JP2005539093A - 分枝状アルコールのカルボキシアルキレート及び/またはそのアルコキシレートを含有するスキンケア用化粧組成物 - Google Patents
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Abstract
分枝状アルコールのカルボキシアルキレート及び/またはそのアルコキシレートを使用するスキンケア用化粧方法及びこのような化合物の製造方法、このような化合物を含有する組成物及び該組成物の製造方法。化合物は、式A:R−O−M(A)を有しており、式中の、Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖であり、Oは酸素原子であり、Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。この化合物及びこの組成物は、皮脂腺細胞による皮脂分泌のコントロール、油コントロールの改善、皮膚の感触の改善、皮膚の油光り及びべたつきの予防という効果を与え、また、ニキビに付いた細菌に対する抗菌活性を与え、また、しわ肌及び老化肌の出現を低減するような老化防止効果を与え、明るい色の透明な垢抜けた肌になるように皮膚を改善し、全体として健康な若々しい外観を皮膚に与える。
Description
分枝状アルコールのカルボキシアルキレート及び/またはそのアルコキシレートを単独でまたは収斂剤塩と共に含有する化粧組成物を皮膚に外用塗布することによってヒトの皮膚の状態を調整する化粧方法及び化粧組成物。
皮脂は皮脂腺細胞(皮膚の皮脂腺の細胞)によって産生される皮膚の油であり、皮膚の表面に分泌される。“油性肌”はよく見られる望ましくない皮膚状態であり、皮膚に過剰量の皮脂が存在する状態である。油性肌に伴って、油光りした望ましくない外観や不快な感触が生じる。この状態は様々な年齢層に生じる。従って、皮脂のコントロール及び老化防止という双方の効果を与える化粧品は極めて望ましいものである。
高温多湿の気候では、エクリン腺から分泌された顔面の汗が皮脂と相互作用して肌の油性感/脂性感を増幅する。普段の皮脂レベルが低い個人でも汗が表面の皮脂と相互作用して肌がいつもより油性であると感じる。従って、皮脂のコントロール及び発汗抑制という双方の効果を与える化粧品は極めて望ましいものである。
従来技術は、皮脂抑制のような皮膚有益効果を与える化合物として分枝状アルコールを開示している。例えば、Burgerらの米国特許第5,756,109号は、皮膚の状態調整組成物として非環状ポリ不飽和ジテルペンアルコール、ゲラニルゲラニオールをレチノールと共に使用することを記載している。該特許は、レチノールと組合せた分枝状アルコールの1つの利点として皮脂抑制があることを開示している。Hatらの米国特許第5,344,850号は、ニキビを治療または予防するために、4つのメチル分枝をもつC18の飽和または不飽和のアルコールを含有している外用組成物を開示している。
従来技術にはまた、産業用洗浄から個人用洗浄までに及ぶ様々な用途を対象とした直鎖状または分枝状アルコールの誘導体が開示されている。例えば、Lynchの米国特許第5,328,953号は、アルコキシアルカン酸を含むゴム組成物及び該組成物の製造方法に関する。Medynaらの“Cyanoethylation of Alcohols”,Sintez PAV(Moscow,USSR 1989)はアクリロニトリルによるアルコールのシアノエチル化に関する。Abeらの“Antibacterial and Fungicidal Activities of Heavy Metal Salts of Some Beta−alkyloxypropionic Acids,”A lecture delivered at the VIIth I.S.F.Congress(Budapest 1966)は、ある種のベータ−アルコキシプロピオン酸の銅塩、水銀塩及び銀塩の成長阻害能力に関する。
Proctor & Gamble Companyに譲渡された国際特許WO9918928は、疎水性基と親水性基とを有している分枝状界面活性剤系を含む身体洗浄組成物を開示している。疎水性基は鎖中央に分枝をもつ分枝状及び直鎖状の界面活性化合物を含む。親水性基は、硫酸塩及び/またはそのエトキシレートから成るグループから選択される。
Springmanの米国特許第3,992,443号は、直鎖状及び分枝状の双方のアルコールを出発アルコールとして適宜使用してアルコールまたはエーテルアルコールを一段階でカルボキシメチル化する方法を開示している。
Cripeらの米国特許第6,020,303号は、洗濯用組成物及びクレンジング組成物に使用するための、鎖中央に分枝をもつ分枝状の第一アルキル疎水性基及び親水性基、より特定的にはアルキルスルフェートから得られた洗浄用界面活性組成物を開示している。Birtwistleらの米国特許第5,093,112号は、アルコールとアルキルまたはアルケニルホスフェート塩を含有している外用クレンジング(洗浄用)組成物を開示している。
2001年6月1日出願の本出願人らの同時係属米国特許出願Serial No.09/872,897は、分枝状アルコールのカルボキシメチレート及び/またはそのエトキシレートを含有する化粧組成物を皮膚に外用塗布することによってヒトの肌状態を調整する化粧方法及び組成物を開示している。カルボキシメチルイソアルコールは有効な油コントロール剤ではあるが、組成物中に使用する量をもっと少なくすることができ、その結果が総費用効率に反映するようないっそう有効な油コントロール剤が依然として要望されている。また、分枝状アルコールのカルボキシメチレートにときには付随するビニル特有の不快臭、即ち、“新車の臭気(new car smell)”を最小に抑制し、皮膚状態調整用化粧組成物にもっと好適に使用できるようにすることも依然として要望されている。更に、同じく化粧品という用途にもっと好適に使用できるような改良された色をもつ物質が依然として要望されている。
上記に引用した従来技術は、分枝状アルコール及びそのカルボキシメチレートの欠点が回避された皮膚状態調整用の化粧組成物または化粧方法を示唆または開示しているとは考えられない。従って、皮脂抑制及び皮膚状態調整に関して分枝状アルコール及びそのカルボキシメチレートが有している有益な効果を維持または増進し、しかもこのようなアルコールに付随する不快な臭気及び水不溶性を回避できる新規な化合物及び化粧組成物が依然として要望されている。
分枝状アルコール及び分枝状アルコールのカルボキシアルキレートの効果及び使用感を更に改善するような皮膚状態調整用の化粧組成物または化粧方法は示唆または開示されていない。
色保持力を改善するために発汗抑制剤を含有するメーキャップ用化粧組成物は、L’OrealのBazinらの米国特許第6,251,412号に開示されている。皮膚から皮脂を除去するための調製物、より特定的には、コメドの除去及び治療、コメド形成の回避、軽症ニキビの予防及び治療、脂漏症の予防及びコントロールを目的とする調製物を製造するために発汗抑制有効成分を使用することはHepensらの米国特許出願公開2002/0119109に開示されている。
皮脂の抑制及び汗の抑制という併合相乗効果によって皮膚の感触を改善するために収斂剤塩と分枝状アルコールのカルボキシアルキレートとの組合せが使用された例は過去には存在しない。従って、皮脂の抑制及び皮膚の状態調整に関しては分枝状アルコールのカルボキシアルキレートの有益な効果を維持または増進し、しかも、油光りまたは肌の油性感/脂性感を軽減させるという改善を与える新規な化粧組成物が依然として要望されている。
従って、本発明の第一の目的によれば、
式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。〕
