JP2005539401A - トンネリング効果エネルギー変換器 - Google Patents
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Abstract
原子寸法に匹敵する寸法の間隔だけ互いに隔てられたエミッタとコレクタとを有し、トンネリング効果が、そのエミッタとコレクタとを隔てるギャップを横切りエミッタからコレクタへの電荷移動に重要な役割を果たす、熱エネルギーから電気へのトンネリング効果エネルギー変換器である。エミッタとコレクタの構造のうちの少なくとも1つが、可撓性構造を備えている。トンネリング効果エネルギー変換器は、熱エネルギーを電気エネルギー変換するデバイスと、電力をデバイスに加えたとき、冷却を行うデバイスとを備えている。
Description
本発明は、一般に熱エネルギーから電気エネルギーへの変換するトンネリング効果エネルギー変換器に関し、より詳細には、温度勾配に曝されたとき、変換器プレート間のトンネリングがかなり大きくなるような設計及び動作条件に基づき、電気エネルギーを発生するデバイスに関する。特に、本発明は、熱力学的に可逆的であり、冷却用に使用することができるデバイスに関する。
熱エネルギーは、直接電気エネルギーに変換することができる。熱電子エネルギー変換器は、熱エネルギーを直接電気エネルギーに変換するデバイスである。そのようなデバイスの1つのタイプは、熱電子エネルギー変換器であり、この熱電子エネルギー変換器は、熱が、熱電子放出によって直接電気エネルギーに変換される。このプロセスでは、金属を加熱し、金属表面における抑制力に打ち勝って飛び出すのに十分なエネルギーを一部の電子に伝えることによって、電子が、金属表面から熱電子的に放出される。電気エネルギーを発生する大部分の従来の方法とは違い、熱電子エネルギー変換には、熱を電気に変換するために、電荷以外、エネルギーの中間形態(intermediate form of energy)又は動作用液体(working fluid)のどちらも不要である。
その最も基本的な形態では、動作させるためにセットアップされた従来の熱電子エネルギー変換器は、加熱源に接続された第1の電極と、ヒートシンクに接続され第1の電極から介在するスペースによって隔てられた第2の電極と、これらの電極を電気負荷に接続するためのリードと、筐体とから構成されている。筐体内のスペースは、高真空にされるか又はセシウムなど適切な希薄蒸気によって充填されるかのどちらかである。電子が一方の電極から飛び出して他方の電極に移動できるのに十分な熱エネルギーを電子に供給する。これは、十分な熱エネルギーを電子に供給することによって、電子が、打ち勝たなければならない電位バリアエネルギーのエネルギーを少なくとも有することになり、それによって放出電極から収集電極(collection electrode)に移動するようなデバイスにおいて達成される。
加熱源によって、十分な高温で、熱電子エネルギー変換器中の第1の電極とエミッタに熱を供給すると、電子が、その電極から真空にされた又は希薄蒸気で充填された電極間スペース中に熱電子的に飛ばされる。電子は、このスペースを通り他方の電極とコレクタに向けて移動する。そのコレクタは、ヒートシンクの温度に近い低い温度に保たれる。その場所で、電子は、凝縮し、回路を閉じたとき、外部の電気リード及び、例えば、エミッタとコレクタの間に接続された電気負荷を介して高温側電極に戻る。
図1は、従来の熱電子エネルギー変換器の一実施形態を説明するための概略図である。この従来の熱電子エネルギー変換器100は、通常、エミッタ110又は低電子仕事関数カソード(low electron−work−function−cathode)と、コレクタ112又は比較的より冷たい高電子仕事関数アノード(high electron−work−function−anode)と、筐体114と、適切な導電体116と、外部負荷118とを備えている。エミッタ110は、熱流(heat flow)120に曝されてこのカソードに電子122を放出させ、それによって電子回路を閉じて外部負荷118に電界強度をもたらす。上述したように、従来の熱電子エネルギー変換器100中の電極間スペース130は、真空媒体又は希薄蒸気充填媒体である。この熱電子エネルギー変換器100中の電極間スペース130は、通常、典型的な原子寸法より少なくとも何千倍ものオーダーの寸法で大きい。例えば、この熱電子エネルギー変換器100中の電極間スペース130は、約1/10μmから1000μm又はそれより大きいオーダーにすることができ、その場合、電極間の間隔は、103Åから107Åのオーダーになる。
電気負荷を通る電流は、電極間の温度差によって維持される。したがって、電気的仕事が負荷に伝達される。
熱電子エネルギー変換器100は、熱源と接触した低電子仕事関数カソードが、電子を放出するという概念に基づいている。この電子は、冷たい高仕事関数アノードが吸収し、電子は、外部負荷118を通ってカソードに戻り、その外部負荷118で有益な仕事をすることができる。実用的な熱電子エネルギー変換器は、カソードとして使用される利用可能な金属又は他の材料の仕事関数によって限定される。他の重要な限界は、空間電荷効果である。電子がカソードとアノードの間のスペース中に存在することによって、付加的な電位バリアが生成され、それによって熱電子電流(thermionic current)が減少する。最大電流密度が、この限界によって有害な影響を受け、したがって、この限界が、大規模な熱電子エネルギー変換器を開発する際の主な問題を呈している。
従来の熱電子エネルギー変換器100は、通常、真空変換器(vacuum converter)又はガス充填変換器(gas−filled converter)に分類される。上述したように、これらの熱電子エネルギー変換器100には、原子寸法より少なくとも何桁か大きい電極間スペース130がある。真空変換器は、真空媒体が電極間にある。これらの変換器は、実用的な用途が限定されている。
真空変換器について、空間電荷効果を低減する試みには、電極間の間隔をμmのオーダーに狭くすることが含まれていた。ガス充填変換器について、同効果を低減する試みの結果、エミッタ前面で電子雲中に正イオンを導入することになった。それでもなお、これらの従来のデバイスには、最大電流密度及び温度レジームが限定されるなどに関連するような欠点がまだ提示されている。高い効率及び高いパワー密度を有してより低い温度レジームで熱エネルギーを電気エネルギーに変換するためのより満足できる、原子寸法より少なくとも何桁か大きい寸法の電極間間隔をなお保つソリッドステートデバイスを使用した解決策が、模索されてきた。
T, J. Coutts, Electrical conduction in thin metal films, Elsevier, NY, 1974
しかしながら、原子寸法と匹敵する範囲の寸法の電極間間隔を有した熱電子エネルギー変換器は、まだ実現されていない。本発明の環境で、電極間間隔が何十Åの範囲にある、非常に狭くなった電極間間隔の実施形態によって、この熱電子エネルギー変換器が提供される。このような電極間間隔の短縮は、通常、数μm又は数十μmより小さくない範囲の電極間間隔を有する他の熱電子エネルギー変換器中の電極間間隔に対して、何桁かの範囲での短縮である。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、原子寸法に匹敵する寸法の電極間間隔を有するようなトンネリング効果エネルギー変換器を提供することにある。
本発明の環境で達成された電極間間隔のこの間隔の短縮は、設計パラメータ選択の単なる変更でなく、また、寸法パラメータのありきたりの最適化によるものでない。本発明の実施形態によって提供されるレベルにおける微細化には、従来のデバイスの環境では存在しない、又はそれとは異なる側面及び複雑さを有して提示される設計、製造及びモデル化の問題について、解決策が必要である。例えば、表面の不揃いなど微視的な電極表面特性は、そのような狭い電極間間隔では関連することになるが、そのような特性は、もっと非常に広い電極間間隔を有した従来のデバイスでは、わずかに関連するか、又はまったく関連さえしない。他の例では、トンネリングなどの物理現象は、従来のデバイスでは関連しないが、電極間間隔が、原子寸法スケールの範囲の寸法の間隔まで狭くなったとき、大いに関連することになる。したがって、例示的な例によって上述したような本発明の実施形態の特別の複雑な特性によって、本発明の実施形態が、もっと非常に広い電極間間隔を有した従来のデバイスから区別される。上述した例によって示し、本明細書の残り及び図面で説明するように、これらの区別する特徴は、単に量又は程度の形で存在するものでなく、デバイス自体の、ならびにその設計、製造及び動作原理の本質又は性質の形で存在する。
トンネリング効果を利用した熱電子エネルギー変換器は、本発明の環境において開発される。従来の熱電子エネルギー変換器は、本発明の実施形態で使用されるような動作条件に従った場合、実効電流を生成するために、1000Kを越える温度で動作しなければならないはずである。本発明の実施形態で関連することになる効果によって、従来の熱電子エネルギー変換器で使用しようとする場合、禁止されることになるような温度、電位エネルギーバリアを用いて、実効電流の生成が可能になる。
本発明による実施形態の設計には、少なくとも1つの可撓性電極構造の使用が含まれ、それによって電極間間隔は、トンネリング電流が、電流の有効成分になるようにするものである。そのような可撓性電極テクノロジが、電極構造の湾曲した影響によって起こる電気的短絡を防止するように、本発明の環境でスペーサ形成と組み合わせて実現される。
