JP2006000188A - 洗濯乾燥機 - Google Patents

Abstract

【課題】 衣類に付着した粉塵の除去が、フィルタの定期的な掃除を行うような面倒なく、又、除去した粉塵を使用者が吸引したり、使用者の衣類に付着したりする問題もなくできるようにする。
【解決手段】 洗濯槽１１内の空気をダクト３０を通じて循環させる循環装置３１と、ダクト３０にそれを通る空気の流れとは逆の方向から水を注入する注水装置３５とを具え、それらにより循環風に運ばれる粉塵を除去する粉塵除去運転を、洗濯槽１１を回転させながら行い、その終了を乾燥検知手段に頼らずになすようにした。これにより、洗濯槽１１の回転によって衣類から粉塵が落とされ、落とされた粉塵が循環風に運ばれてダクト３０を通る際に、逆の方向から注入される水に遭って落下し除去される。又、その粉塵除去運転の終了が乾燥検知手段に頼らずになされるから、衣類が水気を帯びることなく入れられても、粉塵除去運転が直ちに終了されるというようなことがなく、充分な粉塵除去運転を行うことができる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、衣類に付着した粉塵の除去ができる洗濯乾燥機に関する。

従来より、杉や檜あるいはブタクサ等の花粉が飛散する時季に、屋外から帰宅すると、着用した衣類には大量の花粉が付着しており、そのほか、かびの胞子等も付着している。これを屋内に持ち込むと、それらに過敏な人が家族にいた場合、大きな影響を与える。更に、屋内のマットやカーペット等には、ダニが繁殖して、これの死骸や糞等が付着しており、これらが衣類に付着することも少なくない。

これに対して、例えば特開２００１−７８９号公報に示されるように、衣類をドラム内に収容して、該ドラムを回転させることにより、衣類から上記花粉等の付着粉塵を落とし、それを乾燥循環風に運ばせて、該乾燥循環風がフィルタを通過する際に該フィルタにより捕獲するようにしたものがある。この場合、フィルタは、上記花粉等の粉塵の捕獲が可能な目のごく細かい不織布から成るものである。フィルタにはアレルギー固定物質を添着させたものもある。
特開２００１−７８９号公報

上述のように衣類から落とした粉塵を風に運ばせてフィルタで捕獲するものでは、その捕獲した粉塵でフィルタが目詰まりすると、粉塵の捕獲性能が極端に落ちる。このため、定期的にフィルタから捕獲した粉塵を除去する掃除を行わなければならず、それが面倒であった。又、その掃除を行う際に、フィルタから除去された粉塵を使用者が吸引することがあり、使用者の衣類に付着することもあって、好ましいものではなかった。

本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、衣類に付着した粉塵の除去が、フィルタの定期的な掃除を行うような面倒なく、又、除去した粉塵を使用者が吸引したり、使用者の衣類に付着したりする問題もなくできる洗濯乾燥機を提供するにある。

上記目的を達成するために、本発明の洗濯乾燥機においては、衣類を収容する槽を具え、その槽内で衣類を洗濯する機能と乾燥させる機能とを有し、その乾燥運転時には乾燥検知手段の検知結果に基づき運転を終了するようにしたものにおいて、前記槽内の空気を所定の空気通路を通じて循環させる循環装置と、前記空気通路にそれを通る空気の流れとは逆の方向から水を注入する注水装置とを具え、それらにより循環風に運ばれる粉塵を除去する粉塵除去運転を、前記槽を回転させながら行い、その終了を前記乾燥検知手段に頼らずになすようにしたことを特徴とする。

