JP2005535634A - Flt−1に対する抗体の骨粗鬆症の処置のための使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は胎盤成長因子レセプターおよびそのシグナリングのアンタゴニスト、かかるアンタゴニストを含有する医薬組成物、ならびに脊椎動物、特にヒトを含む哺乳動物に於ける骨または骨量の減少を予防するための、および低骨量および/または骨欠損が存在する状態の処置を包含する骨治癒促進のためのかかるアンタゴニストの使用に関する。
Description
本発明は胎盤成長因子レセプターおよびそのシグナリングのアンタゴニスト、かかるアンタゴニストを含有する医薬組成物、ならびに脊椎動物、特にヒトを含む哺乳動物に於ける骨または骨量の減少を予防するための、および低骨量および/または骨欠損が存在する状態の処置を包含する骨治癒促進のためのかかるアンタゴニストの使用に関する。
骨粗鬆症は、低骨量および骨組織の衰退を特徴とし、結果として骨が脆弱化して骨折し易くなることを特徴とする全身性の骨疾患である。米国では年間2500万人以上のヒトがこの病気に罹り、毎年脊椎500、000例、股関節250、000例および手関節240、000例を含む130万例上の骨折を引き起こしている。骨粗鬆症で予後が最も悪いのは股関節骨折であり、1年以内に患者の5〜20%が死亡し、生存者の50%以上が運動不能となっている。高齢者が最も骨粗鬆症のリスクが高く、従ってこの問題は人口の高齢化に伴いますます重要になると思われる。全世界の骨折頻度は今後60年間に3倍に増加すると予想されており、ある研究では2050年の全世界での股関節骨折は450万例に達すると予測している。女性は男性よりも骨粗鬆症のリスクが高い。女性は閉経後5年間で急速な骨量の減少を経験する。リスクを上げるその他因子としては、喫煙、アルコール中毒、座りがちのライフスタイル、およびカルシウム摂取不足が挙げられる。現在、骨粗鬆症の処置には主に2つのタイプの薬物治療がある。第一は、抗吸収化合物を用いて骨組織の吸収を減らすものである。エストロゲンは抗吸収剤の1例である。エストロゲンが骨折を減らすことが知られている。更にBlackらはEP 0605193A1の中でエストロゲンが、特に経口摂取された場合に、LDLの血漿レベルを下げ、有利な高密度リポタンパク質(HDL)の血漿レベルを増加すると報告している。しかし、エストロゲンは既に骨粗鬆症を起こした骨格を若年成人レベルに戻すことはできない。さらに長期間のエストロゲン治療は、子宮癌、子宮内膜癌、およびおそらくは乳ガンのリスク増加を含む様々な障害に関係しているために、多くの女性がこの治療法を避けている。エストロゲン治療には重大な有害作用を伴うことから、血清LDLに対し有益な効果を示す一方で、有害な作用を持たない骨粗鬆症代替治療法の開発が求められている。骨粗鬆症に関する第二の医薬治療はアナボリック剤を用いて骨形成を促進し、骨量を増やすことである。数多くの骨粗鬆症治療法が存在するが、当技術分野では依然として骨粗鬆症の代替治療法が求められ、研究が続けられている。更に、骨折を治癒する治療方法も求められている。また、例えば骨内の腫瘍が原因となるか又は作り出す欠損などの欠損が存在する骨格領域内に骨再増殖を促すことができる治療方法も求められている。さらに、副作用がより少ない、より安全な治療方法も求められている。当技術分野では、破骨細胞の活性化のメカニズムに焦点を当てた研究が幾つかある。例えばNiidaら(1999年)は、血管内皮増殖因子(VEGF)が破骨細胞の動員に正の活性を有していることを示した。胎盤増殖因子(PIGF)は興味深いVEGF相同体の一つであるが、骨でのその役割に関する研究は少ない(Persico M.G.ら、1999年、Curr Top Microbiol Immunol 237、31〜40)。米国特許第5、919、899号はPIGFおよび炎症性疾患、創傷および潰瘍の処置におけるその使用を記載している。PIGFに結合する抗体および4量体ペプチド、またはPIGF−レセプターに結合する抗体といった、PIGFシグナリングのインヒビターが幾つか当分野では知られており、WO 01/85796に開示されている。Matsumoto Yらも(2001年)はカリフォルニア州、サンフランシスコで2月25〜28日に開催された47回年次会合、Orthopaedic Research Societyにて、VEGFがFlt−1−P13K−FAK経路を介して破骨前駆細胞の走化性を刺激することを報告している。しかし後者の結果はin vitroで行われたものであることから、抗Flt−1抗体がin vivoにおいて骨粗鬆症の予防に使用できるかについては何も示していない。本発明は、PIGFレセプターのアンタゴニストが、骨粗鬆症などの骨吸収障害を抑制する医薬の製造に使用できるという驚くべき発見に関係する。
本発明の目的は、皮質骨塩密度の低下を示す高等哺乳動物の骨粗鬆症を処置し、かかる哺乳動物での皮質骨塩密度の低下による骨粗鬆症を予防するための医薬を提供することである。発明の別の目的は、前記目的の達成に有用な医薬組成物を提供することである。我々のこれまでの研究では、PIGF遺伝子は胚性幹(ES)細胞では相同的組換えによりマウスゲノム内で不活性化された(Carmeliet P.、2000年、J.Pathol.190、387〜405、Carmeliet P.、1999年、Curr.Interv.Crdiol.Reports 1、322〜335およびCarmeliet PとCollen D.、1999年、Curr.Top.Microbiol.Immuno.237、133〜158)。PIGF(PIGF-/-)欠損マウスは生存可能であるが不稔であり、顕著な骨欠損を示さない。しかし本発明で、これらPIGF KOマウスの骨の組織形態、骨リモデリングおよび生化学分析を注意深く検証したところ、PIGFが骨吸収のプロセスに於いて予想外の役割を果たしていることが示された。