本発明の実施形態では、原子寸法の範囲の間隔で原子的な滑らかな表面を有して、互いに対面する電極表面を設ける。電極構造は、エミッタ表面を有する電荷エミッタ(charge emitter;以下、単にエミッタという)と、コレクタ表面を有する電荷コレクタ(charge collector;以下、単にコレクタという)とを備えている。これらの実施形態では、その表面を互いに対面させ、エミッタとコレクタの間の電子トンネリングの確率が少なくとも0.1%であるような間隔だけ、その表面を隔てている。また、本発明によるいくつかの実施形態では、電極間間隔は、約5nmより狭い。
上述した本発明について、添付する図面に例示したその特定の実施形態を参照してより詳しく説明する。これらの図面は、本発明の実施形態のみを表し、したがって、本発明の技術的範囲を限定すると見なすべきものでなく、本発明は、添付した図面を使用し、特異性を付加して詳細に述べ、説明するものである。
本発明は、トンネリング効果を利用した熱電子エネルギー変換器を対象とする。この熱電子エネルギー変換器は、トンネリングが、電荷キャリアの移動において重要なファクタになるようなメカニズムに従うエネルギー変換によって、熱エネルギーから電気エネルギーを生成する。さらに、本発明によるトンネリング効果エネルギー変換器(以下、単に変換器という)は、熱力学的に可逆的であり、冷却用に使用することができる。用語「変換器」及び関連用語は、本明細書では、熱エネルギーを電気エネルギーに変換するデバイス、及び電力が加えられたとき、デバイスが冷却作用を行う可逆的モードで動作できるデバイスを示す。また、本発明による変換器は、トンネリング効果に基づき、その効果を使用するように設計し製造する。さらに、本発明による変換器に、原子寸法スケールに匹敵する範囲の寸法の電極間間隔を有する変換器を実際に構築するような設計及び製造戦略が組み込まれる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図2は、本発明によるトンネリング効果エネルギー変換器の一実施形態を説明するための概略図である。図2に示す変換器8は、2つの電極であるコレクタ1及びエミッタ4を備えている。エミッタ温度は、T1として示され、コレクタ温度は、T0として示される。熱から電気エネルギーへの変換モードで電流を発生するために、これらの温度は、T1>T0の関係を満足する、つまり、エミッタ4がコレクタ1より熱い。なお、符号2はスペーサ、3はモリブデン被覆、5はナノワイヤ網、6は金属コンタクト、7はシリコン層、9は電極間領域を示している。
図2は、本発明によるトンネリング効果エネルギー変換器の一実施形態を説明するための概略図である。図2に示す変換器8は、2つの電極であるコレクタ1及びエミッタ4を備えている。エミッタ温度は、T1として示され、コレクタ温度は、T0として示される。熱から電気エネルギーへの変換モードで電流を発生するために、これらの温度は、T1>T0の関係を満足する、つまり、エミッタ4がコレクタ1より熱い。なお、符号2はスペーサ、3はモリブデン被覆、5はナノワイヤ網、6は金属コンタクト、7はシリコン層、9は電極間領域を示している。
いくつかの実施形態では、コレクタ1は、アルミニウム層を備えている。その材料の1つの供給源は、IBMが提供するアルミニウム基板など光ディスク用のアルミニウム基板である。本発明による変換器8の製造において使用されるアルミニウム層は、表面が、約3Å RMS(1nm=10Å)で研磨されている。
本発明による他の変換器の実施形態では、コレクタ1は、シリコンなど少なくとも1つの半導体基板を備えている。半導体基板は、金属化して再研磨される。
エミッタ4は、導電材料からなっている。いくつかの実施形態では、エミッタ4は、図2に示すように、モリブデン被覆3など導電体で被覆を施したシリコン層7を備えている。エミッタ4は、シリコンウェハによって製造され、そのウェハは、厚さが約10μm(μmは、マイクロメータであり、ミクロンとしても知られている)で、厚さが約1000Åのモリブデン被覆で被覆を施してあった。シリコンウェハ材料は、Virginia Semiconductorsから入手した。エミッタ4は、約10Å RMSの表面研磨仕上げによって仕上げられた。本発明による変換器8では、互いに対面するエミッタ4及びコレクタ1の表面は、粗さが約20Å RMSを越えないように表面研磨仕上げによって仕上げられることが好ましく、10Å RMSを越えない粗さがより好ましい。
本発明のいくつかの実施形態では、少なくとも、互いに対面するエミッタ4及びコレクタ1の側面は、赤外線(IR)放射率、及び/又はコレクタ表面が赤外線の放射線を反射するような反射率の表面特性を有する。Alによって製造されるコレクタを含む実施形態は、そのような、剥き出しにされたAl表面のIR反射率に基づくコレクタ反射率特性を有して提供される。好ましい電極の表面特性は、エミッタ表面のIR放射率が、コレクタ表面のそれより大きくなるようなものである。
高IR放射率は、金属カーバイド、Fe、Co、Ni及びその組合せのうちの少なくとも1つなど高IR放射率の表面材料を用いて達成することができる。用語「組合せ」は、本明細書で適用可能なところすべてにおいて、混合物及び/又は合金を含んでいる。高IR反射率は、Al、Cu、Ag、Au及びその組合せのうちの少なくとも1つなど高IR反射率の表面材料を用いて達成される。本発明の実施形態では、高IR放射率の表面のエミッタ4及び/又は高IR反射率の表面のコレクタ1によって放射損失が容易に減少する。
本発明による変換器8では、互いに対面するエミッタ4及びコレクタ1の側面は、表面に不揃いを有し、その不揃いの程度を管理することが好ましい。また、本発明による変換器8では、この表面の不揃いを管理することによって、電極間隔に対するトンネリングの感受性や狭い電極間間隔などのファクタに対処する。互いに対面するエミッタ4及びコレクタ1の側面は、それぞれ用語、エミッタ表面及びコレクタ表面という。表面に不揃いを有した表面特性を有するエミッタ表面及びコレクタ表面は、「原子的に滑らかな(atomically smooth)」状態にあると簡潔に表現する。
不揃いが原子寸法スケールよりかなり大きいことによって起こる表面の不揃いが大きく変動することによって、電極表面を横切るトンネリングに大きな変動が生じることになるはずである。
図3は、エミッタ−コレクタの表面間隔に対するトンネリングの高感受性を示す図である。本発明による変換メカニズムが重要な役目を果たす変換器は、トンネリングが無効である領域によって、より非効率的になるはずである。
図3に示すように、トンネリングは、トンネリングする粒子がエミッタ表面からレセプタ表面に移動しなければならない距離に非常に敏感である。図3は、1次元シュレーディンガー方程式のWKB法の解によって、0eV≦V≦0.5eVに対する電子電位エネルギーV、及び0Å≦χ≦200Åに対するバリア幅χの関数として、電子トンネリング確率、D(χ)のグラフを示す図である。図3に示すように、0.2に近いトンネリング確率は、電位エネルギーが約0eVに近づいたとき、間隔が約100Åであるところで達成することができる。しかし、トンネリング確率は、電位エネルギーが約0.4eVを超えたとき、間隔が約50Åに等しい又はそれより大きいところでは、ほとんど存在しない。従来の変換器は、通常、電極間間隔又はバリア幅が約106Åから約107Åの範囲であり、バリア電位エネルギーが約1.5eVから約2.0eV(電子仕事関数)の範囲であるところで動作する。この従来のレジーム(regime)では、トンネリングは、図3に示すように実質的にゼロである。
図3から推測できるように、そのような重要な伝播係数は、イメージ力(image force)によってバリアが減少していない場合、達成することが可能でないはずである。この効果は、冷却レジームで動作する本発明の実施形態において、より一層重要になる。というのは、その動作モードでの効率は、利用できる熱エネルギーとバリア高さの比に依存し、したがって、バリア高さの縮小が冷却効率の増加をもたらすことになるからである。
本発明による変換器の実施形態では、原子寸法スケールの範囲の電極間間隔は、互いに対面する電極の側面の表面不揃いが、せいぜいその電極間間隔に匹敵する、又はそれより小さい場合、実質的に達成することができる。表面不揃いが、電極間間隔を特徴付ける原子寸法スケールより著しく大きい場合、そのような範囲の電極間間隔の概念は、姿を消すはずである。本発明による変換器の実施形態では、電極間間隔が約50Åを超えないように製造される。本発明によるいくつかの実施形態では、電極間間隔が、約30Åより大きくない。これは、エミッタ表面とコレクタ表面の間の間隔である。また、本発明による変換器のいくつかの実施形態では、電極間間隔が、約10Åであり、エミッタの仕事関数が約4.2eVになるようなエミッタが含まれている。他の実施形態では、電極間間隔が、約25Åであり、エミッタの仕事関数が約1.5eVになるようなエミッタが含まれている。エミッタ材料の仕事関数がより低くなることによって、トンネリングがなお重要である電極間間隔がより広い範囲になるような変換器の設計が可能になる。
図3に示すように、数エレクトロンボルト(eV)のオーダーの金属真空インターフェースバリア(仕事関数)を通るトンネリングの伝播係数は、間隔が数Åの場合を除き、小さい。例えば、約200℃においてかなりの数の電子が利用できる熱エネルギーは、ほぼ4kBTから5kBTであり、これは、ほぼ0.16eVから0.20eVである。この熱エネルギーは、大部分の金属についての電子仕事関数が約3eVから約5eVの範囲である金属真空インターフェースによって生成される電位エネルギーバリアより、かなり小さい。