の化合物及び該化合物を含む組成物が提供される。
式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。〕
の化合物及び該化合物を含む組成物が提供される。
カチオンは好ましくは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、銅、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、イオウ、亜鉛及びアミンから選択される。好ましくはXが水素またはカチオンである。
別の目的によれば、式(A)の化合物の使用方法及び製造方法が提供される。
1つの目的によれば、本発明の方法は、分枝状アルコールをアクリロニトリルと反応させる段階と、次いで、アルキルエーテルニトリルを塩酸または硫酸のような酸の水溶液と反応させて、カルボキシエチルイソアルコールを形成する段階とを含む。カルボキシエチルイソアルコールを更に、アルコールまたは塩基と反応させて、式Aの化合物を形成し得る。
別の目的によれば、本発明は、
式Aの化合物を合成するための、
(a)分枝状アルコールを、クロロ酢酸、クロロプロピオン酸、クロロ酪酸及びそれらの混合物から選択された化合物と混合して不均質な反応混合物を形成する段階と、
(b)不均質な反応混合物を窒素下でわずかに還流させながら撹拌及び加熱する段階と、
(c)室温に冷却する段階と、
(d)濾過し洗浄してペーストを形成する段階と、
(e)ペーストを水に溶解させる段階と、
(f)溶解したペーストをHClで酸性化する段階と、
(g)酸性化ペーストをクロロホルムまたはヘキサンで抽出する段階と、
(h)クロロホルムを除去して式Aの化合物を形成する段階と、
を含む合成方法を提供する。
式Aの化合物を合成するための、
(a)分枝状アルコールを、クロロ酢酸、クロロプロピオン酸、クロロ酪酸及びそれらの混合物から選択された化合物と混合して不均質な反応混合物を形成する段階と、
(b)不均質な反応混合物を窒素下でわずかに還流させながら撹拌及び加熱する段階と、
(c)室温に冷却する段階と、
(d)濾過し洗浄してペーストを形成する段階と、
(e)ペーストを水に溶解させる段階と、
(f)溶解したペーストをHClで酸性化する段階と、
(g)酸性化ペーストをクロロホルムまたはヘキサンで抽出する段階と、
(h)クロロホルムを除去して式Aの化合物を形成する段階と、
を含む合成方法を提供する。
本発明の組成物は収斂剤塩を含むのが有利である。適当な収斂剤塩は、アルミニウム水酸化物、アルミニウムハロゲン化物、アルミニウムヒドロキシハロゲン化物、ジルコニルオキシハロゲン化物、ジルコニルヒドロキシハロゲン化物及びそれらの混合物である。より一般的には、アルミニウム塩が、一般式Al2(OH)xQy−−XH2Oを有しており、式中の、Qは塩素、臭素またはヨウ素であり、xは2−5であってx+y=6であり、x及びyが整数である必要はなく、Xは約1−約6である。
好ましくはスキンケア用化粧組成物が、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムクロロヒドレックス、アルミニウムクロロヒドレックスPEG、アルミニウムクロロヒドレックスPG、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレックスPEG、アルミニウムジクロロヒドレックスPG、アルミニウムセスキクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPG、アルミニウムスルフェート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレートGLY及びアルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレートGLY及びそれらの混合物から成るグループから選択された収斂剤塩を含む。
本発明は更に、化粧品に許容されるビヒクル中に化合物Aを含むスキンケア用化粧組成物を包含する。化粧組成物は更にレチノイドを含んでもよい。
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に塗布することによって特に顔面領域の皮膚の油性状態及び/または油性感をコントロールまたは予防し、皮脂腺細胞による皮脂分泌を予防またはコントロールする化粧方法を包含する。
本発明はまた、本発明の組成物を塗布することによって皮脂腺細胞による皮脂の分泌を低減、予防またはコントロールする化粧方法を包含する。本発明方法は、アポクリン腺による分泌を低減または予防するためにも有用である。
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に塗布することによって皮膚の線維芽細胞によるコラーゲンの合成を刺激する化粧方法を包含する。
本発明の方法及び組成物は、皮脂腺細胞による皮脂の分泌をコントロールし、油のコントロールを改善し、皮膚の感触を改善し、光ったりべたついたりすることを予防する。また、ニキビに付いた細菌に対する抗菌活性を与え、また、老化防止効果を与えてしわ及び老化肌の出現を低減し、皮膚の色を改善し、光老化肌を回復させ、明るい色の透明な垢抜けた肌になるように皮膚を改善し、全体として健康で若々しい外観を皮膚に与える。
処理実施例及び比較実施例を除いて、または、異なる明白な指示がない限り、材料の量または反応の条件、材料の物理的特性及び/または使用を示すために本明細書で使用したすべての数値は“約”という用語で修飾されていると理解されたい。全ての量は、異なる指定がない限り、水中油型エマルジョンの重量%である。
本文中に使用した“含む”という用語は、包含する、から作製されている、から構成されている、から成る、及び/または、本質的にから成る、を意味する。
本文中に使用した“皮膚”という用語は、顔、首、胸、背、腕、手、脚及び頭皮の皮膚を包含する。
皮脂及び/または汗に関して本文中に使用した“抑制”という用語は、皮脂及び/または汗の完全予防、分泌のコントロール、または、それぞれの形成量のある程度の低減を意味する。
本発明の方法及び組成物は、分枝状アルコールのカルボキシアルキレート及び/またはそのアルコキシレート(本文中で以後化合物“A”と呼ぶ)を含み、これらは一般式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子、一般には9−15個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。〕を有している。
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子、一般には9−15個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。〕を有している。
カチオンは、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、マンガン、イオウ、及び、第一級アルキルアミン及びポリヒドロキシアミンのようなアミンから成るグループから選択され得るが、これらに限定はされない。
好ましくは、Xが水素またはカチオンであり、Mが、
−CH2CH2CO2X(nは0、mは2)、
−CH2CH2CH2CH2CO2X((nは0、mは4)、
−CH2CH2O−CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは2)、及び、
−CH2CH2O−CH2CH2CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは4)である。
−CH2CH2CO2X(nは0、mは2)、
−CH2CH2CH2CH2CO2X((nは0、mは4)、