PIGFの欠損が骨吸収の低下、低い骨の代謝回転および骨梁の骨量増加をもたらすことが示された。即ち、本発明はPIGFレセプターアンタゴニストが骨障害処置用の、より具体的には例えば骨粗鬆症などの骨吸収が亢進している状態の処置用の医薬の製造に使用できることを示している。本発明では、PIGFレセプターアンタゴニストはPIGFレセプター(VEGF−レセプター1(VEGFR−1)とも、またはFlt−1レセプターとも呼ばれる)に結合する分子として定義され、上記アンタゴニストはPIGFのそのレセプター(VEGF−レセプター1またはFlt−1)への結合を妨害でき、そして上記アンタゴニストは上記レセプターのシグナル伝達を妨害できる。好適実施態様では、上記アンタゴニストはVEGFR−1と結合できる抗体であり、この場合上記抗体はVEGFR−1のシグナル伝達を阻害できる。上記の候補/試験抗体をスクリーニングするためには、例えばVEGFR−1を発現する細胞株を用いて、シグナル伝達を、参照として本明細書に組み込まれるWO 01/85796に詳しく記載されているようにモニタリングする。上記モニタリングは、通常の生化学的技術を用い実施できる。触媒活性の活性化もしくは抑制、他のタンパク質のリン酸化(例えばレセプターの細胞内ドメインのチロシンリン酸化)もしくは脱リン酸化、セカンドメッセンジャー産生の活性化もしくは調節、細胞内イオンレベルの変化、シグナリング分子の会合、解離もしくは移動、または特定遺伝子の転写もしくは翻訳などのほかの応答もモニタリングしてもよい。これらのアッセイは、スクリーニングの過程で、これらの目的に合わせ開発された通常技術を用いて行われてもよい。PIGFのその細胞レセプターFlt−1への結合の阻害は、シグナル伝達経路を介して様々な細胞プロセスに影響を及ぼす。VEGFR−1/PIGFシグナリング経路の制御下にある細胞プロセスとしては、正常な細胞機能、増殖、分化、細胞形態の維持および接着、更には制御不能な細胞増殖、接触阻害の消失、分化の阻止もしくは細胞死といった異常または潜在的に有害であるプロセスを挙げることができるが、もとよりこれらに限定されない。当分野周知の技術による上記細胞プロセスのいくつかの定性的または定量的な観察および測定は、スクリーニング工程でのシグナル伝達のスコア化手段として有利に用いられるだろう。
即ち、実施態様の一つでは、本発明は骨吸収障害を処置する医薬の製造のための、PIGFのレセプターアンタゴニスト、特にVEGFR−1に対する抗体の使用を提供する。PIGFレセプターに対する抗体などのアンタゴニストは、上記骨吸収障害での骨吸収を抑制できる。具体的な実施態様の一つでは、上記骨吸収障害は骨粗鬆症である。「抑制」とした場合は、骨吸収の抑制が少なくとも20%、30%、30%、50%、60%、70%、80%、90%または100%起こり得ると理解するものとする。分子としては、好ましくは抗体を意味する。用語「抗体」は、PIGFレセプター(Flt−1とも表すことがあるVEGFR−1)またはその任意の機能的誘導体を特異的に認識することを特徴とする抗体であり、上記抗体がモノクローナル抗体であることが好ましい;あるいはその抗原結合フラグメント、F(ab’)2、F(ab)もしくは単鎖Fv型、またはそれらに由来するいずれかのタイプの組換え体抗体に関する。好ましくは、これら抗体は、VEGFR−1またはその機能的誘導体に対して作製された特異的ポリクローナル抗血清を含めて、他のタンパク質に対し交叉反応性を持たない。例えば、モノクローナル抗体は、VEGFR−1またはその機能的誘導体に対して感作されたある動物、特にマウスまたはラットの脾臓細胞とミエローマ細胞株の細胞より古典的方法に従って形成された、そして動物の感作に最初に使用したVEGFR−1またはその機能的誘導体を認識するモノクローナル抗体を作り出すハイブリドーマの能力から選別することができた、ハイブリドーマを用いて作ることができる。該モノクローナル抗体は、HおよびL鎖をコードするマウスおよび/またはヒトゲノムDNA配列から出発するか、あるいはHおよびL鎖をコードするcDNAクローンから出発して、組換え体DNA技術を用いて作製したヒト型のマウスモノクローナル抗体でもよい。あるいは、モノクローナル抗体はヒトモノクローナル抗体でもよい。かかるヒトモノクローナル抗体は、例えばPCT/EP99/03605に記載の重症複合免疫不全症(SCID)マウスでのヒトの末梢血リンパ細胞(PBL)の再増殖によるか、または米国特許第5、545、806号に記載のヒト抗体を作ることができるヒト以外のトランスジェニック動物を用いるかして作製される。これらモノクローナル抗体に由来するフラグメント、例えば、Fab、F(ab)’2およびssFv(「単鎖可変フラグメント」)もまた、その本来の結合特性を保持する限りにおいて、本発明の一部を成す。この様なフラグメントは一般には、例えば抗体をパパイン、ペプシンまたはその他プロテアーゼで酵素消化して作製される。様々な使用目的に合わせて、モノクローナル抗体またはそのフラグメントを修飾できることは、当業者に周知である。抗体はまた、酵素活性、蛍光性、または放射性の適当な標識でラベルすることもできる。当分野では骨粗鬆症を処置する医薬の製造に使用可能なFlt−1に対する抗体が複数知られている。骨粗鬆症の処置用の医薬の製造に関する本発明にも使用可能な抗Flt−1抗体としては、Lu D.ら(2001年) Cancer Res.61(19)7002)記載の抗体、およびFlt−1モノクローナル抗体(協和発酵工業株式会社、米国特許2003/0088075)を挙げることができる。別の具体的実施態様では、Flt−1に特異的な単鎖抗体が本発明の範囲で使用できる。この様なFlt−1特異的単鎖抗体の例が米国特許第5、874、542号(Imclone Systems Incorporated)に記載されている。
