ポイントを用いた場合と変わらないようにされ、従来の根管充填用ポイントと同様に使用できる。
また、歯科用根管充填材1は、図2に示すように、非導電部2の表面が、カーボンナノチューブを含む導電性材料のコーティング3により被覆されているため導電性を有している。したがって、歯科用根管充填材1の図1に示す端部4に、図示しない電気的根管長測定装置の一方の電極を接続し、電気的根管長測定装置の他方の電極を口唇部に接続することにより、従来のインピーダンス測定を用いた電気的根管長測定方法などの電気的な測定を用いて根管内の適合状態を確認することができる。よって、根管内の適合状態の確認を容易に、迅速に、正確に行うことができ、根管の充填を容易に、迅速に、正確に行うことができる。
しかも、歯科用根管充填材1では、カーボンナノチューブを含む導電性材料により導電性が付与される。カーボンナノチューブは、高い熱伝導性、優れた弾力性、強度を有するものであり、反応性が低いため、組織液や薬液などに対する安定性に優れたものである。また、カーボンナノチューブは、良導体のものでは、金属を上回る導電性を有する。このため、歯科用根管充填材1は、熱伝導性が高く、知熱感・知電感を良好に得ることができ、弾力性、強度、組織液や薬液などに対する安定性に優れた歯科用根管充填材1として好ましいものとなる。
なお、図2に示したコーティング3は、歯科用根管充填材1の全周にわたって設けられているが、本発明において、ドライプロセスにより形成されるコーティング3は、歯科用根管充填材1の周囲を完全に被覆している必要は無く、歯科用根管充填材1の長手方向の両端部の間に延びる帯状に形成されていてもよい。
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態の歯科用根管充填材を示した断面図である。図3に示した歯科用根管充填材1は、根管充填用ポイントの形成の際にカーボンナノチューブを含む導電性材料を混合・分散することによって得られたものである。ここで使用されるカーボンナノチューブを含む導電性材料としては、第1の実施形態と同様のものを用いることができるが、根管充填用ポイントの形成の際に混合・分散させるため、粉体であることが望ましい。
図3に示す歯科用根管充填材1は、第1の実施形態の歯科用根管充填材1と同様に従来の根管充填用ポイントと同様の形状を有している。また、図3に示すように、第2の実施形態の歯科用根管充填材1は、フィラー5の他に、導電性粉体6が混合・分散されて形成されている。
本発明の第2の実施形態の歯科用根管充填材1を製造する方法としては、熱可塑性高分子とワックスとフィラーとカーボンナノチューブを含む導電性材料とを湿式で分散した後、溶媒を除去して成形する方法、混練装置を用いて乾式で混合・分散した後、エクストルーダにより押し出し成形や射出成形する方法を用いることができる。
また、必要に応じて、根管充填用ポイントの周囲を特に導電化させるため外側部を導電性粉体6を含む組成物とし、内側部を導電性のない組成物として成形することもできる。このような導電性粉体6を含む組成物からなる外側部は、根管充填用ポイントの周囲を完全に取り囲むようにして形成することもできるし、根管充填用ポイントの長さ方向に延びた帯状に形成することもできる。また、これとは逆に、内側部に導電性粉体6を含む組成物を用い、外側部を導電性のない組成物から形成することもできる。このために用いられる成型法としては、導電性の組成物と、導電性ではない組成物を同時に多段で押し出し成型を行う方法や、上述した射出成型法などを用いることができる。
本発明における第2の実施形態における導電性粉体6の含有量は、適切な体積抵抗率を付与することができる程度とすることができ、例えば、導電性材料としてカーボンナノチューブのみからなる導電性粉体6を用いる場合には、歯科用根管充填材1の0.5〜25質量%とすることができる。
このような歯科用根管充填材1においても、第1の実施形態の歯科用根管充填材1と同様、従来の根管充填用ポイントと同様の形状を有し、主要な成分についても従来の根管充填用ポイントと同様である。このため、歯科用根管充填材1は、根管充填の施術性について従来の根管充填用ポイントを用いた場合と変わらないようにされ、従来の根管充填用ポイントと同様に使用できる。