上記手段によれば、槽の回転により衣類から粉塵が落とされ、落とされた粉塵が循環風に運ばれて所定の空気通路を通る際に、その空気通路に逆の方向から注入される水に遭って落下し除去される。又、その粉塵除去運転の終了が乾燥検知手段に頼らずになされることにより、衣類が水気を帯びることなく入れられても、粉塵除去運転が直ちに終了されるというようなことがなく、充分な粉塵除去運転を行うことができる。かくして、衣類に付着した粉塵の除去が、フィルタに頼らずにできるものであり、よって、フィルタの定期的な掃除を行うような面倒もなく、又、そのフィルタの掃除によって除去した粉塵を使用者が吸引したり、使用者の衣類に付着させたりする問題もなくできる。

以下、本発明の第１実施例（第１の実施形態）につき、図１ない図４を参照して説明する。
まず、図１は洗濯乾燥機の全体を縦断して示しており、その全体の外殻をなす外箱１の前面部には、ほゞ中央部に洗濯物出入口２を形成し、これを扉３により開閉するようにしている。

外箱１の前面部の上部には操作パネル４を設けており、この操作パネル４は、使用者が洗濯乾燥機の運転に係る各種の操作をするためのもので、図２に正面形で示すように、電源スイッチや、スタートスイッチ並びに各種選択スイッチなど、多数の操作スイッチ５を有している。この操作スイッチ５の中には、後述する塵除去運転を専用のコースで行うための「粉塵除去」コース選択スイッチが存在しており、そのほか、操作パネル４は、各種表示部６をも有している。

操作パネル４の裏側（外箱１の前面部の上部裏面）には、操作回路ユニット７を配設しており、これが操作パネル４の上記「粉塵除去」コース選択スイッチを含む操作スイッチ５の操作に応動するようになっている。一方、外箱１の前面部の下部の裏側には、制御回路ユニット８を配設している。

外箱１の内部には水槽９を配設している。この水槽９は円筒形のドラム状を成すものであり、その軸方向が前後（図１では左右）で、しかも、前上がり（図１では右上がり）の傾斜状となる斜め軸状に配設し、左右一対（一方のみ図示）の弾性支持装置１０により支持している。

水槽９の内部には、衣類を収容する槽である洗濯槽１１を配設している。この洗濯槽１１も円筒形のドラム状を成すものであり、水槽９と同軸状（軸方向が前後で、しかも、前上がりの傾斜状となる斜め軸状）に配設している。又、この洗濯槽１１は、脱水槽及び乾燥槽としても機能するものであり、その関係上、胴部のほゞ全域に、通水孔であり通風孔でもある小孔１２を多数有し（図１に一部のみ図示）、胴部の内周部には、洗濯物掻き上げ用のバッフル１３を複数有している（同、１つのみ図示）。

水槽９及び洗濯槽１１は、いずれも前面部に洗濯物出し入れ用の開口部１４，１５を有しており、そのうちの水槽９の開口部１４を、ベロー１６によって前記外箱１の洗濯物出入口２に水密に連ね、洗濯槽１１の開口部１５を水槽９の開口部１４に臨ませている。
水槽９の背面部には、洗濯槽１１を回転駆動する駆動装置として、モータ１７を配設している。このモータ１７は、この場合、アウターロータ形であり、そのステータ１７ａを水槽９の背面部に取付け、ロータ１７ｂの中心部に取付けた回転軸１７ｃを水槽９内に挿通して、これの前端部に洗濯槽１１の背部の中心部を取付けている。

水槽９の下面部には、水槽９内と連通する水溜器１８を取付けており、この水溜器１８の内部に洗濯水加熱用のヒータ１９を配設している。水溜器１８の後部には、排水弁２０を介して排水ホース２１を接続しており、これらによって、水槽９内、ひいては洗濯槽１１内の洗濯水を排出するようにしている。

一方、水槽９上には、送風機２２と加熱器２３とを配設している。このうち、送風機２２は、ケーシング２４の内部に送風羽根２５を設け、この送風羽根２５を回転駆動するモータ２６をケーシング２４の外部に設けて成るものであり、一方、加熱器２３は、ケース２７の内部に温風生成用ヒータ２８を設けて成るもので、ケース２７後側の入口部が送風機２２のケーシング２４前側の出口部に連通している。