別の実施態様は、VEGFR−1に対するモノクローナル抗体の使用である。抗VEGFR−1抗体を作製する好適方法は、ラット、例えばLewisラット(Harlan Sprague-Dawley Inc.、インディアナポリス、インディアナ)に、マウスVEGFR−1フラグメント、例えばVEGFR−1の細胞外ドメインにFcフラグメントを融合させたもの(VEGFR−1−Fc)を皮下注射して初回抗原刺激(priming)するものである。好適アジュバント、例えば完全フロインドアジュバント(Sigma)で乳化させる。ラットにはブースターを腹腔内注射するが、この様なブースター注射は2〜3週間の間隔で4回VEGFR−1−Fcを100mg用いて行うのが好ましい。組換え体ヒトsVEGFR−1−FcおよびマウスsVEGFR−1−FcはR&D Systems (ミネアポリス、ミネソタ、USA)より入手できる。例えばVEGF/VEGFR−1−Fcブロッキングアッセイに於いて、最も高いブロッキング抗体力価を示したラットを、同様のVEGFR−1抗原(例えば、Flt−FC)を用いて、好ましくは約50mgの用量を用いて、静脈注射で継続して追加免疫させる。約5日後脾臓細胞を採取し、マウスミエローマ細胞、好ましくはP3−X63−Ag8.653細胞と融合させる。ハイブリドーマ作製およびサブクローニングは、当業者が現在使用可能である標準的プロトコールに従い実施した。抗VEGFR−1抗体を分泌するハイブリドーマは、例えばELISAに於いて可溶性VEGFR−1−Fcとは結合するが、Fcタンパク質単独とは結合しないものを選別できる。次に抗VEGFR−1抗体を、下記のようなVEGFR−1−Fc/リガンド結合の阻害のために選択できる。抗VEGFR−1抗体の結合動態(binding kinetics)は、バイオコアバイオセンサー(Pharmacia Biosensor)を用い測定できる。次に抗VEGFR−1抗体を好適培地、例えば無血清培地中にハイブリドーマ細胞を培養して作製することができ、条件培地から、例えば多段階のクロマトグラフィー工程により抗VEGFR−1を精製することができる。純度評価は、一般にはSDS−PAGEおよび可溶性VEGFR−1レセプターを用いたELISAでの免疫反応度から行われる。比較のための陰性コントロールには、ラットIgGが利用できる。抗体のタンパク質濃度は一般にはBCA法を用い決定する。VEGFR−1リガンドのそれらのレセプターへの結合を阻害するこのような抗VEGFR−1抗体の効率は、PIGFでコーティングされたプレートでのVEGFR−1/PIGFブロッキングアッセイで測定できる。各種濃度の抗VEGFR−1と一緒にプレインキュベーションしたVEGFR−1−アルカリホスファターゼ(AP)と、次に発色基質と、順次一緒にインキュベーションした後、405nmでのマクロタイタープレートリーディングによって結合度を測定することができる。VEGFR−1−アルカリホスファターゼ(AP)は、VEGFR−1の細胞外ドメインをヒト分泌アルカリホスファターゼに融合させることにより得られる。VEGFR−1レセプターへの抗VEGFR−1抗体の結合は、例えばマイクロタイタープレートをVEGFR−1−アルカリホスファターゼでコーティングし、次いで各種濃度の抗VEGFR−1と、次にヤギ抗ラットIgG−HRPと、次に発色基質と、順次一緒にインキュベーションし、マイクロタイタープレートリーダーで450nmを読取ることにより結合を定量化する標準的な結合アッセイで評価できる。
当技術分野では複数の抗VEGFR−1抗体が一般に公開されている。それらは、VEGFレセプター1抗体については、例えば、Abcam Inc.またはNovus BiologicalsのヒトVEGFレセプターに対するマウスモノクローナル抗体(ab9541)[Flt−1/ElC];Upstate Charlottesville、VA 22903 USAのペプチド(GSKLKDPELSLKGTQHIMQA)、ヒトFlt−1(VEGFR1)の残基26〜45に対する抗原特異性を持つ抗Flt−1(VEGFR1)(カタログ番号06−679);Genex Biosciencesの(GEA8021-2およびGEA8021-2);Research Diagnostics Inc、Flanders NJ 07836 USの(カタログ番号RDI−FLT1abrXおよびカタログ番号RDI−FLT1abrx−1);Chemicon International Temecula、CA 92590、USAのマウス抗ヒトFLT−1モノクローナル抗体(カタログ番号MAB1664)およびウサギ抗FLT−1アフィニティー精製ポリクローナル抗体(カタログ番号AB3128)、ならびにLab Vision Corporation、CA 94539 USAのヒトFlt−1/VEGFR1エピトープ特異的ウサギ抗体(カタログ番号RB−9049−P0、−P1、または−P、カタログ番号PB−9049−R7およびカタログ番号RB−9049−PCS)などがある。
モノクローナル抗体作製および精製:2,6,10,14−テトラメチルペンタデカン(例えばSigmaのPristane、0.5ml)を、Balb/c雌性マウス(6〜8週齢)に腹腔内注射できる。10〜20日後、クローン細胞(1×106〜107細胞)をPBSに分散させ、マウス内に腹腔内接種できる。7〜10日後、マウスを屠殺して腹部手術を行って、生じた腹水を収集することができる。その腹水は遠心分離にかけて不溶性物質を取り除き、上清を収集し、精製するまで−20℃に保管することができる。最終的に上記腹水の上清から、Hi-Trap Protein-A抗体精製キット(Pharmacia、ローセンダール、オランダより入手できる)を用いてIgGが精製できる。即ち、腹水(2ml)に液A(1.5Mグリシン、3MのNaCl、pH8.9、8ml)を加え、孔径45μmのフィルター(Millipore)で濾過する。その後、得られた濾過液を、溶液Aで十分平衡化したProtein Sepharose HP(Pharmacia製)が充填されたカラム(カラム容積:1ml)にかけて、カラムを10倍カラム保持量の液Aで洗う。続いてIgG分画を10倍カラム量の液B(0.1Mグリシン、pH2.8)で溶出する。溶出したIgG分画をPBSに透析する。モノクローナル抗体は、前記により得た精製抗体を用い、市販のサブクラス決定キット(商品名:Mono Ab−ID EIAキットA、Zymed製)を使用することにより、そのIgGサブクラスについて決定できる。この方法はELISA法に基づいている。
