JP2005538691A - 抗ヒト肝臓癌モノクローナル抗体HAb18軽/重鎖可変領域遺伝子、およびその使用 - Google Patents

抗ヒト肝臓癌モノクローナル抗体HAb18軽/重鎖可変領域遺伝子、およびその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗ヒト肝臓癌McAb HAb18の重鎖および軽鎖可変領域遺伝子、それらによりコードされているポリペプチド、ならびに、腫瘍および炎症疾患を診断および処置するための医薬の製造におけるそれらの使用に関する。重鎖および軽鎖可変領域遺伝子に基づいて、単鎖抗体、キメラ抗体、Fab抗体などを含む、多様な新規小分子遺伝子工学抗体が、肝臓癌の診断および処置のために構築および発現できる。

Description

本発明は抗ヒト肝臓癌モノクローナル抗体(McAb)HAb18重/軽鎖可変領域遺伝子およびそれらをコードするポリペプチド、および腫瘍または炎症性疾患を診断および処置するための医薬製造における該遺伝子およびポリペプチドの使用に関する。
肝臓癌は、中国および東南アジアで高い罹患率を有する普通の疾患である。特に中国においては、毎年約110,000人の患者が肝臓癌で死亡しており、それは世界における死亡肝臓癌患者の43%を占めている。それ故、肝臓癌診断および治療についての総合的および深い研究がいまだ必要とされている。1975年に、KohlerおよびMilsteinによりハイブリドーマ技術が確立されて以来、多様なMcAbが同定されてきた。彼らは前臨床および臨床研究に新しい光をあて、抗肝臓癌McAbも例外ではなかった。過去20年において、抗肝臓癌抗体の伝統的製造は、ほとんど、フェトプロテインおよびフェリチンのごとき標的分子に集中されてきた。これらの過程において、伝統的免疫化法が採用されており、即ち、免疫源として、肝臓癌の可溶性抽出物質または培養肝臓癌細胞を用いている。しかしながら、腫瘍抗原性エピトープの変異、不安定性または部分的喪失にため、これらの方法では高い親和性および特異性を有する抗肝臓癌抗体の発生は困難である。
動物を免疫化するために、新鮮な腫瘍組織から誘導された細胞懸濁液を使用する、抗体発生のためのいくつかの成功報告がある。複雑なスクリーニングにもかかわらず、この方法では抗原性はより良好に保持できる。発明者は、この方法により、特異的抗肝臓癌抗体のいくつかのクローンを首尾よく得た。マウス抗肝臓癌抗体を分泌する、これらハイブリドーマ細胞株確立のための詳細な方法は、Zhinan Chen,Yanfang Liu,Jizheng Yangら、McAb Communications,1989;2:33−36、に示されている。これらの抗体の中でも、抗肝臓癌抗体McAb HAb18はより高い特異性を有することが観察され、75%に至る免疫組織化学陽性率を有している。遺伝子工学および抗体研究の発展により、発明者は抗肝臓癌抗体McAb HAb18の重および軽鎖可変領域遺伝子を首尾よくクローン化した。このことは、McAb HAb18に基づいた遺伝子工学による新規小分子抗体を開発するための、強固な基礎を築いている。
一つの態様において、本発明は、肝臓癌付随抗原HAb18Gに対するモノクローナル抗体HAb18の可変領域遺伝子に関する。これらのMcAb HAb18可変領域遺伝子は、高活性を有するマウス抗HAb18Gモノクローナル抗体を分泌できるハイブリドーマ細胞株HAb18からクローン化した。重鎖可変領域遺伝子の完全長は445bpであり、配列番号1に示したヌクレオチド配列を有する。この遺伝子によりコードされているアミノ酸配列は配列番号3に示されている。軽鎖可変領域遺伝子の完全長は421bpであり、配列番号2に示したヌクレオチド配列を有する。この遺伝子によりコードされているアミノ酸配列は配列番号4に示されている。組換え後、これら2つの遺伝子は、肝臓癌付随抗原HAb18Gを特異的に同定および結合できる、活性抗体断片を発現するために使用することができる。本発明はまた、厳密な(stringent)ハイブリダイゼーション条件下、例えば、Molecular Cloning(Cold Spring Harbor Laboratory)に述べてある条件下、配列番号1または配列番号2の配列とハイブリダイズできる配列を含んでいることも意図されている。
別の態様において、本発明は、重鎖および軽鎖可変領域遺伝子を含んでいるFab遺伝子、マウス−ヒトキメラFab遺伝子、並びにそれらの遺伝子産物、即ち、Fab抗体およびキメラFab抗体に関する。
さらに別の態様において、本発明は、腫瘍または炎症性疾患を診断および処置するための医薬製造における、本発明の遺伝子およびポリペプチドの使用に関する。
発明の詳細な説明
設計されたプライマーの組を使用し、肝臓癌に対して特異的なモノクローナル抗体を分泌できるハイブリドーマ細胞株HAb18から、McAb HAb18重鎖および軽鎖可変領域遺伝子をクローン化した。重鎖可変遺伝子(VH遺伝子)は、Kasturi,K.Nらにより記載されている胸腺細胞および赤血球に対する自己抗体の可変遺伝子と最も高い相同性を有することを、配列分析は示している。軽鎖可変遺伝子(VL遺伝子)は、マウス免疫グロブリンの再配列κ鎖のV−J領域遺伝子に属しており、それはO’Connor,K.Cらにより記載されている、抗DNA抗体6E6軽鎖可変領域遺伝子と最も高い相同性を有する。本発明のVHおよびVL遺伝子は、マウス抗体の正確な可変領域をコードしている。これらの遺伝子により、単鎖抗体、キメラ抗体、Fab抗体などを含む、多様な新規小分子抗体を、肝臓癌の診断および治療のために、遺伝子工学により構築および発現することができる。