より高い仕事関数を有したエミッタ材料を備えた本発明による変換器は、少なくともコレクタに対面する側面上に被覆を施すことが好ましい。その被覆は、少なくとも1つの低電子仕事関数材料を備えている。例えば、大部分の材料は、金属真空インターフェースバリアが、約3eVから約5eVの範囲である。Ir、Os、Pt、Au、Reなどの材料、及びW、Niなどの結晶配向性金属は、電子仕事関数が、5eVを超えることがあり得る。Pt、Ag、Ta、V及びNbの酸化物などの酸化物は、仕事関数が、6eVを超えることがあり得る。エミッタ材料の仕事関数を低下させるために、アルカリ、アルカリ土類材料及びその組合せ、例えば、Cs、Ba、Sr、Rb、Na、Ca、Li及びその組合せのうちの少なくとも1つなどの低電子仕事関数の材料を、高仕事関数の材料上に併合して、エミッタ表面の仕事関数を約1.1eVから1.2eVに低減することが好ましい。そのようなより低い仕事関数の材料層を存在させることは任意選択であり、図2に概略的に表した実施形態には示されていない。いくつかの実施形態では、この材料層は、コレクタに対面するエミッタの側面上の被覆として見られる。
本発明のいくつかの実施形態は、複数被覆のエミッタ表面を備えている。例えば、エミッタ表面は、電子仕事関数が少なくとも約3.5eVである材料からなる第1の被覆で覆われ、この第1の被覆は、電子仕事関数が約3.5eVを超えない材料からなる第2の被覆で覆われている。第1の被覆材料の例には、酸化白金(ここでは、この用語は、PtO、酸化白金の他の化学量論的形、及び白金と酸素とを含む組合せなどの物質を言う。)、酸化銀(ここでは、この用語は、AgO、酸化銀の他の化学量論的形、及び銀と酸素とを含む組合せなどの物質を言う。)、酸化タンタル(ここでは、この用語は、Ta2O5、酸化タンタルの他の化学量論的形、及び少なくとも1つのタンタル酸塩などのタンタルと酸素を含む組合せなどの物質を言う。)、酸化バナジウム(ここでは、この用語は、V2O5、酸化バナジウムの他の化学量論的形、及び少なくとも1つのバナジウム酸塩などのバナジウムと酸素を含む組合せなどの物質を言う。)、Os、Ir、Pt、Re、Ni、W及びその組合せのうちの少なくとも1つが含まれている。第2の被覆材料の例には、Cs、Ba、Sr、Rb、Na、Ca、Li及びその組合せなど、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びその組合せのうちの少なくとも1つが含まれている。さらに、本発明の他の実施形態は、少なくとも3つの被覆などの複数の被覆を備え、電子仕事関数値を変化させる。そのような複数の被覆を有した実施形態は、本明細書で少なくとも2つの被覆を含むものとして説明した実施形態に包含されている。
1.1eVから1.2eVに近いバリアは、本発明による変換器の実施形態中で実装されるが、このバリアは、通常、非トンネリング熱電子エネルギー変換器には高すぎる(1.1eVから1.2eVの範囲のエネルギーバリアは、0.16eVよりなお著しく大きい)。そのような非トンネリング熱電子変換器は、1300Kより高いエミッタ温度で動作して、かなりの電流密度を発生しなければならないはずである。より低い温度でそのような条件の下で動作する変換器は、効率が非常に低いはずである。この場合、冷却効率も低い。というのは、1eVより多くを注ぎ込み、ほとんどないようなkBTだけでエミッタを冷却しなければならないからである。
しかしながら、トンネリング効果のレジームで動作する本発明による変換器は、エミッタとコレクタの温度差が数十℃である温度勾配で、室温に近い温度を含め、実用的なより低い温度で、熱電子エネルギー変換から有効電流密度を生成する。
本発明による変換器の効果的な熱エネルギーから電気エネルギーへの変換に寄与できる1つのファクタは、イメージ力によって生じるバリアの低減であり、それによってより小さな有効電位バリアがもたらされると考えられる。しかしながら、本発明による実施形態は、効果的な動作をサポートする特定のどのモデル又は理論によっても限定されない。イメージ力によるバリア低減については、本発明による実施形態の以下の説明の後に説明する。
スペーサ2は、電極間領域9中に位置している。スペーサ2は、球形形状を有した複数の粒子を含むものとして図2に示してあるが、その球形形状は、例示の目的だけで示してある。そのスペーサ2の材料の形状は、本発明の実施形態の特徴を限定するものでなく、スペーサ2は、他の実施形態では、多面体、円筒、円錐形、円錐台、角錐、角錐台、プリズムの規則的な表れ及び/又は不規則的な表れ、及びその組合せの規則的な表れ及び/又は不規則的な表れなど、複数の規則的な形状及び/又は不規則的な形状のうちのどの形状をも有し、ならびに凸面表面、凹面表面及びその組合せを有した実施形態を含め、湾曲表面、平面及び湾曲表面の組合せを含むスペーサを有する。スペーサ2を形成する粒子は、平均粒子サイズが約50Åより大きくないことが好ましいが、少数の層粒子は、粒子サイズが、形成技法に依存して、約500Åまでとすることができる。しかしながら、この層状の粒子の効果は、電極間の圧縮力などの適切な処理によって低減され、以下に説明する。
いくつかの実施形態では、電極間領域9中のスペーサ2間のギャップは、ときには簡単に真空といわれる希薄媒体を含んでいる。ガス充填ギャップの熱伝導率は、約10−4Torr又はそれより低い圧力において、無視できるようになる。本発明の環境下の希薄媒体は、そのような低い圧力でのガス充填ギャップを含んでいる。この発明による実施形態では、当業者の通常の技能範囲にある技法及び材料を使用して適切に密閉し、その希薄媒体を保持することが可能である。
本発明のいくつかの実施形態では、スペーサ2は、堆積によって形成される。より具体的には、TiO2対象物のエキシマレーザアブレーションによって、スペーサ材料をコレクタ1上に堆積した。堆積された粒子は、平均粒子サイズが約25Åから約50Åの範囲であり、粒子間間隔が約200Åから約1000Åの範囲であった。少数の、すなわち、約粒子10個/cm2のオーダーのその堆積された粒子は、寸法が、約500Åの寸法パラメータによって特徴付けられた。
本発明による変換器では、図2に示す矢印99によって示された圧縮力によって、電極が、原子寸法スケールである所望の電極間間隔で保持される。この圧縮力99は、少なくとも1つの可撓性電極を変形させ、それによって大きな粒子のスペーサの作用が減少する。大きいサイズの粒子スペーサの作用が減少した結果、トンネリングが、少なくとも電極間領域9エリアの実質的な部分を横切り電荷キャリアを移動させるのにかなり寄与するような平均値で以って、電極間間隔が維持される。
いくつかの実施形態では、圧縮力99を、外部デバイスによって加える。他の実施形態では、変換器8などの変換器の様々な層を互いに挟み、それに続き、接着材料、少なくとも1つのクランプ、シール剤、密封材料、連結デバイス及びそれらの組合せなどの適切なホルダによって互いに保持するとき、圧縮力99は、製造段階で加えられる。
そのようなホルダのどの1つでも、ホルダを効果的に構成する方法のどの1つによっても実現できる。例えば、いくつかの実施形態では、保持材料は、少なくとも部分的に電極構造を囲繞して、隔てられた構造が元に戻りトンネリングが無力になるのを阻止するように構成される。他の実施形態では、保持材料は、少なくとも部分的にいくつかの電極間の平面内にあって、隔てられた構造の電極構造が元に戻りトンネリングが無力になるのを阻止するように構成されている。さらに他の実施形態では、保持材料は、少なくとも部分的に電極構造を囲繞し、少なくとも部分的にいくつかの電極間平面内にあるように構成されている。図2Eから図2Gに、これらのホルダ構成の例を概略的に示す。
図2Eは、本発明によるトンネリング効果エネルギー変換器の一実施形態の概略部分断面図を表し、電極構造、スペーサ及び外部ホルダを示す図で、eは電極構造、sはスペーサ、EHは外部ホルダを示している。その外部ホルダの例は、少なくとも1つのクランプと密封剤によって実現される。
図2Fは、本発明によるトンネリング効果エネルギー変換器の一実施形態の概略部分断面図を示し、電極構造、スペーサ及び電極間の平面内に配置されその電極構造と接触したホルダを示す図で、Hはホルダを示している。
図2Gは、本発明によるトンネリング効果エネルギー変換器の一実施形態の概略部分断面図を示し、電極構造、スペーサ、電極平面拡張部及び電極間の平面内に配置されているが、その電極構造と接触していないホルダを示す図で、PEは電極平面拡張部を示している。ホルダHの例は、シール剤、接着材料及び連結デバイスによって実現される。
これらの例は、例示的であり、本発明の実施形態が、その組合せと、当業者の通常の技能、及び本明細書で提供する教示によって実現できる様々なホルダの組合せとを含んでいる。
本発明のいくつかの実施形態は、エミッタ4とコレクタ1のうちの少なくとも1つは、可撓性導電体層を備えている。好ましい実施形態では、エミッタ4は、加えられる圧力を受けるように構成された薄い可撓性層を備えている。例えば、この圧力は、網5を通して加えることができる。また、この可撓性層は、厚さが約20μmに等しい又はそれより薄い。
いくつかの実施形態では、可撓性層は、導電性被覆を施した誘電材料を備えている。他の実施形態は、好ましくは導電性被覆を施した半導体材料からなる可撓性層を有している。さらに他の実施形態は、導電性被覆を施した誘電材料と、半導体材料からなる可撓性層を有し、他の実施形態は、その組合せを備えている。いくつかの実施形態では、導電性被覆は、金属を含み、導電性被覆を施した半導電性材料の例は、Ni被覆を施したシリコンを含んでいる。