rPIGFのそのVEGFR1レセプターへの結合を完全に阻害できるモノクローナル抗体の阻害活性を試験する。これは、例えば96ウエルプレートを1μg/mlのrmFlt−1/FcキメラのPBSの100μlで一晩、室温でコーティングした免疫機能ELISAで測定できる。1時間、1%BSAのPBSでブロッキングした後、10ng/mlの組換え体mPIGF−2の70μlと一緒に2時間、室温にてプレインキュベーションしたハイブリドーマ培地70μlの混合液の100μlをプレートに加えた。20ng/ml〜156pg/mlの範囲(PBS−Tween.BSA−EDTAで希釈した)のrmPIGF−2標準を加えることができる。次にプレートを、1時間37℃および1時間室温でインキュベーションしてから5回PBS−Tweenで洗浄し、200ng/mlのビオチン化ヤギ抗マウスPIGF−2の100piを2時間、室温で適用させた。PBS−Tweenで5回洗浄した後、アビジン−HRP複合体100μl(Vectastorin ABCキット)を1時間室温で適用させた。PBS−Tweenで5回洗浄した後、プレートにクエン酸リン酸緩衝液pH5.0中のo−フェニレンジアミン90μlを用いて30分間発色させた後490nmで測定した。
動物が産生したモノクローナル抗体は、例えばヒト以外のモノクローナル抗体の結合相補性決定領域(“CDR”)をヒトフレームワーク領域−具体的にはヒト遺伝子の定常C領域−に、JonesらがNature(1986年)321: 522またはRiechmannがNature(1988年)332: 323に開示したようにして結合させるか、またはハイブリダイゼーションしてヒト化してもよい。
F(ab’)2または単価Fabフラグメントの調製に関する好適実施態様は、例えば次の通りである:F(ab’)2フラグメントを調製するために、モノクローナル抗体を一晩0.1ml/Lのクエン酸緩衝液(pH3.5)で透析できる。次に抗体(200部)をSigma(セントルイス、ミズーリ)より入手できるペプシン(1部)と1時間、37℃でインキュベーションして消化する。次に1MトリスHCl緩衝液(pH9)1容量を抗体10容量に加えて消化を停止する。単価Fabフラグメントは次のようなパパイン消化により調製できる:1Mリン酸緩衝液(pH7.3)1容量をモノクローナル抗体10容量に加え、次にパパイン(Sigma)1容量を、モノクローナル抗体、10mmol/LのL−システインHCl(Sigma)および15mmol/Lエチレンジアミン4酢酸(以下EDTAとする)を含有するリン酸緩衝液25容量に加える。3時間、37℃でインキュベーションした後、新たに調製した最終濃度30mmol/lのヨードアセトアミド溶液(Sigma)を加えて、混合液を暗所、室温にて30分間置いて消化を停止した。F(ab’)2およびFabフラグメントの両方を、プロテイン−A−セファロースを用いて、混在する未変性のIgGおよびFcフラグメントから精製できる。最後に精製フラグメントをリン酸緩衝化生理食塩水(ここでは以下PBSとする)で透析できる。フラグメントの純度は、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動により決定でき、そしてタンパク質濃度はビシンコニン酸Protein Assay ReagentA(Pierce、Rockford、Illinois)を用い測定できる。
特定の実施態様では、骨吸収を抑制するための本発明の治療方法は、亢進した骨吸収を抑制することについて当分野既知の他の治療方法と組み合わせても使用できることが明らかである。
用語「処置する医薬」は、前記疾患を処置する、上記の分子(アンタゴニスト)、好ましくはVEGFR−1に対する抗体と、医薬的に許容可能な担体または添加剤(両用語は同義的に使用できる)を含む組成物に関する。当業者に既知の好適担体又は添加剤は、生理食塩水、リンゲル液、デキストロース液、ハンクス液、固定油、エチルオレエート、5%デキストロース生理食塩水、等張性および化学安定性を高める物質、緩衝剤、および保存剤である。その他好適担体としては、それ自体が、タンパク質、多糖類、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、高分子アミノ酸、およびアミノ酸コポリマーなどの、組成物が投与された個体に対し有害な抗体の産生を誘導しない担体が挙げられる。「医薬」は当業の知識内のいずれかの好適方法によって投与されてもよい。好ましい投与経路は非経口である。非経口投与の場合、本発明の医薬は、医薬的に許容可能な上記添加剤と共に、液剤、懸濁剤または乳剤といった注射可能な単位投与形態に製剤化される。しかし、投与量および投与方法は個体によって決まる。一般には、医薬は本発明のタンパク質、ポリペプチド、ペプチドを1μg/kg〜10mg/kgの間、より好ましくは10μg/kg〜5mg/kgの間、最も好ましくは0.1〜2mg/kgの間の投与量を与える様に投与される。好ましくそれは一回のボーラス投与として与えられる。連続輸液を用いてもよく、それは浸透圧小型ポンプによる連続的皮下送達も包含する。その場合には、医薬を5〜20μg/kg/分、より好ましくは7〜15μg/kg/分の投与量で注入する。
特定の実施態様では、上記障害の処置用の医薬の製造のために、VEGF−R1に結合してそのシグナル伝達を中和する抗体またはその機能的フラグメントを使用できる。非限定例であるが、前記抗体はヒト化されていることが好ましく(Raderら、2000年、J.Biol.Chem.275、13668)、ヒト抗体を医薬として用いることがより好ましい。