これまで、肝臓癌に対するモノクローナル抗体は、肝臓癌に付随する抗原の研究に主として使用されている。モノクローナル抗体の開発は、新規腫瘍付随抗原または新規標的部位を発見するための有効な方法を提供する。これらの抗原は、臨床血清試験に使用でき、そして診断および治療の効き目を評価する助けとなる。モノクローナル抗体はまた、肝臓癌モノクローナル−抗体−標的指向化薬剤の研究においても使用される。担体としてMcAbを用いる放射免疫診断、化学療法および放射線療法は、近年かなりの進歩を遂げた。この点については、化学化合物−McAb複合体(conjugate)、細胞毒−McAb複合体および放射性核種−McAb複合体のような薬剤が開発されている。
本発明の軽鎖および重鎖可変領域遺伝子は、ある種のタンパク質医薬を構築するために使用することができ、それは関連する疾患、特に腫瘍および炎症性疾患の診断および処置に直接使用することができる。本発明の遺伝子によりコードされているポリペプチドは、ある種の疾患、特に腫瘍の診断および治療における標的指向化薬剤として使用されるように、細胞毒、毒素、放射性核種、酵素または生物学的応答修飾剤と結合させてもよい。
本発明の遺伝子によりコードされているポリペプチドから、キメラ抗体、ヒト化抗体、小分子抗体、多価ミニ抗体、二特異性抗体、組換え抗体融合タンパク質、組換え免疫毒素およびファージ抗体のごとき新規の型の抗体を構築することができる。
キメラ抗体については、マウスMcAbの可変領域をヒトIgの定常領域と連結することができる。これらの抗体は、HAMA応答のごとき副作用が軽減されている一方、マウスMcAbの特異性および親和性を維持しているので、そのようなキメラ抗体を使用することにより、腫瘍治療における望ましい効能が達成された。
ヒト化抗体を得るには、可変領域遺伝子の構造をCDR移植、表面アミノベニア(surface amino veneer)、フレームワーク交換、位置づけ予約(located resevation)およびエピトープ−指向性選択によりヒト化する。
小分子抗体は、VH−CH1およびVL−C1から成るFab抗体、VHおよびVL遺伝子とポリペプチドリンカー(Gly4Ser)3との連結により形成された単鎖抗体、VHおよびVLの非共有結合連結により形成されたFv断片抗体、VHまたはVLのただ一つのドメインのみから成る単一ドメイン抗体、および単一CDRにより構築された最小認識単位などを含んでいる。
多価ミニ抗体は主として二重鎖抗体、(ScFv)2、屈曲(Flex)ミニ抗体、LDミニ抗体、F(ab’)2、F(ab’)3、(ScFv)4などを含んでいる。多価ミニ抗体は多抗原結合部位、高親和性、中程度の分子量、腫瘍組織へ進入する高い能力、および腎臓での遅いクリアランス速度を有しているため、臨床応用に良好な潜在価値を有している。
二機能性抗体とも称される二特異性抗体は、二重の特異性および機能を有している。
組換え抗体融合タンパク質は、標的部位へ特異的生物学的活性を標的化できる組換えタンパク質であり、FabまたはFv遺伝子と、毒素または酵素のごとき非抗体タンパク質をコードする遺伝子を連結することにより調製する。
組換え免疫毒素は、毒素の遺伝子および抗体の遺伝子を連結し、生じた遺伝子を発現することにより製造する。それらは低い非特異性を有し、in vivoで安定および安全であり、そして腫瘍内へ容易に浸透可能である。
ファージ抗体は、Ig V遺伝子とファージ遺伝子IIIまたは遺伝子□を連結し、次に、ファージ膜表面上にFabまたはScFvの融合タンパク質を発現する、宿主細菌に遺伝子をトランスフェクトすることにより得られる。いくつかのアフィニティーパニングを経て、特異的抗体を得ることができる。
担体として、本発明の重鎖および軽鎖可変領域遺伝子によりコードされているポリペプチドを使用し、免疫複合体または標的指向薬剤を形成するように、多様な抗癌または抗炎症剤を前記ポリペプチドと結合することができる。例えば、免疫複合体または標的指向化薬剤は、抗体および核種の複合体の形でもよい。そのような複合体は、核種を局所的な腫瘍組織へ向けることができ、放射線療法間の照射により受ける、正常組織への損傷を軽減する。複合体はまた、放射免疫イメージングおよび放射免疫療法と名付けられている、腫瘍の標的指向化診断および処置を可能にする。モノクローナル抗体と結び合わせるために標準的に使用される核種には、125I、131I、111In、90Y、99mTc、188Reおよび186Reなどが含まれる。
免疫複合体または標的指向化薬剤はまた、抗体と化学療法薬との複合体の形であることもできる。そのような複合体は薬剤を特異的に腫瘍へ方向付け、正常組織への損傷および化学療法薬により起こされる副作用を軽減する。抗体と結び合わせるためによく使用される化学療法薬には、ホスホラミドのごときアルキル化剤、メトトレキセートおよび5−フルオロウラシルのごとき代謝拮抗剤、アドリブラスチン、エピルビシン、セルビジン、ロイロクリスチンおよびマイトマイシンのごとき抗生物質が含まれる。