−CH2CH2O−CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは2)、及び、
−CH2CH2O−CH2CH2CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは4)である。
より好ましくは、Xが水素またはカチオンであり、Mが、
−CH2CH2CO2X(nは0、mは2)、または、
−CH2CH2O−CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは2)である。
−CH2CH2CO2X(nは0、mは2)、または、
−CH2CH2O−CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは2)である。
本発明の分枝状アルキル鎖は好ましくは、上述のように7−15個の炭素原子、より好ましくは少なくとも9個の炭素原子を有しておりかつ少なくとも2つの分枝を有している分枝状アルコールから誘導される。最大効果を得るために、本発明の組成物の出発材料になる好ましいアルコールは合計で少なくとも10個の炭素原子を有しており、最も好ましくは13個の炭素原子を有している。最小コストで最大効果を得るために、本発明の組成物の出発材料になる好ましいアルコールは、2−5個の分枝、より好ましくは3個または4個の分枝を有している。分枝は、メチル分枝、エチル分枝またはプロピル分枝でよい。臭気が少なく効果が高いという理由で、分枝は好ましくはメチル分枝またはエチル分枝であり、最も好ましくはメチル分枝である。
アルコールは種々の鎖長のアルコールの混合物でよい。このような混合物は、ミックス中の主要なアルコール(少なくとも約70%)が合計で少なくとも7個、好ましくは少なくとも9個、最適には少なくとも13個の炭素原子と少なくとも2つの分枝を有している限り、本発明組成物の出発材料として適当である。
好ましい式Aの化合物の例は、分枝状アルコールのカルボキシエチレート及び/またはそのエトキシレートである。最も好ましい式Aの化合物は、カルボキシエチルトリデシルイソアルコール(TDCE)及びその塩である。
分枝状アルコールのカルボキシエチレートは以下の方法によって合成し得る。
一般的に、分枝状アルコールのカルボキシエチル化は、分枝状アルコールにカルボキシエチル基を付加する段階を含む。式Aの化合物は、例えばExxonまたはHenkelから市販されている分枝状アルコールから誘導され得る。
段階1のエーテル化は、まず分枝状アルコールにアクリロニトリル(例えば、Aldrich Chemicalsから入手可能)を直接的に添加してアルキルまたはアルケニルエーテルニトリルを形成する段階を含む。これはオキシプロピオニトリルとも呼ばれる。アクリロニトリルは分枝状アルコールに対して1:1のモル比で使用してもよくまたは反応を昂進させて収率を向上させるために過剰量で使用してもよい。1つの好ましい実施態様では分枝状アルコール対アクリロニトリルのモル比が1:1.5である。
次の段階すなわち段階2では、アルキルまたはアルケニルエーテルニトリルと塩酸または硫酸のような酸の水溶液とを、室温/周囲温度で、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを触媒として反応させ、カルボキシエチルイソアルコールを生成させる。
カルボキシエチルイソアルコールを更にアルコールまたはMeOHもしくはNaOHのような塩基と反応させて、上述のようなR−O−M構造(A)を形成する。この場合、Xはメチル基またはナトリウムカチオンである。
塩の形態の化合物Aが好ましい(この場合、式AのMはカチオンを表す)。その理由は、この形態は水溶性なので皮膚に浸透し易いからである。好ましくはナトリウム塩を使用する。その理由は市場で入手し易いからである。
トリデシルカルボキシエチレン,TDCE,は最も好ましい分枝状アルコール化合物のカルボキシアルキレートである。その理由は、有効な皮膚活性を生じるための水溶性及び油溶性という特性を有していること、また、所与の程度の効果を得るために使用する有効成分の量を少なくできるので費用効果が高いことにある。更に、TDCEは臭気及び色についてもその他の同様の分子、特にTDCM(トリデシルカルボキシメチレート)分子よりも許容できる特性値を有している。
本発明の化合物Aは、分枝状アルコール及びそのメトキシレートの有益な皮脂抑制効果の程度を維持または増進し、しかも、不快な臭気及び色は除去されている。更に、化合物Aはアニオン性界面活性剤であり、負の電荷を提供するので、皮膚の表面への界面活性剤の結合が促進される。水溶性という特性は皮膚への配給効果を高める。更に、分枝状アルコールにスルフェート基が存在するような従来技術の界面活性剤に比べて、化合物Aのカルボキシル基はより優れた金属キレート化剤であり、また、比較的酸度が低いので(pKaは約3)皮膚への刺激も少ない。カルボキシル基はスルフェート基よりも低い分子量を有しており、従って、スルフェート基よりも少量のカルボキシル基でより有益な結果が得られるであろう。
式Aの化合物は本発明の方法及び組成物に約0.001%−約50%、好ましくは約0.1%−約20%、より好ましくは約0.1%−約10%の量で使用される。
式Aの化合物を使用する組成物は場合によっては収斂剤塩を含み、また、含むのが好ましい。本発明において、分枝状アルコールのカルボキシアルキレート及びそのアルコキシレートを有している外用スキンクリーム中に発汗抑制化合物、より特定的には収斂剤塩を含有させると、エクリン腺を有している皮膚領域、特に顔、腕及び脚の皮膚の油性感/脂性感が軽減する。従って、特に顔の皮膚の油性感/脂性感は、顔の発汗量を低減し皮脂をコントロールすることによって、即ち、発汗及び皮脂分泌の抑制によって間接的にコントロールできる。
収斂剤塩は、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛及びそれらの混合物の無機塩または有機塩でよい。好ましくは、本発明において収斂剤塩は微粒形態、即ち、約100ミクロン未満のサイズ、好ましくは約3ミクロン−約10ミクロンのサイズをもつ親水性多孔質粒子の形態で使用される。収斂剤としてまたは収斂性アルミニウム錯体の成分として有用な塩は、アルミニウム水酸化物、アルミニウムハロゲン化物、アルミニウムヒドロキシハロゲン化物、ジルコニルオキシハロゲン化物、ジルコニルヒドロキシハロゲン化物及びこれらの塩材料の混合物を含む。
この種のアルミニウム塩は、塩化アルミニウム、及び、一般式Al2(OH)xQy−−XH2Oを有しているアルミニウムヒドロキシハロゲン化物であり、式中の、Qは塩素、臭素またはヨウ素であり、xは2−5であってx+y=6であり、x及びyが整数である必要はなく、Xは約1−約6である。例えば、市場で入手し易く比較的低コストであるという理由で、式〔Al2(OH)5Cl〕−−XH2Oを有しているアルミニウムクロロヒドレートが好ましい。
上記の収斂剤塩を使用している数種類の錯体が発汗防止剤の分野で公知である。例えば、米国特許第3,792,068号(Lueddersら)は、アルミニウムとジルコニウムとグリシンのようなアミノ酸との錯体を開示している。複数の錯体が該特許に報告されており、同様の構造はZAGとして周知である。ZAG錯体は通常は,約1.67−12.5のAl:Zr比、及び、約0.73−1.93の金属:Cl比を有している。このようなZAG型錯体を調製するための好ましいアミノ酸は式CH2(NH2)COOHのグリシンである。1−100ミクロンの粒径をもつ球形ZAGが特に好ましい。