以下実施例は発明の好ましい特徴をより完全に描くものであるが、いかなる形でも発明を制限するものではない。以下開示する原材料および試薬の全ては当業者既知のものであり、市販されているか、または周知技術を用いて調製することができる。
1.PIGFノックアウトマウスの骨表現型の試験
PIGF欠損マウスはCarmeliet Pら(2001年) Nature Medicine 7: 575〜583に記載されている。
PIGF欠損マウスはCarmeliet Pら(2001年) Nature Medicine 7: 575〜583に記載されている。
1.1 骨の組織形態計測
骨組織形態計測のため、既報(Daciら、J Bone Miner Res.2000年、15: 1510〜1516)の如く骨を処理した。簡単に述べると、骨を脱灰しないままメチルメタクリレートに包埋して、タングステンカーバイド性50°ナイフを装着したロータリーミクロトーム(RM2155、Leica、Heidelberg、Germany)を使って厚さ4μmの縦方向切片に切った。切片をVon Kossa法により染色して骨のミネラル化を評価した。脛骨骨端線基部(proximal tibial metaphysis)の大部分を含む標準化域内について、Kontron Image Analyzing System (Kontron Electronic、KS 400V 3.00、Eching bei Munchen、Germany)を用いて計測した。全パラメータはAmerican Society for Bone and Mineral ResearchのHistomorphometry Nomenclature Committeeの勧告(Parfittら、J.Bone Miner Res 2: 595〜610、1987年)に従っている。免疫組織学検査の場合には、骨を2%パラホルムアルデヒドのPBS溶液に固定し、EDTAで脱灰してからパラフィンに包埋した。骨切片を既報の様にしてCD31について免疫染色した。
骨組織形態計測のため、既報(Daciら、J Bone Miner Res.2000年、15: 1510〜1516)の如く骨を処理した。簡単に述べると、骨を脱灰しないままメチルメタクリレートに包埋して、タングステンカーバイド性50°ナイフを装着したロータリーミクロトーム(RM2155、Leica、Heidelberg、Germany)を使って厚さ4μmの縦方向切片に切った。切片をVon Kossa法により染色して骨のミネラル化を評価した。脛骨骨端線基部(proximal tibial metaphysis)の大部分を含む標準化域内について、Kontron Image Analyzing System (Kontron Electronic、KS 400V 3.00、Eching bei Munchen、Germany)を用いて計測した。全パラメータはAmerican Society for Bone and Mineral ResearchのHistomorphometry Nomenclature Committeeの勧告(Parfittら、J.Bone Miner Res 2: 595〜610、1987年)に従っている。免疫組織学検査の場合には、骨を2%パラホルムアルデヒドのPBS溶液に固定し、EDTAで脱灰してからパラフィンに包埋した。骨切片を既報の様にしてCD31について免疫染色した。
結果:
・脛骨骨端線基部で測定した骨梁骨容積は、野生型マウスに比べ新生PIGF欠損マウスで18%増加していた。この増加は12週齢のPIGF欠損マウスでより顕著であった(+42%;p<0.05)。
・二重カルセイン標識を用いた骨組織形態計測的検査では、12週齢のノックアウトマウスは野生型マウスに比べミネラル蓄積率(MAR、47%)および骨形成率(BFR、61%)の両方に於いて有意な減少を記録した。
・12および16週齢のPIGF−/−マウスでは血管形成の欠損は認められなかったが、骨梁骨の量は顕著に増加した。
・脛骨骨端線基部で測定した骨梁骨容積は、野生型マウスに比べ新生PIGF欠損マウスで18%増加していた。この増加は12週齢のPIGF欠損マウスでより顕著であった(+42%;p<0.05)。
・二重カルセイン標識を用いた骨組織形態計測的検査では、12週齢のノックアウトマウスは野生型マウスに比べミネラル蓄積率(MAR、47%)および骨形成率(BFR、61%)の両方に於いて有意な減少を記録した。
・12および16週齢のPIGF−/−マウスでは血管形成の欠損は認められなかったが、骨梁骨の量は顕著に増加した。
1.2 骨塩密度(BMD)および骨リモデリングの指標
骨梁骨塩密度(BMD)を末梢定量的コンピュータ断層撮影(pQCT)(XCT-960M;Nordland Medical Systems Inc.)により、既報の如く(Dacioら、上記)切り出した脛骨について測定した。4つの横断面(1つは中央骨幹部(mid-diaphysis)の皮質、そして3つは基部骨端部(proximal epiphysis)の骨梁)をスキャンし、データを200mg/cm3の閾値を用いて分析し骨を選び出し、軟組織を取り除いた。皮質および骨梁骨を「同心円状に剥がす」ことにより分離し、内核を骨梁骨と定義した。
骨梁骨塩密度(BMD)を末梢定量的コンピュータ断層撮影(pQCT)(XCT-960M;Nordland Medical Systems Inc.)により、既報の如く(Dacioら、上記)切り出した脛骨について測定した。4つの横断面(1つは中央骨幹部(mid-diaphysis)の皮質、そして3つは基部骨端部(proximal epiphysis)の骨梁)をスキャンし、データを200mg/cm3の閾値を用いて分析し骨を選び出し、軟組織を取り除いた。皮質および骨梁骨を「同心円状に剥がす」ことにより分離し、内核を骨梁骨と定義した。