免疫複合体または標的指向化薬剤はまた、抗体と毒素との複合体の形であることもでき、それは免疫毒素とも称されている。免疫毒素は強力な細胞毒性を有しており、生物学的補助機構とは独立している。免疫毒素は、腫瘍を殺すための伝統的化学療法および放射療法とは異なった機構を有しているため、化学療法および放射療法が効果をほとんど示さない腫瘍を処置するために使用することができる。抗体と結び合わせるために使用することができる毒素には、リシン、ジフテリア毒素、オルモシア毒素、シャボンソウ毒素、シュードモナス菌外毒素、ストレプトリシン、ペルフリンなどが含まれる。
免疫複合体または標的指向化薬剤はまた、抗体と生物学的応答修飾剤(BRM)との複合体の形であることもできる。BRM単独でヒト身体の免疫機能を調節し、および腫瘍細胞を良好な効率で殺すことができるけれども、注射されたBRMのほんの一部しか標的部位に到達できないので、その機能を完全には発揮できない。BRMはまたいくらかの副作用を有している。もし、BRMがMcAbと結合されていれば、McAbはBRMを標的部位へ導き、そして腫瘍細胞を殺すことができる。BRMにはINFおよびIL−2が含まれる。
免疫複合体または標的指向化薬剤はまた、抗体−標的指向化プロドラッグの形であることもできる。抗体は、特異的にプロドラッグを活性化できる酵素と結び合わされる。複合体を最初に体内に注射し、いくらかの時間後、プロドラッグを注射すると、それは腫瘍部位で活性薬剤へ変換でき、腫瘍細胞を殺す。現在、安息香酸ハイドロジェンマスタードのグルタミン誘導体、リン酸ポドフィルムエチリデン、リン酸マイトシン−C、グリコシドセルビジン、アドリブラスチン、5−フルオロシトシンおよびセファロチンクロレタジンを含む、いくつかの化合物がプロドラッグとして使用できる。活性化酵素には、カルボキシペプチダーゼG2、アルカリホスファターゼ、ペニシリンアミダーゼ、β−ラクタマーゼ、シトシンデアミナーゼ、β−グリコシダーゼおよびアミノペプチダーゼが含まれる。
免疫複合体または標的指向化薬剤はまた、免疫リポソームの形であることもでき、その中では、McAbがリポソームの表面に結び付けられている。リポソームは大量の薬剤を被包でき、そして抗体は抗原を特異的に結合できるので、被包された薬剤を含む免疫リポソームは改良された特異性および効能を有している。
本発明は以下の図および実施例を参照してさらに説明される。
抗ヒト肝臓癌McAb HAb18重/軽鎖の可変領域をコードしている遺伝子のクローニング:
使用した細胞株は、Fourth Military Medical University(FMMU)のCell Engineering Researching Centerでの通常の細胞融合技術(Zhinan Chen,Yanfang Liu,Jizheng Yangら、McAb Communications,1989;2:33−36)を使用することにより得られたマウスハイブリドーマ細胞株であった。前記細胞株により産生された抗体はマウス抗ヒト肝臓癌McAb HAb18であり、それはその標的分子HAb18Gに対して高い親和性および特異性を有するIgG1であった。
対数増殖期の細胞(5x106)を、全RNAを調製するために使用した。典型的には、全RNA抽出は、SV全RNA単離システムを使用し、製造業者(Promega,USA)により提供されているプロトコールに従って実施した。試料の質および量は、紫外分光光度計および1%変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定した。抗体の可変領域に相当する第一鎖cDNAは、ランダムプライマーOligo(dT)15(Promega,USA)を使用する逆転写により得た。マウス抗ヒト肝臓癌McAb HAb18の重鎖および軽鎖の可変領域をコードしている遺伝子(VHおよびVL)は、一組の汎用性プライマーを使用するPCRにより増幅した。PCR生成物VH(約450bp)およびVL(約421bp)は、1.5%アガロースゲルで分離し、ゲルを切断することにより単離し、回収し、そしてゲル精製キット(Promega,USA)を使用することにより精製し、そして次にアガロースゲル電気泳動により同定した(図1)。問題とする断片は、各々ベクターpMD−18−T内へクローン化し、そして次に配列分析にかけた。
逆転写には、ランダムプライマーとしてOligo(dT)15(Promega,USA)を使用した。反応系の容量は20μLであり、1μgの全RNA(2μL)、0.5μgのランダムプライマーOligo(dT)15(1μL)、4μLのMgCl2(25mM)、2μLの5xdNTP、2μLの10x緩衝液、0.5μLのRNase阻害剤を含んでいた。逆転写は、0.75μLのAMV逆転写酵素(15U)の存在下で実施した。全容量が20μLに達するようにRNaseを含まない水を加えた。混合物は42℃で60分インキュベートし、次に3分煮沸した。得られた生成物は続いて、使用するまで−20℃に保った。
VHおよびVL遺伝子のPCR増幅のためには、反応を50μLの最終反応容量で実施し、それは5μlの第一鎖cDNA、30ピコモル(5μl)の逆および正プライマー(プライマーは以下に説明される)、0.4mMの各々のdNTP、5μLの10x緩衝液および1.25U Ex Taq DNAポリメラーゼを含んでいる。50μlの最終容量に達するまで水を加え、混合し、そして次に一滴のパラフィン油を混合物へ加えた。94℃で3分加熱後、94℃で1分、54℃で1分および72℃で1分の各々のサイクルで35サイクル増幅を実施し、そして最後に72℃で10分、反応が延長された。