更に、水槽９上の前部には給風管２９を配設している。この給風管２９は、一端部が上記加熱器２３のケース２７前側の出口部に連通しており、他端部が前記水槽９の開口部１４周りを貫通して該開口部１４内に臨んでいる。
水槽９の背面部には又、所定の空気通路を構成するダクト３０を配設している。このダクト３０は、前記モータ１７を避けてその片側（後方より見て左側）に配設しており、図３にも示すように、全体に中空状を成していて、下端部を水槽９の内下部に連通させ、上端部を前記送風機２２のケーシング２４に連通させている。

従って、この構成で、送風機２２を作動させれば、図１に矢印Ａで示すように、洗濯槽１１内の空気が小孔１２から水槽９と洗濯槽１１との間を通って、水槽９の下部からダクト３０内に至り、該ダクト３０内を下部から上部へと通った後、送風機２２、加熱器２３、給風管２９を順に通って、水槽９の開口部１４から洗濯槽１１内に戻される。かくして、洗濯槽１１内の空気が循環されるものであり、このダクト３０、送風機２２、加熱器２３、及び給風管２９により、循環装置３１を構成している。

ダクト３０内には、上部に注水器３２を配設している。この注水器３２は、詳しくは図示しないが、例えばダクト３０内の横幅のほゞ全長にわたるもので、下側に多数の噴水口を有しており、基端部をダクト３０外に位置させ、それに注水接続管３３を介して給水弁３４を接続している、かくして、矢印Ｂで示すように、ダクト３０内にそれを通る空気の流れとは逆の方向から水を注入する注水装置３５を構成している。

又、給水弁３４は、水道など給水源から供給される水を複数の分水路に切換えるもので、その一つの分水路が上記注水接続管３３であり、他の一つの分水路は給水用接続管３６であって、この給水用接続管３６の先端部を、前記水槽９の前部の上方に配設した給水ケース３７に接続している。この給水ケース３７は、詳しくは図示しないが、上記給水弁３４から給水用接続管３６を通じて送られる水を水槽９内に供給するものである。
なお、上記給水弁３４と前記排水弁２０は、ともに、電磁石やモータ等の電動駆動力にて開放される電動式のものである。

以上に対して、図４には制御装置３８を示している。この制御装置３８は、前記制御回路ユニット８に含まれており、洗濯乾燥機の作動全般を制御する制御手段として機能する。この制御装置３８には、スイッチ入力部３９から各種操作信号が入力されるようになっている。このスイッチ入力部３９は、前記操作パネル４の各種操作スイッチ、並びにそれらの操作に応動する前記操作回路ユニット７から成っており、各種操作スイッチの操作に基づく各種操作信号を出力するようになっている。

このほか、制御装置３８には、前記水槽９内の貯留水位（洗濯槽１１内の貯留水位）を検知すべく設けた水位センサ４０から水位検知信号が入力されるようになっており、更に、前記モータ１７の回転を検知すべく設けた回転センサ４１から回転検知信号が入力され、前記循環装置３１を通る空気（循環風）の温度を検知すべく設けた温度センサ４２から温度検知信号が入力されるようになっている。

そして、それらの入力並びにあらかじめ記憶された制御プログラムに基づいて、制御装置３８は、前記モータ１７を駆動するインバータ回路４３に駆動制御信号を与えるようになっており、そのほか、前記給水弁３４と、洗濯水加熱用のヒータ１９、送風機２２のモータ２６、加熱器２３のヒータ２８、及び排水弁２０、を駆動する駆動回路４４に駆動制御信号を与えるようになっている。

次に、上記構成のものの作用を述べる。
洗濯をするときには、使用者が、扉３を開けて、洗濯物出入口２から洗濯槽１１内に洗濯物（衣類）を入れ、その後に扉３を閉じて、操作パネル４の操作スイッチを操作することにより、電源を投入し、洗濯コースの選択をして、運転をスタートさせる。