結果:pQCT分析から、骨梁骨塩密度は12週齢のPIGF欠損マウスで増加していたが(+30%;p<0.05)、皮質骨パラメータへの影響は最小限であった。これらの結果は、組織形態計測のデータを確認するものであった。
1.3 生化学分析
血清オステオカルシンを既報の自家製RIA(Bouillonら、1992年 Clin.Chem 38: 2055〜2060)を用いて測定した。コラーゲン架橋物は、既報のアッセイ(Daciら、上記)により定量した。様々な年齢のPIGF−欠損マウスで測定された血清オステオカルシン濃度は、野生型マウスに比べ平均30%低下していた(p<0.05)。コラーゲン架橋物の尿中排泄は、12週齢のノックアウトマウスで26%低下した(p<0.05)。
血清オステオカルシンを既報の自家製RIA(Bouillonら、1992年 Clin.Chem 38: 2055〜2060)を用いて測定した。コラーゲン架橋物は、既報のアッセイ(Daciら、上記)により定量した。様々な年齢のPIGF−欠損マウスで測定された血清オステオカルシン濃度は、野生型マウスに比べ平均30%低下していた(p<0.05)。コラーゲン架橋物の尿中排泄は、12週齢のノックアウトマウスで26%低下した(p<0.05)。
これらのデータは、マウスでのPIGFの欠損が骨吸収の低下、低い骨の代謝回転、および骨梁骨量の増加をもたらすことを示しており、骨吸収プロセスに於けるPIGFの重要を示している。
2.骨粗鬆症モデルマウス
2.1 アポリポタンパク質−E欠損マウス
骨粗鬆症と心血管疾患との間には、年齢とは無関係に疫学的に関連することが示唆されている。この関連の基礎は分かっていない。高脂肪食を与えられたアテローム性動脈硬化−感受性マウスは、骨塩含有量および骨塩密度の低下を反映する形で骨粗鬆症を発症する(Parhamiら、J Bone Miner Res 2001、16、182〜188)。アポリポタンパク質−E欠損(ApoE-/-)マウスはDr.J.Breslow(ロックフェラー大学、ニューヨーク、USA)より得た。マウスはC57Bl/6が75%、そして129SvJ25%の混合型の遺伝子背景を有していた。マウスを4週齢時に離乳させ、一般食で1週間飼育した後、高脂肪/高コレステロール食を与えた。PIGFレセプター(VEGF−R1)の役割を研究するために、(ApoE-/-)マウスに週3回、前記VEGR1に対する抗体:MF−1を500μg、5週目より開始して5週間腹腔内注射した。(MF−1は、Imclone Systems Incorporatedにて開発されたFlt1に対するモノクローナル抗体であり、米国特許第2003/0108545にも記載されている)。結果は、高脂肪/高コレステロール食で飼育された雌雄ApoE欠損マウスは共に骨梁の含有量がそれぞれ37%(p<0.05)および12%低下し、そして骨梁の密度もそれぞれ42%(p<0.05)および15%減少することを示した。両方でのこれらのパラメータの低下は、抗VEGF−R1抗体投与によって雌マウスでは完全に、そして雄マウスでは部分的に(p<0.05)防止された。即ち高脂肪食/高コレステロール食によりアテローム性動脈硬化−感受性マウスに発症した骨粗鬆症は、VEGF−R1活性を妨害することにより(部分的に)防止できる。
2.1 アポリポタンパク質−E欠損マウス
骨粗鬆症と心血管疾患との間には、年齢とは無関係に疫学的に関連することが示唆されている。この関連の基礎は分かっていない。高脂肪食を与えられたアテローム性動脈硬化−感受性マウスは、骨塩含有量および骨塩密度の低下を反映する形で骨粗鬆症を発症する(Parhamiら、J Bone Miner Res 2001、16、182〜188)。アポリポタンパク質−E欠損(ApoE-/-)マウスはDr.J.Breslow(ロックフェラー大学、ニューヨーク、USA)より得た。マウスはC57Bl/6が75%、そして129SvJ25%の混合型の遺伝子背景を有していた。マウスを4週齢時に離乳させ、一般食で1週間飼育した後、高脂肪/高コレステロール食を与えた。PIGFレセプター(VEGF−R1)の役割を研究するために、(ApoE-/-)マウスに週3回、前記VEGR1に対する抗体:MF−1を500μg、5週目より開始して5週間腹腔内注射した。(MF−1は、Imclone Systems Incorporatedにて開発されたFlt1に対するモノクローナル抗体であり、米国特許第2003/0108545にも記載されている)。結果は、高脂肪/高コレステロール食で飼育された雌雄ApoE欠損マウスは共に骨梁の含有量がそれぞれ37%(p<0.05)および12%低下し、そして骨梁の密度もそれぞれ42%(p<0.05)および15%減少することを示した。両方でのこれらのパラメータの低下は、抗VEGF−R1抗体投与によって雌マウスでは完全に、そして雄マウスでは部分的に(p<0.05)防止された。即ち高脂肪食/高コレステロール食によりアテローム性動脈硬化−感受性マウスに発症した骨粗鬆症は、VEGF−R1活性を妨害することにより(部分的に)防止できる。
2.2 免荷誘発(unloading induced)骨損失マウスモデル
不活発な身体活動は骨粗鬆症の発症の一因である。不活動による骨損失は、骨形成の低下と血流の低下、そしてそれに伴う低酸素症の結果であるという仮説がある(Dodd、1999年、Am.J.Physiol.277:C598からC602)。身体の不活動は、「後肢免荷」モデルによりマウスに再現することができる。骨の組織形態計測および骨塩密度を前記の様にして測定した。組織形態計測から、後肢免荷により骨梁骨の容積が野生型では50%と大きく減少したのに対し、PIGF欠損マウスではほんの20%の減少に留まった(前記PIGF欠損マウスと、十分な活動を行わせたPIGF欠損マウスとを比較した時には、骨梁骨の容積の減少に有意差は認められなかった)。pQCT分析は、骨塩密度について同様の結果を示した。従ってPIGF欠損は、身体活動によって誘発される骨損失からマウスを保護する。