Tベクター内への所望の断片のクローニングは以下のように実行した。PCR生成物をアガロースゲルで回収し、pMD18−T内へクローン化した。ライゲーション反応液は、1μlのベクターpMD18−T、3μlの精製PCR生成物(VHまたはVL遺伝子)、1μlの脱イオンH2Oおよび5μlのライゲーション緩衝液を含んでいた。反応系は4℃で一夜インキュベートした。生成物で大腸菌JM109を形質転換した。組換えクローンを選択し、そして次に汎用性プライマーを使用して配列決定した。
McAb HAb18の重鎖および軽鎖可変領域遺伝子の増幅に使用された設計プライマーは以下のようである(下線部分は制限部位を示している):
マウス抗体の重鎖可変領域のための5’プライマー:
(1)5’−GGGATATCCACCATGG(AG)ATG(CG)AGCTG(TG)GT(CA)AT(CG)CTCTT−3’
(2)5’−GGGGATATCCACCATG(AG)ACTTCGGG(TC)TGAGCT(TG)GGTTTT−3’
(3)5’−GGGGATATCCACCATGGCTGTCTTGGGGCTGCTCTTCT−3’
マウス抗体の重鎖可変領域のための3’プライマー:
5’−GAC(ACT)CATGGGG(CG)TGT(TC)GTGCTAGCTG(AC)(AG)GAGAC(AGT)GTGA−3’
マウス抗体の軽鎖可変領域のための5’プライマー:
(1)5’−GGGGATATCCACCATGGAGACAGACACACTCCTGCTAT−3’
(2)5’−GGGGATATCCACCATGGATTTTCAAGTGCAGATTTTCAG−3’
(3)5’−GGGGATATCCACCATGGAG(AT)CACA(GT)(AT)CTCGGGTCTTT(GA)TA−3’
(4)5’−GGATATCCACCATG(GT)CCCC(AT)(AG)CTCAG(CT)TC(CT)CT(TG)GT−3’
(5)5’−GGGGATATCCACCATGAAGTTGCCTGTTAGGCTGTTG−3’
マウス抗体の軽鎖可変領域のための3’プライマー:
5’−GGATACAGTTGGTGGTGCAGTCGACTTACGTTT(GT)GTTTCA(AG)CTT−3’
重/軽鎖の可変領域をコードしている遺伝子(VHおよびVL)の配列は配列番号1および配列番号2と呼ばれ、それらのアミノ酸配列は各々、配列番号3および配列番号4と呼ばれている。
抗ヒト肝臓癌McAb HAb18のFabをコードしている遺伝子のクローニングおよび発現:
Fabの相対分子量は約50,000である。Fab断片は良好な侵入および薬物動力学特性を有し、そして多くの疾患の診断および治療に広く使用されてきた。本実施例において、McAb HAb18のFab断片をコードしている遺伝子は、大腸菌中でクローン化および発現させた。
1.材料および方法
1.1材料
マウス抗ヒト肝臓癌McAb HAb18(IgG1)を産生しているマウスハイブリドーマ細胞株は、通常の細胞融合技術(Zhinan Chen,Yanfang Liu,Jizheng Yangら、McAb Communications,1989;2:33−36)を使用することにより得た。Trizol試薬(Gibco BRL)および逆転写キット(Promega,USA)を使用した。発現ベクターpComb3および大腸菌形質転換受容性細胞JM109およびXL1−blueは市販品を購入した。Tベクター、PCR試薬、制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼはTakara(大連、中国)から購入した。McAb HAb18およびHRP−HAb18は発明者が作製した(Zhinan Chen,Yanfang Liu,Jizheng Yangら、McAb Communications,1989;2:33−36)。IPTG−、FITC−およびHRP−標識ヤギ抗マウスIgGはSABC Co.から購入した。肝臓癌細胞株HHCCはFMMUのCell Engineering Researching Centerで維持および培養された。PCRのためのプライマーはSBC(北京、中国)により合成され、以下の配列を有している:
Fd 5’プライマー:5’−AAG TGA AGC TTC TCG AGT CTGG−3’、Fd 3’プライマー:5’−AGG CTT ACT AGT ACA ATC CCT GGG CAC AAT−3’。軽鎖5’プライマー:5’−GAT GTG AGC TCG TGA TGA CCC AGA CTC C−3’、軽鎖3’プライマー:5’−GCG CCG TCT AGA ATT AAC ACT CAT TCC TGT TGA A−3’。下線配列は各々、XhoI、SpeI、SacIおよびXbaIの制限部位を示している。
1.2 方法
1.2.1 HAb18 McAbのFab遺伝子のクローニング
全RNAは、Trizol試薬を使用し、McAb HAb18を分泌しているハイブリドーマ細胞から抽出し、cDNAへ逆転写した。cDNAは、Fdおよび軽鎖遺伝子を増幅するための鋳型として使用した。PCR生成物はアガロースゲルで精製し、別々にpMD18−T内へクローン化して、pMD18−T/FdおよびpMD18−T/Lベクターを構築した。ベクターで大腸菌JM109を形質転換した後、陽性クローンをスクリーニングし、次ぎに配列決定した。