すると、制御装置３８が、最初に、洗濯行程中の洗い行程に入って、給水弁３４の給水用接続管３６側を開放させる。これにより、前記水道など給水源から給水弁３４を通じて供給される水が、給水用接続管３６から給水ケース３７を通って水槽９内に供給される。なお、給水ケース３７には洗剤が置かれるようになっており、置かれた洗剤は上述の給水と共に水槽９内（洗濯槽１１内）に供給される。

この状況で、制御装置３８は、水位センサ４０からの検知出力により、水槽９内（洗濯槽１１内）の貯留水位が所定の水位に達したと判断されたところで、給水弁３４を閉塞させ、上記水槽９内（洗濯槽１１内）への給水を終える。
この後、制御装置３８は、モータ１７を起動させる。これにより、モータ１７の回転軸１７ｃと一体に洗濯槽１１が回転され、その内部に収容した洗濯物を撹拌して洗う。なお、このときの洗濯槽１１の回転は、正逆両方向に切換えて行う。

この後、制御装置３８は、排水弁２０を開放させる。これにより、水槽９内（洗濯槽１１内）の水が排水弁２０から排水ホース２１を通じて機外に排出される。
そして、その後、制御装置３８は、排水弁２０を閉塞させ、前記水槽９内（洗濯槽１１内）からの排水を終える。

なお、洗濯行程には以上の洗い行程のほかにすすぎ行程があり、制御装置３８は、洗い行程の後に、行程をすすぎ行程へと進める。このすすぎ行程は、洗濯物の洗いに洗剤を使用しない以外、洗い行程と同様に行うものである。
又、すすぎ行程の後には、脱水行程、乾燥行程を順に実行する。そのうち、脱水行程は、排水弁２０を開放させた状態で、洗濯槽１１をモータ１７により高速回転させることにより、洗濯槽１１内の洗濯物の水分を遠心力で小孔１２から振り切り排出するものである。

乾燥行程は、洗濯槽１１をモータ１７により正逆両方向に切換えて低速回転させつつ、送風機２２を作動させることにより、洗濯槽１１内の空気を循環装置３１を通じて循環させる。又、このとき、給水弁３４の注水用接続管３３側を開放させることにより、前記水道など給水源から給水弁３４を通じて供給される水を注水用接続管３３から注水器３２に送って、該注水器３２からダクト３０内に循環風の流れとは逆の方向に注出させる。これにより、ダクト３０内では、循環空気が冷却されて除湿される。そして、その除湿された空気が加熱器２３にて加熱されることにより温風となり、それが洗濯槽１１内に順次送り込まれて、洗濯槽１１内の洗濯物を乾燥させる。従って、このとき、モータ１７と、送風機２２及び加熱器２３を含む循環装置３１は、乾燥手段として機能する。

又、この乾燥行程では、制御装置３８は、温度センサ４２からの検知出力により、循環装置３１を通る空気（循環風）の温度が所定温度以上に達したと判断されたときに、乾燥が完了したと見て、乾燥行程を終え、一連の洗濯コースを完了する。従って、このとき、温度センサ４２は乾燥検知手段として機能する。

これに対して、使用者が花粉など粉塵の付着した衣類を洗濯槽１１内に入れ、「粉塵除去」コースの選択をして、運転をスタートさせると、制御装置３８は、洗濯槽１１をモータ１７により正逆両方向に切換えて低速回転させつつ、送風機２２を作動させることにより、洗濯槽１１内の空気を循環装置３１を通じて循環させる。又、このとき、給水弁３４の注水用接続管３３側を開放させることにより、水道など給水源から給水弁３４を通じて供給される水を注水用接続管３３から注水器３２に送って、該注水器３２からダクト３０内にこれを通る空気の流れとは逆の方向に水を注出させる。すなわち、上記洗濯コース中の乾燥行程単独と同じ内容の運転を行う。