本発明のいくつかの実施形態では、スペーサ2は、リソグラフィ技法によって製造される。さらに本発明の他の実施形態は、リソグラフィ技法によって製造されたスペーサと、堆積によって形成されたスペーサとを備えている。
本発明のいくつかの実施形態では、製造方法に関わりなく、スペーサは、不規則なサイズを有する。図2A及び図2Bに、この特徴を概略的に表わしている。2つの異なるスペーサs1、s2を例示の目的で表すが、本発明の特定のどの実施形態についても限定するものではない。
コレクタ111は、本発明によるコレクタのすべての実施形態を概略的に代表し、エミッタ444は、本発明によるエミッタのすべての実施形態を概略的に代表している。構造555は、可撓性層、ホルダ及びその組合せなど荷重力を容易に付加させる要素又は要素の組合せのすべての実施形態を概略的に代表している。上述したように、その要素又はその組合せの例は、可撓性網、ナノワイヤ網、接着材料、少なくとも1つのクランプ、シール剤、密封材料及びその組合せである。
図2Aに示すように、大きな粒子s2の周辺領域の大部分は、トンネリングには無用であり、トンネリングは、小さい粒子s1に直近の領域A1などの狭い領域だけで起こるはずである。構造555を使用することによって、本発明による少なくとも1つの可撓性電極を図2Bに概略的に示すように変形させ、それによってトンネリングが効果的に起こる、A2によって示したような領域などの領域を広くする。
本発明の実施形態では、構造555は、少なくとも1つの以下の作用を促進する。その作用は、少なくとも1つの可撓性電極を変形し、トンネリングが効果的である距離だけ電極が隔てられている領域を広げることと、電極間の間隔を狭めて、それによってトンネリングが効果的に増加するように、大きな粒子スペーサのサイズの影響を減少することとである。
本発明の一実施形態では、エミッタ444は、図2A及び図2Bに可撓性電極として表されている。本発明の他の実施形態では、コレクタが可撓性電極である。さらに他の実施形態では、コレクタ及びエミッタが可撓性電極である。
構造555の作用は、エミッタ444及びコレクタ111を互いに接近させて保持するために加えられる圧縮力99などの荷重の付加を含んでいる。本明細書で示した構造555の例から、その構造は、力の付加が容易に効果的になされるように電極に関して配置されることになり、図2Bに概略的に示したその位置は、単に位置の一例であり、本発明の他の実施形態では、他の位置も可能である。
本発明による実施形態の設計によって、有害な曲げ作用の防止という点で追加の利点がもたらされる。電極温度が高まるにつれて、電極の変形又は曲がりが短絡を引き起こし、それによって変換器が使用不可にされるはずである。短絡を避けるために、スペーサ間間隔とスペーサ高さの比は、平均して少なくとも約103であることが好ましい。
1つの製造パラメータとしてこの比を含む大部分のスペーサの製造方法によって、図2Aで説明したように、変換器のトンネリング効率に悪影響を及ぼすことになるはずの、いくつかのより大きなスペーサが形成されることになる。本発明による実施形態では、少なくとも1つの電極が可撓性であり、例えば、図2Bで説明したように、可撓性電極を変形させることによって、103より大きい比を含め、広範囲の、その比を使用することが可能になる。
本発明の実施形態では、スペーサsの分布は、特定の位置に限定されない。例えば、いくつかの実施形態では、図2Cに概略的に示すように規則正しくスペーサsを分布させ、いくつかの実施形態では、図2Dに概略的に示すように不規則にスペーサsを分布させる。さらに他の実施形態では、様々な電極領域において規則的なスペーサsの分布及び不規則的なスペーサsの分布の組合せになる。規則的なスペーサsの分布は、図2Cに示したような四角形パターンに限定されず、多角形パターン、湾曲した特徴を有したパターン及びその組合せなどの他のパターンも備えている。
本発明による荷重付加手段(means for load distribution)は、少なくとも1つの以下の機能(a)から(d)を果たす、又は果たすために協同する構造及び/又は構造の組合せを含んでいる。
(a)圧縮力99に関連した外部荷重などの外部荷重を付加すること。
(b)上述したように、効果的なトンネリングが可能になるような間隔で以って電極を保持すること。
(c)上述したように、少なくとも1つの電極の変形を容易に行えるようにすること。
(d)上述したように、スペーサのサイズを縮小すること。
(a)圧縮力99に関連した外部荷重などの外部荷重を付加すること。
(b)上述したように、効果的なトンネリングが可能になるような間隔で以って電極を保持すること。
(c)上述したように、少なくとも1つの電極の変形を容易に行えるようにすること。
(d)上述したように、スペーサのサイズを縮小すること。
これらの構造の例には、外部から圧縮力を加えるための力付与器(forceapplicator)、ホルダ、接着材料、少なくとも1つのクランプ、連結デバイス、シール剤、密封剤、網、可撓性層、ナノワイヤ網、導電性網、可撓性網及びその組合せが含まれ、その構造の同等物及びその構造の組合せの同等物が含まれている。
例えば、外部から加える圧縮力は、後述する図4に概略的に示すように、真空試験装置によって使用される。本発明による他の動作モードでは、真空試験装置による使用だけに限定されないような圧縮力の付加が使用される。図4に示すように、ナノ位置決め装置によってそのような力を作用させることができる。
本発明による変換器のいくつかの実施形態では、図2に例示の目的で示すようなナノワイヤ網5などの導電性網は、任意選択でエミッタ4上にエミッタ4と導電状態で配置される。任意の他の層又は材料が、導電性網とエミッタ4の間に配置された場合、その層又は材料によって、網とエミッタ4の間の導電が可能にならなければならない。本発明の実施形態では、網材料は、カーボン、金属、金属被覆誘電体、半導体及びその組合せのうちの少なくとも1つを含んでいる。本明細書中に適用できる場合、用語「組合せ」は、構成要素のうちの1つが他の構成要素を覆う場合の実施形態を含んでいる。例えば、網材料の場合、上述した記載は金属被覆半導体を含んでいる。
本発明によるいくつかの変換器では、ナノワイヤ網5は、厚さが約0.5mmのカーボンナノワイヤ網の層によって実現される。ナノワイヤ直径は、カーボンナノワイヤの直径を含め、約1nmから約50nmの範囲が好ましく、より好ましいのは約200Åであるが、本発明による変換器用の他のナノワイヤの実施形態では、他の直径も考えられる。本発明のいくつかの実施形態では、この網が存在すると、可撓性網材料の作用を受ける表面全体にわたって、荷重の力の付加が容易に行われる。ナノワイヤ網5は、好ましい材料であるが、様々な材料及びその組合せのうちの任意の1つを、ナノワイヤ網5の代わりに、又はそれと組み合わせて使用して、層5と等価な層を形成することができる。ただし、その層は、ナノワイヤ網の機械的性能と匹敵するような機械的性能を可能し、したがって、容易に荷重の力を付加させる可撓性があるものとする。
本発明のいくつかの実施形態には、エミッタ及びコレクタのうちの少なくとも1つが導電性材料の薄い可撓性層を備え、エミッタ及びコレクタを備えている。さらに、この実施形態は、上述したように、可撓性網を有することもできる。
外部電気回路と接続するための適切な電気コネクタをナノワイヤ網5に設ける。いくつかの実施形態では、このコネクタは、より稠密(denser)な網を備えている。他の実施形態では、このコネクタは、図2に示す金属コンタクト6など、好ましくは研磨された金属コンタクト6を備えている。また、コレクタ1自体は、外部電気回路と接続するための電気コネクタである。他の実施形態では、コネクタが、コレクタ1に取り付けられる。
図2に示す変換器8は概略的であり、そこに示す様々な特徴は、本発明による変換器8の多数の実施形態では、変化できる。さらに、図2に表す各層の層の厚さは、尺度に合わせて示していなくて、概略だけを示してある。例えば、図2に、大部分の層が同じ接触表面を有する変換器の断面を示す。この特徴は、限定するものでなく、本発明による変換器の実施形態が、他のある層がその上に延在する表面とは異なる表面の上に延在する、少なくとも1つの層を有することができる。さらに、本発明によるいくつかの変換器用の、図2に示す断面と類似した断面が、複数の異なる幅を有した複数の層を示すはずである。
図4は、本発明によるトンネリング効果エネルギー変換器の変換特性を試験するための真空試験装置の概略図である。この真空試験装置の使用は、スペーサがない自立型のケースについて説明し、図2に概略的に示すようなスペーサを有した変換器についても説明する。
狭いギャップのトンネリング実験用の真空試験装置50が、これらの実験用に構築された。真空試験装置50は、表面を解析するために、MDC Vacuum Products Corporation SSAC−12超高真空チャンバをベースにして構築された。チャンバは、可撓性ステンレス鋼真空ホースを有した防振用空気テーブル上に取り付けられた。乾燥粗排気ポンプを有したPfeiffer 真空TMU−56ターボ分子ポンプが、チャンバをかなり加熱することなく10−6Torrの範囲で標準真空状態を提供した。この真空状態において、空気熱伝導によって生じる熱損失は、放射損失より非常に小さい。
この真空試験装置50は、高真空チャンバの壁52内で材料の精密な操作を可能にしたマイクロメータ送り装置21を有したマイクロメータ20などの材料操作装置を備えている。マイクロメータ拡張部51が、リニアナノ位置決め装置60中に到達している。高真空チャンバ技術において通常のように、貫通接続部を介して電気接続部80を設けてある。