不活発な身体活動は骨粗鬆症の発症の一因である。不活動による骨損失は、骨形成の低下と血流の低下、そしてそれに伴う低酸素症の結果であるという仮説がある(Dodd、1999年、Am.J.Physiol.277:C598からC602)。身体の不活動は、「後肢免荷」モデルによりマウスに再現することができる。骨の組織形態計測および骨塩密度を前記の様にして測定した。組織形態計測から、後肢免荷により骨梁骨の容積が野生型では50%と大きく減少したのに対し、PIGF欠損マウスではほんの20%の減少に留まった(前記PIGF欠損マウスと、十分な活動を行わせたPIGF欠損マウスとを比較した時には、骨梁骨の容積の減少に有意差は認められなかった)。pQCT分析は、骨塩密度について同様の結果を示した。従ってPIGF欠損は、身体活動によって誘発される骨損失からマウスを保護する。
3.破骨細胞の形成および機能
3.1 破骨細胞の形成および機能のアッセイ
破骨細胞の形成を、1,25−ジヒドロキシビタミンD3で処理した初代破骨細胞と骨髄細胞との共培養を用いて研究した。簡単に述べると、6〜8週齢マウスの脛骨の骨髄腔にα−MEMをフラッシュし、細胞を遠心分離して集め、有核細胞の数をTurk液を用いて計測した。共培養実験では、初代破骨細胞を48ウエル培養プレートに2×104細胞/ウエルで接種し、24時間後に骨髄細胞を105有核細胞/ウエルの割合で加えた。ノックアウトマウスまたは野生型マウスより得た初代破骨細胞を対応する骨髄細胞と共培養した。共培養を2×10-8Mの1,25−ビタミンD3または賦形剤で1日目、3日目に処理し、6日目に停止させた。共培養期間終了時に、付着細胞をPBSで濯いでから4%ホルムアルデヒドPBS溶液で10分間固定し、エタノール−アセトン50:50(v/v)で1分間処理し、風乾し、TRAPで染色した。細胞を、ナフトールAs−MXリン酸塩およびファーストレッドバイオレットLB塩を含有する0.1M酢酸ナトリウム、pH5.0中で、10mMの酒石酸ナトリウム存在下、室温にてインキュベーションした。陽性染色され、また3個以上の核を含有する細胞の数または大きさを求めた。抗VEGF−R1抗体(MF−1)を250μg/ml/48時間加えた。
3.1 破骨細胞の形成および機能のアッセイ
破骨細胞の形成を、1,25−ジヒドロキシビタミンD3で処理した初代破骨細胞と骨髄細胞との共培養を用いて研究した。簡単に述べると、6〜8週齢マウスの脛骨の骨髄腔にα−MEMをフラッシュし、細胞を遠心分離して集め、有核細胞の数をTurk液を用いて計測した。共培養実験では、初代破骨細胞を48ウエル培養プレートに2×104細胞/ウエルで接種し、24時間後に骨髄細胞を105有核細胞/ウエルの割合で加えた。ノックアウトマウスまたは野生型マウスより得た初代破骨細胞を対応する骨髄細胞と共培養した。共培養を2×10-8Mの1,25−ビタミンD3または賦形剤で1日目、3日目に処理し、6日目に停止させた。共培養期間終了時に、付着細胞をPBSで濯いでから4%ホルムアルデヒドPBS溶液で10分間固定し、エタノール−アセトン50:50(v/v)で1分間処理し、風乾し、TRAPで染色した。細胞を、ナフトールAs−MXリン酸塩およびファーストレッドバイオレットLB塩を含有する0.1M酢酸ナトリウム、pH5.0中で、10mMの酒石酸ナトリウム存在下、室温にてインキュベーションした。陽性染色され、また3個以上の核を含有する細胞の数または大きさを求めた。抗VEGF−R1抗体(MF−1)を250μg/ml/48時間加えた。
破骨細胞吸収活性を測定するために、in vitroにて形成したPIGF欠損および野生型破骨細胞を、48時間象牙質スライスの上で培養し、吸収面を破骨細胞数について補正した。破骨細胞の移動に及ぼすPIGFの役割を探るために、コラーゲンゲルでコーティングしたメンブレンを持つカルチャーインサートの上部チャンバー内でPIGF欠損型および野生型破骨細胞を培養し、それら細胞の下部チャンバーへの移動について調べた。破骨細胞の生存率は、in vitro形成した成熟破骨細胞を72時間培養する間、様々な時点における全破骨細胞数を計測することにより調べた。
結果:
PIGF欠損マウスの骨髄−破骨細胞共培養で形成された破骨細胞の総数は、野生型細胞の共培養と比較して10%減少していた(p<0.05)。大型破骨細胞のみ計測した場合には、PIGF欠損共培養でのその数は野生型共培養に比べて50%少なかった。さらに、5個より多い数の核を持つ破骨細胞の割合は、顕著に減少していた。PIGFが破骨細胞前駆細胞に直接作用することにより破骨細胞の形成に関係していることは、ノックアウトマウスおよび野生型マウスに由来し、M−CSF(マクロファージコロニー刺激因子)およびRANKL(NF−カッパBのレセプター活性化因子)で処理された非接着性骨髄細胞培養での破骨細胞の研究からも実証されている。ノックアウトマウス由来の細胞を培養した時に形成される破骨細胞の数は、野生型の培養に比べて顕著に少なかった(42±4、n=4対423±15、n=4、p<0.001)。
PIGF欠損マウスの骨髄−破骨細胞共培養で形成された破骨細胞の総数は、野生型細胞の共培養と比較して10%減少していた(p<0.05)。大型破骨細胞のみ計測した場合には、PIGF欠損共培養でのその数は野生型共培養に比べて50%少なかった。さらに、5個より多い数の核を持つ破骨細胞の割合は、顕著に減少していた。PIGFが破骨細胞前駆細胞に直接作用することにより破骨細胞の形成に関係していることは、ノックアウトマウスおよび野生型マウスに由来し、M−CSF(マクロファージコロニー刺激因子)およびRANKL(NF−カッパBのレセプター活性化因子)で処理された非接着性骨髄細胞培養での破骨細胞の研究からも実証されている。ノックアウトマウス由来の細胞を培養した時に形成される破骨細胞の数は、野生型の培養に比べて顕著に少なかった(42±4、n=4対423±15、n=4、p<0.001)。