より詳細な例として、本発明に使用することができ、United States Food & Drug Administraion,Federal Registerの認可目録に記載されている収斂剤塩を以下に挙げる。これらの塩としては、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムクロロヒドレックス、アルミニウムクロロヒドレックスPEG、アルミニウムクロロヒドレックスPG、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレックスPEG、アルミニウムジクロロヒドレックスPG、アルミニウムセスキクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPG、アルミニウムスルフェート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレックスGLY(グリシンの略号)、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレートGLY及びアルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレートGLYがある。
また、
明礬としても知られたカリウムアルミニウムスルフェート(KAl(SO4)212H2O)、
アルミニウムウンデシレノイルコラーゲンアミノ酸、
ナトリウムアルミニウムラクテート+アルミニウムスルフェート、
Al2(SO4)3+Na2HAl(OOCCHOHCH3)2−−(OH)6)、
ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、
アルミニウムブロモヒドレート(Al2Br(OH)5nH2O)、
塩化アルミニウム(AlCl36H2O)、
亜鉛塩とナトリウム塩との錯体、
ランタンとセリウムとの錯体、及び、
リポアミノ酸のアルミニウム塩(R−−CO−−NH−−CHR’−−CO−−OAl−−(OH)2、ここに、R=C6/C11及びR’=アミノ酸)
も適当である。
明礬としても知られたカリウムアルミニウムスルフェート(KAl(SO4)212H2O)、
アルミニウムウンデシレノイルコラーゲンアミノ酸、
ナトリウムアルミニウムラクテート+アルミニウムスルフェート、
Al2(SO4)3+Na2HAl(OOCCHOHCH3)2−−(OH)6)、
ナトリウムアルミニウムクロロヒドロキシラクテート、
アルミニウムブロモヒドレート(Al2Br(OH)5nH2O)、
塩化アルミニウム(AlCl36H2O)、
亜鉛塩とナトリウム塩との錯体、
ランタンとセリウムとの錯体、及び、
リポアミノ酸のアルミニウム塩(R−−CO−−NH−−CHR’−−CO−−OAl−−(OH)2、ここに、R=C6/C11及びR’=アミノ酸)
も適当である。
好ましくは、発汗抑制剤がアルミニウム塩であり、より好ましくは、カリウムアルミニウムスルフェート及びアルミニウムクロロヒドレートから選択される。
活性の収斂剤塩の量は、組成物の約0.000001−約20重量%、好ましくは約0.01−約18重量%、より好ましくは約1−約15重量%、最適には約2−約3重量%の範囲であろう。
本文中ではACHという短縮形で示すアルミニウムクロロヒドレートが本発明の目的に最も好ましい収斂剤塩である。その理由は、市場で入手し易いこと及び比較的低コストなことである。
本発明の組成物は更にレチノイドを含み得る。レチノイドは皮膚の線維芽細胞によるコラーゲンの合成を増進する。その結果として、日光による損傷を防御ししわ肌が滑らかになる。化合物Aにレチノイドを加えると、脂質形成の阻害が改善された。また、化合物A単独に比較してコラーゲン合成が増進された。本文中に使用した“レチノイド”という用語は、レチノイン酸、レチノール、レチナール及びレチニルエステルを包含する。“レチノイン酸”という用語には、13−シスレチノイン酸及び全−トランスレチノイン酸が包含される。
本文中に使用した“レチノール”という用語は、以下のようなレチノールの異性体を包含する:全−トランス−レチノール、13−シス−レチノール、11−シス−レチノール、9−シス−レチノール及び3,4−ジデヒドロ−レチノール。好ましい異性体は、全−トランス−レチノール、13−シス−レチノール、3,4−ジデヒドロ−レチノール及び9−シス−レチノールである。市場で入手し易いという理由で全−トランス−レチノールが最も好ましい。
レチニルエステルはレチノールのエステルである。“レチノール”という用語は上記に定義した。本発明に使用するための適当なレチニルエステルは、レチノールのC1−C30のエステル、好ましくはC2−C20のエステル、最も好ましくは、入手が容易であるという理由でC2、C3及びC16のエステルである。
適当なレチニルエステルの非限定例は、レチニルパルミテート、レチニルホーメート、レチニルアセテート、レチニルプロピオネート、レチニルブチレート、レチニルバレレート、レチニルイソバレレート、レチニルヘキサノエート、レチニルヘプタノエート、レチニルオクタノエート、レチニルノナノエート、レチニルデカノエート、レチニルウンデカノエート、レチニルラウレート、レチニルトリデカノエート、レチニルミリステート、レチニルペンタデカノエート、レチニルヘプタデカノエート、レチニルステアレート、レチニルイソステアレート、レチニルノナデカノエート、レチニルアラキドネート、レチニルベヘネート、レチニルリノレエート、レチニルオレエート、レチニルラクテート、レチニルグリコレート、レチニルヒドロキシカプリレート、レチニルヒドロキシラウレート、レチニルタータレートである。
本発明のレチノイドは典型的には、組成物の0.001−10重量%、好ましくは0.01−1重量%、最も好ましくは0.01−0.05重量%の量で存在する。
本発明の方法及び組成物に使用される式Aの化合物は液体であり、従って本発明は担体の非存在下であっても有効である。しかしながら、本発明の組成物は、組成物を皮膚に塗布したときに化合物Aの分布を促進するために化合物Aの希釈剤、分散剤または担体として作用する化粧品に許容されるビヒクルを含む。
ビヒクルは水性、無水性またはエマルジョンでよい。好ましくは組成物が水性またはエマルジョン、特に、油中水型または水中油型のエマルジョンである。水が存在するとき、水は5−99重量%、好ましくは40−90重量%、最適には60−90重量%の範囲であろう。
水以外に、比較的揮発性の溶媒も本発明の組成物中の担体として機能し得る。一価のC1−C3アルカノールが最も好ましい。これらのアルカノールとしては、エチルアルコール、メチルアルコール及びイソプロピルアルコールがある。一価のアルカノールの量は、1−70重量%、好ましくは10−50重量%、最適には15−40重量%の範囲でよい。
皮膚緩和材料は化粧品に許容される担体の機能も果たし得る。これらはシリコーン油及び合成エステルの形態でよい。皮膚緩和剤の量は、0.1−50重量%、好ましくは1−20重量%の範囲内の任意の値でよい。
シリコーン油は揮発性品種及び不揮発性品種に分類し得る。本文中に使用した“揮発性”という用語は、周囲温度で測定可能な圧力を有している材料を意味する。揮発性シリコーン油は、3−9個、好ましくは4個または5個のケイ素原子を含んでいる環状または線状のポリジメチルシロキサンから選択されるのが好ましい。線状の揮発性シリコーン材料は一般には、25℃で約5センチストークス未満の粘度を有しているが、環状材料は典型的には約10センチストークス未満の粘度を有している。皮膚緩和材料として有用な不揮発性シリコーン油としては、ポリアルキルシロキサン、ポリアルキルアリールシロキサン及びポリエーテルシロキサンコポリマーがある。本発明に有用な本質的に不揮発性のポリアルキルシロキサンとしては例えば、25℃で約5−約25,000,000センチストークスの粘度を有しているポリジメチルシロキサンがある。本発明の組成物に有用な好ましい不揮発性皮膚緩和剤は、25℃で約10−約400センチストークスの粘度を有しているポリジメチルシロキサンである。