また、歯科用根管充填材1は、カーボンナノチューブを含む導電性材料を含むものであるので、導電性を有している。したがって、第1の実施形態の歯科用根管充填材1と同様、歯科用根管充填材1の端部に電気的根管長測定装置の一方の電極を接続し、電気的根管長測定装置の他方の電極を口唇部に接続することにより、従来のインピーダンス測定を用いた電気的根管長測定方法などの電気的な測定を用いて根管内の適合状態を確認することができる。よって、根管長や根管内の適合状態の確認を容易に、迅速に、正確に行うことができる。
しかも、第2の実施形態の歯科用根管充填材1においても、第1の実施形態の歯科用根管充填材1と同様、カーボンナノチューブを含む導電性材料により導電性が付与されるため、熱伝導性、弾力性、強度、組織液や薬液などに対する安定性に優れた歯科用根管充填材1として好ましいものとなる。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態の歯科用根管充填材を示した図である。図4に示す歯科用根管充填材11は、第2の実施形態の歯科用根管充填材1と同様の材質のものであり、熱可塑性高分子とワックスとフィラーとカーボンナノチューブを含む導電性材料とを湿式で分散した後、注入器の収納部12内に充填されたものである。また、歯科用根管充填材11は、根管充填時に加熱されることにより、充填部14から吐出可能な程度の流動性を有するものであり、図4に示すように、患歯Tの根管に充填部14の先端部を挿入した状態で圧入部13が収納部12に挿入されることにより、充填部14から吐出されて根管内に充填される。
本発明の第3の実施形態の歯科用根管充填材において用いられる導電性材料としては、第1の実施形態と同様のものを用いることができるが、上述した組成の糊剤に対して充分練合することができるように、第2の実施形態と同様、粉体を用いることが好ましい。また、導電性材料として炭素粉を添加した場合は、根管を処理する際に使用するホルムクレゾールの主成分であるホルムアルデヒドを吸収する効果も得られる。
粉体は、例えば、体積平均粒径で1nm〜100μm程度、より好ましくは、10nm〜80μm、さらには、10μm〜50μm程度とすることが良好な充填を行うためには好ましい。また、粉体の形状については、球状、針状、鱗片状の種々の粉体を用いることができる。特に針状粉体を用いることにより低添加量でも歯科用根管充填材の体積抵抗率を改善することができる。
第3の実施形態の歯科用根管充填材1の体積抵抗率は、10−2Ωcm〜10Ωcmとすることが可能であり、根管部に充填された際に歯科用根管充填材の抵抗値が歯根膜を通した抵抗値と同程度の抵抗値を与えることができるようにされていることが好ましい。体積抵抗率があまり高すぎると抵抗測定による根管狭窄部までの充填の検出が、充分な精度とならなくなる可能性があるためである。
第3の実施形態の歯科用根管充填材1においても、カーボンナノチューブを含む導電性材料を含むものであるので、導電性を有している。したがって、充填した歯科用根管充填材11を電流プローブとして用いることにより、従来のインピーダンス測定を用いた電気的根管長測定方法などの電気的な測定を用いて根管内の適合状態を確認することができる。よって、根管長や根管内の適合状態の確認を容易に、迅速に、正確に行うことができる。
また、第3の実施形態の歯科用根管充填材1は、カーボンナノチューブを含む導電性材料を含むものであるので、弾力性、強度、熱伝導性、組織液や薬液などに対する安定性に優れたものとなる。
(第4の実施形態)
本発明の第4の実施形態の歯科用糊剤は、根管充填用糊剤と、カーボンナノチューブを含む導電性材料とを含むものであり、従来の水酸化カルシウム糊剤、酸化亜鉛ユージノール糊剤、ヨードホルム糊剤、パラホルム・ホルマリン糊剤を製造するための組成に対し、カーボンナノチューブを含む導電性材料を練合して製造することができる。