1.2.2 HAb18 Fab発現ベクターの構築
発現ベクターpComb3およびクローニングベクターpMD18−T/Lを制限エンドヌクレアーゼSacIおよびXbaIで消化した。陽性クローンは、ゲル精製消化断片の連結および形質転換後に選択し、制限分析により確認した。得られた軽鎖発現ベクターpComb3/LおよびクローニングベクターpMD18−T/Fdは制限エンドヌクレアーゼXhoIおよびSpeIで各々消化した。Fab展示(display)発現ベクターpComb3/Fd−gIII−Lは、ゲル精製消化断片の連結、形質転換、選択および確認後に得られた。最後に、ベクターpComb3/Fd−gIII−Lを、制限エンドヌクレアーゼ酵素SpeIおよびNheIで切断してgIII遺伝子断片を除去し、次に、T4 DNAリガーゼで環化し、新規分泌性発現ベクターpComb3/Fd−Lを発現させた。所望のクローンを、形質転換、スクリーニングおよび制限分析後に得た。
1.2.3 Fab遺伝子の発現
正しい組換えクローンの単一コロニーを、100mg/Lのアンピシリンを含んでいる2mLのSB−A培地に別々に接種し、37℃で一夜増殖させた。2日目、培養液を1:100の比でSB−A培地へ移した後、A600が0.4−0.6の間になるまで37℃で維持した。IPTGを、1ミリモル/Lの最終濃度になるように加えた。培養液は次に、37℃で一夜維持した。細胞を遠心分離し、上清を、凍結および融解を繰り返した後に回収した。
1.2.4 Fab発現のサンドイッチELISA検出
ELISAプレートをヤギ抗マウスIgG(10mg/L)で被覆し、次に4℃で一夜インキュベートし、すべてのウェルをブロックするために脱脂乳(50g/L)を使用して非特異的結合を防止した。1時間のブロッキングの後、非形質転換細菌、非誘導pComb3/Fd−L形質転換体、および誘導pComb3/Fd−L形質転換体の上清を加えた。McAb HAb18を陽性対照として、およびPBSを空対照として使用した。最後に、ヤギ抗マウスIgG−HRPを、基質としてのTMBとともに加え、発色させた。
1.2.5 発現生成物の抗原結合活性の検出
1)間接ELISA
マイクロタイタープレートのウェルを精製GSTおよび原核生物発現生成物GST−HAb18GE(肝臓癌付随抗原HAb18Gの細胞外ドメインとGSTの融合物)で被覆した。非形質転換細菌、非誘導形質転換体、および誘導形質転換体の上清を検出した。McAb HAb18を陽性対照として、およびPBSを空対照として使用した。
2)競合ELISA
マイクロタイタープレートのウェルを、精製GST−HAb18GEを用い、4℃で一夜被覆し、ウェルを50g/Lの脱脂乳でブロックした。次に、等量のHRP−HAb18(0.1mg/L)および異なった希釈の誘導形質転換体上清の混合物を加えた。インキュベーションおよび洗浄後、発色させるためにTMBを使用した。A450を測定し、そして阻害比率を計算した。%阻害=[(対照群のA450−阻害群のA450)/対照群のA450]x100%。
3)免疫蛍光染色
抗原HAb18Gを高度に発現するHHCCの細胞懸濁液を調製した。HHCC懸濁液の濃度は5x109−1x1010細胞/mLに調節した。HAb18 Fabをウマ血清で希釈し、そして次にHHCC懸濁液へ加え、4℃で30分インキュベートした。細胞を2回洗浄し、FITC結合化ウサギ抗マウスIgGを次に加え、そして4℃で30分インキュベートした。2回洗浄後、細胞を固定およびマウントし、その後蛍光顕微鏡下で観察した。この実験において、陽性対照としてMcAb HAb18、空対照としてPBS、および陰性対照として抗脳炎ウイルスMcAbを使用した。
2 結果
2.1 Fab遺伝子の増幅および発現ベクターの構築
McAb HAb18のFdおよび軽鎖をコードしている遺伝子は、各々、FdのためのFd5’および3’プライマー、および軽鎖のための5’および3’プライマーを使用するRT−PCRにより増幅した。増幅生成物は10g/Lアガロースゲルにより分離した。期待されるように、両方の生成物が660bpの長さであった(図2)。次に、McAb HAb18のFdおよび軽鎖をコードしている遺伝子をpMD−18−T内にクローン化し、そして配列決定した。配列分析は、重鎖および軽鎖の可変領域をコードしている遺伝子(VHおよびVL)の配列は、実施例1でクローン化したHAb18はB18の可変領域の配列と同一であったことを示した。CH1はIgG1に属しており、およびCLはκに属している。組換えベクターpComb3/Fd−Lの構築は図3に示されている。制限分析は、問題とする遺伝子断片(約660bp)はベクターpComb3中に1コピーで挿入されていることを示した(図4)。
2.2 Fabの発現および同定
サンドイッチELISA検出は、IPTG誘導後に、組換えベクターpComb3/Fd−LによりFabが発現されたことを示した(表1)。間接ELISAからの結果はまた、発現されたFabは肝臓癌付随抗原HAb18Gの細胞外ドメインと特異的に結合できることを示した(表1)。競合ELISAはさらに、発現されたFabはHAb18とその特異的抗原の結合を競合的に阻害できたことを示した。阻害比率は、発現された生成物濃度の減少とともに減少した(図5)。免疫蛍光染色は、発現されたFabは肝臓癌細胞株HHCCと特異的に結合できるが(図6A)、しかし、蛍光強度は陽性対照よりも弱いことを明らかにした(図6B)。陰性対照では免疫蛍光染色は観察されなかった(示されてはいない)。