適当なエステル皮膚緩和剤を以下に挙げる:
(1)10−20個の炭素原子を有している脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステル。その具体例は、イソアラキジルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、オレイルミリステート、オレイルステアレート及びオレイルオレエート。
(2)エトキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステルのようなエーテル−エステル。
(3)多価アルコールエステル。エチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200−6000)モノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好適な多価アルコールエステルである。
(4)蜜蝋、鯨蝋、ミリスチルミリステート、ステアリルステアレート及びアラキジルベヘネートのようなワックスエステル。
(5)コレステロール脂肪酸エステルを具体例とするステロールエステル。
(1)10−20個の炭素原子を有している脂肪酸のアルケニルまたはアルキルエステル。その具体例は、イソアラキジルネオペンタノエート、イソノニルイソナノノエート、オレイルミリステート、オレイルステアレート及びオレイルオレエート。
(2)エトキシル化脂肪アルコールの脂肪酸エステルのようなエーテル−エステル。
(3)多価アルコールエステル。エチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200−6000)モノ−及びジ−脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリプロピレングリコール2000モノオレエート、ポリプロピレングリコール2000モノステアレート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアレート、グリセリルモノ−及びジ−脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ脂肪エステル、エトキシル化グリセリルモノステアレート、1,3−ブチレングリコールモノステアレート、1,3−ブチレングリコールジステアレート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが好適な多価アルコールエステルである。
(4)蜜蝋、鯨蝋、ミリスチルミリステート、ステアリルステアレート及びアラキジルベヘネートのようなワックスエステル。
(5)コレステロール脂肪酸エステルを具体例とするステロールエステル。
10−30個の炭素原子を有している脂肪酸も化粧品に許容される担体として本発明の組成物に含有させ得る。この種類の代表は、ペラルゴン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びエルカ酸である。
多価アルコール型の保湿剤も化粧品に許容される担体として本発明の組成物に使用し得る。保湿剤は、皮膚緩和剤の有効性の強化、皮膚の剥落の抑制、蓄積した剥落片の除去促進、皮膚の感触改善、などを助ける。典型的な多価アルコールとしては、グリセロール、ポリアルキレングリコールがあり、より好ましくは、アルキレンポリオールとそれらの誘導体、例えば、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール及びそれらの誘導体、ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、エトキシル化グリセロール、プロポキシル化グリセロール及びそれらの混合物がある。最良結果を得るために好ましい保湿剤はプロピレングリコールまたはヒアルロン酸ナトリウムである。保湿剤の量は、組成物の0.5−30重量%、好ましくは1−15重量%の範囲内の任意の値でよい。
増粘剤もまた本発明の組成物の化粧品に許容される担体の一部として使用し得る。典型的な増粘剤は、架橋アクリレート(例えば、Carbopol 982)、疎水的に改質されたアクリレート(例えば、Carbopol 1382)、セルロース誘導体及び天然ガムである。有用なセルロース誘導体としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロースがある。本発明に適当な天然ガムは、グアーガム、キサンタンガム、スクレロチウム、カラゲナン、ペクチン及びこれらのガムの組合せである。増粘剤の量は、0.0001−5重量%、通常は0.001−1重量%、最適には0.01−0.5重量%の範囲でよい。
水、溶媒、シリコーン、エステル、脂肪酸、保湿剤及び/または増粘剤が集まって、1−99.9重量%、好ましくは80−99重量%の量の化粧品に許容される担体を構成する。
油中水型エマルジョンまたは水中油型エマルジョンを形成するために、油または油性材料を乳化剤と共に存在させてもよい。エマルジョンの型は使用した乳化剤の親水−親油バランス(HLB)に大きく依存する。
多様な種類の追加の有効成分を本発明の化粧組成物に存在させ得る。有効成分は、皮膚緩和剤以外で組成物の物理的特性の改善にだけ役立つ成分以外の皮膚有益物質であると定義する。一般的な例としては、追加の皮脂抑制成分、例えばタルク及びシリカ、並びに、アルファ−ヒドロキシ酸、ベータ−ヒドロキシ酸、ポリ−ヒドロキシ酸、過酸化ベンゾイル、亜鉛塩、及び、日光遮断剤が挙げられるがこれらの種類に限定はされない。
ベータ−ヒドロキシ酸は例えばサリチル酸である。亜鉛ピリチオンは、本発明の組成物に有用な亜鉛の塩の一例である。
日光遮断剤は、紫外光を遮断するために一般的に使用されている材料である。代表的な化合物は、PABA、シンナメート及びサリチレートの誘導体である。例えば、アボベンゾフェノン(パルソール1789(登録商標))、オクチルメトキシシンナメート及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾンとしても知られる)を使用できる。オクチルメトキシシンナメート及び2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンはそれぞれ、パルソールMCX及びベンゾフェノン−3という商標で市販されている。組成物中で使用される日光遮断剤の正確な量は、日光の紫外線に対する所望の防御度次第で変更できる。
多くの化粧組成物、特に、水を含有する化粧組成物は、潜在的に有害な微生物の増殖を防御しなければならない。従って、トリクロサンのような抗菌化合物及び保存料が必要である。適当な保存料は、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオネート塩、及び、種々の第四アンモニウム化合物である。本発明の特に好ましい保存料は、メチルパラベン、プロピルパラベン、フェノキシエタノール及びベンジルアルコールである。保存料は通常は、組成物の約0.1−2重量%の量で使用されるであろう。
本発明の化合物及び組成物の主な用途は、ヒトの皮膚に外用塗布するための製品、特に過剰な皮脂分泌のコントロール剤または予防剤である。皮脂の抑制によって多くの有益な効果、例えば、皮膚状態の改善、脂性肌の不快な見掛け及び感触の軽減、ニキビ、酒さ、脂漏症、油性頭皮、油性/脂性の毛髪及びふけの低減及び/または予防が得られる。汗の抑制は、皮膚状態の改善、皮膚の油光りのような不快な見掛け及び感触の軽減、などの多くの有益な効果を与える。皮脂及び汗の双方の抑制は、皮脂抑制効果及び汗抑制効果を重複的に増進させ、最終的には肌の油性感または脂性感または皮膚の油光りが改善される。