従来の糊剤組成としては、具体的には、市販製品では、トリオジンクパスタといったパラホルムアルデヒド、無水硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、硫酸カリウム、酸化亜鉛の粉末をクレゾール、フェノール、クレオソートに練合させたもの、Kri1といったヨードホルム粉末、パラクロロフェノールカンフル、メントール、ラノリン、グリセンを練合させたもの、カルビタールといった、ヨードホルム、水酸化カルシウム、スルファチアゾール、グアノフラシンといった粉末をT−カイン、グアノフラシンといったベヒクルに練合させたもの、ビタペックスといった水酸化カルシウム、ヨードホルムの粉末をシリコーンオイルで練合したもの、FRといった水酸化カルシウム、酸化亜鉛、硫酸バリウムといった粉末をグアヤコールホルムアルデヒド混合物、プロピレングリコール、無水エタノール、ひまし油、流動パラフィンといったベヒクルに練合させたもの、Sealapexといった重合レジンと水酸化カルシウムとを含有するものを挙げることができる。
これら以外にも、Endofillといった高分子材料を基材として用いる糊剤や、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウムホスフェートを用いる糊剤も生体組織に親和性を有し、硬組織の形成促進作用があり、しかも根尖孔から溢出しても吸収性があるので用いることが可能である。
本発明の第4の実施形態の歯科用糊剤において用いられる導電性材料としては、第3の実施形態と同様のものを用いることができる。
本発明の歯科用糊剤の体積抵抗率は、第3の実施形態と同様、10−2Ωcm〜10Ωcmとすることが可能であり、根管部に充填された際に歯科用糊剤の抵抗値が歯根膜を通した抵抗値と同程度の抵抗値を与えることができるようにされていることが好ましい。体積抵抗率があまり高すぎると抵抗測定による根管狭窄部までの充填の検出が、充分な精度とならなくなる可能性があるためである。
カーボンナノチューブを含む導電性材料の歯科用糊剤に対する添加量は、必要な体積抵抗率を歯科用糊剤に与えることができるように適宜設定されるが、カーボンナノチューブを歯科用糊剤の0.5質量%〜25質量%の範囲で添加することが好ましく、さらには、歯科用糊剤の1質量%〜25質量%で添加することが好ましい。
また、歯科用糊剤に含有されるベヒクルの含有量としては、歯科用糊剤の10質量%〜70質量%、より好ましくは30質量%〜60質量%とすることができる。
以下、本発明の歯科用糊剤の一例として、水酸化カルシウムを主成分とする糊剤にカーボンナノチューブを含む導電性材料を添加した歯科用糊剤について説明する。
水酸化カルシウムは、日本薬局方のものを用いることができ、粒径が10〜50μmのものを用いる。この糊剤には、ヨードホルムが添加されるとよい。ヨードホルムの添加によって、糊剤の抗菌性が極めて強くなり、X線造影性も向上するためである。さらに、水酸化カルシウムにシリコーンオイル等上述したベヒクルを添加する。シリコーンイルの添加によって、糊剤の耐腐食性を付与することができると共に適切な流動性を付与することが可能となる。水酸化カルシウムに対する他の添加物としては、各種のものが使用されるが、例えば、次炭酸ビスマス、硫酸ビスマス、ケイ酸ジルコニウム等のX線造影剤を加えれば、X線造影性を向上させることができる。
各粉体を分散させるには、従来知られているいかなる分散方法でも用いることができる。上述したような10μm〜50μmの粒径範囲の導電性材料を用いる場合には、粉体の凝集性もそれほど高くはないので、種々の混合・分散方法を用いることが可能である。
本発明の歯科用糊剤を調製するには、例えば、予め水酸化カルシウムにヨードホルムとシリコーンオイルとを加えて練合してペースト化し、その後、導電性材料を加えてもう一度練合して歯科用糊剤とすることによって得られる。
また、本発明の歯科用糊剤は、水酸化カルシウムといった非導電性粉末と、導電性材料の粉末とを、同時にシリコーンオイルといったベヒクルに練合させることによっても得られる。
本発明の歯科用糊剤は、カーボンナノチューブを含む導電性材料を含むものであるので、導電性を有している。したがって、歯科用糊剤を根管に充填し、充填した歯科用糊剤を電流プローブとして用いることにより、従来のインピーダンス測定を用いた電気的根管長測定方法などの電気的な測定を用いて根管内の適合状態を確認することができる。よって、根管長や根管内の適合状態の確認を容易に、迅速に、正確に行うことができる。