野生型の骨髄−破骨細胞共培養で形成された破骨細胞の大きさ:(1)抗VEGF−R1抗体非存在時:14260μm2、および(2)抗VEGF−R1抗体(MF−1)存在時:コントロールの70±2%に低下;N−3;P<0.05。
ノックアウトマウスまたは野生型マウスに由来する破骨細胞は同様に象牙質を吸収し、両遺伝子型間に差は認められなかった。コラーゲンマトリックスへ移動して浸潤する能力についてPIGF欠損型と野生型の破骨細胞の間に差は認められなかった(それぞれ、12.3±2.4%、n=3対13.9±1.7%、n=3)。48時間の時点、および調べた他のいずれの時点(24時間および72時間)においても、生存率についてPIGF-/-と野生型の破骨細胞の間に差は認められなかった(それぞれ、71±7%、n=3対70±2%、n=3)。破骨細胞形成、特に破骨細胞前駆細胞の大型多核TRAP陽性細胞への成熟はPIGFの影響を受け、VEGF−R1に対する抗体を作用させてそのシグナル伝達を不完全なものにするかまたは遮断すると破骨細胞の大きさ(および数)は減少した。さらに、in vitroのデータは、成熟破骨細胞の活動がPIGF欠損の影響を受けないことも示している。
4.ex vivoでの骨吸収アッセイ
破骨細胞形成へのPIGFの影響を確認するために、PIGFシグナル伝達存在下または非存在下、即ち抗VEGFR−1抗体を伴わないおよび伴うex vivoの骨吸収を評価した。培養脛骨からの45Ca放出量を、既報に従い(Engsigら; 2000年 J Cell Biol 151、87、879〜889)測定した。簡単に述べると、1日目に妊娠した雌(性交後16日)に45Caを100μCi皮下注射した。24時間後、脛骨を取り出しアスコルビン酸、グルタミン酸およびアルブミンを補充した培地で培養した。右脛骨をMF−1処理(250μg/ml/48時間)し、左脛骨はコントロールとして用いた。培地を毎日交換し、そして培養4日目に培地上清に放出された放射活性量および骨に残った放射活性量を決定した。胚長骨の器官培養でのCa−放出がPIGF欠損外植体で顕著に低下することが分かった。抗BEGFR−1抗体(250μg/ml)であるMF−1の添加は、破骨細胞介在の45Ca放出をin vitroで〜40%(上清の全放射活性の%:IgG点添加後7.3±0.5対MF−1添加後4.4±0.3;N=8;P=0.0005)に下げた。即ち、Flt−1に対する抗体の投与によるPIGFシグナル伝達の阻害は、破骨細胞の骨吸収を明瞭に下げることが分かる。
破骨細胞形成へのPIGFの影響を確認するために、PIGFシグナル伝達存在下または非存在下、即ち抗VEGFR−1抗体を伴わないおよび伴うex vivoの骨吸収を評価した。培養脛骨からの45Ca放出量を、既報に従い(Engsigら; 2000年 J Cell Biol 151、87、879〜889)測定した。簡単に述べると、1日目に妊娠した雌(性交後16日)に45Caを100μCi皮下注射した。24時間後、脛骨を取り出しアスコルビン酸、グルタミン酸およびアルブミンを補充した培地で培養した。右脛骨をMF−1処理(250μg/ml/48時間)し、左脛骨はコントロールとして用いた。培地を毎日交換し、そして培養4日目に培地上清に放出された放射活性量および骨に残った放射活性量を決定した。胚長骨の器官培養でのCa−放出がPIGF欠損外植体で顕著に低下することが分かった。抗BEGFR−1抗体(250μg/ml)であるMF−1の添加は、破骨細胞介在の45Ca放出をin vitroで〜40%(上清の全放射活性の%:IgG点添加後7.3±0.5対MF−1添加後4.4±0.3;N=8;P=0.0005)に下げた。即ち、Flt−1に対する抗体の投与によるPIGFシグナル伝達の阻害は、破骨細胞の骨吸収を明瞭に下げることが分かる。
5.破骨細胞形成および分化
データはPIGFが破骨細胞の形成に影響することを示したが、PIGFの骨芽細胞形成および分化への影響は排除されていない。それ故、我々は、PIGF欠損マウスおよび野生型マウスに由来する間葉幹細胞の培養における、骨形成細胞の増殖、分化およびミネラリゼーションを研究した。間葉細胞の培養を全コロニー、ALPおよびマトリックスミネラリゼーションについて細胞化学染色したところ、骨形成細胞の増殖および分化はPIGF欠損マウスと野生型マウスとで同様に進行することが示され、PIGF欠損が破骨細胞の機能に影響しないことが示された。PIGF欠損マウスについてin vivoで見られた骨形成パラメータの低下は、殆どが低い骨の代謝回転率によるものと思われる。
データはPIGFが破骨細胞の形成に影響することを示したが、PIGFの骨芽細胞形成および分化への影響は排除されていない。それ故、我々は、PIGF欠損マウスおよび野生型マウスに由来する間葉幹細胞の培養における、骨形成細胞の増殖、分化およびミネラリゼーションを研究した。間葉細胞の培養を全コロニー、ALPおよびマトリックスミネラリゼーションについて細胞化学染色したところ、骨形成細胞の増殖および分化はPIGF欠損マウスと野生型マウスとで同様に進行することが示され、PIGF欠損が破骨細胞の機能に影響しないことが示された。PIGF欠損マウスについてin vivoで見られた骨形成パラメータの低下は、殆どが低い骨の代謝回転率によるものと思われる。
Claims (4)
- 骨吸収障害を処置する医薬を製造するためのVEGFR−1に対する抗体の使用であって、前記抗体がVEGFR−1のシグナル伝達を阻害できる使用。
- 前記骨吸収障害の処置が骨吸収の抑制である、請求項1に記載の抗体の使用。
- 前記骨吸収が骨粗鬆症である、請求項1または2に記載の使用。
- Flt−1に対する前記抗体がモノクローナル抗体MF−1またはそのヒト化型である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
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