使用するときには例えば1−100mlという量の組成物を適当な容器またはアプリケーターから皮膚の露出領域に塗布し、必要ならば次に手や指または適当なデバイスで皮膚に塗り拡げたり及び/または擦り込んだりする。
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に塗布することによって特に顔面領域の皮膚の油性状態をコントロールまたは予防する方法を含む。別の目的としては、本発明は、油性または脂性の毛髪をコントロール、予防またはトリートメントする化粧方法を含む。
本発明はまた、本発明の組成物を塗布することによって皮脂腺細胞による皮脂の分泌を低減、予防またはコントロールする化粧方法を含む。
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に塗布することによって肌の油性感または脂性感を軽減またはコントロールする化粧方法を含む。
本発明はまた、本発明の組成物を皮膚に塗布することによって皮膚の線維芽細胞によるコラーゲン合成を刺激する化粧方法を含む。
本発明の方法及び組成物は、皮脂腺細胞による皮脂分泌のコントロール、油コントロールの改善、皮膚の感触の改善、皮膚の油光り及びべたつきの予防という効果を与え、また、ニキビに付いた細菌に対する抗菌活性を与え、一般的に皮膚の表面の細菌の微生物活性をコントロールし、しわ肌及び老化肌の出現を低減するような老化防止効果を与え、皮膚の色を改善し、光老化肌を治療し、明るい色の透明な垢抜けた肌になるように皮膚を改善し、全体として健康な若々しい外観を皮膚に与える。更に、本発明の組成物はアポクリン腺による分泌を低減または予防する。
本発明のスキンケア用化粧組成物はいかなる形態でもよく、例えば、トナー、ジェル、ローション、流動性クリームまたはクリームとして配合され得る。組成物は、その粘度及び所期の消費者用途に適した適当な容器に包装できる。例えば、ローションまたは流動性クリームはびんまたはロールボールアプリケーターまたは噴射剤駆動エアロゾルデバイスまたは指操作ポンプの付いた容器に包装できる。組成物がクリームである場合、クリームは、非変形性のびん、または、チューブのような絞り出し容器または蓋付きのつぼに収容するだけでよい。従って本発明はまた、本文中に定義した化粧品に許容される組成物を収容した閉鎖容器を提供する。
組成物はまた、米国特許第5,063,057号に記載されているようなカプセルに収容されてもよい。該特許の記載内容は参照によって本発明に含まれるものとする。
(実施例)
以下の特定実施例は本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
以下の特定実施例は本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
以下の表に挙げた分枝状アルコールのいくつかを実施例に使用した。これらのアルコールはExxonから入手した:
この実施例ではアルコールをカルボキシメチル化した。純度約50%−約70%のイソアルコールのカルボキシメチレートが生成する。
無湿度雰囲気(N2ドライボックス)下で小型の丸底フラスコにカリウムtert−ブトキシド(9.42g,0.084mole)を計量した。次いでこのフラスコに、25mlの無水p−ジオキサンを加え、撹拌しながら、15mlの無水p−ジオキサン中のExxal(登録商標)13アルコール(4.0g,0.02mole)とクロロ酢酸(1.89g,0.02mole)との混合物を加えた。次に、不均質な反応混合物を撹拌し、わずかに還流させながらN2下で一夜加熱した。一夜の加熱によって混合物が軽度に着色された。
加熱を停止し、室温に冷却した後、固体を濾過し、p−ジオキサンで洗浄し、吸引乾燥すると、6.7gの淡い色のペーストが得られた。ペーストを水に溶解させ、HClで酸性化し、クロロホルムで抽出した(分液漏斗)。クロロホルムを乾燥し(MgSO4)、濾過してクロロホルムを除去すると(Rotavap)、約0.90gの淡い褐色の油状液体生成物が得られた。
液体生成物の1H NMR及び13C NMRは、所望のカルボキシメチル化生成物(酸形態)の存在を示した(1Hは、4.11ppmにR−O−CH2CO2のシングレット及び3.56ppmにR−CH2−O−のマルチプレット)(13Cは60.34ppm及び67.88ppmに−CH2−O−CH2−COのピーク)。この結果は、出発材料であるExxal(登録商標)13及びクロロ酢酸と比較するために液体生成物(シリル化)をGC分析することによって裏付けられた。カルボキシメチル化生成物はアルコール及びクロロ酢酸のそれぞれよりも約2分及び約6分長い滞留時間を有していた。酸形態のカルボキシメチル化生成物の半量を水中でナトリウム塩に変換し、ナトリウム塩の形態を凍結乾燥によって回収した。酸及び塩の双方の形態のカルボキシメチル化生成物を以後の実施例に使用した。
この実施例では分枝状アルコールをカルボキシエチル化した。純度約98%−約99%のイソ−アルコールのカルボキシエチレート(イソ−トリデシルオキシプロピオン酸)が生成する。
凝縮器と撹拌器とを備えた小型の三つ口丸底フラスコでイソ−トリデカノール,Exxal(登録商標)13アルコール(4.0g,0.20mole)に触媒量の微粉砕水酸化カリウム(32ミリグラム)を加えた。よく撹拌しながら、アクリロニトリル(0.93g,0.02mole)をシリンジで滴下した。次に、反応混合物を室温/周囲温度で2時間撹拌した。撹拌中に、混合物の温度が上昇した。次に混合物を60℃で2時間加熱した。反応混合物のGC及びIR(2257cm−1にCNのバンド)分析は、主要な反応生成物がイソ−トリデシルオキシプロピオニトリルであり、イソ−トリデカノールが存在しないことを示した。
機械的撹拌器と凝縮器とを備えた小型の三つ口丸底フラスコにイソ−トリデシルオキシプロピオニトリル(2g)と8mlの濃塩酸とを充填し、75−80℃(水浴)で1時間加熱し、次いで3時間還流させた。
反応混合物を室温/周囲温度に放冷した後、水層を20mlのクロロホルムで抽出し、乾燥した。ヘキサン抽出を使用してもよいことに注目されたい。
クロロホルムを完全に除去すると(Rotavap)、約2.0gの無色透明な液体生成物が得られた。これをガスクロマトグラフィー(GC)及び赤外分光光度法(IR:1722cm−1に濃いカルボニルバンド)で分析すると、カルボキシエチルイソ−トリデカノール生成物であることが判明した。有利なことに、カルボキシエチルイソ−トリデカノール生成物の純度は少なくとも約98%である。存在の可能性がある副生物は、塩化アンモニウム、TDCEのダイマー、TDCEのエステルである。
酸形態のカルボキシエチル化生成物の半量を水中でナトリウム塩に変換し、ナトリウム塩の形態を凍結乾燥によって回収した。
酸形態のカルボキシエチル化生成物の半量を水中でナトリウム塩に変換し、ナトリウム塩の形態を凍結乾燥によって回収した。
この実施例は、実施例1及び2のカルボキシメチル化生成物及びカルボキシエチル化生成物によってそれぞれ得られた皮脂腺細胞による脂肪生成の阻害に関する比較データを与えた。
イソ−トリデシルカルボキシメチル化生成物及びイソ−トリデシルカルボキシエチル化生成物(本文中では以後、“TDCM”及び“TDCE”と呼ぶ)とそれらのナトリウム塩が実施例1及び2からそれぞれ得られた。
成人男性から採取したヒトの皮脂腺細胞の二次培養物を96ウェルの組織培養皿(Packard Co.;Meriden,CT)で集密単層状態まで増殖させた。皮脂腺細胞の増殖培地は、14μg/mlのウシ下垂体抽出物、0.4μg/mlのヒドロコルチゾン、5μg/mlのインスリン、10ng/mlの表皮増殖因子、1.2×10−10Mのコレラ毒素、100単位/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンを加えたCloneticsケラチノサイト基底培地(KBM)から構成した。全部の培養物を7.5%CO2の存在下、37℃でインキュベートした。培地を週3回の頻度で交換した。