チャンバは、直径が約40mmの銅水冷フィンガ43によって冷却する、冷却システムが組み込まれた。冷却フィンガ43は、コレクタ材料用の試料取り付け台にもなっている。
高温エミッタ10側が、Ogden Scientific社製真空定格80Wのカートリッジヒータ12を有した大きな塊のInvar−36のブロックとキャップ11によって形成された。4個のInvarロッド14(図4に、そのロッドを2個だけ示す)によって、そのブロックを上部のフランジでマイクロメータ20に取り付け、それによってZ軸の位置決めを可能にした。傾斜フランジを介してマイクロメータ20を取り付け、接触表面の位置合わせを可能にした。
3枚の放射及び/又は熱スクリーン25をInvarロッド14に固定して、マイクロメータ20が過熱しないようにした。他の材料を使用できるはずだが、構築材料として使用するには、Invar合金が好ましい。というのは、それは、熱膨張作用が小さいからである。スクリーン25を取り付けるために、複数のカラー70が使用された。
Kepco ATE 75−1.5安定化電源によって、ヒータ12に電力を供給し、温度ドリフトを低減した。温度センサとしてOmega K型熱電対82、及び表示器としてKeithley 2001マルチメーターを使用した。チャンバの熱平衡を約1℃/時間のレベルにするために、少なくとも6時間かかった。このセットアップによって、10−6Torrのオーダーの真空を約2時間で達成することができた。
本発明の環境下で、アナログ出力を有した容量性センサを含む1Å分解能のPhysik Instrument LISA(登録商標)(PZT)リニアナノ位置決め装置からなるリニアナノ位置決め装置60を取り付けるために、このチャンバを変更した。この組合せによって、Keithley 2001マルチメーターによって測定された位置読み取りが、1Åの相対的位置より良い相対的位置になることが可能になった。
一組の試験では、研磨したロッドをInvar加熱ブロックに取り付け、エミッタを形成した。いくつかの試験では、約20Å RMSまで研磨された末端部32を有した直径が約3mmのMoロッドによって、ロッド30を実現した。他の実験では、ロッド材料は、研磨Invarを含み、さらに他の試験では、Ptで被覆したInvarを含んでいる。
コレクタ側では、操作装置のサイドアーム(図示せず)を使用して手動で動かすことができる摺動銅テーブル40上に、Invarチップホルダを取り付けた。この設計によって、エミッタに沿ったチップのY軸方向の移動が可能になった。ナノ位置決め装置を機械的に損傷させないようにするために(最大荷重、10lb(4.54kg))、Au、Inなど展性のあるとがった金属チップ42をチップ材料として使用した。接触面積を広くするため、この設計を意図した。他の実施形態では、コレクタとして、ばね荷重のInvarロッドを使用し、その場合、ばねデバイスは、金属粉末で充填した水晶ピストン、及び良好な熱伝導率を有したデバイスによって実現した。
ナノ位置決め装置によって、手動位置決め/手動読み取り、手動位置決め/高速コンピュータデータ記録、及び約1Å/秒から30Å/秒のコンピュータ制御による位置決め/1Hzデータ記録など、手動及びコンピュータ(HP/LabView)によってともに様々なモードで相対的位置を制御することが可能になった。電圧表示器及び変換器に並列に接続された抵抗バンクは、ともにデータ収集システム中にプラグ接続された。
いくつかの試験では、ヒータに一定電力を設定し、エミッタを約50℃に保った試験条件を使用した。コレクタ側は、ほぼ室温で、大きな塊の金属チャンバによって安定化した。
熱平衡時間は、通常24時間より長く、室内で少なくとも6時間の効果的な空気調和をした状態で測定を行った。この操作上の用心を行い、Invar材料を組み込んだ設計をしたにもかかわらず、電極間間隔を制御せずに放置した場合、電極間ギャップ変動は、約10Å/分又はそれより大きい変動まで達することがあり得た。温度センサが、測定可能な温度変化はないと表示していたときでさえ、この電極間ギャップ変動は、発生することがあった。この電極間ギャップ変動は、チャンバ壁が膨張したため生じ、いくつかの試験では内部フレームを挿入して避けることができた。
試験には、電極が接触し、それに続いて制御して離れさせることが含まれた。例えば、Mo電極が、Auチップと接触状態になり、次いで、約0.5Å刻みで離された。接触中金属チップが熱膨張するため、チップ温度変化1℃当り約10Åの膨張が見られることになった。この膨張のため、電極の接触が短時間であることが好ましい。そうでなければ、コレクタは、後退するエミッタに「追従する」ことになるはずである。この作用は、ナノ位置決め装置の適切な操作によって補償された。
多数の自立型電極試験を実施した。これらのいくつかの試験では、Moエミッタ及びAuコレクタを使用した。自立型試験の組の1組は、Moエミッタ及びAuコレクタを使用して実施した。このタイプの試験では、普通ならAuチップ表面の汚染から発生するはずのトンネリング信号の逆転を防止するために、Auチップを清浄にすることが推奨される。純水中でのチップの超音波洗浄によって、洗浄することが好ましい。この方法で洗浄されたチップには、トンネリング信号の逆転が避けられ、したがって、電流の符号は安定する。
変換出力密度の推定は、この組の実験の環境において、所与の負荷及び接触面積で最大出力を測定することによって実施した。手動位置決め及び高速記録の試験条件を使用した。この操作モードでは、約1Åより狭い間隔で読み取り値を記録することができた。この実験には、1000Åだけチップを変形し、原子間力顕微鏡(AFM)によってチップ末端部表面を走査して変形された面積を測定することが含まれた。
図5は、変形され引き離されたAuチップについて測定された、比出力のグラフを示す図である。1つのチップの表面は、高さが約2000Åの突起した形状を有していた。この形状は、おそらく、変形中約1000Åだけつぶされ、次いで、弾性力によって再形成されたことによる。AFMによるプロファイリングの結果、約0.5μm×0.5μmの接触面積があったと判定された。この面積は、ギャップが開く間、かなり小さくなることがあり得た。1メガΩの負荷で最高電圧の読みが、0.247Vであり、これは、ほぼ30W/cm2に対応する。負荷の値が100メガΩに近づいたとき、負荷は電圧計の内部抵抗に匹敵し、最大出力は高くなるが、信号雑音比が低下した。最大記録値は、おおよそ接触電位差の半分であり、この場合、それは0.9Vであった。
接触面積の変動があると、同じ負荷において様々なチップに対してほぼ100のファクタだけ電圧変動をもたらすことがあり得るが、出力密度は、同じ間隔と温度差では同じになる可能性がある。22℃の温度差で理想化した変換器の場合、計算した変換器の出力密度は、それと同じ温度差でほぼ400W/cm2と推定された。
この組の実験の環境で試験された材料には、約3Åより狭い間隔での重要なトンネリングレジームを適用した。この間隔は、エミッタの仕事関数を低下することによってこのトンネリングレジームを維持しながら、約10のファクタで延ばすことができた。自立型電極実験に加えて、他の実験も実施した。
他の組の実験では、図4に示すレイアウト中に概略的に表したデバイスを使用した。このデバイスは、表面を約3Å RMSに研磨したIBM製の光ディスクのAl基板から作製したコレクタを備えている。このデバイス中のスペーサは、TiO2対象物をエキシマレーザアブレーションによって、コレクタ上に堆積したものである。その結果、得られたスペーサ粒子は、平均粒子サイズが約25Åから50Åであり、直径がほぼ500Åの大きな粒子が、わずかな量(ほぼ10個/cm2)だけあった。
このデバイス中のエミッタは、厚さが約10μmであり、厚さが約1000Åのモリブデン層で被覆したシリコンウェハ(Virginia Semiconductor社製)から作製した。その結果、得られたこの電極上の表面粗さは、ほぼ10Å RMSであった。
エミッタがその放射表面全体にわたってほぼ一様な荷重力を受けるように、厚さが約0.5mmのカーボンナノワイヤ網5をエミッタ4の上に配置した。この網中のナノワイヤは、直径が約200Åであった。研磨した金属コンタクト6をナノワイヤ網5と導電状態で配置した。
このデバイスには、トンネリングレジームの下で動作するほぼ2mm×2mmの面積があった。上述した同じ真空試験装置を、チップ保持部を取り外して用い、このデバイスについての実験を実施した。ナノ位置決め装置によって加えた圧力によって、デバイスがトンネリングレジームの下で動作するような相対的間隔の状態に、エミッタとコレクタを設定した。この圧力は、堆積後あまりにも大きくなることがあり得るスペーサ粒子のサイズ、したがって、間隔を縮小させる働きもした。
加えた温度勾配が約20Kのとき、測定電圧は、自立型の実験で測定された電圧とほぼ同じであったが、最大電流は、約3桁のオーダーでより多いと測定された。この結果によって、接触面積についてかなり改善があったことが示され、この最大電流の読み取り値は、本発明による他の実施形態によって達成できる電流の読み取り値の一部分だけを代表していると予想される。さらに、この組の実験によって、本発明による変換器の実施形態には、低電子仕事関数の被覆を施した実用的デバイスのみならず、低電子仕事関数の材料による被覆を含まない変換器も含まれることが示された。その被覆を含まない実施形態の設計及び製造は、より簡単である。