しかして、その運転では、洗濯槽１１の回転により衣類から粉塵が落とされ、その落とされた粉塵が循環風に運ばれてダクト３０内を通る際に、注水器３２により循環風の流れとは逆の方向から注入される水に遭って落下し除去される。更に、その落下した粉塵は、水と共にダクト３０の下部から水槽９内に至って、このとき（前記洗濯コース中の乾燥行程でも）開放状態にある排水弁２０から排水ホース２１を通じ機外に排出される。

又、この「粉塵除去」コースでは、粉塵除去運転の終了を、温度センサ４２（乾燥検知手段）の検知結果に頼らず、例えば時間設定によって行う。このようにすることにより、衣類が水気を帯びることなく入れられても、粉塵除去運転が直ちに終了されるというようなことがなく、充分な粉塵除去運転を行うことができる。又、その時間設定は、例えばモード別に行い、簡単モードで３０〔分〕、通常モードで４５〔分〕、念入りモードで６０〔分〕とする。これにより、衣類に対する粉塵の付着の度合や衣類の量に応じた粉塵除去運転ができる。

かくして、衣類に付着した粉塵の除去が、従来のもののようなフィルタに頼らずにできるものであり、よって、フィルタの定期的な掃除を行うような面倒もなく、又、そのフィルタの掃除によって除去した粉塵を使用者が吸引したり、使用者の衣類に付着させたりする問題もなくできる。

加えて、本構成のものの場合、上述の粉塵除去運転が、使用者による選択が可能な専用のコース（「粉塵除去」コース）で実行されるようにしており、これによって、使い勝手を良くでき、又、水洗いのできない、ウールのコートや毛皮等の衣類でも、付着した粉塵の除去が充分にできる。但し、粉塵除去運転は別の運転と組み合わされていても良い。

又、本構成のものの場合、洗濯槽１１が斜め軸で回転されるようにもしており、これによって、衣類をより効率良く攪拌して粉塵を落とすことができるので、粉塵の除去がより効率良くできる。但し、この効果を得るにも、洗濯槽１１は斜め軸でなく、水平の横軸で回転されるものであっても良い。

更に、本構成のものの場合、粉塵除去運転時、ダクト３０に注入された水が機外に排出されるようにしており、これによって、衣類から除去した粉塵を機内に残さず、それのメンテナンスを不要にできる。
そのほか、本構成のものの場合、循環装置３１と注水装置３５とが、粉塵除去運転用と乾燥運転用とを兼ねるようにしており、これによって、別途専用の装置を必要とせず、製品コストの高騰化を抑制できる。

ここで、前述の粉塵除去運転時には、送風機２２による循環風量を乾燥運転時より増大させるようにすると良い。このようにすることにより、衣類から落下した粉塵の循環装置３１における移動量を多くでき、粉塵の除去がより効率良くできるようになる。なお、その循環風量の増大は、送風機２２のモータ２６の回転速度を、例えば乾燥運転時の４０００〔ｒｐｍ〕から４８００〔ｒｐｍ〕に増加させることで、２０〔％〕増すことができ、それによって、粉塵の除去がより効率良くできるようになる。

又、粉塵除去運転時には、洗濯槽１１の回転速度を乾燥運転時のそれよりも低下させるように（例えば５０〔ｒｐｍ〕に）しても良い。このようにすることにより、衣類が遠心力で洗濯槽１１の周囲面に張り付いてしまうことを回避できて、衣類の攪拌が効率良くでき、衣類からの粉塵の落ちを良くできる。この場合、洗濯槽１１の回転方向の切換え頻度を乾燥運転時のそれ（例えば３０秒ごとに１回）よりも増加させるように（例えば１５秒ごとに１回に）しても良い。このようにしても、衣類の攪拌が効率良くでき、衣類からの粉塵の落ちを良くできる。なお、この粉塵除去運転時の洗濯槽１１の回転については、回転速度を乾燥運転時のそれよりも低下させることと、洗濯槽１１の回転方向の切換え頻度を乾燥運転時のそれよりも増加させることの両方を採用するようにしても良い。