キメラヒト/マウスFab抗体のための汎用性発現ベクターの構築およびヒト肝臓癌付随抗原HAb18Gに対するキメラFab抗体の発現:
HAb18 McAbは、ヒト肝臓癌付随抗原HAb18G/CD147に対して高い特異性および親和性を有するマウスモノクローナル抗体である。マウス抗体は、in vivoにおいて異なった程度でヒト抗マウス抗体(HAMA)反応を開始することができ、それは治療効力を弱めるであろうし、毒性を生み出し、そして抗体を排出する器官に損傷を与える。加えて、その乏しい侵入能力のため、血液および非腫瘍組織における大きな抗体分子のクリアランスは相対的により遅く、より低いT/NT比を導き、それが前記抗体のさらなる応用を制限している。これらの欠点を克服するため、低い免疫原性および高いT/NT比を有する新しい型の遺伝子工学抗体を開発する必要がある。キメラFabの相対分子量(Mr)は約50,000であり、in vivoにおけるより良好な侵入および薬物動力学的特性を可能にしている。そして、それは多様な疾患の診断および処置に使用されてきた。この実施例においては、実施例2に従って構築されたFab抗体から出発し、HAMA応答を大いに減少させるため、マウスmCH1/mCLをhuCH1/huCLで置き換えることにより、部分ヒト化Fab抗体を構築した。
1.材料および方法
1.1 材料
ヒトIgG3CH1およびκ軽鎖定常領域遺伝子を含んでいるベクターpComb3/HuFabはWen博士、生化学部、FMMU、中国、から親切にも提供された。各々、McAb HAb18(IgG1)Fdおよび全軽鎖を含んでいる、TベクターpMD18T−FdおよびpMD18T−Lは発明者により構築された。発現ベクターpComb3および大腸菌形質転換受容性細胞JM109およびXL1−blueは購入した。Tベクター、PCR試薬、制限エンドヌクレアーゼおよびリガーゼはTakara(大連、中国)から購入した。McAb HAb18、キメラHAb18IgGおよびHRP−HAb18は発明者が作製した(Zhinan Chen,Yanfang Liu,Jizheng Yangら、McAb Communications,1989;2:33−36)。IPTG−、FITC−およびHRP−標識ヤギ抗マウスIgGはSABC Co.から購入した。肝臓癌細胞株HHCCはFMMUのCell Engineering Researching Centerで維持および培養された。PCRのためのプライマーはSBC(北京、中国)により合成され、以下の配列を有している:
MVHback 5’−AAG TGA AGC TTC TCG AGT CTG G−3’
MVHfor 5’−GGG GAT ATC TGC AGA GAC AGT GAC−3’
HuCH1back 5’−GGG GCT CGA GTT GAT ATC TCC ACC AAG GGC CCA TCG GTC−3’
HuCH1for 5’−GCA TGT ACT AGT TTT GTC ACA AGA TTT GGG−3’
MVLback 5’−CAG ATG TGA GCT CAG TAT TGT GAT GAC CCA GAC TCC−3’
MVLfor 5’−GGG GTC GAC GTT TTA TTT CCA ACT TTG T−3’
HuCLback 5’−GTT CC AGC TCA AGT CGA CCT GTG GCT GCA CCA TCT GTC−3’
HuCLfor 5’−GCG CCG TCT AGA ATT AAC ACT CTC CCC TGT TGA AGC TCT TTG TGA CGG GCG AAC TCA GGC CC−3’
プライマー中の下線配列は各々、XhoI、EcoRV、XhoI、EcoRV、SpeI、SacI、SalI、SacI、SacIおよびXbaIの制限部位である。
1.2 方法
1.2.1 キメラヒト/マウスFab抗体のための汎用性発現ベクターの構築
ベクターpComb3/HuFabは、ヒトIgG3CH1およびκ軽鎖定常領域遺伝子を増幅するための鋳型として使用した。プライマー対HuCH1backおよびHuCH1for、およびHuCLbackおよびHuCLforを各々使用した。PCR反応生成物を精製し、そしてゲル精製キットにより回収し、続いてベクターpMD18−T内へライゲートしてクローニングベクターpMD18−T/HuCH1およびpMD18−T/HuCκを構築した。ベクターで大腸菌JM109を形質転換した後、制限分析によりスクリーニングされた陽性クローンを配列決定した。発現ベクターpComb3およびクローニングベクターpMD18−T/HuCκを制限エンドヌクレアーゼSacIおよびXbaIで切断した。所望の断片をアガロースゲル電気泳動で分離し、そしてライゲートした。ライゲーションおよび形質転換により発生させたpComb3/HuCκ陽性クローンを選択し、制限分析により同定した。次に、ベクターpComb3/HuCκおよびクローニングベクターpMD18−T/HuCH1をXhoI+SpeIにより切断し、所望の断片をライゲートした。ライゲーション、形質転換、選択および同定後、キメラFab展示汎用性ベクターpCom3Cが構築された。