以下に記載する説明及び図の資料は、本発明の実用的な実施形態に関連する現象の解析用数値モデルに言及している。これらのモデルは、本発明の説明を限定するものとして提供されたものではない。本発明は、その基礎になる物理的プロセスのどの1つの説明にも限定又は限られるものではない。以下に示す解析用数値モデルを説明する目的は、たとえその実施形態が本記載の説明の文脈に明示的に言及されていなくとも、本発明の技術的範囲に含まれると考えられる追加の実施形態を設計するために使用できる重要な変数を強調することにある。本明細書の説明によるその設計、教示、及び当業者の通常の技能を用いると、特許請求の範囲に従った本発明の技術的範囲に含まれる追加の実施形態を設計することができる。したがって、以下の記載された説明及び図表資料は、本発明の実施形態を述べ、本発明の技術的範囲に含まれると考えられる追加の実施形態を設計するために使用できるモデルを提供する。
以下に述べるモデルには、シュレーディンガー方程式のWKB法を用いた解による、イメージ力から生じるバリアの減少及び電子トンネリング確率の概算と、トンネリングが存在するときの電流電圧出力及び効率の式の導出とが含まれる。いくつかのこれらの式は、さらに代替のパラメータで表された形で提供する。本明細書で使用するパラメータ表示は、ユニークでなく、その選択は、限定的でない。パラメータ表示の選択は、次数及び変数の適合性基準に一致するように選ばれた。効率は、放射損失を含んだ場合と放射損失を除いた場合と別々に解析される。
以下で与えられる、本発明の実施形態についての出力フラックスを近似する式は、温度に関して3乗出力則の増加を表し、従来の熱電子エネルギー変換器によって得られる出力フラックスより少なくとも約1000倍大きい出力フラックスを表している。本発明によるいくつかの実施形態は、温度に関して少なくとも3乗出力則の関係を呈する出力フラックスを提供する。また、本発明によるいくつかの実施形態は、従来の熱電子エネルギー変換器によって提供される出力フラックスより少なくとも約103倍大きい出力フラックスを提供する。さらに、本発明による他の実施形態は、温度に関して少なくとも3乗出力則の関係を呈し、従来の熱電子変換器によって提供される出力フラックスより少なくとも約103倍大きい出力フラックスを提供する。
エミッタとコレクタの間の間隔が、比較的狭い場合(例えば、約50Åより狭い場合、非特許文献1参照)、トンネリング効果によって、電子がかなり移動することができる。
ある1次元の場合、電子トンネリング確率D、すなわち、伝播と反射の比についての、シュレーディンガー方程式のWKB法による解は、以下のように表される。
この式は、以下のように表される。
ただし、Eは、電子エネルギーを表し、V(x)は、電子電位エネルギーを表し、mは、電子質量であり、
は、プランク定数であり、x1及びx2は、バリアの開始及び終端座標である。図3は、エレクトロンボルトで表したVとÅで表したバリアの関数としてのDのグラフを示す図である。
本発明の実施形態では、イメージ力の効果(image force effect)によって、トンネリング有効バリア、Φをかなり低減することができる。このイメージ力によるバリアの低減によって、エネルギーバリアが低下し、このタイプの変換器をより低い温度で効果的に動作させることができる。特定のどのモデルにも限定されないが、本発明の技術的範囲に含まれる変換器は、以下のような近似熱電子手法でモデル化することができる。
有効バリアは、Φ=Φ0−Δφ、ただしΦ0は、仕事関数であり、Δφは、イメージ力によるバリアの低減であり、Δφは、電荷をq、位置をxとすると、以下のように近似することができる。
この式のε0の項は、真空誘電率を表し、Sは、電極間間隔を表している。フェルミレベルを基準に正規化すると、その結果得られるバリアは、放物線形状を有し、強くSに依存する。Δφについての前記の式によって、イメージ力によるバリア低減を考慮した場合、例えば、Sが、約10Åであり、仕事関数Φ0が、約4.2eVであるとき、及び、Sが、約25Åであり、仕事関数Φ0が、約1.5eVであるとき、約0.5という伝播係数が達成可能であると推論可能になる。
図6A及び図6Bは、本発明の実施形態のための実用的アセンブリを概略的に示す図である。図6Aに示す変換器は、高温側エミッタEと、低温側コレクタCとを備え、その間に、電子が横切る狭いギャップGがある。デバイスが動作して外部負荷に電流を供給したとき、適切な導電体によって負荷RLに接続され、外部回路が閉じる。電流は、通常iとして示された矢印によって表され、エミッタとコレクタの間に生成された電圧は、Vと表される。図6Bに概略的に示した変換器は、電力が供給されたとき、冷却器として機能する。電源が、バッテリBの記号によって表され、変換器の低温側及び高温側が、それぞれ「低温」、「高温」として表される。
エミッタからコレクタへのトンネリング電流は、真空電圧降下を含め、以下のように近似される。
ただし、Aeffは、有効トンネリング面積であり、幾何的表面面積よりかなり狭いと予想することができる。
この問題をもっと完全に扱うには、各電子エネルギーにおける伝播係数のいくらか明示的な表現を伴った、すべての電子状態にわたった積分が必要になろう。さらに、可能な間隔dのすべてにわたって、平均することができるはずである。本解析の目的のために、多少熱電子問題のように働くフェルミ面まわりの一部の電子分布を検討する。熱電子電流の導出には、関与する状態がフェルミ面より数kBT大きいと仮定するが、トンネリング電流は、フェルミ面にある又はそれより下の状態に関与することができる。これは、小さなVの場合ここで与える取り扱いに次数を一致させる修正が必要であると暗示することになる。状況は、半導体中のキャリアの方が、原理的により良いことになる。上述したiFの式中の第1の指数項によって、コレクタ状態が利用できる状態を含むためのトンネリングが限定される。
トンネリングファクタのための明示的な表現を次に導出する。ギャップ間に以下のリニアな電位を仮定する。
電子が、エミッタ境界で仕事関数Φと対面する。熱的に誘導されたトンネリング電流が、負荷を駆動する場合、負荷電圧Vは、電流に対抗することになる。簡単化のために、空間電荷効果は無視でき、負荷電圧が単純なリニアな増分だけの電圧降下をカソードに誘導すると仮定する。
この場合、トンネリングの積分を正確に行うことができ、以下の結果を得る。
負荷電圧に依存する基本項の形で、以下にこの積分のより便利な形を導出する。負荷電圧が、仕事関数に比べて小さいと仮定すると、以下の近似式が得られる。
次に、前向き電流は、以下の式になる。
同様の近似レベルで、逆向きの電流は、以下の式になる。
明示的にプリファクタの温度依存性を考慮に入れると、これまでの扱いよりモデルを改良することができる。これを行うために、プリファクタを関連するリチャードソン係数によって表現する。
次に、全電流は以下の式になる。
この方程式は、2つの温度の関数であるiV特性として見ることができる。負荷と結合したとき、さらに次の式を得る。
V=iRL
この2つの方程式が、動作点における電流及び電圧を決め、ともに2つの温度の関数である。
この2つの方程式が、動作点における電流及び電圧を決め、ともに2つの温度の関数である。
次に、出力及び効率を導出する。負荷に伝達される出力は、以下の式になる。
トンネリング電流と関連する熱流量については、以下のようなオーダーと考えることにする。
放射損失は、以下の式になる。
ただし、σは、ステファンボルツマン定数である。仕事関数は、トンネリング出力に関して現れないことに留意されたい。このシステムの効率は、以下の式になる。
システムの基本的なパラメータによって、モデルをパラメータ表示することが便利であり、以下のように行う。電圧について解を得るために、電流を消去して以下の式を得る。
この方程式によって、重要なパラメータの識別が可能になる。この問題では、正規化真空ギャップ間隔は、以下の式のように考えることができる。
同じ温度に対して正規化される正規化電圧及び仕事関数を考えることが便利であり、以下のように定義する。
及び、
これによって、正規化された変数によって、電圧制約条件を以下の式のように書き直すことが可能になる。
ただし、正規化抵抗ξは、以下の式になる。
やはり、絶対温度差は、以下のように定義する。
一度正規化抵抗ξが定義された後、残る正規化された電流電圧の関係は、1つのパラメータを介したギャップの厚さ及び電位バリアに依存する。新しい正規化間隔パラメータを以下のように定義することが便利である。
この正規化パラメータによって、正規化電流電圧の制約条件は、以下の式になる。
ν=ξ[e−νe−νΔ−(1−Δτ)2eνΔ
ν=ξ[e−νe−νΔ−(1−Δτ)2eνΔ
正規化バリアφは、一般に100のオーダーであり、正規化間隔δが、O(1〜20)程度の範囲であるはずなので、新しいΔパラメータの関連する値は小さくなると分かる。放射損失を除外して、効率の最適化を以下に解析するために0から1の間のΔの値を対象にすることは、道理にかなうはずである。放射損失なしのシステムの効率ηは、負荷出力と熱出力の比と定義する。
この式を展開して、以下の式を得る。
正規化変数によって、放射損失なしの効率の式は、以下のようになる。
効率ηは、正規化負荷抵抗ξの関数になると見ることができる。負荷抵抗が非常に小さい場合、熱源と負荷の間にインピーダンス不整合が起こり、それによって負荷が短絡して電圧が降下してパワーがほとんど伝達されない。負荷インピーダンスが高いと電流が少なくなり、したがってパワーが、負荷にほとんど伝達されない。ソース抵抗が少しずつ増加して負荷と整合したとき、最適状態になる。
図7は、正規化抵抗の関数として効率η(ξ)を示す図である。正規化バリア高さφは、この計算では100と仮定し、正規化間隔δは5と仮定し、これはΔ=0.0125に対応する。絶対温度差Δτは、0.2である。効率は、熱電子ソースの抵抗が少しずつ増加して負荷抵抗と整合したとき、最適化される。