また、本発明の歯科用糊剤は、カーボンナノチューブを含む導電性材料を含むものであるので、安定した物性を示し、充填後においても、弾力性、強度、熱伝導性、組織液や薬液などに対する安定性に優れたものとなる。
さらに、本発明の歯科用糊剤においては、主要な成分が従来の歯科用糊剤と同様であり、シリンジ状の注入器を用いる方法など、従来の歯科用糊剤を用いた場合と変わらない方法で、容易に根管充填することができ、従来の歯科用糊剤を用いた場合と同様に使用できる。
また、本発明の歯科用根管充填材および歯科用糊剤によれば、インピーダンス測定などの電気的な測定を用いることにより、根管内の適合状態を確認することができるので、X線写真を用いて根管内の適合状態を確認しなくてもよいが、X線写真と併用することで、より一層確実に根管内の適合状態の確認を行うことができ、より一層正確に根管の充填を行うことができる。
なお、X線写真を用いて根管内の適合状態を確認しない場合、根管治療においてX線写真を使用する回数を少なくすることができる。
以下、本発明を実施例を示して具体的に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<カーボンナノチューブにより表面がコーティングされた根管充填用ポイント>
熱可塑性高分子として75℃用のガッタパーチャを20質量%、ワックスとしてパラフィンワックスを7質量%、木蝋を5.5質量%、フィラーとしてハイドロキシアッパタイトを66質量%、X線造影剤として次炭酸ビスマスを1.5質量%含む組成物を所定の粘度において加熱混練し、根管充填用ポイントを成形した。そして、得られた根管充填用ポイントをスパッタ装置内に配置し、カーボンナノチューブとして下記表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードA+Bタイプを用いてスパッタリングし、コーティングされたガッタパーチャポイントを得た。
(実施例2)
<カーボンナノチューブにより表面がコーティングされた根管充填用ポイント>
実施例1と同様にして得られた根管充填用ポイントをスパッタ装置内に配置し、カーボンナノチューブとして表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードC+Dタイプを用いてスパッタリングし、コーティングされたガッタパーチャポイントを得た。
実施例1および実施例2で得られたコーティングされた根管充填用ポイントを電気的根管長測定装置により根管長を測定しながら拡開された根管へと挿入して根管充填を行ったところ、従来のシルバーポイントを用いた根管充填と同様に、アピカルシートまで根管充填用ポイントが達したことが電気的根管長測定装置により確認され、良好な根管充填を行うことができた。
(実施例3)
<カーボンナノチューブを含む根管充填用ポイント>
熱可塑性高分子として75℃用のガッタパーチャを20質量%、ワックスとしてパラフィンワックスを7質量%、木蝋を5.5質量%、フィラーとしてハイドロキシアッパタイトを63質量%、X線造影剤として硫酸バリウムを1.5質量%、カーボンナノチューブとして表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードA+Bタイプを3質量%含む組成物を加熱混練し、根管充填用ポイントを成形した。
(実施例4)
<カーボンナノチューブを含む根管充填用ポイント>
カーボンナノチューブとして表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードC+Dタイプを用いた以外は、実施例3と同様にして根管充填用ポイントを成形した。
実施例3および実施例4で得られたカーボンナノチューブを含む根管充填用ポイントを電気的根管長測定装置により根管長を測定しながら拡開された根管へと挿入して根管充填を行ったところ、従来のシルバーポイントを用いた根管充填と同様に、アピカルシートまで根管充填用ポイントが達したことが電気的根管長測定装置により確認され、実施例1および実施例2と同様に良好な根管充填を行うことができた。