1.2.2 HAb18cFab発現ベクターの構築
McAb HAb18の重鎖および軽鎖可変領域遺伝子VHおよびVLは、各々、ベクターpMD18T−FdおよびpMD18T−Lを鋳型として使用し、対応するプライマー対MVHbackおよびMVHfor、またはMVLbackおよびMVLforにより増幅した。対応する制限部位も同時に組み入れた。次に、発現ベクターpComb3C、およびゲル精製キットにより精製および回収した、MAb HAb18の重鎖可変領域遺伝子のPCR増幅生成物をSacI+SalIで切断した。アガロースゲルによる所望の断片の精製、連結、形質転換のごとき遺伝子操作を通して、pComb3C/cL陽性クローンを選択し、制限分析により同定した。次に、構築したpComb3C/cL、およびゲル精製キットにより精製および回収した、MAb HAb18の軽鎖可変領域遺伝子のPCR増幅生成物をXhoI+EcoRVで切断した。ライゲーション、形質転換、選択および同定過程後、キメラFab展示ベクターpComb3C/cFab−gIIIが構築された。正しい組換えpComb3C/cFab−gIII中のgIII断片をSpeI+NheIで切断し、次にT4 DNAリガーゼにより、分泌発現ベクターpComb3C/Fabへ環化した。上記形質転換、選択および制限分析による同定を繰り返すと、所望のクローンを得た。
1.2.3 cFab遺伝子の発現
同定された正しい組換え体クローンを含んでいる個々のクローンを100mg/Lのアンピシリンを補給した2mLのSB−A培地にまき、37℃で一夜培養した。次の日、培養液を1:100で新鮮なSB−A培地へまき、A600が0.4−0.6の間になるまで37℃で培養した。IPTGを、1ミリモル/Lの最終濃度になるように加え、細胞を37℃で一夜培養した。細胞を遠心分離し、上清を、凍結および融解を繰り返した後に回収した。
1.2.4 cFab発現のサンドイッチELISA検出
ELISAプレートをヤギ抗マウスIgG(10mg/L)で被覆し、次に4℃で一夜インキュベートし、すべてのウェルをブロックするために脱脂乳(50g/L)を使用して非特異的結合を防止した。1時間のブロッキングの後、非形質転換細菌、非誘導pComb3/cFd−L形質転換体、および誘導pComb3/cFab形質転換体の上記上清を加えた。HAb18IgGを陽性対照として、およびPBSを空対照として使用した。最後に、ヤギ抗ヒトIgG−HRPを、基質としてのTMBとともに加え、発色させた。
1.2.5 発現生成物の抗原結合活性の検出
1)間接ELISA
マイクロタイタープレートのウェルを精製GSTおよび原核生物発現生成物GST−HAb18GE(肝臓癌付随抗原HAb18Gの細胞外ドメインとGSTの融合物)で被覆した。非形質転換細菌、非誘導形質転換体、および誘導形質転換体の上清を検出した。HAb18IgGを陽性対照として、およびPBSを空対照として使用した。
2)競合ELISA
マイクロタイタープレートのウェルを、精製GST−HAb18GEを用い、4℃で一夜被覆し、ウェルを50g/Lの脱脂乳でブロックした。次に、等量のHRP−HAb18(0.1mg/L)および異なった希釈の誘導形質転換体上清の混合物を加えた。インキュベーションおよび洗浄後、発色させるためにTMBを使用した。A450を測定し、そして阻害比率を計算した。%阻害=[(対照群のA450−阻害群のA450)/対照群のA450]x100%。
3)免疫蛍光染色
抗原HAb18Gを高度に発現するHHCCの細胞懸濁液を調製した。HHCC懸濁液の濃度は5x109−1x1010細胞/mLに調節した。HAb18 Fabをウマ血清で希釈し、そして次にHHCC懸濁液へ加え、4℃で30分インキュベートした。細胞を2回洗浄し、FITC結合化ウサギ抗マウスIgGを次に加え、そして4℃で30分インキュベートした。2回洗浄後、細胞を固定およびマウントし、その後蛍光顕微鏡下で観察した。この実験において、陽性対照としてHAb18IgG、空対照としてPBS、および陰性対照としてヒトIgGを使用した。
2.結果
2.1 キメラヒト/マウスFab抗体のための汎用性発現ベクターの構築
2つのプライマー対、各々、HuCH1backおよびHuCH1for、およびHuCLbackおよびHuCLforを使用し、所望の遺伝子が首尾よく増幅され、それは期待されたサイズを有していた。それらをTベクター内へクローン化した後、配列分析は、これらの遺伝子が既知のヒトIgG3CH1遺伝子およびヒトκ軽鎖定常領域遺伝子と完全に同一であったことを示した。これらの遺伝子は、各々、324bpおよび333bpの長さであった。また、正しい制限部位が組み入れられていた。組換え汎用性発現ベクターpComb3Cの制限分析は、IgG3CH1遺伝子およびヒトκ軽鎖定常領域遺伝子は、ベクターpComb3の対応する制限部位へ正しく挿入されていたことを示した(図7)。
2.2 HAb18cFab遺伝子発現ベクターの構築