図8は、様々なΔの値に対して、Δτの関数として最適効率を求めた結果を示す図である。最大効率は、熱力学的制約条件から以下の式によって制限される。
ηmax<Δτ
この場合、最大効率は、熱力学的限界より小さく、同図に示した計算した項では、仕事関数とはほとんど独立している。図8に、Δ=0.001、0.003、0.005、0.01、0.03、0.05、0.1、0.3、0.5、1の場合の結果を示す。Δ=0.001の値は、数Åに対応し、Δ=1の値は、1000Åより大きい値に対応する。
ηmax<Δτ
この場合、最大効率は、熱力学的限界より小さく、同図に示した計算した項では、仕事関数とはほとんど独立している。図8に、Δ=0.001、0.003、0.005、0.01、0.03、0.05、0.1、0.3、0.5、1の場合の結果を示す。Δ=0.001の値は、数Åに対応し、Δ=1の値は、1000Åより大きい値に対応する。
図9は、比ηmax/Δτを示す図である。この相対効率は、やはり仕事関数にわずかに依存する関数であり、理想的な自由流の場合より低いことが観察される。
このモデルで発生できる最大の正規化電圧は、以下の式になる。
図10は、最適効率の点における比ν(ηmax)/νmaxを示す図である。この場合、最適電圧は、バリアが増加するにつれて、最大電圧に比べてより小さくなることに留意されたい。図10に、Δ=0.001、0.003、0.005、0.01、0.03、0.05、0.1、0.3、0.5、1の場合の値であり、そのすべてが同じ結果となる値を示す。
負荷出力は、以下の式になる。
関連するフラックスを以下のように定義する。
この式は、W/cm2の単位に変換した、負荷に伝達できる単位面積当りの出力を示す。正規化された単位で、この量は、以下のようになる。
図11は、Δの様々な値に対する正規化された温度差Δτの関数としてプロットした正規化負荷出力ν2/ξを示す図である。この出力は、Δ=0.001、0.003、0.005、0.01、0.03、0.05、0.1、0.3、0.5、1の場合を含む注目する範囲で、Δのほどほどにわずかな関数になる。
商業用応用は、W/cm2の単位で測定した出力変換によって実施することが便利である。実際のシステムの出力に対して正規化出力を比較するために、プリファクタの数値バージョンを得ることが必要である。この場合、金属から真空中への熱電子放射は、以下の式によって、その特性を表す。
ただし、TKは、ケルビンでの温度である。注目する関連する出力フラックスは、以下の式によって決まる。
上記の導出には、商業用応用において妥協が求められることになる、出力と効率のトレードオフの存在が示されている。図12及び図13に、トンネリング熱電子変換器についての、効率対正規化出力、及び正規化効率対出力を示す。図12に、最適化された変換システムについて、様々な正規化間隔の値、Δ=0.001、0.003、0.005、0.01、0.03、0.05、0.1、0.3、0.5、1における、出力の関数とした効率を示す。同図のラインは、すべての可能なΔτに対する結果を含む。同図の点は、Δτ=1/2である中間点の値を示す。図13に、最適化された変換システムについて、様々な正規化間隔の値における、出力の関数とした正規化効率を示す。図12に示すのと同様に、ラインは、すべての可能なΔτに対する結果を含み、点は、Δτ=1/2である中間点の値を示す。
この場合、類似のトレードオフが不要であることは、ただちに明らかである。その代わり、正規化出力ν2/ξが約0.1のオーダーになるような、約0.5のオーダーの大きなΔτが理想的に求められるはずである。この場合、効率は、0.2近傍である。次いで、対応する単位面積当りの負荷出力QLは、以下の式のオーダーである。
次いで、単位面積当りの負荷出力は、トンネリングファクタによって決まり、約1Åの寸法スケールのオーダーで指数関数的に減衰させられ、また面積の比によって決まる。
熱損失チャネルが、もっと現実的なモデルに含まれる。トンネリング熱電子変換器の場合、放射損失は、明らかな基本的な損失メカニズムを表す。放射損失によって生じる効率低下を簡単に調べることは、興味深い事である。この場合、効率は、以下の式になる。
正規化変数によって、この式は、以下の式になる。
ただし、
数値的に、これは、以下のように評価される。
この方程式は、図14に示すように、放射損失が、システムの効率を低下させていることを示している。図14には、Δτ=0.5に対して正規化放射損失パラメータχの関数として最適化効率がプロットされ、その様々なカーブが正規化ギャップ厚さの値、Δ=0.001、0.003、0.005、0.01、0.03、0.05、0.1、0.3、0.5、1に対応している。
本発明は、発明の精神又はその本質的な特性から逸脱せずに具体的な他の形で実施することができる。述べた実施形態は、すべての点において、例示のみ行うもので限定するものではないと見なすべきである。したがって、本発明の範囲は、前述の記述によるものではなく、添付の特許請求の範囲によって表される。特許請求の範囲と等価な趣旨及び範囲に含まれるすべての変更は、本発明の範囲に包含されるものとする。
Claims (55)
- 原子的に滑らかなコレクタ表面を有する電荷コレクタと、
原子的に滑らかなエミッタ表面を有し、該エミッタ表面が、前記コレクタ表面から約5nmに等しいか又はそれより狭い間隔だけ隔てられるようなギャップによって前記コレクタ表面から隔てられている電荷エミッタと、
前記電荷コレクタと前記電荷エミッタの間にあって、前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面に接触した誘電材料からなるスペーサと
を備えていることを特徴とするトンネリング効果エネルギー変換器。 - 前記エミッタ表面は、前記コレクタ表面から約3nmに等しいか又はそれより狭い間隔だけ隔てられていることを特徴とする請求項1に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記電荷エミッタと前記電荷コレクタのうちの少なくとも1つは、可撓性電極であることを特徴とする請求項1に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記可撓性電極は、薄い可撓性層を備えていることを特徴とする請求項3に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記ギャップは、不活性ガスを含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記ギャップは、希薄媒体を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記可撓性層は、厚さが約20μmに等しいか又はそれより薄いことを特徴とする請求項4に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記可撓性層は、導電性被覆を施した、誘電材料、半導体材料又はその組合せのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項4に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記導電性被覆は、厚さが少なくとも20nmであることを特徴とする請求項8に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記導電性被覆は、金属を含んでいることを特徴とする請求項8に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記可撓性層は、ニッケルで被覆したシリコンを含んでいることを特徴とする請求項4に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記可撓性電極は、網を備えていることを特徴とする請求項3に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記網は、ナノワイヤ網を備えていることを特徴とする請求項12に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記ナノワイヤ網は、ワイヤ直径が約1nmから約50nmの範囲にあることを特徴とする請求項13に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記ナノワイヤ網は、カーボン、金属、金属被覆誘電体、半導体又はその組合せのうちの少なくとも1つである網材料からなることを特徴とする請求項13に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記電荷エミッタは、導電体で被覆したシリコンを含んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記導電体は、Moを含んでいることを特徴とする請求項16に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記シリコンは、厚さが約10μmに等しいか又はそれより薄いシリコン層であり、前記Moは、厚さが約1000Åに等しいか又はそれより薄い被覆であることを特徴とする請求項17に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記エミッタ表面は、低電子仕事関数材料によって被覆されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記低電子仕事関数材料は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はその組合せのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項19に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記エミッタ表面は、少なくとも2つの被覆を含み、