また、実施例1〜実施例4により、表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードA+BタイプもC+Dタイプも、導電性材料として好適に使用できることが確認できた。
(実施例5)
<注入器に充填された歯科用根管充填材>
実施例3と同様の組成物を加熱混練し、図4に示す注入器に充填した。
(実施例6)
<注入器に充填された歯科用根管充填材>
カーボンナノチューブとして表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードC+Dタイプを用いた以外は、実施例5と同様にして組成物を加熱混練し、図4に示す注入器に充填した。
実施例5および実施例6で得られた注入器に充填された歯科用根管充填材を加熱して、先端部から歯科用根管充填材が吐出されることを確認した。その後、図4に示すように、患歯Tの根管に充填部14の先端部を挿入し、圧入部13を収納部12に挿入することによって、充填部14から歯科用根管充填材を吐出させて根管に注入し充填した。
この際、図5に示す抵抗測定装置を用いて図5に示すように歯科用根管充填材が充填されたことを検出した。図5に示す抵抗測定装置100は、電流検出器101と、電源102と、リレー回路を備える制御回路103と、患歯Tと口唇部を介して接続される電極部104と、電流指示装置105と、リーマの端部に接続される電極部106とを備えたものである。抵抗測定装置100は、電流検出器101により検出された電流信号に基づいてリレー回路を含む制御回路103により電流指示装置105を動作させ、施術者に対して所定の抵抗値又は電流値が所定の値となったこと、リーマの先端部が根管狭窄部Pから所定の距離である約1mmの位置となったことを知らせるように構成されている。
そして、図5に示す抵抗測定装置100の電極部104の先端部を、根管狭窄部Pを僅かに越えた根管21内に配置して、歯科用根管充填材が根管狭窄部にまで達し、歯科用根管充填材を介して回路が形成されたことを検出することにより、根管充填施術を施すのと同時に、根管狭窄部まで歯科用根管充填材が充填されたことを検出することができた。
(実施例7)
<カーボンナノチューブを含む歯科用糊剤>
フィラーとして水酸化カルシウム(和光純薬工業)50質量%、X線造影剤としてヨードホルム20質量%からなる固形分に対して、ベヒクルとしてシリコーンオイル30質量%を練合してペースト状の糊剤とし、更に表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードA+Bタイプを歯科用糊剤の全質量の1.8質量%となるように添加し、混練して歯科用糊剤を得た。
(実施例8)
<カーボンナノチューブを含む歯科用糊剤>
実施例7と同様の糊剤を用い、表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードA+Bタイプを歯科用糊剤の全質量の25質量%となるように添加し、混練して歯科用糊剤を得た。
(実施例9)
<カーボンナノチューブを含む歯科用糊剤>
フィラーとしてハイドロキシアパタイト40質量%、X線造影剤として硫酸バリウム10質量%からなる固形分に対して、ベヒクルとしてシリコーンオイル50質量%を混練してペースト状の糊剤とし、更に表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードC+Dタイプを歯科用糊剤の全質量の25質量%となるように添加し、混練して歯科用糊剤を得た。
実施例7〜実施例9で得られた歯科用糊剤の体積抵抗率した。その結果、下記表2に示すように、実施例7は200kΩcm、実施例8は200Ωcm、実施例9は、検出装置の限界よりも低く、約200Ωcmであった。よって、実施例7〜実施例9では、十分な導電性が得られることが確認できた。
図6には、本発明により得られた歯科用糊剤の体積抵抗率と、歯科用糊剤の全質量に対するカーボンナノチューブの添加割合(質量%)をプロットして得られたグラフを示す。カーボンナノチューブの添加量が、1質量%でも本発明において使用できる程度の体積抵抗率が得られており、約10質量%程度の添加量でも10kΩ程度の良好な抵抗が得られているのが示された。