更に、粉塵除去運転時には、循環風を加熱器２３のヒータ２８により熱するようにすると良い。このようにすることにより、衣類が雨に濡れていた場合や、汗など湿気を含んでいた場合等に、その衣類を乾燥させることを伴い、該衣類からの粉塵の落ちを良くできる。

一方、粉塵除去運転時には、循環風を加熱する加熱器２３のヒータ２８を停止させるか、又はそのヒータ２８の加熱熱量を乾燥運転時のそれよりも減じるようにしても良い。このようにすることにより、消費電力を下げて、エネルギーの節約ができる。
これらのことから、粉塵除去運転時の循環風のヒータ２８による加熱は、使用者の選択でできるようにするとなお良い。

以上に対して、図５ないし図７は本発明の第２及び第３実施例（第２及び第３の実施形態）を示すもので、上記第１実施例と同一の部分には同一の符号を付して説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。

［第２実施例］
図５及び図６に示す第２実施例においては、粉塵除去運転時に衣類から静電気を除去する静電気除去装置５１を設けている。この静電気除去装置５１は、循環装置３１中の例えば給風管２９に設けており、詳細には、給風管２９の途中部に形成した開口５２により給風管２９と連通するように設けたパイプ５３と、このパイプ５３の内部を給風管２９側と反給風管２９側とに隔てた通気隔壁５４と、この通気隔壁５４より反給風管２９側に設けた送風機５５と、通気隔壁５４の給風管２９側に設けたニードル電極５６、及びこれの周囲部に設けた円筒形のアース電極５７から成っている。

この構成で、粉塵除去運転時に、送風機５５を作動させつつ、ニードル電極５６とアース電極５７との間に高周波の数〔ｋＶ〕の高電圧Ｅを印加する。すると、ニードル電極５６とアース電極５７との間で放電を起こし、マイナスイオン、プラスイオンが発生する。それを送風機５５が生起する風で給風管２９内に送り込み、循環風に含ませる。これにより、衣類が帯びた静電気のチャージを中和して、衣類の静電気を除去するものであり、衣類からの粉塵の落ちが良くなる。又、衣類から落ちた粉塵が衣類に再付着することも防止できるので、粉塵の除去がより効率良くできるようになる。

［第３実施例］
図７に示す第３実施例においては、洗濯乾燥機の全体を縦軸形としている。詳細には、前記外箱１相当の外箱６１内に、前記水槽９相当の有底円筒状を成す水槽６２を縦軸状に配設して弾性支持装置６３により支持しており、水槽６２内に、前記洗濯槽１１相当の同じく有底円筒状を成す洗濯槽６４を縦軸状に配設している。洗濯槽６４には、胴部のほゞ全域に前記小孔１２相当の小孔６５を多数有し（一部のみ図示）、胴部の上端内周部には回転バランサ６６を装着している。又、洗濯槽６４内の最下部には、もっぱら洗濯用の撹拌体６７を配設している。

水槽６２の外下方部には、前記モータ１７相当のモータ６８を配設している。このモータ６８は、洗濯槽６４と撹拌体６７とを選択的に回転駆動するものである。このほか、水槽６２の外下方部には、前記排水弁２０相当の排水弁６９や、前記排水ホース２１相当の排水ホース７０をも配設している。

そして、水槽６２の外側方部には、前記ダクト３０相当の所定の空気通路を構成する例えば蛇腹状のダクト７１を配設している。このダクト７１は、下端部を、水槽６２の排水口７２から水槽６２の内下部に連通する吸風管７２に接続し、上端部を、水槽６２の上方から水槽６２の内部に臨む前記給風管２９相当の給風管７３に接続している。給風管７３の内部には、前記送風機２２相当の送風機７４と、前記ヒータ２８相当のヒータ７５とを配設しており、これらによって、前記循環装置３１相当の循環装置７６を構成している。