2つのプライマー対、各々、HuCH1backおよびHuCH1for、およびHuCLbackおよびHuCLforを使用し、期待されたサイズを有する所望の遺伝子を増幅した。組換え発現ベクターpComb3C/cFabは、ベクターおよび対応する遺伝子の切断およびライゲーションにより構築した(図8)。制限分析は、所望の遺伝子断片が、ベクターpComb3Cの対応する制限部位へ正しく挿入されていたことを示した(図9)。配列分析は、キメラFd中の重鎖可変領域(VH)配列およびキメラ軽鎖中の軽鎖可変領域(VL)配列が、McAb HAb18の可変領域のクローン化配列と同一であったことを示した。対応する制限部位もまた、適切に組み込まれていた。その間に、マウスVHおよびVLは各々、EcoRVおよびSalIの制限部位を通して、ヒトIgG3CH1およびκ軽鎖定常領域と正しくライゲートされていた。読み取り枠は正確であった。
2.3 cFabの誘導発現および同定
サンドイッチELISA検出は、IPTG誘導後に、組換えベクターpComb3C/cFabによりcFabが発現されたことを示した(図10)。間接ELISAからの結果もまた、発現されたcFabがHAb18Gの細胞外ドメインと特異的に結合できることを示した(図11)。免疫蛍光染色は、発現されたcFabは肝臓癌細胞株HHCCと特異的に結合できたが(図12A)、しかし蛍光強度は陽性対照よりも弱かったこと(図12B)を示した。陰性対照においては、免疫蛍光染色は観察されなかった(示されてはいない)。
RT−PCRにより増幅された、抗ヒト肝臓癌McAb HAb18の重/軽鎖可変領域遺伝子のアガロースゲル電気泳動。A、DL−2000マーカー;B、McAb HAb18の重鎖可変領域遺伝子;C、McAb HAb18の軽鎖可変領域遺伝子。 抗ヒト肝臓癌McAb HAb18 Fab遺伝子のPCR−増幅生成物のアガロースゲル電気泳動分析。1、DL−2000マーカー;2、Fd遺伝子、3、軽鎖遺伝子。 Fab発現ベクターの構築ダイアグラム。 組換え発現ベクターpComb3/Fd−Lの制限分析。1、pComb3/Fd−L/XhoI+SpeI;2、pComb3/Fd−L/SacI+XbaI;3、pComb3/Fd−gIII−L/SpeI+NheI;4、pComb3/Fd−L/SpeI+NheI。 FabおよびHAb18と対応する抗原との結合活性のための競合ELISAアッセイ。 McAb HAb18およびそのFab断片と肝臓癌細胞株HHCCとの反応性の免疫蛍光検出。A、HAb18 Fabを使用した免疫蛍光染色;B、HAb18を使用した免疫蛍光染色。 組換え発現ベクターpComb3Cの制限分析。M、DNAマーカー;1、ヒトIgG3CH1;2、ヒトκ鎖定常領域;3、pComb3C/Xho□+SpeI;4、pComb3C/SacI+XbaI;5、pComb3C/EcoR□+SalI。 キメラFab遺伝子(cFab)を含んでいる発現ベクターの構築。 組換えcFab発現ベクターpComb3C/cFabの制限分析。M、DNAマーカー;1、VH;2、VL;3、pComb3C/cFab−gIII/XhoI+SpeI;4、pComb3C/cFab−gIII/EcoR□+SpeI;5、pComb3C/cFab−gIII/SacI+XbaI;6、pComb3C/cFab−gIII/SalI+XbaI;7、pComb3C/cFab−gIII/SpeI+NheI。 cFab結合アッセイのためのELISAアッセイ。1、空ベクターで形質転換した細菌溶解物の上清;2、pComb3で形質転換した細菌溶解物の上清、誘導前;3、pComb3C/cFabで形質転換した細菌、誘導後;4、キメラHAb18IgG;5、PBS。 cFabおよびHAb18と対応する抗原との結合活性の競合ELISA検出。 キメラHAb18IgGおよびそれから誘導されたcFabと肝臓癌細胞株HHCCとの反応性の免疫蛍光検出。A、HAb18 cFabを使用した染色;B、キメラHAb18IgGを使用した染色。
【配列表】

Claims (13)

  1. 配列番号1の配列、または厳密な条件下で配列番号1とハイブリダイズ可能な配列を有する抗ヒト肝臓癌モノクローナル抗体HAb18重鎖可変領域遺伝子。
  2. 配列番号3の配列を含んでいる、請求項1に記載の遺伝子によりコードされたポリペプチド。
  3. 配列番号2の配列、または厳密な条件下で配列番号1とハイブリダイズされた配列を有する抗ヒト肝臓癌モノクローナル抗体HAb18軽鎖可変領域遺伝子。
  4. 配列番号4の配列を含んでいる、請求項3に記載の遺伝子によりコードされたポリペプチド。
  5. 請求項1または請求項3に記載の遺伝子を含んでいる発現ベクター。
  6. 請求項5に記載の発現ベクターにより形質転換された、またはトランスフェクトされた宿主細胞。
  7. 請求項1に記載の重鎖可変領域遺伝子、および請求項3に記載の軽鎖可変領域遺伝子を含んでいる組換えFab遺伝子。
  8. ベクターがpComb3/Fd−Lである請求項7に記載の組換えFab遺伝子を含んでいる発現ベクター。
  9. 請求項8に記載の発現ベクターの発現により産生される、組換えFab抗体。
  10. 請求項1に記載の重鎖可変領域遺伝子、および請求項3に記載の軽鎖可変領域遺伝子を含んでいるキメラヒト/マウスFab遺伝子。
  11. ベクターがpComb3C/cFabである請求項10に記載のキメラヒト/マウスFab遺伝子を含んでいる発現ベクター。
  12. 請求項11に記載の発現ベクターの発現により産生される、キメラヒト/マウスFab抗体。
  13. 肝臓癌の診断または処置のための医薬製造における、請求項1または3に記載の遺伝子の使用。

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