実験当日に増殖培地を除去し、滅菌したダルベッコの改質イーグル培地(DMEM;フェノールレッド非含有)で皮脂腺細胞を3回洗浄した。新しいDMEMを、エタノールまたは滅菌蒸留水に溶解した5μLの被験物質と共に各サンプルに加えた(実験次第で、重複、三重複または四重複)。対照は、エタノール単独の添加またはフェノールレッドの添加から構成した。公知の皮脂抑制剤であるフェノールレッドを陽性対照として使用した。
各培養皿をインキュベーターに戻して20時間維持し、次いで、14C酢酸塩バッファを加えた(5mMの最終濃度、56mCi/mmolの比活性)。皮脂腺細胞をインキュベーターに戻して4時間維持した後、各培養物をリン酸塩緩衝生理食塩水で3回洗浄して未結合のラベルを除去した。皮脂腺細胞中に残存している放射能ラベルを回収し、TopCount−NXTブランドのシンチレーションカウンター(Packard Co.,Meriden,Connecticut)を使用してカウントした。
得られた結果は、皮脂腺細胞中に残存している放射能ラベルの量を対照のパーセントとして表したものである。これらの結果を表2にまとめる。放射能ラベルが少ないほど、即ち、対照の%が小さいほど、皮脂腺細胞の脂肪生成阻害効果が大きいことを表す。
表2に示すように、イソ−トリデシルカルボキシメチレート(TDCM)及びイソ−トリデシルカルボキシエチレート(TDCE)の双方がすべての試験濃度で脂肪生成の阻害を増進した。表2のデータの比較から明らかなように、TDCEはTDCMよりも有意に優れた性能を示した。即ち、TDCEはTDCMのほぼ2倍の効果を示した。
この実施例ではアルコールをカルボキシプロピル化する。対応するアルキルオキシ酪酸が約50%−約70%の純度で生成される。
無湿度雰囲気(N2ドライボックス)下で小型の丸底フラスコにカリウムtert−ブトキシド(9.42g,0.084mole)を計量した。次いでこのフラスコに、25mlの無水p−ジオキサンまたはTHFを加え、撹拌しながら、15mlの無水THF中のExxal(登録商標)13アルコール(炭素数13の分枝状アルコール;4.0g,0.02mole)と4−クロロ酪酸(Aldrich Chemicals,0.02mole)との混合物を加えた。次に、不均質な反応混合物を撹拌した。加熱を停止し、室温に冷却した後、固体を濾過し、THFで洗浄し、吸引乾燥すると、6.70gの淡い色のペーストが得られた。ペーストを水に溶解させ、HClで酸性化し、クロロホルムで抽出した(分液漏斗で3×100ml)。クロロホルムを乾燥し(MgSO4)、濾過した後、クロロホルムを除去すると(Rotavap)、約1.0gの油状液体生成物が得られた。液体生成物の1H NMR及び13C NMRによって、所望のC13H27OCH2CH2CH2CO2H生成物(酸形態)の構造が確認された。
カルボキシエチル化、カルボキシブチル化、カルボキシペンチル化、カルボキシヘキシル化、及び、式Aの化合物中のmが2以上の整数を表すより高級なメチレン基に同じ方法または同様の方法を応用し得る。例えば、カルボキシエチル化のためには、クロロ酢酸が分枝状アルコールと共に使用されるであろう。
この実施例では、本発明のカルボキシアルキレートと別のアルコール誘導体並びに本発明のカルボキシアルコールの出発材料である分枝状アルコールとの相対的活性を比較する。
被験化合物の各々について、皮脂の50%抑制を与える濃度を決定するために、前述の実施例3に記載の手順を使用し、化合物の濃度を変更して実験を実施した。対照に比べて50%の皮脂抑制を与える濃度を以下の表にIC50として示す。
試験した化合物の化学構造は以下の表に番号を付けて示す。
この実施例ではTDCMとTDCEとの色を比較し、TDCEのほうが優れた色特性を有していることを示す。
Molecular Devices Spectramax 340分光光度計を使用し、340−500nmの波長でTDCM化合物及びTDCE化合物の吸光度を測定した。データを以下の表に示す。
数値が大きいほど特定波長における化合物の吸光量が多い。これは、より暗い色であるという特性を表す。データは、TDCMの吸光度の値がTDCEの吸光度の値よりも高いことを示し、これは、TDCEのほうが明るい色であること、従って、TDCEの色のほうが消費者に喜ばれることを表す。
エトキシル化C13イソアルコールカルボキシエチレートの合成
R(OCH2CH2)3CH2CH2CO2H、ここにR=C13分枝状
最初にC13イソ−アルコール(22.00g,Exxal 13)をチオニルクロリド(過剰量)と反応させると、蒸留(Org.Syn.Coll.Vol.4,333,1963に概説された手順による)後に対応するC13イソアルコールクロリド,C13 H27 Clが収率88%で得られた。
R(OCH2CH2)3CH2CH2CO2H、ここにR=C13分枝状
最初にC13イソ−アルコール(22.00g,Exxal 13)をチオニルクロリド(過剰量)と反応させると、蒸留(Org.Syn.Coll.Vol.4,333,1963に概説された手順による)後に対応するC13イソアルコールクロリド,C13 H27 Clが収率88%で得られた。
52.86g(0.35moles)の乾燥H(OCH2CH2)3OH(トリエチレングリコール、Aldrich)を収容している窒素下の反応フラスコに、3.42gのカリウム金属をゆっくりと添加する。反応混合物を100℃で5時間加熱した。反応の温度を150℃に上昇させ、次いでC13 H27 Cl(0.073moles)を5時間で添加した。反応混合物を室温に冷却し、500mlのトルエンを加えた。次にこの混合物を水洗して(3×100ml)、未反応のトリエチレングリコールを除去した。ガスクロマトグラフィーは、ある程度のC13オレフィンの形成(1%未満)を示した。溶媒をRotavapで除去し、混合物を蒸留すると(200−220℃)、エトキシル化(3EO)C13イソアルコールカルボキシエチレートが単離収率55%で形成された。
本発明による種々の炭素鎖長をもつイソ−アルコール及び上述のような本発明による種々の炭素鎖長をもつアルコキシレートに同じ手順を使用し得る。
3−エトキシル化イソアルコールはアクリロニトリル及びHClと順次に反応し、実施例2及び4に従って対応するカルボキシ−アルキル 3−エトキシル化イソアルコールを形成するであろう。
本文中に例示し記載した特定形態が単なる代表例であることを理解されたい。本文中に非限定的に示唆した変更を含む変更は、本文の記載の明白な教示から逸脱することなく例示の実施態様に加えることができる。従って、本発明の完全な範囲の決定に関しては特許請求の範囲を参照されたい。
Claims (26)
- 式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。〕
の化合物。 - カチオンが、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、銅、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、イオウ、亜鉛及びアミンまたはそれらの混合物から選択される請求項1に記載の化合物。
- Rが13個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である請求項1または2に記載の化合物。
- Xが水素またはカチオンであり、Mが、
−CH2CH2CO2X(nは0、mは2)、
−CH2CH2CH2CH2CO2X((nは0、mは4)、