また、実施例7〜実施例9で得られた歯科用糊剤を、糊剤注入用シリンジに充填し、先端部から歯科用糊剤が吐出されることを確認した後、歯科用糊剤を根管に注入して根管充填を施術した。この際、図5に示す抵抗測定装置100を用い、電極部104の先端部を、根管狭窄部Pを僅かに越えた根管21内に配置して、歯科用糊剤が根管狭窄部にまで達し、歯科用糊剤を介して回路が形成されたことを検出することにより、根管充填施術を施すのと同時に、根管狭窄部まで歯科用糊剤が充填されたことを検出することができた。
(比較例1)
<カーボンナノチューブを含む歯科用糊剤>
実施例7と同様の糊剤を用い、上記固形分に対して表1に示す(株)マイクロフェーズから市販のグレードA+Bタイプ0.5質量%を混練して歯科用糊剤を得た。得られた歯科用糊剤の体積抵抗率は、表2に示すように、10Ωcmを越え、十分な導電性が得られなかった。
Figure 2006001910
Figure 2006001910
本発明の第1の実施形態の歯科用根管充填材の立面図である。 図1のラインA−Aに沿った本発明の歯科用根管充填材の断面図である。 本発明の第2の実施形態の歯科用根管充填材の断面図である。 本発明の第3の実施形態の歯科用根管充填材を示した図である。 実施例で用いた抵抗測定装置を示した図である。 本発明により得られた歯科用糊剤の体積抵抗率と、歯科用糊剤の全質量に対するカーボンナノチューブの添加割合(質量%)をプロットして得られたグラフを示す
符号の説明
1、11…歯科用根管充填材
2…非導電部
3…コーティング
4…端部
5…フィラー
6…導電性粉体
12…収納部
13…圧入部
14…充填部
21…根管
100…抵抗測定装置
101…電流検出器
102…電源
103…制御回路
104…電極部
105…電流指示装置
106…電極部
P…根管狭窄部
T…患歯

Claims (12)

  1. カーボンナノチューブを含む歯科用根管充填材。
  2. 熱可塑性高分子と、カーボンナノチューブを含む導電性材料とを含む歯科用根管充填材。
  3. 前記カーボンナノチューブを、0.5〜25質量%含む請求項1または2に記載の歯科用根管充填材。
  4. 熱可塑性高分子を含む本体の表面が、カーボンナノチューブを含む導電性材料によりコーティングされた歯科用根管充填材。
  5. 前記熱可塑性高分子は、ガッタパーチャ、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールまたはこれらの混合物からなる群から選択される、請求項2〜4にいずれかに記載の歯科用根管充填材。
  6. 前記歯科用根管充填材が、X線造影剤を含む請求項1〜5のいずれかに記載の歯科用根管充填材。
  7. 前記歯科用根管充填材が、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウムフォスフェート、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、ヨードホルム、硫酸バリウム、無水硫酸亜鉛、次炭酸ビスマス、またはこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の歯科用根管充填材。
  8. 根管充填用ポイントである、請求項1〜7のいずれかに記載の歯科用根管充填材。
  9. 根管充填用糊剤と、カーボンナノチューブを含む導電性材料とを含む歯科用糊剤。
  10. 前記カーボンナノチューブを、0.5〜25質量%含む請求項9に記載の歯科用糊剤。
  11. 前記根管充填用糊剤が、X線造影剤を含む請求項9または10に記載の歯科用糊剤。
  12. 前記根管充填用糊剤が、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、ハイドロキシアッパタイト、トリカルシウムフォスフェート、硫酸カリウム、硫酸アルミニウム、ヨードホルム、硫酸バリウム、無水硫酸亜鉛、次炭酸ビスマス、またはこれらの混合物からなる群から選択される化合物を含む請求項9〜11のいずれかに記載の歯科用糊剤。
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