給風管７３の上方には前記給水弁３４相当の給水弁７７を配設しており、これに接続した前記注水接続管３３相当の注水接続管７８の先端部をダクト７１内に挿通し、これらによって、ダクト７１内に注水する前記注水装置３５相当の注水装置７９を構成している。
このほか、前記外箱６１の最上部に装着したトップカバー８０には、前記扉３相当の蓋８１を設け、トップカバー８０の前部内方に、前記操作回路ユニット７及び制御回路ユニット８相当の電子ユニット８２を配設し、トップカバー８０の前部上面に前記操作パネル４相当の操作パネル８３を設けている。

以上の構成で、運転は第１実施例同様に行う（洗濯物の洗いとすすぎを撹拌体６７の回転によって行う点は異なる）。従って、使用者が花粉など粉塵の付着した衣類を洗濯槽１１内に入れ、「粉塵除去」コースの選択をして、運転をスタートさせると、図示しない制御装置が、洗濯槽６４をモータ６８により正逆両方向に切換えて低速回転させつつ、送風機７４を作動させることにより、洗濯槽６４内の空気を循環装置７６を通じて循環させる。又、このとき、給水弁７７の注水用接続管７８側を開放させることにより、水道など給水源から給水弁７７を通じて供給される水を注水用接続管７８からダクト７１内にこれを通る空気の流れとは逆の方向に水を注出させる。

なお、この縦軸形洗濯乾燥機においても、第２実施例の静電気除去装置５１を設けるようにしても良い。
このほか、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。

本発明の第１実施例を示す全体の縦断側面図 全体の正面図 主要部分の縦断面図 電気的構成のブロック図 本発明の第２実施例を示す図１相当図 主要部分の拡大縦断面図 本発明の第３実施例を示す図１相当図

符号の説明

図面中、１１は洗濯槽（槽）、２８はヒータ、３０はダクト（空気通路）、３１は循環装置、３５は注水装置、４２は温度センサ（乾燥検知手段）、５１は静電気除去装置、６４は洗濯槽（槽）、７１はダクト（空気通路）、７６は循環装置、７９は注水装置を示す。

Claims (10)

1. 衣類を収容する槽を具え、その槽内で衣類を洗濯する機能と乾燥させる機能とを有し、その乾燥運転時には乾燥検知手段の検知結果に基づき運転を終了するようにしたものにおいて、
   前記槽内の空気を所定の空気通路を通じて循環させる循環装置と、
   前記空気通路にそれを通る空気の流れとは逆の方向から水を注入する注水装置とを具え、
   それらにより循環風に運ばれる粉塵を除去する粉塵除去運転を、前記槽を回転させながら行い、その終了を前記乾燥検知手段に頼らずになすようにしたことを特徴とする洗濯乾燥機。
2. 粉塵除去運転が、使用者による選択が可能な専用のコースで実行されることを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
3. 槽が、横軸又は斜め軸で回転されることを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
4. 粉塵除去運転時、空気通路に注入された水が機外に排出されることを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
5. 循環装置と注水装置とが、乾燥運転用を兼ねることを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
6. 粉塵除去運転時、循環風量を乾燥運転時より増大させることを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
7. 粉塵除去運転時、槽の回転速度を乾燥運転時のそれよりも低下させるか、又は槽の回転方向の切換え頻度を乾燥運転時のそれよりも増加させることを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
8. 粉塵除去運転時、循環風をヒータにより熱することを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
9. 粉塵除去運転時、循環風を加熱するヒータを停止させるか、又はそのヒータの加熱熱量を乾燥運転時のそれよりも減じることを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
10. 粉塵除去運転時に衣類から静電気を除去する静電気除去装置を具えたことを特徴とする請求項１記載の洗濯乾燥機。
    
    

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