−CH2CH2O−CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは2)、及び、
−CH2CH2O−CH2CH2CH2CH2CO2X(nは1、pは2、mは4)
またはそれらの混合物から選択される請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。 - (i)約0.001%−約50%の式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。〕
の化合物と、
(ii)化粧品に許容されるビヒクルと、
を含むスキンケア用化粧組成物。 - カチオンが、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、銅、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、イオウ、亜鉛及びアミンまたはそれらの混合物から選択される請求項5に記載のスキンケア用化粧組成物。
- Mが、(−CH2CH2CO2X)、または、(−CH2CH2O−CH2CH2CO2X)であり、Xが水素またはカチオンである請求項5または6に記載のスキンケア用化粧組成物。
- 更に、レチノイドを含む請求項5から7のいずれか一項に記載のスキンケア用化粧組成物。
- 更に、収斂剤塩を含む請求項5から8のいずれか一項に記載の組成物。
- 収斂剤塩が、アルミニウム水酸化物、アルミニウムハロゲン化物、アルミニウムヒドロキシハロゲン化物、ジルコニルオキシハロゲン化物、ジルコニルヒドロキシハロゲン化物及びそれらの混合物から選択される請求項9に記載のスキンケア組成物。
- 収斂剤塩が、一般式Al2(OH)xQy−−XH2Oを有しているアルミニウム塩から選択され、式中の、Qは塩素、臭素またはヨウ素であり、xは2−5であってx+y=6であり、x及びyが整数である必要はなく、Xは約1−約6である請求項9または10に記載のスキンケア用化粧組成物。
- 収斂剤塩が、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムクロロヒドレックス、アルミニウムクロロヒドレックスPEG、アルミニウムクロロヒドレックスPG、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレックスPEG、アルミニウムジクロロヒドレックスPG、アルミニウムセスキクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPEG、アルミニウムセスキクロロヒドレックスPG、アルミニウムスルフェート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムオクタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレックスGLY、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレートGLY及びアルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレートGLY及びそれらの混合物から選択される請求項9から11のいずれか一項に記載のスキンケア用化粧組成物。
- 収斂剤塩がアルミニウムクロロヒドレートである請求項9から12のいずれか一項に記載のスキンケア用化粧組成物。
- 請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物を皮膚に塗布することによって肌の油性感または脂性感を軽減またはコントロールする化粧方法。
- (i)約0.001%−約50%の式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。〕
の化合物と、
(ii)化粧品に許容されるビヒクルと、
を含む組成物を皮膚に塗布する段階を含む、皮膚有益効果を与える化粧方法であって、皮膚有益効果が、
(a)油性肌状態の軽減または予防、
(b)皮脂腺細胞による皮脂分泌の低減または予防、
(c)皮膚の線維芽細胞によるコラーゲン合成の刺激、
(d)ニキビに付いた細菌の微生物活性のコントロール、
から選択される化粧方法。 - 更に、油性または脂性の毛髪のコントロール、予防またはトリートメントという皮膚有益効果を含む請求項15に記載の化粧方法。
- 式A:
R−O−M (A)
[式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表し、Xは水素、メチル基、エチル基またはカチオンを表す。]
の化合物を皮膚に塗布する段階を含む、皮膚有益効果を与える化粧方法であって、皮膚有益効果が、
(a)油性肌状態の軽減または予防、
(b)皮脂腺細胞による皮脂分泌の低減または予防、
(c)皮膚の線維芽細胞によるコラーゲン合成の刺激、
(d)ニキビに付いた細菌の微生物活性のコントロール、
から選択される化粧方法。 - 更に、油性または脂性の毛髪のコントロール、予防またはトリートメントという皮膚有益効果を含む請求項17に記載の化粧方法。
- 式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表す。〕
の化合物を合成するための、
(a)分枝状アルコールとアクリロニトリルとを組合せてアルキルまたはアルケニルオキシプロピオニトリルを形成する段階と、
(b)前記アルキルまたはアルケニルオキシプロピオニトリルと酸の水溶液とを反応させてカルボキシエチルイソアルコールを形成する段階と、
を含む方法。 - 更に、カルボキシエチルアルコールをアルコールまたは塩基と反応させて化合物Aを形成する段階を含み、化合物Aのカチオンがナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、銅、マグネシウム、マンガン、ストロンチウム、イオウ、亜鉛及びアミンから選択される請求項19に記載の方法。
- Rが、13個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またアルケニル鎖である請求項19または20に記載の方法。
- 化合物Aの純度が少なくとも約98%である請求項19から21のいずれか一項に記載の方法。
- 段階(b)の反応が、水酸化カリウムまたは水酸化ナトリウムを触媒として行われる請求項19から22のいずれか一項に記載の方法。
- アクリロニトリルを分枝状アルコールに対して過剰量で使用する請求項19から23のいずれか一項に記載の方法。
- アクリロニトリル対分枝状アルコールのモル比が約1:1−約1.5:1である請求項19から24のいずれか一項に記載の方法。
- 式A:
R−O−M (A)
〔式中、
Rは少なくとも7個の炭素原子及び少なくとも2個の分枝を有している分枝状のアルキル鎖またはアルケニル鎖である;
Oは酸素原子である;
Mは(−(CH2)pO)n−(CH2)mCO2Xであり、ここにnは0または1−7の整数を表し、mは2−4の整数を表し、pは2−4の整数を表す。〕
の化合物を合成するための、
(a)分枝状アルコールを、クロロ酢酸、クロロプロピオン酸、クロロ酪酸及びそれらの混合物から選択された化合物と混合して不均質な反応混合物を形成する段階と、
(b)不均質な反応混合物を窒素下でわずかに還流させながら撹拌及び加熱する段階と、
(c)室温に冷却する段階と、
(d)濾過し洗浄してペーストを形成する段階と、
(e)ペーストを水に溶解させる段階と、
(f)溶解したペーストをHClで酸性化する段階と、
(g)酸性化ペーストをクロロホルムまたはヘキサンで抽出する段階と、
(h)クロロホルムを除去して式Aの化合物を形成する段階と、
を含む合成方法。
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