第1の被覆は、少なくとも約3.5eVの電子仕事関数を有する材料からなり、
前記第1の被覆は、約3.5eVを超えない電子仕事関数を有する材料からなる第2の被覆で覆われていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。 - 前記第1の被覆は、酸化白金、酸化銀、酸化タンタル、Os、Ir、Pt、Re、Ni、W及びその組合せのうちの少なくとも1つからなり、前記第2の被覆は、アルカリ金属、アルカリ土類金属又はその組合せのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項21に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記電荷コレクタは、Alを含んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記電荷コレクタは、金属化半導体を含んでいることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面は、約20Å RMSを超えない表面粗さで仕上げられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面は、約10Å RMSを超えない表面粗さで仕上げられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記コレクタ表面は、高IR反射率材料からなる表面を備えていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記高反射率材料は、Al、Cu、Ag、Au又はその組合せのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項27に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記エミッタ表面は、高IR放射率材料からなる表面を備えていることを特徴とする請求項1に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記高IR放射率材料は、金属カーボン、Fe、Ni、Co又はその組合せのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項29に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記網は、ワイヤ直径が約0.5mmに等しいか又はそれより小さいことを特徴とする請求項12に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記低電子仕事関数材料は、Cs、Ba、Sr、Rb、Na、Ca、Li又はその組合せのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項19に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記第1の被覆は、酸化白金、酸化銀、酸化タンタル、酸化バナジウム、Os、Ir、Pt、Re、Ni、W及びその組合せのうちの少なくとも1つからなり、前記第2の被覆は、Cs、Ba、Sr、Rb、Na、Ca、Li又はその組合せのうちの少なくとも1つからなることを特徴とする請求項22に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- コレクタ表面を有する電荷コレクタと、
エミッタ表面を有し、前記コレクタ表面は、電子が前記エミッタ表面と前記コレクタ表面の間でトンネリングする確率が少なくとも0.1%であるような間隔だけ前記エミッタ表面から隔てられている電荷エミッタと、
前記電荷コレクタと前記電荷エミッタの間にあって、前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面に接触した誘電材料からなるスペーサと
を備えていることを特徴とするトンネリング効果エネルギー変換器。 - 前記エミッタ表面は、前記コレクタ表面から約5nmに等しいか又はそれより狭い間隔だけ隔てられていることを特徴とする請求項34に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記エミッタと前記コレクタのうちの少なくとも1つは、可撓性電極であることを特徴とする請求項34に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面は、約20Å RMSを超えない表面粗さで仕上げられていることを特徴とする請求項34,35又は36に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記コレクタ表面は、高IR反射率材料からなる表面を備えていることを特徴とする請求項34,35又は36に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記エミッタ表面は、高IR放射率材料からなる表面を備えていることを特徴とする請求項34,35又は36に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記可撓性電極は、網を備えていることを特徴とする請求項36に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記エミッタ表面は、低電子仕事関数材料によって被覆されていることを特徴とする請求項34,35又は36に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- コレクタ表面を有する電荷コレクタと、
エミッタ表面を有し、前記電荷コレクタと電荷エミッタのうちの少なくとも1つは導電性可撓性層を備えている電荷エミッタと、
前記電荷コレクタと前記電荷エミッタの間にあり、前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面に接触した誘電材料からなるスペーサとを備え、
前記エミッタ表面は、前記コレクタ表面から5nmに等しいか又はそれより狭い間隔だけ隔てられていることを特徴とするトンネリング効果エネルギー変換器。 - 前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面は、原子的に滑らかであり、
前記導電性可撓性層は、導電性網と導電状態にあることを特徴とする請求項42に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。 - 前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面は、約20Å RMSを超えない表面粗さで仕上げられており、前記導電性可撓性層は、厚さが約20μmを超えていないことを特徴とする請求項43に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 原子的に滑らかであるコレクタ表面を有する電荷コレクタと、
原子的に滑らかであるエミッタ表面を有し、前記電荷コレクタと電荷エミッタのうちの少なくとも1つは可撓性電極である電荷エミッタと、
前記電荷コレクタと前記電荷エミッタの間にあり、前記コレクタ表面及び前記エミッタ表面に接触した誘電材料からなるスペーサと、
前記可撓性電極に荷重を加える荷重付加手段と
を備えていることを特徴とするトンネリング効果エネルギー変換器。 - 前記エミッタ表面は、前記コレクタ表面から5nmに等しいか又はそれより狭い間隔だけ隔てられていることを特徴とする請求項45に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、圧縮力を加える外部付加器を備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、ホルダを備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、接着材料を備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、少なくとも1つのクランプを備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、連結デバイスを備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、シール剤を備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、密封剤を備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、網を備えていることを特徴とする請求項44又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
- 前記荷重付加手段は、可撓性網を備えていることを特徴とする請求項45又は46に記載のトンネリング効果エネルギー変換器。
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